JP3413459B2 - ドラムブレーキ装置 - Google Patents

ドラムブレーキ装置

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JP3413459B2
JP3413459B2 JP22043696A JP22043696A JP3413459B2 JP 3413459 B2 JP3413459 B2 JP 3413459B2 JP 22043696 A JP22043696 A JP 22043696A JP 22043696 A JP22043696 A JP 22043696A JP 3413459 B2 JP3413459 B2 JP 3413459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自己サーボ機能を有
するドラムブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、制動性能及びその安定性が比較的
優れたドラムブレーキ装置としては、車軸の対称位置に
二つのシュー拡張装置(例えばホイールシリンダ)を具
備するツーリーディング形(2L形)やデュアル・ツー
リーディング形(D2L形)が知られている。
【0003】従来の2L形やD2L形のドラムブレーキ
装置にあっては、つぎのような問題点がある。<イ>レ
イアウト上の制約及び構造の複雑化等からパーキングブ
レーキ装置の内蔵が困難である。そのため別途にトラン
スミッションブレーキ装置を設けて対応しているが、車
両が重量化する上にコスト高となる。<ロ>ブレーキド
ラムとブレーキシューの間隙を自動的に調整するシュー
間隙自動調整機構については、二つのシュー拡張装置を
備えているから一つの形態での設計が困難である。<ハ
>二つのシュー拡張装置を備えるため、配管が面倒であ
る上にコスト高となる。また、一つのシュー拡張装置で
ツーリーディング形と同等の制動作用を行わせるドラム
ブレーキ装置が実公昭50−38704号公報に開示さ
れている。この装置は、対向するブレーキシューの一方
隣接端間にシュー拡張装置を配設すると共に、他方隣接
端間にバックプレートと協働して機能するクランク機構
を配設してなる。この形式のドラムブレーキ装置には次
のような改良すべき点がある。 (a)シュー間隙自動調整装置をシュー拡張装置に付設
するとコスト高になる上に、ブレーキシューのシュー拡
張装置側はライニングの摩耗につれて離隔し、かつ該装
置にはブレーキシューの制動力を支承するアンカーが付
設されているから、パーキングブレーキ装置を内蔵する
ことが難しい。 (b)非制動時においてクランク機構が中立状態を維持
するために、てこ部材にばねを張設している。シュー隙
間調整時、クランク機構がバックプレートに2点支持さ
れなくなり、クランク機構に作用するばね力が不均衡に
なり易い。ばね力の均衡が崩れるとクランク機構にばね
力が偏寄して作用するため、ブレーキシューに引摺りを
生じる。 (c)クランク機構の構成部品点数が多いうえに、回転
部の数や制動力の支持点数が多いため、コスト高にな
る。 (d)クランク機構を狭いスペースに配設する設計レイ
アウトが非常に困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みて成されたもので、その目的とするところは、サービ
スブレーキにより作動するシュー拡張装置が一つであり
ながら、デュアル・ツーリーディング形(D2L形)の
安定した制動力が得らるドラムブレーキ装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、バックプレート上に対向するブレーキシュー
を可動的に装架し、夫々のブレーキシューの一方隣接端
間にアンカーを配設すると共に、他方隣接端間にシュー
間隙調整装置を配設してバックプレートに固定し、前記
アンカーの近傍にサービスブレーキにより作動する第1
のシュー拡張装置を配設し、夫々のブレーキシューの中
間部に回転可能に枢支したリンクの一方を第1のシュー
