JP3396933B2 - 共重合体ゴムおよびその製造方法 - Google Patents

共重合体ゴムおよびその製造方法

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JP3396933B2
JP3396933B2 JP32429593A JP32429593A JP3396933B2 JP 3396933 B2 JP3396933 B2 JP 3396933B2 JP 32429593 A JP32429593 A JP 32429593A JP 32429593 A JP32429593 A JP 32429593A JP 3396933 B2 JP3396933 B2 JP 3396933B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な共重合体ゴムおよ
びその製造方法、さらに詳しくはフッ素ゴムに近い極め
て優れた耐油性および耐燃料油透過性を有し、容易に加
硫可能で機械的強度の改良された耐燃料油性共重合体ゴ
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】地球的規模で話題となっている環境汚染
に対する自動車の影響は極めて大きいとされている。そ
のため数々の対策が精力的に検討されており、使用され
るゴム材料についても更なる性能の向上が要求されてき
ている。燃料油系ホースを例にとれば、炭化水素排出抑
制のため耐燃料油透過性が特に重要視されている。
【0003】耐油性の優れるゴム材料として、アクリル
ゴム、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、ヒドリン
ゴム、フッ素ゴム等が知られている。これらの内、フッ
素ゴムは耐油性、耐燃料油透過性において最も優れてい
るが、極めて高価であるという問題を有する。またその
他のゴムはフッ素ゴムと比較すると耐油性、耐燃料油透
過性がかなり劣る。
【0004】本発明者らは、一般式(I)のシアノエト
キシ基含有アクリル酸エステルに、架橋点として活性ハ
ロゲン基またはエポキシ基を有する単量体等を共重合す
ることにより得られる共重合体が、容易に加硫可能で、
ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、ヒドリンゴムよ
りも優れた耐油性ゴムとなることを見出だした。しかし
ながら、耐燃料油透過性においてはフッ素ゴムには及ば
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素ゴムに近い極めて優れた耐油性および耐燃料油透過性
を有し、容易に加硫可能で機械的強度の改良された耐燃
料油性共重合体ゴムを提供することにある。
【0006】本発明者らは、少なくとも一種の一般式
(I)のシアノエトキシ基含有アクリル酸エステル、少
なくとも一種の一般式(II)のシアノアルキル基含有
アクリル酸エステル、必要に応じて架橋点としての活性
ハロゲン基、エポキシ基等の官能基を有する単量体、お
よびこれらと共重合可能な単量体をラジカル共重合する
ことにより得られる共重合体が、フッ素ゴムに近い極め
て優れた耐油性および耐燃料油透過性を有し、容易に加
硫可能で機械的強度の改良された耐燃料油性ゴムとなる
ことを見出だし本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)(A)少なくとも一種の下記一般式(I)で表さ
れるシアノエトキシ基含有アクリル酸エステル、5〜9
5重量%
【0008】
【化5】
【0009】(式(I)中、R1は−Cn2n−または−
CH2CH2−O−CH2CH2−を表す。ここでnは2〜
6の整数である。) (B)少なくとも一種の下記一般式(II)で表される
シアノアルキル基含有アクリル酸エステル、5〜95重
量%
【0010】
【化6】
【0011】(式(II)中、R2は−Cm2m−を表
す。ここでmは2〜4の整数である。) (C)下記の群から選ばれる少なくとも一種の単量体、
0〜10重量% a)活性ハロゲン基含有単量体 b)エポキシ基含有単量体 c)カルボキシル基含有単量体 d)ジエン化合物 e)ジヒドロジシクロペンタジエニル基含有(メタ)ア
クリル酸エステル及び (D)上記(A)〜(C)と共重合可能な少なくとも一
種の単量体、0〜15重量% の組成を有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))
が5以上である共重合体ゴム、並びに、 (2)(A)少なくとも一種の下記一般式(I)で表さ
