JPH05319194A - エアバッグ基布およびその製造方法 - Google Patents

エアバッグ基布およびその製造方法

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JPH05319194A
JPH05319194A JP4120715A JP12071592A JPH05319194A JP H05319194 A JPH05319194 A JP H05319194A JP 4120715 A JP4120715 A JP 4120715A JP 12071592 A JP12071592 A JP 12071592A JP H05319194 A JPH05319194 A JP H05319194A
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silicone resin
silicone
airbag
base fabric
cloth
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JP4120715A
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English (en)
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Toshiji Moriwaki
淑次 森脇
Kozaburo Isshiki
高三郎 一色
Susumu Kano
進 加納
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、優れた耐熱性を有し、かつ風合いが
柔らかく、収納性に優れ、かつエアバッグの瞬間的な膨
張に際して、特に顔面に対する衝撃の小さいエアバッグ
を提供せんとするものである。 【構成】本発明のエアバッグ基布は、フィラメント布帛
と含浸されたシリコーン樹脂からなる通気性の層と非通
気性のシリコーン樹脂被膜層を有することを特徴とする
ものであり、また、本発明のエアバッグ基布の製造方法
は、フィラメント布帛に、シリコーン樹脂希釈液を付与
し、乾燥した後、シリコーン樹脂を塗布、積層して、非
通気性のシリコーン樹脂被膜層を形成することを特徴と
するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両衝突時に着座乗員
の衝撃を吸収し、その保護を図るエアバッグ基布および
その製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、優
れた耐熱性を有し、かつ風合いが柔らかく、収納性に優
れたエアバッグ基布およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の衝突時の衝撃から乗員を
保護するためのエアバッグの実用化が急激に高まりつつ
ある。エアバッグは、自動車の衝突事故の際、衝突の衝
撃を受けて、センサーが作動し、高圧ガスを発生させ、
この高圧ガスによってエアバッグを瞬間的に膨張させ、
衝突時に、乗員の特に顔面を保護しようとするものであ
る。従来、一般的に使用されているエアバッグは、40
0〜1000デニールのナイロン6・6フィラメント糸
を用いた平織物に、耐熱性、難燃性、非通気性などの向
上のために、クロロプレン、クロルスルホン化オレフィ
ン、シリコーンなどのエラストマーがコーティングされ
たものが用いられている。エアバッグは、作動する寸前
までは、ステアリングホイールやインストルメントパネ
ルなどの狭い場所に収納されており、その収納容積は、
小さいほどよく、基布は柔らかく、軽く、薄いものほど
好ましいとされている。しかるに、従来のエアバッグ、
特にクロロプレン、クロルスルホン化オレフィンのエラ
ストマーがコーティングされたものは、エアバッグの諸
性能向上を目的に、エラストマーの厚さが約80〜10
0ミクロンで、かなり厚く、重いものになり、また風合
いも硬いため、折りたたみ性が悪く、収納容積も大きい
ものであることはもとより、高温高圧ガスにより瞬間的
な膨張に際して、人体、特に顔面に対する衝撃が強く、
エアバッグに衝突した際に、反発を受けて、車両構造物
に衝突し負傷することもあり好ましいものではなかっ
た。一方、シリコーンエラストマーがコーティングされ
たエアバッグの出現によりこれらの問題はかなり改善さ
れてきたが、まだ満足すべきものとはいえないのが現状
である。
【0003】かかる問題に対し、特開昭63−7874
4号公報には、経糸および/または緯糸が全芳香族ポリ
アミド繊維からなる平織物の片面にシリコーンゴムを塗
