JP3410762B2 - 一液型自己硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

一液型自己硬化性エポキシ樹脂組成物

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JP3410762B2 JP09615193A JP9615193A JP3410762B2 JP 3410762 B2 JP3410762 B2 JP 3410762B2 JP 09615193 A JP09615193 A JP 09615193A JP 9615193 A JP9615193 A JP 9615193A JP 3410762 B2 JP3410762 B2 JP 3410762B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、特に印刷回路板用積層
体の製造に有用な、一液型自己硬化性エポキシ樹脂組成
物に関するものである。 【0002】 【従来の技術と課題】The National Electrical Manufa
ctures Association(NEMA)は、種々のタイプの印刷回
路板を規定している。エポキシ樹脂配合物を使用して製
造される印刷回路板の最も重要な規格はFR−4規格で
ある。FR−4の基本的構造は、積層体、即ちガラス繊
維織物の無機マトリックスおよび硬化された(架橋され
た)エポキシ樹脂配合物である。FR−4積層体の製造
は2工程で行われる。まず、ガラス織物の連続ウエブを
エポキシ樹脂配合物、即ち溶剤含有エポキシ樹脂、硬化
剤及び促進剤を含有する浴に通す。次いで該ウエブを加
熱器に通して、含浸されたガラス布を乾燥し、そして樹
脂を部分硬化させて、B段階またはプレプレグにする。
この方法は「トリーター」(treater)と呼ばれる機械
で行われる。第2工程において、プレプレグの種々の層
は銅箔の間でプレスされ、加熱により硬化されて最終印
刷回路板を与える。FR−4における現在好ましい硬化
剤はジシアンジアミドである。 【0003】硬化化合物としてジシアンジアミドを含有
する印刷回路板用積層体に使用するためのエポキシ樹脂
配合物は、良好な化学的及び物理的性質、例えばガラス
布シート相互の良好な接着(層間剪断)および積層体と
銅箔との良好な接着(銅剥離強度)、安定で、乾燥し
た、且つプレプレグの容易な製造を可能とする幅広い加
工域を有するプレプレグ、および硬化積層体の許容しう
るガラス転移点(Tg)を与え、そしてジシアンジアミ
ドは安価な化学品である。しかしながら、ジシアンジア
ミドの使用に伴う主として2つの問題がある。第1は、
ジシアンジアミドは室温では溶解性が小さいので、ジシ
アンジアミドをエポキシ樹脂配合物に使用したときにそ
の結晶化を防止するために、強い極性な/危険な溶剤を
用いる必要があることである。「危険な」という用語
は、この明細書では、50ppm以下の限界値(Threshold
Limit Value:TLV)を有する溶剤に区分するために用
いることとする。例えばヨーロッパ特許第133,600号明
細書では、エチレングリコールモノメチルエーテル(TL
V:5ppm)がジシアンジアミド/促進剤混合物を溶解す
るために用いられ、米国特許第4,756,954号明細書では
ジメチルホルムアミド(TLV:10ppm)を含有する溶剤配
合物がジシアンジアミドの溶解のために用いられてい
る。印刷回路板の製造工程において危険な溶剤の使用を
最小限にするか、可能ならば不使用にするための、健康
安全環境(HSE)室からの考慮すべき圧力がある。該危
険な溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド(TL
V:10ppm)、ジメチルスルホキシド、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル(TLV:5ppm)、エチレングリコ
ールイソプロピルエーテル(TLV:25ppm)、エチレング
リコールモノブチルエーテル(TLV:20ppm)、2−エト
キシエタノール(TLV:5ppm)および2−エトキシエタ
ノールアセテート(TLV:5ppm)が含まれる。 【0004】第2の問題としては、ジシアンジアミドお
よびそれを溶解するための危険な溶剤を含有するエポキ
シ樹脂配合物を使用した場合でも、実際に、装置の取り
付けまたはエッチング後に明らかになる印刷回路板の汚
染問題を引き起こす、プレプレグ中にジシアンジアミド
