JP3402249B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置

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JP3402249B2 JP07669099A JP7669099A JP3402249B2 JP 3402249 B2 JP3402249 B2 JP 3402249B2 JP 07669099 A JP07669099 A JP 07669099A JP 7669099 A JP7669099 A JP 7669099A JP 3402249 B2 JP3402249 B2 JP 3402249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体記憶装置
に係り、詳しくは、浮遊(フローティング)ゲートを利
用して情報の書き込み又は消去を行う半導体記憶装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】半導体記憶装置は大別して、電源をオフ
すると記憶情報が消えてしまう、いわゆる揮発性メモリ
と、電源をオフしても記憶情報が保持される、いわゆる
不揮発性メモリとに二分される。前者はRAM(Random
Access Memory)として知られている一方、後者はROM
(Read Only Memory)として知られている。
【0003】上述の半導体記憶装置の中で、特にROM
はその不揮発性の特徴を生かして各種の情報処理装置に
適用されており、その中でも、一度書き込まれた情報を
紫外線を照射することにより消去して、再び電気的に書
き込みのできるEP(Erasable and Programmable)RO
M、あるいは一度書き込まれた情報を電気的に消去、再
書き込みのできるEEP(Electrically Erasable and P
rogrammable)ROMが広く用いられている。さらに、同
EEPROMで、情報の一括消去・バイト書き込みので
きるタイプのものは、フラッシュメモリとして知られて
いて、従来の記憶媒体の代表であるフロッピデスク、ハ
ードデスクなどに代わり得るものとして注目されてい
る。
【0004】上述したような不揮発性の半導体記憶装置
は、MIS(Metal Insulator Semiconductor)型構造を
有していて、ソース領域とドレイン領域との間のチャネ
ルの上方に設けられるゲートは、ゲート絶縁膜上に設け
られる浮遊ゲートと同浮遊ゲート上に層間絶縁膜を介し
て設けられる制御(コントロール)ゲートとから構成さ
れた積層構造になっている。そして、浮遊ゲートに対し
てキャリア(電子又はホール)の注入又は放出(引き抜
き)を行って、情報の書き込み又は消去を行うように構
成されている。
【0005】図18は、従来の半導体記憶装置におい
て、情報の書き込みを行う場合の動作を説明する図であ
る。キャリアとして例えば電子を用いる例で説明する
と、P型シリコン基板51には選択的にN型ソース領域
52及びドレイン領域53が形成されて、ゲート絶縁膜
を構成するシリコン酸化膜(SiO;ゲート酸化膜)
54上には浮遊ゲート(Floating Gate;FG)55が設
けられると共に、この浮遊ゲート55上には層間絶縁膜
56を介して制御ゲート(Control Gate;CG)5 7が
設けられて、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型ト
ランジスタが形成さ れている。このような構成で、N
型ソース領域52を接地(ソース電圧Vs=0V)し、
N型ドレイン領域53にドレイン電圧Vdとして略5V
を印加し、さらに制御ゲ ート57に制御ゲート電圧V
cgとして略12Vを印加したバイアス条件を設定 す
ると、N型ソース領域52からN型ドレイン領域53に
向かって矢印のように電子eが流れるようになる。
【0006】その電子eはN型ドレイン領域53近傍の
電界により加速され、一部の電子eはシリコンとシリコ
ン酸化膜との間の障壁電位(略3.1V)を越えるエネ
ルギーを得て、ホットキャリアであるホットエレクトロ
ンeとなる。したがって、そのホットエレクトロンe
はゲート酸化膜54を越えて、浮遊ゲート55に注入
されるようになり、いわゆるホットエレクトロン注入法
による情報の書き込みが行われる。図19は、図18の
半導体記憶装置のC−C矢視ラインに沿ったエネルギー
バンド図を示し、ホットエレクトロンeがゲート酸化
膜54を越えて浮遊ゲート55に注入される様子を表し
ている。
【0007】一方、図20は、従来の半導体記憶装置に
おいて、情報の消去を行う場合の動作を説明する図であ
る。浮遊ゲート55に電子eが注入されている状態で、
N型ドレイン領域53をオープンにし、N型ソース領域
52に略5Vのソース電圧Vsを加え、さらに制御ゲー
ト56に略−9Vの制御ゲート電圧Vcgを加えたバ
イアス条件を設定する。図21は、図20の半導体記憶
装置のD−D矢視ラインに沿ったエネルギーバンド図を
示している。この場合、浮遊ゲート55内の電子eは上
述のような障壁電位を越えるエネルギーを得ることはで
きないが、浮遊ゲート55直下のゲート酸化膜55の膜
厚が電子が感じるような薄さになっているので、ゲート
酸化膜54を通じてF−N(Fowlor Nordheim)トンネ
ル電流が流れるようになる。したがって、浮遊ゲート5
