JP3411105B2 - ダストコントロール剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、ダストモップへの処理
性ならびにモップ作業性を改善し、床面に対して黄変等
の変色がないダストコントロール剤に関する。 【０００２】 【従来の技術】現在、工場，事務所，店舗，体育館，オ
フィスビル等の床の清掃作業には、モップ等を用いて床
面のダストを除去する方法が一般的であり、モップには
各種のダストコントロール剤が用いられ、床の清掃作業
に供せられている。但し、モップにダストコントロール
剤を用いた床の清掃作業においては、基本的に次の４条
件を満足させる必要がある。 （１）ダスト掛けは一般に人力に頼るため、清掃時に軽
くて作業性の良いものが望まれる、（２）ダスト掛けし
た後の床の清掃状態が良好であること、（３）ダストコ
ントロール剤を使用したモップが、繰り返し使用でき、
清掃効果を持続できること、（４）床清掃後、汚染した
モップの洗浄が容易であり、特に水等で洗浄されるこ
と、等である。 【０００３】しかしながら、以上の４点を満足しうるダ
ストコントロール剤は、目下のところ存在しない。例え
ば、水を用いたダスト掛け作業の場合、モップが重く、
人力を要すため、作業性が良くない。また、モップで床
面を清掃後、床面全体が濡れた状態になり、その上を人
または物が通過すると、床面に水の痕跡が残り、滑りや
すく、汚れやすい。このため床面を乾燥させる必要があ
るが、乾燥には時間を要するために、から拭き等が必要
となるといった問題が生じる。さらには、水を使用した
モップは、すぐにカサカサの状態になり、清掃効果を維
持できない。 【０００４】また、有機溶剤または鉱物油を用いたダス
ト掛け作業の場合、モップは軽く、作業性が良く、繰り
返し使用でき清掃効果の持続性も、良好である。しか
し、清掃後、床などの対象面には油膜が残り、水拭き程
度では、除去しきれないため、床面は滑りやすく、汚れ
やすい。さらに、油膜は黄変や変色する傾向があり、清
掃された床面の外観を損なうこともある。また、有機溶
剤または鉱物油を用いたダストコントロール剤は、油分
がベタつくため、作業時に不快感を感じたり、モップに
よる清掃作業後の洗浄作業に手間がかかってしまうなど
の問題もある。また、水溶性のアルコール類、例えば低
級アルコールを使用した場合は、蒸気圧が高いため作業
環境を悪くする。さらに、清掃後の効果の持続性にも問
題がある。また、高級アルコールを使用した場合は、逆
に蒸気圧が低くなりすぎ、高級アルコール成分が床面に
長時間残留するため、仕上がり感が悪くなる。以上、ア
ルコール単独では、作業環境が良く、しかも効果の持続
性と仕上がり感の優れたものを得ることは、困難であっ
た。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、作業性，清
掃時の床面等の仕上がり感，効果の持続性および洗浄性
を同時に満足させたダストコントロール剤を提供するこ
とにある。 【０００６】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、プロピレングリコ
ールと水の組み合わせにおいて、それらを特定の割合で
配合することにより、特に上記４条件を同時に満足させ
ることのできる、優れたダストコントロール剤となるこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
プロピレングリコール５０〜７０重量％と水５０〜３０
重量％よりなる溶液を主要成分とするダストコントロー
ル剤である。 【０００７】なお、プロピレングリコールが５０重量％
未満では、作業性、仕上がり感が不十分であり、特に清
掃効果の持続性が劣るため問題となる。逆にプロピレン
グリコールが７０重量％を超えると、作業性は好ましく
なるが、仕上がり感が悪くなり、問題となる。以上、プ
ロピレングリコール５０〜７０重量％と、水５０〜３０
重量％よりなる溶液に、非イオン系、陽イオン系、陰イ
オン系、両性イオン系等の通常公知の界面活性剤、さら
に殺菌剤、抗カビ剤、香料等の任意成分を加えて、所望
するダストコントロール剤として用いることができる。 【０００８】以下、本発明の実施例と比較例を挙げて本
発明の効果を例証する。なお、ダストコントロール剤の
評価は、以下の４項目について行った。 【０００９】（１）作業性，モップの軽さ ダストコントロール剤をモップに含浸させ、床面等の清
掃作業を行った際の、モップの軽さについて、評価し
た。軽いものから順に◎，○，□，△，×の５段階で評
価を行った。モップが軽く作業しやすい場合は◎〜○と
なり、逆にモップが重く作業性が悪い場合は、△〜×で
示される。 【００１０】（２）仕上がり感 ダストコントロール剤で処理されたモップにより、床面
の清掃作業を行い、床面のホコリのとれ具合い等の仕上
がり状態について評価した。仕上がり感の良いものから
順に◎，○，□，△，×の５段階で評価した。 【００１１】（３）効果の持続性 ダストコントロール剤で処理されたモップを連続して使
用し、床面のホコリの吸着力の持続性について評価し
た。持続性のあるものから順に◎，○，□，△，×の５
段階で評価した。 【００１２】（４）洗濯性 ダストコントロール剤で処理されたモップを連続して使
用し、ホコリ、汚れが吸着された状態で、洗浄液中に浸
漬させホコリ、汚れの除去性について評価した。除去性
のよいものから順に◎，○，□，△，×の５段階で評価
した。 【００１３】 【実施例１，２、比較例１〜１２】表１、表２に示す、
実施例の欄において溶液の組成を１、２に変えた場合を
実施例１、２とし、同じく比較例の欄において溶液の組
成を１〜１２に変えた場合を、比較例１〜１２とした。
各溶液を、前記の方法にしたがって評価することによ
り、表１、表２に示す結果を得た。 【００１４】 【表１】【００１５】 【表２】 【００１６】 【発明の効果】上記表１、表２の結果により、本発明と
なるダストコントロール剤用溶液は、モップの軽さ、仕
上がり感、効果の持続性、洗浄性の全ての項目において
良好であり、床面の清掃に効果的に用いることができ
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平６−17361（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−14859（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−38374（ＪＰ，Ａ) 奥山春彦、皆川基編，洗剤・洗浄の事 典，株式会社朝倉書店，1990年11月25 日，初版第１刷，第594−597頁 (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) C11D 7/26,17/00,17/08

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 プロピレングリコール５０〜７０重量％
   と水５０〜３０重量％よりなる溶液を主要成分とするダ
   ストコントロール剤。