れるシアノエトキシ基含有アクリル酸エステル、5〜9
5重量%
【0012】
【化7】
【0013】(式(I)中、R1は−Cn2n−または−
CH2CH2−O−CH2CH2−を表す。ここでnは2〜
6の整数である。) (B)少なくとも一種の下記一般式(II)で表される
シアノアルキル基含有アクリル酸エステル、5〜95重
量%
【0014】
【化8】
【0015】(式(II)中、R2は−Cm2m−を表
す。ここでmは2〜4の整数である。) (C)下記の群から選ばれる少なくとも一種の単量体、
0〜10重量% a)活性ハロゲン基含有単量体 b)エポキシ基含有単量体 c)カルボキシル基含有単量体 d)ジエン化合物 e)ジヒドロジシクロペンタジエニル基含有(メタ)ア
クリル酸エステル及び (D)上記(A)〜(C)と共重合可能な少なくとも一
種の単量体、0〜15重量% からなる単量体混合物をラジカル開始剤の存在下で共重
合することを特徴とする共重合体ゴムの製造方法に関す
るものである。
【0016】本発明の共重合体ゴムにおける単量体成分
(A)は、少なくとも一種の上記一般式(I)で表され
るシアノエトキシ基含有アクリル酸エステルであり、具
体的にはアクリル酸2−(2−シアノエトキシ)エチ
ル、アクリル酸3−(2−シアノエトキシ)プロピル、
アクリル酸4−(2−シアノエトキシ)ブチル、アクリ
ル酸5−(2−シアノエトキシ)ペンチル、アクリル酸
6−(2−シアノエトキシ)ヘキシル、アクリル酸2−
[2−(2−シアノエトキシ)エトキシ]エチルが挙げ
られ、単独または二種以上を組み合わせて用いることが
できる。これらのうちアクリル酸2−(2−シアノエト
キシ)エチル及び/またはアクリル酸4−(2−シアノ
エトキシ)ブチルが特に好ましい。
【0017】本発明の共重合体ゴムにおける単量体成分
(B)は、少なくとも一種の上記一般式(II)で表さ
れるシアノアルキル基含有アクリル酸エステルであり、
具体的にはアクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸3
−シアノプロピル、アクリル酸4−シアノブチルが挙げ
られ、単独または二種以上を組み合わせて用いることが
できる。これらのうちアクリル酸2−シアノエチルが特
に好ましい。
【0018】本発明の共重合体ゴムにおける単量体成分
(C)は、a)活性ハロゲン基含有単量体、b)エポキ
シ基含有単量体、c)カルボキシル基含有単量体、d)
ジエン化合物、e)ジヒドロジシクロペンタジエニル基
含有(メタ)アクリル酸エステルの群より選ばれる少な
くとも一種の単量体である。
【0019】a)活性ハロゲン基含有単量体の具体例と
しては、ビニルクロロアセテート、ビニルクロロプロピ
オネート、アリルクロロアセテート、アリルクロロプロ
ピオネート、2−クロロエチルビニルエーテル、クロロ
メチルスチレン、2−クロロエチルアクリレート、クロ
ロメチルビニルケトン、2−クロロアセトキシメチル−
5−ノルボルネン、クロロ酢酸と不飽和グリシジル化合
物との反応生成物等が挙げられ、これらのうちビニルク
ロロアセテート、2−クロロエチルビニルエーテル、2
−クロロエチルアクリレートが特に好ましい。
【0020】b)エポキシ基含有単量体の具体例として
は、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエー
テル等が挙げられ、これらのうちグリシジルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエー
テルが特に好ましい。
【0021】c)カルボキシル基含有単量体の具体例と
しては、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカル
ボン酸類、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等の不飽
和ジカルボン酸類のモノアルキルエステルまたはモノア
ルコキシアルキルエステル類等が挙げられ、これらのう
ちアクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。
【0022】d)ジエン化合物の具体例としては、アル
キリデンノルボルネン、アルケニルノルボルネン、ジシ
クロペンタジエン、メチルシクロペンタジエンおよびそ
のダイマー等の非共役ジエン類、ブタジエン、イソプレ
ン等の共役ジエン類が挙げられ、これらのうちエチリデ
ンノルボルネン、ジシクロペンタジエンが特に好まし
い。
【0023】e)ジヒドロジシクロペンタジエニル基含
