JP3398279B2 - 自動車内装用表面材 - Google Patents

自動車内装用表面材

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JP3398279B2
JP3398279B2 JP12526996A JP12526996A JP3398279B2 JP 3398279 B2 JP3398279 B2 JP 3398279B2 JP 12526996 A JP12526996 A JP 12526996A JP 12526996 A JP12526996 A JP 12526996A JP 3398279 B2 JP3398279 B2 JP 3398279B2
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polyester fiber
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一仁 亀崎
徹 早川
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高島屋日発工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のドアトリ
ムやシートカバー等に用いられる耐剥離強度および吸湿
性に優れた自動車内装用表面材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のドアトリムやシートカバー等に
用いられる自動車内装用表面材としては、従来のポリウ
レタンフォームの表面に表皮材をラミネートした積層表
面材に代え最近では、ワディング材に表皮材を接着一体
化したものが種々提案されている(例えば、実開平5−
15899号公報や特開平4−332590号公報等参
照)。
【0003】ところが、ワディング材を構成する短繊維
フィラメントとして表面が粗いものを用いた場合には、
針刺加工による絡合一体化処理を施した際に繊維フィラ
メントどうしが絡みつきすぎて必要以上に圧縮されてし
まいソフト感が低下して風合いが悪くなるという問題点
があった。一方、短繊維フィラメントとして表面が滑ら
かなものを用いた場合には、繊維フィラメントどうしの
絡みつきが不十分で層間強度が弱くなり耐剥離強度に劣
るという問題点があり、またこれを解消するには繊維フ
ィラメントとして比較的低温で熱融着する低融点繊維フ
ィラメントを混入させる必要があり、この場合には耐へ
たり性に劣るとともにヒートセット処理の温度管理が難
しくなるという問題点があった。また、いずれの短繊維
フィラメントを用いた場合にも吸湿性能が十分でないた
め、特にシートカバーへの使用には適していないという
問題点もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、低融点繊維フィラメントを混
入していないにも拘らず十分な耐剥離強度を発揮するこ
とができるとともに、ソフト感および耐へたり性も十分
で優れた風合いを呈することができ、また優れた吸湿性
を有してシートカバーへの使用にも適用することがで
き、更には加工性にも優れて安価に生産することができ
る自動車内装用表面材を提供することを目的として完成
されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の自動車内装用表面材は、ポリエス
テル繊維フィラメントよりなるワディング本体の表裏に
鱗片が表面にある吸湿性を有する羊毛フィラメントより
なる表面ウェブ層とポリプロピレン系繊維、ポリエステ
ル系繊維、ポリアミド系繊維のいずれかよりなる厚みが
0.3〜2mmで目付量5〜200g/m 2 程度のシート状の
不織布構造よりなる裏面層とを重ねて表側から裏側に向
けられた針刺加工と、前記したポリエステル繊維フィラ
メントの融点以下の温度でのヒートセットとにより絡合
一体化したワディング材に表皮材を接着一体化したこと
を特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しつつ本発明
の好ましい実施の形態を示す。図面は、本発明を自動車
用シートカバーに適用した場合を示すもので、図中1は
ワディング材、2は接着剤3によってワディング材1に
貼着された表皮材であり、以上の構成からなる表面材は
従来のこの種の自動車内装用表面材と基本的に同じであ
るが、本発明においては図2に示されるように、前記ワ
ディング材1を、ポリエステル繊維フィラメント11よ
りなるワディング本体10aの表裏に鱗片が表面にある
吸湿性を有する羊毛フィラメント12よりなる表面ウェ
ブ層10bと耐摩耗性のよい不織布構造よりなる裏面層
10cとを重ねて表側から裏側に向けられた針刺加工
と、前記したポリエステル繊維フィラメント11の融点
以下の温度でのヒートセットとにより絡合一体化したも
のとされている点に特徴を有する。
【0007】前記のワディング本体10aは、融点が約
180〜240℃で太さが2〜13デニール程度の高融
点のポリエステル繊維フィラメント11を、目付量10
0〜600g/m程度の繊維ウェブに構成したものであ
