JP3410824B2 - 熱収縮性ポリエステルフィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステルフィルム

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JP3410824B2 JP16976894A JP16976894A JP3410824B2 JP 3410824 B2 JP3410824 B2 JP 3410824B2 JP 16976894 A JP16976894 A JP 16976894A JP 16976894 A JP16976894 A JP 16976894A JP 3410824 B2 JP3410824 B2 JP 3410824B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、各種の包装材料等に用
いられる熱収縮性ポリエステルフィルムに関し、さらに
詳しくは高温での収縮特性に優れるとともに、収縮ムラ
の発生がなく、優れた制電性を有するポリエステルフィ
ルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】熱収縮性プラスチックフィルムは、容器
類、釣竿、コンデンサー、棒状蛍光灯等の標示、保護、
結束、商品付加価値向上等に用いられるほか、本やノー
ト等の集積包装や密着包装を行うために用いられてい
る。現在、この他にも多くの分野でこの熱収縮性フィル
ムの収縮性及び収縮応力を利用した種々の用途展開が期
待されている。 【0003】従来、熱収縮性フィルムの素材としては、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン等の樹
脂が用いられてきた。しかし、このような樹脂は耐熱
性、耐候性、耐薬品性などにおいて難点があった。例え
ば、ポリ塩化ビニルフィルムは種々の収縮特性を有する
熱収縮性フィルムとなし得るものの、フィッシュアイが
多発しやすく、これに印刷したフィルムを包装材とした
商品は美観が損なわれ、商品価値が低下したものとなり
やすかった。また、フィッシュアイのない熱収縮性フィ
ルムを得るためには過度の品質管理が必要となるため、
フィルム製造コストが著しく増大する等の問題を有して
いた。さらに、ポリ塩化ビニルは廃棄の際に焼却すると
公害問題を起こすこと、及びポリ塩化ビニル樹脂中の可
塑剤等の添加剤が経時的にブリードアウトし塵埃の付着
等により、汚れが生ずると共に、安全性の点でも好まし
くなかった。 【0004】一方、ポリスチレンから得られる熱収縮性
フィルムは、収縮後の仕上りは良好であるものの、耐溶
剤性が低いために印刷の際には特殊インクを使用しなけ
ればならないことや、室温でも自然収縮が起こるために
冷所に保存しなければならなかった。また、高温での焼
却を必要とし、焼却時に多量の黒煙と異臭を発生する
等、その廃棄にも大きな問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来、熱収縮性ポリエ
ステルフィルムは、その熱収縮性において充分満足でき
るものではなかった。特に、収縮時に収縮ムラが発生し
易く、PETボトル、ポリエチレンボトル、ガラス瓶等
の容器に被覆収縮する際に、フィルムに印刷した文字や
模様がうまく再現できなかったり、容器へのフィルム密
着が十分できなかったりする等の問題点を有していた。
このような要求に対して、特願平4−110963号公
報や特願平4−110964号公報等に記載されている
ように、特定の共重合成分を共重合させたポリエステル
樹脂を使用したり、収縮速度を制御することによって収
縮ムラの発生の少ない熱収縮性ポリエステルフィルム等
が提案されている。 【0006】しかし、このような熱収縮性ポリエステル
フィルムは、比較的低温での収縮特性を有するものであ
り、100℃を超えるような高温で収縮が行われるガラ
ス瓶等の容器に収縮被覆する場合には、急激な収縮によ
り収縮ムラが発生したり、耐熱性に劣る等の問題点を有
していた。また、包装材料に使用する場合には、一般に
熱収縮性フィルムに印刷が施されるため、優れた印刷性
を有することが熱収縮性フィルムに要求される重要な特
性の一つであるが、ポリエステルフィルムは非常に静電
気を帯電しやすいために、フィルムに印刷する際にヒゲ
が発生する等の問題点を有していた。本発明の目的は、
高温での収縮特性に優れるとともに、収縮ムラの発生が
なく、優れた制電性を有する熱収縮性ポリエステルフィ
ルムを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み、熱収縮性フィルムを構成するポリエステ
