JP3399673B2 - ヘテロ接合バイポーラトランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

ヘテロ接合バイポーラトランジスタおよびその製造方法

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JP3399673B2
JP3399673B2 JP31024494A JP31024494A JP3399673B2 JP 3399673 B2 JP3399673 B2 JP 3399673B2 JP 31024494 A JP31024494 A JP 31024494A JP 31024494 A JP31024494 A JP 31024494A JP 3399673 B2 JP3399673 B2 JP 3399673B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ヘテロ接合バイポー
ラトランジスタ(Heterojunction Bipolar Transistor
s:HBT)の製造方法において、特に選択成長技術を
用いた製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】HBTはその高速性と高い電流駆動力か
ら、次世代の電子デバイスとして研究開発が活性化して
いる。しかし、製造方法が複雑、かつ高い制御性が要求
されるため均一な構造を有するHBTを高い歩留まりで
製造する技術の確立には至っていない。
【0003】以下、製造工程を順に示した断面図である
図18〜図25を用いて従来のHBTの製造方法の一例
を説明する。まず、図18に示す工程において半絶縁性
GaAs基板101の主面上に、MBE(molecular be
am epitaxy)法、MOCVD(metal organic chemical
vapor deposition)法などを用いて、N型GaAsコ
レクタコンタクト層102、N型GaAsコレクタ層1
03、P型GaAsベース層104、N型Al0.26Ga
0.74Asエミッタ層105、N型In0.5Ga0.5Asエ
ミッタコンタクト層106を順に形成して積層構造を形
成する。ここで、各層の厚みおよび不純物濃度を列挙す
ると、N型GaAsコレクタコンタクト層102の厚み
は5000オングストローム、不純物濃度5.0E1
8、N型GaAsコレクタ層103の厚みは7000オ
ングストローム、不純物濃度3.0E16、P型GaA
sベース層104の厚みは700オングストローム、不
純物濃度4.0E19、N型Al0.26Ga0.74Asエミ
ッタ層105の厚みは2500オングストローム、不純
物濃度5.0E19、N型In0.5Ga0.5Asエミッタ
コンタクト層106の厚みは1000オングストロー
ム、不純物濃度4.0E19である。なお、不純物濃度
の単位はatoms/cm3である。
【0004】次に図19に示す工程において、N型In
0.5Ga0.5Asエミッタコンタクト層106の主面上方
からイオン注入を行い、積層構造の表面から内部にかけ
て選択的に絶縁領域IRを形成する。
【0005】次に図20に示す工程において、N型In
0.5Ga0.5Asエミッタコンタクト層106の主面上に
SiON膜107とWSi膜108を順に形成し、Si
ON膜107およびWSi膜108を選択的に除去し
て、SiON膜107およびWSi膜108からなるダ
ミーエミッタDEを形成する。
【0006】次に図21に示す工程において、ダミーエ
ミッタDEをエッチングマスクとしてN型In0.5Ga
0.5Asエミッタコンタクト層106およびN型Al
0.26Ga0.74エミッタ層105を選択的にエッチングし
て、P型GaAsベース層104を露出させる。以後、
これをベース層の「面だし」と呼称する。
【0007】次に図22に示す工程において、ダミーエ
ミッタDEをマスクとして、面だしされたP型GaAs
ベース層104の上に選択的にベース電極109を形成
する。
【0008】次に図23に示す工程において、絶縁領域
IRを選択的にエッチングしてN型GaAsコレクタコ
ンタクト層102を露出させ、露出したN型GaAsコ
レクタコンタクト層102の主面上に選択的にコレクタ
電極110を形成する。
【0009】次に図24に示す工程において、ダミーエ
ミッタDEを除去した後、全面にレジストRSを塗布
し、エミッタコンタクト層106の上部に位置するレジ
ストRSを選択的に除去して、全面に渡ってエミッタ電
極111を形成する。
【0010】次に図25に示す工程において、レジスト
RSおよびレジストRSの上に形成されたエミッタ電極
111を除去した後、全面に渡って保護膜としての絶縁
膜112を形成してHBTの基本構造が完成する。
【0011】ここで、図21に示す工程におけるP型G
aAsベース層104の面だしは、通常ウェットエッチ
ングの手法を用いてN型In0.5Ga0.5Asエミッタコ
ンタクト層106およびN型Al0.26Ga0.74エミッタ
層105を選択的に除去することで達成されるが、エッ
チングがP型GaAsベース層104の表面に達した時
点で正確に停止させることが困難であり、P型GaAs
ベース層104の厚みを均一に保つことが極めて困難で
ある。近年のベース層の薄層化による高速化に対応して
P型GaAsベース層104の厚みは700オングスト
ロームと薄いため、P型GaAsベース層104の厚み
の不均一は、ベース抵抗の不均一につながる。これによ
り、装置ごとに動作特性が均一なデバイスを生産性良く
製造できないという問題を生じることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した問題点を
解消する目的で、選択成長技術を用いたHBTの製造プ
ロセスがいくつか提案されている。例えば、増田宏ら、
信学技報:ED92-132,MW92-135,ICD92-153(1993-01)9、
Paul M.Enquist et al.,IEEEEle
ctron Device Lett.14(1993)
295などに示されているが、完全に問題点を解消した
ものは登場していない。
【0013】本発明は以上のような問題点を解消するた
めになされたものであり、ベース層の薄層化による高速
化に対応してベース層が薄い場合でも、動作特性が装置
ごとに均一で良好なHBTを得ると共に、当該HBTを
歩留まりよく製造するための製造方法を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のヘテロ接合バイポーラトランジスタは、第1導電型
のコレクタ層と、前記第1導電型のコレクタ層の主面上