の微結晶が生成する比較的大きな機会を最小にするため
に、トリーター温度、特定の溶剤の選択およびエポキシ
樹脂配合物中の各成分の割合に関して多くの注意を払わ
ねばならない。従って、印刷回路板の製造ための使用に
特に適した、エポキシ樹脂配合物における硬化剤として
のジシアンジアミドの使用に伴う上述した2つの問題に
鑑み、本発明の目的は、特に印刷回路板の製造での使用
に適したエポキシ樹脂配合物を提供するものであり、該
配合物は危険な溶剤を含有せず、印刷回路板の製造工程
におけるエポキシ樹脂組成物のいかなる処理段階におい
ても硬化剤の結晶が生成する傾向の低いものであり、そ
れを用いて製造される積層体に良好な化学的および物理
的性質を与えるものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】従って、本発明によれ
ば、(1)エポキシ成分(a)として、分子当たり平均2
個以上のエポキシ基を有する1,2−エポキシ樹脂化合
物を少なくとも1種(2)硬化成分(b)として、昇温下
にジシアンジアミドと、330〜1500のエポキシ当
量および10〜50重量%の臭素含量を有するテトラブ
ロモビスフェノールA型エポキシ樹脂との反応により得
られる反応生成物を少なくとも1種、および(3)溶剤
(c)として、下記一般式(I): 【0006】 【化2】 【0007】(式中、R1,R2,R4およびR5は各々独
立して水素原子またはC1〜C3のアルキル基を示し、但
し少なくとも1つはC1〜C3のアルキル基であり、R3
はC1〜C3のアルキル基を示す。)で表される化合物を
少なくとも1種含有する、一液型自己硬化性エポキシ樹
脂組成物が提供される。 【0008】本発明の一液型組成物を用いて、典型的な
FR−4電気規格に合致し、且つ例えば硬化状態でTg
が高く且つ結晶生成がないといった良好な物理的及び化
学的性質を示す、印刷回路板製造用の積層物を製造する
ことができる。上記一般式(I)の溶剤は、この明細書
では、非危険性の溶剤であり、従って目的とする健康環
境上の利点を与え、そして驚くべきことに、ジシアンジ
アミドとテトラブロモビスフェノールAとの反応生成物
に基づく硬化成分(b)の室温における充分な溶解性を
与える。硬化成分(b)の代わりにジシアンジアミドを
使用すること以外は本発明の一液型系に類似する組成物
は、室温でジシアンジアミドが直ちに沈澱するため簡単
には使用できなかった。 【0009】実際に、印刷回路板用の積層物の製造に使
用するエポキシ樹脂組成物に用いられる当該技術におい
て公知の1,2−エポキシ樹脂化合物、またはその混合
物は、本発明におけるエポキシ成分(a)として使用す
ることができる。よく知られている例は、場合によりハ
ロゲン化された、ビスフェノールAのポリグリシジルエ
ーテルである。当該技術で公知の他のポリエポキシド類
も使用することができ、それらには、エピハロヒドリン
と多価フェノール化合物、例えばレゾルシノール、ビス
フェノール、ビスフェノールF、または多価アルコー
ル、例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサン
トリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリ
トール及びポリエチレングリコールとの反応により得ら
れるポリエーテルポリエポキシド類;エピハロヒドリン
と多価カルボン酸、例えば琥珀酸、グルタル酸及びフタ
ル酸の各種異性体との反応により得られるポリエステル
ポリエポキシド類;例えば3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボキシレートを含む、2つ以上の脂肪族二重結
合を有する有機化合物のエポキシ化から誘導されるポリ
エポキシド類およびエポキシレート化ノボラック類;お
よびウレタン変性ポリエポキシド類などが含まれる。 【0010】特に適した1,2−エポキシ化合物は、場
合によりハロゲン化されたエポキシノボラック類および
場合によりハロゲン化されたレゾルシノール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールのポリグ
リシジルエーテルおよびそれらの溶融反応物、またはこ
れらのブレンド物である。本発明の一液型組成物に用い
られる最も好ましい1,2−エポキシ化合物は、ビスフ
ェノールA型およびテトラブロモビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、またはそれらの溶融反応物である。商業的
