JPH07211729A - ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びその製造方法Info
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- JPH07211729A JPH07211729A JP695394A JP695394A JPH07211729A JP H07211729 A JPH07211729 A JP H07211729A JP 695394 A JP695394 A JP 695394A JP 695394 A JP695394 A JP 695394A JP H07211729 A JPH07211729 A JP H07211729A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、ベース電極のコンタクト抵抗を低減
し、電流利得を高く維持することができるHBT及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】n型GaAsコレクタ層10上のp型GaAs
ベース層12中央部に、濃度1×1020cm-3のカーボ
ンが添加された真性ベース領域12aが形成されている
が、このカーボンは水素によりバッシベーションされて
いるため、正孔濃度は5×1019cm-3である。p型G
aAsベース層12周囲の表面部には、同じく濃度1×
1020cm-3のカーボンが添加されたp++型GaAs外
部ベース領域12bが形成されているが、このカーボン
はほぼ100%活性化しているため、正孔濃度は1×1
020cm-3になっている。真性ベース領域12a上に、
n型AlGaAsエミッタ層14がヘテロ接合して形成
され、p++型GaAs外部ベース領域12b上に、ベー
ス電極22がオーミック接触して形成されている。
し、電流利得を高く維持することができるHBT及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】n型GaAsコレクタ層10上のp型GaAs
ベース層12中央部に、濃度1×1020cm-3のカーボ
ンが添加された真性ベース領域12aが形成されている
が、このカーボンは水素によりバッシベーションされて
いるため、正孔濃度は5×1019cm-3である。p型G
aAsベース層12周囲の表面部には、同じく濃度1×
1020cm-3のカーボンが添加されたp++型GaAs外
部ベース領域12bが形成されているが、このカーボン
はほぼ100%活性化しているため、正孔濃度は1×1
020cm-3になっている。真性ベース領域12a上に、
n型AlGaAsエミッタ層14がヘテロ接合して形成
され、p++型GaAs外部ベース領域12b上に、ベー
ス電極22がオーミック接触して形成されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタ(Hetero-junction Bipolar Transistor;
HBT)及びぞの製造方法に関する。エミッタにワイド
バンドギャップの半導体を用いるHBTは、エミッタ注
入効率が高く、電流利得が高いこと、また高い電流利得
を維持しつつベース抵抗を小さくすることができること
から、超高速デバイスとして有望である。従って、その
応用は、超高速デジタル集積回路やマイクロ波アナログ
集積回路、更に光信号増幅デバイス等へ広がっている。
トランジスタ(Hetero-junction Bipolar Transistor;
HBT)及びぞの製造方法に関する。エミッタにワイド
バンドギャップの半導体を用いるHBTは、エミッタ注
入効率が高く、電流利得が高いこと、また高い電流利得
を維持しつつベース抵抗を小さくすることができること
から、超高速デバイスとして有望である。従って、その
応用は、超高速デジタル集積回路やマイクロ波アナログ
集積回路、更に光信号増幅デバイス等へ広がっている。
【0002】
【従来の技術】従来のHBTを、図5に示す断面図を用
いて説明する。半絶縁性GaAs基板(図示せず)上
に、n+ 型GaAsサブコレクタ層28が形成され、こ
のn+ 型GaAsサブコレクタ層28上に、n型GaA
sコレクタ層30が形成されている。尚、このn型Ga
Asコレクタ層30は、i型GaAsコレクタ層であっ
てもよい。
いて説明する。半絶縁性GaAs基板(図示せず)上
に、n+ 型GaAsサブコレクタ層28が形成され、こ
のn+ 型GaAsサブコレクタ層28上に、n型GaA
sコレクタ層30が形成されている。尚、このn型Ga
Asコレクタ層30は、i型GaAsコレクタ層であっ
てもよい。
【0003】また、n型GaAsコレクタ層30上に、
p型GaAsベース層32が形成されている。また、こ
のp型GaAsベース層32上に、p型GaAsベース
層32より広いバンドギャップをもつn型AlGaAs
エミッタ層34が形成され、このn型AlGaAsエミ
ッタ層34上に、n+ 型GaAsエミッタコンタクト層
36が形成されている。
p型GaAsベース層32が形成されている。また、こ
のp型GaAsベース層32上に、p型GaAsベース
層32より広いバンドギャップをもつn型AlGaAs
エミッタ層34が形成され、このn型AlGaAsエミ
ッタ層34上に、n+ 型GaAsエミッタコンタクト層
36が形成されている。
【0004】また、このn+ 型GaAsエミッタコンタ
クト層36上に、エミッタ電極38が形成され、p型G
aAsベース層32上に、ベース電極40が形成され、
n+型GaAsサブコレクタ層28上に、コレクタ電極
(図示せず)が形成されている。
クト層36上に、エミッタ電極38が形成され、p型G
aAsベース層32上に、ベース電極40が形成され、
n+型GaAsサブコレクタ層28上に、コレクタ電極
(図示せず)が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような上記従来の
HBTにおいて、更なる高速化を図る1つの手段として
ベース抵抗、主にベース電極40とp型GaAsベース
層32とのコンタクト抵抗を低減することが考えられ
る。このために、p型GaAsベース層32を形成する
際に、例えばガスソース分子線エピタキシー(GSMB
E)法を用いて、GaAs層に1020cm-3のオーダー
の超高濃度のp型不純物、例えばカーボンをドーピング
して、p++型GaAsベース層とすることが可能である
が、ベース層全体の正孔濃度が高濃度になることから、
p++型GaAsベース層中での再結合電流が増加して、
高電流利得を維持することが困難になる。
HBTにおいて、更なる高速化を図る1つの手段として
ベース抵抗、主にベース電極40とp型GaAsベース
層32とのコンタクト抵抗を低減することが考えられ
る。このために、p型GaAsベース層32を形成する
際に、例えばガスソース分子線エピタキシー(GSMB
E)法を用いて、GaAs層に1020cm-3のオーダー
の超高濃度のp型不純物、例えばカーボンをドーピング
して、p++型GaAsベース層とすることが可能である
が、ベース層全体の正孔濃度が高濃度になることから、
p++型GaAsベース層中での再結合電流が増加して、
高電流利得を維持することが困難になる。
【0006】従って、プロセス中にGSMBE法を用い
て、p型GaAsベース層32のベース電極40に接触
する外部ベース領域のみに超高濃度のp++型GaAs層
を選択的に再成長させ、ベース電極40とのコンタクト
抵抗を低減することが考えられる。しかし、この場合、
p++型GaAs層を再成長させる再成長界面に自然酸化
膜が残留したり、その界面が不純物で汚染されたりする
等の問題が生じる。
て、p型GaAsベース層32のベース電極40に接触
する外部ベース領域のみに超高濃度のp++型GaAs層
を選択的に再成長させ、ベース電極40とのコンタクト
抵抗を低減することが考えられる。しかし、この場合、
p++型GaAs層を再成長させる再成長界面に自然酸化
膜が残留したり、その界面が不純物で汚染されたりする
等の問題が生じる。
【0007】また、p型GaAsベース層32の外部ベ
ース領域のみに、例えばZn、Be等のp型不純物イオ
ンを選択的に注入して、p++型GaAs層を形成するこ
とも可能である。しかし、この場合、結晶成長させたn
型GaAsコレクタ層30やp型GaAsベース層32
にイオン注入によるダメージが生じるという問題があ
る。
ース領域のみに、例えばZn、Be等のp型不純物イオ
ンを選択的に注入して、p++型GaAs層を形成するこ
とも可能である。しかし、この場合、結晶成長させたn
型GaAsコレクタ層30やp型GaAsベース層32
にイオン注入によるダメージが生じるという問題があ
る。
【0008】このため、p++型GaAs層の再成長やp
型不純物のイオン注入によるp++型GaAs層の形成の
代わりに、素子特性に悪影響を及ぼすことなく、ベース