有(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、ジヒ
ドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ジ
ヒドロジシクロペンタジエニルオキシエチル(メタ)ア
クリレート等が挙げられ、これらのうちジヒドロジシク
ロペンタジエニル(メタ)アクリレートが特に好まし
い。
【0024】本発明の共重合体ゴムにおける単量体成分
(D)は、上記単量体成分(A)〜(C)と共重合可能
な単量体であり、本発明を損なわない範囲で使用され
る。具体的にはアクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のビニルあるいはビニリデンニトリル化合物類:アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル
等のアクリル酸アルキルエステル類:アクリル酸メトキ
シエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ブト
キシエチル、アクリル酸メトキシエトキシエチル等のア
クリル酸アルコキシアルキルエステル類:メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシ
ル等のメタクリル酸アルキルエステル類:メタクリル酸
メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチル、メタク
リル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシエトキシ
エチル等のメタクリル酸アルコキシアルキルエステル
類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル類:スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル
化合物類:マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、
マレイン酸ジn−ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸
ジエチル、フマル酸ジn−ブチル等の不飽和ジカルボン
酸のジアルキルエステル類:マレイン酸ジメトキシエチ
ル、フマル酸ジメトキシエチル等の不飽和ジカルボン酸
のジアルコキシアルキルエステル類:アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミド、N−アルコキシアクリ
ルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド等のビニル
アミド類等が挙げられ、単独または二種以上を組み合わ
せて用いることができる。これらのうちアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、側鎖の炭素数4以下のアクリ
ル酸アルキルエステル類、側鎖の炭素数6以下のアクリ
ル酸アルコキシアルキルエステル類が特に好ましい。
【0025】本発明の共重合体ゴムにおける単量体成分
(A)、(B)、(C)、(D)の比率は、(A):5
〜95重量%、(B):5〜95重量%、(C):0〜
10重量%、(D):0〜15重量%である。
【0026】単量体成分(A)の比率が5重量%未満で
は耐寒性が損なわれ好ましくなく、95重量%を越える
と耐燃料油透過性の改良が十分でない。好ましくは30
〜70重量%である。
【0027】単量体成分(B)の比率が5重量%未満で
は耐燃料油透過性の改良が十分でなく、95重量%を越
えると耐寒性が低下し好ましくない。好ましくは30〜
70重量%である。
【0028】単量体成分(C)の比率が10重量%を越
えると加硫が過度に進行して満足な加硫物を得ることが
できない。好ましくは5重量%以下である。
【0029】単量体成分(D)の比率が15重量%を越
えると本発明の共重合体の特徴である耐油性および耐燃
料油透過性を損なう可能性がある。好ましくは10重量
%以下である。
【0030】本発明の共重合体ゴムは、上記単量体成分
(A)、(B)、(C)、(D)の混合物を無機あるい
は有機の過酸化物、アゾ化合物、レドックス系開始剤等
のラジカル開始剤の存在下でラジカル共重合することに
より製造される。重合の方法としては塊状重合、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法が可能であり、
このうち乳化重合が特に好ましい。
【0031】例えば乳化重合の場合、本発明の共重合体