ル樹脂について鋭意検討した結果、本発明に到達したも
のである。すなわち、本発明の熱収縮性ポリエステルフ
ィルムは、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル
形成誘導体を主成分とする酸成分とエチレングリコール
を主成分とするアルコール成分とからなるポリエステル
樹脂から構成され、ポリエステル樹脂が全酸成分中の
フタレンジカルボン酸以外の酸成分の割合(Aモル%)
と全アルコール成分中のエチレングリコール以外のアル
コール成分の割合(Bモル%)とが10モル%≦A+B
≦40モル%の範囲であり、ポリエステル樹脂中に数平
均分子量10000以下のポリエーテルが1〜10重量
%、次の一般式(1)で示されるスルホン酸のアルカリ
金属塩が0.01〜5重量%が含有され、90℃の熱風
中で1分間加熱したときの収縮率が5%以上、120℃
の熱風中で1分間加熱したときの収縮率が10%以上で
あることを特徴とする熱収縮性ポリエステルフィルム。 【0008】 【化1】R−SO3M ・・・ (1) (式中、Rは炭素数11〜30のアルキル基あるいはア
ルキルベンゼン基を示し、Mはアルカリ金属を示す。) 本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムに使用するポリ
エステル樹脂は、ナフタレンジカルボン酸またはそのエ
ステル形成誘導体を主成分とする酸成分とエチレングリ
コールを主成分とするアルコール成分からなるものであ
り、全酸成分中のナフタレンジカルボン酸以外の酸成分
の割合(Aモル%)と全アルコール成分中のエチレング
リコール以外のアルコール成分の割合(Bモル%)と
が、10モル%≦A+B≦40モル%の範囲であること
が必要である。これは、全酸成分中のナフタレンジカル
ボン酸以外の酸成分の割合(Aモル%)と全アルコール
成分中のエチレングリコール以外のアルコール成分の割
合(Bモル%)との和(A+B)が10モル%未満であ
ると、フィルムの収縮性能が低下するためであり、逆
に、40モル%を越えるとフィルム自体の耐溶剤性に劣
ったり、製膜可能な樹脂が得られないためであり、好ま
しくは15〜35モル%の範囲である。 【0009】ポリエステル樹脂を構成する酸成分として
は、ナフタレン−1,4−もしくは−2,6−ジカルボ
ン酸等のナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形
成誘導体を全酸成分中に50モル%以上の割合で含有す
るものであり、好ましくは60モル%以上であり、さら
に好ましくは70モル%以上である。これは、ナフタレ
ンジカルボン酸の含有量が50モル%未満であると、フ
ィルムとして製膜した際の機械的強度が低下したり、ポ
リエステル樹脂のガラス転移温度が低下して収縮開始温
度が低下し、高温での収縮特性が低下するためである。 【0010】本発明において使用できるナフタレンジカ
ルボン酸以外の酸成分としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸等の芳香族ジカルボン酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸等
の脂肪族ジカルボン酸あるいはこれらのエステル形成誘
導体等が挙げられる。これらの中で、フィルムの製膜性
や機械的強度、高温での収縮特性等の観点から、芳香族
ジカルボン酸あるいはそのエステル形成誘導体は、ナフ
タレンジカルボン酸との合計量として全酸成分中に80
モル%以上含有されることが好ましく、さらに好ましく
は85モル%以上である。脂肪族ジカルボン酸あるいは
そのエステル形成誘導体は、フィルムの熱収縮量を増加
させる目的で使用され、全酸成分中に20モル%未満、
好ましくは15モル%未満の範囲で含有させることがで
きる。これは、これら脂肪族ジカルボン酸成分が20モ
ル%以上含有されると、ポリエステルフィルムの機械的
強度の低下をまねく恐れがあるためである。 【0011】本発明においてポリエステル樹脂を構成す
るアルコール成分としては、エチレングリコールを主成
分とするものであり、全アルコール成分中にエチレング
リコールを50モル%以上含有し、好ましくは70モル
%以上含有するものである。これは、エチレングリコー
ルの含有量が50モル%未満であると、樹脂を製造する
際に重合反応性が低下する傾向にあり、目的とする重合
度の樹脂を得ることができない場合があるためである。 【0012】また、上記アルコール成分の他に、ビスフ
