JP3412842B2 - 金属捕集剤及びその製造方法 - Google Patents
金属捕集剤及びその製造方法Info
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Description
方法に関する。
の金属、特に人体に有害な水銀、カドミウム、亜鉛、
鉛、銅、クロム等の重金属に対しては厳しい規制が設け
られている。これまで廃水等に含まれる金属を除去する
ために、種々の方法が検討され採用されてきた。
のアルカリ中和剤を投入して廃水中の金属を水酸化物と
した後、高分子凝集剤によって凝集沈澱させる中和凝集
沈澱法がこれまで廃水処理に広く利用されていた。
酸化物のスラッジが発生し、また廃水中の金属を国が制
定した基準値以下まで除去することは極めて困難であっ
た。また上記金属水酸化物のスラッジは、脱水性が悪
く、スラッジ容積が大きいためスラッジ処理時(運搬時
等)の作業性が悪い問題があった。更にスラッジの廃棄
の仕方によっては、金属が河川、海水中に再溶解して二
次公害を生じる等の問題もあった。
法、イオン交換法、電解浮上法、電気透析法、吸着法、
逆浸透圧法等による処理も知られているが、金属の除去
率、操作性及びランニングコスト等の面から、一部特殊
な廃水処理のみにしか利用されていなかったのが実情で
ある。
金属捕集剤によって金属を捕集除去する方法が採用され
るようになっており、本出願人はポリアルキレンポリア
ミンやポリエチレンイミンの窒素原子に、少なくとも1
個のジチオ酸基を官能基として結合せしめた構造の金属
捕集剤やこれらを用いた廃水等の処理方法を種々提案し
ている(例えば、特開昭60−17128号、特開昭6
2−81478号等)。
他の金属捕集剤を用いた方法に比べ、金属を捕集して形
成したフロックの沈降速度が速く、金属捕集剤を添加し
てからフロックを分離除去するまでの工程を短時間で行
えるため、効率良い廃水処理を行うことができる利点を
有する。しかしながら、実際の廃水処理においていはフ
ロックの分離効率の向上を図り、且つフロック分離後の
廃水中に残存する金属を効率的且つ確実に低減化させる
必要性から、フロックをできる限り短時間で沈降させる
ことが要求されているものの、これまでの金属捕集剤
は、いずれも単独で廃水に添加した場合には、このよう
な要求を完全に満足し得なかった。
剤とを併用して廃水に添加したり、エピクロルヒドリン
等の架橋剤で架橋して金属捕集剤を更に高分子量として
フロックの沈降速度を高める方法が採用されていた(例
えば特開昭61−249590号等)。
生成するフロック量が多くなるため、フロックの後処理
に手間がかかるという問題があった。またエピクロルヒ
ドリン等を用いて架橋した金属捕集剤は、その製造に際
して工程が煩雑になり、製造効率の低下や収率の低下を
来す虞があった。
レンイミン等のポリアミン類の窒素原子に、ジチオ酸基
或いはその塩を官能基として導入した従来の金属捕集剤
は、ポリアミン類の窒素原子の数に比して官能基の数が
少なく、廃水中の金属を確実に捕集除去するには比較的
多量の金属捕集剤を使用しなければならないという問題
もあった。
エピクロルヒドリン等で架橋して分子量を高めたり、高
分子凝集剤と併用したりしなくとも、フロックの沈降速
度が速く、容易且つ確実に廃水処理を行うことができる
等の優れた金属捕集性能を有する金属捕集剤及びその製
造方法を提供することを目的とする。
ミノメチル基を有するポリアミン中に、アミノメチル基
の窒素原子に結合した水素原子と置換したジチオ酸基又
はその塩を官能基として有する下記化3で示される単位
(但し、RはCSSM、R´は水素又はCSSMであ
り、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はN
H 4 + 、nは整数を表す。)を有し、かつ分子量が30
0〜1000000であることを特徴とする。
記化4の化合物(但し、RはCSSM、R´は水素又は
CSSMであり、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土