に利用し得る適当なビスフェノールA型エポキシ樹脂の
例は、エピコート828(エポキシ基含有量:5150〜54
90mmol/kg、エポキシ当量:182〜195)、エピコート8
34(エポキシ基含有量:3570〜4440mmol/kg、エポキ
シ当量:225〜280)およびエピコート1001(エポキ
シ基含有量:2000〜2220mmol/kg、エポキシ当量:450〜
500)である。適当なテトラブロモビスフェノールA型
エポキシ樹脂は、下記する硬化成分(b)であるジシア
ンジアミド/テトラブロモビスフェノールA型樹脂付加
物の製造に使用されるものと同じものである。商業的に
利用し得る好ましいテトラブロモビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂は、エピコート1141、テトラブロモビス
フェノールAの溶融物およびビスフェノールAのジグリ
シジルエーテルの溶融反応物(エポキシ基含有量:1900
〜2200mmol/kg、エポキシ当量:454〜526、臭素価:約2
0〜22%)である。(なお、エピコートはシェル化学社の
製品の商品名である。)所望ならば、ハロゲン化エポキ
シ樹脂と非ハロゲン化エポキシ樹脂のブレンド物をエポ
キシ成分(a)に使用することもでき、両樹脂の割合は
最終組成物の所望の性質、例えば所望の難燃性のレベル
に依存する。 【0011】付加物(b)は、ジシアンジアミドとテト
ラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂を50〜22
0℃の範囲の温度で反応させることにより製造すること
ができる。ジシアンジアミドの第1級アミノ基とテトラ
ブロモビスフェノールA型分子のエポキシ基との反応の
結果として、付加物が形成される。この反応の実質的結
果は第1級アミノ基及びエポキシ基の損失、および第2
級アミノ基及び遊離ヒドロキシル基の獲得である。この
付加物形成の証拠は、プロトンおよび炭素−NMR,赤
外およびマススペクトロスコピーにより得ることができ
る。付加物の形成は、反応混合物中でさらに第1級アミ
ノ基とエポキシ基の反応が本質的に起こらなくなったと
きに、完結するものと理解される。 【0012】付加物の形成は溶媒の不存在下、または存
在下に行うことができる。溶媒の不存在下に付加物の形
成を行う場合は、ジシアンジアミドとテトラブロモビス
フェノールA型エポキシ樹脂の均一な溶融物を得るため
及び第1級アミノ基とエポキシ基の反応を誘発するため
に、通常少なくとも175℃の温度が必要である。溶媒
の不存在下に付加物の形成を行う場合は、ジシアンジア
ミドとテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂
は、エポキシ基当たりの第1級アミノ基が0.5〜1.
5、好ましくは0.8〜1.2になるような相対量で反応
させるべきである。エポキシ基当たりの第1級アミノ基
の上限値1.5は、形成された付加物中に遊離のジシア
ンジアミドが過多なレべルで存在することを防止するた
めに、厳守すべきである。下限値0.5は、ジシアンジ
アミド1モルとエポキシ樹脂1モルの付加物を少なくと
も形成させるために、選択されるものである。しかしな
がら、ジシアンジアミド2モルとテトラブロモビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂1モルの付加物を製造すること
が好ましく、従って第1級アミノ基およびエポキシ基が
実質的に当量で反応混合物に供給される。しかしなが
ら、特により低い温度が適用できること、および未反応
のジシアンジアミドが存在する場合にこれを付加物形成
の完結時に反応混合物から除去する可能性があることを
考慮して、溶媒の存在下に付加物を製造することが好ま
しい。本質的には、米国特許第2,928,811号明細書に記
載されているような硬化化合物としてのジシアンジアミ
ドを含有する硬化性組成物に用いるための技術において
公知の溶剤は、いずれも付加物の形成に使用することが
できる。しかしながら、健康安全環境の観点、並びに特
別の理由のために、上記一般式(I)で表される群から
選ばれる溶剤中で付加物を製造することが好ましく、該
溶剤の好ましいものとしては、後記する好ましい溶剤
(c)と同じものである。 【0013】溶剤の存在下に付加物を形成する好ましい
経路は下記のとおりである。まずジシアンジアミドを適
量の溶剤中で、撹拌しながら50〜160℃の範囲の温
