JP3401082B2 - 真空ダイカスト方法およびその装置 - Google Patents

真空ダイカスト方法およびその装置

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JP3401082B2 JP15607994A JP15607994A JP3401082B2 JP 3401082 B2 JP3401082 B2 JP 3401082B2 JP 15607994 A JP15607994 A JP 15607994A JP 15607994 A JP15607994 A JP 15607994A JP 3401082 B2 JP3401082 B2 JP 3401082B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空ダイカストにおい
て、キャビティの真空度を所定の範囲に制御することで
溶湯をキャビティに射出する際のガスの巻き込みによる
巣の発生を防止して鋳造品の品質の安定化に資する真空
ダイカスト方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は真空ダイカストマシンにおける真
空制御系統の構成を示す図である。金型1を構成する固
定型1aと可動型1bによって、キャビティ2が形成さ
れ、このキャビティ2は、真空バルブ3が組み込まれた
真空配管4を介して真空装置5と接続されている。真空
装置5は、真空タンクと6と真空ポンプ7とから構成さ
れ、真空ポンプ7を運転して真空タンク6の真空度を高
めた状態を保持し、真空バルブ3を開くことによって、
瞬時にキャビティ2が減圧されるようになっている。な
お、真空配管4には、真空バルブ3の下流にフィルタ8
と真空計9が設けられており、この真空計9によって真
空度を目視管理することができる。
【0003】一方、キャビティ2に溶湯10を加圧充填
するための射出スリーブ11には、所定位置に注湯口1
2が設けられとともに、溶湯10を加圧する射出プラン
ジャー13が摺動自在に嵌合している。この場合、射出
ブランジャー13のロッド14には図示しない射出シリ
ンダと連結され、この射出シリンダの加圧力で溶湯10
を加圧する。また、射出プランジャー13の動作に対し
て真空バルブ3の開閉を連動させるために、ロッド14
には所定位置で一組のリミットスイッチ15a、15b
の接触子に当接するドグ部16が設けられている。リミ
ットスイッチ15a、15bは、真空バルブ3を開閉制
御するリレー18と接続されている。以上のようなダイ
カストマシンにおいては、まず、図示しないラドルによ
って溶湯が注湯口12から注湯されると、射出プランジ
ャー13は初期位置からSvoだけ前進し図に示ように注
湯口12を閉塞した第1の位置でドグ部16がリミット
スイッチ15aの接触子に当たってリミットスイッチ1
5aがオンになる。この位置検出信号にもとづきリレー
18の接点がオンに作動して真空バルブ3の図示しない
ソレノイドバルブが付勢されて真空バルブ3が開くよう
になっている。したがって、真空バルブ3を介してキャ
ビティ2と真空タンク6が連通するのでキャビティ2の
減圧が開始され、射出プランジャー13の前進とともに
溶湯10がキャビティ2に充填される始める。
【0004】射出プランジャー13がさらに前進し、射
出ストロークSvcに達する時には、この第2の位置でド
グ部16がリミットスイッチ15bの接触子を蹴ってリ
レー18をオフにするようになっており、この結果、キ
ャビティ2への溶湯10の充填が完了する直前に真空バ
ルブ3が閉じられる。このようにして、溶湯10はキャ
ビティ2内が十分に減圧された状態で迅速に充填され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術においては、真空バルブ3の開閉タイミングは、
真空度の管理とは独立させているので、溶湯10ととも
にガスが巻き込まれながらキャビティ2に吸い込まれる
問題が生じる。すなわち、射出プランジャ13が給湯孔
12の手前の位置にあるような場合や、図5に示すよう
に、射出スリーブ11内の溶湯10の湯面が射出スリー