ゴムは以下の方法で製造される。
【0032】上記単量体成分(A)、(B)、(C)、
(D)の混合物、および必要であれば分子量調節剤との
混合物を乳化剤水溶液と混合し乳化する。この乳化液に
開始剤を添加して重合することにより共重合体ゴムのラ
テックスが得られる。分子量調節剤としては通常、n−
ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類
が使用される。乳化剤としては、アルキル硫酸アルカリ
金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アル
カリ金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テルリン酸アルカリ金属塩等のアニオン系、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル等のノニオン系いずれの界面活性剤
も使用可能である。開始剤としては、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、パラメンタンハイドロパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチ
ルハイドロパーオキサイド等の無機あるいは有機の過酸
化物、または上記過酸化物と硫酸第一鉄、ハイドロサル
ファイトナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスル
ホキシレート(ロンガリット)等の還元剤を併用したレ
ドックス系が使用される。
【0033】重合は0〜80℃、好ましくは5〜60℃
の温度で行われる。重合時の発熱が大きく温度の制御が
困難な場合は、乳化剤水溶液に単量体混合物を少量ずつ
分割あるいは連続で添加しながら重合することができ
る。重合終了後、得られたラテックスを塩化ナトリウ
ム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の無機塩の水
溶液に投入して、ポリマーを析出させ、水洗、乾燥する
ことにより目的とする共重合体ゴムを得る。
【0034】本発明の共重合体ゴムは、通常知られてい
るアクリルゴムと同様の方法で加硫することが可能であ
る。本発明の共重合体ゴムの加硫は単量体成分(C)の
種類により選択される加硫剤を使用し、必要に応じて加
硫促進剤、補強剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、安定
剤等を配合して行われる。
【0035】例えば単量体成分(C)が活性ハロゲン基
含有単量体である場合に使用される加硫剤としては、ポ
リアミン、ポリアミン塩、金属石鹸と硫黄または硫黄供
与化合物との併用系、有機カルボン酸アンモニウム塩、
トリメルカプトトリアジン、ジメルカプトトリアジン等
のトリアジン誘導体とジチオカルバミン酸塩または金属
石鹸との併用系等が例示される。
【0036】単量体成分(C)がエポキシ基含有単量体
である場合に使用される加硫剤としては、ポリアミン、
ポリアミン塩、ジチオカルバミン酸塩、チオシアン酸
塩、有機カルボン酸アンモニウム塩、金属石鹸と硫黄ま
たは硫黄供与化合物との併用系、ポリカルボキシ化合物
あるいはカルボン酸無水物と第四級アンモニウム塩また
は第四級ホスホニウム塩との併用系、イミダゾール化合
物とアルキル硫酸塩との併用系、グアニジンあるいはグ
アニジン誘導体と硫黄または硫黄供与化合物との併用
系、アルキルトリメチルアンモニウム塩とイソシアヌル
酸との併用系等が例示される。
【0037】単量体成分(C)がカルボキシル基含有単
量体である場合に使用される加硫剤としては、ポリエポ
キシ化合物と四級アンモニウム塩または四級ホスホニウ
ム塩との併用系等が例示される。
【0038】単量体成分(C)がジエン化合物またはジ
ヒドロジシクロペンタジエニル基含有(メタ)アクリル
酸エステルである場合に使用される加硫剤としては、イ
オウ、チウラム系化合物、有機過酸化物等が例示され
る。
【0039】単量体成分(C)の比率が0.1重量%以
下である場合に使用される加硫剤としては、有機過酸化
物と共架橋剤との併用系、ポリエポキシ化合物と四級ア
ンモニウム塩または四級ホスホニウム塩との併用系等が
例示される。
【0040】本発明の共重合体ゴムは加硫により、耐油
性、耐燃料油透過性、機械的強度に優れた加硫物を得る
ことができ、自動車用燃料ホース、シール材等の高い耐
燃料油性が要求される各種の用途に使用することができ
る。
【0041】