布、積層してなるエアバッグが提案されている。また、
特開平2−270654号には、インフレーターからの
圧力気体により膨張展開するようになっているエアバッ
グにおいて、基布の内面にシリコーンゴムの薄膜が形成
された織物からなるエアバッグが提案されている。前者
は、高強力の全芳香族ポリアミド繊維を用い織物の厚さ
を薄くすることにより薄地化、軽量化を図ったものであ
るが、前者、後者ともシリコーンゴムは、織物の片面に
積層あるいは、薄膜が形成されたもので、製造方法とし
ては、コーティングまたはラミネートが考えられる。し
かしながら、該コーティング方法は、織物を構成する経
糸および緯糸がコーティング膜によって自由度がなくな
るため、風合いの柔軟化に限界があり、かつ高温高圧ガ
スによる瞬間的な膨張に際して、顔面に対する衝撃が強
いと言う問題があった。一方、ラミネート方法により、
片面に積層あるいは薄膜を形成しようとすると、シリコ
ーンゴムと織物を接着剤により接着されるが、織物表面
が凹凸を有するため、通常20〜40 g/ m2 の接着剤
を塗布しないと十分な接着性が得られず、また、接着剤
が織物に浸透し、織物を構成する経糸および緯糸の自由
度がなくなり風合いが硬くなるという欠点があった。こ
のため、ラミネートによる方法も、高温高圧ガスによる
瞬間的な膨張に際して、顔面に対する衝撃が強いと言う
問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
のエアバッグの欠点に鑑み、優れた耐熱性を有し、かつ
風合いが柔らかく、収納性に優れ、かつエアバッグの瞬
間的な膨張に際して、特に顔面に対する衝撃の小さいエ
アバッグ基布を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために次のような構成を有する。すなわち、本発
明のエアバッグ基布は、フィラメント布帛と、含浸され
たシリコーン樹脂からなる通気性の層と、非通気性のシ
リコーン樹脂被膜層を有することを特徴とするものであ
り、また、本発明のエアバッグ基布の製造方法は、フィ
ラメント布帛に、シリコーン樹脂希釈液を付与し、乾燥
した後、シリコーン樹脂を塗布、積層して、非通気性の
シリコーン樹脂被膜層を形成することを特徴とするもの
である。
【0006】
【作用】本発明は、エアバッグ基布を構成するフィラメ
ント布帛が、含浸されたシリコーン樹脂からなる通気性
の層と非通気性のシリコーン樹脂被膜層とからなること
を基本とし、布帛を構成する経糸と緯糸の自由度を大き
くすることにより、優れた耐熱性を有し、風合いが柔ら
かく、収納性に優れ、かつエアバッグの瞬間的な膨張に
際して、特に顔面に対する衝撃を小さくするものであ
る。
【0007】本発明で言うフィラメント布帛を構成する
フィラメント糸としては、ナイロン6・6、ナイロン
6、ナイロン12、ナイロン4・6、ナイロン6とナイ
ロン6・6の共重合体、ナイロンにポリアルキレングリ
コール、ジカルボン酸やアミン類を共重合したポリアミ
ド繊維、パラフェニレンテレフタルアミドおよび芳香族
エーテルとの共重合体などに代表されるアラミド繊維、
ポリアルキレンテレフタレートに代表されるポリエステ
ル繊維、ポリエステルの繰り返し単位を構成する酸成分
にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ま
たはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを共重合
したポリステル繊維、レーヨン繊維、ビニロン繊維、超
高分子量ポリエチレン繊維、パラフェニレンサルフォ
ン、ポリサルフォンなどのサルフォン系繊維、ポリエー
テル繊維などの合成繊維、さらに炭素繊維、ガラス繊維
などの無機繊維などからなる連続繊維を使用することが
できる。これらの繊維の中でもポリアミド、特にナイロ
ン6・6、ナイロン6からなる繊維がエアバッグ特性に
優れている。
【0008】フィラメント布帛を構成する単繊維の強度
は、特に制約を受けないが、好ましくは、6g/デニー
ル以上、さらに好ましくは、7g/デニール以上であ
る。布帛を構成する単繊維の繊度、およびトータル繊度
は、エアバッグとしての必要な機械的特性を満足するも
のであれば特に制約を受けないが、好ましくは単糸繊度
は3〜7デニール、トータル繊度は200〜1000デ
ニールがよい。
【0009】本発明で言うフィラメント布帛としては、
該フィラメントからなる織編物が適用されるが、通常
は、織物が使用され、その組織としては、平織、綾織、
朱子織、およびこれらの変化組織、多軸織などが使用さ
れる。かかる織物の中でも、機械的特性に優れ、地薄な