ブ11の中心線よりもさらに下側にあるようなときに真
空バルブ3が開かれたような場合には、溶湯10はガス
を巻き込みながらキャビティ2に吸い込まれることにな
る。このような現象は鋳造品に巣が発生して品質を悪化
させる原因となるものである。この真空バルブ3を開閉
するタイミングは、リミットスイッチ15a、15bと
ドグ部16の位置関係によってのみ設定され、射出プラ
ンジャ13の高速射出ストロークの所要時間は極めて短
時間であり、この時間は真空バルブ3を作動させるソレ
ノイドバルブの作動遅れ時間と大差のないものであるの
で、真空バルブ3の開閉タイミングの調整は非常に困難
であった。この真空バルブ3の作動タイミングを調整す
る技術として、本出願人は、USP5,022,457
に記載されているControl system of Die cast Machine
を提案している。また、巣の発生を防止し、鋳造品の品
質を安定させるためには、前述した真空バルブ3の開閉
のタイミングに加えて真空度の管理も重要な要素であ
る。すなわち、真空度を一定に保持して溶湯をキャビテ
ィに充填することが、巣発生の観点からは効果的なこと
が知られている。しかし、溶湯量が常に一定ではないこ
と、真空度を検出するセンサの誤差等、種々の要因がか
らみあう上に、射出サイクル時間が数秒の非常に短い時
間間隔であるため、真空度の検出値をフィードバックし
て真空度を一定にする制御が困難であった。従って、従
来は、真空度の管理については真空計9を用いて目視管
理により専ら行われているのが現状である。そこで、本
発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、
真空バルブの開閉のタイミングをプランジャの位置と連
動させてキャビティ内の真空度を制御することによっ
て、溶湯をキャビティに射出するときの空気の巻き込み
を防止し、巣の発生のない高品質の鋳造品を得ることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明による真空度制御方法は、金型内のキャビ
ティの真空度を計測しながら、前記キャビティに連なる
真空系統に設けられた真空バルブの開閉を行い、キャビ
ティ内を真空になるように吸引しながら溶融金属の加圧
成形を行う真空ダイカスト方法において、射出プランジ
ャが第1の位置に前進してきたときに、前記真空バルブ
を開いてキャビティ内のガスの吸引を開始し、射出プラ
ンジャが第2の位置に到達したときに前記真空バルブを
閉じてキャビティ内のガスの吸引を停止するとともに、
この第2の位置に到達した時点における真空系統の真空
度と予め設定した真空度とを比較し、第2の位置におけ
る真空度が高い場合には第1の位置を所定距離だけ金型
側に移動して変更し、真空度が低い場合には前記第1の
位置を所定距離だけ反金型側に移動して変更して真空バ
ルブの開閉のタイミングを調整し、次回の射出工程で
は、補正した第1の位置と第2の位置とを前記真空バル
ブの開閉と連動せしめて金型のキャビティの真空度を所
定の値に保って加圧成形を行うことを特徴とするもので
ある。
【0007】前記の方法においては、射出プランジャの
前記第2の位置をあらかじめ設定し、射出工程開始から
時間軸に沿って真空度データを計測し、前記射出プラン
ジャの前記第2の位置における真空度と設定値とを比較
し、真空度の差を前記真空度データに基づき時間換算
し、この時間換算値を射出プランジャ位置の補正値に換
算して、次回の射出工程における射出プランジャの第1
の位置を更新し、射出工程における射出プランジャの位
置と真空バルブの開閉のタイミングとを連動させるよう
になっている。
【0008】また、本発明は、金型内のキャビティに連
なる真空系統の開閉を行う真空バルブと、キャビティ内
を真空になるように前記真空系統を介して吸引する真空
装置を備えた真空ダイカスト装置において、真空センサ
を備え前記真空系統の真空度を検出する真空度検出手段
と、前記射出プランジャーの位置を検出する位置検出手
段と、射出工程開始から単位時間ごとに検出した真空度
データを記憶する手段と、前記真空バルブを閉めた時点
での真空度と、予め設定した真空度とを比較する真空度