ェノール化合物またはその誘導体のエチレンオキサイド
付加物、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、
ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコールの他
のアルコール成分を、本発明の効果を損ねない範囲で使
用することもできる。 【0013】本発明においては、急激な収縮を抑制し、
収縮ムラをより低減させる目的で、3価以上の多価カル
ボン酸あるいは多価アルコールの1種以上を、酸成分あ
るいはアルコール成分として使用することもできる。3
価以上の多価カルボン酸あるいは多価アルコールの具体
例としては、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこ
れらの無水物等の多価カルボン酸、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリ
ン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げら
れる。中でも、フィルム膜時の熱安定性や重縮合時の
反応性等の点からトリメチロールプロパン、トリメリッ
ト酸、ペンタエリスリトールが特に好ましい。これら3
価以上の多価カルボン酸あるいは多価アルコールは、全
酸成分中に占める3価以上の多価カルボン酸の割合をA
モル%、全アルコール成分中に占める3価以上の多価ア
ルコールの割合をBモル%とした時、両者の合計(A+
B)が0.01〜1モル%の範囲であることが好まし
く、さらに好ましくは0.05〜1モル%の範囲であ
る。これは、これらの合計が0.01モル%未満である
と収縮ムラの低減効果がなく、逆に1モル%を超えると
樹脂の重合中にゲル化が起こる可能性があるためであ
る。 【0014】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムで
は、上記ポリエステル樹脂に重量平均分子量が1000
0以下ポリエーテルを1〜10重量%および次の一般
式(1)で示されるスルホン酸のアルカリ金属塩0.0
1〜5重量%含有させることが、優れた制電性を付与す
る上で重要である。また、これら添加剤を含有させるこ
とによって、フィルムの制電性だけでなく、収縮率の向
上ならびに収縮ムラの発生抑制等の収縮特性をも改善で
きるものである。 【0015】 【化3】R−SO3M ・・・ (1) (式中、Rは炭素数11〜30のアルキル基あるいはア
ルキルベンゼン基を示し、Mはアルカリ金属を示す。) ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリ
オキシテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等が挙げられ、その数平均分子量が10000以
下であり、好ましくは3000〜7000の範囲のもの
である。これは、数平均分子量が10000を超えると
フィルムの透明性が損なわれるためである。また、その
含有量は1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量
%の範囲である。これは、ポリエーテルが1重量%未満
では制電性の効果が不十分となり、逆に10重量%を超
えるとポリエステル樹脂のガラス転移温度が大幅に低下
して、フィルムの製膜性が低下するためである。 【0016】一般式(1)で示されるスルホン酸のアル
カリ金属塩としては、炭素数が11〜30の範囲のもの
であり、例えば、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシル
スルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリ
ウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アル
キルナフタレンスルホン酸カリウム、α−オレフィンス
ルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸カリウ
ム等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を組合
せて使用することができる。中でも、テトラデシルスル
ホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムが好ましい。これらスルホン酸のアルカリ金属塩の
含有量は0.01〜5重量%であり、好ましくは0.0
5〜4重量%の範囲である。これは、スルホン酸のアル
