JP3401148B2 - 基板パターンの検査方法およびそれに用いる検査装置 - Google Patents

基板パターンの検査方法およびそれに用いる検査装置

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JP3401148B2 JP23063596A JP23063596A JP3401148B2 JP 3401148 B2 JP3401148 B2 JP 3401148B2 JP 23063596 A JP23063596 A JP 23063596A JP 23063596 A JP23063596 A JP 23063596A JP 3401148 B2 JP3401148 B2 JP 3401148B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示パネルの透
明基板や、プリント基板などの導電膜が一定のパターン
で形成された基板パターンの検査方法およびその装置に
関する。さらに詳しくは、マイクロ波を用いた非接触法
で、かつ、検出のための受信用マイクロ波を入力の送信
用マイクロ波から分離して、感度よく導電性パターンの
断線やショートを検査すると共に、カール状を含む細か
くて複雑なパターンでも正確に検査をすることができる
基板パターンの検査方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、液晶パネルの透明基板には各
画素に対応した透明電極膜が縦横に形成される。この透
明電極膜は光を透過させると共に導電性でなければなら
ないため、ITOや酸化スズなどからなる透明導電膜を
ガラス基板などに成膜してパターニングすることにより
形成される。この電極膜は厚さが0.1〜0.2μm程度
で、幅が小さいものでは0.15mm程度、電極膜の間
隔も小さいものでは0.15mm程度であるため、均一
に成膜されていないと断線が生じたり、パターニング時
のエッチングが完全に行われていないと隣接する電極膜
間で短絡するという問題がある。
【0003】とくに最近の液晶パネルの高品位、高精細
画像化の要請に伴い、各画素が微細化され、電極膜の幅
が細くなると共に、電極膜の間隔も狭くなり、それぞれ
0.1mm程度以下が要求されるようになっている。そ
のため、一層電極パターンの形成後各パターンの断線や
ショートの検査が必要になっている。
【0004】一方プリント基板においても、とくにコン
ピュータ関係のパソコンやCPUなどにおいては、高密
度配線になっており、配線は細くて数が多く、しかもそ
の間隔も狭くなっている。
【0005】従来のこの種のパターンの断線やショート
の検査方法は、探針(いわゆるプローブ)を各導電膜の
両端に並べて接触させ、探針間に電圧を印加することに
よりその間の電流を調べたり、または各導電膜の端部で
プローブをスイープさせることにより順次各導電膜の断
線やショートの検査をしている。また、最近ではCCD
カメラによる画像認識に基づき画像処理を行うことによ
り、パターンの異常の有無を検査する方法も用いられて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の導電膜の両端間
に探針を立てて検査をする方法では、導電膜の数が数百
本から数千本になると探針の数が非常に多くなる。一
方、探針は導電膜との接触が適度になるようにスプリン
グを介して形成されており、しかも導電膜の幅が狭く導
電膜間の間隔も狭いため、0.15mm程度以下の細い
探針にするには1本あたり1万円以上となる。その結
果、数千本以上並べると非常に高価な検査装置になると
いう問題がある。
【0007】また、前述のように導電膜の幅が狭く、そ
れに伴い探針も細くなるため、探針と導電膜との接触抵
抗が大きくなったり、多数の探針を正確に所定の位置に
合わせることができない。そのため、検査に時間がかか
ると共に正確な検査をすることができないという問題が
ある。さらに、最近の微細化に伴い、100μm程度以
下の探針にする必要があるが、そのような探針を作製す
ることは不可能になってきている。
【0008】また、導電膜上において探針をスイープさ
せる方法では、探針と導電膜との接触が不充分の場合が
生じたり、スイープ時に導電膜を傷つけたりするという
問題がある。
【0009】さらに、最近では基板への実装の高密度化
が図られ、基板に設けられたスルーホールを介して基板
の裏面側に部品が搭載され、スルーホール内にも導電膜
が形成されて基板表面の回路パターンと接続されるが、