【実施例】以下の記述において、部は重量部を表す。共
重合体ゴムの組成は元素分析、酸素フラスコ燃焼法によ
る共重合体中の窒素、炭素、水素、塩素の定量、JIS
K7236に従って測定したエポキシ当量、ヨウ素価滴
定法による二重結合の定量により決定した。ムーニー粘
度はJIS K6300、加硫ゴム物性はJISK63
01に従って評価した。耐燃料油性は体積膨潤度および
透過量により評価した。体積膨潤度は加硫ゴムを燃料油
C中に50℃で3日浸漬した後の体積変化率を測定する
ことにより求めた。透過量は、約300gの燃料油Cを
アルミ製容器に移し、1ミリ厚の加硫ゴムシートで密閉
した後、図1に示す状態で25℃、9日間静置し、その
重量変化を測定することにより算出した(燃料油Cに接
触したゴムシート100cm2当りの透過量で示す)。
またガラス転移温度は試料として未加硫ゴムを使用し、
セイコー電子社製示差走査熱量計(DSC)により毎分
10℃の昇温速度で測定した。尚、組成分析及びDSC
測定には、塩析、乾燥後の共重合体ゴムをアセトン/メ
タノール、及びアセトン/純水で再沈精製したものを用
いた。
【0042】実施例1 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウム4部、リン酸水素二ナトリウム0.8部、リン酸二
水素ナトリウム0.2部および蒸留水200部からなる
乳化剤水溶液を15℃に保持し十分に窒素置換した後、
硫酸第一鉄0.1部、エチレンジアミン四酢酸三ナトリ
ウム0.2部を添加した。
【0043】これに予め十分窒素置換した表1に示す組
成のモノマー混合物100部とn−ドデシルメルカプタ
ン0.026部の混合物を3時間かけて連続的に添加
し、これと同時にtert−ブチルハイドロパーオキサ
イド0.12重量%水溶液を毎時1.6部の速度で滴下
することにより重合を行った。単量体混合物を全て添加
し、更に2時間重合を継続した後、2,2−メチレンビ
ス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
を0.2部添加して重合を終了した。ラテックスの固形
分から算出した単量体の転化率は97%であった。得ら
れた重合体ラテックスを85℃の1重量%塩化カルシウ
ム水溶液に投入して重合体を単離し、十分洗浄した後、
90℃で4時間乾燥することにより、生ゴムムーニー粘
度ML1+ 4 (100℃)が27の重合体が得られた。
【0044】本実施例で得られた重合体はDSC測定よ
り−32℃に単ーのガラス転移温度が認められ、重合体
の構成成分であるアクリル酸4−(2−シアノエトキ
シ)ブチル、アクリル酸2−シアノエチルおよびビニル
クロロアセテートそれぞれの単独重合体に対応するガラ
ス転移温度とは明らかに異なっていた。この結果および
重合体の組成分析より、本実施例で得られた重合体は表
1に示すようにアクリル酸4−(2−シアノエトキシ)
ブチル69.0重量%、アクリル酸2−シアノエチル3
0.1重量%、ビニルクロロアセテート0.9重量%か
らなるランダム共重合体であることが明らかである。
【0045】得られた共重合体ゴムを表2に示す配合に
従ってロール混練し170℃で20分プレス加硫を行う
ことにより加硫ゴムシートを作製した。更にこれをギア
オーブン中150℃で4時間、後加硫したのち評価を行
った。表1に物性評価の結果を示す。
【0046】実施例2 表1に示す組成のモノマー混合物を実施例1と同じ方法
で共重合することにより、97%の転化率で重合体が得
られた。この重合体についてDSC測定を行ったとこ
ろ、これを構成する単量体それぞれの単独重合体のもの
とは全く異なる単ーのガラス転移温度を示した。加えて
組成分析より、この重合体は表1に示す組成のランダム
共重合体であることが認められた。
【0047】得られた共重合体ゴムを実施例1と同様の
方法により加硫し、評価を行った。表1に物性評価の結
果を示す。
【0048】実施例3〜6 表1に示す組成のモノマー混合物を実施例1と同じ方法
で共重合することにより、96〜98%の転化率で重合
体が得られた。これらの重合体についてDSC測定を行
ったところ、これらを構成する単量体それぞれの単独重
合体のものとは全く異なる単一のガラス転移温度を示し
た。加えて組成分析より、これらの重合体は表1に示す
組成のランダム共重合体であることが認められた。
【0049】得られた共重合体ゴムを表3に示す配合に
従ってロール混練し170℃で20分プレス加硫を行う
ことにより加硫ゴムシートを作製した。更にこれをギア
オーブン中150℃で4時間、後加硫したのち評価を行
った。表1に物性評価の結果を示す。
