JP3412556B2 - 通信システム及び方法、並びに通信局装置 - Google Patents

通信システム及び方法、並びに通信局装置

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JP3412556B2
JP3412556B2 JP12119799A JP12119799A JP3412556B2 JP 3412556 B2 JP3412556 B2 JP 3412556B2 JP 12119799 A JP12119799 A JP 12119799A JP 12119799 A JP12119799 A JP 12119799A JP 3412556 B2 JP3412556 B2 JP 3412556B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冗長構成を採る局
装置を有する通信システムにおいて、予備系の状態監視
を行うための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来例にかかるPON(Passiv
e Optical Network)システムの構成を示すブロック図
である。図示するように、このPONシステムでは、親
局101は、現用系の光送信部111と光受信部112
の他に、予備系の光送信部113と光受信部114とを
備えており、冗長構成を採っている。また、親局101
は、光伝送路104〜106において光信号が衝突しな
いように光信号の送出タイミングを制御するTDM(Ti
me Division Multiplex)制御部115を備えている。
【0003】一方、子局102−1〜102−nはそれ
ぞれ、光送信部121と光受信部122とを備えてい
る。また、子局102−1〜102−nは、光伝送路1
04〜106において光信号が衝突しないように光信号
の送出タイミングを制御するTDMA(Time Division
Multiplex Access)制御部123を備えている。
【0004】このPONシステムにおいて、現用系の光
送信部111と光受信部112とは、図5(a)の現用
系フレームで示すように、光伝送路104を介して光信
号でデータを送受信する。一方、予備系の光送信部11
3と光受信部114とは、図5(b)の予備系フレーム
で示すように、光信号105を介して予備系監視データ
と子局102−1〜102−nからの応答を送受信す
る。
【0005】しかしながら、現用系を運用しながら予備
系の状態監視を行おうとすると、図5(c)に示すよう
に、現用系の光送信部111から送出される下りデータ
と、予備系の光送信部113から送出される予備系監視
データとが、スターカプラ103を介して光伝送路10
6上で衝突する場合が生じてしまう。
【0006】このため、光伝送路106上で光信号を衝
突させることなく予備系の状態監視を行うためには、現
用系から予備系へ運用を一旦切り換えなければならない
こととなる。そこで、現用系を運用しながら予備系の状
態監視を常時行えるようにしたシステムが、特許第26
01193号公報及び特許第2601196号公報に開
示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特許第2601193
号公報で開示されているシステムは、現用系と予備系と
で監視信号の波長を変えることによって、現用系と予備
系とから同一のタイムスロットで監視信号が送出されて
も、光伝送路上で実質的に衝突が生じないようにしてい
る。しかし、加入者装置(子局)は、波長毎に異なる送
受信回路を備えなければならず、回路構成が複雑になる
という問題がある。また、現用系の送受信回路と予備系
の送受信回路とを全く同一の構成とすることができない
という問題もある。
【0008】一方、特許第2601196号公報で開示
されているシステムは、現用系の監視情報用フレームの
特定スロットで予備系伝送路監視命令が送出されると、
第2周期において予備系から監視情報が送出されて、予
備系の状態監視を行うことができる。しかし、予備系の
状態監視を行う第2周期においては、現用系からの光信
号の送信が停止されてしまうため、結果として回線収容
効率が低下してしまうという問題がある。
【0009】本発明は、簡易な構成要素の付加のみで、
且つ現用系の運用効率を低下させることなく、予備系の
状態監視を常時行うことができる通信システム及び方
法、並びに通信局装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点にかかる通信システムは、通常
時に運用される現用系と前記現用系の異常時に前記現用
系から切り換えられて運用される予備系とによって冗長
構成された親局と、伝送媒体を介して前記現用系及び前