探針による検査や画像処理による検査ではこのようなス
ルーホール内に導電膜が正常に付着しているか否かを検
査することができない。
【0010】本発明はこのような問題を解決し、マイク
ロ波を用いることにより、高価な探針を使用せず、しか
もスルーホール中の導電膜の異常でも、非接触で簡単に
精度良く検出することができると共に、高い感度で、し
かも細かくて複雑なパターンに対しても正確に導電性パ
ターンの異常の有無を検出し得る基板パターンの検査方
法およびその装置を提供することを目的とする。
【0011】本発明の他の目的は、被検査基板にマイク
ロ波を照射するアプリケータ部の具体的な構造を提供す
ることにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、基板の表面に
形成された導電性パターンの全体を簡単に検出し得る検
査装置を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、マイクロ波の
漏洩により他の機器などへの悪影響を防止することがで
きる検査装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性パターン
が形成された基板パターンの検査方法は、導電性パター
ンが形成された被検査基板にマイクロ波を照射し、前記
被検査基板による該マイクロ波の変化を検出することに
より前記導電性パターンの異常の有無を検査する基板パ
ターンの検査方法であって、前記被検査基板に照射する
マイクロ波を円偏波により行い、前記被検査基板に照射
するマイクロ波と該被検査基板で反射されたマイクロ波
との旋回方向が逆であることを利用し、入力用のマイク
ロ波に対し検出用のマイクロ波を分離して取り出すこと
により行うことを特徴とする。被検査基板に作用させる
マイクロ波を円偏波とすることにより、照射されるマイ
クロ波は1波長ごとに電界の強い方向が1回転するた
め、検査される基板の導電性パターンがカール状を有し
たり、細かくて複雑なパターンでもあらゆる方向から強
い電界を有するマイクロ波が照射され、細かいパターン
の異常でも確実に検出することができる。
【0015】本発明の検査装置は、マイクロ波が供給さ
れる入力部と、該入力部に供給されるマイクロ波を円偏
波に変換し、円偏波を照射しまたは受信するアンテナ部
と、該アンテナ部により受信した円偏波を検出信号とし
て出力する出力部とを有し、前記アンテナ部と対向して
存在する導電性パターンが形成された被検査基板による
反射波が該被検査基板に照射するマイクロ波の旋回方向
と逆方向であることを利用して検出用の反射波を分離
し、導電性パターンの異常の有無を検査するものであ
る。この構成にすることにより、被検査基板への作用部
では円偏波が照射され、正確な検査をすることができ
る。
【0016】
【0017】前記アンテナ部は、変換された円偏波を伝
送し得ると共に、該円偏波を照射しまたは受信する開放
端部を有する円筒体で構成することができる。この構成
にすることにより、円筒体の開放端部をスポットとする
狭い範囲での異常の有無を検査することができ、異常箇
所を特定するのに都合がよい。
【0018】前記アンテナ部を、一端部が短絡終端部と
され、他端部が前記円偏波を照射しまたは受信する開放
端部とされた円筒体と、該円筒体の中心軸に関して90
゜離れた位置から前記円筒体に挿入された2本の結合用
ピンと、該2本の結合用ピンにそれぞれ位相が90゜異
なるマイクロ波を供給し、または該2本の結合用ピンに
より受信したマイクロ波の90゜異なる位相を同相にす
る位相差形成部とからなる構成にすることができる。そ
うすることにより、同軸線路を伝送するマイクロ波が円
偏波に変換されて被検査基板に照射されると共に、被検
査基板で反射した円偏波の旋回方向が逆転する(逆旋)
ため、同旋と逆旋との関係で、位相差形成部において、
入力用のマイクロ波と被検査基板で反射した検出用のマ
イクロ波とを分離することができる。
【0019】ここに位相差形成部とは、たとえばハイブ
リッドリングのように、入力されるマイクロ波を2つの
線路に分岐し、その2つの線路間で位相差を90°ずら
せて出力するものを意味する。
【0020】前記円筒体の開放端部にチョーク構造が設
けられていることが、円筒体を伝ってマイクロ波が漏れ
ることがなく好ましい。
【0021】前記アンテナ部の構成は、誘電体材料の表
面に互いに直交する2つの偏波面で励振し得るエレメン
トを有するアンテナエレメントと、該アンテナエレメン
