JP3411692B2 - 入浴介護装置用椅子 - Google Patents
入浴介護装置用椅子Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、体の不自由な人を吊り
下げて浴槽から自由に出し入れできるようにした入浴介
護装置に用いるための椅子に関する。 【０００２】 【従来の技術】入浴時に洗い場から浴槽への出入りが自
分で行えない体の不自由な人を、介護人により浴槽へ自
由に出入りできるようにした入浴介護装置が従来から提
供されている。その入浴介護装置は、図５及び図６に示
すように、浴室内の洗い場に備えた支柱５０と、その支
柱５０を浴室の所定の位置に固定するための梁５２と、
前記支柱５０に取り付けられその支柱５０に沿って上下
に移動可能な移動体５４と、この移動体５４に水平方向
に揺動自在となるように取り付けられるアーム５６と、
そのアーム５６の先端に回転自在に取り付けられるハン
ガー５８と、そのハンガー５８の両端に備えられるフッ
ク（図示せず）とから成る。この移動体５４は、例えば
支柱５０の内部のアクチュエータに出し入れされるに水
によって上下に移動させられる。一方、移動体５４に対
するアーム５６の揺動と、アーム５６に対するハンガー
５８の回転は、介護者の手によって行なわれる。 【０００３】この入浴介護装置では、前記構成部材の他
に、体の不自由な人を収容する布製で袋状の収容部材６
０を必要とする。この収容部材６０は、その上端に前記
ハンガー５８のフックに掛ける穴を有するか、或はハン
ガー５８のフックに結ぶかのいずれかにして、収容部材
６０をハンガー５８に取り付ける。この入浴介護装置
は、収容部材６０の内部に体の不自由な人を収容して、
その収容部材６０を上下に昇降させると共に、その収容
部材６０を浴槽と洗い場と浴室の外部との間を移動させ
るものである。布製の収容部材６０では、内部に収容し
た人を昇降移動の際にそこから落ちることがにないよう
にするために、体の上方と前方だけを解放して、その他
の箇所は収容部材６０で覆う形状となっている。即ち、
収容部材６０は、その底部が収容した人の太腿並びに尻
と接触し、その背面部が収容した人の背中と接触し、そ
の両方の側面部が収容した人の両腕の外側と接触するよ
うに設定されている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】この収容部材６０は布
製で袋状であるので、収容部材６０に収容されて空中に
吊り下げられた状態では、布製の収容部材６０の前方下
側の外縁が体（足の膝の裏や、太ももの裏）に食い込む
と共に、収容部材６０全体で体を縮める方向に圧迫し、
吊り下げられる人の体に痛みを与えるという不具合があ
る。更に、布製の収容部材６０で体の側面も圧迫するの
で、収容部材６０に収容されている状態では腕を前方に
伸ばす以外は自由に動かせないという不具合があった。 【０００５】前記布製で袋状の収容部材６０の不具合を
解消するために、剛性の素材から成る椅子を使用するこ
とが考えられる。しかし、家庭用の浴槽には長さが短か
いものがあったり、高さが低いものがあったりするの
で、単なる剛性の素材から成る椅子では全ての種類の浴
槽に適応出来ないものであった。 【０００６】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、空中に吊り下げられた人に痛いおもいをさせること
なく、しかも腕が自由に使えるようにし、かつ浴槽の長
さが短い場合や深さに深浅がある場合でも体の不自由な
人を椅子に載せたままお湯に漬からせることができるよ
うにした入浴介護装置用椅子を提供するものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、床と接触する箇所を有する主枠と、その主
枠に固定される吊下係合手段と、その主枠に揺動自在に
取り付けられる揺動枠と、前記主枠と揺動枠との間に連
結されるものでそれ自体の長さを変えることができる長
さ調節手段と、一端を主枠に取り付けると共に他端を揺
動枠に取り付ける人を載せるためのシートと、前記主枠
に折り畳み自在に取りつけられ床と接触して主枠を支持
するためのものであってその折り畳み状態に応じて前記
シートと床ととの間の高さを変化させるための折畳枠と
を有するものである。 【０００８】 【作用】主枠に対する揺動枠の高さや水平位置を長さ調