拡張装置に作動的に係合すると共に、他方をシュー間隙
調整装置に係合し、リンクへ伝えた第1のシュー拡張装
置の作動力を前記枢支部を介してブレーキシューへ夫々
伝達し、ブレーキドラムが一方向に回転したとき、一方
のブレーキシューをシュー間隙調整装置で支承し、他方
のブレーキシューをアンカーで支承するように構成した
ことを特徴とする、ドラムブレーキ装置である。請求項
に係る発明は、前記請求項1に記載のドラムブレーキ
装置において、前記ブレーキシューの一方隣接端とアン
カーとの当接部を略同一の曲率半径で凹凸係合せしめた
ことを特徴とする、ドラムブレーキ装置である。請求項
に係る発明は、前記請求項1又は請求項に記載のド
ラムブレーキ装置において、パーキングブレーキにより
作動する第2のシュー拡張装置を前記リンクの一方隣接
端が拡開可能に具備せしめたことを特徴とする、ドラム
ブレーキ装置である。請求項に係る発明は、前記請求
項1〜請求項に記載したいずれかのドラムブレーキ装
置において、前記ブレーキシューの拡開量を感知して自
動的に調整するシュー間隙自動調整装置を具備せしめた
ことを特徴とする、ドラムブレーキ装置である。請求項
に係る発明は、前記請求項1〜請求項に記載したい
ずれかのドラムブレーキ装置において、前記ブレーキシ
ュー又は前記リンクの中間部のいずれか一方に突起を一
体に形成し、前記突起を他方に穿設した孔に回転可能に
枢支せしめたことを特徴とする、ドラムブレーキ装置で
ある。請求項に係る発明は、前記請求項に記載のド
ラムブレーキ装置において、前記突起を中空として該中
空突起内にシューホールドピンを遊嵌貫通せしめてなる
ことを特徴とする、ドラムブレーキ装置である。
【0006】
【発明の実施の形態1】以下、図1〜図5に基づいて本
発明の実施の形態について説明する。
【0007】〈イ〉装置全体の概略 図1はバックプレート1に左右一対のブレーキシュー
2,2を可動的に装架したドラムブレーキ装置の正面図
で、バックプレート1の上部にはアンカー9,9付きの
ホイールシリンダ13が配設され、その下部にはシュー
間隙調整装置10が配設されている。またドラムブレー
キ装置は、ホイールシリンダ13の作動力を両ブレーキ
シュー2,2に伝達するための一対のリンク11,11
を具備している。本発明に係るドラムブレーキ装置は後
述する第2のシュー拡張装置であるフォワードプル形の
パーキングブレーキを除いて、他は図面上においてほぼ
左右同一構造であるから、図面の左半の配設構造につい
て説明し、右半の配設構造の説明を省略する。尚、説明
の便宜上「左右」や「上下」の用語を使用するが、ドラ
ムブレーキ装置の向きが図示した方向に限定されるもの
でないことは勿論である。以下、各部の詳細について説
明する。
【0008】〈ロ〉ブレーキシュー ブレーキシュー2は、シューリム3とシューウェブ4を
断面T字状に接合し、シューリム3の外周にライニング
5を固着して構成されている。そして、公知のU形を呈
する板ばね6とシューホールドピン7から成るシューホ
ールド機構8で以てシューリム3の一側面がバックプレ
ート1上に弾力的に保持されている。ブレーキシュー2
の一方4aはアンカー9に当接すると共に、その他方4
bがシュー間隙調整装置10のスリーブ16に係合して
いる。ブレーキシュー2の一方4aとアンカー9との当
接部は略同一の曲率半径で凹凸係合しており、望ましく
はアンカー9の曲率半径を僅かに大きく設定する。また
ブレーキシュー2とアンカー9との凹凸形状を逆にした
場合には、ブレーキシュー2の曲率半径を僅かに大きく
設定する。
【0009】〈ハ〉リンク ブレーキシュー2のシューウェブ4の裏面にリンク11
が配設され、リンク11の一方11aが第1のシュー拡
張装置であるホイールシリンダ13のピストン13aに
作動的に係合するとともに、他方11bがシュー間隙調
整装置10のスリーブ16に係合している。リンク11
の中間部はシューウェブ4と共に貫通させたフランジ付
スリーブ12で以て回転可能に軸支されている。フラン
ジ付スリーブ12は図3に示すようにシューホールド機