トにそれぞれ位相が90゜異なるマイクロ波を供給し、
または受信したマイクロ波の90゜異なる位相を同相に
する位相差形成部とからなる構成や、カール平面型アン
テナとすることもできる。このような構成にすることに
より、製造が簡単で小形に形成することができる。
【0022】前記アンテナ部と前記被検査基板とが相対
的に移動するように前記アンテナ部または被検査基板に
送り装置が設けられ、前記被検査基板の導電性パターン
を走査し得るように構成されることにより、被検査基板
の全面を簡単に検査することができる。この場合、送り
装置と受信用マイクロ波の検出とを同期させることによ
り、異常箇所を特定することもできる。
【0023】前記アンテナ部が直線状または平面状に配
列されてアレーアンテナとされることにより、または前
記円筒体の開放端部にラッパ状のホーンが設けられるこ
とにより、広い面積の被検査基板でも一度に全面または
広範囲の検査をすることができる。
【0024】本発明の検査装置の他の構成は、円偏波を
伝送し得ると共に、対向する側壁に貫通するスロットが
設けられた円形導波管と、該円形導波管に円偏波のマイ
クロ波を供給する入力部と、前記スロットを通過する導
電性パターンが形成された被検査基板により変化を受け
て反射するマイクロ波を出力する出力部とを有し、前記
被検査基板による反射波が該被検査基板に照射するマイ
クロ波の旋回方向と逆方向であることを利用して検出用
の反射波を分離し、導電性パターンの異常の有無を検査
するものである。この構成にすることにより、導波管内
で旋回するマイクロ波により検査をすることができるた
め、小さなマイクロ波電力で確実に、しかも細かいパタ
ーンでも正確に検査をすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照しながら、本
発明の検査方法およびそれに用いる検査装置について説
明をする。
【0026】図1は、本発明の検査装置の一実施形態の
ブロック説明図、図2はそのアプリケータ部の一例の概
略説明図で、(a)は縦断面説明図、(b)はそのB−
B線から見た側面の説明図である。
【0027】図1において、1はマイクロ波発振器など
のマイクロ波送信部とマイクロ波検出器などの受信部と
を有するマイクロ波送受信機であるが、マイクロ波送信
部と受信部とは別々に構成されていても良い。2はアプ
リケータ部、3は装置の制御および信号処理を行う制御
処理部、4は、導電性パターンが形成されそのパターン
の異常の有無が検査される被検査基板5を搬送する基板
送り装置、6および7はそれぞれ送信用および受信用の
マイクロ波同軸ケーブルである。
【0028】この構成で、アプリケータ部2で被検査基
板5にマイクロ波が照射されると、被検査基板5に形成
された導電性パターンによりマイクロ波の振幅や位相が
変化を受ける。この振幅や位相の変化は同じ形状の導電
性パターンを有する被検査基板5に対しては常に同じ変
調波形として現れるが、導電性パターンに断線やショー
ト部分があると、異なった変調波形が得られる。したが
って、正常な導電性パターンの被検査基板5により得ら
れるマイクロ波波形を基準波形として定めておき、被検
査基板5と作用したマイクロ波を検出して、その基準波
形と比較することにより、被検査基板5に形成された導
電性パターンに異常部分があるか否かを知ることができ
る。
【0029】本発明では、被検査基板に作用させるマイ
クロ波に円偏波を用い、変調した円偏波を検出すること
により、被検査基板に形成された導電性パターンの異常
の有無を検査することに特徴がある。円偏波は、1波長
ごとに電界の強い方向が旋回するため、あらゆる方向か
らマイクロ波を照射するのと同様の効果を有する。した
がって、導電性パターンが細かくて曲がりくねったカー
ル状のような複雑な形状のものでも、断線や短絡のよう
な異状がある場合には確実に検出用の変調マイクロ波に
変化が現れ、正確に検査をすることができる。さらに、
円偏波は金属板などにより反射するとその旋回方向が逆
転する(逆旋)ため、たとえばハイブリッドリングのよ
うに、入力するマイクロ波を2つに分岐してその両者に
90゜の位相差を形成する位相差形成部を接続して円偏
波を形成することにより、その位相差形成部で右旋のマ
イクロ波と、左旋のマイクロ波とを分離することができ
る。その結果、入力のマイクロ波と、検出用のマイクロ
波とを分離することもでき、被検査基板と作用したマイ
クロ波だけを取り出して高感度に検査をすることができ
る。
【0030】図2に示されるアプリケータ部は、たとえ