記予備系のそれぞれとの間でデータを送受信する子局と
から構成され、前記伝送媒体は、前記現用系から前記子
局までの伝送路と前記予備系から前記子局までの伝送路
との少なくとも一部が共通する伝送媒体によって構成さ
れ、前記親局の現用系と前記子局との間で送受信される
データは、前記現用系から前記子局へデータを送信する
ための第1のスロットと前記子局から前記現用系へデー
タを送信するための第2のスロットとの間に、通常の運
用時には使用されない所定のスロットが設けられてフレ
ーム構成され、前記親局は、現用系として運用され、前
記子局に対して、前記第1のスロットにおいてデータを
送信する現用系送信手段と、現用系として運用され、前
記現用系送信手段が送信したデータを受信した子局から
送信されたデータを前記第2のスロットにおいて受信す
る現用系受信手段と、予備系として運用され、前記子局
に対して、前記所定のスロットにおいて監視データを送
信する予備系送信手段と、予備系として運用され、前記
予備系送信手段が送信した監視データを受信した子局か
ら送信された前記監視データに対する応答データを前記
所定のスロットにおいて受信する予備系受信手段と、前
記予備系送信手段が前記監視データを送信してから所定
の期間内に、前記予備系受信手段が前記応答データを受
信したかどうかを判断することにより、予備系が正常動
作しているかどうかを判断する予備系監視手段とを備
え、前記子局は、前記現用系送信手段から送信されたデ
ータ及び前記予備系送信手段から送信された前記監視デ
ータを受信する受信手段と、前記現用系受信手段が受信
するためのデータ及び前記予備系受信手段が受信するた
めの前記応答データを送信する送信手段と、前記受信手
段が前記監視データを受信したかどうかを監視し、前記
監視データの受信を検出したときに前記応答データを前
記送信手段に送信させる監視手段とを備えることを特徴
とする。
【0011】上記通信システムでは、現用系送信手段が
第1のスロットでデータを送信し、現用系受信手段が第
2のスロットでデータを受信することによって、現用系
が運用される。このような現用系の運用を行ったまま、
予備系送信手段が監視データを子局に送信し、それに対
する応答データを子局から受信したかどうかを予備系監
視手段が判断することにより、予備系(伝送媒体のうち
の予備系専用の部分を含む)の運用状態を監視すること
ができる。
【0012】また、子局においても、受信手段が予備系
からの監視データを受信したときに送信手段が応答デー
タを予備系に対して送信するように制御する監視手段を
設ければよいので、現用系を運用しながら予備系の状態
監視を行うために、簡単な構成要素のみを付加すればよ
いこととなる。
【0013】さらに、予備系による監視データ及び応答
データの送受信は、現用系が通常の運用状態では使用し
ない所定のスロットを利用して行っているため、現用系
を運用しながら予備系の状態監視を行うことによって、
現用系の運用効率が低下することはない。
【0014】上記通信システムにおいて、前記伝送媒体
は、例えば、前記親局と前記子局との間に介在する交換
用ターミナルと、前記交換用ターミナルと前記現用系、
前記予備系及び前記子局との間をそれぞれ接続する伝送
路とから構成されたものとすることができる。
【0015】また、前記所定のスロットには、例えば、
前記親局に対して子局を新規に登録する際に遅延測定を
行うための遅延測定用スロットを利用することができ
る。
【0016】また、前記現用系及び前記予備系のそれぞ
れと前記子局との間で送受信されるデータは、光信号に
重畳されているものとすることができる。
【0017】なお、上記通信システムにおいて、予備系
送信手段からの監視データを子局の受信手段が受信した
場合、監視手段は、それに対する応答データが当該フレ
ームの所定スロットで送信手段から送信されるように制
御しても、次以降の所定期間内のフレームの所定スロッ
トで送信手段から送信されるように制御してもよい。
【0018】上記目的を達成するため、本発明の第2の
観点にかかる通信方法は、通常時に運用される現用系と
前記現用系の異常時に前記現用系から切り換えられて運
用される予備系とによって冗長構成された親局と、伝送
媒体を介して前記現用系及び前記予備系のそれぞれと接
続された子局との間でデータを送受信する通信方法であ
って、前記伝送媒体は、前記現用系から前記子局までの
伝送路と前記予備系から前記子局までの伝送路との少な
くとも一部が共通する伝送媒体によって構成され、前記
親局の現用系と前記子局との間で送受信されるデータ
は、前記現用系から前記子局へデータを送信するための
第1のスロットと前記子局から前記現用系へデータを送
信するための第2のスロットとの間に、通常の運用時に
は使用されない所定のスロットが設けられてフレーム構