に選択的に形成された第2導電型のベース層と、前記ベ
ース層の主面上に形成され、前記コレクタ層より大きな
バンドギャップを有する第1導電型のエミッタ層とを備
えるヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、前記
ベース層の外部に、少なくとも前記ベース層の側面に接
するように形成された第2導電型の外部ベース層を備
え、前記コレクタ層が、凸部と、該凸部がほぼ中央に配
置され前記凸部の基礎となる基台部とが一体で形成され
た断面形状を有し、前記ベース層は前記凸部の上面の全
面に渡って形成され、前記外部ベース層は前記コレクタ
層の前記凸部以外の段差部分の表面および前記凸部の側
面と前記ベース層の側面に接するように形成され、エミ
ッタ層の断面形状は、前記ベース層の主面の全面に渡っ
て接する脚部と、前記外部ベース層の上部にオーバハン
グするT字の頭部とで実質的にT字形状をなし、前記頭
部と前記外部ベース層との間に高抵抗半導体層をさらに
備えている。
【0015】
【0016】
【0017】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法は、(a) 第1導電型の
コレクタ層を形成する工程と、(b) 前記コレクタ層の主
面上に第2導電型のベース層を形成する工程と、(c) 前
記ベース層の主面上に選択的にベース形成用マスク層を
形成する工程と、(d) 前記ベース形成用マスク層をマス
クとして、前記ベース形成用マスク層に覆われない前記
ベース層の全部と、前記コレクタ層の一部を選択的に除
去する工程と、(e) 前記ベース形成用マスク層をマスク
として、前記ベース形成用マスク層に覆われていない部
分に、結晶成長法により外部ベース層を形成する工程
と、(f) 前記ベース形成用マスク層を除去する工程と、
(g) 全面にエミッタ形成用マスク層を形成する工程と、
(h) 前記エミッタ形成用マスク層のうち前記ベース層に
対応する部分を選択的に除去して前記ベース層を露出さ
せる工程と、(i) 露出した前記ベース層の主面上に前記
コレクタ層より大きなバンドギャップを有する第1導電
型のエミッタ層を結晶成長法により形成する工程とを備
えている。
【0018】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法は、前記工程(d)が、
前記ベース層を450℃以下の温度下でハロゲン系ガス
を含むガスの雰囲気中に曝し、前記ベース形成用マスク
層に覆われない前記ベース層の表面に形成された酸化膜
を除去する工程を含み、前記工程(i)は、露出した前記
ベース層を450℃以下の温度下で前記ハロゲン系ガス
を含むガスの雰囲気中に曝し、露出した前記ベース層の
表面に形成された酸化膜を除去する工程を含んでいる。
【0019】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法は、前記ベース層がG
aAs系の半導体層であり、前記ハロゲン系ガスを含む
ガスは、少なくともHClガス、水素ガス、アルシンガ
スを含むガスである。
【0020】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法は、(a) 第1導電型の
コレクタ層を形成する工程と、(b) 前記コレクタ層の主
面上に第2導電型のベース層を形成する工程と、(c) 前
記ベース層の主面上に選択的にベース形成用マスク層を
形成する工程と、(d) 前記ベース形成用マスク層をマス
クとして、前記ベース形成用マスク層に覆われない前記
ベース層の全部と、前記コレクタ層の一部を選択的に除
去する工程と、(e) 前記ベース形成用マスク層をマスク
として、前記ベース形成用マスク層に覆われていない部
分に、結晶成長法により外部ベース層を形成する工程
と、(f) 前記外部ベース層上に結晶成長法により高抵抗
半導体層を形成する工程と、(g) 前記ベース形成用マス
ク層を除去する工程と、(h) 全面に前記コレクタ層より
大きなバンドギャップを有する第1導電型のエミッタ層
を結晶成長法により形成する工程とを備えている。
【0021】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法は、前記工程(d)が、
前記ベース層を450℃以下の温度下でハロゲン系ガス
を含むガスの雰囲気中に曝し、前記ベース形成用マスク
層に覆われない前記ベース層の表面に形成された酸化膜
を除去する工程を含み、前記工程(h)は、前記ベース形
成用マスク層に覆われていた前記ベース層と、前記高抵
抗半導体層を450℃以下の温度下でハロゲン系ガスを
含む雰囲気中に曝し、前記ベース層および前記高抵抗半
導体層の表面に形成された酸化膜を除去する工程を含ん
でいる。
【0022】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法は、前記ベース層およ
び前記高抵抗半導体層がGaAs系の半導体層であり、
前記ハロゲン系ガスを含むガスは、少なくともHClガ
ス、水素ガス、アルシンガスを含むガスである。
【0023】
【作用】本発明に係る請求項1記載のヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタによれば、ベース層の外部に、少なく
ともベース層の側面に接するように形成された第2導電
型の外部ベース層を備えているので、ベース層の主面の
ほぼ全域に渡ってエミッタ層を形成することにより、エ
ミッタ層直下の領域と外部ベース層との間に介在するベ
ース層の長さは僅かとなり、ベース層を薄くした場合に
もベース抵抗を低減することができる。また、エミッタ
層の断面形状が実質的にT字形状をなし、脚部がベース
層の主面の全面に接しているので、ベース層のエミッタ
層直下の領域と外部ベース層との間には、実質的にベー
ス層が介在しないことになり、ベース層を薄くした場合
にもベース抵抗を低減することができる。また、頭部が
外部ベース層の上部にオーバハングするように形成され
ているので、電気的な接続を行う場合に接触面積を広く
取ることができ、接触抵抗を低減することができる。こ
こで、頭部と外部ベース層との間には高抵抗半導体層を
さらに備えているので、エミッタ層と外部ベース層との
間で、望ましくない経路を通って電流が流れることが防
止される。
【0024】
【0025】
【0026】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、ベース層の
主面上には工程の途中で除去すべき半導体層が形成され
ないので、当該半導体層を除去してベース層を露出させ
る必要がなくなる。従って、精密な制御性が要求される
ベース層の露出工程が省略されて、製造方法が簡略化さ