類金属又はNH 4 + を表す。)を、モノマー成分として
重合することを特徴とする。
の塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属塩や、ベリリウム、マグネシウム、カルシウ
ム等のアルカリ土類金属塩或いはアンモニウム塩等が挙
げられる。
00000を有するが、分子量1000〜500000
が好ましい。
有するポリアミンに二硫化炭素を作用させるか、アリル
アミンに二硫化炭素を作用させ、アリルアミンの窒素原
子に結合した水素原子をジチオ酸基又はその塩と置換し
た下記化5で示される(但し、RはCSSM、R´は水
素又はCSSMであり、Mは水素、アルカリ金属、アル
カリ土類金属又はNH 4 + を表す。)化合物(モノ或い
はビス(ジチオイック)アリルアミン又はその塩)を
得、この化合物をモノマー成分として重合することによ
り得られる。
化炭素を作用させて本発明の金属捕集剤を得る第1の製
造方法で用いる、アミノメチル基を有するポリアミンは
以下の方法で製造することができる。アミノメチル基を
有するポリアミンを製造する第1の方法は、ポリアクリ
ロニトリル又はポリアクリルアミドを還元する方法であ
る。
存在下で水素添加する方法により還元することができ、
具体的にはポリアクリロニトリルをDMF、DMSO等
の溶媒に溶解し、ラネーニッケルを触媒として用いて高
圧下(3.5kg/cm2 程度)で水素を添加する方法が挙
げられる。
リルアミドをTHF、DMF、DMSO等の溶媒に溶解
し、水素化アルミニウムリチウムやナトリウムメチラー
ト等の金属アルコラートを用いて還元する方法を採用す
ることができる。
する第2の方法は、アリルアミンを重合する方法であ
る。アリルアミンを重合する方法としては、例えばアリ
ルアミンを塩酸塩等にした後、レドックス系開始剤、又
はラジカル重合開始剤等を用いて重合する。この際、ア
リルアミンを単独で重合しても、ジメチルアクリルアミ
ド、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸等
及びその塩類等の共重合可能な不飽和結合を有する他の
モノマーと共重合しても良い。しかしながら共重合する
場合、アリルアミン成分が5モル%以上、特に15モル
%以上含まれるようにすることが好ましい。
を有するポリアミンのアミノメチル基の窒素原子に結合
した水素原子と置換したジチオ酸基を導入するには、ア
ミノメチル基を有するポリアミンを水、アルコール等の
溶媒に溶解した後、二硫化炭素を添加して10〜100
℃で1〜20時間程度反応を行う方法が採用される。
子に結合した水素原子の1個又は2個と、ジチオ酸基が
置換した構造を有する金属捕集剤が得られる。アミノメ
チル基を有するポリアミンと二硫化炭素との反応比率
は、1分子中に導入しようとするジチオ酸基の数によっ
て異なり、二硫化炭素の使用量がアミノメチル基を有す
るポリアミン1分子中の窒素原子に対し、1当量以下の
場合には、ポリアミンのアミノメチル基の窒素原子に平
均1個以内のジチオ酸基が導入される。
基を有するポリアミン1分子中の窒素原子に対し、1当
量以上の場合にはポリアミンのアミノメチル基の窒素原
子に平均1個以上のジチオ酸基が導入される。尚、ポリ
アミンのアミノメチル基の窒素原子に平均1個以上のジ
チオ酸基を導入する場合でも、二硫化炭素の使用量は、
ポリアミン1分子中の窒素原子に対し、最大でも2当量
以下とすることが好ましい。
子にジチオ酸基が置換基として導入された化3で示す単
位がポリアミン中に導入されるが、反応終了後、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
や、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカ
リ土類金属水酸化物或いはアンモニア等のアルカリで処
理するか、前記ポリアミンと二硫化炭素との反応をこれ
らのアルカリの存在下に行うことにより、ジチオ酸基の
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩
