JP2009120677A - 共重合体及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐熱性、耐油性及び耐寒性を示す加硫物を与える共重合体及びその製造法を提供する。
【解決手段】エチレン(X)と、特定のカルボン酸ビニル(Y)と、特定の(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は特定の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル(Z)の共重合体(但し、エチレン(X)と、特定のカルボン酸ビニル(Y)と、特定の(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は特定の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル(Z)と、エポキシ基又はクロロメチル基を持つ化合物との共重合体を除く)であって、(X)、(Y)及び(Z)の共重合割合が、三相図中以下の座標で囲まれる範囲である共重合体、並びにその製造法。 (X,Y,Z)=(18,48,34) =(20,55,25) =(25,70,5) =(39,31,30) =(50,45,5)
【選択図】図1

Description

本発明は優れた耐熱性を持ちながら、耐油性、及び耐寒性を示す加硫物を与える極性オレフィン共重合体及びその製造法に関する。
従来アクリル酸エステルに代表される極性オレフィンより得られるアクリルゴムは、耐熱性、及び耐油性に優れている。アクリルゴムは自動車関連の分野などで広く用いられおり、近年のエンジンの高出力化、及び小型化に伴い、アクリルゴム部品に対しても高度の耐熱性が要求されている。潤滑油が接触する部品に対して耐油性を保ちながら同時に広範囲の温度における安定な動作を目的に、耐寒性に対する要求も高くなってきている。
エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステルの共重合体で、アクリル酸エステルが6〜90重量%、エチレン/酢酸ビニルの重量比が1以下である共重合体及びその組成物が提案されている。(特許文献1参照)。
また、エチレン−カルボン酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体で、エチレンを5〜20重量%、カルボン酸ビニルを15〜55重量%含む共重合体及びその組成物。(特許文献2参照)。さらにエチレン成分の含有率が3〜10重量%であるエチレンとその他の共重合成分との共重合体であって、その他の共重合成分が共重合体におけるその他の共重合成分の全含有量を100重量%とするとき酢酸ビニル0〜10重量%、アクリル酸エチル20〜45重量%及びアクリル酸n−ブチル45〜70重量%からなる共重合体とその組成物が提案されている。(特許文献3参照)
しかしながら、これらの組成物を加硫しても耐熱性、及び耐寒性の点で問題点がある。
特開昭55−726号公報 特開昭55−123641号公報 特開昭63−312338号公報
本発明の目的とするところは、優れた耐熱性を持ちながら耐油性、及び耐寒性を示す加硫物を与える共重合体及びその製造法を提供することである。
上記目的を達成するために本発明者等が検討を行った結果、特定の組成を持つ共重合体について、優れた耐熱性を持ちながら耐油性、及び耐寒性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、エチレン(X)と、特定の一般式で表されるカルボン酸ビニル(Y)と、特定の一般式で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は特定の一般式で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル(Z)の共重合体(但し、エチレン(X)と、下記一般式(1)で表されるカルボン酸ビニル(Y)と、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル(Z)と、エポキシ基又はクロロメチル基を持つ化合物との共重合体を除く)であって、(X)、(Y)及び(Z)の共重合割合が、三相図中の特定の座標で囲まれる範囲であることを特徴とする共重合体、並びにその製造法である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の共重合体は、エチレン(X)と、下記一般式(1)で表されるカルボン酸ビニル(Y)と、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル(Z)の共重合体であって、(X)、(Y)及び(Z)の共重合割合が、三相図中以下の座標で囲まれる範囲である。
(X,Y,Z)=(18,48,34)
=(20,55,25)
=(25,70,5)
=(39,31,30)
=(50,45,5)
Figure 2009120677
(式中、Rはメチル基又はエチル基を表す。)
Figure 2009120677
(式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜8のアルキル基を表す。)
Figure 2009120677
(式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシアルキル基を表す。)
本発明の共重合体中のエチレンの含有量は18〜50重量%である。
本発明の共重合体中の一般式(1)で表されるカルボン酸ビニルの含有量は31〜70重量%であり、好ましくは31〜57重量%である。
本発明の共重合体中の一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルの含有量は5〜34重量%である。
以上から本発明の共重合体は、図1に示す通り、エチレン(X)と、一般式(1)で表されるカルボン酸ビニル(Y)と、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル(Z)の共重合割合が三相図中以下の座標で囲まれる範囲であることが必要である。これらの範囲をはずれると、共重合体を加硫しても高い耐熱性、耐寒性を示す加硫物が得られないものである。
(X,Y,Z)=(18,48,34)
=(20,55,25)
=(25,70,5)
=(39,31,30)
=(50,45,5)
本発明の共重合体は、耐熱性のより高い耐油ゴムを得るためには、図2に示す通り、(X)、(Y)及び(Z)の共重合割合が三相図中以下の座標で囲まれる範囲であることが好ましい。
(X,Y,Z)=(18,48,34)
=(20,55,25)
=(33,57,10)
=(39,31,30)
=(50,45,5)
一般式(1)で表されるカルボン酸ビニルの具体的な例としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキルの具体的な例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル等が挙げられる。