電極40とp型GaAsベース層32とのコンタクト抵
抗を低減する方法を開発することが課題となっていた。
そこで本発明は、ベース電極のコンタクト抵抗を低減
し、電流利得を高く維持することができるHBT及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
型不純物のイオン注入によるp++型GaAs層の形成の
代わりに、素子特性に悪影響を及ぼすことなく、ベース
電極40とp型GaAsベース層32とのコンタクト抵
抗を低減する方法を開発することが課題となっていた。
そこで本発明は、ベース電極のコンタクト抵抗を低減
し、電流利得を高く維持することができるHBT及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、III-V族化
合物半導体を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタ
において、ベース層のうち、ベース電極と接触する外部
ベース領域の少なくとも表面層に、カーボンが添加さ
れ、エミッタ層とヘテロ接合する真性ベース領域に、水
素によりパッシベーションされたカーボンが添加されて
おり、前記外部ベース領域の少なくとも表面層の正孔濃
度が、前記真性ベース領域の正孔濃度より高濃度である
ことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタに
よって達成される。
合物半導体を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタ
において、ベース層のうち、ベース電極と接触する外部
ベース領域の少なくとも表面層に、カーボンが添加さ
れ、エミッタ層とヘテロ接合する真性ベース領域に、水
素によりパッシベーションされたカーボンが添加されて
おり、前記外部ベース領域の少なくとも表面層の正孔濃
度が、前記真性ベース領域の正孔濃度より高濃度である
ことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタに
よって達成される。
【0010】また、上記課題は、III-V族化合物半導体
を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、
ベース層が、コレクタ層上に形成され第1ベース層と前
記第1ベース層上に形成された第2ベース層とからなる
2層構造であり、前記第1ベース層には、カーボンが添
加されており、前記第2ベース層のうち、ベース電極と
接触する外部ベース領域には、カーボンが添加され、エ
ミッタ層とヘテロ接合する真性ベース領域には、水素に
よりパッシベーションされたカーボンが添加されてお
り、前記外部ベース領域の正孔濃度が、前記真性ベース
領域の正孔濃度より高濃度であることを特徴とするヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタによって達成される。
を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、
ベース層が、コレクタ層上に形成され第1ベース層と前
記第1ベース層上に形成された第2ベース層とからなる
2層構造であり、前記第1ベース層には、カーボンが添
加されており、前記第2ベース層のうち、ベース電極と
接触する外部ベース領域には、カーボンが添加され、エ
ミッタ層とヘテロ接合する真性ベース領域には、水素に
よりパッシベーションされたカーボンが添加されてお
り、前記外部ベース領域の正孔濃度が、前記真性ベース
領域の正孔濃度より高濃度であることを特徴とするヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタによって達成される。
【0011】また、上記のヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタにおいて、前記第1ベース層に添加されたカーボ
ン濃度が、前記第2ベース層に添加されたカーボン濃度
より低濃度であることが望ましい。また、上記課題は、
III-V族化合物半導体を用いたヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの製造方法において、コレクタ層上に、水素
によりパッシベーションされたカーボンを添加したp型
ベース層、及び前記p型ベース層より広いバンドギャッ
プをもつn型エミッタ層を順に積層する工程と、前記n
型エミッタ層をメサエッチングして、前記p型ベース層
の外部ベース領域を露出させる工程と、アニール処理を
行い、露出した前記外部ベース領域に添加された前記水
素によりパッシベーションされたカーボンを活性化し
て、前記外部ベース領域の少なくとも表面層の正孔濃度
を、前記p型ベース層の前記n型エミッタ層とヘテロ接
合する真性ベース領域の正孔濃度より高濃度にする工程
と、前記外部ベース領域上にベース電極を形成する工程
とを有することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの製造方法によって達成される。
ジスタにおいて、前記第1ベース層に添加されたカーボ
ン濃度が、前記第2ベース層に添加されたカーボン濃度
より低濃度であることが望ましい。また、上記課題は、
III-V族化合物半導体を用いたヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの製造方法において、コレクタ層上に、水素
によりパッシベーションされたカーボンを添加したp型
ベース層、及び前記p型ベース層より広いバンドギャッ
プをもつn型エミッタ層を順に積層する工程と、前記n
型エミッタ層をメサエッチングして、前記p型ベース層
の外部ベース領域を露出させる工程と、アニール処理を
行い、露出した前記外部ベース領域に添加された前記水
素によりパッシベーションされたカーボンを活性化し
て、前記外部ベース領域の少なくとも表面層の正孔濃度
を、前記p型ベース層の前記n型エミッタ層とヘテロ接
合する真性ベース領域の正孔濃度より高濃度にする工程
と、前記外部ベース領域上にベース電極を形成する工程
とを有することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの製造方法によって達成される。
【0012】また、上記課題は、III-V族化合物半導体
を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法
において、コレクタ層上に、カーボンを添加したp型第
1ベース層、水素によりパッシベーションされたカーボ
ンを添加したp型第2ベース層、並びに前記p型第1ベ
ース層及び前記p型第2ベース層より広いバンドギャッ
プをもつn型エミッタ層を順に積層する工程と、前記n
型エミッタ層をメサエッチングして、前記p型第2ベー
ス層の外部ベース領域を露出させる工程と、アニール処
理を行い、露出した前記p型第2ベース層の前記外部ベ
ース領域に添加された前記水素によりパッシベーション
されたカーボンを活性化して、前記p型第2ベース層の
前記外部ベース領域の正孔濃度を、前記p型第2ベース
層の前記n型エミッタ層とヘテロ接合する真性ベース領
域の正孔濃度より高濃度にする工程と、前記p型第2ベ
ース層の前記外部ベース領域上に、ベース電極を形成す
る工程とを有することを特徴とするヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの製造方法によって達成される。
を用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法
において、コレクタ層上に、カーボンを添加したp型第
1ベース層、水素によりパッシベーションされたカーボ
ンを添加したp型第2ベース層、並びに前記p型第1ベ
ース層及び前記p型第2ベース層より広いバンドギャッ
プをもつn型エミッタ層を順に積層する工程と、前記n
型エミッタ層をメサエッチングして、前記p型第2ベー
ス層の外部ベース領域を露出させる工程と、アニール処
理を行い、露出した前記p型第2ベース層の前記外部ベ
ース領域に添加された前記水素によりパッシベーション
されたカーボンを活性化して、前記p型第2ベース層の
前記外部ベース領域の正孔濃度を、前記p型第2ベース
層の前記n型エミッタ層とヘテロ接合する真性ベース領
域の正孔濃度より高濃度にする工程と、前記p型第2ベ
ース層の前記外部ベース領域上に、ベース電極を形成す
る工程とを有することを特徴とするヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの製造方法によって達成される。
【0013】また、上記のヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタの製造方法において、前記p型第1ベース層に添