度で加熱し、その後臭素化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂を、好ましくはジシアンジアミドの溶解に使用した
溶剤と同一の、または異なる溶剤の所望量を用いて溶解
又は希釈して、徐々に加える。次いで、混合物を撹拌し
且つ高温に維持しながら、臭素化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂とジシアンジアミドを所望の時間、通常は
0.5〜3.0時間反応させる。反応が完結したとき、反
応混合物は本発明の一液型自己硬化性エポキシ樹脂組成
物の製造にそのまま用いることができ、後の段階で使用
するためには冷却し、貯蔵することもでき、もしくは公
知の方法、好ましくは反応混合物を冷却し次いで沈澱生
成物を単離、洗浄及び乾燥することにより付加物を回収
することができできる。 【0014】付加物の形成において上記した溶剤(c)
以外の溶剤を使用する場合は、生成付加物は、本発明の
一液系に用いる前に、熱い反応混合物から必ず単離すべ
きであり、ジシアンジアミドとテトラブロモビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂をエポキシ基当たり0.5〜4の
第1級アミノ基となるように反応させることができる。
付加物の形成が上記溶剤(c)中で行われ且つエポキシ
基当たり1.5〜4の第1級アミノ基となる場合も、付
加物中に多量の遊離ジシアンジアミドの存在を避けるた
めに、本発明の一液系に用いる前に、生成付加物を反応
完結時に反応混合物から単離すべきである。付加物形成
の完了時に付加物を反応混合物から単離せず、そのまま
本発明の一液系の製造に使用するか、または後に使用す
るために貯蔵する場合は、付加物の形成は溶剤(c)中
で行い、且つジシアンジアミドとテトラブロモビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂の相対量をエポキシ基当たり
0.5〜1.5、好ましくは0.8〜1.2の第1級アミノ
基となるようにすべきである(付加物中に多量の遊離ジ
シアンジアミドの存在を避けるために)。 【0015】さらに、溶剤の存在下に付加物の形成を行
うときは、溶剤の不存在下に付加物の形成を行う場合の
ように、2モルのジシアンジアミドと1モルのテトラブ
ロモビスフェノールA型エポキシ樹脂の付加物を製造
し、反応混合物中に本質的に等モル量の第1級アミノ基
およびエポキシ基を与えるようにすることが好ましい。
熱い反応混合物からの付加物の単離は極めて簡単である
ことが分かった。なぜならば氷水の添加により、反応混
合物中に遊離のジシアンジアミドがもし存在するとした
らその前の段階で、付加物が沈澱するからである。従っ
て、未反応のジシアンジアミドを実質的に含まないか、
冷却前で反応完結時に反応混合物中に存在する遊離のジ
シアンジアミドの量に基づいて10モル%以下の遊離ジ
シアンジアミドを含有する付加物を単離することができ
る。付加物の形成に使用される溶剤の量は、適用される
反応条件に依存するが、一般的には反応中に全ての成分
が溶解するに十分な量であるべきである。 【0016】付加物の形成は触媒の存在下または不存在
下に行われる。しかしながら、触媒の使用は反応時間及
び/又は反応温度が低下するので、通常好ましいことで
ある。(ジシアンジアミドの)第1級アミノ基と(テト
ラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂の)エポキシ
基との反応を促進するのに適当な、公知の触媒を原則と
して使用することができる。適当な触媒の例は、イミダ
ゾール類、アミン類、アンモニウム塩類、ホスフィン塩
類およびホスホニウム塩類である。2−メチルイミダゾ
ールは好ましい触媒である。付加物の形成に使用される
触媒の量は、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ
樹脂固体100重量部当たり0.001〜1.0重量部の
範囲が適当である。 【0017】付加物の形成に使用されるテトラブロモビ
スフェノールA型エポキシ樹脂としては、(1) テトラブ
ロモビスフェノールAのポリグジシジルエーテル、(2)
テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAの混
合物のポリグジシジルエーテル、または(3) テトラブロ
モビスフェノールAとポリヒドロキシ芳香族化合物とビ
スフェノールAの混合物のポリグジシジルエーテルを挙
