JP3398238B2 - 制止装置及びこれを具備した転がり案内ユニット - Google Patents

制止装置及びこれを具備した転がり案内ユニット

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JP3398238B2 JP30815194A JP30815194A JP3398238B2 JP 3398238 B2 JP3398238 B2 JP 3398238B2 JP 30815194 A JP30815194 A JP 30815194A JP 30815194 A JP30815194 A JP 30815194A JP 3398238 B2 JP3398238 B2 JP 3398238B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,例えば工作機
械の運動機構部に装備されて,移動させるべき可動体を
高精度に案内する転がり案内ユニットと,該可動体の固
定用として該転がり案内ユニット等に設けて好適な制止
装置とに関する。
【0002】図17図19には,従来の直動転がり案
内ユニットされている。該直動転がり案内ユニット
は,制止装置を備えており,工作機械等が備えるベッド
151上にボルト152によって互いに平行に固定され
た2本のトラックレール153と,トラックレール15
3により案内される摺動台として例えば2つのスラ
イドユニット155とを有する。スライドユニット15
5上に可動体としての矩形板状のテーブル158がボ
ルト159により締結されている。トラックレール15
3には,軌道として,その左右両側部に2面ずつ,合計
4面の軌道面153aが長手方向に沿って平行に形成さ
れている。両スライドユニット155は,各軌道面15
3aにそれぞれ対応する負荷軌道を含む4条の転動体循
環路(図示せず)を有している。該各転動体循環路内に
は,スライドユニット155の移動に伴って軌道面15
3a上を転走しつつ循環してトラックレール153及び
スライドユニット155の間で荷重を受ける多数のボー
ル(図示ぜず)が配列収容されている。2つ設けられた
スライドユニット155のうち,一方の近傍に,制止装
置161が配設されている。制止装置161は,テーブ
ル158を固定状態とすべく,スライドユニット155
をトラックレール153に対して制止せしめるためのも
のであり,次のように構成されている。
【0003】制止装置161は,トラックレール153
の上面に対して所定の間隙を隔てて位置すべくテーブル
158の下面側に配設されると共に,ボルト163を以
てテーブル158に締着された固定プレート164と
定プレート164の両側に配置されてトラックレール
153の側面に対して近接離間(矢印Y1 にて示す)す
べく可動な一対の制止部材166,167と,両制止部
材166,177に螺合して各制止部材166,177
を移動させるための締付けねじ169とを有している。
また,締付ねじ169にはレバー170が嵌着され,レ
バー170を作業者が操作することによって締付ねじ1
69が回転せしめられる。締付ねじ169は,両制止部
材166,167に対する螺合部169a,169b
(図19参照)が互いに逆ねじに形成されている。ま
た,図19に示すように,両制止部材166,167を
互いに離間する方向に付勢するコイルスプリング172
が介装されている。
【0004】上記の直動転がり案内ユニットは,例え
ば,テーブル158上に被加工物(図示せず)が取り付
けられ,テーブル158が図示しない駆動手段によって
図17及び図18にて矢印Fで示すように適宜移動され
。テーブル158が所望の位置に達したら停止され,
作業者によって制止装置161が操作されることにより
テーブル158は堅固に固定される。詳しくは,図18
に示すように作業者がレバー170を右に回すと,両
制止部材166及び167がトラックレール153の側
面に近接せしめられ,当接し押圧される。これによ
り,トラックレール153の両側面と両制止部材16
6,167間に大きな摩擦力が生じ,テーブル158は
固定状態となる。テーブル158の固定状態において,
上記被加工物に対する切削加工等の加工が施される。
【0005】テーブル158の固定状態を解除するに
,レバー170を逆方向に操作すればよい。この逆操
作によって,両制止部材166,167はトラックレー
ル153から離間する。また,両制止部材166,16
7間にはこれらを互いに離間する方向に付勢するコイル
スブリング172が設けられており,両制止部材16
6,167のトラックレール153からの離脱はコイル
スブリング172の付勢力によっても促される。
【0006】制止装置161については,テーブル15
8は多くの場合,テーブル158を移動させる駆動手段
がその作動を停止しているとき,該駆動手段が備える動
力伝達機構の剛性に基づいてある程度の強度を以て固定
状態となされる。ところが,被加工物に対する切削加工
等が行われている間に受ける切削力等は比較的大きい
から,切削力等に起因して発生する振動の抑制,及び