れると共に、ベース層の露出工程に伴ってベース層が不
必要に除去されることが回避され、ベース層は形成時の
厚みを保つことになる。ベース層は極めて制御性よく形
成することが可能であるので、ベース抵抗の均一化を容
易に実現することができる。
【0027】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、工程(d)
が、ベース層を450℃以下の温度下でハロゲン系ガス
を含むガスの雰囲気中に曝し、ベース形成用マスク層に
覆われないベース層の表面に形成された酸化膜を除去す
る工程を含んでいるので、工程(d)において除去されず
に残ったコレクタ層の表面に酸化膜が残跡することが防
止され、工程(e)において形成される外部ベース層の結
晶性が良好となる。また工程(i)が、露出したベース層
を450℃以下の温度下でハロゲン系ガスを含むガスの
雰囲気中に曝し、露出したベース層の表面に形成された
酸化膜を除去する工程を含んでいるので、露出したベー
ス層の主面上に形成されるエミッタ層の結晶性が良好と
なる。
【0028】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、ベース層が
GaAs系の半導体層である場合に、少なくともHCl
ガス、水素ガス、アルシンガスを含むガスが、450℃
以下の温度下にあるベース層に接触することにより、ベ
ース層の表面に形成された酸化膜が、吸着および脱離の
連続的な反応により除去されることになる。
【0029】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、ベース層の
主面上には工程の途中で除去すべき半導体層が形成され
ないので、当該半導体層を除去してベース層を露出させ
る必要がなくなる。従って、精密な制御性が要求される
ベース層の露出工程が省略されて、製造方法が簡略化さ
れると共に、ベース層の露出工程に伴ってベース層が不
必要に除去されることが回避され、ベース層は形成時の
厚みを保つことになる。ベース層は極めて制御性よく形
成することが可能であるので、ベース抵抗の均一化を容
易に実現することができる。また、外部ベース層および
エミッタ層の形成に際してもベース形成用マスクが使用
されるので、外部ベース層およびエミッタ層がセルフア
ラインで形成されることになり、外部ベース層およびエ
ミッタ層の形成のために新たなマスクを必要とする場合
に比べて製造工程を短縮することができる。
【0030】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、工程(d)
が、ベース層を450℃以下の温度下でハロゲン系ガス
を含む雰囲気中に曝し、ベース形成用マスク層に覆われ
ないベース層の表面に形成された酸化膜を除去する工程
を含んでいるので、工程(d)において除去されずに残っ
たコレクタ層の表面に酸化膜が残跡することが防止さ
れ、工程(e)において形成される外部ベース層および、
工程(f)において形成される高抵抗半導体層の結晶性が
良好となる。また工程(h)が、ベース形成用マスク層に
覆われていたベース層と、高抵抗半導体層を450℃以
下の温度下でハロゲン系ガスを含むガスの雰囲気中に曝
し、ベース層および高抵抗半導体層の表面に形成された
酸化膜を除去する工程を含んでいるので、露出したベー
ス層および高抵抗半導体層の主面上に形成されるエミッ
タ層の結晶性が良好となる。
【0031】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、ベース層お
よび高抵抗半導体層がGaAs系の半導体層である場合
に、少なくともHClガス、水素ガス、アルシンガスを
含むガスが、450℃以下の温度下にあるベース層、外
部ベース層および高抵抗半導体層に接触することによ
り、ベース層、外部ベース層および高抵抗半導体層の表
面に形成された酸化膜が、吸着および脱離の連続的な反
応により除去されることになる。
【0032】
【実施例】
<第1の実施例>以下、本発明に係る第1の実施例とし
て、HBT1000の構成およびその製造方法について
説明する。まず、製造工程を順に示した断面図である図
1〜図9を用いて製造方法について説明する。
【0033】図1に示す工程において、半絶縁性のGa
As基板1の主面上にMOCVD法などを用いて、Ga
Asバッファ層2、N+型GaAsコレクタコンタクト
層3、N型GaAsコレクタ層4、P型GaAsベース
層5を順に形成して積層構造を形成し、P型GaAsベ
ース層5の主面上にプラズマCVD法によりベース形成
用SiN層6を選択的に形成する。ここでベース形成用
SiN層6は後にベース領域として残る部分に形成され
る。なお、ベース層は下部に形成される半導体層と上部
に形成される半導体層の組成に合わせて、下部側と上部
側でその組成比がグレーデッドに異なっているように形
成される場合もある。
【0034】次に図2に示す工程において、ベース形成
用SiN層6をマスクとして、P型GaAsベース層5
およびN+型GaAsコレクタ層4を選択的に除去す
る。
【0035】次に図3に示す工程において、ベース形成
用SiN層6に覆われていないP型GaAsベース層5
の側面およびN型GaAsコレクタ層4の表面に接する
ように、MOCVD法を用いてP+型GaAs外部ベー
ス層7を選択的に成長させる。
【0036】次に図4に示す工程において、ベース形成
用SiN層6を除去した後、プラズマCVD法により全
面に渡ってエミッタ形成用SiN層8を形成する。
【0037】次に図5に示す工程において、P型GaA
sベース層5のエミッタを形成する部分に対応するエミ
ッタ形成用SiN層8を選択的に除去して開口部OPを
形成する。
【0038】次に図6に示す工程において、エミッタ形
成用SiN層8をマスクとして開口部OP、すなわちP
型GaAsベース層5の上に、MOCVD法を用いてN
型AlGaAsエミッタ層9およびN+型InGaAs
エミッタコンタクト層10を順次選択的に成長させる。
【0039】次に図7に示す工程において、エミッタ形
成用SiN層8を除去した後、P+型GaAs外部ベー
ス層7およびN型GaAsコレクタ層4を選択的に除去
して、N+型GaAsコレクタコンタクト層3の表面を
露出させる。
【0040】次に図8に示す工程において、N+型In
GaAsエミッタコンタクト層10の主面上にエミッタ
電極11を、残されたP+型GaAs外部ベース層7の
主面上にベース電極12を、露出したN+型GaAsコ
レクタコンタクト層3の主面上にコレクタ電極13を形
成する。
【0041】最後に全面に渡って保護膜としての絶縁膜
14を形成することで、図9に示すようにHBT100