5内の電子eはゲート酸化膜54を通じてN型ソース領
域52に放出されるようになり、いわゆるF−Nトンネ
ル電流による情報の消去が行われる。
【0008】このように、浮遊ゲート55における電子
の有無により、半導体記憶装置を構成しているMOS型
トランジスタのしきい値電圧が異なってくるので、この
しきい値電圧の変化量を検出することにより、情報を読
み出すことができる。上述した従来の半導体記憶装置で
は、浮遊ゲート55に対する情報の書き込み又は消去時
にはいずれの場合においても、ゲート酸化膜54を通じ
て電子を流すことで、浮遊ゲート55に対して電子の注
入又は放出を行うことが共通の要件となっている。な
お、キャリアを電子からホールに代えた半導体記憶装置
の場合も、バイアス条件の極性等が異なってくるだけ
で、電子を用いた場合と同様な原理で動作が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の半導
体記憶装置では、浮遊ゲートに対する情報の書き込み又
は消去時のいずれの場合においても、ゲート絶縁膜を通
じてキャリアを流すことにより浮遊ゲートに対してキャ
リアの注入又は放出を行っているので、書き込み又は消
去の繰り返えしによりゲート絶縁膜が劣化する、という
問題がある。ゲート絶縁膜が劣化すると、浮遊ゲートか
らキャリアの洩れが生じるようになるため、浮遊ゲート
に書き込んだ情報の記憶の保持が困難になって、不揮発
性メモリとしての特性が維持できなくなる。
【0010】また、従来の半導体記憶装置では、これを
構成しているMOS型トランジスタのしきい値電圧の変
化量を検出することにより情報を読み出すようにしてい
るが、しきい値電圧は浮遊ゲート内のキャリアの電荷量
により決定され、この電荷量は情報の書き込み又は消去
時のバイアス条件、バイアス印加時間等の複数の要因に
より制御している。しかしながら、複数の要因により浮
遊ゲートに対してキャリアの注入又は放出を行ってその
電荷量を制御することは、いずれかの要因の変動で電荷
量がばらつき易くなるので、キャリアの電荷量を正確に
制御するのが困難である、という問題がある。キャリア
の電荷量のばらつきが素子ごとに生じた場合には、ビッ
トエラーが避けられなくなり、半導体記憶装置の信頼性
を損なうことになる。
【0011】また、従来の半導体記憶装置では、情報の
書き込み時に障壁電位を越えるホットキャリアを発生さ
せるために、ソース領域とドレイン領域との間にチャネ
ル電流を必ず流す必要があるが、チャネル電流に対する
ホットキャリアの発生の割合は非常に小さいので、無駄
な消費電力が多くなって書き込み効率が悪い、という問
題がある。
【0012】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、ゲート絶縁膜の劣化を防止すると共に、浮遊ゲ
ート内のキャリアの電荷量を正確に制御することがで
き、さらに書き込み時の消費電力を不要にすることがで
きるようにした半導体記憶装置を提供することを目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、半導体基板上にゲート絶縁
膜を介して浮遊ゲートが設けられると共に、該浮遊ゲー
ト上に層間絶縁膜を介して制御ゲートが設けられ、上記
浮遊ゲートに対してキャリアの注入又は放出を行って情
報の書き込み又は消去を行う半導体記憶装置であって、
上記浮遊ゲートに対して、金属−絶縁相転移を利用して
上記キャリアの注入又は放出を行うように構成されてい
ることを特徴としている。
【0014】請求項2記載の発明は、半導体基板上にゲ
ート絶縁膜を介して浮遊ゲートが設けられると共に、該
浮遊ゲート上に層間絶縁膜を介して制御ゲートが設けら
れ、上記浮遊ゲートに対してキャリアの注入又は放出を
行って情報の書き込み又は消去を行う半導体記憶装置で
あって、上記浮遊ゲートに一部分が接するように、上記
キャリアの注入又は放出を行う金属−絶縁相転移が可能
な材料からなる薄膜が設けられたことを特徴としてい
る。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項2記載の半
導体記憶装置に係り、上記薄膜の他部分が上記半導体基
板に接するように設けられ、上記薄膜上に書き込み又は
消去用ゲートが設けられたことを特徴としている。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項2記載の半
導体記憶装置に係り、上記薄膜の他部分に接するように
外部回路接続用導体が設けられ、上記薄膜上に層間絶縁
膜を介して書き込み又は消去用ゲートが設けられたこと
を特徴としている。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項2記載の半
導体記憶装置に係り、上記薄膜の他部分に接するように
上記制御ゲートが設けられ、上記薄膜に層間絶縁膜を介
して書き込み又は消去用ゲートが設けられたことを特徴
としている。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項2記載の半
導体記憶装置に係り、上記薄膜の他部分に接するように
上記制御ゲートが設けられ、上記薄膜に書き込み又は消
去用ゲートが設けられたことを特徴としている。
【0019】請求項7記載の発明は、請求項3記載の半
導体記憶装置に係り、上記情報の書き込み又は消去時
