JP3442867B2 - 熱収縮性ポリエステルフィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステルフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、各種の包装材料等に用
いられる熱収縮性ポリエステルフィルムに関し、さらに
詳しくは、高温での収縮特性に優れるとともに、収縮ム
ラのない優れた熱収縮性ポリエステルフィルムに関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】熱収縮性プラスチックフィルムは、容器
類、釣竿、コンデンサー、棒状蛍光灯等の標示、保護、
結束、商品付加価値向上等に用いられるほか、本やノー
ト等の集積包装や密着包装するために用いられている。
現在、この他にも多くの分野でこの熱収縮性フィルムの
収縮性及び収縮応力を利用した種々の用途展開が期待さ
れている。 【0003】従来、熱収縮性フィルムの素材としては、
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリオレフィン等の樹
脂が用いられてきた。しかし、このような樹脂は耐熱
性、耐候性、耐薬品性などにおいて難点があった。例え
ば、ポリ塩化ビニルフィルムは種々の収縮特性を有する
熱収縮性フィルムとなし得るものの、フィッシュアイが
多発しやすく、これに印刷したフィルムを包装材とした
商品は美観が損なわれ、商品価値が低下したものとなり
やすかった。また、フィッシュアイのない熱収縮性フィ
ルムを得るためには過度の品質管理が必要となるため、
フィルム製造コストが著しく増大する等の問題を有して
いた。さらに、ポリ塩化ビニルは廃棄の際に焼却すると
公害問題を起こすこと、及びポリ塩化ビニル樹脂中の可
塑剤等の添加剤が経時的にブリードアウトし塵埃の付着
等により、汚れが生ずると共に、安全性の点でも好まし
くなかった。 【0004】一方、ポリスチレンから得られる熱収縮性
フィルムは、収縮後の仕上りは良好であるものの、耐溶
剤性が低いために印刷の際には特殊インクを使用しなけ
ればならないことや、室温でも自然収縮が起こるために
冷所に保存しなければならなかった。また、高温での焼
却を必要とし、焼却時に多量の黒煙と異臭を発生する
等、その廃棄にも大きな問題があった。これらの問題を
解決できる素材として、ポリエステルフィルムは非常に
期待され、その使用量も著しく増加してきている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来、熱収縮性ポリエ
ステルフィルムは、その熱収縮性において充分満足でき
るものではなかった。特に、収縮時に収縮ムラが発生し
易く、PETボトル、ポリエチレンボトル、ガラス瓶等
の容器に被覆収縮する際に、フィルムに印刷した文字や
模様がうまく再現できなかったり、容器へのフィルム密
着が十分できなかったりする等の問題点を有していた。
このような要求に対して、特願平4−110963号公
報や特願平4−110964号公報等に記載されている
ように、特定の共重合成分を共重合させたポリエステル
樹脂を使用したり、収縮速度を制御することによって収
縮ムラの発生の少ない熱収縮性ポリエステルフィルム等
が提案されている。 【0006】しかし、このような熱収縮性ポリエステル
フィルムは、比較的低温での収縮特性を有するものであ
り、100℃を超えるような高温で収縮が行われるガラ
ス瓶等の容器に収縮被覆する場合には、急激な収縮によ
り収縮ムラが発生したり、耐熱性に劣る等の問題点を有
していた。本発明の目的は、高温での収縮特性に優れる
とともに、収縮ムラの発生、残存のない優れた熱収縮性
ポリエステルフィルムを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な状況に鑑み、ポリエステルフィルムの熱収縮挙動につ
いて鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは、
テレフタル酸またはそのエステル形成誘導体を主成分と
する酸成分とアルコール成分からなるポリエステル樹脂
(A)20〜90重量%と、ナフタレンジカルボン酸ま
たはそのエステル形成誘導体を主成分とする酸成分とア
ルコール成分からなるポリエステル樹脂(B)10〜8
0重量%とからなることを特徴とするものである。 【0008】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルム
は、少なくとも2種類のポリエステル樹脂の混合物から
なるものであり、そのうちの1種のポリエステル樹脂
(A)は、テレフタル酸またはそのエステル形成誘導体
を主成分とする酸成分とアルコール成分から構成され
る。ポリエステル樹脂(A)を構成する酸成分は、テレ
フタル酸またはそのジアルキルエステルやジアリールエ
ステル等のエステル形成誘導体を主成分とするものであ
り、好ましくは全酸成分中にテレフタル酸成分を70モ
ル%以上含有し、さらに好ましくは80モル%以上であ
