JP3401794B2 - エアバッグ - Google Patents
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- JP3401794B2 JP3401794B2 JP1694992A JP1694992A JP3401794B2 JP 3401794 B2 JP3401794 B2 JP 3401794B2 JP 1694992 A JP1694992 A JP 1694992A JP 1694992 A JP1694992 A JP 1694992A JP 3401794 B2 JP3401794 B2 JP 3401794B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車輌、例えば自動車衝突
時に膨脹させ、着座乗員の衝撃を吸収し、その保護を図
るエアバッグの改良に関するものである。
時に膨脹させ、着座乗員の衝撃を吸収し、その保護を図
るエアバッグの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車における乗員の安全確保の
ためのエアバッグの実用化が急激に高まりつつある。エ
アバッグは、自動車の衝突事故の際、衝突のショックを
センサーが受けて、高温、高圧のガスを発生させ、この
高温、高圧ガスによってエアバッグを瞬間的に膨脹し、
衝突時に、乗員の特に顔面を保護しようとするものであ
る。従来、エアバッグには、400〜1000デニール
のナイロン6またはナイロン6・6フィラメント糸を用
いた平織物に、耐熱性、難熱性、空気遮断性などの向上
のため、クロロプレン、クロルスルホン化オレフィンな
どの合成ゴムや天然ゴムなどのエラストマーを塗布、積
層した基布を裁断、縫製して作られていた。エアバッグ
は、作動する直前までは、ステアリングホイールや、イ
ンストルメントパネルなどの狭い場所に収納されてお
り、その収納容積は小さいほどよく、基布は柔かく、軽
く、薄いものほど好ましいとされている。しかるに、従
来のエアバッグは、エアバッグとしての諸特性向上を目
的に、ある程度の厚みでエラストマーを塗布、積層され
ているため、厚く、重いものとなり、また風合いも硬い
ため、折り畳み性が悪く、収納容積も大きいものである
ことはもとより、高温、高圧ガスによる瞬間的な膨脹に
際して、人体、特に顔面に対する衝撃が強く、かつ、膨
脹したエアバッグに顔面が接触する際に、擦過傷や火傷
を負うことがあり好ましいものではなかった。
ためのエアバッグの実用化が急激に高まりつつある。エ
アバッグは、自動車の衝突事故の際、衝突のショックを
センサーが受けて、高温、高圧のガスを発生させ、この
高温、高圧ガスによってエアバッグを瞬間的に膨脹し、
衝突時に、乗員の特に顔面を保護しようとするものであ
る。従来、エアバッグには、400〜1000デニール
のナイロン6またはナイロン6・6フィラメント糸を用
いた平織物に、耐熱性、難熱性、空気遮断性などの向上
のため、クロロプレン、クロルスルホン化オレフィンな
どの合成ゴムや天然ゴムなどのエラストマーを塗布、積
層した基布を裁断、縫製して作られていた。エアバッグ
は、作動する直前までは、ステアリングホイールや、イ
ンストルメントパネルなどの狭い場所に収納されてお
り、その収納容積は小さいほどよく、基布は柔かく、軽
く、薄いものほど好ましいとされている。しかるに、従
来のエアバッグは、エアバッグとしての諸特性向上を目
的に、ある程度の厚みでエラストマーを塗布、積層され
ているため、厚く、重いものとなり、また風合いも硬い
ため、折り畳み性が悪く、収納容積も大きいものである
ことはもとより、高温、高圧ガスによる瞬間的な膨脹に
際して、人体、特に顔面に対する衝撃が強く、かつ、膨
脹したエアバッグに顔面が接触する際に、擦過傷や火傷
を負うことがあり好ましいものではなかった。
【0003】かかる問題に対し、特開昭64−4138
号公報には、強度8.5 g/d 以上であり、かつ、単糸
デニールが3デニール以下の繊維からなる糸条で構成さ