0の基本構造が完成する。
【0042】以上説明したように、本発明に係るHBT
の製造方法によれば、P型GaAsベース層5の主面上
には工程の途中で除去すべき半導体層が形成されないの
で、当該半導体層を除去してP型GaAsベース層5の
面だしを行う必要がなくなる。従って、精密なエッチン
グ制御を要求される面だし工程が省略されて、製造方法
が簡略化されると共に、面だしに伴ってP型GaAsベ
ース層5が不必要に除去されることが回避され、P型G
aAsベース層5は形成時の厚みを保つことになる。P
型GaAsベース層5は形成は極めて制御性よく形成す
ることが可能であるので、ベース抵抗の均一化を容易に
実現することができ、動作特性が均一なHBTを歩留ま
りよく製造することが可能となる。
【0043】次に、製造工程の最終工程を示す断面図で
ある図9を用いて、HBT1000の特徴について説明
する。図25に示した従来のHBTでは、N型Al0.26
Ga0.74Asエミッタ層105の直下の領域とベース電
極109とは厚さ700オングストローム程度のP型G
aAsベース層104で接続される構成となっているの
で、ベース抵抗が高くなっている。また、図21を用い
て説明したように、従来のHBTはその製造においてP
型GaAsベース層104を面だしする必要があるの
で、P型GaAsベース層104の厚みが不均一であ
り、HBTの特性が素子ごとに不均一であった。
【0044】一方、図9に示す本発明に係るHBT10
00は、P型GaAsベース層5の側面に直接接するよ
うにP+型GaAs外部ベース層7を設けているので、
P型GaAsベース層5の主面のほぼ全域に渡ってN型
AlGaAsエミッタ層9を形成することにより、N型
AlGaAsエミッタ層9の直下の領域(この部分を活
性ベース領域と呼称)とP+型GaAs外部ベース層7
との間に介在する薄いP型GaAsベース層5(この部
分を不活性ベース領域と呼称)の長さは僅かとなり、ベ
ース抵抗を低減することができる。このことはベース層
の薄層化による高速化に対応したヘテロ接合バイポーラ
トランジスタを得ることができることを意味している。
ここで、不活性ベース領域の長さは短ければ短いほど良
い。
【0045】また、HBT1000の製造過程において
はP型GaAsベース層5の面だし工程が不要なので、
P型GaAsベース層5の厚みが均一なHBTが得られ
ることになる。
【0046】<第2の実施例>本発明に係る第2の実施
例として、HBT2000の構成およびその製造方法に
ついて説明する。まず、製造工程を順に示した断面図で
ある図10〜図17を用いて製造方法について説明す
る。
【0047】図10に示す工程において、半絶縁性のG
aAs基板1の主面上にMOCVD法などを用いて、G
aAsバッファ層2、N+型GaAsコレクタコンタク
ト層3、N型GaAsコレクタ層4、P型GaAsベー
ス層5を順に形成して積層構造を形成し、P型GaAs
ベース層5の主面上にプラズマCVD法によりベース形
成用SiN層6を選択的に形成する。ここで、ベース形
成用SiN層6は後にベース領域として残る部分に形成
される。なお、ベース層は下部に形成される半導体層と
上部に形成される半導体層の組成に合わせて、下部側と
上部側でその組成比がグレーデッドに異なっているよう
に形成される場合もある。
【0048】次に図11に示す工程において、ベース形
成用SiN層6をマスクとして、P型GaAsベース層
5およびN+型GaAsコレクタ層4を選択的に除去す
る。
【0049】次に図12に示す工程において、ベース形
成用SiN層6に覆われていないP型GaAsベース層
5の側面に接するように、MOCVD法を用いてP+
GaAs外部ベース層7を選択的に成長させた後、P+
型GaAs外部ベース層7の表面上に高抵抗GaAs層
15を選択的に成長させる。高抵抗GaAs層15は、
例えば酸素をGaAs層にドープすることで形成するこ
とができ、その抵抗値は5×103Ωcm以上となるよ
うに形成される。また、高抵抗層として高抵抗AlGa
As層を用いる場合もある。
【0050】ここで、N型AlGaAsエミッタ層9お
よびP+型GaAs外部ベース層7が同じベース形成用
SiN層6をマスクとして形成される、すなわちN型A
lGaAsエミッタ層9およびP+型GaAs外部ベー
ス層7がセルフアラインで形成されることになる。
【0051】次に図13に示す工程において、ベース形
成用SiN層6を除去する。
【0052】次に図14に示す工程において、全面に渡
ってMOCVD法を用いてN型AlGaAsエミッタ層
9およびN+型InGaAsエミッタコンタクト層10
を順次成長させる。
【0053】次に図15に示す工程において、N型Al
GaAsエミッタ層9およびN+型InGaAsエミッ
タコンタクト層10を選択的に除去してP+型GaAs
外部ベース層7の表面を露出させた後、P+型GaAs
外部ベース層7およびN型GaAsコレクタ層4を選択
的に除去して、N+型GaAsコレクタコンタクト層3
の表面を露出させる。
【0054】次に図16に示す工程において、N+型I
nGaAsエミッタコンタクト層10の主面上にエミッ
タ電極11を、残されたP+型GaAs外部ベース層7
の主面上にベース電極12を、露出したN+型GaAs
コレクタコンタクト層3の主面上にコレクタ電極13を
形成する。
【0055】最後に全面に渡って保護膜としての絶縁膜
14を形成することで、図17に示すようにHBT20
00の基本構造が完成する。
【0056】以上説明したように、本発明に係るHBT
の製造方法によれば、P型GaAsベース層5の主面上
には、工程の途中で除去すべき他の半導体層が形成され
ないので、当該他の半導体層を除去してP型GaAsベ
ース層5の面だしを行う必要がなくなる。従って、精密
なエッチング制御を要求される面だし工程が省略され
て、製造方法が簡略化されると共に、面だしに伴ってP
型GaAsベース層5が不必要に除去されることが回避
され、P型GaAsベース層5は形成時の厚みを保つこ
とになる。P型GaAsベース層5は形成は極めて制御
性よく形成することが可能であるので、ベース抵抗の均
一化を容易に実現することができ、素子特性が均一なH
BTを歩留まりよく製造することが可能となる。
【0057】また、N型AlGaAsエミッタ層9およ
びP+型GaAs外部ベース層7がセルフアラインで形
成されるために、本発明の第1の実施例として示したH
BT1000の製造工程と比較してもさらに工程の簡略
化が可能であり歩留まりを向上することができる。
【0058】次に、製造工程の最終工程を示す断面図で
ある図17を用いて、HBT2000の特徴について説
明する。図25に示す従来のHBTでは、既に説明した