面から平織が好ましく使用される。
【0010】本発明で言う含浸されたシリコーン樹脂か
らなる通気性の層とは、シリコーン樹脂希釈液で含浸処
理を施し、通気性を有する樹脂層を形成するものであ
り、シリコーン樹脂希釈液としては、シリコーン樹脂液
を水に乳化、分散した水系、およびシリコーン樹脂液を
有機溶剤で溶解した溶剤系のいずれも適用できるが、含
浸処理する設備面および作業性やコスト面から水系のも
の、すなわち水系シリコーンエマルジョンがより好まし
い。水系シリコーンエマルジョンとしては、ジメチルシ
リコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、アミノ変
性シリコーン、フェニルメチルシリコーンなどのエマル
ジョンが挙げられるが、その中でも特にアミノ変性シリ
コーンエマルジョンが効果を発揮する。またシリコーン
樹脂希釈液としては、シリコーン樹脂が固形分で0.0
1〜2.00重量%を含有していることが好ましい。
【0011】なお、シリコーン樹脂希釈液で含浸処理を
施す際、シリコーン樹脂を塗布、積層する前後どちらで
もよいが、塗布、積層する前にシリコーン樹脂希釈液で
含浸処理を施す方が効果がより発揮される。
【0012】かかるシリコーン樹脂希釈液を含浸処理す
る方法としては、例えば、浸漬する槽と均一に含有させ
るためのマングルまたバキュームなどから構成される装
置などが適用でき、特に制約を受けるものではない。
【0013】含浸されたシリコーン樹脂からなる通気性
の層におけるシリコーン樹脂の重量は特に限定されない
が、好ましくは布帛重量に対して0.005〜3.00
0%、さらに好ましくは0.010〜1.000%であ
る。あまり重量が少なすぎると柔らかさに欠け、また、
必要以上に多すぎると織物の組織崩れが生じ好ましくな
い。すなわち、通気性を有する程度に付着させるのが、
柔軟性や組織の安定性の上から重要である。このよう
に、シリコーン樹脂液で含浸処理することにより、織物
を構成する経糸および緯糸の摩擦係数を下げ自由度を大
きくし、風合いを柔らかくすることができる。
【0014】また、本発明で言うシリコーン樹脂被膜層
とは、シリコーン樹脂を塗布、積層し、該樹脂の非通気
性被膜層を形成することを意味するものであり、シリコ
ーン樹脂としては、ジメチル系シリコーン、メチルビニ
ル系シリコーン、メチルフェニル系シリコーン、フロロ
系シリコーンなどのエラストマーがあげられるが、その
中でも特にメチルビニル系シリコーンエラストマーが効
果を発揮する。また、必要に応じて、該エラストマーに
耐熱向上剤、強力向上剤、架橋剤、その他の添加剤を配
合せしめてもよい。
【0015】上述のシリコーンエラストマーを塗布、積
層するには、該布帛の片面がコーティング法、ラミネー
ト法などの方法により塗布、積層される。通常、ナイフ
コート、ロールコート、リバースコートなどのコーティ
ング法が用いられるが、特に限定されるものではない。
【0016】一方、シリコーンエラストマーの重量は、
耐熱性、非通気性、風合いなどの面から、好ましくは、
5〜80 g/ m2 、さらに好ましくは10〜50 g/ m
2 である。重量があまり少な過ぎると、耐熱性、非通気
性が低下し、また必要以上に多すぎると風合いが硬化し
好ましくない。
【0017】例えば、該樹脂被膜層は、非通気性の上か
ら好ましくは10〜100μ程度、さらに好ましくは柔
軟性の上から50μ以下の厚さに調整するのがよい。
【0018】また、必要に応じて、粘着性を抑制するた
めに、タルクなどの滑剤をエラストマー塗工面に塗布し
てもよい。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例中の物性は、下記の方法により測
定した。 (1) 剛軟度 JIS L1096 6.19.1A法に準じ測定し
た。 (2) 非通気性 JIS L1096 6.27.1A法に準じ測定し
た。 (3) 耐熱性 NM−1型防融試験機(大栄科学精器製)を用い、35
0℃に調整したコテ先部にエアバッグの非顔面接触側表
面を静置し、5秒間放置した後、軽く取りはずし、穴あ
き程度を次の判定規準により求めた。 等級 穴あき面積 5級 0 4級 1/8 3級 1/4 2級 1/2 1級 1 (4) 摩擦係数 織物摩擦係数測定機(興和商会製)を用い、押圧25 g
/cm2 でエアバッグの顔面接触側表面と厚さ5mmのシリ
コーン成型板との摩擦係数を測定した。
【0020】(5) 人体への衝撃性 エアバッグ用基布を裁断し、コーティング面が内側にな
るように、半径34.5cmの袋体を縫製し、インフレー