れたエアーバッグ用基布が提案されている。
号公報には、強度8.5 g/d 以上であり、かつ、単糸
デニールが3デニール以下の繊維からなる糸条で構成さ
れたエアーバッグ用基布が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる技術
は、嵩高性が充分に小さいものではなく、また、エアバ
ッグの瞬間的な膨脹に際して、顔面に対する衝撃が強
く、かつ、膨脹したエアバッグに顔面が接触する際の擦
過傷や火傷防止の面で充分なものではなかった。
は、嵩高性が充分に小さいものではなく、また、エアバ
ッグの瞬間的な膨脹に際して、顔面に対する衝撃が強
く、かつ、膨脹したエアバッグに顔面が接触する際の擦
過傷や火傷防止の面で充分なものではなかった。
【0005】本発明は、かかる従来のエアバッグの欠点
に鑑み、軽量、地薄で柔かく収納容積が小さく、かつ、
膨脹時の顔面に対する衝撃が少なく、顔面接触時の擦過
傷や火傷防止に優れたエアバッグを提供せんとするもの
である。
に鑑み、軽量、地薄で柔かく収納容積が小さく、かつ、
膨脹時の顔面に対する衝撃が少なく、顔面接触時の擦過
傷や火傷防止に優れたエアバッグを提供せんとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のエアバッグは、合成繊維基布からなるエア
バッグにおいて、少なくともインフレーターの対面側の
基布には、単糸繊度が0.5デニール以下の熱可塑性超
極細繊維と、単糸繊度が1デニール以上のフィラメント
糸とが用いられていることを特徴とするものである。
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のエアバッグは、合成繊維基布からなるエア
バッグにおいて、少なくともインフレーターの対面側の
基布には、単糸繊度が0.5デニール以下の熱可塑性超
極細繊維と、単糸繊度が1デニール以上のフィラメント
糸とが用いられていることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明に用いる合成繊維としては、実施例で示
したように、例えばナイロン6・6、ナイロン6、ナイ
ロン4・6などのポリアミド繊維、ポリアルキレンテレ
フタレートに代表されるポリエステル繊維などからなる
合成繊維を使用することができる。また、本発明で用い
る熱可塑性樹脂からなる単糸繊度が0.5デニール以下
の超極細繊維(以下、単に超極細繊維という)は、上記
合成繊維を主体としたもので、例えば、島成分がポリエ
チレンテレフタレート、海成分がポリスチレンを主体と
する高分子配列体繊維、島成分がナイロン6、海成分が
ポリスチレンを主体とする高分子配列体繊維、およびナ
イロン6とポリエチレンテレフタレートとの分割型複合
繊維などが挙げられる。該高分子配列体繊維では、トリ
クロールエチレンなどの溶媒で海成分を除去し、分割型
複合繊維では、アルカリ処理によりナイロン6ポリマー
と接するポリエチレンデレフタレートポリマーの一部を
溶出除去し、分解する方法、およびベンジルアルコール
のエマルジョン溶液で処理し、両ポリマーの収縮差を利
用して分割する方法などにより、島成分を取り出して超
極細繊維を得ることができる。
したように、例えばナイロン6・6、ナイロン6、ナイ
ロン4・6などのポリアミド繊維、ポリアルキレンテレ
フタレートに代表されるポリエステル繊維などからなる
合成繊維を使用することができる。また、本発明で用い
る熱可塑性樹脂からなる単糸繊度が0.5デニール以下
の超極細繊維(以下、単に超極細繊維という)は、上記
合成繊維を主体としたもので、例えば、島成分がポリエ
チレンテレフタレート、海成分がポリスチレンを主体と
する高分子配列体繊維、島成分がナイロン6、海成分が
ポリスチレンを主体とする高分子配列体繊維、およびナ
イロン6とポリエチレンテレフタレートとの分割型複合
繊維などが挙げられる。該高分子配列体繊維では、トリ
クロールエチレンなどの溶媒で海成分を除去し、分割型
複合繊維では、アルカリ処理によりナイロン6ポリマー