加工物の加工面の表面性状の均一化を図るためには,
かかる固定状態のみでは不十分である。そこで,制止装
置161を用いて堅固な固定状態を得ることが有用であ
る。また,導体部品等の組立てを行う組立装置等の高い
作動精度を要求される他の装置に関しては,ある種の可
動体を固定状態とした上で精密な作業を施すものであ
るならば,制止装置161を含む直動転がり案内ユニッ
トが組み込まれることは,精度を向上させる上で有効で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成の制止装
置161は種々ある制止装置の中でも構造が比較的
簡単なものであり,低廉にして操作が容易であり,しか
も作動不良を起し難い等の利点を有するものとえる。
しかしながら,制止装置161が具備する部品の点数に
ついては必ずしも少なくはなく,この点,製造コスト
の更なる低減等を図る上で解決されるべき問題がある。
【0008】この発明の目的,上記した点に鑑みて開
発されたものであり,部品点数が極めて少なく構造が
簡単であり,製造コストの低減等を達成することができ
制止装置,及び該制止装置を具備した転がり案内ユニ
ットを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は,長尺状にな
る所定のトラックレールと前記トラックレールに対して
相対運動可能な可動体との間に延在して前記可動体に取
り付けられる制止部材と,前記制止部材を弾性変形させ
る押圧手段とを有し,前記制止部材は,前記可動体に係
合する突状の係合部が両側に形成され且つ前記係合部間
で前記可動体との間に隙間が形成される状態に前記可動
体に設置される板状の基体部と,前記ト ラックレールの
側面に隙間を隔てて対向状態に前記基体部の前記両側か
らそれぞれ垂下して延出し且つ前記基体部と一体に形成
された一対の板状の緊締部とから構成され,前記押圧手
段は,前記制止部材の前記基体部と係合して前記係合部
間の前記基体部を前記可動体に向けて弾性変形させるこ
とによって前記制止部材の前記緊締部を前記トラックレ
ールの前記側面の方向にそれぞれ傾かせて前記トラック
レールの前記側面に前記緊締部を圧接させて前記制止部
材を前記トラックレールに固定させことから成る制止装
置に関する。
【0010】前記緊締部は,前記基体部に形成された前
記係合部間で前記係合部の位置より内側の位置で前記基
体部と一体化されている。
【0011】前記押圧手段は,前記可動部の前記トラッ
クレールに対する相対運動の方向において複数並設され
ている。
【0012】前記押圧手段は,前記基体部と前記可動体
とを互いに締結する締結手段から構成されている。
【0013】前記締結手段が締結時に回転させられる部
分と該部分により締結力を受ける前記可動体の締結部位
との間に,前記締結力をアキシアル荷重として受け得る
軸受が介装されている。
【0014】前記締結手段が締結時に回転させられる部
分に,前記部分に対して回転力を付与するための柄部が
設けられている。
【0015】前記押圧手段は,シリンダー機構等の駆動
制御手段から構成されている。
【0016】前記制止部材は軽金属から作製されてい
る。
【0017】前記緊締部には,前記トラックレールに形
成された軌道に対して密接に係合し 得る密接係合部が形
成されている。
【0018】前記基体部の前記可動体に対する係合面は
粗面となっている。
【0019】前記基体部の前記係合部は,前記可動体に
対して締結部材によって締結されるものである。
【0020】また,この発明は,長手方向に沿って軌道
が形成されたトラックレールと,前記軌道に対応する負
荷軌道を含む転動体循環路を有して前記トラックレール
に対して相対運動自在にして所定の可動体に結合される
摺動台と,前記転動体循環路に配列収容されて前記軌道
に沿って転走しつつ荷重を受ける複数の転動体と,前記
トラックレール及び前記摺動台を相互制止状態にするた
めの制止装置とを有し,前記制止装置は,前記トラック
レールと前記トラックレールに対して相対運動可能な可
動体との間に延在して前記可動体に取り付けられる制止
部材と,前記制止部材を弾性変形させる押圧手段とを有
し,前記制止部材は,前記可動体に係合する突状の係合
部が両側に形成され且つ前記係合部間で前記可動体との
間に隙間が形成される状態に前記可動体に設置される板
状の基体部と,前記トラックレールの側面に隙間を隔て
て対向状態に前記基体部の前記両側からそれぞれ垂下し
て延出し且つ前記基体部と一体に形成された一対の板状
の緊締部とから構成され,前記押圧手段は,前記制止部
材の前記基体部と係合して前記係合部間の前記基体部を
前記可動体に向けて弾性変形させることによって前記制
止部材の前記緊締部を前記トラックレールの前記側面の
方向にそれぞれ傾かせて前記トラックレールの前記側面
に前記緊締部を圧接させて前記制止部材を前記トラック
レールに固定させることから成る転がり案内ユニットに
関する。
【0021】この発明は,上記のように構成されてお
り,押圧手段によって付与される押圧力によって制止部
の基体部が弾性変形し,それによって,制止部材の