加するカーボン濃度を、前記p型第2ベース層に添加す
るカーボン濃度より低濃度にすることが望ましい。ま
た、上記のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法において、前記p型ベース層が、GaAs層からな
り、前記水素によりパッシベーションされたカーボンを
添加したp型第2ベース層を形成する工程が、Ga原料
としてトリメチルガリウムを,As原料としてアルシン
を、カーボン原料としてカーボンテトラクロライドを用
いてp型GaAsベース層を形成する工程であることを
特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法によって達成される。
ジスタの製造方法において、前記p型第1ベース層に添
加するカーボン濃度を、前記p型第2ベース層に添加す
るカーボン濃度より低濃度にすることが望ましい。ま
た、上記のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法において、前記p型ベース層が、GaAs層からな
り、前記水素によりパッシベーションされたカーボンを
添加したp型第2ベース層を形成する工程が、Ga原料
としてトリメチルガリウムを,As原料としてアルシン
を、カーボン原料としてカーボンテトラクロライドを用
いてp型GaAsベース層を形成する工程であることを
特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法によって達成される。
【0014】また、上記のヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタの製造方法において、前記p型第1ベース層及び
前記p型第2ベース層が、それぞれGaAs層からな
り、前記カーボンを添加したp型第1ベース層を形成す
る工程が、Ga原料としてトリメチルガリウムを,As
原料及びカーボン原料としてトリメチル砒素を用いてp
型GaAs第1ベース層を形成する工程であり、前記水
素によりパッシベーションされたカーボンを添加したp
型第2ベース層を形成する工程が、Ga原料としてトリ
メチルガリウムを,As原料としてアルシンを、カーボ
ン原料としてカーボンテトラクロライドを用いてp型G
aAs第2ベース層を形成する工程であることを特徴と
するヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法によ
って達成される。
ジスタの製造方法において、前記p型第1ベース層及び
前記p型第2ベース層が、それぞれGaAs層からな
り、前記カーボンを添加したp型第1ベース層を形成す
る工程が、Ga原料としてトリメチルガリウムを,As
原料及びカーボン原料としてトリメチル砒素を用いてp
型GaAs第1ベース層を形成する工程であり、前記水
素によりパッシベーションされたカーボンを添加したp
型第2ベース層を形成する工程が、Ga原料としてトリ
メチルガリウムを,As原料としてアルシンを、カーボ
ン原料としてカーボンテトラクロライドを用いてp型G
aAs第2ベース層を形成する工程であることを特徴と
するヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法によ
って達成される。
【0015】
【作用】第1の発明は、同一濃度のカーボンが添加され
たp型ベース層のうち、外部ベース領域の少なくとも表
面層の正孔濃度が真性ベース領域の正孔濃度より高濃度
であることにより、真性ベース領域での再結合電流の増
加を防止しつつ、ベース電極と外部ベース領域とのコン
タクト抵抗を低減することができる。従って、HBTの
高電流利得を維持しつつ、その高速化を実現することが
可能になる。
たp型ベース層のうち、外部ベース領域の少なくとも表
面層の正孔濃度が真性ベース領域の正孔濃度より高濃度
であることにより、真性ベース領域での再結合電流の増
加を防止しつつ、ベース電極と外部ベース領域とのコン
タクト抵抗を低減することができる。従って、HBTの
高電流利得を維持しつつ、その高速化を実現することが
可能になる。
【0016】また、第2の発明は、ベース層が第1ベー
ス層と第2ベース層とからなる2層構造であり、同一濃
度のカーボンが添加された第2ベース層のうち、外部ベ
ース領域の正孔濃度が真性ベース領域の正孔濃度より高
濃度であることにより、上記第1の発明と同様の作用が
可能になると共に、外部ベース領域を所望の厚さに制御
することが可能になる。
ス層と第2ベース層とからなる2層構造であり、同一濃
度のカーボンが添加された第2ベース層のうち、外部ベ
ース領域の正孔濃度が真性ベース領域の正孔濃度より高
濃度であることにより、上記第1の発明と同様の作用が
可能になると共に、外部ベース領域を所望の厚さに制御
することが可能になる。
【0017】また、第3の発明は、上記第2の発明によ
るヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、第1ベ
ース層に添加されたカーボン濃度が第2ベース層に添加
されたカーボン濃度より低濃度であることにより、第1
ベース層内での再結合電流の増加が抑制されるため、上
記第2の発明と同様の作用が可能になると共に、HBT
の電流利得の向上を図ることができる。
るヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、第1ベ
ース層に添加されたカーボン濃度が第2ベース層に添加
されたカーボン濃度より低濃度であることにより、第1
ベース層内での再結合電流の増加が抑制されるため、上
記第2の発明と同様の作用が可能になると共に、HBT
の電流利得の向上を図ることができる。
【0018】また、第4の発明は、水素によりパッシベ
ーションされたカーボンを添加したp型ベース層を形成
し、エミッタ層のメサエッチングによってベース層の外
部ベース領域を露出させた後、アニール処理により、外
部ベース領域に添加された水素によりパッシベーション
されたカーボンを活性化することにより、外部ベース領
域と真性ベース領域に添加されたカーボン濃度は同一で
あるにも拘らず、外部ベース領域の少なくとも表面層の
正孔濃度を真性ベース領域の正孔濃度よりも高濃度にす
ることができるため、上記第1の発明によるヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造が可能になる。
ーションされたカーボンを添加したp型ベース層を形成
し、エミッタ層のメサエッチングによってベース層の外
部ベース領域を露出させた後、アニール処理により、外
部ベース領域に添加された水素によりパッシベーション
されたカーボンを活性化することにより、外部ベース領
域と真性ベース領域に添加されたカーボン濃度は同一で
あるにも拘らず、外部ベース領域の少なくとも表面層の
正孔濃度を真性ベース領域の正孔濃度よりも高濃度にす
ることができるため、上記第1の発明によるヘテロ接合
バイポーラトランジスタの製造が可能になる。
【0019】また、第5の発明は、カーボンを添加した
p型第1ベース層と水素によりパッシベーションされた
カーボンを添加したp型第2ベース層とを順に形成し、
エミッタ層のメサエッチングによって第2ベース層の外
部ベース領域を露出させた後、アニール処理により、第
2ベース層の外部ベース領域に添加された水素によりパ
ッシベーションされたカーボンを活性化することによ
り、所望の厚さの第2ベース層の外部ベース領域の正孔
濃度を真性ベース領域の正孔濃度よりも高濃度にするこ
とができるため、上記第2の発明によるヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造が可能になる。
p型第1ベース層と水素によりパッシベーションされた
カーボンを添加したp型第2ベース層とを順に形成し、
エミッタ層のメサエッチングによって第2ベース層の外
部ベース領域を露出させた後、アニール処理により、第
2ベース層の外部ベース領域に添加された水素によりパ
ッシベーションされたカーボンを活性化することによ
り、所望の厚さの第2ベース層の外部ベース領域の正孔
濃度を真性ベース領域の正孔濃度よりも高濃度にするこ
とができるため、上記第2の発明によるヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造が可能になる。
【0020】また、第6の発明は、上記第5の発明によ
るヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法におい
て、第1ベース層に添加するカーボン濃度を第2ベース
層に添加するカーボン濃度より低濃度にすることによ
り、上記第3の発明によるヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタの製造が可能になる。また、第7の発明は、上記
第4の発明によるヘテロ接合バイポーラトランジスタの