一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルの具体的な例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロポキシプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシプロピル等が挙げられる。
本発明においては必要に応じて、その他共重合可能な単量体を使用することができる。
必要に応じて使用できる単量体としては(メタ)アクリル酸メチル、メタアクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸1−シアノエチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸1−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸2−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸3−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸4−シアノブチル、(メタ)アクリル酸6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチル−6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸8−シアノオクチル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、メタアクリル酸n−プロポキシプロピル、メタアクリル酸n−ブトキシプロピル等を例示することができる。
さらに、(メタ)アクリル酸1,1−ジヒドロペルフルオロエチル、(メタ)アクリル酸1,1−ジヒドロペルフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸1,1,5−トリヒドペルフルオロヘキシル、(メタ)アクリル酸1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸1,1,7−トリヒドロペルフルオロヘプチル、(メタ)アクリル酸1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸1,1−ジヒドロペルフルオロデシル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸エステル類以外の成分としてはメチルビニルケトン等のアルキルビニルケトン化合物、ビニルエチルエーテル等のアルキルビニルエーテル化合物、アリルメチルエーテル等のアリルエーテル化合物、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレンなどのビニル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル化合物、アクリルアミド、プロピレン、ブダジエン、イソプレン、ペンタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、プロピオン酸ビニル、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等を例示することができ、共重合体から得られる加硫物の耐熱性を向上させるため、必要に応じて好ましくは共重合体中20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下の割合で加えることができる。
しかしながら、本発明の共重合体には、エチレン(X)と、一般式(1)で表されるカルボン酸ビニル(Y)と、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル(Z)と、エポキシ基又はクロロメチル基を持つ化合物との共重合体は含まれないものである。エポキシ基又はクロロメチル基を持つ化合物との共重合体は、耐熱性の問題がある。ここに、エポキシ基を持つ化合物としては、例えば、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、クロロメチル基を持つ化合物としては、例えば、クロロ酢酸ビニル、クロロエチルビニルエーテル等が挙げられる。
本発明の共重合体は、ラジカル発生剤と、一般式(1)で表されるカルボン酸ビニル、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルを、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルに対する一般式(1)で表されるカルボン酸ビニルの重量比が1を超え9以下の範囲、好ましくは1を超え8以下の範囲にて連続的、又は回分的に添加しながら、エチレンで連続的に加圧しながら乳化重合又は溶液重合することにより製造することができる。
上記の重量比が1以下の場合は目的とする組成の共重合体を得ることができない。また、上記の重量比が9を超えた場合についても目的とする組成の共重合体を得ることができない。
本発明の共重合体の製造法では、エチレンで連続的に加圧しながら重合することが必要である。エチレンで連続的に加圧しながら重合しないと反応中の共重合体の組成が不均一となる。加圧の条件は特に限定するものではないが、適合量のエチレンを共重合させるため、0.3〜80MPaが好ましく、0.5〜75MPaがさらに好ましい。
本発明の共重合体の製造法では、ラジカル発生剤、一般式(1)で表されるカルボン酸ビニル、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルを、反応器中に連続的、又は回分的に添加することが必要である。当該添加を行わない場合(例えば、一括添加の場合)には目的の組成物が得ることができない。
本発明の共重合体をグラフト重合にて製造する場合には、溶剤に溶解又は懸濁させたポリオレフィンに、ラジカル発生剤を触媒とし、ポリオレフィン100重量部に対して、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル15〜140重量部、並びにラジカル発生剤を連続的、又は回分的に添加しながらグラフト重合することを特徴とすることにより製造することができる。
一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルの添加量は15〜140重量部であり、好ましくは20〜140重量部である。15重量部未満であると目的とする共重合体を得ることができず、140重量部を超えた場合についても目的とする共重合体を得ることができない。ラジカル発生剤、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルは反応器中に連続的、又は回分的に添加することで目的とする組成の共重合体を得ることができる。当該添加を行わない場合(例えば、一括添加の場合)、反応熱を制御することが困難となり好ましくない。