【0050】比較例1 表1に示す組成のモノマー混合物を、tert−ブチル
ハイドロパーオキサイド水溶液の濃度が0.025重量
%、n−ドデシルメルカプタン量が0.019部、及び
後重合時間が1時間であること以外は全て実施例1と同
じ方法で共重合することにより、98%の転化率で重合
体が得られた。この重合体の生ゴムムーニー粘度ML
1+4(100℃)は9であった。DSC測定より−46
℃にガラス転移温度を示し、且つ組成分析結果より、表
1に示す組成のランダム共重合体であることが認められ
た。
【0051】得られた共重合体ゴムを実施例1と同様の
方法により加硫し、評価を行った。表1に物性評価の結
果を示す。
【0052】実施例7〜12 表4に示す組成のモノマー混合物を実施例1と同じ方法
で共重合することにより、96〜98%の転化率で重合
体が得られた。これらの重合体についてDSC測定を行
ったところ、これらを構成する単量体それぞれの単独重
合体のものとは全く異なる単一のガラス転移温度を示し
た。加えて組成分析より、これらの重合体は表4に示す
組成のランダム共重合体であることが認められた。
【0053】得られた共重合体ゴムを表5に示す配合に
従ってロール混練し170℃で20分プレス加硫を行う
ことにより加硫ゴムシートを作製した。更にこれをギア
オーブン中150℃で4時間、後加硫したのち評価を行
った。表4に物性評価の結果を示す。
【0054】比較例2 表4に示す組成のモノマー混合物を比較例1と同じ方法
で共重合することにより、98%の転化率で重合体が得
られた。この重合体の生ゴムムーニー粘度ML1+4(1
00℃)は10であった。DSC測定より−46℃にガ
ラス転移温度を示し、且つ組成分析結果より、表4に示
す組成のランダム共重合体であることが認められた。
【0055】得られた共重合体ゴムを実施例7と同様の
方法により加硫し、評価を行った。表4に物性評価の結
果を示す。
【0056】実施例13、14 表6に示す組成のモノマー混合物を実施例1と同じ方法
で共重合することにより、96〜97%の転化率で重合
体が得られた。これらの重合体についてDSC測定を行
ったところ、これらを構成する単量体それぞれの単独重
合体のものとは全く異なる単ーのガラス転移温度を示し
た。加えて組成分析より、これらの重合体は表6に示す
組成のランダム共重合体であることが認められた。
【0057】得られた共重合体ゴムを表7に示す配合に
従ってロール混練し170℃で20分プレス加硫を行う
ことにより加硫ゴムシートを作製した。更にこれをギア
オーブン中150℃で4時間、後加硫したのち評価を行
った。表6に物性評価の結果を示す。
【0058】実施例15〜18 表6に示す組成のモノマー混合物を実施例1と同じ方法
で共重合することにより、96〜98%の転化率で重合
体が得られた。これらの重合体についてDSC測定を行
ったところ、これらを構成する単量体それぞれの単独重
合体のものとは全く異なる単ーのガラス転移温度を示し
た。加えて組成分析より、これらの重合体は表6に示す
組成のランダム共重合体であることが認められた。
【0059】得られた共重合体ゴムを表8に示す配合に
従ってロール混練し170℃で10分プレス加硫を行う
ことにより加硫ゴムシートを作製した。更にこれをギア
オーブン中150℃で4時間、後加硫したのち評価を行
った。表6に物性評価の結果を示す。
【0060】実施例19 表6に示す組成のモノマー混合物を実施例1と同じ方法
で共重合することにより、98%の転化率で重合体が得
られた。この重合体についてDSC測定を行ったとこ
ろ、これを構成する単量体それぞれの単独重合体のもの
とは全く異なる単ーのガラス転移温度を示した。加えて
組成分析より、この重合体は表6に示す組成のランダム
共重合体であることが認められた。
【0061】得られた共重合体ゴムを表9に示す配合に
従ってロール混練し170℃で10分プレス加硫を行う
ことにより加硫ゴムシートを作製した。更にこれをギア
オーブン中150℃で4時間、後加硫したのち評価を行
った。表6に物性評価の結果を示す。
【0062】比較例3〜6 表10に示す種々のゴムを用いて表10の配合及び加硫
条件に従って加硫ゴムシートを作製し、評価を行った。
表10に物性評価の結果を示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】
【表7】
【0070】
【表8】
【0071】
【表9】
【0072】
【表10】
【0073】
【発明の効果】以上の結果より、本発明によりフッ素ゴ
ムに近い極めて優れた耐油性および耐燃料油透過性を有
し、容易に加硫可能で機械的強度の改良された新規な耐