と接するポリエチレンデレフタレートポリマーの一部を
溶出除去し、分解する方法、およびベンジルアルコール
のエマルジョン溶液で処理し、両ポリマーの収縮差を利
用して分割する方法などにより、島成分を取り出して超
極細繊維を得ることができる。
【0008】本発明の超極細繊維は、単糸繊度が0.5
デニール以下、好ましくは0.1デニール以下の繊維で
ある。単糸繊度が0.5デニールを越えるとエアバッグ
を形成した時に硬く、嵩高性の大きいものとなり易く、
本発明の目的を達成しにくくなる。
デニール以下、好ましくは0.1デニール以下の繊維で
ある。単糸繊度が0.5デニールを越えるとエアバッグ
を形成した時に硬く、嵩高性の大きいものとなり易く、
本発明の目的を達成しにくくなる。
【0009】超極細繊維の繊維糸条としては、20〜1
000デニールが好ましく、さらに好ましくは50〜5
00デニールである。超極細繊維と、単糸繊度が1デニ
ール以上のフィラメント糸とが用いられている基布をエ
アバッグの少なくともインフレーターの対面側(顔面
側)の基布として用いることにより本発明の目的が達成
される。
000デニールが好ましく、さらに好ましくは50〜5
00デニールである。超極細繊維と、単糸繊度が1デニ
ール以上のフィラメント糸とが用いられている基布をエ
アバッグの少なくともインフレーターの対面側(顔面
側)の基布として用いることにより本発明の目的が達成
される。
【0010】かかるエアバッグとしては、例えば、超極
細繊維と単糸繊度が1デニール以上の繊維を混繊する方
法、超極細繊維と単糸繊度が1デニール以上の繊維から
構成する二層構造の織物をエアバッグの顔面側に、単糸
繊度が1デニール以上の織物をインフレーター側に用い
る方法、強度が8.0 g/d 以上のフィラメント糸で補
強した織物を用いる方法などで形成されたものを使用す
ることができる。いずれの方法でつくられたものでも、
顔面に対する衝撃の低減、および膨脹したエアバッグに
顔面が接触する際の、擦過傷や火傷防止の点から、顔面
接触部分に超極細繊維と単糸繊度が1デニール以上のフ
ィラメント糸とが用いられている布帛を用いるのである
が、さらに、これら顔面保護の効果を高めるために、顔
面接触部分の超極細繊維を起毛することもできる。な
お、強度8.0 g/d 以上のフィラメント糸としては、
実施例2で例示したように、たとえばパラフェニレンテ
レフタルアミド、および芳香族エーテルとの共重合体な
どに代表されるアラミド繊維、全芳香族系ポリエステル
繊維、超高分子量ポリエチレンなどのポリオレフィン繊
維、パラフェニレンサルフォン、ポリサルフォンなどの
サルフォン系繊維などを使用することができる。
細繊維と単糸繊度が1デニール以上の繊維を混繊する方
法、超極細繊維と単糸繊度が1デニール以上の繊維から
構成する二層構造の織物をエアバッグの顔面側に、単糸
繊度が1デニール以上の織物をインフレーター側に用い
る方法、強度が8.0 g/d 以上のフィラメント糸で補
強した織物を用いる方法などで形成されたものを使用す
ることができる。いずれの方法でつくられたものでも、
顔面に対する衝撃の低減、および膨脹したエアバッグに
顔面が接触する際の、擦過傷や火傷防止の点から、顔面
接触部分に超極細繊維と単糸繊度が1デニール以上のフ
ィラメント糸とが用いられている布帛を用いるのである
が、さらに、これら顔面保護の効果を高めるために、顔
面接触部分の超極細繊維を起毛することもできる。な
お、強度8.0 g/d 以上のフィラメント糸としては、
実施例2で例示したように、たとえばパラフェニレンテ
レフタルアミド、および芳香族エーテルとの共重合体な
どに代表されるアラミド繊維、全芳香族系ポリエステル
繊維、超高分子量ポリエチレンなどのポリオレフィン繊
維、パラフェニレンサルフォン、ポリサルフォンなどの
サルフォン系繊維などを使用することができる。
【0011】本発明に用いる合成繊維からなる布帛は、
織物、編物、不織布などいずれも用いることができる
が、エアバッグとしての機械的特性の面から織物が特に
好ましい。
織物、編物、不織布などいずれも用いることができる