ば断面が円形でマイクロ波を伝送し得る円筒体21の一
端部21aが閉塞されて短絡終端部とされ、他端部が開
放端部21bとされ、その開放端部21bからマイクロ
波が照射されるアンテナ部20になっている。円筒体2
1には、その中心軸に関して90゜離れた方向から第1
および第2の結合用ピン22、23が内部に突出して設
けられ、第1および第2の結合用ピン22、23にはハ
イブリッドリング10の2端子が接続され、その1つの
入力側端子に入出力部18が設けられている。この例で
は、ハイブリッドリング10のもう1つの入力側端子1
0aは無反射終端となっているが、この端子から出力部
を取り出すようにしてもよい。ハイブリッドリング10
は、入出力部18から導入されたマイクロ波を2つの線
路に分岐すると共に、その両者間で位相を90゜ずらせ
るものである。円筒体21の短絡終端部21aとされた
一端部は、たとえば結合用ピン22、23から1/4波
長の距離で閉塞されるようにして、マイクロ波の完全な
反射面となるように形成されている。また、円筒体21
の内周の直径Dは、たとえば使用するマイクロ波の1/
2波長程度に形成されており、通常の円形導波管と同じ
形状になっている。
【0031】この構造で、入出力部18に伝送線路など
からのマイクロ波が入力されると、ハイブリッドリング
10により分岐され、それぞれ90゜の位相差を有して
2つの結合用ピン22、23に入力され、円筒体21内
に結合する。その結果、それぞれの結合用ピン22、2
3から位相差が90゜ずれたマイクロ波が円筒体21内
に進む。一方、第1および第2の結合用ピン22、23
は、それぞれ円筒体21の中心軸に関して90゜ずれた
位置に挿入されているため、それぞれ垂直偏波(V)と
水平偏波(H)の関係のように直交する方向で励振す
る。そのため、90゜の位相差と相俟って、円偏波のマ
イクロ波が矢印Pで示されるように円筒体21内を開放
端部21bに向かって進む。
【0032】円筒体21の開放端部21bに円筒体21
と直角になるように、導電性パターン5aが形成された
被検査基板5が存在すると、円筒体21内を伝送してき
た円偏波のマイクロ波が円筒体21の開放端部21bか
ら外に照射されて被検査基板5の導電性パターン5aで
一部が反射してアンテナ部20の円筒体21内に戻る。
導電性パターン5aの形状にもよるが、導電性パターン
5aで一部が反射して円筒体21内に戻る際に、一部反
射したマイクロ波は導電性パターン5aによる変調を受
けると共に、円偏波の旋回方向が逆転する。一方、反射
しない残りのマイクロ波は導電性パターン5aによる変
調を受けて同旋の円偏波で透過する。したがって、反射
波で見ても透過波で見ても、変調を受けた波形が得られ
が、反射波は旋回方向が逆転するため分離しやすく好
ましい。この変調を受けて円筒体21内に戻ったマイク
ロ波は再度結合用ピン22、23と結合し、ハイブリッ
ドリング10を経て同軸線路に戻り、入出力部18から
検出用の出力信号が得られる。円筒体21から照射され
る円偏波の旋回方向と逆旋の円偏波が戻ってきたとき
は、ハイブリッドリング10の無反射終端10a側に戻
り、同旋であれば入出力部18側に戻るため、無反射終
端10a側に出力部を設けることにより変調して反射し
た検出用のマイクロ波が得られる。したがって、出力部
で得られる信号をマイクロ波送受信機に送り、正常なパ
ターンの基準波形と比較することにより、被検査基板5
の導電性パターンが正常であるか否かを検査することが
できる。
【0033】図2に示される例は、同軸線路からのマイ
クロ波をハイブリッドリングにより円偏波にしたが、円
形−楕円形導波管変換器や、楔型誘電体を介するなどの
ポーラライザにより形成された円偏波を円筒体の開放端
部から照射するようにしてもよい。
【0034】図3は本発明の検査装置ではないが、参考
例として透過型のアプリケータ部の構造例を示す図であ
る。この例は、アンテナ部20を前述と同様の構造の第
1の円筒体24と第2の円筒体25とで構成し、その開
放端部24bおよび25bを対向させて一定間隙で同心
になるように配設され、その一定間隙部に被検査基板5
が送り込まれている。そして第1および第2の円筒体2
4、25の各々に第1および第2の結合用ピン22a、
23aおよび22b、23bが前述と同様に設けられて
いる。すなわち、図2に示される例では、1つの円筒体
21が送受信共用のアンテナ部を構成していたが、図3
に示される例では、送信用の円筒体24と受信用の円筒
体25とを別々のアンテナ部にし、被検査基板5により