げることができる。臭素化エポキシ樹脂は分子当たり1
〜4のエポキシ基、18〜22重量%の臭素含量、およ
び1739〜3030mmol/kg(エポキシ当量:330〜575)のエ
ポキシ基含量を有するものが好ましい。商業的に入手し
うる適当なテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹
脂はエピコート1141である。硬化成分(b)に用い
られるジシアンジアミド/テトラブロモビスフェノール
A型エポキシ樹脂付加物は、それを溶解するために危険
な溶剤の使用が不必要であるということは、本発明の特
別な利点であると考えられる。当業者は、本発明の一液
系に使用される成分(b)の量は、経験的なものであ
り、そして用いられた成分(a)、(b)および(c)
により変えられ、一般には、通常のジシアンジアミドに
よる臭素化樹脂の硬化反応条件下、例えばプレプレグを
製造するために150〜300℃で1〜10分の第1サ
イクル、次いでプレプレグを硬化させるために150〜
250℃で0.5〜3時間の第2サイクルの条件下で十
分な硬化を与えるのに充分な量であるべきである。 【0018】本発明の一液系に使用される適当な溶剤
(c)は、プロピレングリコールモノメチルエーテル
[上記一般式(I)におけるR3およびR4がメチル、
1,R2およびR5が水素である化合物]、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル[上記一般式(I)にお
けるR3がエチル、R4がメチル、R1,R2およびR5
水素である化合物]、およびプロピレングリコールモノ
−n−プロピルエーテル[上記一般式(I)におけるR3
がn−プロピル、R4がメチル、R1、R2およびR5が水
素である化合物]である。現在最も好ましい溶剤(c)
はプロピレングリコールモノメチルエーテルであり、こ
れはシェル化学社から商品名“methylproxitol”として
市販されている。この溶剤は、優れた溶解性を有し、相
対的に非毒性であり、即ちTLV値は100ppmであり、エ
チレングリコールモノメチルエーテル(TLV:5ppm)の約
20倍、DMF(TLV:10ppm)の約10倍である。本発
明の一液系に使用される溶剤(c)の量は、一液系の各
成分を十分に溶解できれば十分であり、一液型組成物の
所望の固体含量および粘度により変えることができる。
本発明の一液系は上記の溶剤(c)以外の溶剤を含有す
ることができるが、その溶剤は非危険性でなければなら
ず、該溶剤に対する溶剤(c)の重量比は5以上に保つ
べきである。非危険性溶剤の例は、アセトン、メチルエ
チルケトン、n−プロピルアセテート、エチルアセテー
ト、i−プロピルアセテートおよびi−ブチルアセテー
トである。使用される溶剤(c)の量は、成分(a)及
び(b)の合計100重量部に対して50〜200重量
部の範囲が適当である。 【0019】本発明の一液系は、硬化成分(b)を溶剤
(c)の全量または一部に溶解し、通常はやや加温下
に、例えば50℃までの温度で、エポキシ成分(a)
を、場合により溶剤(c)の一部に溶解して加えること
により製造することが適当である。本発明の一液系は、
硬化促進剤、例えば第3級ホスフィン類及びその塩、第
3級アミン類及びその塩、アミン錯化合物およびイミダ
ゾール化合物、ならびにそれらの混合物を含有すること
もできる。最も好ましい促進剤はイミダゾール化合物で
あり、特に2−メチルイミダゾールが好ましい。 【0020】ゲル化時間は、促進剤を適当濃度加えるこ
とにより設定することができる。所望ならば、米国特許
第4,559,395号明細書に記載されているような共硬化化
合物を1種以上本発明の一液系に添加することができ
る。本発明の一液系の安定性、即ち保存期間は、例えば
マレイン酸、マロン酸、クエン酸、琥珀酸、サリチル
酸、ラクトン酸、乳酸、蓚酸またはパラトルエンスルホ
ン酸のような酸化合物1種以上を添加することにより改
良することができる。さらに、本発明の一液系は、所望
ならば他の添加剤、例えばシリカ、アルミナ及び水酸化
アルミニウムのような充填剤、三酸化アンチモンのよう
な難燃剤、着色剤、シランカップリング剤のような表面
処理剤および離型剤を含有することができる。本発明の
一液系の硬化時間および硬化温度はその特別な構成に依
存するが、通常は30〜300分および100〜250
℃の範囲である。 【0021】上述したように、本発明の一液系は印刷回
路板、特にFR−4印刷回路板用の積層体の製造に好適