締部が傾いてトラックレールに圧接状態になり,制止部
材がトラックレールに緊締して固定状態が得られる。ま
た,押圧手段による押圧力が解除されると基体部が自
体の弾発力を以て復元動作をなし,緊締部がトラックレ
ールから解放離脱することができる
【0022】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による制止装置及び該制止装置を備えた転がり案内ユニ
ットについて説明する。
【0023】図1に示すように,この直勤転がり案内ユ
ニットは,例えば,工作機械としての切削加工機(全体
は図示しない)が備えるベッド2上に互いに平行に2組
設けられ,可動体としての矩形板状のテーブル3を
して担持している。
【0024】一対の直動転がり案内ユニット1は,ベッ
ド2上に固定された直線状のトラックレール5と,ト
ックレール5に対して相対運動自在な摺動台としての2
つのスライドユニット7とを有している。トラックレー
ル5に対して各スライドユニット7を制止状態にするた
めの制止装置8が設けられている。また,図2に示すよ
うに,トラックレール5は,ベッド2に対して複数本の
ボルト(六角穴つき)10によって締結されている。
に示すように,トラックレール5には,ボルト10の
頭部及びねじ部がそれぞれ挿通される大径部及び小径部
を有する挿通孔5aが形成されており,ボルト10は挿
通孔5aに全体が埋没するように挿通されてベッド2に
螺合される。また,図示のように,ボルト10を螺合
後に,埋め栓12が挿通孔5aの開口部に嵌着され
ラックレール5の上面と面一とされている。
【0025】図2及び図3に示すように,トラックレー
ル5には,左右両側部に軌道として1条ずつの軌道溝5
cが長手方向に沿って形成されている。スライドユニッ
ト7は,トラックレール5上に跨架されたケーシング1
4と,ケーシング14の前後両端部に結合された一対の
エンドキャップ15a及び15bと両エンドキャップ
15a,15bの各外面側に取り付けられたシール部材
16a,16bとを有している。
【0026】図3に示すように,スライドユニット7に
は,トラックレール5の軌道溝5cに対応して転勤体循
環路18が形成されている。但し,図3はスライドユ
ニット7の片側のみを示すものであり,片側の転動体循
環路18されているが,トラックレール5の左右両
側の軌道溝5cに対応して同数の転動体循環路が形成さ
れている。
【0027】動体循環路18には転動体としての多
数のボール20が配列収容されている。ール20は,
スライドユニット7の移動に伴って軌道溝5cに沿って
転動しつつ循環して,トラックレール5及びスライドユ
ニット7の間で荷重を受ける。また,転動体循環路18
,ケーシング14に互いにそれぞれ直線的に且つ平行
に形成された負荷軌道溝18a及びリターン路18b
と,両エンドキャップ15a,15bに形成され負荷
軌道溝18a及びリターン路18bをこれらの両端部に
て連通させる略半円状の方向転換路18c及び18dと
から。負荷軌道溝18aがトラックレール5の軌道
溝5cに対応している。また,エンドキャップ15aに
,各ボール20に潤滑剤としてのグリースを供給する
ためのグリースニッブル21が取り付けられている。ま
た,図2には,スライドユニット7をトラックレール5
から外した際に負荷軌道溝18aからボール20が脱
落しないように保持する保持部材23が示されており,
また,下面シール24が示されている。
【0028】図2に示すように,スライドユニット7の
ケーシング14の上面側には,複数,この実施例では,
4つのねじ孔14aが形成されている。図1に示したテ
ーブル3は,ねじ孔14aに螺合するボルト(六角穴つ
き)26(図1,図2参照)によってケーシング14に
締結される。
【0029】一方,トラックレール5に対してスライド
ユニット7,従ってテーブル3を制止状態とするため
に設けられた制止装置8は次のように構成されている
4に示すように,制止装置8は,制止部材31と,ボ
ルト(六角穴付き)32と,スラスト軸受33とを備え
ている。制止部材31はテーブル3とトラックレール5
との間に配設されている。また,ボルト32は,テーブ
ル3に形成された挿通孔3aに上方からねじ部が挿通さ
,制止部材31に形成された雌ねじ部31aにねじ部
の先端部分が螺合している。スラスト軸受33はこの
場合単式スラスト軸受であり,上下一対の軌道盤と,
転動体として該両軌道盤間に配置された多数のボールと
を具備し,ボルト32の頭部とテーブル3との間に介装
されている。
【0030】図5図7には,制止部材31の詳細
されている。制止部材31は,略矩形板状に形成され
ーブル3及びトラックレール5の間に延在する基体部
31cを有している。ボルト32が螺合する雌ねじ部3
1aは基体部31cの中央部に形成されている。基
部31cには,その上面側であって左右両側に,全長に
わたる突状の係合部31dが形成されており,2箇所の
係合部31dにてテーブル3の下面に係合している。
4に示すように,基体部31cは,各係合部31dが突
状であるところから,両係合部31d間においてテーブ
