JP3412821B2 - 2,4−ジスルホフェニルブチルニトロン、その塩および薬学的スピントラップ剤としてのそれらの使用 - Google Patents

2,4−ジスルホフェニルブチルニトロン、その塩および薬学的スピントラップ剤としてのそれらの使用

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、特定のニトロン(nitrone)化合物および
その塩ならびに薬学的ニトロフリーラジカルトラップ剤
としてのこれらの有益な使用に関する。
背景の情報 α−フェニル−tert−ブチルニトロン(alpha−pheny
l−tert−butyl nitrone)( または「PBN」)は、1970年代に有用な分析試薬として
同定され、電子スピン共鳴(「ESR」)と共に用いてフ
リーラジカルの検出に役立った。PBNは、特定のフリー
ラジカルと反応し、そして特徴的なESRスペクトルを生
じる化学種を生成することが見い出され、これによりフ
リーラジカルの存在または不在を決定することが可能に
なった。
1970年代後期および1980年代初期に、医学会は、心臓
発作、脳卒中などのような疾患において、フリーラジカ
ルが演ずる役割に注目し始めた。PBNは、これらの環境
内にフリーラジカルが存在するという分析的な証拠を提
供するために、次第にインビトロで用いられるようにな
った。その後、PBNはまた、インビボで動物モデルに投
与され、さらにまた、虚血シミュレーションなどの間に
フリーラジカルを観察しようとして、分析用補助物とし
て投与された。
1980年代中頃において、重篤な外傷性虚血動物の試験
により、PBN治療された動物の方がコントロールに比べ
てより生存しがちであることが示されたとき、PBNの治
療効果の可能性が初めて暗示された。
1991年5月2日に、PCT特許出願WO−91−05552号が公
開された。この特許出願(現在発行されている米国特許
第5,825,032号および同第5,036,097号と一部対応する)
に、以下の式により定義されるPBNおよびPBN誘導体の一
群が記載されていた: ここで、Xは、フェニルまたは (ここで、Rは、H、 またはZであり;あるいは であり、そしてnは、1〜5の全ての整数である)ある
いは であり、そしてYは、tert−ブチルまたは水酸化または
アセチル化tert−ブチルまたは置換フェニルである。こ
れらの化合物は、フリーラジカル損傷に関連すると報告
された脳卒中および他の病態の後遺症(aftermath)を
治療するための薬剤として提案された。
1992年に、PBNおよび関連化合物ならびにそれらの医
療的使用に関連した2番目のPCT特許出願が出願され
た。この出願(先願の米国特許出願第716,952号(1991
年6月18日付け出願)に基づく)は、1992年12月23日に
WO 92/22290号として公開された。この1992年の刊行物
は、2つの非常に広範でかつ一般的な開示内容を提供し
た。第1に、フリーラジカルに関連するできるだけ多く
の疾患病態を記載することが試みられた。これらは、ほ
んのちょっと主要な部分を述べただけでも、CNS病態
(脳卒中、老化、片頭痛などを含む)から末梢器官疾患
(アテローム性動脈硬化症、とこずれ(bed sore)、創
傷、および筋肉疲労(muscle overexertion)を含む)
まで、さらにUV被曝までおよんでいる。第2に、出来る
だけ多くの可能性のあるスピントラップ剤(spin tra
p)を掲載することが試みられた。
全範囲の非PBN物質に加えて、この出願は、潜在的に
有用なPBN化合物の定義を大きく拡げて、PBNおよび以下
の式のPBN誘導体を包含していた: ここで、Xは、フェニル、イミダゾリル、フェノチアジ
ニルまたは であり、nは、1〜5(好ましくは1〜3)であり; R2は、独立して(分子内でさまざまであり得る)、ハロ
ゲン、アルキル、オキシアルキル、アルケニル、オキシ
アルケニル、OH、NH2、NHZ、NZ2、NO、 −SO3H、−OSO3H、SH、−S(アルキル)、−S(アル
ケニル、およびハロアルキル(特に−CF3を含む))で
あり; Aは、OまたはSであり;そして Zは、C1〜C6の直鎖、分岐鎖のアルキル基または環状基
であり;そして Yは、1つまたはそれ以上の位置が水酸化またはアセチ
ル化され得るtert−ブチル基であり;フェニルまたは である。
PBNは、当時、最も好ましい化合物であると述べら
れ、正常な細胞または損傷のない細胞に対しては測定可
能な効果を有さないと言われ、そして多くの誘導体もま
た、有用であると述べられ、そしてその誘導体としては
以下のものが挙げられた:ヒドロキシ誘導体(特に、2
−、3−または4−ヒドロキシフェニルt−ブチルニト
ロンおよびフェニル(モノ−、ジ−、またはトリヒドロ
キシ)tert−ブチルニトロン);PBNエステル(特に、ア
セトキシ誘導体のような2−、3−または4−ヒドロキ
シフェニルt−ブチルニトロンを遊離するエステル);2
−、3−、または4−カルボキシフェニルt−ブチルニ
トロン;フェニルヒドロキシブチルニトロン;アルコキ
シル誘導体(特に、2−、3−、または4−ヒドロキシ
フェニルt−ブチルニトロン、例えば、PBNの2−、3
−、または4−メトキシフェニル誘導体を遊離するアル
コキシル誘導体);およびアセトアミド誘導体(特に、
2−、3−、または4−アミノフェニルt−ブチルニト
ロンを遊離するアセトアミド誘導体);ジフェニルニト
ロン(PPN)および類似のジフェニルニトロン誘導体;N
−tert−ブチル−α−(4−ニトロフェニル)ニトロ
ン;およびN−tert−ブチル−α−(2−スルホフェニ
ル)ニトロン。
発明の説明 1つの特定のPBN誘導体およびその塩は、予期せぬ優
れた薬理学的特性を有することが、現在発見されてい
る。この誘導体、すなわち2,4−ジスルホニルPBNは、一
般的に前述のWO 92/022290号公報において記載された物
質の広範囲の一群に分けられるが、具体的には開示され
ていない。その有益な特性も予測されていない。