に、上記書き込み又は消去用ゲートに制御電圧を印加し
て上記薄膜と上記半導体基板との界面に発生させたキャ
リアにより上記薄膜を金属相に相転移させ、該金属相を
通じて上記浮遊ゲートに対してキャリアの注入又は放出
を行うように構成されていることを特徴としている。
【0020】請求項8記載の発明は、請求項3記載の半
導体記憶装置に係り、上記情報の書き込み又は消去時
に、上記書き込み又は消去用ゲートに制御電圧を印加し
て上記薄膜と上記層間絶縁膜との界面に発生させたキャ
リアにより上記薄膜を金属相に相転移させ、該金属相を
通じて上記浮遊ゲートに対してキャリアの注入又は放出
を行うように構成されていることを特徴としている。
【0021】請求項9記載の発明は、請求項3記載の半
導体記憶装置に係り、上記金属−絶縁相転移が可能な材
料が、モット絶縁体からなることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】◇前提(発明の原理) この発明の実施の形態の説明に先立ち、この発明の原理
について説明する。量子エレクトロニクスの分野におい
て、モット(Mott)転移(金属−絶縁相転移)現象
が知られている。このモット転移は、ある種の絶縁体
(いわゆるモット絶縁体)を金属相と絶縁相との間を可
逆的に相転移させることのできる現象である。以下、水
素原子をモデルにモット絶縁体をモット転移させる原理
について説明する。
【0023】図14〜図17は、水素原子の配列を仮想
的に示している。各図では、原子核61の周囲の電子軌
道62に沿って1個の電子63が回っている状態の水素
原子60が、4個配列されている様子を示している。上
向きの矢印はスピンが1/2の電子63を、下向きの矢
印はスピンが−1/2の電子63をそれぞれ示してい
る。図14は、各原子60に電子63が1個ずつ存在し
ている中性状態(基底状態)の原子配列を示し、図15
は、例えばスピンが−1/2の電子63が隣の原子60
(例えば左から3番目)に飛び移って、エネルギーの高
いイオン的な状態(励起状態)に変化した原子配列を示
している。
【0024】ここで、図15に示すように1つの原子6
0(例えば左から3番目)に2つの電子63が存在した
場合に各電子63間に働くクーロン(Coulomb)相互作
用のエネルギーをUとすると、その2つの電子63が存
在している原子60と、電子が存在していない(不足し
ている)原子60との距離が十分に離れていれば、図1
5の励起状態の原子配列は、図14の基底状態の原子配
列に比較して、系のエネルギーはクーロン相互作用のエ
ネルギーUだけ大きくなる。また、図14において、隣
接する原子60への電子63の飛び移り積分をtとする
と、t≪Uの関係が成立するとき、クーロン相互作用の
エネルギーUによる系全体のエネルギーの増加を最小に
するため、電子63は各原子60に局在するようになっ
て、同図のような基底状態になる。
【0025】図14の基底状態と図15の励起状態との
間にはクーロン相互作用のエネルギーUからなるエネル
ギーギャップが存在するので、上述の関係が成立すると
き、基底状態に外部電界を加えても電子状態は変化しな
い(電子は移動しない)ので、系は絶縁相となる。これ
がモット絶縁体である。また、各原子の電子数は奇数で
あるからスピンの自由度が残ることになる。
【0026】次に、モット絶縁体が絶縁相から金属相へ
転移する原理について説明する。図16に示すように、
図14の状態にある原子配列の特定の原子60(例えば
左から2番目)に外部から過剰な電子63Aを付加した
とする。図14の基底状態のエネルギーをE0とする
と、図16の状態のエネルギーはE0+Uと表される。
ここで、図17に示すように、上述の電子63Aを付加
した原子60(左から2番目)の下向きスピンの電子6
3が隣の原子60(例えば左から3番目)に飛び移った
状態を考えると、この状態におけるエネルギーもE0+
Uで表される。したがって、図16の状態と図17の状
態との間にはエネルギー差がないことになり、過剰な電
子は隣接する原子に自由に移動することができるように
なるので、系は金属相になる。このように、過剰な電子
を外部から付加することにより、モット絶縁体を絶縁相
から金属相へ相転移させることができるようになる。そ
れゆえ、モット絶縁体を用いて金属−絶縁相転移を生じ
させることにより、スイッチング作用を得ることがで
き、このスイッチング作用を利用すれば浮遊ゲートに対
してキャリアの注入又は放出を行わせることが可能とな
る。
【0027】次に、上述の原理を基に、図面を参照し
て、この発明の実施の形態について説明する。説明は実
施例を用いて具体的に行う。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である半導体記憶装置の
構成を示す断面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図
3は図1のB−B矢視断面図、図4は同半導体記憶装置
に用いられるモット絶縁体が金属相に相転移した場合の
等価回路を示す図、図5は同モット絶縁体が絶縁相に相
転移した場合の等価回路を示す図、また、図6〜図10
は同半導体記憶装置の製造方法を工程順に示す工程図で
ある。この例の半導体記憶装置は、図1〜図3に示すよ
うに、例えばP型シリコン基板1の表面には選択的に周
知のLOCOS(Local Oxidation Of Silicon)法等によ