る。これは、テレフタル酸またはそのエステル形成誘導
体を酸成分の主成分とすることによって、フィルムへの
製膜性に優れるとともに、樹脂のガラス転移温度を低下
させることがないためである。 【0009】また、ポリエステル樹脂(A)を構成する
テレフタル酸以外の酸成分としては、イソフタル酸、ナ
フタレン−1,4−もしくは−2,6−ジカルボン酸等
の芳香族ジカルボン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸等の脂肪族
ジカルボン酸あるいはこれらのエステル形成誘導体等が
挙げられる。これらの中で、脂肪族ジカルボン酸あるい
はそのエステル形成誘導体は、ポリエステル樹脂の全酸
成分中に20モル%未満、好ましくは15モル%未満の
範囲で含有させることができる。これは、これら脂肪族
ジカルボン酸成分が20モル%以上含有されると、ポリ
エステルフィルムの機械的強度の低下をまねく恐れがあ
るためである。 【0010】本発明において、ポリエステル樹脂(A)
を構成するアルコール成分としては、エチレングリコー
ル、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノールおよ
びビスフェノール化合物またはその誘導体のエチレンオ
キサイド付加物から選ばれた1種以上を主成分とするも
のであり、これらジオール成分が全アルコール成分中に
80モル%以上含有されることが好ましい。中でも、全
アルコール成分中にエチレングリコールを50モル%以
上含有したものが好ましく、さらに好ましくは70モル
%以上である。これは、エチレングリコールの含有量が
50モル%未満であると、樹脂を製造する際に重合反応
性が低下する傾向にあり、目的とする重合度の樹脂を得
ることができない場合があるためである。 【0011】また、上記ジオール成分の他に、プロピレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリオキシテトラメチレングリコール等の他の
アルコール成分を、本発明の効果を損ねない範囲、例え
ば、20モル%以下の範囲で使用することもできる。 【0012】さらに、ポリエステル樹脂(A)において
は、急激な収縮を抑制し、収縮ムラをより低減させる目
的で、3価以上の多価カルボン酸あるいは多価アルコー
ルを使用することもできる。3価以上の多価カルボン酸
あるいは多価アルコールの具体例としては、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸およびこれらの無水物等の多価カ
ルボン酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエ
タン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトー
ル等の多価アルコールが挙げられる。中でも、フィルム
成膜時の熱安定性や重縮合時の反応性等の点からトリメ
チロールプロパン、トリメリット酸、ペンタエリスリト
ールが好ましい。 【0013】上記ポリエステル樹脂(A)とともに使
用される別のポリエステル樹脂(B)は、ナフタレンジ
カルボン酸またはそのエステル形成誘導体を主成分とす
る酸成分とアルコール成分から構成される。ポリエステ
ル樹脂(B)を構成する酸成分は、ナフタレン−1,4
−もしくは−2,6−ジカルボン酸等のナフタレンジカ
ルボン酸またはそのジアルキルエステルやジアリールエ
ステル等のエステル形成誘導体を主成分とするものであ
り、好ましくは全酸成分中にナフタレンジカルボン酸成
分を60モル%以上含有し、さらに好ましくは70モル
%以上である。これは、ナフタレンジカルボン酸または
そのエステル形成誘導体を酸成分の主成分とすることに
よって、フィルムとして製膜した際の機械的強度や耐熱
性を向上させるとともに、ポリエステル樹脂のガラス転
移温度の低下することなく高温での優れた収縮特性を付
与するためである。 【0014】本発明において使用できるナフタレンジカ
ルボン酸以外の酸成分としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸等の芳香族ジカルボン酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸等
の脂肪族ジカルボン酸あるいはこれらのエステル形成誘
導体等が挙げられる。これらの中で、フィルムの製膜性
や機械的強度、高温での収縮特性等の観点から、芳香族
ジカルボン酸あるいはそのエステル形成誘導体は、ナフ
タレンジカルボン酸との合計量として全酸成分中に80
モル%以上含有されることが好ましく、さらに好ましく
は85モル%以上である。脂肪族ジカルボン酸あるいは
そのエステル形成誘導体は、フィルムの熱収縮量を増加
させる目的で使用され、全酸成分中に20モル%未満、
好ましくは15モル%未満の範囲で含有させることがで
きる。これは、これら脂肪族ジカルボン酸成分が20モ
ル%以上含有されると、ポリエステルフィルムの機械的
強度の低下をまねく恐れがあるためである。 【0015】本発明において、ポリエステル樹脂(B)