比較手段と、前記真空度データに基づき検出した真空度
が前記設定真空度よりも高い場合に次回の射出工程で前
記真空バルブを開く射出プランジャーの第1の位置を所
定距離だけ金型側に移動する補正をし、検出した真空度
が前記設定真空度よりも低い場合に前記第1の位置を所
定距離だけ反金型側に移動する補正をする真空バルブ開
位置補正手段を具備することを特徴とするものである。
【0009】前記の真空ダイカスト装置において、前記
真空バルブが完全に閉塞されたことを検出する閉塞限検
出器を設け、この閉塞限の出力に基づき前記真空バルブ
の閉塞限検出後の真空度と設定真空度とを比較すること
を特徴とする。
【0010】また、前記の真空ダイカスト装置におい
て、検出した真空度が予め定めた真空度限界よりも低い
場合に警報信号またはダイカストマシンの停止信号を発
生する警報信号発生手段と、警報信号を受信して警報を
発する警報器とを具備することを特徴とする。
【0011】さらに、前記の真空ダイカスト装置におい
て、前記記憶手段に記憶された真空度データと、前記位
置検出手段の出力データに基づいて真空度の時間的変化
と、前記射出プランジャーの速度および射出サイクルの
状況を表すパラメータを演算する演算手段と、前記演算
手段の出力に応じて真空度の時間的変化を表す真空度曲
線と、前記射出プランジャーの速度の時間的変化を表す
射出速度曲線および前記パラメータを表示する表示装置
を設けることができる。
【0012】
【作用】検出した真空度が設定値よりも高いと、真空バ
ルブが開く射出プランジャーの第1の位置が所定の値だ
けさらに先に進んだ位置に補正され、従って、真空バル
ブを開いてキャビティの減圧を開始するタイミングが遅
れるように制御される。
【0013】逆に、真空度がフィルタの目詰まり等の原
因によって低下しているときは、真空バルブを開く射出
プランジャーの位置が手前に補正されるので、真空バル
ブを開くタイミングが早やまるように制御される。した
がって、キャビティの減圧が早めに開始されるので、キ
ャビティの真空度を所定の一定の範囲に自動的に維持す
ることができる。
【0014】また、真空度が設定値よりもかなり低くな
っているときは、これが検出されて自動的に警報が出さ
れ、さらに、射出サイクルの状況を真空度曲線、射出速
度曲線の表示からリアルタイムに射出サイクルの状況を
監視することができるように構成されている。
【0015】
【実施例】以下、本発明による真空ダイカストにおける
真空度制御方法およびその装置の一実施例について添付
の図面を参照して説明する。なお、本発明の一実施例の
構成を示す図1において、従来技術の図5の構成要素と
同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細
な説明は省略する。この実施例では、金型1内のキャビ
ティ2と、真空タンク6とに連なる真空配管4とは真空
バルブ3を介して接続されており、キャビティ2の吸引
の開始、停止をこの真空バルブ3の開閉により行うよう
になっている。真空センサ20は、キャビティから引き
出した通路を介して真空系統の真空度を検出する。
【0016】真空バルブ3は、2方向の電磁方向切換弁
36によりスプール32の位置を切換え、このスプール
32に連結されている弁体33を開閉するバルブであ
る。電磁方向切換え弁36は、後述する制御装置23に
よって制御され、流体圧源38からの作動流体をスプー
ル32が収容されるシリンダ39に供給して、スプール
32の位置を切換えるようになっている。また、この真
空バルブ3では、弁体33の開、閉状態を確実に検出す
るために、スプール32と連動するロッドを外部に突出
させ、このロッドの先端に取り付けたドグ34でON/
OFFされるリミットスイッチ35a、35bを開閉位
置に対応した位置に設けている。
【0017】このような真空バルブ3が開いているとき
は、キャビティ2と真空配管4とは出口ポート40を介
して連通するので、キャビティ2を減圧することができ
る。
【0018】一方、射出プランジャー13の位置を検出
する手段としては、射出プランジャ13のロッド14に