が、エアバッグとしての機械的特性の面から織物が特に
好ましい。
【0012】本発明のエアバッグは、収納性、顔面保護
の面から、ノンコート布帛として使用することが好まし
いが、必要により、エラストマーを塗布、積層して使用
することもできる。また、ノンコート布帛として使用す
る場合には、カレンダー加工による通気量の低減、難燃
剤による難燃加工などを併用することもできる。
の面から、ノンコート布帛として使用することが好まし
いが、必要により、エラストマーを塗布、積層して使用
することもできる。また、ノンコート布帛として使用す
る場合には、カレンダー加工による通気量の低減、難燃
剤による難燃加工などを併用することもできる。
【0013】エアバッグとしての通気量は、布帛の密
度、カレンダー加工条件などにより調整されるが、顔面
側布帛のJIS L1096で測定した通気量が0.5
cc/cm2 /sec 以下であることが好ましい。顔面側布帛
の通気量が0.5/cm2 /secを越えると、インフレー
ターで発生した高温、高圧ガスが、該布帛を通過して顔
面にあたり、火傷する危険があり、好ましくない。
度、カレンダー加工条件などにより調整されるが、顔面
側布帛のJIS L1096で測定した通気量が0.5
cc/cm2 /sec 以下であることが好ましい。顔面側布帛
の通気量が0.5/cm2 /secを越えると、インフレー
ターで発生した高温、高圧ガスが、該布帛を通過して顔
面にあたり、火傷する危険があり、好ましくない。
【0014】従来、インフレーターで発生した高温、高
圧ガスによりエアバッグを瞬間的に膨脹させ、膨脹した
エアバッグに顔面が接触すると同時に、ショックを緩和
するためエアバッグのインフレーター取付側に設けられ
たベントホールからエアバッグ内の高温、高圧ガスが排
気されていたが、インフレーター側布帛の通気量が、顔
面側布帛の通気量の2倍以上であれば、ベントホールな
しで、インフレーター側布帛から直接排気することが可
能となり、ベントホール取付のための裁断による孔あ
け、および該孔補強のための補強布、および補強布の縫
製取付の手間を省略することが可能となりコストダウン
になる。
圧ガスによりエアバッグを瞬間的に膨脹させ、膨脹した
エアバッグに顔面が接触すると同時に、ショックを緩和
するためエアバッグのインフレーター取付側に設けられ
たベントホールからエアバッグ内の高温、高圧ガスが排
気されていたが、インフレーター側布帛の通気量が、顔
面側布帛の通気量の2倍以上であれば、ベントホールな
しで、インフレーター側布帛から直接排気することが可
能となり、ベントホール取付のための裁断による孔あ
け、および該孔補強のための補強布、および補強布の縫
製取付の手間を省略することが可能となりコストダウン
になる。
【0015】また、エアバッグを構成する布帛の厚さ
は、0.35mm以下であることが、収納容積を小さくす
る上で好ましい。この面からの超極細繊維の繊維糸条の
太さ、布帛の密度、およびカレンダー加工条件などを適
宜設計することもできる。
は、0.35mm以下であることが、収納容積を小さくす
る上で好ましい。この面からの超極細繊維の繊維糸条の
太さ、布帛の密度、およびカレンダー加工条件などを適
宜設計することもできる。
【0016】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに説明す
る。なお、実施例中の物性値は下記の方法により測定し
た。 (1)厚さ JIS−L−1096により測定した。 (2)剛軟度 JIS−L−1096(45゜カンチレバー法)で測定
した。 (3)折り畳み時の崇高性 エアバッグ布帛20×20cmを四ツ折りした時の崇高さ
(比較例1を100とした時の相対値)。 (4)人体への衝撃性 エアバッグ布帛を裁断し、縫製し、半径34.5cmのエ
アバッグ1を作製し、インフレーター取付口として半径
4cmの孔をあける。次いで、図1に示すように、エアバ
ッグ1内に極薄のゴム風船2を入れ、空気を入れて、内
圧0.2kg/cm2 になるようにふくらませ、紐に釣り下