とすることができる。
リルアミンの窒素原子に結合した水素原子と置換したジ
チオ酸基又はその塩を導入し、これを重合して金属捕集
剤を得る第2の製造方法では、上記したポリアミンと二
硫化炭素とを反応させる方法と同様にして、まずアリル
アミンと二硫化炭素とを反応させ、前記化5で示す化合
物(モノ或いはビス(ジチオイック)アリルアミン)を
得る。
様のアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化
物、アンモニア等のアルカリで処理するか、二硫化炭素
との反応をこれらのアルカリの存在下で行うことにより
ジチオ酸基をアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ア
ンモニウム塩等とすることができる。
に結合した水素原子と置換したジチオ酸基又はその塩を
有する化合物を重合するが、この場合も化5で示す化合
物を単独で重合しても、ジメチルアクリルアミド、スチ
レン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の他の
不飽和モノマーと共重合させても良いが、ジチオ酸基を
置換基として導入した化5で示す化合物成分の含有率が
5モル%以上、好ましくは15モル%以上となるように
共重合することが好ましい。
の溶媒中にて、2、2′−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)塩酸塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等
の水溶性重合開始剤、アクリロイソブチロニトリル、過
酸化ベンゾイル等のラジカル重合開始剤の存在下で、4
0〜100℃で行うことができる。
う場合、本発明の金属捕集剤を単独で用いることができ
るが、一硫化ナトリウムや、二硫化ナトリウム、三硫化
ナトリウム、四硫化ナトリウム、五硫化ナトリウム等の
ポリ硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム等の硫化ナト
リウム類と併用すると、更に優れた金属捕集効果が得ら
れる。
焼却場、研究所、病院、産業廃棄物処理場、電子部品工
場等から排出される廃水中の金属の処理用として好適で
あるとともに、ゴミ焼却場から排出される焼却灰、鉱山
や金属精製工場等から排出される鉱滓、廃水処理場等か
ら排出される汚泥、更には汚染された土壌等の固形廃棄
物中に含まれる金属の処理用としても好適である。
整した後(通常pH3〜12)、本発明の金属捕集剤を
添加し、生成したフロックを沈殿させて分離除去した
後、廃水を放流する等の方法が挙げられる。また固形廃
棄物の処理法としては、固形廃棄物中に本発明の金属捕
集剤を添加して該固形物中の金属を金属捕集剤によって
捕集し、しかる後、固形廃棄物をコンクリートで固め、
海洋投棄したり埋め立てる等の方法が採用される。
明する。
し、水素添加触媒としてラネーニッケルを添加し、水素
圧力3.5kg/cm2 の条件で水素添加し、アミノメチル
基を有するポリアミンを得た(収率90%、平均分子量
20000)。このポリアミン55g、純水400g、
水酸化ナトリウム40gを還流冷却器付きの4つ口フラ
スコに入れ、攪拌しながら40℃に保持し、二硫化炭素
76gを4時間かけて滴下した後、更に80℃で10時
間攪拌下に加熱保持して反応させ金属捕集剤を含む水溶
液を得た。
用い、銅(II)20ppm 、亜鉛15ppm 、ニッケル10
ppm 、水銀2ppm を含む廃水の処理を行った。上記金属
捕集剤水溶液を廃水1リットルに対し、金属捕集剤の添
加量が50mgとなるように添加し、10分間攪拌した
後、静置して生成したフロックが沈降するまでの時間を
測定し、表1に示した。また沈殿したフロックを分離除
去し、フロック分離除去後の廃水中に残存する金属濃度
を測定した。結果を表1にあわせて示す。
し、ナトリウムメチラート80gの存在下に還元し、ア
ミノメチル基を有するポリアミンを得た(収率90%、