ようにベース抵抗が高いという問題があった。また、図
21を用いて説明したように、従来のHBTはその製造
においてP型GaAsベース層104を面だしする必要
があるので、P型GaAsベース層104の厚みが不均
一であり、HBTの特性が装置ごとに不均一であった。
【0059】一方、図17に示す本発明に係るHBT2
000は、HBT1000と同様に、P型GaAsベー
ス層5の側面に直接接するようにP+型GaAs外部ベ
ース層7が設けられ、かつ、N型AlGaAsエミッタ
層9の断面形状が、P型GaAsベース層5の主面全域
に渡って接触する脚部と、P+型GaAs外部ベース層
7の上部にオーバハングする頭部とで実質的にT字形状
をなしているので、活性ベース領域とP+型GaAs外
部ベース層7との間には不活性ベース領域が介在せず、
HBT1000に比べてベース抵抗をさらに低減するこ
とができる。また、頭部がP+型GaAs外部ベース層
7の上部にオーバハングするように形成されているの
で、エミッタ電極11との接触面積を広く取ることがで
き、接触抵抗を低減することができる。このことはベー
ス層の薄層化に加えてエミッタ電極11の接触抵抗を低
減することによる高速化に対応したヘテロ接合バイポー
ラトランジスタを得ることができることを意味してい
る。
【0060】なお、N型AlGaAsエミッタ層9とベ
ース電極12との間には高抵抗GaAs層15が設けら
れているので、N型AlGaAsエミッタ層9とベース
電極12との間で、望ましくない経路を通って電流が流
れることが防止される。
【0061】また、HBT2000の製造過程において
もP型GaAsベース層5の面だし工程が不要なので、
P型GaAsベース層5の厚みが均一なHBTが得られ
る。
【0062】<変形例>以上説明した本発明に係る第1
および第2の実施例においては、HBT1000および
HBT2000をGaAs系の材質を用いて構成した例
を示したが、HBTを形成できる材質であれば良く、例
えばInGaAs系の材質を用いて構成しても良い。
【0063】特に、HBT2000に用いられた高抵抗
GaAs層15は必ずしもGaAsである必要はなく、
上部および下部の半導体層との格子整合が得られる材質
であれば、高抵抗AlGaAs層、あるいは高抵抗Al
InAs層などを用いても同様の効果を奏する。
【0064】<第3の実施例>本発明に係る第1および
第2の実施例では、HBT1000およびHBT200
0における半導体層の選択成長工程に先立つ各層の選択
的除去工程において、具体的な除去の手法を示していな
かった。これは、従来からの一般的なドライあるいはウ
エットエッチング装置を用いて各層の選択的除去を行
い、次に一般的なMOCVD装置を用いて選択成長を行
っても良いことを示唆している。しかし、エッチングに
際しての被エッチング面の清浄化処理や、選択成長に際
しての成長層形成面の清浄化処理を行い、大気に曝すこ
となく連続して選択成長を行うことで、HBTの信頼性
を飛躍的に向上させることができる。
【0065】以下に本発明に係る第3の実施例として、
被エッチング面の清浄化処理および成長層形成面の清浄
化処理を行い、大気に曝すことなく連続して選択成長を
行う手法を適用したHBT1000の製造方法について
説明する。
【0066】まず、第1の実施例の図1に示すように、
半絶縁性のGaAs基板1の主面上にMOCVD法など
を用いて、GaAsバッファ層2、N+型GaAsコレ
クタコンタクト層3、N型GaAsコレクタ層4、P型
GaAsベース層5を順に形成して積層構造を形成し、
P型GaAsベース層5の主面上にプラズマCVD法に
よりベース形成用SiN層6を選択的に形成する。この
状態ではP型GaAsベース層5の表面には酸化膜など
が形成されている場合がある。
【0067】そこで、MOCVDを行った反応室内に水
素ガスとアルシン(AsH3)ガスを導入し、上記半導
体層の積層体(以後試料と呼称)を350℃の温度まで
昇温する。350℃の温度を保持しながら、HClガス
を導入して100分間処理を行い、P型GaAsベース
層5の表面上の酸化膜を完全に除去する。
【0068】この酸化膜の除去は、HCl等のハロゲン
を構成元素とするガス(以下ハロゲン系ガスとする)が
酸化膜に対して、連続的に吸着と脱離を繰り返すことに
より行われる。この工程を「低温HCl処理」と呼称す
る。なお、この低温HCl処理の温度は450℃以下の
温度であれば良い。
【0069】この場合の低温HCl処理は、水素流量:
2.5slm(リットル毎分)、AsH3(20%)流
量:10sccm(cc毎分)、HCl(10%)流
量:40sccmの条件により行った。ここで、アルシ
ンは、低温HCl処理を行う際の、GaAs層の表面か
らのAsの脱離を調整するために加えられたものであっ
て、Asを構成元素としたガスであればターシャリブチ
ルアルシン(C49AsH2)等などでも良い。また、
本実施例においては、AsH3/HCl比は0.5とし
たが、この値は表面状態を良好なものとする場合におい
て最適化された流量比である。
【0070】なお、低温HCl処理においてはHClガ
スによりベース形成用SiN層6に覆われていないP型
GaAsベース層5もエッチングされ、そのエッチング
量は上記処理時間では約100オングストロームとな
る。
【0071】次に図2に示す工程において、ベース形成
用SiN層6をマスクとして、P型GaAsベース層5
およびN+型GaAsコレクタ層4を選択的に除去す
る。この場合、試料を750℃の温度まで昇温し、水
素、アルシン、HClの各流量を低温HCl処理と同様
の条件として通常のHClガスエッチングの手法を用い
る。
【0072】次に図3に示す工程において、ベース形成
用SiN層6に覆われていないP型GaAsベース層5
の表面およびN型GaAsコレクタ層4の表面に接する
ように、MOCVD法を用いてP+型GaAs外部ベー
ス層7を選択的に成長させる。この場合、P型GaAs
ベース層5の表面、すなわち成長界面は清浄化されてい
るので、P+型GaAs外部ベース層7の結晶性は良好
となる。
【0073】次に図4に示す工程において、ベース形成
用SiN層6を除去した後、プラズマCVD法により全
面に渡ってエミッタ形成用SiN層8を形成する。
【0074】次に図5に示す工程において、P型GaA
sベース層5のエミッタを形成する部分に対応するエミ
ッタ形成用SiN層8を選択的に除去して開口部OPを
形成する。この状態ではP型GaAsベース層5の表面
には酸化膜などが形成されている場合があるので、低温
HCl処理により酸化膜を除去する。低温HCl処理の
条件は前述した条件と同様であるが、HClガスにより
P型GaAsベース層5がエッチングされることを防ぐ