ラジカル発生剤としては無機又は有機の過酸化物、アゾ化合物、レドックス系開始剤等を挙げられる。具体的には過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、パラメンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過安息香酸t−ブチル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の無機又は有機の過酸化物及びジアゾ化合物や場合によっては、硫酸第一鉄等の第一鉄塩、ハイドロサルファイトナトリウム等の還元剤を添加して重合を開始する。本発明の製造法においては上記単量体及び必要であれば分子量調節剤との混合物を使用することができる。分子量調節剤としては通常n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類が使用される。
乳化重合にて本発明の共重合体を製造する場合、通常重合は0〜100℃、好ましくは5〜100℃の温度で行われる。重合時の発熱が大きく温度の制御が困難な場合は全単量体の一部を乳化し、残りの単量体を連続的に滴下し重合を行っても良い。重合終了後、乳化液を塩化ナトリウム、塩化カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸ナトリウム、ホウ酸等の無機塩の水溶液に投入して、共重合物を凝固せしめたり、メタノール等の不溶性溶剤による析出、熱による凝固、凍結乾燥法後、水洗、乾燥により目的とする共重合体が得られる。
溶液重合により本発明の共重合体を製造する場合、通常重合は0〜200℃、好ましくは0〜100℃の温度で行われる。重合時の発熱が大きく温度の制御が困難な場合は、一部を溶媒に溶解し、残りの単量体を連続的に滴下し重合を行っても良い。溶媒としては1,1,2−トリクロロエタン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、テトラヒドロフラン等を用いることができる。重合終了後、メタノール等の不溶性溶剤による析出、ドラムドライヤー、及びベント付き押出し機により目的とする共重合体が得られる。
グラフト重合にて本発明の共重合体を製造する場合、通常重合は20〜200℃、好ましくは50〜120℃の温度で行われ、溶剤に溶解又は懸濁させたポリオレフィンを、ラジカル発生剤を触媒とし、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル類のグラフト反応にて実施する。溶剤として議定書の規制対象外物質である1,1,2−トリクロロエタンに不純物として含まれるアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を除去した1,1,2−トリクロロエタンを溶剤に用いる方法にて得ることができる。市販されている1,1,2−トリクロロエタンは、しばしば0.5〜2.0%のアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を不純物として含有している。ここにアルコール化合物とは水酸基を有する化合物であり、例えば、エチルアルコールやブチルアルコール等が挙げられる。エポキシ化合物とはエポキシ基を有する化合物であり、例えば1,2−エポキシプロパンや1,2−エポキシブタン等が挙げられる。アルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を不純物として含有する1,1,2−トリクロロエタンを溶剤としてグラフト反応にて合成された共重合体は着色するため好ましくない。重合終了後、メタノール等の不溶性溶剤による析出、水蒸気蒸留、ドラムドライヤー、及びベント付き押出機により目的とする共重合体が得られる。
グラフト重合にて共重合体を得る場合、原料として用いるポリオレフィンは、エチレンと酢酸ビニル、及びこれらと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体である。共重合可能なビニルモノマーとしてはプロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、3−ブチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、プロピオン酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸n−プロピル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸n−ヘキシル、メタアクリル酸n−オクチル又はこれらの混合物が挙げられる。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が挙げられる。中でも酢酸ビニル含有率が、40重量%から75重量%の範囲で含まれるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)がより好ましい。
本発明の共重合体は、通常のゴム工業において知られている同様の方法で加硫することが可能である。本発明の共重合体の加硫は、必要に応じて加硫促進剤、補強剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、安定剤等を配合して行われる。
本発明における共重合体は加硫により、優れた耐熱性を持ちながら耐油性、及び耐寒性を示す加硫物を得ることができ、自動車用燃料ホース、シール材等の高い耐熱性が求められ、かつ耐油性及び耐寒性が要求される用途に使用することができる。
本発明の共重合体により得られる加硫物は、優れた耐熱性を示しつつかつ耐油性及び耐寒性のバランスに優れており、自動車用燃料ホース、シール材等の高い耐熱性及び耐油性が要求される各種の用途に使用することができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに制限されるものではない。
なお、以下の実施例等で用いた値は以下の測定法で行ったものである。
<モノマー組成>
モノマー組成は共重合体をH−NMRスペクトル、及び13C−NMRスペクトルにより定量した。
<引張強さ、伸び>
引張強さ、伸びはJIS K6251に準拠して、ダンベル状3号形試験片にて500±50mm/minの引張速度にて測定した。
<硬さ>
硬さは、JIS K6253に準拠して、デュロメーター硬さ試験タイプAにて測定した。
<耐熱性>
耐熱性はJIS K6257に準拠し、180℃72時間暴露後の伸び変化率ΔEB、硬度変化ΔHsにより評価した。
<圧縮永久歪み>