節手段によって変位させる。また、主枠の一方側の高さ
を折畳枠によって調節させる。これによって、シートに
腰掛けた人の高さと長さを調節することができ、高さの
低い浴槽や長さの短い浴槽でも、椅子に腰掛けたままの
人を浴槽から出し入れすることができる。 【０００９】 【実施例】次に本発明を図面に基づいて説明する。図１
は本発明に係わる入浴介護装置用椅子の一実施例を示す
側面図、図２は図１のＡ矢印方向図である。椅子の主枠
１０は、図１で見てほぼＬ字に近い形状一対の側面部材
１２と、その一対の側面部材１２をＬ字形状の一方の端
同士を連結する連結部材１４とから成る。前記連結部材
１４は床と接触するものであり、椅子の前脚として機能
する。これら一対の側面部材１２と連結部材１４は一体
に形成するのが望ましいが、それに限るものではない。
側面部材１２は説明の便宜上、図１に示すように、連結
部材１４との連結位置からＬ字の中央部までを横方向側
面部材１６とし、Ｌ字の中央部から他方の自由端までを
縦方向側面部材１８とする。図１及び図２に示すよう
に、横方向側面部材１６と連結部材１４との連絡箇所付
近に吊下げ用ロープを通すための吊下係合手段としての
前側把手２０が固定され、縦方向側面部材１８の上端付
近に吊下げ用ロープを通すための吊下係合手段としての
後側把手２２が固定される。図１及び図２では吊下係合
手段として把手を示したが、係合手段であれば鈎を始め
としてどのようなものであっても良い。 【００１０】前記横方向側面部材１６の途中には、ヒン
ジ２４を介して揺動枠２６が揺動可能に取り付けられ
る。この揺動枠２６は、図１で見て「く」の字の形状の
一対の側面部材２８と、その一対の側面部材２８を連結
するものであって前記主枠１０の連結部材１４より上位
でそれと平行に配置する連結部材３０とから成る。これ
ら一対の側面部材２８と連結部材３０は一体に形成する
のが望ましいが、それに限るものではない。前記主枠１
０の連結部材１４と前記揺動枠１８の連結部材３０との
間には、長さ調節手段３２がそれぞれヒンジ３４，３６
を介して取り付けられている。この長さ調節手段３２
は、それ自体の全長を伸縮出来るもので、しかも所望の
任意な長さで固定出来るものである。この長さ調節手段
３２の長さを変化させると、揺動枠２６は前記ヒンジ２
４を中心にして揺動し、その揺動枠２６の連結部材３０
は前記主枠１０の連結部材１４に対して垂直方向の高さ
や水平方向の位置を変化させる。 【００１１】図１及び図２に示すように、一端側を主枠
１０の縦方向側面部材１８の上部に掛け、他端側を揺動
枠２６の連結部材３０に掛けるシート３８が備えられ
る。このシート３８は、入浴介護装置用椅子に座る人の
背中と尻と太腿の裏側とに接触するためのもので、布地
や網状のものが望ましい。このシート３８は、変位しな
い主枠１０に一端を取り付け、変位する揺動枠２６に他
端を取り付けてあるので、揺動枠２６の変位に伴って、
そのシート３８に座った人の下半身の位置が変位する。 【００１２】前記縦方向側面部材１８の途中には、ヒン
ジ４０を介して後脚としての折畳枠４２が揺動可能に取
り付けられる。この折畳枠４２は、床に対するシート３
８の高さを調節するためのものである。この折畳枠４２
を後ろに開いた状態（図１に実線で示した状態）では、
床と接触して後脚として機能する。即ち、この状態で
は、主枠１０の連結部材１４が前脚として床に接触する
のに対し、この折畳枠４２は後脚として床に接触する。
一方、この折畳枠４２を前に閉じた状態（図１に一点鎖
線で示した状態）では、折畳枠４２は床に接触しない
で、横方向側面部材１６のＬ字の中央の曲がり位置付近
の最下点４４が後脚として床と接触する。なお、この折
畳枠４２は、複数の段階に床に対するシート３８の高さ
を調節する構造としても良い。また、この折畳枠４２
は、縦方向側面部材１８に揺動可能に取り付けられてい
るが、横方向側面部材１６に取り付けても良い。 【００１３】次に、本発明の入浴介護装置用椅子の使用
方法について説明する。先ず、この椅子は、主枠１０と
その主枠１０に対して揺動可能な揺動枠２６とにシート
３８を掛け渡し、そのシート３８で体の背中と尻と太腿
を支持する。主枠１０に固定した前側把手２０と後側把
手２２との間にロープ（図示せず）を通し、そのロープ
を図５に示すようなハンガー５８に掛けて、入浴介護装