を構成するアルコール成分としては、エチレングリコー
ル、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノールおよ
びビスフェノール化合物またはその誘導体のエチレンオ
キサイド付加物から選ばれた1種以上を主成分とするも
のであり、これらジオール成分が全アルコール成分中に
80モル%以上含有されることが好ましい。中でも、全
アルコール成分中にエチレングリコールを50モル%以
上含有したものが好ましく、さらに好ましくは70モル
%以上である。これは、エチレングリコールの含有量が
50モル%未満であると、樹脂を製造する際に重合反応
性が低下する傾向にあり、目的とする重合度の樹脂を得
ることができない場合があるためである。 【0016】また、上記ジオール成分の他に、プロピレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等の他のアルコ
ール成分を、本発明の効果を損ねない範囲、例えば、2
0モル%以下の範囲で使用することもできる。 【0017】さらに、ポリエステル樹脂()において
は、急激な収縮を抑制し、収縮ムラをより低減させる目
的で、3価以上の多価カルボン酸あるいは多価アルコー
ルを使用することもできる。3価以上の多価カルボン酸
あるいは多価アルコールの具体例としては、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸およびこれらの無水物等の多価カ
ルボン酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエ
タン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトー
ル等の多価アルコールが挙げられる。中でも、フィルム
成膜時の熱安定性や重縮合時の反応性等の点からトリメ
チロールプロパン、トリメリット酸、ペンタエリスリト
ールが好ましい。 【0018】本発明のポリエステル樹脂は、公知の直接
重合法やエステル交換法等により製造することができ、
その重合度は特に制限されるものではないが、フィルム
原反の成形性から、固有粘度(フェノール/テトラクロ
ロエタン等重量混合溶液中で25℃にて測定)が0.5
〜1.2のものが好ましい。 【0019】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルム
は、ポリエステル樹脂(A)を20〜90重量%および
ポリエステル樹脂(B)を10〜80重量%の割合で含
有するポリエステル樹脂混合物からなる。これは、ポリ
エステル樹脂(A)が20重量%未満であるかポリエス
テル樹脂(B)が80重量%を超えて含有されると、高
温での熱収縮量が十分でなくなり、容器へのフィルムの
密着が不十分となり、特に複雑な形状をした容器等への
完全な被覆が困難となるためである。また、ポリエステ
ル樹脂(A)が90重量%を超えるかポリエステル樹脂
(B)が10重量%未満であると、高温で収縮させた場
合に、熱収縮性フィルムが急激な収縮が起こし収縮ムラ
発生の原因となるためである。好ましくは、ポリエステ
ル樹脂(A)の含有量が30〜80重量%の範囲であ
り、ポリエステル樹脂(B)の含有量が20〜70重量
%の範囲である。 【0020】得られたポリエステル樹脂混合物は、例え
ば以下の方法によって熱収縮性ポリエステルフィルムに
成形される。先ずポリエステル樹脂を乾燥させた後、溶
融し、ダイから溶融押出し、キャスト法またはカレンダ
ー法等で原反フィルムを形成する。次いで、この原反フ
ィルムを該ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)
より3℃以上高い温度、好ましくは5℃以上高い温度で
縦方向あるいは横方向に1.5〜5.0倍、好ましくは
1.0〜4.8倍に延伸し、高い収縮率をフィルムに付
与する。さらに、必要に応じて前記延伸方向と直角方向
に1.0〜1.8倍、好ましくは1.0〜1.5倍に延
伸する。これは、フィルムの引張強度を向上させ、前記
延伸方向の収縮を必要以上に収縮させないために有効で
ある。 【0021】フィルムの延伸は、同時二軸延伸、逐次二
軸延伸、一軸延伸等の方法により行われ、縦方向の延伸
と横方向の延伸はどちらを先に延伸してもよい。延伸さ
れた熱収縮性ポリエステルフィルムは、そのまま製品と
して使用することも可能であるが、寸法安定性などの点
から50〜150℃の温度で、数秒から数十秒の熱処理
を行ってもよい。このような熱処理を行うことにより、
本発明のポリエステルフィルムの収縮方向の収縮率の調
整、未収縮フィルムの保存時の経時収縮の減少、収縮斑
の減少などの好ましい性質を発現させることができる。 【0022】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルム
は、100℃の熱風中で無加重で1分間収縮させたとき
の収縮率が5%以下であり、130℃の熱風中で無加重
で1分間収縮させたときの収縮率が15%以上であるこ