取り付けた磁気スケール22aと、この磁気スケール2
2aの変位を検出する変位センサ22bとから構成され
ており、変位センサ22bは射出プランジャ13の変位
に比例したパルス信号を出力する。これら真空センサ2
0、リミットスイッチ35a、35b、変位センサ22
bの出力は、制御装置23に導入されるように構成され
ている。
【0019】制御装置23は、マイクロプロッセッサを
搭載した中央処理装置25と、プログラムが格納された
ROMおよび入力されたデータや処理データを記憶する
RAMからなる主記憶装置26と、入力ポート24なら
びに出力ポート27とを備えている。中央処理装置25
は、入力ポート24を介して真空センサ20、リミット
スイッチ21、位置センサ22ならびに真空制御に必要
な所要の設定データを入力するためのキーボード28な
どの入力装置と接続されている。一方、出力ポート27
には後述する各種状態曲線等を表示するCRT29と、
警報装置30、警報ランプ31などの出力装置が接続さ
れている。次に、射出工程との関連において、本実施例
の作用について説明する。ここで、図2は、ダイカスト
マシン自動運転の鋳造サイクルにおいて、射出プランジ
ャー13の位置に、真空度、溶湯の射出速度等を対応さ
せて表したタイムチャートである。
【0020】この図2においては、曲線Aによって、射
出プランジャー13の速度である射出速度を表し、曲線
Bで真空度を表す。この場合、真空度は、大気圧を真空
度0として、下方にしたがって真空度が大きくなるよう
に反転させた図で表してある。また、Svoは真空バルブ
3を開ける信号を出力するときの射出プランジャー13
の第1の位置を示し、また、Svcは、真空バルブ3を閉
じる信号を出力するときの射出プランジャー13の第2
の位置を示している。
【0021】そこで、まずダイカストマシンでの鋳造サ
イクルの初期設定をするため、キーボード28から前述
したSvo、Svc、また設定真空度H0 などの設定データ
を入力しておく。
【0022】以下、図4の流れ図に沿って、制御装置2
3の動作について説明する。サイクルが開始されると、
射出プランジャー13の位置Sは、変位センサ22bを
介して中央処理装置25に与えられ、射出プランジャー
13がSvoだけ進んだところで、このプランジャーの第
1の位置が検出される(ステップS1)。次いで、中央
処理装置25は、真空バルブ3を開くため、方向切換弁
36のソレノイド37aを励磁する信号を図示しない駆
動回路に出力するので(ステップS2)、流体圧によっ
て真空バルブ3のスプール32が上昇し、真空バルブ3
が開く結果、キャビティ2と真空タンク6が連通し以後
キャビティ内は減圧され、その真空度は曲線Bで示すよ
うに、次第に高くなっていく。また、同時に、真空セン
サ20の出力に基づき、以後真空度の計測を開始する
(ステップS3)。真空度データは単位時間ごとに計測
されて制御装置23の主記憶装置26にテーブルもとし
て格納される。
【0023】射出プランジャー13がさらに進み、第2
の位置Svcに達したところで(ステップS4)、中央処
理装置25は真空バルブ3を閉じるため方向切換弁36
のソレノイド37bを励磁する信号を出力し(ステップ
S5)、これにより、真空バルブ3のスプール32が下
降し、真空バルブ3の開度が減少していく。この真空バ
ルブ3が完全に閉まったことはリミットスイッチ35b
を介して検出し、その閉塞限信号を検出したら(ステッ
プS6)、次のステップS7に進む。この図2では、こ
の時点Cでの真空度Hとあらかじめ設定されている真空
度の設定値H0と比較し、その比較の結果に応じて真空
バルブ3を開ける位置に対応する射出プランジャー13
の第1の位置Svoを補正する処理を実行する。
【0024】すなわち、まず、真空度の設定値H0 と検
出値Hが比較の結果、許容範囲αを含めて等しい場合に
は(ステップS8のYes)、補正は行わずに次のサイ
クルに移行する(ステップS18)。
【0025】これに対して、検出した真空度Hが設定値
H0 よりも所定の許容範囲αを考慮にいれても高い場合
は(ステップS9のYES)、次回の射出サイクルで
は、真空バルブ3を開けるタイミングを遅らせるため