製造方法において、Ga原料としてトリメチルガリウム
を,As原料としてアルシンを、カーボン原料としてカ
ーボンテトラクロライドを用いることにより、水素によ
りパッシベーションされたカーボンを添加したp型Ga
Asベース層を形成することが可能となる。
るヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法におい
て、第1ベース層に添加するカーボン濃度を第2ベース
層に添加するカーボン濃度より低濃度にすることによ
り、上記第3の発明によるヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタの製造が可能になる。また、第7の発明は、上記
第4の発明によるヘテロ接合バイポーラトランジスタの
製造方法において、Ga原料としてトリメチルガリウム
を,As原料としてアルシンを、カーボン原料としてカ
ーボンテトラクロライドを用いることにより、水素によ
りパッシベーションされたカーボンを添加したp型Ga
Asベース層を形成することが可能となる。
【0021】また、第8の発明は、上記第5又は第6の
発明によるヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法において、Ga原料としてトリメチルガリウムを,A
s原料及びカーボン原料としてトリメチル砒素を用いる
ことにより、カーボンを添加したp型GaAs第1ベー
ス層を形成することが可能となり、Ga原料としてトリ
メチルガリウムを,As原料としてアルシンを、カーボ
ン原料としてカーボンテトラクロライドを用いることに
より、水素によりパッシベーションされたカーボンを添
加したp型GaAs第2ベース層を形成することが可能
となる。
発明によるヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法において、Ga原料としてトリメチルガリウムを,A
s原料及びカーボン原料としてトリメチル砒素を用いる
ことにより、カーボンを添加したp型GaAs第1ベー
ス層を形成することが可能となり、Ga原料としてトリ
メチルガリウムを,As原料としてアルシンを、カーボ
ン原料としてカーボンテトラクロライドを用いることに
より、水素によりパッシベーションされたカーボンを添
加したp型GaAs第2ベース層を形成することが可能
となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例を用いて具体
的に説明する。図1は本発明の第1の実施例によるHB
Tを示す断面図である。半絶縁性GaAs基板(図示せ
ず)上に、n+ 型GaAsサブコレクタ層(図示せず)
が形成され、このn+ 型GaAsサブコレクタ層上に、
n型GaAsコレクタ層10が形成されている。尚、こ
のn型GaAsコレクタ層10は、i型GaAsコレク
タ層であってもよい。また、このn型GaAsコレクタ
層10上に、p型GaAsベース層12が形成されてい
る。
的に説明する。図1は本発明の第1の実施例によるHB
Tを示す断面図である。半絶縁性GaAs基板(図示せ
ず)上に、n+ 型GaAsサブコレクタ層(図示せず)
が形成され、このn+ 型GaAsサブコレクタ層上に、
n型GaAsコレクタ層10が形成されている。尚、こ
のn型GaAsコレクタ層10は、i型GaAsコレク
タ層であってもよい。また、このn型GaAsコレクタ
層10上に、p型GaAsベース層12が形成されてい
る。
【0023】このp型GaAsベース層12中央部に
は、濃度1×1020cm-3のカーボンが添加された真性
ベース領域12aが形成されているが、この真性ベース
領域12a中のカーボンは水素によりパッシベーション
されているため、実際に活性化した正孔濃度は5×10
19cm-3である。また、p型GaAsベース層12周囲
の表面部には、同じく濃度1×1020cm-3のカーボン
が添加されたp++型GaAs外部ベース領域12bが形
成されているが、このp++型GaAs外部ベース領域1
2b中のカーボンはほぼ100%活性化しているため、
正孔濃度は1×1020cm-3と高濃度になっている。
は、濃度1×1020cm-3のカーボンが添加された真性
ベース領域12aが形成されているが、この真性ベース
領域12a中のカーボンは水素によりパッシベーション
されているため、実際に活性化した正孔濃度は5×10
19cm-3である。また、p型GaAsベース層12周囲
の表面部には、同じく濃度1×1020cm-3のカーボン
が添加されたp++型GaAs外部ベース領域12bが形
成されているが、このp++型GaAs外部ベース領域1
2b中のカーボンはほぼ100%活性化しているため、
正孔濃度は1×1020cm-3と高濃度になっている。
【0024】また、p型GaAsベース層12中央部の
真性ベース領域12a上には、p型GaAsベース層1
2より広いバンドギャップをもつn型AlGaAsエミ
ッタ層14がヘテロ接合して形成され、このn型AlG
aAsエミッタ層14上に、n+ 型GaAsエミッタコ
ンタクト層16が形成されている。尚、ここで、n型A
lGaAsエミッタ層14とn+ 型GaAsエミッタコ
ンタクト層16との断面が、T型形状をなしている。
真性ベース領域12a上には、p型GaAsベース層1
2より広いバンドギャップをもつn型AlGaAsエミ
ッタ層14がヘテロ接合して形成され、このn型AlG
aAsエミッタ層14上に、n+ 型GaAsエミッタコ
ンタクト層16が形成されている。尚、ここで、n型A
lGaAsエミッタ層14とn+ 型GaAsエミッタコ
ンタクト層16との断面が、T型形状をなしている。
【0025】また、このn+ 型GaAsエミッタコンタ
クト層16上に、エミッタ電極18がオーミック接触し
て形成されている。また、このエミッタ電極18、n+
型GaAsエミッタコンタクト層16、及びn型AlG
aAsエミッタ層14の側面には、SiO2 又はSiO
Nからなる絶縁膜20が形成されている。また、p型G
aAsベース層12周囲の表面部のp++型GaAs外部
ベース領域12b上には、Cr/Auからなるベース電
極22がオーミック接触して形成されている。また、n
+ 型GaAsサブコレクタ層上には、コレクタ電極(図
示せず)がオーミック接触して形成されている。
クト層16上に、エミッタ電極18がオーミック接触し
て形成されている。また、このエミッタ電極18、n+
型GaAsエミッタコンタクト層16、及びn型AlG
aAsエミッタ層14の側面には、SiO2 又はSiO
Nからなる絶縁膜20が形成されている。また、p型G
aAsベース層12周囲の表面部のp++型GaAs外部
ベース領域12b上には、Cr/Auからなるベース電
極22がオーミック接触して形成されている。また、n
+ 型GaAsサブコレクタ層上には、コレクタ電極(図
示せず)がオーミック接触して形成されている。
【0026】次に、図1のHBTの製造方法を、図2に
示す工程図を用いて説明する。半絶縁性GaAs基板
(図示せず)上に、有機金属気相成長(MOCVD)法
を用いて、n+ 型GaAsサブコレクタ層(図示せ
ず)、n型GaAsコレクタ層10、p型GaAsベー
ス層12、n型AlGaAsエミッタ層14、及びn+
型GaAsエミッタコンタクト層16を順に積層する。
このとき、n型GaAsコレクタ層30は、i型GaA
sコレクタ層であってもよい。
示す工程図を用いて説明する。半絶縁性GaAs基板
(図示せず)上に、有機金属気相成長(MOCVD)法
を用いて、n+ 型GaAsサブコレクタ層(図示せ
ず)、n型GaAsコレクタ層10、p型GaAsベー
ス層12、n型AlGaAsエミッタ層14、及びn+
型GaAsエミッタコンタクト層16を順に積層する。
このとき、n型GaAsコレクタ層30は、i型GaA
sコレクタ層であってもよい。
【0027】尚、p型GaAsベース層12の成長にお
いては、母体原料としてトリメチルガリウム(TMG)
とアルシン(AsH3 )を用い、p型不純物であるカー
ボン原料としてカーボンテトラクロライド(CCl4 )
を用いることにより、GaAs層に添加されるカーボン
が、AsH3 から分解した水素によってパッシベーショ
ンされる。このため、p型GaAsベース層12の正孔
濃度は、実際に結晶中に含まれるカーボン濃度より小さ
くなる。
いては、母体原料としてトリメチルガリウム(TMG)
とアルシン(AsH3 )を用い、p型不純物であるカー
ボン原料としてカーボンテトラクロライド(CCl4 )
を用いることにより、GaAs層に添加されるカーボン
が、AsH3 から分解した水素によってパッシベーショ
ンされる。このため、p型GaAsベース層12の正孔
濃度は、実際に結晶中に含まれるカーボン濃度より小さ
くなる。
【0028】本実施例の場合、基板温度520℃で結晶
成長させたp型GaAsベース層12中のカーボン濃度
は1×1020cm-3であるが、実際に活性化した正孔濃