置用椅子を吊り下げる。このように、本発明の入浴介護
装置用椅子では、入浴介護装置と剛体としての主枠１０
とを連結して昇降させるので、昇降時に体と接触するシ
ート３８が体を圧迫することがない。また、腕も圧迫さ
れることがないので、手を自由に使うことができる。 【００１４】次に、洗い場において体を洗う場合には、
図３に示すように、前記折畳枠４２を後ろに開いた状態
とし、主枠１０の連結部材１４を前脚として床に接触さ
せ、折畳枠４２を後脚として床に接触させる。この際、
長さ調節手段３２の長さを調節して、椅子に座っている
人の足が床に接触する高さに揺動枠２６の高さを固定す
る。これによって、通常の椅子に座っている状態とな
り、両手を自由に使用して洗い場で体を洗うことができ
る。 【００１５】浴槽の中に体を入れる場合には、浴槽の深
さが深い場合は、図３と同じように折畳枠４２を後ろに
開いたままとすれば良いが、浴槽の深さが浅い場合に
は、図４に示すように、折畳枠４２を前に閉じる。この
折畳枠４２を前に閉じた状態においては、側面部材１２
の最下点４４が床と接触し、この最下点４４が後脚とし
て浴槽の床と接触する。この結果、床に対するシート３
８の高さが低くなり、浴槽の深さが浅い場合でも肩まで
お湯に漬かることが出来る。 【００１６】浴槽の長さが短い場合には、長さ調節手段
３２の長さを調節して、揺動枠２６の高さを上げるよう
にする。揺動枠２６の連結部材３０の高さが高くなる
と、入浴介護装置用椅子の全長が短くなる（図１並びに
図４参照）と共に、膝を高くすることにより踵を引くこ
とができる。この結果、全長が短い浴槽であっても、入
浴介護装置用椅子に載せたまま、体の不自由な人を浴槽
に出し入れすることができる。 【００１７】なお、前記実施例において、主枠１０の連
結部材１４を椅子の前脚とし、折畳枠４２を椅子の後脚
とすると説明したが、折畳枠４２を椅子の前脚とし、主
枠１０の連結部材１４を椅子の後脚としても良い。この
場合には、主枠１０の形状をその状態に合致するように
変更する。 【００１８】 【発明の効果】以上のように、本発明に係わる入浴介護
装置用椅子によれば、椅子に座っている人の水平方向の
長さの調節や、椅子自体の高さの調節をすることができ
るので、長さが短い浴槽でも深さが低い浴槽でも、椅子
に座った人を浴槽のお湯につけることができる。しか
も、昇降移動時に椅子に座っている人の体を圧迫するこ
とがなく、手を自由に使うことができるものである。
下げて浴槽から自由に出し入れできるようにした入浴介
護装置に用いるための椅子に関する。 【０００２】 【従来の技術】入浴時に洗い場から浴槽への出入りが自
分で行えない体の不自由な人を、介護人により浴槽へ自
由に出入りできるようにした入浴介護装置が従来から提
供されている。その入浴介護装置は、図５及び図６に示
すように、浴室内の洗い場に備えた支柱５０と、その支
柱５０を浴室の所定の位置に固定するための梁５２と、
前記支柱５０に取り付けられその支柱５０に沿って上下
に移動可能な移動体５４と、この移動体５４に水平方向
に揺動自在となるように取り付けられるアーム５６と、
そのアーム５６の先端に回転自在に取り付けられるハン
ガー５８と、そのハンガー５８の両端に備えられるフッ
ク（図示せず）とから成る。この移動体５４は、例えば
支柱５０の内部のアクチュエータに出し入れされるに水
によって上下に移動させられる。一方、移動体５４に対
するアーム５６の揺動と、アーム５６に対するハンガー
５８の回転は、介護者の手によって行なわれる。 【０００３】この入浴介護装置では、前記構成部材の他
に、体の不自由な人を収容する布製で袋状の収容部材６
０を必要とする。この収容部材６０は、その上端に前記
ハンガー５８のフックに掛ける穴を有するか、或はハン
ガー５８のフックに結ぶかのいずれかにして、収容部材
６０をハンガー５８に取り付ける。この入浴介護装置
は、収容部材６０の内部に体の不自由な人を収容して、
その収容部材６０を上下に昇降させると共に、その収容
部材６０を浴槽と洗い場と浴室の外部との間を移動させ
るものである。布製の収容部材６０では、内部に収容し
た人を昇降移動の際にそこから落ちることがにないよう
にするために、体の上方と前方だけを解放して、その他
の箇所は収容部材６０で覆う形状となっている。即ち、
収容部材６０は、その底部が収容した人の太腿並びに尻