2つのスルホネート基を有する本発明の化合物は、水
に対する溶解性の改善を示すことが予想されたが、その
疎油的な(lipophobic)特性のために、血液/脳関門を
越えて輸送されにくいことを示すこともまた予想され
た。しかし、本発明の化合物を製造し、そしてインビボ
で試験すると、本発明の化合物は、PBNと比較して予期
しない薬効(efficacy)の増大を示した。この薬効の増
大は、PBNと比較して効力(potency)の増大と共に生じ
た。この効力および薬効の著しい増大とは全く対照的
に、PBNと比較して著しいかつ非常に大きな毒性の減少
があった。
これらの結果は予想されなかった。なぜなら、特定の
定義された化合物の一群内における構造/活性の関係の
一般文献においては、治療的効力は、代表的には、毒性
と共に共変化するからである。従って、大部分の関連化
合物は、治療的効力対毒性の比を維持している。対照的
に、密接に関連するアナログに対してその効力が増大
し、かつその毒性が減少した場合、本発明の化合物は、
この予想される関係から逸脱した。
従って、第1の局面において、本発明は、以下のPBN
−ジスルホニル化合物: およびその薬学的に受容可能な塩を提供する。
第2の局面において、本発明は、活性成分として、こ
の化合物またはその塩を有する、非経口(例えば、静脈
内)投与および経口投与可能な薬学的組成物を提供す
る。
第3の局面において、本発明は、中枢神経系への急性
酸化的損傷を伴う病態にかかっている患者(例えば、脳
卒中になった患者)を治療する方法を提供し、この方法
においては、本発明の化合物またはその塩に基づく薬学
的組成物は非経口(例えば、静脈内)投与される。
第4の局面において、本発明は、中枢神経系に対する
長期の低グレード酸化ストレス(protracted low grade
oxidative stress)および中枢神経系機能の進行性喪
失により特徴付けられる病態にかかっている患者を治療
する方法を提供する。この方法においては、本発明の化
合物またはその塩に基づく薬学的組成物は、非経口(例
えば、静脈内)投与、または好ましくは経口投与され
る。
第5の局面において、本発明は、癌治療により患者に
発生した酸化的損傷から生じる副作用を減少させ、また
は改善する方法を提供する。この方法においては、本発
明の化合物またはその塩に基づく薬学的組成物は、非経
口(例えば、静脈内)投与または経口投与される。
発明の詳細な説明 この詳細な説明を以下の節に並べる: 図面の簡単な説明 化合物および塩 化合物の調製 薬学的組成物 治療される病態および治療レジュメ 実施例 図面の簡単な説明 本明細書中において、以下のものが添付の図面により
参照される: 図1は、化合物を調製するために用いた反応を図示し
たフローチャートである。
図2(A、BおよびC)および図3(A、B、C、お
よびD)は、2組のグラフであり、これらのグラフは、
先行技術のニトロンラジカルトラップ剤の場合の動物の
体温調節能力(用量レベルの関数として生じる)の望ま
しくない変化を図示したものであり、そしてこれと、本
発明の化合物の場合のそのような望ましくない毒性効果
の欠如とを対比させたものである。
図4(A、B、CおよびD)は、4つ1組のグラフで
あり、このグラフは、溶液中の主要酵素のβアミロイド
タンパク質の不活性化を妨げる相対的能力により図示さ
れるように、段階的な神経変性病態(例えば、アルツハ
イマー病)の治療において、密接に関連する先行技術の
ニトロン化合物と比較して、本発明の化合物の優位性を
実証したものである。
図5は、ラットにおける中大脳動脈閉塞の後に観察さ
れた最終的な梗塞容積(infarct volume)の減少におけ
る本発明の化合物の有効性を図示したグラフである。
図6(A、BおよびC)は、本発明の化合物が動物に
おける高用量レベルの抗癌剤の副作用を減少させる能力
を図示した3つのグラフである。
化合物および塩 本発明の化合物は、α−(2,4−ジスルホフェニル)t
ert−ブチルニトロンである。この化合物はまた、本明
細書中において「2,4−ジスルホニルPBN」または「PBN
2,4−ジスルホネート」と略称される。この化合物は、
固体として以下の酸の形態で存在し: そして低いpH条件においては溶液中に存在する。この化
合物はまた、高いpHでは、以下のものとして示され得る
イオン化した塩の形態で存在する: ここで、Xは、薬学的に受容可能なカチオンである。最
も一般的には、このカチオンは、ナトリウム、カリウ
ム、またはアンモニウムのような一価の物質であるが、
これはまた薬学的に受容可能な一価のアニオンと組み合
わせて多価カチオン(例えば、クロライド、ブロマイ
ド、ヨーダイド、ヒドロキシル、ニトレート、スルホネ
ート、アセテート、タルトレート、オキサレート、スク
シネート、パルモエート(palmoate)などのアニオンと
のカルシウム;このようなアニオンとのマグネシウム;
このようなアニオンとの亜鉛など)でもあり得る。これ
らの多価カチオンと一価アニオンとの組み合わせが、構
造式中に示される場合、本明細書中では、一価アニオン
は「Y」とする。
これらの物質の中で、遊離酸およびナトリウム単塩、
カリウム単塩またはアンモニウム単塩が最も好ましく、
カルシウム塩およびマグネシウム塩もまた、上記単塩よ
り幾分よくないが、好ましい。
化合物の調製 図1において記述され、そして実施例1において実証
されるように、本発明の化合物は、2工程の反応系列に
より調製され得る。第1工程においては、市販のtert−
ブチルニトレート(2−メチル−2−ニトロプロパン)
を、活性化亜鉛/酢酸触媒またはアルミニウム/水銀ア
マルガム触媒のような適切な触媒を用いて、対応するn
−ヒドロキシルアミンに変換する。この反応は、0.5〜1
2時間、特に約2〜6時間ぐらいで、約15〜100℃の温度
にて、液体反応媒質(例えば、亜鉛触媒の場合、アルコ
ール/水混合液、またはアルミニウムアマルガム触媒の
場合、エーテル/水混合液)中で行われ得る。