ル3との間に隙間e1 が生じている。基体部31cの下
面側左右両側には,一対の緊締部31eが基体部31c
と一体に形成されている。緊締部31eはトラックレ
ール5を左右両側から緊締するためのものであり,トラ
ックレール5の側面と僅かな隙間e2 を隔てて対向する
ように両係合部31dの近傍から垂下状態にて延出して
いる。また,基体部31cに螺合した前述のボルト32
,基体部31cを2箇所の係合部31d間においてテ
ーブル3に向けて押圧して弾性変形させるための押圧手
段として作用する。
【0031】次に,上記した構成の直動転がり案内ユニ
ットを含む切削加工機の動作について,図8をも参照し
て説明する。図1に示すテーブル3上に披加工物40が
載置され,図示しない固定具を以て固定される。この状
態で,テーブル3が図示しない駆動手段によって図1に
て矢印Sで示すように適宜移動される。テーブル3,
ち,被加工物40がこれに加工を施すべき所望の加工位
置に達したら停止させられる。作業者がレンチ等の工具
を使用して,図4及び図8に示すボルト32を締め付け
。ボルト32が締め付けられると,図4に示すよう
に,ボルト32はその頭部をスラスト軸受33を介して
テーブル3によって受けられているから自体は螺入せ
ず,制止部材31の基体部31cに対して締付力がテー
ブル3に向う押圧力として作用し,図8に二点鎖線にて
示すように基体部31cが弾性変形せしめられる。こ
れによって,両緊締部31eが内側に傾き,トラックレ
ール5の側面に圧接せられ,トラックレール5を緊締
し,固定状態となる。
【0032】上記のように,トラックレール5が固定状
態となったら,被加工物40(図1参照)に対して所要
の加工,例えば,切削加工が施される。被加工物40に
対する切削加工が完了したら,作業者がボルト32を緩
める。これにより,制止部材31の基体部31cに加っ
ていた押圧力が解除される。それによって,基体部31
cが自体の弾発力を以て復元動作をなし,両緊締部31
eがトラックレール5から離脱し,固定状態が解かれ
る。
【0033】上記した構成の制止装置8は,トラックレ
ール5を緊締して制動力を生ぜしめるための部材は実質
に制止部材31のみであり,従来のように固定プレー
ト(164)と一対の制止部材(166,167)とを
以て固定状態を得る制止装置に比して部品点数が少なく
なっている。また,当該制止装置においては,押圧手段
としてのボルト32による押圧力が解除されると制止部
材31の基体部31cが自体の弾発力を以て復元動作を
なし,以て緊締部31eがトラックレール5から離脱
するから,固定状態の解除を促すべく従来用いられてい
るコイルスプリング(172)等の特別な付勢手段は不
要であり,この点からも部品点数が少なく抑えられてい
る。
【0034】従って,この転がり案内ユニットは,従来
のものに比較して部品点数が極めて少なく,構造が簡単
であり,製造コストの低滅が達成される。また,この転
がり案内ユニットは,このように部品点数が少ないが故
に,部品同士の相対作動部分に塵埃等が侵入すること等
に起因して作動不良状態に陥る可能性が低く,信頼性が
高いものになる
【0035】また制止装置8においては,制止部材3
1の緊締部31eが,テーブル3に係合すべく基体部3
1cに設けられた2箇所の係合部31d間,即ち,両係
合部31dよりも内側に配置されている。この構成によ
れば,緊締部31eが2箇所の係合部31d間よりも外
側に配置されている場合に比して,基体部310の弾性
変形に基づく撓み曲線の傾斜角に関連して,緊締部31
eの傾きが大となり,制動力が増大する。
【0036】更に,制止装置8においては,基体部31
cを弾性変形させるための押圧手段として,締結手段と
してのボルト32が採用されている。故に,該押圧手段
に関してもその構造は極く簡単となり,更なるコスト低
減が達成される。但し,締結手段としては,ボルト32
に限らず,この他に例えば,頭部を有さない植込ボルト
(図示せず)をその下端部にて基体部31cに螺合さ
せ,該植込ボルトの上端部にナット(図示せず)を螺合
させ,ナットを締め付けることによって押圧力を付与
する構成のもの等が採用可能である。
【0037】更に,制止装置8においては,図4に示し
たように,上記締結手段として作用するボルト32が具
備して締結時に回転させるべき部分,即ち,ボルトの頭
部と,該頭部により締結力を受けるテーブル3め締結部
位との間に,該締結力をアキシアルに荷重として受け得
るスラスト軸受33が介装されている。よって,ボルト
32の頭部とテーブル3との間に生ずる摩擦力が極く小
さくなり,弱い操作力を以て強い締結力,即ち,押圧力
を得ることができる。
【0038】ところで,この実施例においては,制止装
置8が具備する制止部材31は,その素材として,例え
アルミニウム若しくはその合金等の軽金属が選定さ
れている。また,好ましくは,押圧手段として作用す
ルト32に関しても同じく軽金属を材料として成形さ
れる。これにより,制止部材31及びボルト32をテー
ブル3に取り付けたときの慣性力の増大分は小さく抑え
られ,テーブル3を高速にて作動させる場合に特に有効