と接触し、その背面部が収容した人の背中と接触し、そ
の両方の側面部が収容した人の両腕の外側と接触するよ
うに設定されている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】この収容部材６０は布
製で袋状であるので、収容部材６０に収容されて空中に
吊り下げられた状態では、布製の収容部材６０の前方下
側の外縁が体（足の膝の裏や、太ももの裏）に食い込む
と共に、収容部材６０全体で体を縮める方向に圧迫し、
吊り下げられる人の体に痛みを与えるという不具合があ
る。更に、布製の収容部材６０で体の側面も圧迫するの
で、収容部材６０に収容されている状態では腕を前方に
伸ばす以外は自由に動かせないという不具合があった。 【０００５】前記布製で袋状の収容部材６０の不具合を
解消するために、剛性の素材から成る椅子を使用するこ
とが考えられる。しかし、家庭用の浴槽には長さが短か
いものがあったり、高さが低いものがあったりするの
で、単なる剛性の素材から成る椅子では全ての種類の浴
槽に適応出来ないものであった。 【０００６】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、空中に吊り下げられた人に痛いおもいをさせること
なく、しかも腕が自由に使えるようにし、かつ浴槽の長
さが短い場合や深さに深浅がある場合でも体の不自由な
人を椅子に載せたままお湯に漬からせることができるよ
うにした入浴介護装置用椅子を提供するものである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、床と接触する箇所を有する主枠と、その主
枠に固定される吊下係合手段と、その主枠に揺動自在に
取り付けられる揺動枠と、前記主枠と揺動枠との間に連
結されるものでそれ自体の長さを変えることができる長
さ調節手段と、一端を主枠に取り付けると共に他端を揺
動枠に取り付ける人を載せるためのシートと、前記主枠
に折り畳み自在に取りつけられ床と接触して主枠を支持
するためのものであってその折り畳み状態に応じて前記
シートと床ととの間の高さを変化させるための折畳枠と
を有するものである。 【０００８】 【作用】主枠に対する揺動枠の高さや水平位置を長さ調
節手段によって変位させる。また、主枠の一方側の高さ
を折畳枠によって調節させる。これによって、シートに
腰掛けた人の高さと長さを調節することができ、高さの
低い浴槽や長さの短い浴槽でも、椅子に腰掛けたままの
人を浴槽から出し入れすることができる。 【０００９】 【実施例】次に本発明を図面に基づいて説明する。図１
は本発明に係わる入浴介護装置用椅子の一実施例を示す
側面図、図２は図１のＡ矢印方向図である。椅子の主枠
１０は、図１で見てほぼＬ字に近い形状一対の側面部材
１２と、その一対の側面部材１２をＬ字形状の一方の端
同士を連結する連結部材１４とから成る。前記連結部材
１４は床と接触するものであり、椅子の前脚として機能
する。これら一対の側面部材１２と連結部材１４は一体
に形成するのが望ましいが、それに限るものではない。
側面部材１２は説明の便宜上、図１に示すように、連結
部材１４との連結位置からＬ字の中央部までを横方向側
面部材１６とし、Ｌ字の中央部から他方の自由端までを
縦方向側面部材１８とする。図１及び図２に示すよう
に、横方向側面部材１６と連結部材１４との連絡箇所付
近に吊下げ用ロープを通すための吊下係合手段としての
前側把手２０が固定され、縦方向側面部材１８の上端付
近に吊下げ用ロープを通すための吊下係合手段としての
後側把手２２が固定される。図１及び図２では吊下係合
手段として把手を示したが、係合手段であれば鈎を始め
としてどのようなものであっても良い。 【００１０】前記横方向側面部材１６の途中には、ヒン
ジ２４を介して揺動枠２６が揺動可能に取り付けられ
る。この揺動枠２６は、図１で見て「く」の字の形状の
一対の側面部材２８と、その一対の側面部材２８を連結
するものであって前記主枠１０の連結部材１４より上位
でそれと平行に配置する連結部材３０とから成る。これ
ら一対の側面部材２８と連結部材３０は一体に形成する
のが望ましいが、それに限るものではない。前記主枠１
０の連結部材１４と前記揺動枠１８の連結部材３０との
間には、長さ調節手段３２がそれぞれヒンジ３４，３６
を介して取り付けられている。この長さ調節手段３２