ため、処理時間は短くする。
【0075】次に図6に示す工程において、開口部O
P、すなわちP型GaAsベース層5の上に、MOCV
D法を用いてN型AlGaAsエミッタ層9およびN+
型InGaAsエミッタコンタクト層10を順次選択的
に成長させる。この場合、P型GaAsベース層5の表
面、すなわち成長界面は清浄化されているので、N型A
lGaAsエミッタ層9の結晶性は良好となり、それに
伴ってN+型InGaAsエミッタコンタクト層10の
結晶性も良好となる。以後の工程は図7〜図9示した第
1の実施例の工程と同様であるので省略する。
【0076】なお、低温HCl処理から成長層の形成ま
での工程は同一の反応室内において連続して行うことが
望ましいが、試料が大気に触れなければ低温HCl処理
およびHClガスエッチングとMOCVD法による結晶
成長とを別個の反応室で行っても良い。すなわち、低温
HCl処理およびHClガスエッチングを専用の反応室
内にて行い、試料を大気に触れない搬送経路を介してM
OCVD法専用の反応室に送ってMOCVD法による結
晶成長を行っても良い。
【0077】また、その他の工程のために試料を大気に
曝す場合があっても、成長層を形成する前に低温HCl
処理を施すことで、酸化膜は完全に除去されるので問題
はない。
【0078】以上の工程を経て製造されたHBT100
0は、P+型GaAs外部ベース層7、N型AlGaA
sエミッタ層9およびN+型InGaAsエミッタコン
タクト層10などの成長層の結晶性および成長界面の清
浄度は、連続成長で形成した成長層の結晶性および成長
界面の清浄度と同等のレベルまで向上させることができ
るので、リーク電流の発生を抑えた、良好な動作特性を
有するHBTが得られる。
【0079】<第4の実施例>以下に本発明に係る第4
の実施例として、被エッチング面の清浄化処理および成
長層形成面の清浄化処理を行い、大気に曝すことなく連
続して選択成長を行う手法を適用したHBT2000の
製造方法について説明する。
【0080】まず、第1の実施例の図10に示すよう
に、半絶縁性のGaAs基板1の主面上にMOCVD法
などを用いて、GaAsバッファ層2、N+型GaAs
コレクタコンタクト層3、N型GaAsコレクタ層4、
P型GaAsベース層5を順に形成して積層構造を形成
し、P型GaAsベース層5の主面上にプラズマCVD
法によりベース形成用SiN層6を選択的に形成する。
この状態ではP型GaAsベース層5の表面には酸化膜
などが形成されている場合がある。この状態ではP型G
aAsベース層5の表面には酸化膜などが形成されてい
る場合がある。
【0081】そこで、第3の実施例と同様の条件で低温
HCl処理を施すことで、P型GaAsベース層5の表
面上の酸化膜を完全に除去する。
【0082】次に図11に示す工程において、ベース形
成用SiN層6をマスクとして、P型GaAsベース層
5およびN+型GaAsコレクタ層4を選択的に除去す
る。この場合、先に示した通常のHClガスエッチング
の手法を用いる。
【0083】次に図12に示す工程において、ベース形
成用SiN層6に覆われていないP型GaAsベース層
5の表面およびN型GaAsコレクタ層4の表面に接す
るように、MOCVD法を用いてP+型GaAs外部ベ
ース層7を選択的に成長させた後、P+型GaAs外部
ベース層7の表面上に高抵抗GaAs層15を選択的に
成長させる。この場合、P型GaAsベース層5の表
面、すなわち成長界面は清浄化されているので、P+
GaAs外部ベース層7および高抵抗GaAs層15の
結晶性は良好となる。
【0084】次に図13に示す工程において、ベース形
成用SiN層6を除去する。続いて、全面に渡って低温
HCl処理を施すことで不要な酸化膜を除去する。低温
HCl処理の条件は前述した条件と同様であるが、HC
lガスによりP型GaAsベース層5がエッチングされ
ることを防ぐため、処理時間は短くする。
【0085】次に図14に示す工程において、全面に渡
ってMOCVD法を用いてN型AlGaAsエミッタ層
9およびN+型InGaAsエミッタコンタクト層10
を順次成長させる。この場合、P型GaAsベース層5
の表面および高抵抗GaAs層15の表面、すなわち成
長界面は清浄化されているので、GaAsエミッタ層9
およびN+型InGaAsエミッタコンタクト層10の
結晶性は良好となる。以後の工程は図15〜図17に示
した第2の実施例の工程と同様であるので省略する。
【0086】なお、低温HCl処理から成長層の形成ま
での工程は同一の反応室内において連続して行うことが
望ましいが、試料が大気に触れなければ低温HCl処理
およびHClガスエッチングとMOCVD法による結晶
成長とを別個の反応室で行っても良い。すなわち、低温
HCl処理およびHClガスエッチングを専用の反応室
内にて行い、試料を大気に触れない搬送経路を介してM
OCVD法専用の反応室に送ってMOCVD法による結
晶成長を行っても良い。
【0087】また、その他の工程のために試料を大気に
曝す場合があっても、成長層を形成する前に低温HCl
処理を施すことで、酸化膜は完全に除去されるので問題
はない。
【0088】以上の工程を経て製造されたHBT200
0は、P+型GaAs外部ベース層7、高抵抗GaAs
層15、N型AlGaAsエミッタ層9およびN+型I
nGaAsエミッタコンタクト層10などの成長層の結
晶性および成長界面の清浄度は、連続成長で形成した成
長層の結晶性および成長界面の清浄度と同等のレベルま
で向上させることができるので、リーク電流の発生を抑
えた、良好な動作特性を有するHBTが得られる。
【0089】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載のヘテロ接合
バイポーラトランジスタによれば、エミッタ層直下の領
域と外部ベース層との間に介在するベース層の長さは僅
かとなり、ベース層を薄くした場合にもベース抵抗を低
減することができるので、ベース層の薄層化による高速
化に対応したヘテロ接合バイポーラトランジスタを得る
ことができる。また、ベース層を薄くした場合にもベー
ス抵抗を低減することができ、エミッタ層に電気的な接
続を行う場合に接触面積を広く取ることができるので、
ベース層の薄層化に加えて接触抵抗を低減することによ
る高速化に対応したヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の具体的な構成が得られる。
【0090】
【0091】
【0092】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、精密な制御
性が要求されるベース層の露出工程が省略されて、製造