である。但し,制止部材31及びボルト32の素材とし
て鉄等の重い金属を用いてもよいことは勿論である。
【0039】更に,この実施例においては,制止部材3
1の基体部31cを弾性変形せしめるべく押圧力を付与
する押圧手段としてのボルト32が1本のみ設けられて
いるが,複数本,例えば,図9に示すように2本設け
てもよい。但し,2本のボルト32は,トラックレール
5(図1参照)に対するテーブル3(図1参照)の相対
運動の方向S(図1にも示す)において並設されてい
る。このように複数の押圧手段を並設したことによっ
て,大きな制動力が生じ,緊固な固定状態が得られる。
【0040】また,この実施例においては,制止部材3
1の基体部31cを弾性変形させるべく押圧力を付与す
る押圧手段として,通常の六角穴つきボルト32が用い
られているが,次に示す各ボルトを採用してもよい。ま
ず,図10に示す蝶ボルト43である。蝶ボルト43
は,締結時に回転させるべき部分,即ち頭部43aに
頭部43aに対して回転力を付与するための柄部として
の耳部43bが設けられている次に,図11に示すボ
ルト44であるボルト44は,締結時に回転させるぺ
き部分である頭部44aに頭部44aに対して回転力
を付与するための柄部としてのレバー部44bが設けら
れている。
【0041】上記のように各種の柄部を備えたボルト
を用いることによって,作業者が自らの手によって該ボ
ルトを操作して回転させることができ,それ故に例え
レンチ等の工具が不要となり,使い勝手が良好とな
る。この場合,実施例に示したように,これら各種ボル
トについて頭部がテーブル3の上面側となるように配
置すれば,該柄部がテーブル3と干渉することがなく,
テーブル3を大きくち面積を広くすることができる。
因に,図19等に示す従来のものにおいては,テーブル
158をあまり大きくすると,柄部としてのレバー17
がテーブル158と干渉してしまう。
【0042】更に,上記のような各種ボルトに代えて,
図12に示す構成の押圧手段を採用してもよい。制止部
材31の基体部310の中央部分に下端部にて螺合せし
められた頭部を有さない植込ボルト46と,出力軸49
aが下向きとなるようにテーブル3上に台座48を介し
て取り付けられた駆動制御手段としての油圧または空圧
式のシリンダー機構49とシリンダー機構49の出力
軸49aと植込ボルト46の上端部とを相互連結させる
カプラ50とからなるものであるシリンダー機構49
は,その作動について自動制御及び遠隔制御が可能であ
るから,制止装置8に求められる作動頻度が如何に高く
とも,また,如何に迅速な作動が求められようとも自動
制御にて対処することができると共に,遠隔制御をなす
ことによって作業者自ら行動すぺき範囲を狭め,且つ,
作業そのものも簡略化することが可能となる。また,自
動制御及び遠隔制御を可能とする駆動制御手段として
シリンダー機構49の他に,ソレノイドブランジャ
や圧電素子等を用いてもよい。また,この実施例におけ
るように駆動制御手段としてのシリンダー機構49の
出力軸49aを制止部材31の基体部31cに直接的に
連結する構成に限らず,リンク機構や挺子を介在させる
構成としてもよい。
【0043】また,上記の実施例においては,制止部材
31の両緊締部31eについて,トラックレール5の左
右両側面に圧接させることによって制動力を得ている
が,図13及び図14に示す構成とすることが望まし
。制止部材31が有する両緊締部31eの下端部内側
に,トラックレール5の両側に形成されている軌道溝5
cに対して密接に係合し得る断面略半円状の密接係合部
31gが緊締部31eの全長にわたって形成されてい
る。よって,トラックレール5との接触面積が大きく,
大きな制動力が得られる。
【0044】更に,上記実施例においては,制止部材
31が有する基体部31cにテーブル3の下面に係合す
べく2箇所に形成された係合部31aの係合面,ち取
付面が平滑となされているが,図15に示すように,断
面形状が例えば鋸歯状若しくは波状の凹凸31hを
形成して粗面とすることが望ましい。このように取付面
を粗面とすることによって,テーブル3に対する制止部
材31の固着力が増大し,制動力の反力によって制止部
材31がずれ等を生ずることが防止される。 ,粗面
とするための凹凸31hに関しては係合部31cの長
手方向に沿って多数の小さな溝を平行に切ること等によ
って形成する。
【0045】また,上記実施例においては,制止部材
31がテーブル3の下面に常に当接る状態にて取り付け
られているが,図16に示すように制止部材31の基
体部31cについて,テーブル3との係合部31dにて
締結手段としてのボルト53及び54によってテーブル
3に対して締結することが好ましい。また,一方のボル
ト53は基体部31c及びテーブル3に対して下側から
装着され,他方のボルト54は上側から装着されている
が,いずれかの装着形式を必要に応じて適宜選定する。
このように,制止部材31をテーブル3に締結すること
によってその固定状態は極めて堅固となり,制動力の反
力によって制止部材31がずれ等を生じることは全くな
い。