り素子分離膜となるシリコン酸化膜2が形成され、この
シリコン酸化膜2により囲まれた活性領域にはN型ソー
ス領域3及びドレイン領域4(図1では見えない)が形
成されている。N型ソース領域3とN型ドレイン領域4
との間のチャネル領域上にはゲート絶縁膜となる膜厚が
6〜8nmのシリコン酸化膜(ゲート酸化膜)5が形成
されて、このゲート酸化膜5上には多結晶シリコンから
なる浮遊ゲート6が設けられると共に、この浮遊ゲート
6上にはシリコン酸化膜等からなる層間絶縁膜11を介
して、多結晶シリコンからなる制御ゲート12が設けら
れている。この制御ゲート12上にはタングステンシリ
サイド等からなる制御電極13が設けられ、またN型ソ
ース領域3及びドレイン領域4にはそれぞれアルミニウ
ム等からなるソース電極14及びドレイン電極15が設
けられている。そして、全体はシリコン酸化膜等からな
る保護絶縁膜16により覆われて、MOS型トランジス
タが形成されている。
【0028】P型シリコン基板1上で、かつ浮遊ゲート
6に一部分が接するように、金属相におけるキャリアが
電子であるモット絶縁体7として、膜厚が130〜15
0nmの例えばNd(2−x)CeCuO(0〈x
〈0.18)(ネオジウム・セリウ ム・銅酸化物)か
らなる薄膜が設けられ、このモット絶縁体7上にはタン
グステンシリサイド等からなる書き込み又は消去用ゲー
ト8が設けられている。
【0029】モット絶縁体7とP型シリコン基板1との
界面には、後述するように情報の書き込み又は消去を行
うために、浮遊ゲート6に対して電子の注入又は放出を
行う場合のみに、深さが1〜2nmの電子反転層17が
誘起されて形成される。したがって、情報の書き込み又
は消去を行わない場合は、電子反転層17は発生してい
ない。
【0030】次に、この例の半導体記憶装置の制御方法
について説明する。まず、情報の書き込み又は消去を行
うために初期状態を設定する。P型シリコン基板1、N
型ソース領域3及びドレイン領域4を共に接地(ソース
電圧Vs=ドレイン電圧Vd=0V)し、書き込み又は
消去用ゲート8に12〜15Vを印加すると、モット絶
縁体7とP型シリコン基板1との界面には、深さが1〜
2nmの電子反転層17が誘起されて形成される。そし
て、この電子反転層17の電子はモット絶縁体7内に移
動して、このモット絶縁体7内で過剰電子として振る舞
う。
【0031】それゆえ、前述したモット転移の原理に基
づいて、モット絶縁体7は電子反転層17と接する部分
が絶縁相から金属相へと相転移する。ここで、金属相は
オン状態のスイッチング素子として働く。この結果、そ
の金属相を通じて浮遊ゲート6とP型シリコン基板1と
が導通(短絡)するようになる。図4は、上述のように
モット絶縁体7が金属相へと相転移した場合のこの例の
半導体記憶装置の等価回路を示している。
【0032】次に、情報の書き込みを行う場合の動作に
ついて説明する。上述のような初期状態で、制御電極1
3を通じて制御ゲート12に8〜10Vの制御ゲート電
圧Vcgを印加すると、電子反転層17の電子はモット
絶縁体7の金属相を通じて浮遊ゲート6に注入される。
したがって、浮遊ゲート6に対して情報の書き込みが行
われることになる。この場合、浮遊ゲート6と制御ゲー
ト12との間の容量をC、MOS型トランジスタのしき
い値電圧をVthとすると、浮遊ゲート6に注入される
電子の電荷量Qは次式で示される。 Q=C(Vcg−Vth) (1)
【0033】このように、この例の構成によれば、情報
の書き込みを行うために、浮遊ゲート6に対して電子の
注入を行う場合、ゲート酸化膜5を通じてではなく、モ
ット絶縁体7の金属相を通じて電子を注入することが特
徴になっている。
【0034】次に、情報の消去を行う場合の動作につい
て説明する。上述のように浮遊ゲート6に電子が注入さ
れている状態で、制御電極13を通じて制御ゲート12
に−8〜−10Vの制御ゲート電圧Vcgを加えると、
浮 遊ゲート6の電子はモット絶縁体7の金属相を通じ
てP型シリコン基板1へ放出される。したがって、浮遊
ゲート6に対して情報の消去が行われることになる。
【0035】このように、この例によれば、情報の消去
を行うために、浮遊ゲート6に対して電子の放出を行う
場合、上述のように電子の注入を行う場合と同様に、ゲ
ート酸化膜5を通じてではなく、モット絶縁体7の金属
相を通じて電子を放出することが特徴になっている。
【0036】次に、浮遊ゲート6から電子が放出された
状態で、書き込み又は消去用ゲート8を接地すると、電
子反転層17は消滅する。それゆえ、前述したモット転
移の原理に基づいて、モット絶縁体7は金属相から絶縁
相へと相転移する。ここで、絶縁相はオフ状態のスイッ
チング素子として働く。この結果、その絶縁相を介して
浮遊ゲート6とP型シリコン基板1との間は絶縁される
ようになる。したがって、浮遊ゲート6は周囲から完全
に絶縁されるので、浮遊ゲート6内の電子の電荷量は変
化しない。図5は、上述のようにモット絶縁体7が絶縁
相へと相転移した場合この例の半導体記憶装置の等価回
路を示している。
【0037】次に、図6〜図10を参照して、同半導体
記憶装置の製造方法について工程順に説明する。なお、
図6〜図10において、(a)は図1の断面図に相当し
た断面図を示し、(b)は図2の断面図に相当した断面
図を示し、(c)は図3の断面図に相当した断面図を示
している。まず、図6(a)〜(c)に示すように、例