第2工程においては、新たに形成されたヒドロキシル
アミンを、4−ホルミル−1,3−ベンゼンジスルホン酸
と、代表的にはアミンをわずかに過剰に用いて反応させ
る。この反応は、同様の温度条件で行われ得る。この反
応は、一般に、10〜24時間で完了する。
このように形成される生成物は、遊離酸であり、そし
て89g/モルの分子量により特徴付けられる。この生成物
は、白色粉末状物質であり、加熱すると分解する。この
生成物は、1g/mlより大きい水溶解性を示すこと、およ
びD2O中での1H NMRスペクトルが8.048ppm(dd,8.4,1.7H
z);8.836ppm(d,8.4Hz);8.839ppm(d,1.7Hz);8.774p
pm(s)に表れることにより特徴付けられる。
水性媒質に溶かした遊離酸を2当量の適切な塩基(例
えば、カリウム塩についてはKOHなど)と混合すること
により、様々な塩が容易に形成され得る。
薬学的組成物 化合物(その塩を包含する)は経口または非経口(例
えば、静脈内または筋肉内注射)投与に適する薬学的組
成物に処方され得る。
経口投与のための組成物は、液体溶液または懸濁液、
粉末、錠剤、カプセル剤などの形態をとり得る。このよ
うな組成物において、PBN 2,4−ジスルホネートまたは
その塩は、通常、少量成分(0.1〜約50重量%)であ
り、残りは所望の剤形を形成するのに有用な種々のビヒ
クルまたはキャリアおよび加工補助物(processing ai
d)である。液体形態としては、緩衝剤、懸濁調合剤、
着色剤、フレーバーなどを含有する適切な水性または非
水性ビヒクルが挙げられ得る。
固定形態としては、例えば、任意の以下の成分または
同様の特性の化合物が挙げられ得る:微結晶セルロー
ス、トラガカントゴムまたはゼラチンのような結合剤;
澱粉または乳糖のような賦形剤;アルギン酸、プリモゲ
ル(Primogel)またはコーンスターチのような崩壊剤;
ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;コロイド状
二酸化ケイ素のようなグライダント(glidant);ショ
糖またはサッカリンのような甘味剤;またはペパーミン
ト、砂糖、メチルサリチレートまたはオレンジフレーバ
ーのようなフレーバー剤。
注射可能な組成物の場合、これらは、一般に、注射可
能な滅菌生理食塩水またはリン酸緩衝化生理食塩水また
は当該分野で公知の他の注射可能なキャリアに基づく。
さらに、活性ニトロンは、代表的には、少量成分であ
り、しばしば約0.05〜10重量%であり、残りは注射可能
なキャリアなどである。
治療される病態および治療レジュメ 2,4−ジスルホニル PBNで治療される病態は、一般的
に3つのグループに分かれる。第1のグループは、中枢
神経系領域への急性の強い酸化的損傷を伴う病態を含
む。これらの病態の例としては、脳卒中、脳卒中に関連
する病態、振とう症およびクモ膜下出血が挙げられる。
この環境において、化合物は、可能な限り迅速かつ直接
に患者の血流中へ薬剤を送達するように設計されるよう
にして投与される。これは、通常、静脈内投与を意味す
る。
これらの病態を治療するための静脈内用量レベルは、
約1〜約120時間、特に24〜96時間の間ではすべて、約
0.1mg/kg/時間〜少なくとも10mg/kg/時間の範囲であ
る。約10〜約500mgの予備添加(preloading)のボーラ
スもまた、適切な定常病態レベルを達成するために投与
され得る。
静脈内投与が好ましいが、筋肉内注射のような非経口
投与の他の形態も同様に用いられる。この場合、同様の
用量レベルが用いられる。2,4−ジスルホニル PBNの予
期せぬ主要な利点は、それが、PBN自体の場合において
可能であるレベルよりも非常に高いレベルで投与され得
ることである。実施例に示されるように、1000mg/kg/時
間までの用量およびそれ以上の用量、または10〜2500mg
/kgの静脈内ボーラス用量は、PBNそれ自体ではこのよう
な用量からは死亡または急性毒性に至るが、2,4−ジス
ルホニル PBNまたはその塩では可能であることが示され
ている。2,4−ジスルホニル PBNでは、これらの高用量
レベルにおける予期せぬ用量/応答曲線のポジティブな
持続があり、これは、脳卒中または他の外傷の直後の強
力な大量投与が、多くの場合には、回復に対して主要な
ポジティブな劇的効果を提供し得るという明瞭なメッセ
ージを有する。
2,4−ジスルホニル PBN治療に好適に応答する病態の
第2のグループは、中枢神経系への長期の低グレード酸
化的ストレスおよび段階的進行性中枢神経系機能喪失に
より特徴付けられる病態である。これらの病態として
は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索
硬化症(ALS)、多発脳梗塞性痴呆、網膜症などが挙げ
られる。これらの病態の各々は、機能の進行性喪失によ
り特徴付けられる。2,4−ジスルホニル−PBNまたはその
塩は、経口または非経口(例えば、静脈内)投与される
場合、機能の喪失を遅くし、ことによると逆転させ得
る。非経口(例えば、静脈内)投与が所望される場合、
急性の病態の場合に使用されるのと同様のレベルである
が、その範囲の下限レベルが一般に用いられる。
これらの場合には、治療のためのレジュメは、長い年
月にわたって続くので、患者の利便性および耐容性のた
めには経口投与が好ましい。経口投与では、1日当たり
1〜3回の経口用量であり、それぞれ約0.02〜約50mg/k
gが必要とされ、好ましい用量は約0.04〜約5.0mg/kgで
ある。
当然ながら、2,4−ジスルホニル PBNは、単独の活性
薬剤として投与され得るし、または他の薬剤と組み合わ
せて投与され得る。これはこの化合物の第3の適用につ
ながる。
2,4−ジスルホニル PBNによる治療に応答する病態の
第3の組は、癌(新生物疾患)治療により生じる酸化的
損傷から患者に起こる副作用である。酸化的損傷(およ
びこれによる副作用)を生じる治療としては、放射線照