に、真空バルブ3を開ける射出プランジャー13の位置
Svoに所定の補正量ΔSを加えて金型側にΔSだけずら
した Sv0+ΔSを次回のサイクルで真空バルブ3が開
らく位置とする(ステップS10)。
【0026】この射出プランジャ13の第1の位置Sv0
の補正は、図2において、真空度曲線Bで表されるよう
に時間軸に沿って記憶した真空度データに基づき行われ
るものである。この場合では、真空バルブ3が完全に閉
じた時点Cでの真空度Hが設定値H0 より高い場合、そ
の真空度の差を時間のずれΔtに換算することができ
る。この時間換算したΔtを射出プランジャ13の位置
の補正量ΔSに対応するものとして考えれば、第1の位
置Sv0をΔSだけ金型側へずらすようにすることで、次
回の射出サイクルでは、真空度曲線B1 で示すような真
空度の変化をたどると予測されるので、真空バルブ3が
閉じた時点Cでの真空度が設定値H0 に制御することが
できる。一方、検出した真空度Hの値が設定値H0 より
も低い場合は(ステップS9のNo)、逆に次回のサイ
クルでは真空バルブ3を開くタイミングを送らせるため
の補正を行う。図3は、真空度Hが低い場合の真空度曲
線Bを示す図である。
【0027】すなわち、ステップS11では、真空度が
低下しすぎた異常値としてあらかじめダイカストマシン
の仕様や鋳造条件に基づいて設定してある真空度の限界
値Zと真空度の検出値Hとを比較する(ステップS1
1)。限界値Zよりも低くなっていれば、例えば、フィ
ルタ8の目づまりによるものと判別し、警報器30およ
びCRT29に警報を表示する信号を出力する(ステッ
プS12)、また、ダイカストマシンの運転停止信号を
出力する(ステップS13)。
【0028】他方、真空度Hが管理値Zまでは低下して
いないが、設定値H0 よりも許容範囲αを考慮しても低
下している場合には(ステップS14のYes)、逆に
真空バルブ3を開くタイミングを早めるために、Svoの
値を前工程における値からΔSだけ減じた値に補正する
(ステップS15)。
【0029】この射出プランジャ13の第1の位置Sv0
の補正は、図2の場合と同様に、真空度曲線Bで表せる
ような真空度データから、真空バルブ3が完全に閉じた
時点Cの真空度Hと設定値H0 との差に応じて時間のず
れΔtを射出プランジャ13の位置の補正量ΔSに換算
する。そして、射出プランジャ13の第1の位置Sv0を
ΔSだけ反金型側へずらした位置に変更して、次回の射
出サイクルを行う。これにより、次の射出サイクルで
は、真空度曲線B2 で示すように真空度が変化すると予
測されるので、真空度を設定値H0 に制御することが可
能となる。
【0030】このストロークSvoは給湯孔12の位置と
の関係からある一定値Eより大きくなければならないの
で、続くステップS16では、補正後のストロークSvo
の値と前記の限界値Eとを比較し、もし補正ストローク
Svoが限界値E以下になっているときは、警報器30に
警報信号を出力する(ステップS16)。
【0031】このようにしてなんらかの原因によって、
真空センサ20によって検出した真空度が高くなってい
る場合には、真空バルブ3を開くタイミングを初期設定
のままで鋳造サイクルを継続すると、キャビティ2の減
圧の進行が早いため、溶湯にガスが巻き込まれる虞があ
るが、実施例によれば、射出プランジャ13の位置と真
空バルブ3の開閉のタイミングを連動させて真空度を制
御するため、真空バルブ3が開く射出プランジャー13
の位置を所定の値だけさらに金型側に進んだ位置に補正
してずらすようになっており、従って、真空バルブが開
いてキャビティ2の減圧を開始するタイミングを遅らせ
ることによって、かかる鋳造品に巣が発生する要因を未
然に排除することができる。
【0032】また、逆に、真空配管4の真空度がフィル
タ8の目詰まり等の原因によって低下しているときは、
真空バルブ3を開く射出プランジャー13の位置を手前
の後退方向に補正してずらすことによって、真空バルブ
3を開くタイミングを早めることができる。したがっ
て、キャビティ2の減圧が早めに開始されるので、キャ
ビティ2の真空度を所定の一定の範囲に自動的に維持す
ることができる。