えばP型シリコン基板1の表面に周知のLOCOS法等
により、素子分離膜となるシリコン酸化膜2を選択的に
形成した後、このシリコン酸化膜2により囲まれた活性
領域上に膜厚が6〜8nmのシリコン酸化膜(ゲート酸
化膜)5を熱酸化法により形成する。
【0038】次に、図7(a)〜(c)に示すように、
CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により、全面
に多結晶シリコン膜を成膜した後、この多結晶シリコン
膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして、ゲ
ート酸化膜5上に浮遊ゲート6を形成する。次に、浮遊
ゲート6を用いたセルフアライン法により燐等のN型不
純物をイオン注入して、N型ソース領域3及びドレイン
領域4を形成する。
【0039】次に、図8(a)〜(c)に示すように、
ゲート酸化膜5の一部をエッチングしてP型シリコン基
板1を露出した後、CVD法等により全面に、金属相に
おけるキャリアが電子であるモット絶縁体7として、膜
厚が130〜150nmの例えば、Nd(2−x)Ce
CuO(0〈x〈0.18)(ネオジュウム・セリ
ウム・ 銅酸化物)からなる薄膜を成膜する。次に、こ
のモット絶縁体7からなる薄膜を、一部分が浮遊ゲート
6に接すると共に、他部分がP型シリコン基板1に接す
る形状にパターニングする。
【0040】次に、図9(a)〜(c)に示すように、
CVD法等により全面にシリコン酸化膜を成膜して層間
絶縁膜11を形成した後、この層間絶縁膜11の一部分
をエッチングにより除去してモット絶縁体7を露出す
る。次に、CVD法等によりこのモット絶縁体7上にタ
ングステンシリサイド等からなる書き込み又は消去用ゲ
ート8を形成する。
【0041】次に、図10(a)〜(c)に示すよう
に、CVD法等により全面に多結晶シリコン膜を成膜し
た後、この多結晶シリコン膜をパターニングして、浮遊
ゲート6上に層間絶縁膜11を介して制御ゲート12を
形成する。次に、この制御ゲート12上にタングステン
シリサイド等からなる制御電極13を形成する。次に、
N型ソース領域3及びドレイン領域4にそれぞれアルミ
ニウム等からなるソース電極14及びドレイン電極15
を形成し、全面をシリコン酸化膜等からなる保護絶縁膜
16により覆うことにより、この例の半導体記憶装置を
完成させる。
【0042】このように、この例によれば、浮遊ゲート
6に一部分が接すると共に他部分がP型シリコン基板1
に接するようにモット絶縁体7を設け、このモット絶縁
体7に金属−絶縁相転移を生じさせて、浮遊ゲート6に
対してキャリアである電子の注入又は放出を行う場合、
ゲート酸化膜5を通じてではなく、モット絶縁体7の金
属相を通じてキャリアの注入又は放出を行うので、ゲー
ト絶縁膜に影響を与えることなく書き込み又は消去を繰
り返えすことができる。また、MOS型トランジスタの
しきい値電圧を決定する浮遊ゲート6内のキャリアの電
荷量の制御を、制御ゲート12に対して印加する電圧の
みで行うので、制御要因が少なくなるため、容易に制御
することができる。また、情報の書き込み又は消去にホ
ットキャリアを利用しないので、ソース領域とドレイン
領域との間にチャネル電流を流す必要がなくなるため、
無駄な消費電流は流れない。したがって、ゲート絶縁膜
の劣化を防止すると共に、浮遊ゲート内のキャリアの電
荷量を正確に制御することができ、さらに書き込み時の
消費電力を不要にすることができる。
【0043】◇第2実施例 図11は、この発明の第2実施例である半導体記憶装置
の構成を示す断面図である。この例の半導体記憶装置の
構成が、上述した第1実施例の構成と大きく異なるとこ
ろは、層間絶縁膜と接しているモット絶縁体との界面に
金属−絶縁体相転移を発生させて、これによる金属相を
通じてキャリアの注入又は放出を行わせるようにした点
である。この例の半導体記憶装置は、図11に示すよう
に、膜厚が6〜8nmのゲート酸化膜5上で、浮遊ゲー
ト6に一部分が接すると共に、他部分が多結晶シリコン
からなる外部回路接続用導体21に接するようにモット
絶縁体20からなる薄膜が設けられている。この例で
は、モット絶縁体20としては金属相におけるキャリア
がホールである材料が用いられ、膜厚が110〜150
nmの例えばYBa Cu(イットリウム・バリ
ウム・銅酸化物)、BiSrCaCu( ビ
スマス・ストロンチウム・カルシウム・銅酸化物)、L
(2−x)SrCuO (ランタン・ストロンチ
ウム・銅酸化物)等が用いられている。
【0044】モット絶縁体20上には層間絶縁膜11を
介してタングステンシリサイド等からなる書き込み又は
消去用ゲート22が設けられると共に、外部回路接続用
導体21上にはタングステンシリサイド等からなるオー
ミック電極23が設けられている。モット絶縁体20と
層間絶縁膜11との界面には、後述するように情報の書
き込み又は消去を行うために、浮遊ゲート6に対して電
子の注入又は放出を行う場合のみに、ホールが誘起され
てモット絶縁体20は金属相に相転移する。
【0045】この例の半導体記憶装置を製造するには、
第1実施例と略同じ製造工程を経ることにより製造する
ことができる。これ以外は、上述した第1実施例と略同
じである。それゆえ、図11において、図1〜図3の構
成部分と対応する各部には、同一の番号を付してその説
明を省略する。
【0046】次に、この例の半導体記憶装置の制御方法