ター取付け部として半径4cmの孔をあける。ついで、図
1に示すように、袋体内に極薄のゴム風船を入れ、その
中に空気を入れて、ないあつが0.2Kg/cm2 になるよ
うに膨らませ、金属製500gの振り子を45度のとこ
ろから放し、袋体に衝突させ、反発により振り子が戻る
角度を測定した。
【0021】実施例1、比較例1、2 トータル繊度420デニール、72フィラメント糸、強
度8.3g/デニールのナイロン6・6繊維を使用し、
経糸ならびに緯糸とも45本/inchの平織物を製織し
た。次いで、常法にて精練、乾燥、セットした。その
後、水系アミノ変性シリコーンエマルジョンからなるシ
リコーン樹脂(SM8079;東レダウコーニング社
製)を水で希釈し固形分で0.2%の液となるように調
整し、前記平織物を浸漬し、3Kg/cm2 下のングルで絞
った後、100℃で3分間乾燥し、160℃で30秒間
キュアした。付着量は、0.11重量%であった。この
織物は通気性を有していた。しかる後、分子量65万の
メチルビニル系シリコーンエラストマーにて、塗工量3
5 g/ m2 になるようにコーティングした。
【0022】比較例として、実施例1と同様の織物を使
用し、水系アミノ変性シリコーンエマルジョンからなる
シリコーン樹脂(SM8709;東レダウコーニング社
製)を水で希釈し固形分で0.2%の液となるように調
整し、前記平織物を浸漬し、3Kg/cm2 下のマングルで
絞った後、100℃で3分間乾燥し、160℃で30秒
間キュアした。付着量は、0.10重量%であった。
[比較例1]。
【0023】また、実施例1と同様の織物を使用し、上
述のシリコーン樹脂で処理せず、分子量65万のメチル
ビニル系シリコーンエラストマーを塗工量35 g/ m2
になるようにコーティングした[比較例2]。
【0024】このようにして、得られたエアバッグの評
価結果を表1に示した。
【0025】表1からもわかるように、実施例1のエア
バッグは、優れた耐熱性ならびに非通気性を有し、風合
いが柔らかく、人体への衝撃も極めて小さく、また収納
性にも優れていた。
【0026】一方、比較例1のエアバッグは、風合いは
柔らかいが、耐熱性ならびに非通気性に劣り、比較例2
のエアバッグは、耐熱性ならびに非通気性はかなり優れ
ていたが、風合いが硬く、人体への衝撃も大きく、また
収納性にやや劣っていた。
【0027】実施例2、比較例3、4 トータル繊度840デニール、162フィラメント糸、
強度8.7g/デニールのナイロン6繊維を使用し、経
糸ならびに緯糸とも25本/inchの平織物を製織した。
次いで、常法にて精練、乾燥、セットした後、メチルビ
ニルシロキサン単位を共重合した分子量40万のメチル
フェニル系シリコーンエラストマーにて、塗工量が50
g/ m2 になるようにコーティングした。しかる後、水
系メチルハイドロジェンシリコーンエマルジョンからな
るシリコーン樹脂(SM8702;東レダウコーニング
社製)を水で希釈し固形分で0.5%の液となるように
調整し、前記平織物を浸漬し、3Kg/cm2 下のマングル
で絞った後、100℃で3分間乾燥し、160℃で30
秒間キュアした。このものの付着量は、0.22重量%
であった。
【0028】比較例として、実施例2と同様の織物を使
用し、水系メチルハイドロジェンシリコーンエマルジョ
ンからなるシリコーン樹脂(SM8702;東レダウコ
ーニング社製)を水で希釈し固形分で0.5%の液とな
るように調整し、前記平織物を浸漬し、3Kg/cm2 下の
マングルで絞った後、100℃で3分間乾燥し、160
℃で30秒間キュアした。付着量は、0.21重量%で
あった[比較例3]。また、実施例2と同様の織物を使
用し、メチルビニルシロキサン単位を共重合した分子量
40万のメチルフェニル系シリコーンエラストマーを用
い、塗工量50 g/ m2 になるようにコーティングした
[比較例4]。このようにして、得られたエアバッグの
評価結果を表1に示した。
【0029】表1からもわかるように、実施例2のエア
バッグは、優れた耐熱性ならびに非通気性を有し、風合
いが柔らかく、人体への衝撃も極めて小さかった。一
方、比較例3のエアバッグは、風合いは比較的に柔らか
いが、耐熱性ならびに非通気性に劣り、比較例4のエア
バッグは、耐熱性ならびに非通気性はかなり優れていた
が、風合いが硬く、人体への衝撃も大きく、また収納性
にやや劣っていた。
【0030】実施例3、比較例5 トータル繊度500デニール、120フィラメント糸、
強度8.2g/デニールのポリエステル繊維を使用し、
経糸ならびに緯糸とも40本/inchの平織物を製織し
た。次いで、常法にて精練、乾燥、セットした。その