度は5×1019cm-3であった(図2(a)参照)。次
いで、n+ 型GaAsエミッタコンタクト層16上に、
金属層を堆積した後、この金属層を所定の形状にパター
ニングして、n+ 型GaAsエミッタコンタクト層16
にオーミック接触するエミッタ電極18を形成する。そ
して、このエミッタ電極18をマスクとして、セルフア
ラインにより、n+ 型GaAsエミッタコンタクト層1
6及びn型AlGaAsエミッタ層14をメサエッチン
グして、p型GaAsベース層12を露出させる。
成長させたp型GaAsベース層12中のカーボン濃度
は1×1020cm-3であるが、実際に活性化した正孔濃
度は5×1019cm-3であった(図2(a)参照)。次
いで、n+ 型GaAsエミッタコンタクト層16上に、
金属層を堆積した後、この金属層を所定の形状にパター
ニングして、n+ 型GaAsエミッタコンタクト層16
にオーミック接触するエミッタ電極18を形成する。そ
して、このエミッタ電極18をマスクとして、セルフア
ラインにより、n+ 型GaAsエミッタコンタクト層1
6及びn型AlGaAsエミッタ層14をメサエッチン
グして、p型GaAsベース層12を露出させる。
【0029】このとき、例えばウエットエッチング法を
用いて、n型AlGaAsエミッタ層14の縦方向ばか
りでなく、横方向のサイドエッチングをも行う。こうし
て、n型AlGaAsエミッタ層14とn+ 型GaAs
エミッタコンタクト層16及びエミッタ電極18とから
なるT型エミッタ構造を形成する。このT型エミッタ構
造の採用により、後のベース電極22を形成する工程
で、エミッタ電極18に対して自己整合的に形成するこ
とが容易になり、エミッタ電極18とベース電極22と
の間の距離が短くなるため、ベース抵抗を小さくするこ
とができる。
用いて、n型AlGaAsエミッタ層14の縦方向ばか
りでなく、横方向のサイドエッチングをも行う。こうし
て、n型AlGaAsエミッタ層14とn+ 型GaAs
エミッタコンタクト層16及びエミッタ電極18とから
なるT型エミッタ構造を形成する。このT型エミッタ構
造の採用により、後のベース電極22を形成する工程
で、エミッタ電極18に対して自己整合的に形成するこ
とが容易になり、エミッタ電極18とベース電極22と
の間の距離が短くなるため、ベース抵抗を小さくするこ
とができる。
【0030】続いて、全面に、SiO2 又はSiONか
らなる絶縁膜20を堆積した後、反応性イオンエッチン
グ(RIE)を行い、エミッタ電極18、n+ 型GaA
sエミッタコンタクト層16、及びn型AlGaAsエ
ミッタ層14の側面のみに絶縁膜20を残存させる。続
いて、窒素雰囲気中において、基板温度550℃の条件
でアニール処理を行う。このアニール処理により、露出
しているp型GaAsベース層12の表面層からカーボ
ンをパッシベーションしていた水素が抜ける。このた
め、この水素によりパッシベーションされていたカーボ
ンがほぼ100%活性化して、正孔濃度が1×1020c
m-3に増加した。こうして、p型GaAsベース層12
周囲の表面部に、p++型GaAs外部ベース領域12b
が形成される。
らなる絶縁膜20を堆積した後、反応性イオンエッチン
グ(RIE)を行い、エミッタ電極18、n+ 型GaA
sエミッタコンタクト層16、及びn型AlGaAsエ
ミッタ層14の側面のみに絶縁膜20を残存させる。続
いて、窒素雰囲気中において、基板温度550℃の条件
でアニール処理を行う。このアニール処理により、露出
しているp型GaAsベース層12の表面層からカーボ
ンをパッシベーションしていた水素が抜ける。このた
め、この水素によりパッシベーションされていたカーボ
ンがほぼ100%活性化して、正孔濃度が1×1020c
m-3に増加した。こうして、p型GaAsベース層12
周囲の表面部に、p++型GaAs外部ベース領域12b
が形成される。
【0031】即ち、真性ベース領域12a及びp++型G
aAs外部ベース領域12bにおけるカーボン濃度は共
に1×1020cm-3と等しいが、p++型GaAs外部ベ
ース領域12bの正孔濃度は1×1020cm-3であり、
真性ベース領域12aの正孔濃度5×1019cm-3より
も高濃度となる。尚、カーボンは熱的に非常に安定であ
るため、このアニール処理の際に、カーボンがn型Al
GaAsエミッタ層14へ拡散することは観測されなか
った(図2(b)参照)。
aAs外部ベース領域12bにおけるカーボン濃度は共
に1×1020cm-3と等しいが、p++型GaAs外部ベ
ース領域12bの正孔濃度は1×1020cm-3であり、
真性ベース領域12aの正孔濃度5×1019cm-3より
も高濃度となる。尚、カーボンは熱的に非常に安定であ
るため、このアニール処理の際に、カーボンがn型Al
GaAsエミッタ層14へ拡散することは観測されなか
った(図2(b)参照)。
【0032】次いで、この高い正孔濃度をもつp++型G
aAs外部ベース領域12b上に、Cr/Auからなる
ベース電極22をノンアロイで形成し、p++型GaAs
外部ベース領域12bとオーミック接触する。また、n
+ 型GaAsサブコレクタ層上にも、コレクタ電極(図
示せず)をオーミック接触して形成する。こうして、図
1に示すHBTが完成する(図2(c)参照)。
aAs外部ベース領域12b上に、Cr/Auからなる
ベース電極22をノンアロイで形成し、p++型GaAs
外部ベース領域12bとオーミック接触する。また、n
+ 型GaAsサブコレクタ層上にも、コレクタ電極(図
示せず)をオーミック接触して形成する。こうして、図
1に示すHBTが完成する(図2(c)参照)。
【0033】このように本実施例によれば、同一濃度1
×1020cm-3のカーボンが添加されたp型GaAsベ
ース層12のうち、カーボンをパッシベーションしてい
た水素が抜けたp++型GaAs外部ベース領域12bの
正孔濃度が1×1020cm-3と、真性ベース領域12a
の正孔濃度5×1019cm-3より高濃度であることによ
り、真性ベース領域12aにおける再結合電流の増加を
防止しつつ、ベース電極22とp++型GaAs外部ベー
ス領域12bとのコンタクト抵抗を従来の場合の16%
まで低減することができた。また、p型GaAsベース
層12とp++型GaAs外部ベース領域12bとの界面
も従来の再成長界面よりも良好なものが形成された。従
って、HBTの高電流利得を維持しつつ、その高速化を
実現することが可能になった。
×1020cm-3のカーボンが添加されたp型GaAsベ
ース層12のうち、カーボンをパッシベーションしてい
た水素が抜けたp++型GaAs外部ベース領域12bの
正孔濃度が1×1020cm-3と、真性ベース領域12a
の正孔濃度5×1019cm-3より高濃度であることによ
り、真性ベース領域12aにおける再結合電流の増加を
防止しつつ、ベース電極22とp++型GaAs外部ベー
ス領域12bとのコンタクト抵抗を従来の場合の16%
まで低減することができた。また、p型GaAsベース
層12とp++型GaAs外部ベース領域12bとの界面
も従来の再成長界面よりも良好なものが形成された。従
って、HBTの高電流利得を維持しつつ、その高速化を
実現することが可能になった。
【0034】次に、本発明の第2の実施例によるHBT
について説明する。図3は本発明の第2の実施例による
HBTを示す断面図である。尚、上記図1に示すHBT
と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
半絶縁性GaAs基板(図示せず)上に、n+ 型GaA
sサブコレクタ層(図示せず)が形成され、このn+ 型
GaAsサブコレクタ層上に、n型GaAsコレクタ層
10が形成されている。尚、ここで、このn型GaAs
コレクタ層10は、i型GaAsコレクタ層であっても
よい。また、このn型GaAsコレクタ層10上に、p
型GaAs第1ベース層24及びp型GaAs第2ベー
ス層が順に形成されている。即ち、ベース層が2層構造
となっている点に本実施例の特徴がある。
について説明する。図3は本発明の第2の実施例による
HBTを示す断面図である。尚、上記図1に示すHBT
と同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
半絶縁性GaAs基板(図示せず)上に、n+ 型GaA
sサブコレクタ層(図示せず)が形成され、このn+ 型
GaAsサブコレクタ層上に、n型GaAsコレクタ層
10が形成されている。尚、ここで、このn型GaAs
コレクタ層10は、i型GaAsコレクタ層であっても
よい。また、このn型GaAsコレクタ層10上に、p
型GaAs第1ベース層24及びp型GaAs第2ベー
ス層が順に形成されている。即ち、ベース層が2層構造
となっている点に本実施例の特徴がある。
【0035】下層のp型GaAs第1ベース層24に
は、濃度5×1019cm-3のカーボンが添加されている