カリ金属塩が0.01重量%未満では制電性の効果が不
十分であり、逆に5重量%を超えると重合反応を阻害す
るおそれがあるためである。 【0017】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムに
使用されるポリエステル樹脂は、公知の直接重合法やエ
ステル交換法等により製造することができ、その重合度
は特に制限されるものではないが、フィルム原反の成形
性から、固有粘度(フェノール/テトラクロロエタン等
重量混合溶液中で25℃にて測定)が0.5〜1.2の
ものが好ましい。 【0018】得られたポリエステル樹脂は、例えば以下
の方法によって熱収縮性ポリエステルフィルムに成形さ
れる。先ずポリエステル樹脂を乾燥させた後、溶融し、
ダイから溶融押出し、キャスト法またはカレンダー法等
で原反フィルムを形成する。次いで、この原反フィルム
を該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)より3
℃以上高い温度、好ましくは5℃以上高い温度で縦方向
あるいは横方向に1.5〜5.0倍、好ましくは1.0
〜4.8倍に延伸し、高い収縮率をフィルムに付与す
る。さらに、必要に応じて前記延伸方向と直角方向に
1.0〜1.8倍、好ましくは1.0〜1.5倍に延伸
する。これは、フィルムの引張強度を向上させ、前記延
伸方向の収縮を必要以上に収縮させないために有効であ
る。 【0019】フィルムの延伸は、同時二軸延伸、逐次二
軸延伸、一軸延伸等の方法により行われ、縦方向の延伸
と横方向の延伸はどちらを先に延伸してもよい。延伸さ
れた熱収縮性ポリエステルフィルムは、そのまま製品と
して使用することも可能であるが、寸法安定性などの点
から50〜150℃の温度で、数秒から数十秒の熱処理
を行ってもよい。このような熱処理を行うことにより、
本発明のポリエステルフィルムの収縮方向の収縮率の調
整、未収縮フィルムの保存時の経時収縮の減少、収縮斑
の減少などの好ましい性質を発現させることができる。 【0020】このようにして得られた本発明の熱収縮性
ポリエステル系フィルムは、90℃の熱風中で無加重で
1分間収縮させたときの収縮率が5%以上であり、12
0℃の熱風中で無加重で1分間収縮させたときの収縮率
が10%以上であることが必要である。これは、90℃
での収縮率が5%未満であり、120℃での収縮率が1
0%未満であると、十分な収縮量が得られず、容器への
フィルムの密着が不十分となり、特に複雑な形状をした
容器等への完全な被覆が困難となるためである。また、
必要な収縮率を得るために高温で収縮をさせると、急激
な収縮が起こり収縮ムラが発生しやすくなる。また、本
発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは、温度20℃、
湿度65%の条件下での厚さ40μmのフィルムでの表
面抵抗値が1×1015Ω以下であり、厚さ40μmのフ
ィルムのヘーズが10以下である透明性を有することが
好ましい。 【0021】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムの
厚さは特に限定されるものではないが、1〜600μm
の範囲のものが実用的には使われる。包装用途、特に食
品、飲料、医薬品等の包装においては、6〜380μm
の範囲のものが用いられる。またPETボトル、ポリエ
チレンボトル、ガラス瓶等のラベルに用いられる場合
は、20〜70μmの範囲のものが用いられる。 【0022】本発明に、さらに特定の性能を付与するた
めに従来公知の各種の加工処理、適当な添加剤を配合す
ることができる。加工処理の例としては、紫外線、α
線、β線、γ線あるいは電子線等の照射、コロナ処理、
プラズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコ−ル、ポリアミド、ポリオレフィ
ン等の樹脂の塗布、ラミネ−ト、あるいは金属の蒸着等
が挙げられる。添加剤の例としては、ポリアミド、ポリ
オレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネ
ート等の樹脂、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシ
ウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の
顔料、紫外線吸収剤、離型剤、難燃剤等が挙げられる。 【0023】 【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。実施例における収縮率は、延伸方向に150m