る。また、表面ウェブ層10bは、太さが約4〜10デ
ニールであり更に吸湿性を有する羊毛フィラメント12
を、目付量50〜150g/m程度の繊維ウェブに構成
したもので、この吸湿性を有する羊毛フィラメント12
は、表面が鱗片で被われているものである。さらに、
織布構造よりなる裏面層10cとしては、スパンボンド
と称されて市販されている耐摩耗性のよいポリプロピレ
ン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維など
よりなる厚みが0.3〜2mmで目付量5〜200g/m
程度の不織布シートが用いられる。
【0008】そして、ワディング本体10aの表裏面に
それぞれ吸湿性を有する羊毛フィラメント12よりなる
表面ウェブ層10bと、耐摩耗性のよい不織布構造より
なる裏面層10cとを重ねたうえ、表皮材2を接着させ
る表面にはフィラメント束が表側から裏側に向けてペネ
数を10〜30本程度の比較的少ない本数の針刺加工を
行って3層を針刺加工により形成されるフィラメント束
において絡合一体化し、次いで、140〜180℃程度
の温度でヒートセット処理を施して所定厚みのワディン
グ材1としてある。
【0009】なお、ワディング材1と表皮材2を接着す
る接着剤3は、両者を十分な接着強度で接着するもので
あれば水溶性のものやホットメルト型のものなどその種
類を特に限定されるものではないが、作業環境上の問題
を考慮すれば、アクリル−酢酸ビニル共重合物のエマル
ジョンなどの水溶性接着剤を用いることが好ましい。ま
た、実施例のように点状に塗布した接着剤3により接着
一体化することにより全面接着よりも接着剤の使用量を
削減するとともに、接着剤による表皮材2の風合いの劣
化を防止することが好ましい。
【0010】このように構成されたものは、表側から裏
側に向けて針刺加工されていることによって表面ウェブ
層10bを構成する吸湿性を有する羊毛フィラメント1
2がワディング本体10aのポリエステル繊維フィラメ
ント11とは表皮材2を接着させる表面に絡合し、更に
耐摩耗性のよい不織布構造よりなる裏面層10cにも絡
合しており、特に、前記羊毛フィラメント12鱗片が
表面にある構造で鱗片が耐摩耗性のよい不織布との間で
大きな抵抗を発生して抜けにくくなっているので、全体
がより強固に絡合一体化したワディング材1となってい
る。また、各層間の剥離強度を従来のように低融点繊維
フィラメントによって保持していないので、耐へたり性
およびソフト感に優れたものが得られることとなり、更
には、表面ウェブ層10bが吸湿性を有する繊維フィラ
メント12で構成されているので優れた吸湿性能を発揮
することができ、シートカバーに適用した場合にも汗な
どの吸収力に優れ快適なシートを提供できることとな
る。
【0011】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明は低融点繊維フィラメントを混入していないにも拘ら
ず十分な耐剥離強度を発揮することができるとともに、
ソフト感および耐へたり性も十分で優れた風合いを呈す
ることができ、また、優れた吸湿性を有してシートカバ
ーへの使用にも適用することができ、更には加工性にも
優れて安価に生産することができるものである。よって
本発明は従来の問題点を一掃した自動車内装用表面材と
して、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】ワディング材を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ワディング材 2 表皮材 10a ワディング本体 10b 表面ウェブ層 10c 裏面層 11 ポリエステル繊維フィラメント 12 吸湿性を有する羊毛フィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 D04H 1/00 - 18/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維フィラメント(11)より
    なるワディング本体(10a)の表裏に鱗片が表面にある吸
    湿性を有する羊毛フィラメント(12)よりなる表面ウェブ
    層(10b) とポリプロピレン系繊維、ポリエステル系繊
    維、ポリアミド系繊維のいずれかよりなる厚みが0.3
    〜2mmで目付量5〜200g/m 2 程度のシート状の不織布
    構造よりなる裏面層(10c) とを重ねて表側から裏側に向
    けられた針刺加工と、前記したポリエステル繊維フィラ
    メント(11)の融点以下の温度でのヒートセットとにより
    絡合一体化したワディング材(1) に表皮材(2) を接着一
    体化したことを特徴とする自動車内装用表面材。
  2. 【請求項2】 ポリエステル繊維フィラメント(11)の融
    点が180〜240℃で、ヒートセット温度を140〜
    180℃とした請求項1に記載の自動車内装用表面材。
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