げた(紐丈100cm)鉛製500gの振り子を45゜の
ところから放し、エアバッグ1に衝突させ、反発により
振り子がもどる角度(x°)を測定した。 (5)エアバッグ布帛表面の柔かさ 顔面側布帛の顔面接触部をさわった時の柔かさを官能評
価した。
る。なお、実施例中の物性値は下記の方法により測定し
た。 (1)厚さ JIS−L−1096により測定した。 (2)剛軟度 JIS−L−1096(45゜カンチレバー法)で測定
した。 (3)折り畳み時の崇高性 エアバッグ布帛20×20cmを四ツ折りした時の崇高さ
(比較例1を100とした時の相対値)。 (4)人体への衝撃性 エアバッグ布帛を裁断し、縫製し、半径34.5cmのエ
アバッグ1を作製し、インフレーター取付口として半径
4cmの孔をあける。次いで、図1に示すように、エアバ
ッグ1内に極薄のゴム風船2を入れ、空気を入れて、内
圧0.2kg/cm2 になるようにふくらませ、紐に釣り下
げた(紐丈100cm)鉛製500gの振り子を45゜の
ところから放し、エアバッグ1に衝突させ、反発により
振り子がもどる角度(x°)を測定した。 (5)エアバッグ布帛表面の柔かさ 顔面側布帛の顔面接触部をさわった時の柔かさを官能評
価した。
【0017】
【0018】
【0019】実施例1
島成分がナイロン6・6、海成分がポリスチレンを主体
とするポリマーからなる下記の高分子配列体繊維からな
る総繊度30デニール、10フィラメント(高分子配列
体繊維の単糸繊度:3デニール)の糸条を得た。
とするポリマーからなる下記の高分子配列体繊維からな
る総繊度30デニール、10フィラメント(高分子配列
体繊維の単糸繊度:3デニール)の糸条を得た。
【0020】
島 数 32本
島成分比率 70%
一方、総繊度210デニール、72フィラメントのナイ
ロン6・6フィラメント糸を作製した。次いで、上記総
繊度30デニールの高分子配列体繊維フィラメント糸2
本と総繊度210デニールのフィラメント糸1本を引揃
え、合糸した糸条を経糸、緯糸度に用い経、緯糸各75
本/インチの平織物を作製した。次いで、通常の方法で
精練、乾燥した後、トリクロールエチレン液で浸漬処理
し、海成分を除去した。このとき、上記高分子配列体繊
維から得られた、超極細繊維は0.0656デニールの
単糸繊度を有するものであった。その後、該織物を熱ロ
ール温度130゜C、圧力50kg/cm2 で熱カレンダー
処理したエアバッグを得た。該エアバッグの評価結果を
表1にまとめた。
ロン6・6フィラメント糸を作製した。次いで、上記総
繊度30デニールの高分子配列体繊維フィラメント糸2
本と総繊度210デニールのフィラメント糸1本を引揃
え、合糸した糸条を経糸、緯糸度に用い経、緯糸各75
本/インチの平織物を作製した。次いで、通常の方法で
精練、乾燥した後、トリクロールエチレン液で浸漬処理
し、海成分を除去した。このとき、上記高分子配列体繊
維から得られた、超極細繊維は0.0656デニールの
単糸繊度を有するものであった。その後、該織物を熱ロ
ール温度130゜C、圧力50kg/cm2 で熱カレンダー
処理したエアバッグを得た。該エアバッグの評価結果を
表1にまとめた。
【0021】実施例2
島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリス
チレンを主体とするポリマーからなる下記の高分子配列
体繊維からなる総繊度30デニール、10フィラメント
の糸条(高分子配列体繊維の単糸繊度:3デニール)を
得た。 島 数 32本 島成分比率 70% 該総繊度30デニールの高分子配列体繊維フィラメント
糸を10本合糸した糸条を地糸に、ケブラー(アラミド
繊維、デュポン・東レケブラー社製)総繊度200デニ
ール、132フィラメント糸をリップストップ糸に用
い、地糸の経糸、緯糸密度70本/インチ、リップスト
ップ糸を7mm間隔に格子状に配列した織物を得た。次
いで、通常の方法で精練、乾燥した後、トリクロールエ
チレン液で浸漬処理し、海成分を除去した。このとき、
上記高分子配列体繊維から得られた、超極細繊維は0.