成され、前記通信方法は、前記現用系から前記子局に対
して、前記第1のスロットにおいてデータを送信する第
1のデータ送信ステップと、前記第1のデータ送信ステ
ップで送信されたデータを受信した子局から前記現用系
に対して、前記第2のスロットにおいてデータを送信す
る第2のデータ送信ステップと、前記予備系から前記子
局に対して、前記所定のスロットにおいて監視データを
送信する監視データ送信ステップと、前記監視データ送
信ステップで送信された監視データを受信した子局から
前記予備系に対して、前記所定のスロットにおいて前記
監視データに対する応答データを送信する応答データ送
信ステップと、前記監視データ送信ステップで前記監視
データを送信してから所定の期間内に、前記応答データ
送信ステップによる応答データを前記予備系が受信した
かどうかを判断することにより、前記予備系が正常動作
しているかどうかを判断する予備系監視ステップとを含
むことを特徴とする。
【0019】上記通信方法において、前記所定のスロッ
トには、例えば、前記親局に対して子局を新規に登録す
る際に遅延測定を行うための遅延測定用スロットを利用
することができる。
【0020】上記目的を達成するため、本発明の第3の
観点にかかる通信局装置は、通常時に運用される現用系
と前記現用系の異常時に前記現用系から切り換えられて
運用される予備系とによって冗長構成され、前記現用系
と前記予備系とのそれぞれが伝送媒体を介して接続され
た他の通信局との間でデータを送受信する通信局装置で
あって、前記伝送媒体は、前記現用系から前記他の通信
局までの伝送路と前記予備系から前記他の通信局までの
伝送路との少なくとも一部が共通する伝送媒体によって
構成され、前記現用系と前記他の通信局との間で送受信
されるデータは、前記現用系から前記他の通信局へデー
タを送信するための第1のスロットと前記他の通信局か
ら前記現用系へデータを送信するための第2のスロット
との間に、通常の運用時には使用されない所定のスロッ
トが設けられてフレーム構成され、前記通信局装置は、
現用系として運用され、前記他の通信局に対して、前記
第1のスロットにおいてデータを送信する現用系送信手
段と、現用系として運用され、前記現用系送信手段が送
信したデータを受信した他の通信局から送信されたデー
タを前記第2のスロットにおいて受信する現用系受信手
段と、予備系として運用され、前記他の通信局に対し
て、前記所定のスロットにおいて監視データを送信する
予備系送信手段と、予備系として運用され、前記予備系
送信手段が送信した監視データを受信した他の通信局か
ら送信された前記監視データに対する応答データを前記
所定のスロットにおいて受信する予備系受信手段と、前
記予備系送信手段が前記監視データを送信してから所定
の期間内に、前記予備系受信手段が前記応答データを受
信したかどうかを判断することにより、予備系が正常動
作しているかどうかを判断する予備系監視手段とを備え
ることを特徴とする。
【0021】上記通信局装置において、前記所定のスロ
ットには、例えば、前記他の通信局を新規に登録する際
に遅延測定を行うための遅延測定用スロットを利用する
ことができる。
【0022】上記目的を達成するため、本発明の第4の
観点にかかる通信局装置は、通常時に運用される現用系
と前記現用系の異常時に前記現用系から切り換えられて
運用される予備系とによって冗長構成された他の通信局
と伝送媒体を介してデータを送受信する通信局装置であ
って、前記伝送媒体は、前記現用系からの伝送路と前記
予備系からの伝送路との少なくとも一部が共通する伝送
媒体によって構成され、前記他の通信局の現用系との間
で送受信されるデータは、前記現用系からデータを送信
するための第1のスロットと前記現用系へデータを送信
するための第2のスロットとの間に、通常の運用時には
使用されない所定のスロットが設けられてフレーム構成
され、前記通信局装置は、前記現用系から送信されたデ
ータ及び前記予備系から送信された監視データを受信す
る受信手段と、前記現用系から送信されたデータに対す
るデータを前記現用系に、前記予備系から送信された監
視データに対する応答データを前記予備系に、それぞれ
送信する送信手段と、前記受信手段が前記予備系からの
監視データを受信したかどうかを監視し、前記監視デー
タの受信を検出したときに前記応答データを前記予備系
に送信させる監視手段とを備えることを特徴とする。
【0023】上記通信局装置において、前記所定のスロ
ットには、例えば、前記通信局装置を前記他の通信局装
置へ新規に登録する際に、前記他の通信局装置が遅延測
定を行うための遅延測定用スロットを利用することがで
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態について説明する。