方法が簡略化されると共に、ベース層の露出工程に伴っ
てベース層が不必要に除去されることが回避され、ベー
ス層は形成時の厚みを保つことになりベース抵抗の均一
化を容易に実現することができる。
【0093】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、工程(d)に
おいて除去されずに残ったコレクタ層の表面に酸化膜が
残跡することが防止され、工程(e)において形成される
外部ベース層の結晶性が良好となり、露出したベース層
の主面上に形成されるエミッタ層の結晶性が良好となる
ので、リーク電流の発生を抑えた、良好な動作特性を有
するHBTが得られる。
【0094】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、ベース層の
表面に形成された酸化膜が、吸着および脱離の連続的な
反応により除去されることになるので、成長界面の清浄
度を連続成長で形成した場合と同程度までに向上させる
ことができ、成長層の結晶性を良好にすることができ
る。
【0095】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、精密な制御
性が要求されるベース層の露出工程が省略されて、製造
方法が簡略化されると共に、ベース層の露出工程に伴っ
てベース層が不必要に除去されることが回避され、ベー
ス層は形成時の厚みを保つことになりベース抵抗の均一
化を容易に実現することができる。また、外部ベース層
およびエミッタ層がセルフアラインで形成されることに
なり、外部ベース層およびエミッタ層の形成のために新
たなマスクを必要とする場合に比べて製造工程を短縮す
ることができる。
【0096】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、工程(d)に
おいて除去されずに残ったコレクタ層の表面に酸化膜が
残跡することが防止され、工程(e)において形成される
外部ベース層および、工程(f)において形成される高抵
抗半導体層の結晶性が良好となる。また工程(h)におい
てベース層と高抵抗半導体層の主面上に形成されるエミ
ッタ層の結晶性が良好となるので、リーク電流の発生を
抑えた、良好な動作特性を有するHBTが得られる。
【0097】本発明に係る請求項記載のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法によれば、ベース層、
外部ベース層および高抵抗半導体層の表面に形成された
酸化膜が、吸着および脱離の連続的な反応により除去さ
れ、成長界面の清浄度を連続成長で形成した場合と同程
度までに向上させることができ、成長層の結晶性を良好
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施例のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図2】 本発明に係る第1の実施例のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図3】 本発明に係る第1の実施例のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図4】 本発明に係る第1の実施例のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図5】 本発明に係る第1の実施例のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図6】 本発明に係る第1の実施例のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図7】 本発明に係る第1の実施例のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図8】 本発明に係る第1の実施例のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図9】 本発明に係る第1の実施例のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程の最終工程を示す図であ
る。
【図10】 本発明に係る第2の実施例のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図11】 本発明に係る第2の実施例のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図12】 本発明に係る第2の実施例のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図13】 本発明に係る第2の実施例のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図14】 本発明に係る第2の実施例のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図15】 本発明に係る第2の実施例のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図16】 本発明に係る第2の実施例のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造工程を示す図である。
【図17】 本発明に係る第2の実施例のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造工程の最終工程を示す図で
ある。
【図18】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造工程を示す図である。
【図19】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造工程を示す図である。
【図20】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造工程を示す図である。
【図21】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造工程を示す図である。
【図22】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造工程を示す図である。
【図23】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造工程を示す図である。
【図24】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造工程を示す図である。