は、それ自体の全長を伸縮出来るもので、しかも所望の
任意な長さで固定出来るものである。この長さ調節手段
３２の長さを変化させると、揺動枠２６は前記ヒンジ２
４を中心にして揺動し、その揺動枠２６の連結部材３０
は前記主枠１０の連結部材１４に対して垂直方向の高さ
や水平方向の位置を変化させる。 【００１１】図１及び図２に示すように、一端側を主枠
１０の縦方向側面部材１８の上部に掛け、他端側を揺動
枠２６の連結部材３０に掛けるシート３８が備えられ
る。このシート３８は、入浴介護装置用椅子に座る人の
背中と尻と太腿の裏側とに接触するためのもので、布地
や網状のものが望ましい。このシート３８は、変位しな
い主枠１０に一端を取り付け、変位する揺動枠２６に他
端を取り付けてあるので、揺動枠２６の変位に伴って、
そのシート３８に座った人の下半身の位置が変位する。 【００１２】前記縦方向側面部材１８の途中には、ヒン
ジ４０を介して後脚としての折畳枠４２が揺動可能に取
り付けられる。この折畳枠４２は、床に対するシート３
８の高さを調節するためのものである。この折畳枠４２
を後ろに開いた状態（図１に実線で示した状態）では、
床と接触して後脚として機能する。即ち、この状態で
は、主枠１０の連結部材１４が前脚として床に接触する
のに対し、この折畳枠４２は後脚として床に接触する。
一方、この折畳枠４２を前に閉じた状態（図１に一点鎖
線で示した状態）では、折畳枠４２は床に接触しない
で、横方向側面部材１６のＬ字の中央の曲がり位置付近
の最下点４４が後脚として床と接触する。なお、この折
畳枠４２は、複数の段階に床に対するシート３８の高さ
を調節する構造としても良い。また、この折畳枠４２
は、縦方向側面部材１８に揺動可能に取り付けられてい
るが、横方向側面部材１６に取り付けても良い。 【００１３】次に、本発明の入浴介護装置用椅子の使用
方法について説明する。先ず、この椅子は、主枠１０と
その主枠１０に対して揺動可能な揺動枠２６とにシート
３８を掛け渡し、そのシート３８で体の背中と尻と太腿
を支持する。主枠１０に固定した前側把手２０と後側把
手２２との間にロープ（図示せず）を通し、そのロープ
を図５に示すようなハンガー５８に掛けて、入浴介護装
置用椅子を吊り下げる。このように、本発明の入浴介護
装置用椅子では、入浴介護装置と剛体としての主枠１０
とを連結して昇降させるので、昇降時に体と接触するシ
ート３８が体を圧迫することがない。また、腕も圧迫さ
れることがないので、手を自由に使うことができる。 【００１４】次に、洗い場において体を洗う場合には、
図３に示すように、前記折畳枠４２を後ろに開いた状態
とし、主枠１０の連結部材１４を前脚として床に接触さ
せ、折畳枠４２を後脚として床に接触させる。この際、
長さ調節手段３２の長さを調節して、椅子に座っている
人の足が床に接触する高さに揺動枠２６の高さを固定す
る。これによって、通常の椅子に座っている状態とな
り、両手を自由に使用して洗い場で体を洗うことができ
る。 【００１５】浴槽の中に体を入れる場合には、浴槽の深
さが深い場合は、図３と同じように折畳枠４２を後ろに
開いたままとすれば良いが、浴槽の深さが浅い場合に
は、図４に示すように、折畳枠４２を前に閉じる。この
折畳枠４２を前に閉じた状態においては、側面部材１２
の最下点４４が床と接触し、この最下点４４が後脚とし
て浴槽の床と接触する。この結果、床に対するシート３
８の高さが低くなり、浴槽の深さが浅い場合でも肩まで
お湯に漬かることが出来る。 【００１６】浴槽の長さが短い場合には、長さ調節手段
３２の長さを調節して、揺動枠２６の高さを上げるよう
にする。揺動枠２６の連結部材３０の高さが高くなる
と、入浴介護装置用椅子の全長が短くなる（図１並びに
図４参照）と共に、膝を高くすることにより踵を引くこ
とができる。この結果、全長が短い浴槽であっても、入
浴介護装置用椅子に載せたまま、体の不自由な人を浴槽
に出し入れすることができる。 【００１７】なお、前記実施例において、主枠１０の連
結部材１４を椅子の前脚とし、折畳枠４２を椅子の後脚
とすると説明したが、折畳枠４２を椅子の前脚とし、主
枠１０の連結部材１４を椅子の後脚としても良い。この
場合には、主枠１０の形状をその状態に合致するように
変更する。 【００１８】 【発明の効果】以上のように、本発明に係わる入浴介護
装置用椅子によれば、椅子に座っている人の水平方向の