射(例えば、γ放射線)療法および酸化的損傷を引き起
こす化学療法剤による治療が挙げられる。これらの薬剤
の例としては、ダウノルビシン、ドキソルビシンおよび
ブレオマイシンのような抗生物質;プロカルバジン;イ
フォスファミド(ifosfamide)、メルファランおよびク
ロラムブシルのようなナイトロジェンマスタード;アル
キル化剤;代謝拮抗剤;ホルモンおよび拮抗剤が挙げら
れる。
2,4−ジスルホニル PBNの投与は、これらの治療の
間、患者の不安感を軽減する効果を有し得る。さらに、
本発明の化合物の投与は、これらの治療に対する患者の
耐容力を増大させ得る。しばしば治療の副作用は、これ
らの治療を中止させるか、または最適な高い用量の投与
または多頻度のこれらの治療を妨げることを余儀なくさ
せる。ある場合には、これらの副作用は、非常に有害で
あり、そして心不全および他の主要な機能喪失につなが
る。動物での試験において、本発明の化合物がこれらの
抗新生物疾患治療の患者の耐容性を改善させ得ることが
観察された。
この治療において、本発明の化合物は、放射線照射ま
たは化学療法が行われる前、行われている間、および行
われた後に投与され得る。投与は、非経口または経口で
あってもよく、もしくは2,4−ジスルホネート PBNを患
者の血流中に導入するのを可能にする任意の他の方法で
もよい。
ポジティブな用量−応答関係が観察されている。それ
自体では、そして副作用の重篤度ならびに最大の可能な
防護または改善を提供するという利点を考慮すると、あ
る環境においては、急性の強い酸化的CNS損傷に対して
の上記のような多量の2,4−ジスルホニル PBNを投与す
ることが望ましい。他の環境においては、進行性ニュー
ロン性疾患治療に対して述べられたようなより低い用量
が使用され得る。
以下は、代表的な投与レジュメの実施例である:単一
療法(アドリアマイシン単独)において、2つの代表的
な用量の組合せは、1平方メートル面積当たり10〜600m
gの化合物Iおよび1平方メートルの表面積当たり60mg
のアドリアマイシン(アドリアマイシンの投薬は、7日
毎または21日毎に行われる)である。化合物Iは、アド
リアマイシン投与の前に(例えば、アドリアマイシン投
与の最高60分前に)、アドリアマイシン投与と同時に、
あるいはアドリアマイシン投与の後に(アドリアマイシ
ン投与の数時間後および後日に)である。小児の用量
は、代表的には、両方の薬剤に対しては、より低い。よ
り高用量は、多回投与耐性の腫瘍の治療に対して用いら
れ得る。
実施例 実施例1 α−(2,4−ジスルホフェニル)tert−ブチルニトロ
ン(後の実施例における化合物「I」)の合成。この好
ましい合成法は、R.H.HintonおよびE.G.Janzen(J.Org.
Chem.57:2646−2651,1992)による研究に基づく。図1
に示すように、この合成は、アルデヒドとヒドロキシル
アミンとの縮合を包含する。ヒドロキシルアミンは、不
安定であり、そして活性化亜鉛触媒を用いて、使用する
日に新しく調製される。この合成は、以下の通りであ
る: 必須の化学物質 1. 95%エタノール 2. 2−メチル−2−ニトロプロパン 3. 亜鉛末 4. 氷酢酸 5. ジエチルエーテル 6. 飽和塩化ナトリウム 7. 硫酸マグネシウム、無水固形物 8. 4−ホルミル−1,3−ベンゼンスルホン酸(分子量3
10.21g/モル)、二ナトリウム塩、水和物 9. メタノール 10. ジクロロメタン 手順 A.N−t−ブチルヒドロキシルアミンの調製 1. 500ml用の3つ口丸底フラスコに、磁気撹拌子、温度
計アダプター、温度計、および滴下漏斗を取り付ける。
2. 95%エタノール(350ml)をフラスコに加え、そして
氷浴中で10℃まで冷却した。
3. 2−メチル−2−ニトロプロパン(6.18g、0.060モ
ル)、および亜鉛末(5.89g、0.090モル)を一度に(si
ngle portion)加えた。
4.氷酢酸(10.8g、0.180モル)を滴下漏斗に入れ、そし
て激しく撹拌しながら、温度を15℃未満に維持するよう
な速度で滴下した。
5.氷浴を外し、そして混合物を3時間室温で撹拌した。
6.溶媒を混合物から除去して、t−ブチルヒドロキシル
アミン、酢酸亜鉛および水が残った。
7.ジクロロメタン(50ml)を加え、そして混合物をブフ
ナー漏斗を通して濾過した。
8.濾紙上に残った硫酸亜鉛ケーキを2×25mlのジクロロ
メタンで洗浄した。
9.水を分液漏斗中で濾液から分離し、そして有機層を硫
酸マグネシウムで乾燥した。
10.硫酸マグネシウムをひだ付き(fluted)濾紙を通し
て濾過することにより除去し、次いでジクロロメタンを
ロータリーエバポレーションにより除去した。
11.生成物(収率100%=5.34グラム)(粘性液)を、B
の部で使用するためにメタノール(50ml)に溶解した。
B.α−(2,4−ジスルホフェニル)tert−ブチルニトロ
ンの調製 1. 250ml用の3つ口丸底フラスコに、撹拌子、ガス分散
チューブ、滴下漏斗、および氷水の再循環により冷却さ
れるフリードリッヒ冷却器を備え付けた。
2.フラスコに、200mlのメタノール、4−ホルミル−1,3
−ベンゼンジスルホン酸(9.31g、30ミリモル)および
N−t−ブチルヒドロキシルアミン(Aの部で得た25ml
のメタノール溶液、理論上30ミリモル)を加えた。
3.反応物を撹拌して窒素で泡立てさせながら、反応物を
加熱用マントルで加熱して還流した。
4.混合物を2時間還流した。
5.Aの部で得たヒドロキシルアミンの残りを加えた。
6.窒素で泡立てさせながら、少なくとも18時間(ただ
し、24時間以下)還流を続けた。
7.熱い反応混合物をブフナー漏斗で濾過し、そして固体
を熱メタノールで洗浄した。
8.メタノールをロータリーエバポレーションにより除去
して、黄色で粘性のある油状物を得た。
9.熱い1:1のエタノール:アセトン(200ml)を加え、そ
して混合物を加熱して油状物を溶解させた。
10.溶液を冷却して生成物を結晶化させた。