について説明する。まず、情報の書き込み又は消去を行
うために初期状態を設定する。P型シリコン基板1、N
型ソース領域3及びドレイン領域4を共に接地し、書き
込み又は消去用ゲート22に−10〜−13Vを加える
と、モット絶縁体20と層間絶縁膜11との表面には、
ホールが誘起されてモット絶縁体20は金属相に相転移
する。そして、そのホールはモット絶縁体20内で過剰
ホールとして振る舞う。それゆえ、第1実施例の場合と
同様に前述したモット転移の原理に基づいて、モット絶
縁体20は絶縁相から金属相へと相転移することによ
り、金属相はオン状態のスイッチング素子として働い
て、その金属相を通じて浮遊ゲート6と外部回路接続用
導体21とが導通するようになる。
【0047】次に、情報の書き込みを行う場合の動作に
ついて説明する。上述のような初期状態で、制御電極1
3を通じて制御ゲート12に−8〜−10Vの制御ゲー
ト電圧Vcgを加え、オーミック電極23を通じて外部
回路接続用導体21に電圧V1を印加すると、モット絶
縁体20のホールは浮遊ゲート6に注入される。したが
って、浮遊ゲート6に対して情報の書き込みが行われる
ことになる。この場合、浮遊ゲート6に注入されるホー
ルの電荷量Qは次式で示される。 Q=C(Vcg−V1) (2)
【0048】次に、情報の消去を行う場合の動作につい
て説明する。上述のように浮遊ゲート6にホールが注入
されている状態で、制御電極13を通じて制御ゲート1
2に8〜10Vの制御ゲート電圧Vcgを加えると、浮
遊ゲート6のホールはモット絶縁体20の金属相を通じ
て外部回路接続用導体21から外部回路へ放出される。
したがって、浮遊ゲート6に対して情報の消去が行われ
ることになる。
【0049】このように、この例によれば、情報の書き
込み又は消去を行うために、浮遊ゲート6に対してホー
ルの注入又は放出を行う場合、ゲート酸化膜5を通じて
ではなく、モット絶縁体20の金属相を通じてホールの
注入又は放出を行うことが特徴になっている。
【0050】次に、浮遊ゲート6からホールが放出され
た状態で、書き込み又は消去用電極22を接地するとモ
ット絶縁体20内のホールは消滅する。それゆえ、前述
したモット転移の原理に基づいて、モット絶縁体20は
金属相から絶縁相へと相転移することにより、金属相は
オフ状態のスイッチング素子として働いて、その絶縁相
を介して浮遊ゲート6と外部回路接続用導体21との間
は絶縁されるようになる。したがって、浮遊ゲート6は
周囲から完全に絶縁されるので、浮遊ゲート6内のホー
ルの電荷量は変化しない。
【0051】このように、この例の構成によっても、第
1実施例において述べたのと略同様な効果を得ることが
できる。
【0052】◇第3実施例 図12は、この発明の第3実施例である半導体記憶装置
の構成を示す断面図である。この例の半導体記憶装置の
構成が、上述した第2実施例の構成と大きく異なるとこ
ろは、浮遊ゲート上に設けたモット絶縁体と層間絶縁膜
との界面に金属−絶縁体相転移を発生させて、これによ
る金属相を通じてキャリアの注入又は放出を行わせるよ
うにした点である。この例の半導体記憶装置は、図12
に示すように、ゲート酸化膜5上に、それぞれ浮遊ゲー
ト6、モット絶縁体25及び制御ゲート12が順次に積
層されて設けられている。また、浮遊ゲート6上のモッ
ト絶縁体25の側端には層間絶縁膜11を介して、書き
込み又は消去用ゲート26が設けられている。
【0053】この例の半導体記憶装置の制御方法は、ま
ず、情報の書き込み又は消去を行うために次のように初
期状態を設定する。すなわち、P型シリコン基板1、N
型ソース領域3及びドレイン領域4を共に接地し、書き
込み又は消去用ゲート26に−10〜−13Vを加え
て、モット絶縁体25の側端と層間絶縁膜11との界面
にホールを誘起してモット絶縁体25を金属相に相転移
させる。この結果、その金属相を通じて浮遊ゲート6と
制御ゲート12とが導通するようになる。次に、情報の
書き込みを行う場合は、上述のような初期状態で、制御
電極13を通じて制御ゲート12に−8〜−10Vの制
御ゲート電圧Vcgを印加すると、モット絶縁体25の
ホールは浮遊ゲート6に注入される。この場合、ゲート
酸化膜5の容量をCoxとすると、浮遊ゲート6に注入
されるホールの電荷量Qは次式で示される。 Q=Cox(Vcg−Vth) (3)
【0054】次に、情報の消去を行う場合は、制御電極
13を通じて制御ゲート12に8〜10Vの制御ゲート
電圧Vcgを印加すると、浮遊ゲート6のホールはモッ
ト絶縁体25の金属相を通じて放出される。次に、書き
込み又は消去用ゲート26を接地するとモット絶縁体2
5内のホールは消滅するので、モット絶縁体25は金属
相から絶縁相へと相転移する。したがって、浮遊ゲート
6は周囲から完全に絶縁されるので、浮遊ゲート6内の
ホールの電荷量は変化しない。
【0055】このように、この例の構成によっても、第
2実施例において述べたのと略同様な効果を得ることが
できる。
【0056】◇第4実施例 図13は、この発明の第4実施例である半導体記憶装置
の構成を示す断面図である。この例の半導体記憶装置の
構成が、上述した第3実施例の構成と大きく異なるとこ
ろは、浮遊ゲート上以外に設けたモット絶縁体と層間絶
縁膜との界面に金属−絶縁体相転移を発生させて、これ
による金属相を通じてキャリアの注入又は放出を行わせ
るようにした点である。この例の半導体記憶装置は、図