【0025】図1は、この実施の形態にかかるPONシ
ステムの構成を示すブロック図である。図示するよう
に、このPONシステムは、現用系と予備系との冗長構
成とした親局1と、複数の子局2−1〜2−nと、光伝
送路4〜6を介してこれらを相互接続するスターカプラ
3とから構成されている。
【0026】親局1は、現用系の光送信部11及び光受
信部12と、予備系の光送信部13及び光受信部14
と、TDM制御部15と、予備系監視制御部16とを備
えている。現用系は、故障時及びメンテナンス時など
(以下、異常時という)を除いた通常時に常時運用され
るものであり、一方、予備系は、現用系の異常時に現用
系から切り換えられて運用されるものである。
【0027】現用系の光送信部11及び光受信部12
は、光伝送路4を介してスターカプラ3と接続されてい
る。光送信部11は、通常時において光信号に重畳され
たデータを光伝送路4、6を介して子局2−1〜2−n
へ送信する。光受信部12は、通常時において光伝送路
6、4を介して子局2−1〜2−nの光送信部22から
送信されたデータを受信する。
【0028】予備系の光送信部13及び光受信部14
は、光伝送路5を介してスターカプラ3と接続されてい
る。光送信部13は、異常時において光信号に重畳され
たデータを光伝送路5、6を介して子局2−1〜2−n
へ送信する。光受信部12は、異常時において光伝送路
6、5を介して子局2−1〜2−nの光送信部22から
送信されたデータを受信する。
【0029】また、光送信部13は、通常時において予
備系の状態を監視するための監視データを光信号に重畳
して、光伝送路5、6を介して子局2−1〜2−nへ送
信する。光受信部14は、通常時において監視データに
対して子局2−1〜2−nから光伝送路6、5を介して
送信された応答データを受信する。なお、監視データ及
び応答データの送受信は、上記した遅延測定用スロット
の間ですべて行われる。
【0030】TDM制御部15は、光送信部11、13
から送信されるデータ(監視データを含む)が光伝送路
4〜6上で他のデータと衝突しないように、光送信部1
1、13からのデータの送出タイミングを制御する。
【0031】予備系監視制御部16は、TDM制御部1
5を介して予備系の光送信部13から通常時において送
信される監視データの送信タイミングを制御すると共
に、予備系の光受信部14による応答データを受信した
を監視する。予備系監視制御部16は、光送信部13か
ら監視データを送信してから所定期間内に応答データの
受信がなかった場合に、予備系(光送信部13、光受信
部14及び光伝送路5)に何らかの障害が発生している
と判断する。また、予備系監視制御部16は、新たな子
局を追加登録をする旨のコマンドが上位装置から送られ
てきた場合に、監視データの送信を停止して遅延測定が
行えるようにする。なお、予備系監視制御部16は、基
本的には専用のハードウェアによって構成されるが、従
来と同一の回路構成でソフトウェアをカスタマイズする
ことでも構成可能である。
【0032】一方、子局2−1〜2−nはそれぞれ、光
送信部21と、光受信部22と、TDMA制御部23
と、予備系監視制御部26とを備えている(図では、子
局2−nについてのみ構成を示しているが、他の子局に
ついても構成は同じ)。
【0033】光送信部21及び光受信部22は、光伝送
路6を介してスターカプラ3と接続されている。光受信
部22は、光送信部11、13から光伝送路4、6を介
して送信されたデータ(監視データを含む)を、光信号
に重畳して受信する。光送信部21は、光受信部22が
受信したデータに対するデータ(応答データを含む)
を、光信号に重畳して送信する。
【0034】TDMA制御部23は、光送信部22から
送信されるデータ(応答データを含む)が光伝送路4〜
6上で他のデータと衝突しないように、光送信部22か
らのデータの送出タイミングを制御する。
【0035】予備系監視制御部24は、光受信部22が
予備系の光送信部13からの監視データを受信したかど
うかを監視し、監視データを受信した場合に、TDMA
制御部23を介して光送信部21を制御し、現用系の光
受信部12に対して応答データを送信させる。なお、予
備系監視制御部24は、基本的には専用のハードウェア
によって構成されるが、従来と同一の回路構成でソフト
ウェアをカスタマイズすることでも構成可能である。
【0036】スターカプラ3は、親局1の現用系、親局
の1予備系、及び子局2−1〜2−nを光伝送路4〜6
を介してスター型に相互接続する交換用ターミナルであ
り、親局1から子局2−1〜2−n或いは子局2−1〜
2−nから親局1への光信号は、すべてスターカプラ3
を経由して送受信される。また、光伝送路4〜6は、光
ファイバケーブルなどによって構成されている。