【0046】また,上記実施例においては,制止部材
31にはその左右両側に制止部材31の全長にわたる一
対の緊締部31eが形成されているが,制止部材31が
比較的長尺となった場合には,制止部材の全長にわた
る緊締部とはせず,短い緊締部を制止部材の長手方向に
おいて並設することを行ってもよい。また,制止部材3
1の基体部31cに設けられた係合部31dに関しても
それと同様であり,上記実施例において制止部材3
1の左右両側に制止部材31の全長にわたって形成され
ているが,全長にわたる係合部とはせずに,短い係合部
を制止部材の長手方向において並設してもよい。また,
該係合部については,ボルト32が螺合する部位を除け
ば,いずれの部位に形成してもよい。
【0047】ところで上記実施例においては。転が
り案内ユニットとして直線的に作動する直動転がり案内
ユニットを示したが,トラックレール等に曲率をもたせ
た曲動形式とすることも勿論可能である。また,この
明は,上記した実施例及び各変形例の構成に限らず,こ
れら各構成をその一部分ずつでも互いに適宜組み合わせ
たり,相互に応用し合わせることにより,多岐に亘る
構成を実現できるものである。
【0048】
【発明の効果】この発明は,上記のように構成されてい
るので,押圧手段によって付与される押圧力によって
止部材の基体部が弾性変形し,それによって制止部材の
緊締部が傾いてトラックレールに圧接して制止部材を
ラックレール緊締して固定状態が得られる。また,
締部の押圧力が解除されると基体部が自体の弾発力
よって復元動作をなし,緊締部がトラックレールから
離脱するものであり,かかる構成においては,制止部
材をトラックレールに緊締して制動力を生ぜしめるため
の部材は実質的に制止部材のみであり,従来のように固
定プレート(164)と一対の制止部材(166,16
7)とを以て固定状態を得る制止装置に比して部品点数
が少なくなっている。また,押圧手段による押圧力が解
除されると基体部が自体の弾発力を以て復元動作をな
し,以て緊締部がトラックレールから離脱するから,固
定状態の解除を促すべく従来用いられているコイルスプ
リング(172)等の特別な付勢手段は不要であり,こ
の点からも部品点数が少なく抑えられている。従って,
この発明は,部品点数が極めて少なく,構造が簡単であ
り,製造コストの低減が達成されまた,部品点数が少
ないが故に,部品同士の相対作動部分に塵埃等が侵入す
ること等に起因して作動不良状態に陥る可能性が低く,
信頼性が高い。
【0049】 また,この 発明による制止装置は,それが
組み込まれるべき転がり案内ユニットが備える摺動台に
対して一体的に組み着けられるものではなく,該摺動台
とは別体として設けられる。このように,制止装置は転
がり案内ユニットの摺動台とは別体として設けられるか
ら,装備すべき制止装置の数を必要に応じて増減させる
ことが可能であると共に,その取付け,取外しを含め取
扱いも容易である。また,この制止装置は,摺動台とは
別体であるが故に,該制止装置及び摺動台は共に簡単で
安価な構造とすることができ,転がり案内ユニット全体
としてのコスト低減等が達成される。また,制止装置を
摺動台とは別体にしたことにより,案内特性に悪影響を
及ぼす該摺動台内の内力変化等を避けることが可能とな
っている。即ち,例えば,特公平5−81766号
において開示されているように, 制止装置が摺動台に一
体に組み込んだものでは,転動体や該転動体が循環すべ
く摺動台に形成された無限軌道,高い精度を以て相互
に係合する各部位が,強い緊締力を加えた時,これを解
除した時等に何等かの悪影響を受けることが発生する
が,この発明による制止装置は上記のような現象は全く
発生しない。
【0050】 また,この発明による制止装置は,緊締部
2箇所の係合部間,ち該両係合部よりも内側に配
設されているので,緊締部が該2箇所の係合部間よりも
外側に配置されている場合に比して,上記基体部の弾性
変形に基づく撓み曲線の傾斜角に関連して,該緊締部の
傾きが大となり,制動力が増大する。更に,この発明に
よる制止装置は,制止部材の基体部を弾性変形せしめる
べく押圧力を付与する押圧手段が,トラックレールに対
する可動体の相対運動の方向において複数並設できる
で,大きな制動力が生じ,堅固な固定状態が得られる。
また,この発明による制止装置は,押圧手段が基体部及
び可動体を互いに締結するボルト等の締結部材からなる
ので,押圧手段に関してもその構造は極く簡単となり,
更なるコスト低減が達成される。加えて,この発明によ
る制止装置は,締結手段が具備して締結時に回転させる
べき部分(該締結手段が例えばボルトであればその頭
部)と該部分により締結力を受ける上記可動体の締結部
位との間に,該締結力をアキシアル荷重として受け得る
軸受が介装されているので,該部分と可動体との間に生
る摩擦力が極く小さくなり,弱い操作力を以て強い締
力即ち押圧力を得ることができる。また,この発明に
よる制止装置は,締結手段が具備して締結時に回転させ
るべき部分(該締結手段が例えばボルトであればその頭
部)に,例えば蝶ボルトの耳部の如く,該部分に対して