13に示すように、ゲート酸化膜5上に浮遊ゲート6が
設けられると共に、この浮遊ゲート6上に層間絶縁膜1
1を介して制御ゲート12が設けられ、浮遊ゲート6及
び制御ゲート12の側端には膜厚が250〜320μm
のモット絶縁体30が設けられている。また、モット絶
縁体30には書き込み又は消去用ゲート31が設けられ
ている。
【0057】この例の半導体記憶装置の制御方法は、ま
ず、第3実施例と略同様に、P型シリコン基板1、N型
ソース領域3及びドレイン領域4を共に接地し、書き込
み又は消去用ゲート31に−10〜−13Vを加えて、
モット絶縁体30と層間絶縁膜11との界面にホールを
誘起させて初期状態を設定する。この結果、モット絶縁
体30は金属相に相転移し、その金属相を通じて浮遊ゲ
ート6と制御ゲート12とが導通するようになる。次
に、情報の書き込みを行う場合は、上述のような初期状
態で、制御電極13を通じて制御ゲート12に−8〜−
10Vの制御ゲート電圧Vcgを印加すると、モット絶
縁体30のホールは浮遊ゲート6に注入される。この場
合、浮遊ゲート6に注入されるホールの電荷量Qは、前
述の(3)式で示される。
【0058】次に、情報の消去を行う場合は、制御電極
13を通じて制御ゲート12に8〜10Vの制御ゲート
電圧Vcgを印加すると、浮遊ゲート6のホールはモッ
ト絶縁体30の金属相を通じて放出される。次に、書き
込み又は消去用ゲート31を接地するとモット絶縁体3
0内のホールは消滅するので、モット絶縁体30は金属
相から絶縁相へと相転移する。したがって、浮遊ゲート
6は周囲から完全に絶縁されるので、浮遊ゲート6内の
ホールの電荷量は変化しない。
【0059】このように、この例の構成によっても、第
3実施例において述べたのと略同様な効果を得ることが
できる。
【0060】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更などがあってもこの発明に含まれる。例えば、各実施
例ではモット絶縁体として、金属相におけるキャリアが
電子又はホールである材料を用いる例で説明したが、各
実施例ともいずれの種類のモット絶縁体を用いることが
できる。
【0061】また、ゲート酸化膜は、酸化膜(Oxide Fi
lm)に限らず、窒化膜(Nitride Film)でも良く、ある
いは、酸化膜と窒化膜との2重膜構成でも良い。つま
り、MIS型トランジスタである限り、MOS型トラン
ジスタに限らず、MNS(Metal Nitride Semiconducto
r)型トランジスタでも良く、あるいは、MNOS(Met
al Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタでも
良い。また、層間絶縁膜としては、酸化膜に限らず、B
SG(Boro-Silicate Glass)膜、PSG(Phospho-Silic
ate Glass)膜、BPSG(Boro-Phospho-Silicate Gla
ss)膜などを用いることができる。
【0062】また、各半導体領域の導電型はP型とN型
とを逆にすることができる。すなわち、Nチャネル型に
限らずPチャネル型のMIS型トランジスタに対しても
適用できる。また、各絶縁膜、導電膜等の膜厚、成膜方
法等は一例を示したものであり、用途、目的などによっ
て変更することができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の半導体
記憶装置によれば、浮遊ゲートに少なくとも一部分が接
するように金属−絶縁相転移が可能な材料からなる薄膜
を設け、この薄膜に金属−絶縁相転移を生じさせて、浮
遊ゲートに対してキャリアの注入又は放出を行う場合、
ゲート絶縁膜を通じてではなく、相転移した金属相を通
じてキャリアの注入又は放出を行うので、ゲート絶縁膜
に影響を与えることなく書き込み又は消去を繰り返えす
ことができる。また、MIS型トランジスタのしきい値
電圧を決定する浮遊ゲート内のキャリアの電荷量の制御
を、制御ゲートに対して印加する電圧のみで行うので、
制御要因が少なくなるため、容易に制御することができ
る。また、情報の書き込み又は消去にホットキャリアを
利用しないので、ソース領域とドレイン領域との間にチ
ャネル電流を流す必要がなくなるため、無駄な消費電流
は流れない。したがって、ゲート絶縁膜の劣化を防止す
ると共に、浮遊ゲート内のキャリアの電荷量を正確に制
御することができ、さらに書き込み時の消費電力を不要
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である半導体記憶装置の
構成を示す断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】図1のB−B矢視断面図である。
【図4】同半導体記憶装置に用いられるモット絶縁体が
金属相に相転移した場合の等価回路を示す図である。
【図5】同半導体記憶装置に用いられるモット絶縁体が
絶縁相に相転移した場合の等価回路を示す図である。
【図6】同半導体記憶装置の製造方法を工程順に示す工
程図である。
【図7】同半導体記憶装置の製造方法を工程順に示す工
程図である。
【図8】同半導体記憶装置の製造方法を工程順に示す工
程図である。
【図9】同半導体記憶装置の製造方法を工程順に示す工
程図である。
【図10】同半導体記憶装置の製造方法を工程順に示す
工程図である。
【図11】この発明の第2実施例である半導体記憶装置