【0037】以下、この実施の形態にかかるPONシス
テムにおける動作について、説明する。ここでは、親局
1と子局2−nとの間での動作を例として説明する。な
お、親局1の現用系は、正常に運用され、通常時の運用
状態にあり、子局2−1〜2−nの新規登録を行う場合
でもないものとする。
【0038】まず、現用系の光送信部11は、TDM制
御部15の制御の下、現用系の1フレームが開始するタ
イミングになると、光信号に重畳させたデータ(下りデ
ータ)を光伝送路4、6を介して送信する。このデータ
を子局2−nの光受信部22が受信し、予備系監視制御
部24が受信を検出すると、予備系監視制御部24は、
受信したデータに対するデータ(上りデータ)を、光送
信部21から光伝送路6、4を介して現用系の光受信部
12に送信させる。
【0039】ここで、現用系の光送信部11と子局2−
nの光受信部22との間で送受信されるデータ(下りデ
ータ)が光伝送路4、6上を流れているタイムスロット
と、子局2−nの光送信部21と現用系の光受信部12
との間で送受信されるデータ(上りデータ)が光伝送路
4、6上を流れているタイムスロットとの間に、図2
(a)に示すように、遅延測定用スロットが設けられて
現用系のデータのフレームが構成される。
【0040】遅延測定用スロットは、子局2−1〜2−
nが新規に登録される初期加入時に、親局1の現用系が
新規登録の対象となる子局2−1〜2−nとの間の遅延
測定を行うために使用するものであり、これ以外の通常
時には使用されない。すなわち、遅延測定用スロットに
おいては、子局2−1〜2−nの初期加入時を除いて、
光伝送路4、6上にデータが流れないこととなる。
【0041】一方、予備系監視制御部16は、現用系の
データのフレームで遅延測定用スロットになるのを監視
し、監視の結果から遅延測定用スロットになったことが
分かると、予備系の状態を監視するための監視データ
を、予備系の光送信部13に送信させる。そして、光送
信部13から送信された監視データが、光伝送路4、6
を介して子局2−nの光受信部22によって受信され
る。
【0042】子局2−nの予備系監視制御部24は、光
受信部22による監視データの受信を監視している。監
視の結果から監視データを受信したことが分かると、予
備系監視制御部24は、加入用フレーム内において予備
系の光受信部14が受信できるように、直ちに光送信部
21から応答データを送信させる。つまり、監視データ
と応答データとが、図2(b)に示すように、現用系の
遅延測定用スロットと期間内で光伝送路5、6上を流れ
ることとなる。
【0043】ところで、スターカプラ3から子局2−n
までの光伝送路6上には、図2(c)に示すように、現
用系の上りデータ及び下りデータと、予備系の監視デー
タ及び応答データとの双方が流れることとなる。が、図
2(c)から、現用系の上りデータ及び下りデータと、
予備系の監視データ及び応答データとは、衝突すること
なく光伝送路6上を流れることが分かる。
【0044】つまり、予備系監視制御部16が、監視デ
ータを送信したのと同一のフレーム内の遅延測定用スロ
ットにおいて、その監視データに対する応答データを予
備系の光受信部14が受け取ったことを検出することに
より、親局の予備系13、14が正常に動作しているこ
とが分かる。一方、現用系は正常に運用されているの
に、予備系の光受信部14が応答データを受信できない
場合には、予備系に障害が生じていることが分かる。一
方、現用系と予備系との双方が子局2−1〜2−nから
のデータを受け取れない場合には、子局2−1〜2−n
に障害が生じていることが分かる。
【0045】なお、子局2−1〜2−nが新規に登録さ
れる初期加入時には、上位装置(図示せず)から親局1
に、その旨を示すコマンドが伝えられる。予備系監視制
御部16は、このコマンドを受け取った場合には、予備
系の光送信部13から監視データが送出されないよう
に、TDM制御部15に対して所定の制御を行う。
【0046】以上説明したように、この実施の形態にか
かるPONシステムでは、1フレームにおいて、現用系
の光送信部11から子局2−1〜2−nの光受信部22
にデータを送信するタイムスロットと、現用系の光受信
部12が子局2−1〜2−nの光送信部21から送信さ
れたデータを受信するタイムスロットの間にある遅延測
定用スロットを利用して、予備系の光送信部13から子
局2−1〜2−nに監視データが送信され、これに対す
る応答データを予備系の光受信部14が受信することと
なる。
【0047】従って、運用系において子局との間に送受
信されるデータと、予備系において子局との間に送受信
される監視データ及び応答データが、これらのデータを
伝送する伝送媒体上で衝突することがない。このため、