燃料油性共重合体ゴムが与えられることが明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜19、比較例1〜6で行っ
た燃料油透過性試験の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 220/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)少なくとも一種の下記一般式(I)
    で表されるシアノエトキシ基含有アクリル酸エステル、
    5〜95重量% 【化1】 (式(I)中、R1は−Cn2n−または−CH2CH2
    O−CH2CH2−を表す。ここでnは2〜6の整数であ
    る。) (B)少なくとも一種の下記一般式(II)で表される
    シアノアルキル基含有アクリル酸エステル、5〜95重
    量% 【化2】 (式(II)中、R2は−Cm2m−を表す。ここでmは
    2〜4の整数である。) (C)下記の群から選ばれる少なくとも一種の単量体、
    0〜10重量% a)活性ハロゲン基含有単量体 b)エポキシ基含有単量体 c)カルボキシル基含有単量体 d)ジエン化合物 e)ジヒドロジシクロペンタジエニル基含有(メタ)ア
    クリル酸エステル 及び (D)上記(A)〜(C)と共重合可能な少なくとも一
    種の単量体、0〜15重量% の組成を有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))
    が5以上である共重合体ゴム。
  2. 【請求項2】上記(C)の活性ハロゲン基含有単量体
    が、ビニルクロロアセテート、2−クロロエチルビニル
    エーテルまたは2−クロロエチルアクリレートである請
    求項1の共重合体ゴム。
  3. 【請求項3】上記(C)のエポキシ基含有単量体が、グ
    リシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートまた
    はアリルグリシジルエーテルである請求項1の共重合体
    ゴム。
  4. 【請求項4】上記(C)のカルボキシル基含有単量体
    が、アクリル酸またはメタクリル酸である請求項1の共
    重合体ゴム。
  5. 【請求項5】上記(C)のジエン化合物が、エチリデン
    ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンである請求項
    1の共重合体ゴム。
  6. 【請求項6】上記(C)のジヒドロジシクロペンタジエ
    ニル基含有(メタ)アクリル酸エステルが、ジヒドロジ
    シクロペンタジエニルアクリレートまたはジヒドロジシ
    クロペンタジエニルメタクリレートである請求項1の共
    重合体ゴム。
  7. 【請求項7】上記(D)の(A)〜(C)と共重合可能
    な少なくとも一種の単量体が、アクリロニトリルまたは
    メタクリロニトリルである請求項1の共重合体ゴム。
  8. 【請求項8】上記(D)の(A)〜(C)と共重合可能
    な少なくとも一種の単量体が、側鎖の炭素数4以下のア
    クリル酸アルキルエステルまたは側鎖の炭素数6以下の
    アクリル酸アルコキシアルキルエステルである請求項1
    の共重合体ゴム。
  9. 【請求項9】(A)少なくとも一種の下記一般式(I)
    で表されるシアノエトキシ基含有アクリル酸エステル、
    5〜95重量% 【化3】 (式(I)中、R1は−Cn2n−または−CH2CH2
    O−CH2CH2−を表す。ここでnは2〜6の整数であ
    る。) (B)少なくとも一種の下記一般式(II)で表される
    シアノアルキル基含有アクリル酸エステル、5〜95重
    量% 【化4】 (式(II)中、R2は−Cm2m−を表す。ここでmは
    2〜4の整数である。) (C)下記の群から選ばれる少なくとも一種の単量体、
    0〜10重量% a)活性ハロゲン基含有単量体 b)エポキシ基含有単量体 c)カルボキシル基含有単量体 d)ジエン化合物 e)ジヒドロジシクロペンタジエニル基含有(メタ)ア
    クリル酸エステル 及び (D)上記(A)〜(C)と共重合可能な少なくとも一
    種の単量体、0〜15重量% からなる単量体混合物をラジカル開始剤の存在下で共重
    合することを特徴とする共重合体ゴムの製造方法。
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