構8によって保持されている。
【0010】〈ニ〉シュー間隙調整装置 シュー間隙調整装置10は、図示しないブレーキドラム
とライニング5との隙間を調整するもので、バックプレ
ート1に固着されたボディ14と、ボディ14に螺着し
た左右一対のアジャストボルト15,15と、アジャス
トボルト15,15の端部に回転自由に嵌装したスリー
ブ16,16とからなり、これにアジャストレバー1
7,17とストッパピン18,18及びアジャストスプ
リング19を加えて自動間隙調整機構を構成している。
シュー間隙調整装置10は左右のアジャストボルト1
5,15のねじ山が相互に逆ねじに形成されている。
【0011】図4はシュー間隙調整装置10の左半の拡
大図を示すもので、アジャストボルト15は中間部に調
整用歯輪15aを一体に形成していると共に、そのねじ
部15bがボディ14のめねじ14aに螺合し、他端の
軸部15cがスリーブ16の盲穴に回転可能に嵌合して
いる。また、スリーブ16の切欠溝16aがシューウェ
ブ4の他方4bとリンク11の他方11bとアジャスト
レバー17とに係合している。アジャストレバー17
は、一方の腕17aがシューウェブ4に固定したストッ
パピン18に回転可能に枢支され、アジャストスプリン
グ19の付勢力によりその中間部がスリーブ16の切欠
溝16aに当接せしめられるとともに、他方の腕17b
が調整用歯輪15aに係合している。シュー間隙調整装
置10は、プレス部品と引張りコイルスプリングとで構
成されているからコスト安であり、しかもブレーキシュ
ー2上に配設するものであるからそのレイアウトが容易
である。
【0012】〈ホ〉シューリターンスプリング 図1においてホイールシリンダ13に近いブレーキシュ
ー2,2間には、第1のシューリターンスプリング20
が張設され、またシュー間隙調整装置10に近いブレー
キシュー2,2間には、第2のシューリターンスプリン
グ21が張設されている。これら第1及び第2のシュー
リターンスプリング20,21のばね力は、ブレーキシ
ュー2,2にモーメント差を生じるように、例えば第2
のシューリターンスプリング21のばね力が第1のシュ
ーリターンスプリング20より小さく設定されている。
【0013】〈ヘ〉シューに作用する設定モーメント差 図5を基にブレーキシュー2に作用するモーメント差の
設定について説明する。 このモーメント差についても
左右の両ブレーキシュー2,2は同一に設定される。第
1のシューリターンスプリング20の取付荷重をF1、
第2のシューリターンスプリング21の取付荷重をF
2、ブレーキシュー2のリンク11との枢支点(フラン
ジ付スリーブ12)から第1のシューリターンスプリン
グ20までの距離をL1、ブレーキシュー2のリンク1
1との枢支点(フランジ付スリーブ12)から第2のシ
ューリターンスプリング21までの距離をL2とする
と、各ブレーキシュー2,2に作用するモーメントはF
1×L1>F2×L2の関係が成り立つように設定され
ている。
【0014】〈ト〉パーキングブレーキ 図1を基に第2のシュー拡張装置であるフォワードプル
形のパーキングブレーキについて説明する。ブレーキレ
バー22は図面右側のリンク11の裏側に沿って配設さ
れ、その基端部22aがピン23で以て回転可能に枢支
され、この近傍の中間部位22bがリンク11と共にス
トラット24の右端に係合している。ブレーキレバー2
2の自由端部22cに折曲形成されたU溝に掛止させた
図示しないコントロールケーブルの牽引操作によってブ
レーキレバー22を揺動できるようになっている。
【0015】〈チ〉ストラット ストラット24は板状で両端に切欠を有し、図面左方の
リンク11と、図面右方のリンク11及びブレーキレバ
ー22との間に架け渡されている。またストラット24
の振動を抑制するため、ストラット24の一方にアンチ
ラトルスプリング25が装着されている。
【0016】このような構成をとることにより、サービ
スブレーキにより作動する第1のシュー拡張装置、パー
キングブレーキにより作動する第2のシュー拡張装置、