m、その直角方向に20mmの大きさに切り出したポリ
エステルフィルムに、標線を間隔100mmに設けて9
0℃および120℃の熱風中にて無荷重で60秒間加熱
した際に、それぞれ収縮前の標線間の長さ(L)と収縮
後の標線間の長さ(L’)を測定し次式により求めた。 【0024】 【数1】収縮率(%)={(L−L’)/L}×100収縮 ムラは、延伸方向に150mm、その直角方向に2
0mmの大きさに切り出したポリエステルフィルムを、
60℃の温水中にて無荷重で60秒間加熱収縮させた後
のフィルムへの収縮ムラの発生、および容器に被覆収縮
させた際のフィルムの緩みの発生を外観上で、 ○:殆ど収縮ムラの発生が見られなかったもの △:若干収縮ムラが発生したもの ×:収縮ムラの発生が著しいもの の3段階で評価した。 【0025】表面抵抗値は、厚さ40μmのポリエステ
ルフィルムを乾燥機中で24時間乾燥した後、温度20
%、湿度65%RHの環境下で4時間放置し、ADVA
NTEST R8340A微少電流計とADVANTE
ST R12704レジスティビティチャンバーを用い
て、印加電圧を1000Vとして測定した。へーズは、
ヘーズメーター(東京電色社製モデルTC−H3)を用
いて測定した。 【0026】実施例1 ナフタレンジカルボン酸ジメチル82モル部、イソフタ
ル酸ジメチル15モル部、セバシン酸ジメチル3モル
部、エチレングリコール240モル部、ポリエチレング
リコール(数平均分子量4000)2重量%(得られる
樹脂に対して)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム1重量%(得られる樹脂に対して)を反応容器に入
れ、エステル交換触媒として酢酸マンガンを全酸成分に
対して400ppm添加し、エステル交換反応を十分に
行った。次いで、安定剤としてトリメチルフォスフェー
トを全酸成分に対して350ppm、重合触媒として三
酸化アンチモンを全酸成分に対して400ppm添加
し、反応容器内の温度を280℃に保持して、5mmH
g以下の減圧下で3時間重縮合反応を行いポリエステル
樹脂を得た。 【0027】得られたポリエステル樹脂を、270℃で
溶融押し出し、原反フィルムを作成した。この原反フィ
ルムを、延伸温度100℃で延伸方向(TD方向)に
4.5倍の延伸倍率で一軸延伸を行い、熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの樹脂組成、
収縮率、表面抵抗値およびヘーズの測定結果、収縮ムラ
の評価結果を表1に示した。 【0028】実施例2 ナフタレンジカルボン酸ジメチル82モル部、テレフタ
ル酸ジメチル12モル部、アジピン酸ジメチル6モル
部、エチレングリコール240モル部、ポリエチレング
リコール(数平均分子量6000)5重量%(得られる
樹脂に対して)、テトラデシルスルホン酸ナトリウム2
重量%(得られる樹脂に対して)を反応容器に入れ、エ
ステル交換触媒として酢酸マンガンを全酸成分に対して
400ppm添加し、エステル交換反応を十分に行っ
た。次いで、安定剤としてトリメチルフォスフェートを
全酸成分に対して300ppm、重合触媒として三酸化
アンチモンを全酸成分に対して500ppm添加し、反
応容器内の温度を280℃に保持して、5mmHg以下
の減圧下で4時間重縮合反応を行いポリエステル樹脂を
得た。 【0029】得られたポリエステル樹脂を、270℃で
溶融押し出し、原反フィルムを作成した。この原反フィ
ルムを、延伸温度100℃で延伸方向(TD方向)に
4.5倍の延伸倍率で一軸延伸を行い、熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの樹脂組成、
収縮率、表面抵抗値およびヘーズの測定結果、収縮ムラ
の評価結果を表1に示した。 【0030】実施例3 ナフタレンジカルボン酸ジメチル70モル部、テレフタ
ル酸ジメチル25モル部、アジピン酸ジメチル5モル
部、エチレングリコール200モル部、ポリプロピレン
グリコール(数平均分子量6000)7重量%(得られ
る樹脂に対して)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム4重量%(得られる樹脂に対して)を反応容器に入
れ、エステル交換触媒として酢酸マグネシウムを全酸成
分に対して400ppm添加し、エステル交換反応を十
分に行った。次いで、安定剤としてトリメチルフォスフ
ェートを全酸成分に対して300ppm、重合触媒とし
て三酸化アンチモンを全酸成分に対して300ppm添