変調を受け、被検査基板5を通過したマイクロ波を受信
する構成としたものである。このような透過型で検査を
しても、前述の反射型と同様の作用をし、同様に検査を
することができる。
【0035】図4はアンテナ部20を構成する円筒体2
1の開放端部21bから円筒体21の表面を伝って円筒
体21の後側に漏れるマイクロ波を減少させるための円
筒体21の構造例を示す図である。すなわち、被検査基
板の周囲および背面側にはフェライトゴムなどの電波吸
収体を設けることにより円筒体21の開放端部21bか
ら放射されるマイクロ波の影響を防止することができる
が、円筒体21の表面を伝って後方に漏れるマイクロ波
を防止することができず、この漏れをなくするためにチ
ョーク構造26が開放端部21bに設けられている。こ
のチョーク構造26は、通常の1/4波長の所に短絡部
が設けられた構造である。その結果、マイクロ波は開放
端部21bからその正面側にのみ進む。
【0036】図5はアプリケータ部のさらに他の例を説
明する図である。この例は、誘電体膜または誘電体基板
などの誘電体材料の表面28に帯状導電膜などにより設
けられた互いに直交する第1および第2のアンテナエレ
メント27a、27bからアンテナ部20が構成されて
いる。このような帯状のアンテナエレメントは帯状の向
きにより定まった面で励振するため、直交する2つのア
ンテナエレメント27a、27bにマイクロ波が供給さ
れると、それぞれ直交する方向で励振する。したがっ
て、前述のように、ハイブリッドリング10を介して分
岐されたマイクロ波で位相差が90°異なるマイクロ波
を2つのアンテナエレメント27a、27bに供給する
ことにより、円偏波となって放射される。これらからな
るアンテナ部20の正面に前述の被検査基板を配置する
ことにより、前述と同様にその導電性パターンの異常の
有無を検査することができる。なお、アンテナエレメン
トは、2つに分離しないで1つのエレメントでも、互い
に直交する面で励振するような構造を有すればよい。
【0037】図5に示される例は、1つの誘電体材料の
表面28に第1および第2のアンテナエレメント27
a、27bが設けられたアンテナ部20を送受信用とす
る反射型の例であったが、このアンテナ部を2個それぞ
れ対向させ、その対向部の間隙に被検査基板を設ける透
過型により検出することも同様にできる。
【0038】図6はアプリケータ部のアンテナ部20の
他の構造例を示す図である。この例は通常のカール平面
型アンテナにより構成した例で、図6に示されるよう
に、導波管35内の直線偏波に一端部が結合され、他端
部が渦巻状で基線Aより30〜65°オーバーラップす
るように巻かれたアンテナ線36からなり、この表面か
ら円偏波を放射する。したがって、その表面に前述の被
検査基板を配設することにより、その導電性パターンの
異常を検査することができる。このカール平面型アンテ
ナは、誘電体基板上に導電膜で同様の渦巻形状を形成
し、その一端部に同軸線路によりマイクロ波を供給して
もよい。
【0039】以上の各例の構造のアプリケータでは、ア
ンテナ部に対向する部分の被検査基板のみが検査の対象
となる。そしてこのアンテナ部の大きさは使用するマイ
クロ波の1/2波長程度で被検査基板のスポットのみを
検査することになる。したがって、被検査基板の全面を
検査する場合には、アンテナ部(ヘッド)または被検査
基板を相対的に移動させて走査(スキャン)する送り装
置が少なくとも一方に設けられる必要がある。しかし、
送り装置と検出データとを同期させると共に、スポット
単位で検査をしながらアンテナ部または被検査基板のい
ずれかを移動して走査することにより、導電性パターン
に異状がある場合に、その異常箇所を簡単に特定するこ
とができる。
【0040】図7はこのような走査の煩わしさを解除
し、広範囲に照射するアンテナを構成し、被検査基板の
全面を一度に、または被検査基板5の一定幅の列を直線
状に検査しながら基板もしくはアンテナ部をその列と垂
直方向に走査することにより全面の検査を容易にするも
のである。すなわち、前述の各例に示されるアンテナ部
(透過型の場合は対向させるアンテナ部の組)20を直
線状または平面状に配列し、それらの入力部同志、およ
び出力部同志を合成器19により合成してマイクロ波送
受信機に接続される入出力部18に接続されている。そ
の結果、円偏波により細かいパターンの異常でも感度よ
く高精度に検査をしながら、大きい被検査基板5の全面
を短時間で検査することができる。
【0041】図7に示される例では、配列されたアンテ