シュー間隙自動調整装置などを容易に組み込むことがで
きる。
【0017】
【作用】
〈イ〉サービスブレーキ時の作動 ブレーキペダルを踏むと、ホイールシリンダ13のピス
トン13a、13aがリンク11、11を押圧し、以下
の作用で左右一対のブレーキシュー2、2が拡開する。
尚、左右のブレーキシュー2、2の拡開作用は同一であ
るから、図面左方のブレーキシュー2の拡開作用を中心
に説明する。
【0018】ホイールシリンダ13のピストン13aが
リンク11の一方11aを押圧すると、リンク11はそ
の他方11bのシュー間隙調整装置10との当接点を支
点に拡開してフランジ付スリーブ12を介してブレーキ
シュー2を押圧する。
【0019】そのとき、ブレーキシュー2には第1及び
第2のシューリターンスプリング20,21によるモー
メント差が作用しているため、ブレーキシューの一方4
a側のアンカー9との当接点を支点に他方4b側が拡開
し、そのライニング5が回転しているブレーキドラム
(図示せず)に摩擦係合してこれを制動する。上述から
明らかな如く、ブレーキシュー2に作用する作用力は、
図5に示すようにフランジ付スリーブ12で枢支された
リンク11の枢支点からリンク11の一方11a側の作
用点までの距離L3と支承点までの距離L4との比、す
なわちリンク11のてこ比(L3+L4)/L4により
簡単に変え得る。
【0020】図1において、ブレーキドラム(図示せ
ず)が矢印A方向に回転している場合には、図面左方の
ブレーキシュー2の他方4bがシュー間隙調整装置10
に支承され自己サーボ性を有するリーディングシューと
して作用し、また図面右方のブレーキシュー2もその一
方4aがアンカー9に支承され自己サーボ性を有するリ
ーディングシューとして作用する。このように左右一対
のブレーキシュー2,2はツーリーディングの制動作用
を成す。
【0021】また、ブレーキドラムが矢印B方向に回転
している場合は、図面右方のブレーキシュー2の他方4
bがシュー間隙調整装置10に支承され自己サーボ性を
有するリーディングシューとして作用し、また図面左方
のブレーキシ2の一方4aがアンカー9に支承され自己
サーボ性を有するリーディングシューとして作用し、左
右一対のブレーキシュー2,2が、上記と同様にツーリ
ーディングの制動作用を成す。このように、サービスブ
レーキにより作動する第1のシュー拡張装置であるホイ
ールシリンダ13が一つでありながら、車両の前進と後
進共に、自己サーボ性を有するリーディングシューとし
て作用するデュアル・ツーリーディング形(D2L形)
の安定した制動力が得られる。
【0022】〈ロ〉間隙自動調整作用 図1の各アジャストレバー17,17の中間部はアジャ
ストスプリング19の付勢力によりスリーブ16に押圧
されている。前述したようにサービスブレーキの作動に
より左右ブレーキシュー2,2と共に各ストッパピン1
8、18が一緒に移動する。そのため、図面左方のアジ
ャストレバー17がストッパピン18を中心に反時計方
向に回転すると共に、図面右方のアジャストレバー17
が時計方向に回転する。
【0023】図4において、ライニング5が摩耗してア
ジャストレバー17の他方の腕17bの回転量が調整用
歯輪15aの歯間ピッチを超えると、アジャストボルト
15がボディ14から螺出する方向に回転せしめられ、
ブレーキドラム(図示せず)とライニング5との隙間が
常に一定に保つように自動的に調整される。
【0024】図1において、更にホイールシリンダー1
3が加圧されると、ピストン13a、13aがリンク1
1、11の一方11a、11aを押圧する力が増大して
シュー間隙調整装置10へ与えるスラスト力が増加す
る。シュー間隙調整装置10のスラスト力が増大する
と、アジャストボルト15のねじ部の面圧が大きくなっ
て調整用歯輪15a、15aを回転するためのトルクが
急増するが、このときにおいては、アジャストスプリン
グ19が伸長してストッパーピン18、18とアジャス
トレバー17、17の一方の腕17a、17aとが自由
状態になるので、間隙自動調整機構を構成する部品を損