が、このカーボンはほぼ100%活性化しているため、
正孔濃度も5×1019cm-3である。これに対し、上層
のp型GaAs第2ベース層中央部には、濃度1×10
20cm-3のカーボンが添加された真性ベース領域26a
が形成されているが、この真性ベース領域12a中のカ
ーボンは水素によりパッシベーションされているため、
実際に活性化した正孔濃度は5×1019cm-3である。
また、p型GaAs第2ベース層周囲部には、同じく濃
度1×1020cm-3のカーボンが添加されたp++型Ga
As外部ベース領域26bが形成されているが、このp
++型GaAs外部ベース領域12b中のカーボンはほぼ
100%活性化しているため、正孔濃度は1×1020c
m-3と高濃度になっている。
は、濃度5×1019cm-3のカーボンが添加されている
が、このカーボンはほぼ100%活性化しているため、
正孔濃度も5×1019cm-3である。これに対し、上層
のp型GaAs第2ベース層中央部には、濃度1×10
20cm-3のカーボンが添加された真性ベース領域26a
が形成されているが、この真性ベース領域12a中のカ
ーボンは水素によりパッシベーションされているため、
実際に活性化した正孔濃度は5×1019cm-3である。
また、p型GaAs第2ベース層周囲部には、同じく濃
度1×1020cm-3のカーボンが添加されたp++型Ga
As外部ベース領域26bが形成されているが、このp
++型GaAs外部ベース領域12b中のカーボンはほぼ
100%活性化しているため、正孔濃度は1×1020c
m-3と高濃度になっている。
【0036】また、この真性ベース領域26a上には、
n型AlGaAsエミッタ層14がヘテロ接合して形成
され、このn型AlGaAsエミッタ層14上に、n+
型GaAsエミッタコンタクト層16が形成されてい
る。そしてn型AlGaAsエミッタ層14とn+ 型G
aAsエミッタコンタクト層16とは、上記第1の実施
例の場合と同様に、T型エミッタ構造を形成している。
n型AlGaAsエミッタ層14がヘテロ接合して形成
され、このn型AlGaAsエミッタ層14上に、n+
型GaAsエミッタコンタクト層16が形成されてい
る。そしてn型AlGaAsエミッタ層14とn+ 型G
aAsエミッタコンタクト層16とは、上記第1の実施
例の場合と同様に、T型エミッタ構造を形成している。
【0037】また、n+ 型GaAsエミッタコンタクト
層16上に、エミッタ電極18がオーミック接触して形
成されている。また、このエミッタ電極18、n+ 型G
aAsエミッタコンタクト層16、及びn型AlGaA
sエミッタ層14の側面には、SiO2 又はSiONか
らなる絶縁膜20が形成されている。また、p++型Ga
As外部ベース領域26b上には、Cr/Auからなる
ベース電極22がオーミック接触して形成され、またn
+ 型GaAsサブコレクタ層上には、コレクタ電極(図
示せず)がオーミック接触して形成されている。
層16上に、エミッタ電極18がオーミック接触して形
成されている。また、このエミッタ電極18、n+ 型G
aAsエミッタコンタクト層16、及びn型AlGaA
sエミッタ層14の側面には、SiO2 又はSiONか
らなる絶縁膜20が形成されている。また、p++型Ga
As外部ベース領域26b上には、Cr/Auからなる
ベース電極22がオーミック接触して形成され、またn
+ 型GaAsサブコレクタ層上には、コレクタ電極(図
示せず)がオーミック接触して形成されている。
【0038】次に、図3のHBTの製造方法を、図4に
示す工程図を用いて説明する。尚、上記図2に示すHB
Tと同一構成要素には同一符号を付して説明を省略す
る。半絶縁性GaAs基板(図示せず)上に、MOCV
D法を用いて、n+ 型GaAsサブコレクタ層(図示せ
ず)、n型GaAsコレクタ層10、p型GaAs第1
ベース層24、p型GaAs第2ベース層26、n型A
lGaAsエミッタ層14、n+ 型GaAsエミッタコ
ンタクト層16を順に積層する。このとき、n型GaA
sコレクタ層10は、i型GaAsコレクタ層であって
もよい。
示す工程図を用いて説明する。尚、上記図2に示すHB
Tと同一構成要素には同一符号を付して説明を省略す
る。半絶縁性GaAs基板(図示せず)上に、MOCV
D法を用いて、n+ 型GaAsサブコレクタ層(図示せ
ず)、n型GaAsコレクタ層10、p型GaAs第1
ベース層24、p型GaAs第2ベース層26、n型A
lGaAsエミッタ層14、n+ 型GaAsエミッタコ
ンタクト層16を順に積層する。このとき、n型GaA
sコレクタ層10は、i型GaAsコレクタ層であって
もよい。
【0039】尚、p型GaAs第1ベース層24の成長
においては、基板温度520℃の条件で、Ga原料とし
てTMGを用い、As原料及びカーボン原料としてトリ
メチル砒素(TMAs)用いることにより、GaAs層
に添加されるカーボンはほぼ100%活性化する。本実
施例の場合、p型GaAs第1ベース層24中のカーボ
ン濃度は5×1019cm-3であり、実際に活性化した正
孔濃度も5×1019cm-3であった。
においては、基板温度520℃の条件で、Ga原料とし
てTMGを用い、As原料及びカーボン原料としてトリ
メチル砒素(TMAs)用いることにより、GaAs層
に添加されるカーボンはほぼ100%活性化する。本実
施例の場合、p型GaAs第1ベース層24中のカーボ
ン濃度は5×1019cm-3であり、実際に活性化した正
孔濃度も5×1019cm-3であった。
【0040】また、p型GaAs第2ベース層26の成
長においては、上記第1の実施例におけるp型GaAs
ベース層12の成長の場合と同様に、母体原料としてT
MGとAsH3 を用い、カーボン原料としてCCl4 を
用いることにより、GaAs層に添加されるカーボンが
水素によってパッシベーションされる。本実施例の場合
も、基板温度520℃で結晶成長させたp型GaAs第
2ベース層26中のカーボン濃度は1×1020cm-3で
あるが、実際に活性化した正孔濃度は5×10 19cm-3
であった(図4(a)参照)。
長においては、上記第1の実施例におけるp型GaAs
ベース層12の成長の場合と同様に、母体原料としてT
MGとAsH3 を用い、カーボン原料としてCCl4 を
用いることにより、GaAs層に添加されるカーボンが
水素によってパッシベーションされる。本実施例の場合
も、基板温度520℃で結晶成長させたp型GaAs第
2ベース層26中のカーボン濃度は1×1020cm-3で
あるが、実際に活性化した正孔濃度は5×10 19cm-3
であった(図4(a)参照)。
【0041】次いで、n+ 型GaAsエミッタコンタク
ト層16上に、エミッタ電極18をオーミック接触して
形成する。そして、このエミッタ電極18をマスクとし
て、セルフアラインにより、n+ 型GaAsエミッタコ
ンタクト層16及びn型AlGaAsエミッタ層14を
メサエッチングして、p型GaAs第2ベース層26を
露出させると共に、n型AlGaAsエミッタ層14の
サイドエッチングをも行う。こうして、n型AlGaA
sエミッタ層14とn+ 型GaAsエミッタコンタクト
層16及びエミッタ電極18とからなるT型エミッタ構
造を形成する。
ト層16上に、エミッタ電極18をオーミック接触して
形成する。そして、このエミッタ電極18をマスクとし
て、セルフアラインにより、n+ 型GaAsエミッタコ
ンタクト層16及びn型AlGaAsエミッタ層14を
メサエッチングして、p型GaAs第2ベース層26を
露出させると共に、n型AlGaAsエミッタ層14の
サイドエッチングをも行う。こうして、n型AlGaA
sエミッタ層14とn+ 型GaAsエミッタコンタクト
層16及びエミッタ電極18とからなるT型エミッタ構
造を形成する。
【0042】続いて、全面に絶縁膜20を堆積した後、
RIEを行い、エミッタ電極18、n+ 型GaAsエミ
ッタコンタクト層16、及びn型AlGaAsエミッタ
層14の側面のみに絶縁膜20を残存させる。続いて、
窒素雰囲気中において、基板温度550℃の条件でアニ
ール処理を行う。このアニール処理により、露出してい
るp型GaAs第2ベース層26からカーボンをパッシ
ベーションしていた水素が抜け、この水素によりパッシ
ベーションされていたカーボンがほぼ100%活性化し
て正孔濃度が1×1020cm-3に増加した。こうして、
n型AlGaAsエミッタ層14にヘテロ接合するp型
GaAs第2ベース層26中央部の真性ベース領域26
a周囲に、p++型GaAs外部ベース領域26bが形成
される。
RIEを行い、エミッタ電極18、n+ 型GaAsエミ
ッタコンタクト層16、及びn型AlGaAsエミッタ
層14の側面のみに絶縁膜20を残存させる。続いて、
窒素雰囲気中において、基板温度550℃の条件でアニ
ール処理を行う。このアニール処理により、露出してい
るp型GaAs第2ベース層26からカーボンをパッシ