11.生成物をブフナー漏斗上で集め、そして真空下で一
晩乾燥した。
12.この反応は、代表的には、75%収率の化合物I(白
色粉末)を与える。
実施例2 α−(2,4−ジスルホフェニル)tert−ブチルニトロ
ン(化合物I)の別の合成。これは、初期に開発された
方法であり、この方法を用いて、本明細書の実施例にお
いて報告される幾つかの実験に用いられる化合物の試料
を調製する。この実施例の生成物は、全ての点において
実施例1の生成物と同一である。この合成方法は、以下
の通りである: 必須の化学物質 1.アルミニウム箔(5cm幅の細片に切断し、そして約1cm
直径の円筒状に丸めた) 2.塩化水銀(II)(476mlの水中、9.68g) 3.エタノール 4.エーテル(6リットル) 5.純水 6. 2−メチル−2−ニトロプロパン 7.水酸化ナトリウム、2M(1リットルの水中80g) 8.硫酸マグネシウム、無水固形物 9. 4−ホルミル−1,3−ベンゼンスルホン酸(分子量31
0.21g/モル) 手順 A.N−t−ブチルヒドロキシルアミンの調製 1.円筒状のアルミニウム箔をHgCl2溶液に15〜30秒間浸
し、次いでエタノールに浸し、次いでエーテルに浸し、
次いで500mlのジエチルエーテルおよび21.4mlの水を含
む5リットル用のフラスコ内に置いた。
2.フラスコに、250ml用の均圧滴下漏斗、機械的撹拌
子、窒素流入口、および氷水の再循環により冷却される
フリードリッヒ冷却器を取り付けた。
3.混合物を10分間撹拌した。
4. 2−メチル−2−ニトロプロパン(71.68g、75.5ml)
を滴下漏斗を用いて、激しい還流を維持するような速度
で加えた。
注意点:添加は、20分未満内で完了しなければならな
い、さもないと収率がかなり低下する。
5.添加が進むにつれた、500ml部のエーテルを加えた。
これは、ゲルを形成することなく出来るだけ高い生成物
濃度を維持するために行った。2リットルまでのエーテ
ルを、収率に悪影響を及ぼすことなく加え得る。
6. 2−メチル−2−ニトロプロパンの添加が完了する
と、反応物をさらに30分間撹拌した。
7.得られた灰色の懸濁液を3回分吸引濾過して、アルミ
ニウム塩を取り除いた。
8.各濾過ケーキを1リットルのエーテルで洗浄した。
9.各層を一緒にしたものを300mlの2M NaOHで洗浄し、次
いで乾燥(MgSO4)し、そして真空下で濃縮すると軟ら
かい白色固形物が残った。
10.固形物は、室温よりわずかに高い温度で溶融する
が、真空オーブン中でさらに乾燥され得て(わずか数分
間)、38〜45gの固形物が残った。
11.固形物は、ペンタンからの再結晶により精製される
または精製されたものとして用いられ得る。
12.分子量−89g/モル B.α−(2,4−ジスルホフェニル)tert−ブチルニトロ
ンの調製 1. 250ml用のフラスコに、撹拌子、および氷水の再循環
により冷却されるフリードリッヒ冷却器を取り付けた。
2.フラスコに、71.8mlのメタノール、14.5gの4−ホル
ミル−1,3−ベンゼンジスルホン酸(46.7ミリモル、1
当量)および5.0gのN−t−ブチルヒドロキシルアミン
(56.2ミリモル、1.2当量)を入れた。
3.混合物を一晩還流した。
4.反応生成物を丸底フラスコに移し、そしてロータリー
エボパレーションにより蒸発させて(rotovaped)乾燥
した。
5.固形分の残渣をエーテルで混ぜ合わせ、このエーテル
をデカンテーションにより除いた(黄色)。
6.工程5を繰り返した。
7.熱メタノール濾過の後に、生成物(「化合物I」)を
メタノールから結晶化して、不溶性の沈殿物を除去し、
そしてメタノールで2回再結晶した。
実施例3 脳の虚血および再灌流損傷の後のニューロン喪失に対
して防護(protect)するための薬剤として、2,4ジスル
ホニルPBN(「化合物I」)、PBN、および2つのモノス
ルホネートPBN化合物のインビボでの薬効を比較するた
めに、一連の実験を行った。この試験の手順は、W.Ca
o、J.M.Carney、A.Duchon、R.A.FloydおよびM.Chevion
の「脳に対する虚血および再灌流損傷への酸素フリーラ
ジカルの関わり」(Neuroscience Letters,88(1988),
233)により報告されている手順である。実験では、6
匹のアレチネズミ(gerbil)のグループに、5分間の両
側頸動脈閉塞の30分前に、試験化合物を単回用量として
腹腔内投与した。100ミクロン中のニューロン核の密度
を測定した。2匹のコントロールが存在した(試験化合
物を投与されないコントロール、および試験化合物を投
与されず、かつ脳虚血を受けていないコントロール)。
表1に図示したように、本発明の化合物は、先行技術の
化合物と比較して、予期せぬ利点を示した。まず、低用
量レベル(例えば、3.2mg/kg)では、化合物Iは、ニュ
ーロン喪失の予防に対して、2〜3倍の効力があると考
えられる。高用量レベルでは、試験された脳が、非虚血
のコントロールと同一のニューロン密度を示したので、
化合物Iは、ニューロン喪失に対して完全な防護(prot
ection)を達成し得ると考えられる。先行技術の化合物
は、これらの用量レベルで毒性であるか、または非常に
低い程度の防護を示すかのいずれかであった。これらの
結果は、PBNおよび2つの密接に関連したアナログと比
較して、化合物Iでは、神経防護に対する効力の明確な
増大を示し、そしてPBNと比較して予期せぬ毒性の低下
を示す。
実施例4 虚血後の治療において、化合物IをPBNおよび2つの
スルホネートアナログと比較した一連の実験を行った。
実施例1に記載される一般的な方法を用いたが、5分間
の虚血の後の再潅流の30分後に、単回用量として試験化
合物を腹腔内投与した。結果は、表2に要約される。表
2は、本発明の化合物がさらにまた、低用量でより効力
があり、高用量でより効力がありかつ毒性が低いことを
示す。さらにまた、毒性は、従来技術の化合物が高用量
をなし得る能力を妨害し、このレベルでは、本発明の化