傷することがない。
【0025】〈ハ〉パーキングブレーキの作動 例えば、車室内のハンドブレーキレバーを操作すると、
コントロールケーブル(図示せず)が索引され、ブレー
キレバー22がその基端部22aのピン23との枢支点
を支点に時計方向に回転せしめられ、ストラット24を
介して図面左方のリンク11を押圧する。
【0026】リンク11はその他方11bのシュー間隙
調整装置10との当接点を支点に反時計方向に回転し、
フランジ付スリーブ12を介して図面左方のブレーキシ
ュー2を押圧する。そのとき、ブレーキシュー2に第1
及び第2のシューリターンスプリング20,21による
モーメント差が作用しているため、アンカー9との当接
点を支点に図面左方のブレーキシュー2が時計方向に回
転し、そのライニング5がブレーキドラムに摩擦係合す
る。
【0027】引き続きコントロールケーブルが索引され
ると、ストラット24との当接点を支点としてブレーキ
レバー22に時計方向の作用力が発生し、この作用力は
ピン23を介して図面右方のリンク11に伝わる。リン
ク11はシュー間隙調整装置10との当接点を支点に回
転し、フランジ付スリーブ12を介して図面右方のブレ
ーキシュー2を押圧する。そのとき、図面右方のブレー
キシュー2にも第1及び第2のシューリターンスプリン
グ20,21によるモーメント差が作用しているため、
図面右方のブレーキシュー2がアンカー9との当接点を
支点に反時計方向に回転し、ブレーキドラムと摩擦係合
する。
【0028】
【発明の実施の形態2】以下に本発明に係る他の実施の
形態についていくつか示すが、機能的に見て既述した実
施の形態1と同一の部位は同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0029】前述した発明の実施の形態1は、各ブレー
キシュー2,2の一方4a,4aをブレーキ中心に対し
てホイールシリンダ13の外方で支承する場合について
説明したが、図6に示すようにホイールシリンダ13の
内方で支承するようにしてもよい。すなわち、ブレーキ
中心に対しホイールシリンダ13の内方のシリンダボデ
ィ13bに設けた孔13cの両側にアンカー9,9が夫
々固着され、これらの各アンカー9,9に各ブレーキシ
ュー2,2の一方4a,4aが支承される構造である。
尚、各ブレーキシュー2,2に作用するモーメントに差
を設けることや、各リンク11,11のてこ比の関係は
前述した実施の形態1と同様である。
【0030】また、第2のシュー拡張装置であるパーキ
ングブレーキとして、図6,7に示すクロスプル形を適
用しても良い。すなわち、ストラット24の左端が図面
左方のリンク11に係合していると共に、ストラット2
4の右端がL字形のブレーキレバー22を介して図面右
方のリンク11に係合している。バックプレート1を貫
通して配置されたブレーキレバー22の基端部22aが
ピン23を介してストラット24の右端に枢支され、ブ
レーキレバー22の係合腕22dが図面右方のリンク1
1の一方11a側に穿設した矩形穴11cに挿通して係
合している。そしてバックプレート1の外側のブレーキ
レバー22の自由端部22cに連結したコントロールケ
ーブルを牽引操作することで、ストラット24との枢支
点(ピン23)を支点に図面右方のリンク11が右動
し、このリンク11に枢支された図面右方のブレーキシ
ュー2が拡開すると共に、ストラット24を介して図面
左方のリンク11に枢支されたブレーキシュー2が拡開
する。尚、符号26はブレーキレバー22の戻り位置を
規制するレバーストッパである。
【0031】
【発明の実施の形態3】図8は他のシュー間隙自動調整
機構を適用した他の実施の形態を示す。本実施の形態に
あっては、ねじ部15bに同一方向のおねじを刻設した
共通のアジャストボルト15,15を使用すると共に、
左右のアジャストレバー17,17の向きを逆向きに配
設している。左右のアジャストレバー17,17の向き
を逆向きにする関係から、各アジャストレバー17,1
7とボディ14との間にアジャストスプリング19,1