ナ部20の入力部および出力部をそれぞれ合成したが、
少なくとも出力部を別々に取り出し、別々に受信処理を
することにより、それぞれのアンテナ部20ごとに異常
の有無を検査することができ、異常箇所を特定し易くな
る。この場合、各アンテナ部20の出力を電気的に順次
切り替えてスイープさせることにより、検査の高速化が
可能となることは言うまでもない。
【0042】図8は被検査基板5の全面を効率よく検査
するアプリケータ部の他の構造例を示す図である。この
例は、図2に示される円筒体21の開放端部にラッパ状
のホーン29を設けたもので、筒体21の断面積より大
きい面にマイクロ波を照射できる構造になっている。そ
の結果、このホーンアンテナをを用いることにより、ま
たはこれを直線状もしくは平面状に並べることにより、
被検査基板5の全面を一度にまたは少ない走査により容
易に検査することができる。この例では、図2の反射型
の構造で示したが、図3の透過型の場合でも同様であ
る。この場合、第1および第2の円筒体の両方にホーン
29を形成することになる。
【0043】図9は本発明の実施形態ではないが、参考
例として検査装置のアプリケータ部のさらに他の例を示
す図である。この例は、図9に示されるように、円形導
波管30の側壁31の対向部分にスロット32を設けて
そのスロット32に被検査基板5を通過させながら円形
導波管30の入力部33に円偏波のマイクロ波を供給
し、その出力部34から被検査基板5により変調したマ
イクロ波を検出するものである。この構成によっても円
偏波による検査をすることができる。この場合も導波管
内で偏波面が旋回し、あらゆる方向から強い電界のマイ
クロ波を照射することができる。なお、本発明では、図
9とは異なり出力部34は反射波を検出する位置に設け
られている。また、偏波面が回転し、スロット32の部
分に電波の漏れやすいE面も現れるため、図示されてい
ないが、この場合もスロット32の部分に図4に示され
るのと同様のチョーク構造が設けられることが、マイク
ロ波の漏洩を防止する点からとくに好ましい。
【0044】以上の各例では、アプリケータ部の主要部
のみを説明したが、アンテナ部から照射されるマイクロ
波の漏れによる悪影響を防止するため、被検査基板を含
めたマイクロ波が照射される側をフェライトゴムなどの
電波吸収体で包囲することが好ましい。この場合、被検
査基板の搬送部からマイクロ波の漏れがある場合は、被
検査基板の入口と出口とにそれぞれチョーク構造を形成
することが好ましい。なお、電磁波の漏れ防止の観点の
みからいえば金属板により被覆しても良いが、金属板で
被覆すると、金属板で反射したマイクロ波により検査す
る波形に異常が生じる場合があり、少なくとも内面は電
波吸収体にすることが好ましい。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロ波を用いるこ
とにより、非接触で検査をすることができ、基板や導電
性パターンに傷をつけたり、接触不良による検査ミスが
発生することがなく、信頼性の高い検査をすることがで
きると共に、円偏波を使用しているため、偏波面が回転
してあらゆる方向からマイクロ波を照射しているのと同
じ効果で、細かい複雑なパターンでも確実に検査をする
ことができる。
【0046】また、被検査基板またはアンテナ部に走査
のための送り装置が設けられることにより、走査しなが
ら被検査基板を検査することができ、異常箇所を特定す
ることができるため、不良原因の解析や修復を行い易
い。
【0047】さらに、直線状または平面状に並べ、また
はホーン形状にして広域のアンテナ化とすることによ
り、広い被検査基板面を短時間に検査することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査装置の概要を示すブロック説明図
である。
【図2】本発明の検査方法およびその装置に用いるアプ
リケータ部の説明図である。
【図3】参考例としてのアプリケータ部の例を示す説明
図である。
【図4】アプリケータ部の電波漏洩を防止する構造の例
を示す図である。
【図5】アプリケータ部のさらに他の例を示す説明図で
ある。
【図6】アプリケータ部のさらに他の例を示す説明図で
ある。
【図7】アンテナ部を並べてアレーアンテナとする例を
示す図である。
【図8】ホーンアンテナ化の例を示す図である。
【図9】参考例として、円偏波を伝送する円形導波管に
被検査基板通過用のスロットを設けたアプリケータ部の
例を示す図である。
【符号の説明】