合物は劇的に効果的な治療を提供する。
実施例5 実施例1に記載される一般的な試験方法を用いて、ア
レチネズミにおいて5分間の虚血の後の再潅流の開始60
分後に静脈内投与したとき、化合物IをPBNと比較して
ニューロン喪失の防護に対する相対的な効果を決定し
た。結果は、表3に要約され、そして化合物Iが脳に対
する損傷後の臨床上の治療環境において有意により大き
な治療利益を有することを示す。
脳損傷のないコントロールのアレチネズミにおいて、
PBNも化合物Iもニューロン密度に対して効果を有さな
かった。
実施例6 脳損傷は、行動の変化として現れ得る。この実験にお
いて、実施例1に記載されるように、若い成熟(3〜4
ヶ月齢)のアレチネズミを試験して、虚血が起こって24
時間後に8アーム迷路試験を行う能力を測定した。非虚
血の動物と比較すると、治療されない場合、多くのさら
なるエラーを犯した。PBNおよび化合物Iを試験動物の
何匹かに投与した。表4に詳細に示されるように、高用
量の化合物Iで治療されたアルチネズミは、非虚血の動
物とは識別不能なエラーレベルを有した。PBNは、効果
がより低かった。これは、5分の虚血の後の若いアレチ
ネズミの8アーム放射状迷路試験において、化合物I
が、虚血後(24時間後)の時間的/空間的な短期間の記
憶の喪失に対してエラーを防止し得ることを示す。
実施例7 虚血が起こった後の梗塞容積を減少させる本発明の化
合物の能力を測定した。表5に詳細に示されるように、
低用量ではPBNおよび化合物Iは両方とも効果的であっ
たが、高用量ではIは最良の防護を提供し、そしてPBN
は毒性があった。表5は、C57BL/6Jマウスにおいて、中
大脳閉塞の60分後に試験化合物を静脈内投与し、そして
24時間継続したときに観察された梗塞容積を示す。
実施例8 この研究において、高齢のアルチネズミ(18〜24ヶ月
齢、n=12/グループ)において、化合物IとPBNとを虚
血の30分前に投与した場合、10分の虚血からの致死率の
防護(生存した%)を与える能力について、化合物Iと
PBNとを比較した。表6に示されるように、PBNは、部分
的にのみ効果的であるが、化合物Iは、すべての用量レ
ベルにおいて優れており、そして高レベルにおいては完
全な防護を達成した。
実施例9 当該分野で公知の化合物であるPBNと比較しての本発
明の化合物の重要な利点は、その著しく減少した毒性で
ある。表7に詳細に示されるように、C57BL/6Lマウスに
おける急性死亡率は、ニトロンの単回腹腔内用量の様々
なサイズに基づいて決定される。PBNは、560mg/kg用量
レベルにおいて有意な毒性を示した。化合物Iは、ほぼ
20倍大きな用量において毒性を示さなかった。
実施例10 ニトロンラジカルトラップ剤を用いて、インビボで観
察された別の望ましくない全身的効果は、体温の低下で
ある。この毒性は、重篤な健康上の結果となり得、そし
て他の病態の診断を複雑にもし得る。図2および4に詳
細に示されるように、本発明の化合物を1000mg/kgとい
う程の高いレベルでマウスおよびアレチネズミに投与し
ても、測定可能な体温の低下はなかった。対照的に、当
該分野の化合物であるPBNは、ほんの50mg/kgの用量で最
高8℃の体温の低下があった。
実施例11 本発明の化合物を試験して、中枢神経系への長期の低
グレード酸化ストレスおよび段階的進行性中枢神経系機
能喪失により特徴付けられる病態の治療におけるその有
効性を、アルツハイマー病(「AD」)用モデルにおける
その有効性を試験することにより決定した。このモデル
は以下のことを基礎としている:最近の研究は、高齢の
個体の脳において、加齢に伴うタンパク質酸化の増加お
よび酵素活性の喪失があることを示している。高齢の個
体からの線維芽細胞および異なる年齢の赤血球の組織培
養は共に、タンパク質のカルボニル含量(タンパク質酸
化の尺度)の指数的増加およびマーカー酵素活性の減少
を示す。脳タンパク質の酸化は、個体の生涯期間にわた
り徐々に増加する。
ADにおける異常アミロイド前駆体ペプチドのプロセシ
ングおよび代謝の役割もまた、多くの異なるモデルにお
いて調査した。胎児海馬ニューロンおよびニューロン/
神経膠の培養物を用いるインビトロの研究は、βAP 1〜
40位が長時間の共インキュベーションにわたって細胞障
害性を生じることを示した。このペプチドをラットの脳
に注入した場合、病変が生じた。提示されたβAPの分解
フラグメントのいくつかはまた、ニューロン障害性であ
る[例えば、βAP(25〜35位)]。ニューロン障害性
は、グルタミン酸レセプターを介しても、そして非グル
タミン酸レセプターメカニズムによっても、その両方で
仲介されるようである。ニューロン培養物の共焦点顕微
鏡による研究は、βAP(1〜40位)への曝露が酸化的ス
トレスを生じることを示した[ジクロロフルオレセイン
および増加した細胞内遊離カルシウムFura−2]。
βAPフラグメントは、組織抽出物中で、ならびに培養
された海馬ニューロンおよび神経膠中で直接的にグラタ
ミンシンテターゼ(GS)およびクレアチンキナーゼ(C
K)を不活性化することが示されている(図4のAおよ
びBを参照のこと)。図4のAおよびBは、AP(25〜35
位)によるグルタミンシンテターゼおよびクレアチンキ
ナーゼの用量に関連した不活性化を表す。アレチネズミ
の新皮質からの細胞質ゾル画分を調製し、そして酵素活
性を測定した。試料を、アッセイの前に10分間、異なる
濃度のペプチドの存在下でインキュベートした。実線記
号は天然由来の25〜35位のフラグメントの効果を表す。
白丸は、逆配列(32〜25位)が酵素活性に対して効果を
有さなかったことを示す。白三角は、並び変えた(scra
mbled)アミノ酸配列もまた、25〜35位のものの効果に
比較して酵素活性に対して効果を有さなかったことを示
す。各点は、5つの観察点の平均(+/−s.e.)であ
る。誘導されたβAPおよびフリーラジカルの他の細胞起
源は、ADの開始および進行の重要な決定因子である。
図4のCおよびDに示されるように、化合物Iおよび