9が個別に張設されている。本実施の形態にあっては、
アジャストボルト15,15の共通化が図れるだけでな
く、ボディ14のめねじ14aの加工を簡略化できる。
【0032】
【発明の実施の形態4】図6,9にブレーキシュー2と
リンク11の他の枢支手段を示す。本実施の形態は、シ
ューウェブ4の中間部をバーリング加工して一体に形成
した筒状の突起12aをリンク11の孔11dに貫挿さ
せて回転自在に枢支している。また、リンク11の中間
部をバーリング加工して突起12aを一体に形成しても
よい。要は、ブレーキシュー2のシューウェブ4又はリ
ンク11の一方に枢支部を構成するための突起を形成
し、この突起を介してリンク11をブレーキシュー2に
回転自在に枢支できれば良い。
【0033】
【発明の実施の形態5】本発明は既述した実施の形態1
〜4に限定されるものではなく、例えばブレーキシュー
2の一方4aとアンカー9とのピボット係合をブレーキ
シユー2の他方4bとスリーブ16との当接面に設ける
ようにしてもよく、車両走向中の振動によるブレーキシ
ュー2の上下動抑制は同等の効果が得られる。また一般
的にリヤブレーキで用いられるパーキングブレーキ内蔵
の実施の形態について説明してきたが、パーキングブレ
ーキ部品を除いてやればフロントブレーキにも適用でき
る等、幾多の変更が可能である。また、車両に対してホ
イールシリンダを上方に、ブレーキレバーの自由端部を
下方に配置してやれば、公知のリーディング・トレーリ
ング形ドラムブレーキと同じ配置になるから、ブレーキ
パイプやコントロールケーブルのレイアウトが容易とな
る。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、バックプ
レート上に対向するブレーキシューを可動的に装架し、
夫々のブレーキシューの一方隣接端間にアンカーを配設
すると共に、他方隣接端間にシュー間隙調整装置を配設
してバックプレートに固定し、前記アンカーの近傍にサ
ービスブレーキにより作動する第1のシュー拡張装置を
配設し、夫々のブレーキシューの中間部に回転可能に枢
支したリンクの一方を第1のシュー拡張装置に作動的に
係合すると共に、他方をシュー間隙調整装置に係合し、
リンクへ伝えた第1のシュー拡張装置の作動力を前記枢
支部を介してブレーキシューへ夫々伝達し、ブレーキド
ラムが一方向に回転したとき、一方のブレーキシューを
シュー間隙調整装置で支承し、他方のブレーキシューを
アンカーで支承するように構成したことから、サービス
ブレーキにより作動するシュー拡張装置が一つでありな
がら、デュアル・ツーリーディング形(D2L形)の安
定した制動力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るドラムブレーキ装
置の正面図
【図2】図1におけるアンカー部の拡大図
【図3】図1におけるIII −III の断面図
【図4】シュー間隙自動調整機構の説明図
【図5】ブレーキシューに作用するモーメト及びリンク
のてこ比の説明図
【図6】本発明の実施の形態2に係るドラムブレーキ装
置の一部を省略した正面図
【図7】図6におけるVII −VII の断面図
【図8】本発明の実施の形態3に係るドラムブレーキ装
置の一部を省略した正面図
【図9】図6におけるIX−IXの断面図
【符号の説明】
1・・・・・・・バックプレート 2,2・・・・・ブレーキシュー 3・・・・・・・シューリム 4・・・・・・・シューウェブ 4a・・・・・・シューウェブの一方 4b・・・・・・シューウェブの他方 5・・・・・・・ライニング 6・・・・・・・板ばね 7・・・・・・・シューホールドピン 8,8・・・・・シューホールド機構 9,9・・・・・アンカー 10・・・・・・シュー間隙調整装置 11,11・・・リンク 11a・・・・・リンクの一方 11b・・・・・リンクの他方 11c・・・・・リンクの矩形穴 11d・・・・・リンクの孔 12・・・・・・フランジ付スリーブ 12a・・・・・突起 13・・・・・・第1のシュー拡張装置であるホイール