回転力を付与するための柄部が設けられたり,又はレバ
ー部等を柄部として設けることができるので,作業者が
自らの手によって回転させることができ,それ故に例え
ばレンチ等の工具が不要となり,使い勝手が良好であ
る。この場合,実施例に示したように,回転させるべき
部分(例えばボルトの頭部)が可動部のテーブル(3)
の上面側となるように締結手段を配置すれば,該柄部が
該テーブル(3)と干渉することがなく,テーブル
(3)を大きく,ち面積を広くすることができる。
【0051】 更に,この発明による制止装置は,押圧手
段として,シリンダー機構等,自動制御及び遠隔制御が
可能な駆動制御手段が採用されているので,制止装置に
求められる作動頻度が如何に高くとも,また,如何に迅
速な作動が求められようとも自動制御にて対処すること
ができると共に,遠隔制御をなすことによって作業者自
ら行動すぺき範囲を狭め,且つ,作業そのものも簡略化
することが可能となっている。また,この発明による制
止装置は,制止部材の素材として特に,アルミニウム
等の軽金属が選定されるので,制止部材を上記可動体に
取り付けたときの慣性力の増大分は小さく抑えられ,可
動体を高速にて作動させる場合に特に有効である。ま
た,この発明による制止装置は,制止部材が有する緊締
部に,トラックレールに形成された軌道に対して密接に
係合し得る密接係合部が形成されているので,トラック
レールとの接触面積が大きく,大きな制動力が得られ
る。また,この発明による制止装置は,制止部材の基体
部の上記可動体に対する係合面即ち取付面が粗面となっ
ているので,可動体に対する該制止部材の固着力が増大
し,制動力の反力によって該制止部材がずれ等を生ずる
ことが防止される。また,この発明による制止装置は,
制止部材の基体部の上記可動体に対する係合部即ち取付
部が,該可動体に対して締結部材により締結されている
ので,可動体に対する該制止部材の固定状態は極めて堅
固であり,制動力の反力によって該制止部材がずれ等を
生ずることは全くない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による制止装置を備えた直動転がり案
内ユニットを工作機械のベッド上に取り付けた状態を示
す平面図である。
【図2】図1に示した直動転がり案内ユニットが備える
スライドユニットとトラックレールとを示す分解斜視図
である。
【図3】図2に示したスライドユニット及びトラックレ
ールを示す側面図である。
【図4】図1におけるA−A断面制止装置を示す断面
図である。
【図5】図4に示した制止装置が具備する制止部材の一
部断面を含む正面図である。
【図6】図5におけるB−B矢視の制止部材を示す図で
ある。
【図7】図5におけるC−C矢視の制止部材を示す図で
ある。
【図8】図4に示した制止装置の動作を示す説明図であ
る。
【図9】図4に示した制止装置の第1の変形例の要部を
示す斜視図である。
【図10】図4に示した制止装置の第2の変形例の要部
である蝶ボルトを示す斜視図である。
【図11】図4に示した制止装置の第3の変形例の要部
であるボルトを示す斜視図である。
【図12】図4に示した制止装置の第4の変形例を示す
縦断面図である。
【図13】図4に示した制止装置の第5の変形例の要部
である制止部材を示す斜視図である。
【図14】図13に示した制止部材とトラックレールと
を示す一部断面を含む正面図である。
【図15】図4に示した制止装置の第6の変形例の要部
を示す縦断面図である。
【図16】図4に示した制止装置の第7の変形例の要部
を示す縦断面図である。
【図17】従来の制止装置を含む転がり案内ユニットを
工作機械等のベッド上に取り付けた状態を示す一部断面
を含む平面図である。
【図18】図17におけるM−M矢視を示す図である。
【図19】図17におけるN−N矢視を示す図である。
【符号の説明】
1 直動転がり案内ユニット 2 (切削加工機の)ベッド 3 テーブル(可動体) 5 トラックレール 5c 軌道溝 7 スライドユニット(摺動台) 8 制止装置 31 制止部材 31 (制止部材の)基体部 31d (基体部の)係合部 31e (制止部材の)緊締部 31g (緊締部の)密接係合部 31h (係合部の)凹凸 32 ボルト(押圧手段) 33 スラスト軸受 40 被加工物 43 蝶ボルト(押圧手段) 44 ボルト(押圧手段) 49 シリンダー機構(駆動制御手段) 53,54 ボルト(締結部材)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−51618(JP,A) 特開 平4−151017(JP,A) 特開 平2−300517(JP,A) 実開 昭63−178615(JP,U) 実開 平5−8036(JP,U) 実開 昭63−147927(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 29/00 - 31/06

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺状になる所定のトラックレールと前