なものであるが、さらに電気用途等の他の用途、構造積
層体および複合体に有用である。その際使用される適当
な基体は、例えばガラス、グラファイト、芳香族ポリア
ミド、炭素、石英、セラミック、および織物、マットま
たは繊維形態の合成繊維、天然繊維およびその組み合わ
せである。 【0022】 【実施例】以下の実施例により本発明を詳述する。 [材料]エポキシ樹脂として、エピコート828とテトラ
ブロモビスフェノールAを反応させて調製した、エポキ
シ基含量が1900〜2200mmol/kg(エポキシ当量:454〜52
6)および臭素含量が20〜22重量%(計算値)であ
るエピコート1141を使用した。ジシアンジアミドはSK
W社(ドイツ)のものを使用した。テトラメチルアンモ
ニウムクロライドは、FLUKA化学社(スイス)のものを
使用した。2−メチルイミダゾールはBASF社のもの
を使用した。ジメチルホルムアミド、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルおよびエチレングリコールモノエチルエーテ
ルは工業銘柄のものを、溶解性の検討およびワニスの製
造の際使用した。 【0023】[測定および評価]赤外スペクトロスコピ
ーは、Nicolet 20 SXC FT-IRスペクトロメーターを用い
て実施した。反応性の測定は、170℃でのホットプレ
ートゲル化時間法により行った。硬化(170℃, 1時間)
した積層体のガラス転移点は、DSC Perkin-Elmer 7装置
を用い、10℃/分の加熱速度で測定した。種々の溶剤
への溶解度は、20℃で溶剤10gに、撹拌しながら飽
和するまで添加することのできる生成物の量(g)によ
り、決定した。 樹脂含浸ガラス布(プレプレグ)の製造: エポキシシ
ラン仕上げしたガラス繊維系Marglass274(7628型-200g/
m)をエポキシ樹脂組成物(室温で1時間熟成したもの)
で飽和するまで手作業で含浸し、170℃で2分間、B
段階まで部分硬化した。 プレプレグの評価:B段階プレプレグ試料を顕微鏡(倍
率20)で評価した。試料を硬化化合物の結晶化レベル
により、0〜4に等級別けした。0はプレプレグ中に結
晶が観察されないことを示し、4はプレプレグ中に高レ
ベルの結晶が存在していることを示しものである。 【0024】実施例1 [付加物Y1およびY2の製造及び単離法]還流冷却
器、磁気撹拌機及び熱電対を備えた500mlガラス反応
器に、ジシアンジアミドを必要量の溶剤と共に入れた。
混合物を撹拌しながら、温度調節されたシリコンオイル
浴中で加熱した。全てのジシアンジアミドが溶解したと
きに、必要量の触媒を加えた。温度が所望のレベルに到
達したときに、場合により所望量の溶剤に溶解したエポ
キシ樹脂を滴下した。全部添加したのち(約90分以
上)、さらに30分同じ温度で反応混合物を撹拌した。
混合物“X”を100℃に冷却し、800mlの氷水を加
えた。沈澱生成物を濾過し、水で数回洗浄した。最後に
生成物を強制空気ドラフトオーブン中で50℃の温度で
乾燥した。得られた生成物を“Y”という符号を付け
た。第1表に、Y1及びY2の製造条件、および生成物
の種々の溶剤への溶解度を示した。比較のためにジシア
ンジアミド単独の溶解度も示した。第1表に示されたデ
ータは、反応生成物Y1およびY2がジシアンジアミド
よりもはるかに優れた溶解度を有することを示してい
る。 【0025】 【表1】 【0026】実施例2 [一液型自己硬化性エポキシ樹脂組成物1の製造] Y1 290重量部を、100℃に加熱しながらプロピ
レングリコールモメチルエーテル390重量部に溶解
させた。全てのY1が溶解したときに加熱を止め、エピ
コート1141のプロピレングリコールモメチルエーテル
70%溶液1638重量部を加え、次いで固体含量が6
0%になるまでプロピレングリコールモメチルエーテ
ルを添加し、最終固体含量が55%にするためにアセト
ンを加えた。 【0027】[一液型自己硬化性エポキシ樹脂組成物2
の製造] エピコート1141のプロピレングリコールモメチルエー
テル70%溶液1171重量部を、実施例1で製造した
熱い反応混合物“X2”に加え、次いで固体含量が60
%になるまでプロピレングリコールモメチルエーテル
を添加し、最終固体含量が55%にするためにアセトン
を加えた。 【0028】比較例1 [ジシアンジアミド/エポキシ樹脂ブレンド物を含有す
る、比較エポキシ樹脂組成物1および2の製造] 実施例1のY1及びY2の製造に使用したと同量の同一
成分を磁気撹拌機を備えた反応器に入れた。室温で30