圧縮永久歪みはJIS K6262に準拠し、試験条件を180℃72時間とした。
<耐油性>
耐油性はJIS K6258に準拠し、加硫ゴムをIRM903号油中150℃で3日浸漬後の体積変化率を測定することにより評価した。
<耐寒性>
耐寒性の指標としたゲーマン捻り試験のガラス転移温度(Tg:℃)は、JIS K6261に準拠して、(株)上島製作所製ゲーマン捻り試験機TM−2531にて測定することにより評価した。
<試験片の作製>
混練は8インチロールを用い、170℃にて20分プレス加硫を行い、更に170℃にて4時間ギアーオブン中にて二次加硫を行って試験片を作製した。
引張強さ、伸び、硬さ、圧縮永久歪み、耐油性、及び耐寒性の評価には表1の配合にて試験片を作製した。
Figure 2009120677
実施例1
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル277g(62重量%)を仕込み、内部をエチレンで置換した。更に反応液を75℃に加熱し、アクリル酸n−ブチル170g(38重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を10時間かけて添加しつつ、内温を制御しながらエチレンにて内圧を4〜11MPaにて反応を実施した。その後更に11MPaにて2時間反応させた後、得られた反応液を85℃の塩化カルシウム水溶液に添加した。析出した共重合体組成物を充分水洗した後乾燥を行い、共重合体を得た[(X,Y,Z)=(19,49,32)]。分析結果及び評価結果を表2に示す。
Figure 2009120677
実施例2
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水172g、酢酸ビニル200g(45重量%)を仕込み、酢酸ビニル100g(23重量%)、アクリル酸n−ブチル141g(32重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様の方法にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(22,51,27)]。分析結果及び評価結果を表2に示す。
実施例3
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(54重量%)を仕込み、酢酸ビニル114g(31重量%)、アクリル酸n−ブチル56g(15重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様の方法にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(33,57,10)]。分析結果及び評価結果を表2に示す。
実施例4
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(59重量%)を仕込み、酢酸ビニル97g(28重量%)、アクリル酸n−ブチル45g(13重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.5gを水144gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様の方法にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(38,54,8)]。分析結果及び評価結果を表2に示す。
実施例5
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(71重量%)を仕込み、酢酸ビニル47g(17重量%)、アクリル酸n−ブチル34g(12重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.9gを水127gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様の方法にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(49,45,6)]。分析結果及び評価結果を表2に示す。
実施例6
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル172g(51重量%)を仕込み、アクリル酸n−ブチル111g(33重量%)、アクリル酸メトキシエチル54g(16重量%)
を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様の方法にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(39,31,30)]。分析結果及び評価結果を表2に示す。
実施例7
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(56重量%)を仕込み、酢酸ビニル47g(13重量%)、アクリル酸n−ブチル111g(31重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様の方法にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(35,45,20)]。分析結果及び評価結果を表3に示す。
Figure 2009120677
実施例8
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オートクレーブに蒸留により精製した1,1,2−トリクロロエタン1643gにエチレン−酢酸ビニル共重合体(ランクセス社製:レバプレン600HV)を181g(100重量部)を加熱溶解した。過酸化ベンゾイル3.5gを1,1,2−トリクロロエタン20gに溶かした溶液を添加後、更にアクリル酸n−ブチル130g(72重量部)を85℃にて2時間かけて滴下した。更に4時間反応を行った後、反応液をメタノールに添加した。析出した共重合体を充分にメタノールにて洗浄した後乾燥を行い目的とする共重合体を得た[(X,Y,Z)=(33,50,17)]。分析結果及び評価結果を表3に示す。
実施例9
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(51重量%)を仕込み、酢酸ビニル44g(11重量%)、アクリル酸n−ブチル150g(38重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様の方法にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(29,44,27)]。分析結果及び評価結果を表3に示す。
実施例10