親局1は、現用系から予備系への切り替えを行うことな
く、現用系を運用させたまま予備系の状態を監視するこ
とができる。
【0048】また、子局2−1〜2−nにおいては、予
備系の光送信部13からの監視データを光受信部22が
受信したときに、これに対する応答データを光送信部2
1に送信させる予備系監視制御部24が設けられていれ
ばよい。このため、現用系を運用しながら予備系の状態
監視を行うために、子局2−1〜2−nに簡単な回路の
みを付加すればよいこととなる。一方、親局1において
も、現用系と予備系とで使用する光信号は、それぞれ同
一のものとすることができるので、現用系と予備系との
構成を全く同一にすることができる。
【0049】さらに、予備系による監視データ及び応答
データの送受信は、遅延測定用スロットを利用して行っ
ている。この遅延測定用スロットは、子局2−1〜2−
nを新規に登録する際に、その遅延測定のために使用さ
れるもので、現用系の通常の運用時には利用されていな
い。このため、現用系を運用しながら予備系の状態監視
を行うことによって、現用系の運用効率が低下すること
はない。
【0050】本発明は、上記の実施の形態に限られず、
種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可
能な上記の実施の形態の変形態様について、説明する。
【0051】上記の実施の形態では、スターカプラ3を
中心とする放射状の光伝送路4〜6でネットワークを構
成し、光伝送路4〜6に現用系、予備系または子局をそ
れぞれ接続したPONシステムに本発明を適用した場合
について説明した。しかしながら、現用系から子局2ま
での伝送路と、予備系から子局までの伝送路との少なく
とも一部が重複している他のネットワークシステムであ
っても、本発明を適用し得る場合がある。
【0052】上記の実施の形態では、予備系監視制御部
24は、光受信部22が予備系監視データを受信したと
きに、同一のフレーム内の遅延測定用スロット内で親局
1の予備系の光受信部14が応答を受信するように、T
DMA制御部23を制御して光送信部21からの応答の
送出を制御していた。これに対し、図3に示すように、
光送信部21からの応答の送出は、光受信部22が予備
系監視データを受信した次のフレーム内の遅延測定用ス
ロットで親局1の予備系の光受信部14が応答を受信す
るようにしてもよい。
【0053】上記の実施の形態では、親局1は、予備系
として1組の光送信部13及び光受信部14を備えるも
のとしていた。しかしながら、本発明は、親局1が予備
系として2組以上のものを備える場合であっても、適用
することができる。この場合、TDM制御部15及び予
備系監視制御部16は、さらに光伝送路上で衝突しない
ように各予備系からの予備系監視データの送出を制御
し、TDMA制御部23及び予備系監視制御部24は、
各子局からの応答が衝突しないように子局毎に定められ
たタイムスロットに従って応答の送出を制御すればよ
い。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡単な構成要素の付加のみで、且つ現用系の運用効率を
低下させることなく、現用系を運用させたまま予備系の
状態監視を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるPONシステムの
構成を示すブロック図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態にかか
るPONシステムの光伝送路上の信号を示す図である。
【図3】予備系監視データとこれに対する応答とが送受
信されるタイミングの他の例を示す図である。
【図4】従来例にかかるPONシステムの構成を示すブ
ロック図である。
【図5】(a)〜(c)は、従来例にかかるPONシス
テムの光伝送路上の信号を示す図である。
【符号の説明】
1 親局 2−1〜2−n 子局 3 スターカプラ 4〜6 光伝送路 11 光送信部(現用系) 12 光受信部(現用系) 13 光送信部(予備系) 14 光受信部(予備系) 15 TDM制御部 16 予備系監視制御部 21 光送信部 22 光受信部 23 TDMA制御部 24 予備系監視制御部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04L 12/28 H04L 11/20 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 17/00 H04B 1/74 H04B 10/02 H04B 10/08 H04J 14/08 H04L 12/28

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通常時に運用される現用系と前記現用系の