とが好ましい。これは、100℃での収縮率が5%を超
えると、120℃以上の高温で収縮させた場合に、熱収
縮性フィルムが急激な収縮が起こし収縮ムラ発生が発生
しやすくなる傾向にあるためであり、さらに好ましくは
100℃での収縮率が4%以下の範囲である。また、1
30℃での収縮率が15%未満であると、十分な収縮量
が得られず、容器へのフィルムの密着が不十分となり、
特に複雑な形状をした容器等への完全な被覆が困難とな
る傾向にあるためである。フィルムの収縮時に急激な収
縮による収縮ムラの発生等を考慮すると、130℃での
収縮率が15〜50%の範囲であることがさらに好まし
い。 【0023】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムの
厚さは特に限定されるものではないが、1〜600μm
の範囲のものが実用的には使われる。包装用途、特に食
品、飲料、医薬品等の包装においては、6〜380μm
の範囲のものが用いられる。またPETボトル、ポリエ
チレンボトル、ガラス瓶等のラベルに用いられる場合
は、20〜70μmの範囲のものが用いられる。 【0024】本発明に、さらに特定の性能を付与するた
めに従来公知の各種の加工処理、適当な添加剤を配合す
ることができる。加工処理の例としては、紫外線、α
線、β線、γ線あるいは電子線等の照射、コロナ処理、
プラズマ照射処理、火炎処理等の処理、塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコ−ル、ポリアミド、ポリオレフィ
ン等の樹脂の塗布、ラミネ−ト、あるいは金属の蒸着等
が挙げられる。添加剤の例としては、ポリアミド、ポリ
オレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネ
ート等の樹脂、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシ
ウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の
顔料、紫外線吸収剤、離型剤、難燃剤等が挙げられる。 【0025】 【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。収縮率は、延伸方向に150mm、その直角方向
に20mmの大きさに切り出したポリエステルフィルム
に、標線を間隔100mmに設けて100℃、130℃
および150℃の各熱風中にて無荷重で1分間放置した
際に、フィルムの延伸方向について、収縮前の長さ
(L)と収縮後の長さ(L’)を測定し次式により求め
た。 【0026】 【数1】収縮率(%)={(L−L’)/L}×100 熱収ムラは、延伸方向に150mm、その直角方向に2
0mmの大きさに切り出したポリエステルフィルムを、
120℃の熱風中にて無荷重で1分間加熱収縮させた
後、フィルムへの収縮ムラの発生を外観上で、 ○:殆ど収縮ムラの発生が見られなかったもの △:少し収縮ムラが発生したもの ×:収縮ムラの著しかったもの の3段階で評価した。 【0027】密着性は、1.5リットルのPETボトル
の胴体部分に収縮フィルムを装着し、90℃の温風中で
10秒間加熱し収縮させた後の密着状態を、 ○:手で触っても動かない程度に装着されているもの △:容器に完全に装着されているが、手で触ると若干動
くもの ×:容器に完全に装着されておらず、手で触るとずれて
しまうもの の基準で評価した。なお、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物としては、ビスフェノールAの両末端に
エチレンオキサイドが1分子ずつ付加したものを使用し
た。 【0028】ポリエステル樹脂A−1 テレフタル酸100モル部、エチレングリコール140
モル部を反応容器に入れ、窒素加圧下でエステル反応を
十分に行った。次いで、安定剤としてトリメチルフォス
フェートを全酸成分に対して50ppm、重合触媒とし
て三酸化アンチモンを全酸成分に対して400ppm添
加し、反応容器内の温度を280℃に保持して、5mm
Hg以下の減圧下で3時間重縮合反応を行いポリエステ
ル樹脂A−1を得た。 【0029】ポリエステル樹脂A−2 テレフタル酸90モル部、イソフタル酸10モル部、エ
チレングリコール140モル部を反応容器に入れ、窒素
加圧下でエステル反応を十分に行った。次いで、安定剤
としてトリメチルフォスフェートを全酸成分に対して1
00ppm、重合触媒として三酸化アンチモンを全酸成
分に対して500ppm添加し、反応容器内の温度を2
80℃に保持して、5mmHg以下の減圧下で3時間重
縮合反応を行いポリエステル樹脂A−1を得た。 【0030】ポリエステル樹脂B−1 ナフタレンジカルボン酸100モル部、エチレングリコ
ール140モル部を反応容器に入れ、窒素加圧下でエス
テル反応を十分に行った。次いで、安定剤としてトリメ
チルフォスフェートを全酸成分に対して100ppm、
重合触媒として三酸化アンチモンを全酸成分に対して5
00ppm添加し、反応容器内の温度を280℃に保持