ベーションしていた水素が抜け、この水素によりパッシ
ベーションされていたカーボンがほぼ100%活性化し
て正孔濃度が1×1020cm-3に増加した。こうして、
n型AlGaAsエミッタ層14にヘテロ接合するp型
GaAs第2ベース層26中央部の真性ベース領域26
a周囲に、p++型GaAs外部ベース領域26bが形成
される。
【0043】即ち、真性ベース領域26a及びp++型G
aAs外部ベース領域26bにおけるカーボン濃度は共
に1×1020cm-3と等しいが、p++型GaAs外部ベ
ース領域26bの正孔濃度は1×1020cm-3であり、
真性ベース領域26aの正孔濃度5×1019cm-3より
も高濃度となる(図4(b)参照)。次いで、この高い
正孔濃度をもつp++型GaAs外部ベース領域26b上
に、Cr/Auからなるベース電極22をノンアロイで
オーミック接触して形成する。また、n+ 型GaAsサ
ブコレクタ層上にも、コレクタ電極(図示せず)をオー
ミック接触して形成する。こうして、図3に示すHBT
が完成する(図4(c)参照)。
aAs外部ベース領域26bにおけるカーボン濃度は共
に1×1020cm-3と等しいが、p++型GaAs外部ベ
ース領域26bの正孔濃度は1×1020cm-3であり、
真性ベース領域26aの正孔濃度5×1019cm-3より
も高濃度となる(図4(b)参照)。次いで、この高い
正孔濃度をもつp++型GaAs外部ベース領域26b上
に、Cr/Auからなるベース電極22をノンアロイで
オーミック接触して形成する。また、n+ 型GaAsサ
ブコレクタ層上にも、コレクタ電極(図示せず)をオー
ミック接触して形成する。こうして、図3に示すHBT
が完成する(図4(c)参照)。
【0044】このように本実施例によれば、ベース層が
p型GaAs第1ベース層24及びp型GaAs第2ベ
ース層26からなる2層構造であり、同一濃度1×10
20cm-3のカーボンが添加されたp型GaAs第2ベー
ス層26のうち、p++型GaAs外部ベース領域26b
の正孔濃度は1×1020cm-3と、真性ベース領域26
bの正孔濃度5×1019cm-3より高濃度であることに
より、上記第1の実施例の場合と同様の効果を奏するこ
とができる。
p型GaAs第1ベース層24及びp型GaAs第2ベ
ース層26からなる2層構造であり、同一濃度1×10
20cm-3のカーボンが添加されたp型GaAs第2ベー
ス層26のうち、p++型GaAs外部ベース領域26b
の正孔濃度は1×1020cm-3と、真性ベース領域26
bの正孔濃度5×1019cm-3より高濃度であることに
より、上記第1の実施例の場合と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0045】また、本実施例の場合、2層構造にしたベ
ース層のうち、p型GaAs第2ベース層26の厚さを
制御することにより、p++型GaAs外部ベース領域2
6bを所望の厚さに制御することが可能になる。更に、
p型GaAs第1ベース層24に添加されたカーボン濃
度が5×1019cm-3と、p型GaAs第2ベース層2
6に添加されたカーボン濃度1×1020cm-3より低濃
度であることにより、p型GaAs第1ベース層24内
での再結合電流の増加が防止されるため、更に電流利得
を向上することができる。
ース層のうち、p型GaAs第2ベース層26の厚さを
制御することにより、p++型GaAs外部ベース領域2
6bを所望の厚さに制御することが可能になる。更に、
p型GaAs第1ベース層24に添加されたカーボン濃
度が5×1019cm-3と、p型GaAs第2ベース層2
6に添加されたカーボン濃度1×1020cm-3より低濃
度であることにより、p型GaAs第1ベース層24内
での再結合電流の増加が防止されるため、更に電流利得
を向上することができる。
【0046】尚、上記第1及び第2の実施例において
は、最も単純な構造のHBTについて説明したが、本発
明はこうしたHBTに限定されることなく、例えば高電
流密度化に伴う特性劣化を防止するためのエミッタ・ガ
ードリング構造を有するものや、ベース内やヘテロ接合
界面での再結合電流の影響を小さくするための傾斜ベー
ス構造を有するもの等々、種々のHBTに適用すること
が可能である。
は、最も単純な構造のHBTについて説明したが、本発
明はこうしたHBTに限定されることなく、例えば高電
流密度化に伴う特性劣化を防止するためのエミッタ・ガ
ードリング構造を有するものや、ベース内やヘテロ接合
界面での再結合電流の影響を小さくするための傾斜ベー
ス構造を有するもの等々、種々のHBTに適用すること
が可能である。
【0047】また、上記第1及び第2の実施例において
は、AlGaAs/GaAs系のHBTに本発明を適用
したが、これに限定されることなく、例えばInP/I
nGaAs系などの他のIII-V族化合物半導体を用いた
HBTに適用することも可能である。
は、AlGaAs/GaAs系のHBTに本発明を適用
したが、これに限定されることなく、例えばInP/I
nGaAs系などの他のIII-V族化合物半導体を用いた
HBTに適用することも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、III-V族
化合物半導体を用いたヘテロ接合バイポーラトランジス
タにおいて、ベース層のうち、ベース電極と接触する外
部ベース領域の少なくとも表面層に殆ど活性化されたカ
ーボンが添加され、エミッタ層とヘテロ接合する真性ベ
ース領域に水素によりパッシベーションされたカーボン
が添加されており、外部ベース領域の少なくとも表面層
の正孔濃度が、真性ベース領域の正孔濃度より高濃度で
あることにより、真性ベース領域での再結合電流の増加
を防止しつつ、ベース電極と外部ベース領域とのコンタ
クト抵抗を低減することができる。
化合物半導体を用いたヘテロ接合バイポーラトランジス
タにおいて、ベース層のうち、ベース電極と接触する外
部ベース領域の少なくとも表面層に殆ど活性化されたカ
ーボンが添加され、エミッタ層とヘテロ接合する真性ベ
ース領域に水素によりパッシベーションされたカーボン
が添加されており、外部ベース領域の少なくとも表面層
の正孔濃度が、真性ベース領域の正孔濃度より高濃度で
あることにより、真性ベース領域での再結合電流の増加
を防止しつつ、ベース電極と外部ベース領域とのコンタ
クト抵抗を低減することができる。
【0049】また、本発明は、III-V族化合物半導体を
用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法に
おいて、コレクタ層上に水素によりパッシベーションさ
れたカーボンを添加したp型ベース層及びn型エミッタ
層を順に積層する工程と、n型エミッタ層をメサエッチ
ングしてp型ベース層の外部ベース領域を露出させる工
程と、露出した外部ベース領域に添加された水素により
パッシベーションされたカーボンを活性化して、外部ベ
ース領域の少なくとも表面層の正孔濃度をp型ベース層
のn型エミッタ層とヘテロ接合する真性ベース領域の正
孔濃度より高濃度にする工程と、外部ベース領域上にベ
ース電極を形成する工程とを有することにより、真性ベ
ース領域での再結合電流の増加を防止しつつ、ベース電
極と外部ベース領域とのコンタクト抵抗を低減すること
ができるヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造が可
能になる。
用いたヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法に
おいて、コレクタ層上に水素によりパッシベーションさ
れたカーボンを添加したp型ベース層及びn型エミッタ
層を順に積層する工程と、n型エミッタ層をメサエッチ
ングしてp型ベース層の外部ベース領域を露出させる工
程と、露出した外部ベース領域に添加された水素により
パッシベーションされたカーボンを活性化して、外部ベ
ース領域の少なくとも表面層の正孔濃度をp型ベース層
のn型エミッタ層とヘテロ接合する真性ベース領域の正
孔濃度より高濃度にする工程と、外部ベース領域上にベ
ース電極を形成する工程とを有することにより、真性ベ
ース領域での再結合電流の増加を防止しつつ、ベース電
極と外部ベース領域とのコンタクト抵抗を低減すること
ができるヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造が可
能になる。
【0050】従って、ヘテロ接合バイポーラトランジス
タの高電流利得を維持しつつ、その高速化を実現するこ
とが可能になる。
タの高電流利得を維持しつつ、その高速化を実現するこ
とが可能になる。
【図1】本発明の第1の実施例によるHBTを示す断面
図である。
図である。
【図2】図1のHBTの製造方法を説明するための工程
図である。
図である。
【図3】本発明の第2の実施例によるHBTを示す断面
図である。
図である。