【図25】 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造工程の最終工程を示す図である。
【符号の説明】
4 N型GaAsコレクタ層、5 P型GaAsベース
層、6 ベース形成用SiN層、P+型GaAs外部ベ
ース層、8 エミッタ形成用SiN層、9 N型AlG
aAsエミッタ層、10 N+型InGaAsエミッタ
コンタクト層、11 エミッタ電極、12 ベース電
極、13 コレクタ電極、14 絶縁膜、15 高抵抗
GaAs層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/331 H01L 29/737

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型のコレクタ層と、前記第1導
    電型のコレクタ層の主面上に選択的に形成された第2導
    電型のベース層と、前記ベース層の主面上に形成され、
    前記コレクタ層より大きなバンドギャップを有する第1
    導電型のエミッタ層とを備えるヘテロ接合バイポーラト
    ランジスタにおいて、 前記ベース層の外部に、少なくとも前記ベース層の側面
    に接するように形成された第2導電型の外部ベース層を
    え、 前記コレクタ層は、凸部と、該凸部がほぼ中央に配置さ
    れ前記凸部の基礎となる基台部とが一体で形成された断
    面形状を有し、 前記ベース層は前記凸部の上面の全面に渡って形成さ
    れ、 前記外部ベース層は前記コレクタ層の前記凸部以外の段
    差部分の表面および前記凸部の側面と前記ベース層の側
    面に接するように形成され、 エミッタ層の断面形状は、前記ベース層の主面の全面に
    渡って接する脚部と、前記外部ベース層の上部にオーバ
    ハングするT字の頭部とで実質的にT字形状をなし、 前記頭部と前記外部ベース層との間に高抵抗半導体層を
    さらに備え ることを特徴とするヘテロ接合バイポーラト
    ランジスタ。
  2. 【請求項2】 (a) 第1導電型のコレクタ層を形成する
    工程と、 (b) 前記コレクタ層の主面上に第2導電型のベース層を
    形成する工程と、 (c) 前記ベース層の主面上に選択的にベース形成用マス
    ク層を形成する工程と、 (d) 前記ベース形成用マスク層をマスクとして、前記ベ
    ース形成用マスク層に覆われない前記ベース層の全部
    と、前記コレクタ層の一部を選択的に除去する工程と、 (e) 前記ベース形成用マスク層をマスクとして、前記ベ
    ース形成用マスク層に覆われていない部分に、結晶成長
    法により外部ベース層を形成する工程と、 (f) 前記ベース形成用マスク層を除去する工程と、 (g) 全面にエミッタ形成用マスク層を形成する工程と、 (h) 前記エミッタ形成用マスク層のうち前記ベース層に
    対応する部分を選択的に除去して前記ベース層を露出さ
    せる工程と、 (i) 露出した前記ベース層の主面上に前記コレクタ層よ
    り大きなバンドギャップを有する第1導電型のエミッタ
    層を結晶成長法により形成する工程とを備えるヘテロ接
    合バイポーラトランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(d)は、前記ベース層を450
    ℃以下の温度下でハロゲン系ガスを含むガスの雰囲気中
    に曝し、前記ベース形成用マスク層に覆われない前記ベ
    ース層の表面に形成された酸化膜を除去する工程を含
    み、 前記工程(i)は、露出した前記ベース層を450℃以下
    の温度下で前記ハロゲン系ガスを含むガスの雰囲気中に
    曝し、露出した前記ベース層の表面に形成された酸化膜
    を除去する工程を含む請求項記載のヘテロ接合バイポ
    ーラトランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ベース層はGaAs系の半導体層で
    あり、 前記ハロゲン系ガスを含むガスは、少なくともHClガ
    ス、水素ガス、アルシンガスを含むガスである請求項
    記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 (a) 第1導電型のコレクタ層を形成する
    工程と、 (b) 前記コレクタ層の主面上に第2導電型のベース層を
    形成する工程と、 (c) 前記ベース層の主面上に選択的にベース形成用マス
    ク層を形成する工程と、 (d) 前記ベース形成用マスク層をマスクとして、前記ベ
    ース形成用マスク層に覆われない前記ベース層の全部
    と、前記コレクタ層の一部を選択的に除去する工程と、 (e) 前記ベース形成用マスク層をマスクとして、前記ベ
    ース形成用マスク層に覆われていない部分に、結晶成長
    法により外部ベース層を形成する工程と、 (f) 前記外部ベース層上に結晶成長法により高抵抗半導
    体層を形成する工程と、 (g) 前記ベース形成用マスク層を除去する工程と、 (h) 全面に前記コレクタ層より大きなバンドギャップを
    有する第1導電型のエミッタ層を結晶成長法により形成
    する工程とを備えるヘテロ接合バイポーラトランジスタ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(d)は、前記ベース層を450
    ℃以下の温度下でハロゲン系ガスを含むガスの雰囲気中
    に曝し、前記ベース形成用マスク層に覆われない前記ベ
    ース層の表面に形成された酸化膜を除去する工程を含
    み、 前記工程(h)は、前記ベース形成用マスク層に覆われて
    いた前記ベース層と、前記高抵抗半導体層を450℃以
    下の温度下でハロゲン系ガスを含む雰囲気中に曝し、前
    記ベース層および前記高抵抗半導体層の表面に形成され
    た酸化膜を除去する工程を含む請求項記載のヘテロ接
    合バイポーラトランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ベース層および前記高抵抗半導体層
    はGaAs系の半導体層であり、 前記ハロゲン系ガスを含むガスは、少なくともHClガ
    ス、水素ガス、アルシンガスを含むガスである請求項
    記載のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
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