PBNは、それぞれ、βAPフラグメントの効果に対して、G
SおよびCKを防護する能力を示す。図4のCおよびD
は、異なる濃度のPBN(白丸)または化合物I(黒丸)
を組み合わせて、BAP 25〜35位(0.4mg/ml)と細胞質ゾ
ル画分との共インキュベーションの防護効果を表す。各
点は、3つの観察点の平均(+/−s.e.)である。Cお
よびDに見られるように、化合物Iは完全な防護を与
え、そして事実上、酸化の効果を逆転さえ可能である。
対照的に、PBNの有効性は、実質的に防護な不完全なレ
ベルで漸近的に横ばい状態になっていくにつれて、全く
制限される。
実施例12 脳卒中により引き起こされる中枢神経系の損傷を予防
する本発明の化合物の有効性をさらに示すために、実験
を行った。
ラット限局性虚血の結果。
ラット限局性虚血モデルにおける化合物Iの薬効を決
定するために2つの研究を行った。このモデルにおい
て、Sprague Dawleyラット(200〜300g)は、永久的中
大脳動脈閉塞(MACO)を受けて限局性脳卒中を誘起し
た。化合物Iを、永久的閉塞の後に、先ず腹腔内(i.
p.)へのボーラス用量として投与し、次いで脳卒中後24
時間までの残り時間の間、静脈内(i.v.)への連続注入
により投与した。用いた化合物Iの用量は、100mg/kg
(i.p.)次いで4.2mg/kg/時間(i.v.)であるか、また
は10mg/kg(i.p.)次いで0.42mg/kg/時間(i.v.)であ
るかのいずれかであった。
ラットを脳卒中の3日後に屠殺し、トリフェニルテト
ラゾリウム染色技術を用いて、組織を組織学的に処理
し、そして梗塞容積、すなわち総細胞壊死の領域を画像
解析を用いて定量した。これらの実験の結果は、図5に
図示され、そして化合物Iが両方の研究において約70%
の有意な防護を提供することを示す。
文献の結果との比較 CaoおよびPhillis(Brain Research 664:267−272,19
94)により、本発明の化合物ではないPBNについて、同
様のデータが最近報告された。それらの研究において、
ラットは、永久的中大脳動脈閉塞(MCAO)および総頸動
脈閉塞を受けた。PBNは、脳卒中後の種々の時点におい
て100mg/kgで腹腔内投与された。ラットを脳卒中の2日
後に屠殺し、そしてトリフェニルテトラゾリウム染色を
用いて、梗塞容積を定量した。
脳卒中の0.5、5、17、29および41時間後に、または
脳卒中の5、17、29、41時間後にPBNを投与した場合、
梗塞容積はそれぞれの場合において約50%減少した。50
%防護を達成するために投与されたPBNの累積用量は、7
0%防護に要する化合物Iの量の最低4倍である。従っ
て、化合物Iは、ラットMCAO限局性虚血モデルにおいて
防護を提供する場合に、PBNよりもはるかに優れてい
る。
実施例13 本実施例において、本発明の化合物(化合物I)を評
価して、酸化を引き起こす抗癌治療の副作用を改善する
能力を決定した。
アドリアマイシン研究 アドリアマイシンは広く使用される抗癌剤である。そ
れは非常に有効であることが知られているが、酸化的損
傷を引き起こす傾向から生じる重篤な副作用を有するこ
ともまた知られている。これらの副作用は、高用量レベ
ルで重篤なレベルの心臓損傷を引き起こすことを包含す
る。これらの副作用は、しばしば、この薬剤の使用を制
限するか、または使用され得る用量レベルを最大の抗新
生物疾患の有効性に対して望まれるレベルより低いレベ
ルに制限する。
実験を行って、本発明の化合物が、アドリアマイシン
のような抗癌剤の副作用を減少させる場合に、そして動
物で耐容性を与え得るより高いアドリアマイシンの用量
レベルを可能にする場合に効果的であることを示した。
C57BL/6JおよびDBA/2J雄マウス(35〜40g)を、アド
リアマイシンの急性致死効果および化合物Iの前治療用
量による急性致死率の予防について試験した。生理食塩
水または化合物Iのいずれかを、アドリアマイシン投与
の30分前にマウスに注射した。すべての注射は腹腔内に
行った。アドリアマイシンの急性致死率は、10〜30mg/k
gの範囲であった。これらの試験におけるアドリアマイ
シンに対するLD50は、両方のマウス系統において25mg/k
gであることが見い出された。アドリアマイシン治療を
行わない最高300mg/kgまでの化合物Iの用量は、2つの
マウス系統における生存率に対して効果を有さなかっ
た。
30および100mg/kgの化合物Iによる前治療は、アドリ
アマイシン致死率用量効果曲線において、用量に関係し
たシフトを生じた。図6は、DBA/2Jマウスを用いて得ら
れた結果を示す。100mg/kgの化合物Iの用量は、右へ
(致死率の低下の方向)5倍のシフトを生じた。従っ
て、化合物Iとアドリアマイシンとの組み合わせは、最
大耐容性用量の著しい増加を生じた。これらのより高用
量は、多剤耐性腫瘍を効果的に死滅させる範囲にある。
比較試験 PBN前治療は、アドリアマイシン用量−効果曲線にお
いて右へのわずかなシフトを生じた。化合物Iの用量
は、アドリアマイシンと組み合わせて300mg/kgまで増加
し得たが、PBNとのこの組み合わせでは上限があった。1
00mg/kgのPBNの用量はわずかな鎮静作用を生じ、そして
300mg/kgのPBNの用量は著しい鎮静作用およびいくらか
の複合毒性(10〜20%の致死率)を生じた。化合物I/ア
ドリアマイシンは、300mg/kgまでの化合物Iの用量で
は、何の複合毒性も生じなかった。
実施例14 安全性試験 化合物IおよびPBNを、その急性毒性に関して雄のSpr
ague Dawley(200〜300g)ラットにおいて試験した。化
合物を1000mg/kgで6匹のラットのグループに腹腔内投
与した。3日後に致死率を評価した。化合物Iは、致死
にはならなかったが、一方PBNは、この試験に使用した
6匹のラットのうち5匹に致死的であった。これらのデ
ータは、化合物IがPBNよりも高い安全性を有するとい
う点でアレチネズミのデータを確証する。