加し、反応容器内の温度を280℃に保持して、5mm
Hg以下の減圧下で4時間重縮合反応を行いポリエステ
ル樹脂を得た。 【0031】得られたポリエステル樹脂を、270℃で
溶融押し出し、原反フィルムを作成した。この原反フィ
ルムを、延伸温度100℃で延伸方向(TD方向)に
4.5倍の延伸倍率で一軸延伸を行い、熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの樹脂組成、
収縮率、表面抵抗値およびヘーズの測定結果、収縮ムラ
の評価結果を表1に示した。 【0032】実施例4 ナフタレンジカルボン酸ジメチル90モル部、イスフタ
ル酸ジメチル10モル部、エチレングリコール200モ
ル部、シクロヘキサンジメタノール35モル部、ポリプ
ロピレングリコール(数平均分子量6000)7重量%
(得られる樹脂に対して)、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム4重量%(得られる樹脂に対して)を反応
容器に入れ、エステル交換触媒としてチタンテトラブト
オキシドを全酸成分に対して400ppm添加し、エス
テル交換反応を十分に行った。次いで、反応容器内の温
度を280℃に保持して、5mmHg以下の減圧下で4
時間重縮合反応を行いポリエステル樹脂を得た。 【0033】得られたポリエステル樹脂を、270℃で
溶融押し出し、原反フィルムを作成した。この原反フィ
ルムを、延伸温度100℃で延伸方向(TD方向)に
4.5倍の延伸倍率で一軸延伸を行い、熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの樹脂組成、
収縮率、表面抵抗値およびヘーズの測定結果、収縮ムラ
の評価結果を表1に示した。 【0034】比較例1 ナフタレンジカルボン酸ジメチル82モル部、イソフタ
ル酸ジメチル15モル部、セバシン酸ジメチル3モル
部、エチレングリコール240モル部を反応容器に入
れ、エステル交換触媒として酢酸マンガンを全酸成分に
対して400ppm添加し、エステル交換反応を十分に
行った。次いで、安定剤としてトリメチルフォスフェー
トを全酸成分に対して350ppm、重合触媒として三
酸化アンチモンを全酸成分に対して400ppm添加
し、反応容器内の温度を280℃に保持して、5mmH
g以下の減圧下で3時間重縮合反応を行いポリエステル
樹脂を得た。 【0035】得られたポリエステル樹脂を、270℃で
溶融押し出し、原反フィルムを作成した。この原反フィ
ルムを、延伸温度100℃で延伸方向(TD方向)に
4.5倍の延伸倍率で一軸延伸を行い、熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの樹脂組成、
収縮率、表面抵抗値およびヘーズの測定結果、収縮ムラ
の評価結果を表1に示した。 【0036】比較例2 ナフタレンジカルボン酸ジメチル90モル部、イソフタ
ル酸ジメチル10モル部、エチレングリコール240モ
ル部、ポリオキシテトラメチレングリコール(数平均分
子量2000)5重量%(得られる樹脂に対して)を反
応容器に入れ、エステル交換触媒として酢酸マンガンを
全酸成分に対して400ppm添加し、エステル交換反
応を十分に行った。次いで、安定剤としてトリメチルフ
ォスフェートを全酸成分に対して300ppm、重合触
媒として三酸化アンチモンを全酸成分に対して500p
pm添加し、反応容器内の温度を280℃に保持して、
5mmHg以下の減圧下で3時間重縮合反応を行いポリ
エステル樹脂を得た。 【0037】得られたポリエステル樹脂を、270℃で
溶融押し出し、原反フィルムを作成した。この原反フィ
ルムを、延伸温度100℃で延伸方向(TD方向)に
4.5倍の延伸倍率で一軸延伸を行い、熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの樹脂組成、
収縮率、表面抵抗値およびヘーズの測定結果、収縮ムラ
の評価結果を表1に示した。 【0038】比較例3 ナフタレンジカルボン酸ジメチル70モル部、イソフタ
ル酸ジメチル25モル部、アジピン酸ジメチル5モル
部、エチレングリコール240モル部、ポリエチレング
リコール(数平均分子量20000)2重量%(得られ
る樹脂に対して)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム1重量%(得られる樹脂に対して)を反応容器に入
れ、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を全酸成分に対し