【0033】次に、図2、図3のような真空度曲線は、
その他の次のようなデータとともに、射出サイクルの
間、CRT29に表示される。図中、曲線Aは、射出プ
ランジャー13の速度の時間的変化を表す射出速度曲線
を表している。真空度曲線BZ は、真空度の管理範囲の
限界を示す曲線である。真空バルブ3を閉じた時点にお
ける真空度Hが限界値Zより低くなったときは、前述し
たようにダイカストマシンが停止するようになってい
る。従って、実測値の真空度曲線Bと、補正の結果、次
回の射出サイクルで予想される真空度曲線B1 、B2 を
同時に表示することにより、リアルタイムで真空度の状
況が視覚的に把握できるようになっている。また、中央
処理装置25は、真空度曲線Bの変曲点Qを演算するこ
とで、真空バルブ3が実際に開いた時点を検出するとと
もに、この変曲点Qと、真空バルブ3に設けたリミット
スイッチ35bから与えられた閉限信号の受信時点Cと
の時間間隔Rを演算する。他方、射出速度曲線Aについ
ては、中央処理装置25は、位置センサ22の出力する
パルス信号を演算処理して、射出速度が低速から高速に
立ち上がる変化点Pを求め、この変化点Pにおける真空
度Xを算出する。この真空度Xが高すぎると、溶湯が勢
いあまりキャビティ2に射出されて真空バルブ3を溶湯
で閉塞するおそれがあるため、真空度Xが、真空バルブ
3が閉じた時点Cでの真空度Hよりも高い場合には、警
報を出すようになっている。図3に例示するように、C
RT29には、以上の真空度曲線B、、B2 、射出速度
曲線Aとともに、モニタ上の所定のパラメータ表示位置
Dに真空バルブ3が開いてから閉じるまでの時間間隔
R、射出速度が立ち上がる時点の真空度X、真空バルブ
が閉じた時点での真空度Hなどの射出サイクルの状況を
監視するのに必要な各種パラメータを表示する。なお、
真空度Hが限界値Zよりも低い場合には、不良品発生の
NGコメントが表示される。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、キャビティ内の真空度を一定に制御するため
に、射出プランジャーの位置と真空バルブの開閉動作を
連動させて、真空度の設定値との差に応じて、次の射出
工程での真空バルブを開く射出プランジャの位置を変更
することにより、キャビティ内の真空度が一定に制御さ
れるので、溶湯がガスを巻き込むことによる巣の発生を
防止し、鋳造品の品質の安定化を達成することができ
る。
【0035】また、設定値よりも以上に低い値が検出さ
れたときには、自動的に警報が発せられ、また、射出サ
イクルの状況は、リアルタイムに表示される真空度曲線
や射出速度曲線により監視できるので、真空ダイカスト
の安定した自動工程を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による真空制御装置の一実施例の構成を
示すを構成図。
【図2】射出サイクル中に真空度が設定値より高い場合
の真空度曲線、射出速度曲線を表示するモニタ画面の例
を示す説明図。
【図3】射出サイクル中に真空度が設定値より低い場合
の真空度曲線、射出速度曲線を表示するモニタ画面の例
を示す説明図。
【図4】本発明による制御装置の動作を表したフローチ
ャート。
【図5】真空ダイカストにおける従来の制御装置を表し
た構成図。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ 3 真空バルブ 4 真空配管 5 真空装置 6 真空タンク 10 溶湯 11 射出スリーブ 12 射出プランジャー 20 真空度センサ 21 リミットスイッチ 22 位置センサ 23 制御装置 30 警報装置

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型内のキャビティの真空度を計測しなが
    ら、前記キャビティに連なる真空系統に設けられた真空
    バルブの開閉を行い、キャビティ内を真空になるように
    吸引しながら溶融金属の加圧成形を行う真空ダイカスト
    方法において、 射出プランジャが第1の位置に前進してきたときに、前