【図4】図3のHBTの製造方法を説明するための工程
図である。
図である。
【図5】従来のHBTを示す断面図である。
10…n型GaAsコレクタ層 12…p型GaAsベース層 12a…真性ベース領域 12b…p++型GaAs外部ベース領域 14…n型AlGaAsエミッタ層 16…n+ 型GaAsエミッタコンタクト層 18…エミッタ電極 20…絶縁膜 22…ベース電極 24…p型GaAs第1ベース層 26…p型GaAs第2ベース層 26a…真性ベース領域 26b…p++型GaAs外部ベース領域 28…n+ 型GaAsサブコレクタ層 30…n型GaAsコレクタ層 32…p型GaAsベース層 34…n型AlGaAsエミッタ層 36…n+ 型GaAsエミッタコンタクト層 38…エミッタ電極 40…ベース電極
Claims (8)
- 【請求項1】 III-V族化合物半導体を用いたヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、 ベース層のうち、ベース電極と接触する外部ベース領域
の少なくとも表面層に、カーボンが添加され、エミッタ
層とヘテロ接合する真性ベース領域に、水素によりパッ
シベーションされたカーボンが添加されており、 前記外部ベース領域の少なくとも表面層の正孔濃度が、
前記真性ベース領域の正孔濃度より高濃度であることを
特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 【請求項2】 III-V族化合物半導体を用いたヘテロ接
合バイポーラトランジスタにおいて、 ベース層が、コレクタ層上に形成され第1ベース層と前
記第1ベース層上に形成された第2ベース層とからなる
2層構造であり、 前記第1ベース層には、カーボンが添加されており、 前記第2ベース層のうち、ベース電極と接触する外部ベ
ース領域には、カーボンが添加され、エミッタ層とヘテ
ロ接合する真性ベース領域には、水素によりパッシベー
ションされたカーボンが添加されており、 前記外部ベース領域の正孔濃度が、前記真性ベース領域
の正孔濃度より高濃度であることを特徴とするヘテロ接
合バイポーラトランジスタ。 - 【請求項3】 請求項2に記載のヘテロ接合バイポーラ
トランジスタにおいて、 前記第1ベース層に添加されたカーボン濃度が、前記第
2ベース層に添加されたカーボン濃度より低濃度である
ことを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 【請求項4】 III-V族化合物半導体を用いたヘテロ接
合バイポーラトランジスタの製造方法において、 コレクタ層上に、水素によりパッシベーションされたカ
ーボンを添加したp型ベース層、及び前記p型ベース層
より広いバンドギャップをもつn型エミッタ層を順に積
層する工程と、 前記n型エミッタ層をメサエッチングして、前記p型ベ
ース層の外部ベース領域を露出させる工程と、 アニール処理を行い、露出した前記外部ベース領域に添
加された前記水素によりパッシベーションされたカーボ
ンを活性化して、前記外部ベース領域の少なくとも表面
層の正孔濃度を、前記p型ベース層の前記n型エミッタ
層とヘテロ接合する真性ベース領域の正孔濃度より高濃
度にする工程と、 前記外部ベース領域上にベース電極を形成する工程とを
有することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジ
スタの製造方法。 - 【請求項5】 III-V族化合物半導体を用いたヘテロ接
合バイポーラトランジスタの製造方法において、 コレクタ層上に、カーボンを添加したp型第1ベース
層、水素によりパッシベーションされたカーボンを添加
したp型第2ベース層、並びに前記p型第1ベース層及
び前記p型第2ベース層より広いバンドギャップをもつ
n型エミッタ層を順に積層する工程と、 前記n型エミッタ層をメサエッチングして、前記p型第
2ベース層の外部ベース領域を露出させる工程と、 アニール処理を行い、露出した前記p型第2ベース層の
前記外部ベース領域に添加された前記水素によりパッシ
ベーションされたカーボンを活性化して、前記p型第2
ベース層の前記外部ベース領域の正孔濃度を、前記p型
第2ベース層の前記n型エミッタ層とヘテロ接合する真
性ベース領域の正孔濃度より高濃度にする工程と、 前記p型第2ベース層の前記外部ベース領域上に、ベー
ス電極を形成する工程とを有することを特徴とするヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載のヘテロ接合バイポーラ
トランジスタの製造方法において、 前記p型第1ベース層に添加するカーボン濃度を、前記
p型第2ベース層に添加するカーボン濃度より低濃度に
することを特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジス
タの製造方法。 - 【請求項7】 請求項4に記載のヘテロ接合バイポーラ
トランジスタの製造方法において、 前記p型ベース層が、GaAs層からなり、 前記水素によりパッシベーションされたカーボンを添加
したp型第2ベース層を形成する工程が、Ga原料とし
てトリメチルガリウムを,As原料としてアルシンを、
カーボン原料としてカーボンテトラクロライドを用いて
p型GaAsベース層を形成する工程であることを特徴
とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。 - 【請求項8】 請求項5又は6に記載のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造方法において、 前記p型第1ベース層及び前記p型第2ベース層が、そ
れぞれGaAs層からなり、 前記カーボンを添加したp型第1ベース層を形成する工
程が、Ga原料としてトリメチルガリウムを,As原料
及びカーボン原料としてトリメチル砒素を用いてp型G
aAs第1ベース層を形成する工程であり、 前記水素によりパッシベーションされたカーボンを添加
したp型第2ベース層を形成する工程が、Ga原料とし
てトリメチルガリウムを,As原料としてアルシンを、
カーボン原料としてカーボンテトラクロライドを用いて
p型GaAs第2ベース層を形成する工程であることを
特徴とするヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP695394A JPH07211729A (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP695394A JPH07211729A (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07211729A true JPH07211729A (ja) | 1995-08-11 |
Family
ID=11652598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP695394A Withdrawn JPH07211729A (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07211729A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007512687A (ja) * | 2003-11-17 | 2007-05-17 | インテル コーポレイション | 改善された外部ベース領域を備えたバイポーラ接合形トランジスタ及びその製造方法 |
US7462892B2 (en) | 2005-07-26 | 2008-12-09 | Sony Corporation | Semiconductor device |
CN106683993A (zh) * | 2016-12-26 | 2017-05-17 | 厦门市三安光电科技有限公司 | 一种晶体管欧姆接触电极的制备方法 |
-
1994
- 1994-01-26 JP JP695394A patent/JPH07211729A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007512687A (ja) * | 2003-11-17 | 2007-05-17 | インテル コーポレイション | 改善された外部ベース領域を備えたバイポーラ接合形トランジスタ及びその製造方法 |
US7462892B2 (en) | 2005-07-26 | 2008-12-09 | Sony Corporation | Semiconductor device |
CN106683993A (zh) * | 2016-12-26 | 2017-05-17 | 厦门市三安光电科技有限公司 | 一种晶体管欧姆接触电极的制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010403 |