て400ppm添加し、エステル交換反応を十分に行っ
た。次いで、安定剤としてトリメチルフォスフェートを
全酸成分に対して300ppm、重合触媒として三酸化
アンチモンを全酸成分に対して400ppm添加し、反
応容器内の温度を280℃に保持して、5mmHg以下
の減圧下で4時間重縮合反応を行いポリエステル樹脂を
得た。 【0039】得られたポリエステル樹脂を、270℃で
溶融押し出し、原反フィルムを作成した。この原反フィ
ルムを、延伸温度100℃で延伸方向(TD方向)に
4.5倍の延伸倍率で一軸延伸を行い、熱収縮性ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの樹脂組成、
収縮率、表面抵抗値およびヘーズの測定結果、収縮ムラ
の評価結果を表1に示した。 【0040】比較例4 ナフタレンジカルボン酸ジメチル70モル部、イソフタ
ル酸ジメチル25モル部、アジピン酸ジメチル5モル
部、エチレングリコール240モル部、ポリオキシテト
ラメチレングリコール(数平均分子量1000)60重
量%(得られる樹脂に対して)、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム2重量%(得られる樹脂に対して)を
反応容器に入れ、エステル交換触媒として酢酸マンガン
を全酸成分に対して400ppm添加し、エステル交換
反応を十分に行った。次いで、安定剤としてトリメチル
フォスフェートを全酸成分に対して300ppm、重合
触媒として三酸化アンチモンを全酸成分に対して500
ppm添加し、反応容器内の温度を280℃に保持し
て、5mmHg以下の減圧下で4時間重縮合反応を行っ
たが、所定の重合度まで反応が進行せず、フィルムとし
て製膜可能なポリエステル樹脂は得られなかった。 【0041】 【表1】【0042】なお、表中に示した成分は、それぞれ以下
の通りである。 NDA : ナフタレンジカルボン酸成分 TPA : テレフタル酸成分 IPA : イソフタル酸成分 ADA : アジピン酸成分 SA : セバシン酸成分 EG : エチレングリコール成分 CHDM : シクロヘキサンジメタノール成分 PEG : ポリエチレングリコール PTMG : ポリオキシテトラメチレングリコール PPG : ポリプロピレングリコール DBS : ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム TDS : テトラデシルスルホン酸ナトリウム 【0043】 【発明の効果】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルム
は、比較的高温においても高い熱収縮率を有するととも
に、収縮ムラが発生や収縮後のフィルムの緩みのない優
れた熱収縮性フィルムであり、ボトル等の容器への収縮
密着性および仕上り外観に優れるとともに、優れた制電
性を有しており印刷特性に優れ、各種包装材料として実
用性に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−231960(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08J 5/18 C08L 67/00 - 67/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ナフタレンジカルボン酸またはそのエス
    テル形成誘導体を主成分とする酸成分とエチレングリコ
    ールを主成分とするアルコール成分とからなるポリエス
    テル樹脂から構成され、ポリエステル樹脂が全酸成分中
    ナフタレンジカルボン酸以外の酸成分の割合(Aモル
    %)と全アルコール成分中のエチレングリコール以外の
    アルコール成分の割合(Bモル%)とが10モル%≦A
    +B≦40モル%の範囲であり、ポリエステル樹脂中に
    数平均分子量10000以下のポリエーテルが1〜10
    重量%、次の一般式(1)で示されるスルホン酸のアル
    カリ金属塩が0.01〜5重量%が含有され、90℃の
    熱風中で1分間加熱したときの収縮率が5%以上、12
    0℃の熱風中で1分間加熱したときの収縮率が10%以
    上であることを特徴とする熱収縮性ポリエステルフィル
    ム。 【化1】R−SO3M ・・・ (1) (式中、Rは炭素数11〜30のアルキル基あるいはア
    ルキルベンゼン基を示し、Mはアルカリ金属を示す。)
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