フロントページの続き (72)発明者 カーニー,ジョン エム. アメリカ合衆国 ケンタッキー 40503, レキシントン,パロモー 4033 (56)参考文献 国際公開92/022290(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 309/00 A61K 31/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−(2,4−ジスルホフェニル)tert−ブ
    チルニトロン。
  2. 【請求項2】以下の形態の請求項1に記載の化合物: ここで、Xは、Na、K、NH4、Ca、Mg、CaYおよびMgY
    (Yは、薬学的に受容可能な一価のアニオンである)か
    らなる群から選択される。
  3. 【請求項3】脳卒中のような、中枢神経系領域への急性
    の強い酸化的損傷を伴う病態にかかっている患者、また
    は進行性中枢神経系機能喪失病態にかかっている患者を
    処置するため、および抗新生物疾患治療によって生じる
    酸化的損傷によって患者に引き起こされる副作用を改善
    するための薬学的組成物であって、薬学的に受容可能で
    非経口的に注射可能なキャリア中の請求項1または2に
    記載の化合物を含有する、薬学的組成物。
  4. 【請求項4】脳卒中のような、中枢神経系領域への急性
    の強い酸化的損傷を伴う病態にかかっている患者、また
    は進行性中枢神経系機能喪失病態にかかっている患者を
    処置するため、および抗新生物疾患治療によって生じる
    酸化的損傷によって患者に引き起こされる副作用を改善
    するための薬学的組成物であって、薬学的に受容可能な
    経口キャリア中の請求項1または2に記載の化合物を含
    有する、薬学的組成物。
  5. 【請求項5】脳卒中にかかった患者を治療するための請
    求項3に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物
    が、少なくとも約0.2mg/kg/時間の、有効な脳卒中治療
    量で該患者に非経口投与される、薬学的組成物。
  6. 【請求項6】脳卒中にかかった患者を治療するための請
    求項4に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物
    が、有効な脳卒中治療量で該患者に経口投与される、薬
    学的組成物。
  7. 【請求項7】進行性中枢神経系機能喪失病態にかかって
    いる患者を治療するための請求項3に記載の薬学的組成
    物であって、該薬学的組成物が、有効な進行性中枢神経
    系機能喪失治療量で該患者に非経口投与される、薬学的
    組成物。
  8. 【請求項8】進行性中枢神経系機能喪失病態にかかって
    いる患者を治療するための請求項4に記載の薬学的組成
    物であって、該薬学的組成物が、少なくとも約0.1mg/kg
    /日の、有効な進行性中枢神経系機能喪失治療量で該患
    者に経口投与される、薬学的組成物。
  9. 【請求項9】酸化的損傷を生じる抗新生物疾患治療によ
    って患者に引き起こされる副作用を改善するための請求
    項4に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物
    が、有効な副作用改善量で該患者に経口投与される、薬
    学的組成物。
  10. 【請求項10】酸化的損傷を生じる抗新生物疾患治療に
    よって患者に引き起こされる副作用を改善するための請
    求項3に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物
    が、有効な副作用改善量で該患者に非経口投与される、
    薬学的組成物。
  11. 【請求項11】中枢神経系領域への急性の強い酸化的損
    傷を伴う病態にかかっている患者を処置するための請求
    項3に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物
    が、中枢神経系領域への急性の強い酸化的損傷を伴う病
    態に有効な量で該患者に非経口投与される、薬学的組成
    物。
  12. 【請求項12】中枢神経系領域への急性の強い酸化的損
    傷を伴う病態にかかっている患者を処置するための請求
    項4に記載の薬学的組成物であって、該薬学的組成物
    が、中枢神経系領域への急性の強い酸化的損傷を伴う病
    態に有効な量で該患者に経口投与される、薬学的組成
    物。
  13. 【請求項13】請求項11または12に記載の薬学的組成物
    であって、前記中枢神経系領域への急性の強い酸化的損
    傷を伴う病態が、脳卒中、脳卒中に関連する病態、振と
    う症、およびクモ膜下出血からなる群より選択される、
    薬学的組成物。
  14. 【請求項14】前記薬学的組成物が、静脈内投与され
    る、請求項5、7、10、または11のいずれか1項に記載
    の、薬学的組成物。
  15. 【請求項15】前記中枢神経系領域への急性の強い酸化
    的損傷が脳卒中である、請求項11または12に記載の、薬
    学的組成物。
  16. 【請求項16】前記中枢神経系領域への急性の強い酸化
    的損傷が脳卒中に関連する病態である、請求項11または
    12に記載の、薬学的組成物。
  17. 【請求項17】前記中枢神経系領域への急性の強い酸化
    的損傷が振とう症である、請求項11または12に記載の薬
    学的組成物。
  18. 【請求項18】前記中枢神経系領域への急性の強い酸化
    的損傷がクモ膜下出血である、請求項11または12に記載
    の、薬学的組成物。
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