0656デニールの単糸繊度を有するものであった。そ
の後、該織物を熱ロール温度140℃、圧力30kg/
cm2 で熱カレンダー処理してエアバッグを得た。該エ
アバッグの評価結果を表1にまとめた。
チレンを主体とするポリマーからなる下記の高分子配列
体繊維からなる総繊度30デニール、10フィラメント
の糸条(高分子配列体繊維の単糸繊度:3デニール)を
得た。 島 数 32本 島成分比率 70% 該総繊度30デニールの高分子配列体繊維フィラメント
糸を10本合糸した糸条を地糸に、ケブラー(アラミド
繊維、デュポン・東レケブラー社製)総繊度200デニ
ール、132フィラメント糸をリップストップ糸に用
い、地糸の経糸、緯糸密度70本/インチ、リップスト
ップ糸を7mm間隔に格子状に配列した織物を得た。次
いで、通常の方法で精練、乾燥した後、トリクロールエ
チレン液で浸漬処理し、海成分を除去した。このとき、
上記高分子配列体繊維から得られた、超極細繊維は0.
0656デニールの単糸繊度を有するものであった。そ
の後、該織物を熱ロール温度140℃、圧力30kg/
cm2 で熱カレンダー処理してエアバッグを得た。該エ
アバッグの評価結果を表1にまとめた。
【0022】比較例1
840デニール、136フィラメントのナイロン6・6
フィラメント糸を用いて、経、緯糸25本/インチの密
度を持つ平織物を作製した。次いで、通常の方法で精
練、乾燥、セットした後、ナイフコートを用い、塗工量
が100g/m2になるようにクロロプレンゴムを3回
塗工したエアバッグを得た。該エアバッグの評価結果を
表1にまとめた。
フィラメント糸を用いて、経、緯糸25本/インチの密
度を持つ平織物を作製した。次いで、通常の方法で精
練、乾燥、セットした後、ナイフコートを用い、塗工量
が100g/m2になるようにクロロプレンゴムを3回
塗工したエアバッグを得た。該エアバッグの評価結果を
表1にまとめた。
【0023】比較例2
300デニール、408フィラメントのナイロン6・6
フィラメント糸を用いて、経、緯糸70本/インチの密
度を持つ平織物を作製した。次いで、通常の方法で精
練、乾燥、セットした後、熱ロール温度140゜C、圧
力40kg/cm2 で熱カレンダー処理してエアバッグを得
た。該エアバッグの評価結果を表1にまとめた。
フィラメント糸を用いて、経、緯糸70本/インチの密
度を持つ平織物を作製した。次いで、通常の方法で精
練、乾燥、セットした後、熱ロール温度140゜C、圧
力40kg/cm2 で熱カレンダー処理してエアバッグを得
た。該エアバッグの評価結果を表1にまとめた。
【0024】
【表1】
第1表から明らかなるように、従来の単糸繊度の太いフ
ィラメント糸を用いたエアバッグは、風合いが硬く、折
り畳み時の嵩高性が大きく、収納性に劣るものであり、
また、人体への衝撃性も強く、顔面接触時に擦過傷や火
傷を起こしやすいものであった。一方、本発明の超極細
繊維と単糸繊度が1デニール以上のフィラメント糸とが
用いられているエアバッグは、地薄で柔かく、折り畳み
時の嵩高性が小さく、収納性に優れたものであり、布帛
表面が柔かく、擦過傷、火傷防止面に優れ、かつ人体へ
の衝撃も小さく、エアバッグとして極めて優れたもので
あった。
ィラメント糸を用いたエアバッグは、風合いが硬く、折
り畳み時の嵩高性が大きく、収納性に劣るものであり、
また、人体への衝撃性も強く、顔面接触時に擦過傷や火
傷を起こしやすいものであった。一方、本発明の超極細
繊維と単糸繊度が1デニール以上のフィラメント糸とが
用いられているエアバッグは、地薄で柔かく、折り畳み
時の嵩高性が小さく、収納性に優れたものであり、布帛
表面が柔かく、擦過傷、火傷防止面に優れ、かつ人体へ
の衝撃も小さく、エアバッグとして極めて優れたもので
あった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、地薄で柔かいため、収
納性に優れ、ステアリンクホイールやインストルメント
パネルの小型化が可能になる。また、エアバッグ膨脹時
の顔面に対する衝撃が少なく、かつ、顔面接触部分の布
帛表面が柔かいため、顔面接触時の擦過傷や火傷防止面