シリンダ 13a,13a・ホイールシリンダのピストン 14・・・・・・ボディ 14a・・・・・ボディのめねじ 15・・・・・・アジャストボルト 15a・・・・・アジャストボルトの調整用歯輪 15b・・・・・アジャストボルトの一方のねじ軸部 15c・・・・・アジャストボルトの他方の軸部 16・・・・・・スリーブ 16a・・・・・スリーブの切欠溝 17,17・・・アジャストレバー 17a・・・・・アジャストレバーの一方の腕 17b・・・・・アジャストレバーの他方の腕 18・・・・・・ストッパピン 19・・・・・・アジャストスプリング 20・・・・・・第1のシューリターンスプリング 21・・・・・・第2のシューリターンスプリング 22・・・・・・ブレーキレバー 22a・・・・・ブレーキレバーの基端部 22b・・・・・ブレーキレバーの中間部位 22c・・・・・ブレーキレバーの自由端部 22d・・・・・ブレーキレバーの係合腕 23・・・・・・ピン 24・・・・・・ストラット 25・・・・・・アンチラトルスプリング 26・・・・・・レバーストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 65/56

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バックプレート上に対向するブレーキシ
    ューを可動的に装架し、 夫々のブレーキシューの一方隣接端間にアンカーを配設
    すると共に、他方隣接端間にシュー間隙調整装置を配設
    てバックプレートに固定し、 前記アンカーの近傍にサービスブレーキにより作動する
    第1のシュー拡張装置を配設し、 夫々のブレーキシューの中間部に回転可能に枢支したリ
    ンクの一方を第1のシュー拡張装置に作動的に係合する
    と共に、他方をシュー間隙調整装置に係合し、リンクへ
    伝えた第1のシュー拡張装置の作動力を前記枢支部を介
    してブレーキシューへ夫々伝達し、ブレーキドラムが一
    方向に回転したとき、一方のブレーキシューをシュー間
    隙調整装置で支承し、他方のブレーキシューをアンカー
    で支承するように構成したことを特徴とする、 ドラムブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のドラムブレーキ装置に
    おいて、前記ブレーキシューの一方隣接端とアンカーと
    の当接部を略同一の曲率半径で凹凸係合せしめたことを
    特徴とする、ドラムブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項に記載のドラムブ
    レーキ装置において、パーキングブレーキにより作動す
    る第2のシュー拡張装置を前記リンクの一方隣接端が拡
    開可能に具備せしめたことを特徴とする、ドラムブレー
    キ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項に記載したいずれか
    のドラムブレーキ装置において、前記ブレーキシューの
    拡開量を感知して自動的に調整するシュー間隙自動調整
    装置を具備せしめたことを特徴とする、ドラムブレーキ
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項に記載したいずれか
    のドラムブレーキ装置において、前記ブレーキシュー又
    は前記リンクの中間部のいずれか一方に突起を一体に形
    成し、前記突起を他方に穿設した孔に回転可能に枢支せ
    しめたことを特徴とする、ドラムブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 請求項に記載ドラムブレーキ装置に
    おいて、前記突起を中空として該中空突起内にシューホ
    ールドピンを遊嵌貫通せしめてなることを特徴とする、
    ドラムブレーキ装置。
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