    記真空バルブを開いてキャビティ内のガスの吸引を開始
    し、射出プランジャが第2の位置に到達したときに前記
    真空バルブを閉じてキャビティ内のガスの吸引を停止す
    るとともに、この第2の位置に到達した時点における真
    空系統の真空度と予め設定した真空度とを比較し、第2
    の位置における真空度が高い場合には第1の位置を所定
    距離だけ金型側に移動して変更し、真空度が低い場合に
    は前記第1の位置を所定距離だけ反金型側に移動して変
    更して真空バルブの開閉のタイミングを調整し、次回の
    射出工程では、補正した第1の位置と第2の位置とを前
    記真空バルブの開閉と連動せしめて金型のキャビティの
    真空度を所定の値に保って加圧成形を行うことを特徴と
    する真空ダイカスト方法。
  2. 【請求項2】射出プランジャの前記第2の位置をあらか
    じめ設定し、射出工程開始から時間軸に沿って真空度デ
    ータを計測し、前記射出プランジャの前記第2の位置に
    おける真空度と設定値とを比較し、真空度の差を前記真
    空度データに基づき時間換算し、この時間換算値を射出
    プランジャの位置の補正値に換算して、次回の射出工程
    における射出プランジャの第1の位置を更新し、射出工
    程における射出プランジャの位置と真空バルブの開閉の
    タイミングとを連動させることを特徴とする請求項1に
    記載の真空ダイカスト方法。
  3. 【請求項3】金型内のキャビティに連なる真空系統の開
    閉を行う真空バルブと、キャビティ内を真空になるよう
    に前記真空系統を介して吸引する真空装置を備えた真空
    ダイカスト装置において、真空センサを備え 前記真空系統の真空度を検出する真空
    度検出手段と、 前記射出プランジャーの位置を検出する位置検出手段
    と、 射出工程開始から単位時間ごとに検出した真空度データ
    を記憶する手段と、 前記真空バルブを閉めた時点での真空度と、予め設定し
    た真空度とを比較する真空度比較手段と、 前記真空度データに基づき検出した真空度が前記設定真
    空度よりも高い場合に次回の射出工程で前記真空バルブ
    を開く射出プランジャーの第1の位置を所定距離だけ金
    型側に移動する補正をし、検出した真空度が前記設定真
    空度よりも低い場合に前記第1の位置を所定距離だけ反
    金型側に移動する補正をする真空バルブ開位置補正手段
    を具備したことを特徴とする真空ダイカスト装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の真空ダイカスト装置におい
    て、前記真空バルブが完全に閉塞されたことを検出する
    閉塞限検出器を設け、この閉塞限の出力に基づき前記真
    空バルブの閉塞限検出後の真空度と設定真空度とを比較
    することを特徴とする真空ダイカスト装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の真空ダイカスト
    装置において、検出した真空度が予め定めた真空度限界
    よりも低い場合に警報信号またはダイカストマシンの停
    止信号を発生する警報信号発生手段と、警報信号を受信
    して警報を発する警報器とを具備することを特徴とする
    真空ダイカスト装置。
  6. 【請求項6】請求項3乃至5に記載の真空ダイカスト装
    置において、前記記憶手段に記憶された真空度データ
    と、前記位置検出手段の出力データに基づいて真空度の
    時間的変化と、前記射出プランジャーの速度および射出
    サイクルの状況を表すパラメータを演算する演算手段
    と、前記演算手段の出力に応じて真空度の時間的変化を
    表す真空度曲線と、前記射出プランジャーの速度の時間
    的変化を表す射出速度曲線および前記パラメータを表示
    する表示装置を具備することを特徴とする真空ダイカス
    ト装置。
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