の構成を示す断面図である。
【図12】この発明の第3実施例である半導体記憶装置
の構成を示す断面図である。
【図13】この発明の第4実施例である半導体記憶装置
の構成を示す断面図である。
【図14】同半導体記憶装置に用いられるモット絶縁体
のモット転移の原理を説明するための図である。
【図15】同半導体記憶装置に用いられるモット絶縁体
のモット転移の原理を説明するための図である。
【図16】同半導体記憶装置に用いられるモット絶縁体
のモット転移の原理を説明するための図である。
【図17】同半導体記憶装置に用いられるモット絶縁体
のモット転移の原理を説明するための図である。
【図18】従来の半導体記憶装置において情報の書き込
みを行う場合の動作を説明する図である。
【図19】同半導体記憶装置のC−C矢視ラインに沿っ
たエネルギーバンドを示す図である。
【図20】従来の半導体記憶装置において情報の消去を
行う場合の動作を説明する図である。
【図21】同半導体記憶装置のD−D矢視ラインに沿っ
たエネルギーバンドを示す図である。
【符号の説明】
1 P型シリコン基板 2 シリコン酸化膜(素子分離膜) 3 N型ソース領域 4 N型ドレイン領域 5 ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜) 6 浮遊ゲート(フローティングゲート) 7、20、25、30 モット絶縁体 8、22、26、31 書き込み又は消去用ゲート 11 層間絶縁膜 12 制御ゲート(コントロールゲート) 13 制御電極 14 ソース電極 15 ドレイン電極 16 保護絶縁膜 17 電子反転層 21 外部回路接続用導体 23 オーミック電極

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上にゲート絶縁膜を介して浮
    遊ゲートが設けられると共に、該浮遊ゲート上に層間絶
    縁膜を介して制御ゲートが設けられ、前記浮遊ゲートに
    対してキャリアの注入又は放出を行って情報の書き込み
    又は消去を行う半導体記憶装置であって、 前記浮遊ゲートに対して、金属−絶縁相転移を利用して
    前記キャリアの注入又は放出を行うように構成されてい
    ることを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上にゲート絶縁膜を介して浮
    遊ゲートが設けられると共に、該浮遊ゲート上に層間絶
    縁膜を介して制御ゲートが設けられ、前記浮遊ゲートに
    対してキャリアの注入又は放出を行って情報の書き込み
    又は消去を行う半導体記憶装置であって、 前記浮遊ゲートに一部分が接するように、前記キャリア
    の注入又は放出を行う金属−絶縁相転移が可能な材料か
    らなる薄膜が設けられたことを特徴とする半導体記憶装
    置。
  3. 【請求項3】 前記薄膜の他部分が前記半導体基板に接
    するように設けられ、前記薄膜上に書き込み又は消去用
    ゲートが設けられたことを特徴とする請求項2記載の半
    導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 前記薄膜の他部分に接するように外部回
    路接続用導体が設けられ、前記薄膜上に層間絶縁膜を介
    して書き込み又は消去用ゲートが設けられたことを特徴
    とする請求項2記載の半導体記憶装置。
  5. 【請求項5】 前記薄膜の他部分に接するように前記制
    御ゲートが設けられ、前記薄膜に層間絶縁膜を介して書
    き込み又は消去用ゲートが設けられたことを特徴とする
    請求項2記載の半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記薄膜の他部分に接するように前記制
    御ゲートが設けられ、前記薄膜に書き込み又は消去用ゲ
    ートが設けられたことを特徴とする請求項2記載の半導
    体記憶装置。
  7. 【請求項7】 前記情報の書き込み又は消去時に、前記
    書き込み又は消去用ゲートに制御電圧を印加して前記薄
    膜と前記半導体基板との界面に発生させたキャリアによ
    り前記薄膜を金属相に相転移させ、該金属相を通じて前
    記浮遊ゲートに対してキャリアの注入又は放出を行うよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項3記載の半
    導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 前記情報の書き込み又は消去時に、前記
    書き込み又は消去用ゲートに制御電圧を印加して前記薄
    膜と前記層間絶縁膜との界面に発生させたキャリアによ
    り前記薄膜を金属相に相転移させ、該金属相を通じて前
    記浮遊ゲートに対してキャリアの注入又は放出を行うよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項4、5又は
    6記載の半導体記憶装置。
  9. 【請求項9】 前記金属−絶縁相転移が可能な材料が、
    モット絶縁体からなることを特徴とする請求項2乃至8
    のいずれか1に記載の半導体記憶装置。
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