    記トラックレールに対して相対運動可能な可動体との間
    に延在して前記可動体に取り付けられる制止部材と,前
    記制止部材を弾性変形させる押圧手段とを有し, 前記制止部材は,前記可動体に係合する突状の係合部が
    両側に形成され且つ前記係合部間で前記可動体との間に
    隙間が形成される状態に前記可動体に設置される板状の
    基体部と,前記トラックレールの側面に隙間を隔てて対
    向状態に前記基体部の前記両側からそれぞれ垂下して延
    出し且つ前記基体部と一体に形成された一対の板状の緊
    締部とから構成され, 前記押圧手段は,前記制止部材の前記基体部と係合して
    前記係合部間の前記基体部を前記可動体に向けて弾性変
    形させることによって前記制止部材の前記緊締部を前記
    トラックレールの前記側面の方向にそれぞれ傾かせて前
    記トラックレールの前記側面に前記緊締部を圧接させて
    前記制止部材を前記トラックレールに固定させることか
    ら成る 制止装置。
  2. 【請求項2】 前記緊締部は,前記基体部に形成された
    前記係合部間で前記係合部の位置より内側の位置で前記
    基体部と一体化されていることから成る請求項1記載
    の制止装置。
  3. 【請求項3】 前記押圧手段は,前記可動部の前記トラ
    ックレールに対する相対運動の方向において複数並設さ
    れていることから成る請求項1又は請求項2記載の制
    止装置。
  4. 【請求項4】 前記押圧手段は,前記基体部と前記可動
    を互いに締結する締結手段から構成されていること
    から成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の制止装
    置。
  5. 【請求項5】 前記締結手段が締結時に回転させられる
    部分と該部分により締結力を受ける前記可動体の締結部
    位との間に,前記締結力をアキシアル荷重として受け得
    る軸受が介装されていることから成る請求項4記載の
    制止装置。
  6. 【請求項6】 前記締結手段が締結時に回転させられる
    部分に,前記部分に対して回転力を付与するための柄部
    が設けられていることから成る請求項4又は請求項5
    記載の制止装置。
  7. 【請求項7】 前記押圧手段は,シリンダー機構等の駆
    動制御手段から構成されていることから成る請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の制止装置。
  8. 【請求項8】 前記制止部材は軽金属から作製されてい
    ることから成る請求項1〜7のいずれか1項に記載の制
    止装置。
  9. 【請求項9】 前記緊締部には,前記トラックレールに
    形成された軌道に対して密接に係合し得る密接係合部が
    形成されていることから成る請求項1〜8のいずれか1
    項に記載の制止装置。
  10. 【請求項10】 前記基体部の前記可動体に対する係合
    面は粗面となっていることから成る請求項1〜9のいず
    れか1項に記載の制止装置。
  11. 【請求項11】 前記基体部の前記係合部は,前記可動
    体に対して締結部材によって締結されることから成る請
    求項1〜10のいずれか1項に記載の制止装置。
  12. 【請求項12】 長手方向に沿って軌道が形成されたト
    ラックレールと,前記軌道に対応する負荷軌道を含む転
    動体循環路を有して前記トラックレールに対して相対運
    動自在にして所定可動体に結合される摺動台と,前記
    転動体循環路に配列収容されて前記軌道に沿って転
    つつ荷重を受ける複数の転動体と,前記トラックレール
    及び前記摺動台を相互制止状態にするための制止装置と
    を有し,前記制止装置は,前記トラックレールと前記ト
    ラックレールに対して相対運動可能な可動体との間に延
    在して前記可動体に取り付けられる制止部材と,前記制
    止部材を弾性変形させる押圧手段とを有し, 前記制止部材は,前記可動体に係合する突状の係合部が
    両側に形成され且つ前記係合部間で前記可動体との間に
    隙間が形成される状態に前記可動体に設置される板状の
    基体部と,前記トラックレールの側面に隙間を隔てて対
    向状態に前記基体部の前記両側からそれぞれ垂下して延
    出し且つ前記基体部と一体に形成された一対の板状の緊
    締部とから構成され, 前記押圧手段は,前記制止部材の前記基体部と係合して
    前記係合部間の前記基体部を前記可動体に向けて弾性変
    形させることによって前記制止部材の前記緊締 部を前記
    トラックレールの前記側面の方向にそれぞれ傾かせて前
    記トラックレールの前記側面に前記緊締部を圧接させて
    前記制止部材を前記トラックレールに固定させることか
    ら成る 転がり案内ユニット。
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