2 アプリケータ部 5 被検査基板 10 ハイブリッドリング 20 アンテナ部 21 円筒体 21a 短絡終端部 21b 開放端部 22 第1の結合用ピン 23 第2の結合用ピン 26 チョーク構造 27a 第1のアンテナエレメント 27b 第2のアンテナエレメント 29 ホーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 13/08 G01R 31/28 L (72)発明者 ▲轟木▼ 岳史 東京都北区滝野川7丁目5番11号 株式 会社ヨコオ内 (56)参考文献 特開 昭54−160133(JP,A) 特開 平7−287071(JP,A) 特開 平9−138260(JP,A) 特開 平10−62481(JP,A) 特開 平10−73425(JP,A) 特開 平10−73426(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 15/00 - 15/08 G01N 22/00 - 22/04 G01R 31/02 - 31/07 G01R 31/28 - 31/3193 G02F 1/13 101 G02F 1/1343 H01L 21/66 H05K 13/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性パターンが形成された被検査基板
    にマイクロ波を照射し、前記被検査基板による該マイク
    ロ波の変化を検出することにより前記導電性パターンの
    異常の有無を検査する基板パターンの検査方法であっ
    て、前記被検査基板に照射するマイクロ波を円偏波によ
    行い、前記被検査基板に照射するマイクロ波と該被検
    査基板で反射されたマイクロ波との旋回方向が逆である
    ことを利用し、入力用のマイクロ波に対し検出用のマイ
    クロ波を分離して取り出すことにより行う基板パターン
    の検査方法。
  2. 【請求項2】 マイクロ波が供給される入力部と、該入
    力部に供給されるマイクロ波を円偏波に変換し、円偏波
    を照射しまたは受信するアンテナ部と、該アンテナ部に
    より受信した円偏波を検出信号として出力する出力部と
    を有し、前記アンテナ部と対向して存在する導電性パタ
    ーンが形成された被検査基板による反射波が該被検査基
    板に照射するマイクロ波の旋回方向と逆方向であること
    を利用して検出用の反射波を分離し、導電性パターンの
    異常の有無を検査する基板パターンの検査装置。
  3. 【請求項3】 前記アンテナ部が、一端部が短絡終端部
    とされ、他端部が前記円偏波を照射しまたは受信する開
    放端部とされた円筒体と、該円筒体の中心軸に関して9
    0゜離れた位置から前記円筒体に挿入された2本の結合
    用ピンと、該2本の結合用ピンにそれぞれ位相が90゜
    異なるマイクロ波を供給し、または該2本の結合用ピン
    により受信したマイクロ波の90゜異なる位相を同相に
    する位相差形成部とからなる請求項2記載の検査装置。
  4. 【請求項4】 前記アンテナ部が、誘電体材料の表面に
    互いに直交する2つの偏波面で励振し得るエレメントを
    有するアンテナエレメントと、該アンテナエレメントに
    それぞれ位相が90゜異なるマイクロ波を供給し、また
    は受信したマイクロ波の90゜異なる位相を同相にする
    位相差形成部とからなる請求項2記載の検査装置。
  5. 【請求項5】 前記アンテナ部が、カール平面型アンテ
    ナである請求項2記載の検査装置。
  6. 【請求項6】 前記アンテナ部が直線状または平面状に
    配列されることによりアレーアンテナとされてなる請求
    項2ないし5のいずれか1項記載の検査装置。
  7. 【請求項7】 円偏波を伝送し得ると共に、対向する側
    壁に貫通するスロットが設けられた円形導波管と、該円
    形導波管に円偏波のマイクロ波を供給する入力部と、前
    記スロットを通過する導電性パターンが形成された被検
    査基板により変化を受けて反射するマイクロ波を出力す
    る出力部とを有し、前記被検査基板による反射波が該被
    検査基板に照射するマイクロ波の旋回方向と逆方向であ
    ることを利用して検出用の反射波を分離し、導電性パタ
    ーンの異常の有無を検査する基板パターンの検査装置。
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