長さの調節や、椅子自体の高さの調節をすることができ
るので、長さが短い浴槽でも深さが低い浴槽でも、椅子
に座った人を浴槽のお湯につけることができる。しか
も、昇降移動時に椅子に座っている人の体を圧迫するこ
とがなく、手を自由に使うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係わる入浴介護装置用椅子の一実施例
を示す側面図である。 【図２】図１のＡ方向矢視図である。 【図３】本発明に係わる入浴介護装置用椅子の洗い場で
の使用状態を示す側面図である。 【図４】本発明に係わる入浴介護装置用椅子の浴槽での
使用状態を示す側面図である。 【図５】浴室内に入浴介護装置を取り付けた状態の縦断
面図である。 【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図である。 【符合の説明】 １０ 主枠 １２ 側面部材 １４ 連結部材 ２０ 前側把手 ２２ 後側把手 ２６ 揺動枠 ３２ 長さ調節手段 ３８ シート ４２ 折畳枠
を示す側面図である。 【図２】図１のＡ方向矢視図である。 【図３】本発明に係わる入浴介護装置用椅子の洗い場で
の使用状態を示す側面図である。 【図４】本発明に係わる入浴介護装置用椅子の浴槽での
使用状態を示す側面図である。 【図５】浴室内に入浴介護装置を取り付けた状態の縦断
面図である。 【図６】図５のＢ−Ｂ線断面図である。 【符合の説明】 １０ 主枠 １２ 側面部材 １４ 連結部材 ２０ 前側把手 ２２ 後側把手 ２６ 揺動枠 ３２ 長さ調節手段 ３８ シート ４２ 折畳枠
フロントページの続き
(56)参考文献 実開 昭63−13139（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭54−76291（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭59−106462（ＪＰ，Ｕ)
実開 平１−140935（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
A61H 33/00
A47C 9/00 - 9/10
A61G 5/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 床と接触する箇所を有する主枠と、その
主枠に固定される吊下係合手段と、その主枠に揺動自在
に取り付けられる揺動枠と、前記主枠と揺動枠との間に
連結されるものでそれ自体の長さを変えることができる
長さ調節手段と、一端を主枠に取り付けると共に他端を
揺動枠に取り付ける人を載せるためのシートと、前記主
枠に折り畳み自在に取りつけられ床と接触して主枠を支
持するためのものであってその折り畳み状態に応じて前
記シートと床ととの間の高さを変化させるための折畳枠
とを有することを特徴とする入浴介護装置用椅子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28401394A JP3411692B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 入浴介護装置用椅子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28401394A JP3411692B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 入浴介護装置用椅子 |
Publications (2)
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| JPH08117305A JPH08117305A (ja) | 1996-05-14 |
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1994
- 1994-10-25 JP JP28401394A patent/JP3411692B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH08117305A (ja) | 1996-05-14 |
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