分撹拌した後、エピコート1141のプロピレングリコール
メチルエーテル70%溶液それぞれ1638重量部
及び1171重量部を加え、得られたブレンド物を固体
含量が60%になるまでプロピレングリコールモメチ
ルエーテルで希釈し、さらに最終固体含量が55%にな
るまでアセトンで希釈した。 【0029】[硬化化合物としてジシアンジアミドを含
有する、比較エポキシ樹脂組成物3の製造] ジシアンジアミドのエチレングリコールモメチルエー
テル7%溶液42.9重量部を、2−メチルイミダゾー
ルのプロピレングリコールモメチルエーテル10%溶
液2重量部、およびアセトン15.6重量部とプロピレ
ングリコールモメチルエーテル4.33重量部との混
合溶剤に溶解したエピコート1141 125重量部を混合
した。 【0030】実施例3 [上記で得られた本発明の一液型自己硬化性エポキシ樹
脂組成物1及び2、並びに比較組成物1,2及び3の評
価]本発明の一液型自己硬化性エポキシ樹脂組成物1お
よび2は、比較的危険性のない溶剤からなるので、ジシ
アンジアミドの溶解のために危険なエチレングリコール
モノメチルエーテルの使用が必要であった比較エポキシ
樹脂組成物3に比べて、真に有利である。本発明の一液
型自己硬化性エポキシ樹脂組成物1および2と、比較エ
ポキシ樹脂組成物とのFT-IRスペクトロスコピーは明ら
かに相違していた。第2級アミノ基に基づく2825nmの吸
収ピークおよび第2級ヒドロキシル基に基づく1080nmの
吸収は本発明の組成物のスペクトル中には明らかに存在
するが、比較エポキシ樹脂組成物のスペクトル中には存
在しない。該吸収ピークは、多分実施例1で製造された
ジシアンジアミド−エピコート1141付加物から誘導され
とものと思われる。エポキシ樹脂化合物のエポキシ基と
ジシアンジアミド分子の第1級アミノ基との反応は結果
として第2級アミノ基および第2級ヒドロキシル基を形
成する。 【0031】下記の第2表には、本発明の一液型自己硬
化性エポキシ樹脂組成物および比較エポキシ樹脂組成物
の評価結果が示されている。本発明の一液型自己硬化性
エポキシ樹脂組成物1および2を用いたプレプレグ中に
は結晶はなかったが、比較エポキシ樹脂組成物1および
2を用いたプレプレグ中には結晶が観察された。比較組
成物3により製造されたプレプレグは結晶化は低レベル
であったが、この組成物はジシアンジアミドの溶解のた
めにエチレングリコールモノメチルエーテルを用いて製
造されたものである。さらに第2表から、本発明の一液
型自己硬化性エポキシ樹脂組成物は、良好なレベルの反
応性およびTgを有していることが明らかとなる。 【0032】 【表2】
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−64332(JP,A) 特開 平4−85339(JP,A) 特開 昭59−126428(JP,A) 特開 昭63−268726(JP,A) 特開 昭63−268725(JP,A) Chemical Abstract s,1977年,Vol.86,page44, abstract no.122376y (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/40 C08G 59/50 C08L 63/00 - 63/10 C08J 5/24 CFC

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (1)エポキシ成分として、分子当たり
    平均2個以上のエポキシ基を有する1,2−エポキシ樹
    脂化合物を少なくとも1種、(2)硬化成分として、昇
    温下にジシアンジアミドと、330〜1500のエポキ
    シ当量および10〜50重量%の臭素含量を有するテト
    ラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂との反応によ
    り得られる反応生成物を少なくとも1種、および(3)
    溶剤として、下記一般式(I): 【化1】 (式中、R1,R2,R4およびR5は各々独立して水素原
    子またはC1〜C3のアルキル基を示し、但し少なくとも
    1つはC1〜C3のアルキル基であり、R3はC1〜C3
    アルキル基を示す。)で表される化合物を少なくとも1
    種含有する一液型自己硬化性エポキシ樹脂組成物。
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