して、5mmHg以下の減圧下で3時間重縮合反応を行
いポリエステル樹脂B−1を得た。 【0031】ポリエステル樹脂B−2 ナフタレンジカルボン酸100モル部、エチレングリコ
ール140モル部、ビスフェニールAエチレンオキサイ
ド付加物10モル部を反応容器に入れ、窒素加圧下でエ
ステル反応を十分に行った。次いで、安定剤としてトリ
メチルフォスフェートを全酸成分に対して100pp
m、重合触媒として三酸化アンチモンを全酸成分に対し
て500ppm添加し、反応容器内の温度を280℃に
保持して、5mmHg以下の減圧下で3時間重縮合反応
を行いポリエステル樹脂B−1を得た。 【0032】実施例1〜4 表1に示したポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹
脂Bを、表1に示した重量割合で十分に混合した後、2
90℃の樹脂温度でTダイより溶融押出して、原反フィ
ルムを作成した。この原反フィルムを、120℃で延伸
方向に4.5倍の一軸延伸を行い、厚さ40μmの熱収
縮性ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの
収縮率、ヘーズの測定結果および収縮ムラ、密着性の評
価結果を表1に示した。いずれの熱収縮性ポリエステル
フィルムも、高温での収縮特性に優れていた。 【0033】比較例1 ポリエステル樹脂A−1を、280℃の樹脂温度でTダ
イより溶融押出して、原反フィルムを作成した。この原
反フィルムを、100℃で延伸方向に4.5倍の一軸延
伸を行い、厚さ40μmの熱収縮性ポリエステルフィル
ムを得た。得られたフィルムの収縮率、ヘーズの測定結
果および収縮ムラ、密着性の評価結果を表1に示した。 【0034】比較例2 ポリエステル樹脂B−1を、290℃の樹脂温度でTダ
イより溶融押出して、原反フィルムを作成した。この原
反フィルムを、150℃で延伸方向に4.5倍の一軸延
伸を行い、厚さ40μmの熱収縮性ポリエステルフィル
ムを得た。得られたフィルムの収縮率、ヘーズの測定結
果および収縮ムラ、密着性の評価結果を表1に示した。 【0035】比較例3〜4 表1に示したポリエステル樹脂Aおよびポリエステル樹
脂Bを、表1に示した重量割合で十分に混合した後、2
90℃の樹脂温度でTダイより溶融押出して、原反フィ
ルムを作成した。この原反フィルムを、120℃で延伸
方向に4.5倍の一軸延伸を行い、厚さ40μmの熱収
縮性ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの
収縮率、ヘーズの測定結果および収縮ムラ、密着性の評
価結果を表1に示した。 【0036】 【表1】 【0037】 【発明の効果】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルム
は、比較的高温においても高い熱収縮率を有するととも
に、ボトル等の容器への収縮密着性に優れ、収縮ムラの
ない収縮被覆を行えるものであり、各種包装材料として
実用性に優れたものであり、特に、ガラス製ボトル用の
熱収縮ラベルとして好適である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−170437(JP,A) 特開 平2−276855(JP,A) 特開 平2−191638(JP,A) 特開 平2−163155(JP,A) 特開 昭63−27235(JP,A) 特開 昭49−59175(JP,A) 特開 昭49−5482(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 C08L 67/00 - 67/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 テレフタル酸またはそのエステル形成誘
    導体を主成分とする酸成分とアルコール成分からなるポ
    リエステル樹脂(A)20〜90重量%と、ナフタレン
    ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体を主成分と
    する酸成分とアルコール成分からなるポリエステル樹脂
    (B)10〜80重量%とからなり、100℃の熱風中
    で1分間収縮させたときの収縮率が5%以下であり、1
    30℃の熱風中で1分間収縮させたときの収縮率が15
    %以上であることを特徴とする熱収縮性ポリエステルフ
    ィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2017022742A1 (ja) * 2015-08-06 2018-05-24 日東電工株式会社 ポリエステルフィルム

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JPWO2017022742A1 (ja) * 2015-08-06 2018-05-24 日東電工株式会社 ポリエステルフィルム

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