でも優れたエアバッグを得ることができる。
納性に優れ、ステアリンクホイールやインストルメント
パネルの小型化が可能になる。また、エアバッグ膨脹時
の顔面に対する衝撃が少なく、かつ、顔面接触部分の布
帛表面が柔かいため、顔面接触時の擦過傷や火傷防止面
でも優れたエアバッグを得ることができる。
【図1】 この図は、人体への衝撃性を測定する方法を
示すものである。
示すものである。
1:エアバッグ1
2:極薄のゴム風船
3:振り子
x:反発により振り子がもどる角度
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平3−27146(JP,A)
特開 平3−27147(JP,A)
特開 平3−266745(JP,A)
特開 昭64−70248(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60R 21/16
Claims (7)
- 【請求項1】 合成繊維基布からなるエアバッグにおい
て、少なくともインフレーターの対面側の基布には、単
糸繊度が0.5デニール以下の熱可塑性超極細繊維と、
単糸繊度が1デニール以上のフィラメント糸とが用いら
れていることを特徴とするエアバッグ。 - 【請求項2】 該熱可塑性超極細繊維がポリアミド繊維
またはポリエステル繊維であることを特徴とする請求項
1記載のエアバッグ。 - 【請求項3】 インフレーター側の基布を構成する繊維
に、単糸繊度が1デニール以上のフィラメント糸が用い
られていることを特徴とする請求項1記載のエアバッ
グ。 - 【請求項4】 強度が8.0 g/d 以上のフィラメント
糸で補強されていることを特徴とする請求項1記載のエ
アバッグ。 - 【請求項5】 熱可塑性超極細繊維が起毛されているこ
とを特徴とする請求項1記載のエアバッグ。 - 【請求項6】 JIS L1096で測定したとき、イ
ンフレーターの対面側の基布の通気量は0.5cc/c
m2/sec以下であり、インフレーター側の基布の通
気量はインフレーターの対面側の基布の通気量の2倍以
上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載のエアバッグ。 - 【請求項7】 基布がノンコート基布であることを特徴
とする請求項1〜6のいずれかに記載のエアバッグ。
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JP1694992A JP3401794B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | エアバッグ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP1694992A JP3401794B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | エアバッグ |
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JPH05213131A JPH05213131A (ja) | 1993-08-24 |
JP3401794B2 true JP3401794B2 (ja) | 2003-04-28 |
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JP1694992A Expired - Fee Related JP3401794B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | エアバッグ |
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JP2021019672A (ja) * | 2019-07-24 | 2021-02-18 | ポーラ化成工業株式会社 | 皮膚の弾力性測定方法および皮膚の弾力性測定システム |
-
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