    異常時に前記現用系から切り換えられて運用される予備
    系とによって冗長構成された親局と、伝送媒体を介して
    前記現用系及び前記予備系のそれぞれとの間でデータを
    送受信する子局とから構成される通信システムであっ
    て、 前記伝送媒体は、前記現用系から前記子局までの伝送路
    と前記予備系から前記子局までの伝送路との少なくとも
    一部が共通する伝送媒体によって構成され、 前記親局の現用系と前記子局との間で送受信されるデー
    タは、前記現用系から前記子局へデータを送信するため
    の第1のスロットと前記子局から前記現用系へデータを
    送信するための第2のスロットとの間に、通常の運用時
    には使用されない所定のスロットが設けられてフレーム
    構成され、 前記親局は、 現用系として運用され、前記子局に対して、前記第1の
    スロットにおいてデータを送信する現用系送信手段と、 現用系として運用され、前記現用系送信手段が送信した
    データを受信した子局から送信されたデータを前記第2
    のスロットにおいて受信する現用系受信手段と、 予備系として運用され、前記子局に対して、前記所定の
    スロットにおいて監視データを送信する予備系送信手段
    と、 予備系として運用され、前記予備系送信手段が送信した
    監視データを受信した子局から送信された前記監視デー
    タに対する応答データを前記所定のスロットにおいて受
    信する予備系受信手段と、 前記予備系送信手段が前記監視データを送信してから所
    定の期間内に、前記予備系受信手段が前記応答データを
    受信したかどうかを判断することにより、予備系が正常
    動作しているかどうかを判断する予備系監視手段とを備
    え、 前記子局は、 前記現用系送信手段から送信されたデータ及び前記予備
    系送信手段から送信された前記監視データを受信する受
    信手段と、 前記現用系受信手段が受信するためのデータ及び前記予
    備系受信手段が受信するための前記応答データを送信す
    る送信手段と、 前記受信手段が前記監視データを受信したかどうかを監
    視し、前記監視データの受信を検出したときに前記応答
    データを前記送信手段に送信させる監視手段とを備える
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 【請求項2】前記伝送媒体は、前記親局と前記子局との
    間に介在する交換用ターミナルと、前記交換用ターミナ
    ルと前記現用系、前記予備系及び前記子局との間をそれ
    ぞれ接続する伝送路とから構成されることを特徴とする
    請求項1に記載の通信システム。
  3. 【請求項3】前記所定のスロットは、前記親局に対して
    子局を新規に登録する際に遅延測定を行うための遅延測
    定用スロットであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の通信システム。
  4. 【請求項4】前記現用系及び前記予備系のそれぞれと前
    記子局との間で送受信されるデータは、光信号に重畳さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1
    項に記載の通信システム。
  5. 【請求項5】通常時に運用される現用系と前記現用系の
    異常時に前記現用系から切り換えられて運用される予備
    系とによって冗長構成された親局と、伝送媒体を介して
    前記現用系及び前記予備系のそれぞれと接続された子局
    との間でデータを送受信する通信方法であって、 前記伝送媒体は、前記現用系から前記子局までの伝送路
    と前記予備系から前記子局までの伝送路との少なくとも
    一部が共通する伝送媒体によって構成され、 前記親局の現用系と前記子局との間で送受信されるデー
    タは、前記現用系から前記子局へデータを送信するため
    の第1のスロットと前記子局から前記現用系へデータを
    送信するための第2のスロットとの間に、通常の運用時
    には使用されない所定のスロットが設けられてフレーム
    構成され、 前記通信方法は、 前記現用系から前記子局に対して、前記第1のスロット
    においてデータを送信する第1のデータ送信ステップ
    と、 前記第1のデータ送信ステップで送信されたデータを受
    信した子局から前記現用系に対して、前記第2のスロッ
    トにおいてデータを送信する第2のデータ送信ステップ
    と、 前記予備系から前記子局に対して、前記所定のスロット
    において監視データを送信する監視データ送信ステップ