平均分子量10000)。このポリアミン55g、純水
400g、水酸化ナトリウム60gを還流冷却器付きの
4つ口フラスコに入れ、攪拌しながら40℃に保持し、
二硫化炭素114gを4時間かけて滴下した後、80℃
にて10時間攪拌下に加熱保持して反応させて金属捕集
剤を含む水溶液を得た。
用い、実施例1と同様の廃水処理を行った。結果を表1
にあわせて示す。
量30000)28.5g、純水775g、水酸化ナト
リウム14gを還流冷却器付きの4つ口フラスコに入
れ、攪拌しながら30℃に保持し、二硫化炭素26.6
gを6時間かけて滴下した後、60℃にて5時間攪拌下
に加熱保持して反応させて金属捕集剤を含む水溶液を得
た。
用い、実施例1と同様の廃水処理を行った。結果を表1
にあわせて示す。
00gを還流冷却器付きの4つ口フラスコに入れ、攪拌
しながら20℃に保持し、二硫化炭素152gを4時間
かけて滴下した後、80℃にて10時間攪拌下に加熱保
持して反応させ、モノ(ジチオイック)アリルアミンナ
トリウム塩を得た。次いでこのモノマー60gを純水4
0g に溶解し、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチ
ル)アゾ〕ホルムアミド1gを添加し、窒素気流下、1
00℃にて20時間重合し、金属捕集剤を含む水溶液を
得た。
用い、実施例1と同様の廃水処理を行った。結果を表1
にあわせて示す。
(平均分子量100000)の10%水溶液430g
に、5%水酸化ナトリウム240gを入れ、32℃にて
攪拌しながら二硫化炭素22.8gを2時間かけて滴下
し、滴下終了後更に50℃で6時間反応させ、ポリエチ
レンイミンの窒素原子にジチオ酸基のナトリウム塩を置
換基として導入した金属捕集剤の水溶液を得た。
同様の廃水処理を行った。結果を表1にあわせて示す。
溶液350gに、10%次亜塩素酸ナトリウム110g
に水酸化ナトリウム11gを溶解した水溶液を、液温を
50℃に保ちながら滴下し、滴下後同温度で30分間反
応を行って、アミノ基を有するポリアミンの水溶液を得
た。次に得られた水溶液に10%水酸化ナトリウム50
gを添加し、30℃にて攪拌しながら二硫化炭素11.
2gを3時間かけて滴下し、滴下終了後更に70℃で5
時間反応してジチオ酸基のナトリウム塩を置換基として
有する金属捕集剤の水溶液を得た。
同様の廃水処理を行った。結果を表1にあわせて示す。
を用いた場合、廃水処理等において高分子凝集剤等を併
用しなくても、生成したフロックの沈降速度が速く、効
率良い廃水処理を行うことができる。また金属捕集剤中
に含まれる官能基数を容易に多くすることができるた
め、少ない金属捕集剤の使用量で効率良く金属を捕集除
去することが可能となる。
集剤と分子量が略同等であってもフロックの沈降性、金
属捕集性に優れた金属捕集剤を得ることができ、エピク
ロルヒドリン架橋等の如き煩雑な工程を行って分子量を
高める等の必要がないため、優れた性状の金属捕集剤を
効率良く製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 アミノメチル基を有するポリアミン中
に、アミノメチル基の窒素原子に結合した水素原子と置
換したジチオ酸基又はその塩を官能基として有する下記
化1で示される単位(但し、RはCSSM、R´は水素
又はCSSMであり、Mは水素、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属又はNH 4 + 、nは整数を表す。)を有し、
かつ分子量が300〜1000000であることを特徴
とする金属捕集剤。 【化1】 - 【請求項2】 下記化2の化合物(但し、RはCSS
M、R´は水素又はCSSMであり、Mは水素、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属又はNH 4 + を表す。)を、
モノマー成分として重合することを特徴とする金属捕集
剤の製造方法。 【化2】
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