後、実施例1と同様のシリコーン樹脂を水で希釈し固形
分で1.0%の液となるように調整し、前記平織物を浸
漬し、2.5Kg/cm2 下のマングルで絞った後、100
℃で3分間乾燥し、160℃で30秒間キュアした。付
着量は、0.47重量%であった。しかる後、分子量3
5万のメチルビニル系シリコーンエラストマーにて、塗
工量が65 g/ m2 になるようにコーティングした。
【0031】一方、比較例として、実施例3と同様の織
物を使用し、実施例1と同様のシリコーン樹脂を水で希
釈し固形分で1.0%の液となるように調整し、前記平
織物を浸漬し、2.5Kg/cm2 下のマングルで絞った
後、100℃で3分間乾燥し、160℃で30秒間キュ
アした。付着量は、0.49重量%であった。しかる
後、クロロプレンからなるエラストマーにて塗工量が6
5 g/ m2 になるようにコーティングした[比較例
5]。このようにして、得られたエアバッグの評価結果
を表1に示した。
【0032】表1からもわかるように、実施例3のエア
バッグは、優れた耐熱性ならびに非通気性を有し、風合
いが柔らかく、人体への衝撃も極めて小さく、また収納
性にも優れていた。一方、水系アミノ変性シリコーンエ
マルジョンからなるシリコーン樹脂で処理を施した後、
クロロプレン系エラストマーにてコーティングした比較
例5のエアバッグは、風合いが硬く、人体への衝撃も大
きく、また収納性にやや劣っていた。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明によって得られたエアバッグは、
非常に柔らかい風合いを有するため、エアバッグ膨張に
よる人体への衝撃を小さくすることができ、エアバッグ
による反発を受けて車両構造物に衝突して負傷する危険
性が少ない。同時に収納性に優れるため、ステアリング
ホイールやインストルメントパネルの小型化が可能にな
る。また、シリコーン樹脂の含浸とシリコーンエラスト
マーの塗布、積層から構成されるため、シリコーンエラ
ストマーの基布への接着性が向上し、優れた耐熱性なら
びに非通気性を有する。このように、本発明によれば、
極めて安全性、信頼性の高いエアバッグを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、衝撃性を測定する測定装置の概略
図である。
【符号の説明】
1:エアバッグ 2:極薄ゴム風船 3:振り子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/643

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラメント布帛と、含浸されたシリコ
    ーン樹脂からなる通気性の層と、非通気性のシリコーン
    樹脂被膜層を有することを特徴とするエアバッグ基布。
  2. 【請求項2】 含浸されたシリコーン樹脂が、布帛重量
    に対して0.005〜3.000%である請求項1記載
    のエアバッグ基布。
  3. 【請求項3】 含浸されたシリコーン樹脂が、布帛重量
    に対して0.010〜1.000%である請求項1記載
    のエアバッグ基布。
  4. 【請求項4】 シリコーン樹脂被膜の重量が、5〜80
    g/ m2 である請求項1記載のエアバッグ基布。
  5. 【請求項5】 シリコーン樹脂被膜の重量が、10〜5
    0 g/ m2 である請求項1記載のエアバッグ基布。
  6. 【請求項6】 フィラメント布帛に、シリコーン樹脂希
    釈液を付与し、乾燥した後、シリコーン樹脂を塗布、積
    層して、非通気性のシリコーン樹脂被膜層を形成するこ
    とを特徴とするエアバッグ基布の製造方法。
  7. 【請求項7】 シリコーン樹脂希釈液が、固形分で0.
    01〜2.00重量%のシリコーン樹脂を含有する請求
    項6記載のエアバッグ基布の製造方法。
  8. 【請求項8】 シリコーン樹脂希釈液が、水系シリコー
    ンエマルジョンである請求項6記載のエアバッグ基布の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 水系シリコーンエマルジョンが、アミノ
    変性シリコーンである請求項6記載のエアバッグ基布の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 塗布、積層するシリコーン樹脂が、メ
    チルビニル系シリコーンエラストマーである請求項6記
    載のエアバッグ基布の製造方法。
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