    と、 前記監視データ送信ステップで送信された監視データを
    受信した子局から前記予備系に対して、前記所定のスロ
    ットにおいて前記監視データに対する応答データを送信
    する応答データ送信ステップと、 前記監視データ送信ステップで前記監視データを送信し
    てから所定の期間内に、前記応答データ送信ステップに
    よる応答データを前記予備系が受信したかどうかを判断
    することにより、前記予備系が正常動作しているかどう
    かを判断する予備系監視ステップとを含むことを特徴と
    する通信方法。
  6. 【請求項6】前記所定のスロットは、前記親局に対して
    子局を新規に登録する際に遅延測定を行うための遅延測
    定用スロットであることを特徴とする請求項5に記載の
    通信方法。
  7. 【請求項7】通常時に運用される現用系と前記現用系の
    異常時に前記現用系から切り換えられて運用される予備
    系とによって冗長構成され、前記現用系と前記予備系と
    のそれぞれが伝送媒体を介して接続された他の通信局と
    の間でデータを送受信する通信局装置であって、 前記伝送媒体は、前記現用系から前記他の通信局までの
    伝送路と前記予備系から前記他の通信局までの伝送路と
    の少なくとも一部が共通する伝送媒体によって構成さ
    れ、 前記現用系と前記他の通信局との間で送受信されるデー
    タは、前記現用系から前記他の通信局へデータを送信す
    るための第1のスロットと前記他の通信局から前記現用
    系へデータを送信するための第2のスロットとの間に、
    通常の運用時には使用されない所定のスロットが設けら
    れてフレーム構成され、 前記通信局装置は、 現用系として運用され、前記他の通信局に対して、前記
    第1のスロットにおいてデータを送信する現用系送信手
    段と、 現用系として運用され、前記現用系送信手段が送信した
    データを受信した他の通信局から送信されたデータを前
    記第2のスロットにおいて受信する現用系受信手段と、 予備系として運用され、前記他の通信局に対して、前記
    所定のスロットにおいて監視データを送信する予備系送
    信手段と、 予備系として運用され、前記予備系送信手段が送信した
    監視データを受信した他の通信局から送信された前記監
    視データに対する応答データを前記所定のスロットにお
    いて受信する予備系受信手段と、 前記予備系送信手段が前記監視データを送信してから所
    定の期間内に、前記予備系受信手段が前記応答データを
    受信したかどうかを判断することにより、予備系が正常
    動作しているかどうかを判断する予備系監視手段とを備
    えることを特徴とする通信局装置。
  8. 【請求項8】前記所定のスロットは、前記他の通信局を
    新規に登録する際に遅延測定を行うための遅延測定用ス
    ロットであることを特徴とする請求項7に記載の通信局
    装置。
  9. 【請求項9】通常時に運用される現用系と前記現用系の
    異常時に前記現用系から切り換えられて運用される予備
    系とによって冗長構成された他の通信局と伝送媒体を介
    してデータを送受信する通信局装置であって、 前記伝送媒体は、前記現用系からの伝送路と前記予備系
    からの伝送路との少なくとも一部が共通する伝送媒体に
    よって構成され、 前記他の通信局の現用系との間で送受信されるデータ
    は、前記現用系からデータを送信するための第1のスロ
    ットと前記現用系へデータを送信するための第2のスロ
    ットとの間に、通常の運用時には使用されない所定のス
    ロットが設けられてフレーム構成され、 前記通信局装置は、 前記現用系から送信されたデータ及び前記予備系から送
    信された監視データを受信する受信手段と、 前記現用系から送信されたデータに対するデータを前記
    現用系に、前記予備系から送信された監視データに対す
    る応答データを前記予備系に、それぞれ送信する送信手
    段と、 前記受信手段が前記予備系からの監視データを受信した
    かどうかを監視し、前記監視データの受信を検出したと
    きに前記応答データを前記予備系に送信させる監視手段
    とを備えることを特徴とする通信局装置。
  10. 【請求項10】前記所定のスロットは、前記通信局装置
    を前記他の通信局装置へ新規に登録する際に、前記他の
    通信局装置が遅延測定を行うための遅延測定用スロット
    であることを特徴とする請求項9に記載の通信局装置。
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