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オートクレーブに蒸留により精製した1,1,2−トリクロロエタン1643gにエチレン−酢酸ビニル共重合体(ランクセス社製:レバプレン500HV)を181g(100重量部)を加熱溶解した。過酸化ベンゾイル3.5gを1,1,2−トリクロロエタン20gに溶かした溶液を添加後、更にアクリル酸n−ブチル216g(120重量部)を85℃にて2時間かけて滴下した。更に4時間反応を行った後、反応液をメタノールに添加した。析出した共重合体を充分にメタノールにて洗浄した後乾燥を行い目的とする共重合体を得た[(X,Y,Z)=(36,36,28)]。分析結果及び評価結果を表3に示す。
比較例1
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(45重量%)を仕込み、酢酸ビニル56g(13重量%)アクリル酸n−ブチル185g(42重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を一括にて添加した以外は実施例1と同様な操作にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(20,46,34)]。分析結果及び評価結果を表4に示す。得られた共重合体の加硫物は、耐熱性が実施例に対して劣っていた。
Figure 2009120677
比較例2
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(45重量%)を仕込み、酢酸ビニル153g(35重量%)、アクリル酸n−ブチル89g(20重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を一括にて添加した以外は実施例1と同様な操作にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(20,64,16)]。分析結果及び評価結果を表4に示す。得られた共重合体の加硫物は、耐熱性が実施例に対して劣っていた。
比較例3
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(60重量%)を仕込み、酢酸ビニル115g(35重量%)、アクリル酸n−ブチル17g(5重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様な操作にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(40,57,3)]。分析結果及び評価結果を表4に示す。得られた共重合体の加硫物は、耐熱性が実施例に対して劣っていた。
比較例4
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水233g、酢酸ビニル200g(79重量%)を仕込み、酢酸ビニル29g(12重量%)アクリル酸n−ブチル23g(9重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様な操作にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(53,43,4)]。分析結果及び評価結果を表4に示す。得られた共重合体の加硫物は、耐油性が実施例に対して劣っていた。
比較例5
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(46重量%)を仕込み、酢酸ビニル12g(3重量%)アクリル酸n−ブチル221g(51重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を一括にて添加した以外は実施例1と同様の方法にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(43,28,29)]。分析結果及び評価結果を表4に示す。得られた共重合体の加硫物は、耐熱性が実施例に対して劣っていた。
比較例6
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(43重量%)を仕込み、酢酸ビニル153g(33重量%)、アクリル酸n−ブチル89g(19重量%)、メタクリル酸グリシジル23g(5重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を添加した以外は実施例1と同様な操作にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(20,64,16)]。分析結果及び評価結果を表4に示す。得られた共重合体の加硫物は、耐熱性が実施例に対して劣っていた。
比較例7
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オークレーブにポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王エマルゲン105)10g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(花王レベノールWX)2.6g、ピロリン酸ナトリウム1.3g、水223g、酢酸ビニル200g(51重量%)を仕込み、酢酸ビニル44g(11重量%)、アクリル酸n−ブチル150g(38重量%)を添加しながら過硫酸アンモニウム3.2gを水108gに溶かした水溶液を添加し、エチレン160gを圧入した以外は実施例1と同様の方法にて共重合体を得た[(X,Y,Z)=(12,55,33)]。分析結果及び評価結果を表4に示す。得られた共重合体の加硫物は、耐熱性が実施例に対して劣っていた。
比較例8
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オートクレーブに蒸留により精製した1,1,2−トリクロロエタン1643gにエチレン−酢酸ビニル共重合体(ランクセス社製:レバプレン600HV)を181g(100重量部)を加熱溶解した。過酸化ベンゾイル3.5gを1,1,2−トリクロロエタン20gに溶かした溶液を添加後、更にアクリル酸n−ブチル18g(10重量部)を85℃にて2時間かけて滴下した。更に4時間反応を行った後、反応液をメタノールに添加した。析出した共重合体を充分にメタノールにて洗浄した後乾燥を行い目的とする共重合体を得た[(X,Y,Z)=(39,59,2)]。分析結果及び評価結果を表4に示す。得られた共重合体の加硫物は、耐熱性が実施例に対して劣っていた。
比較例9
窒素雰囲気下2Lのステンレス製オートクレーブに蒸留により精製した1,1,2−トリクロロエタン1643gにエチレン−酢酸ビニル共重合体(ランクセス社製:レバプレン600HV)を181g(100重量部)を加熱溶解した。過酸化ベンゾイル3.5gを1,1,2−トリクロロエタン20gに溶かした溶液を添加後、更にアクリル酸n−ブチル263g(145重量部)を85℃にて2時間かけて滴下した。更に4時間反応を行った後、反応液をメタノールに添加した。析出した共重合体を充分にメタノールにて洗浄した後乾燥を行い目的とする共重合体を得た[(X,Y,Z)=(27,40,33)]。分析結果及び評価結果を表4に示す。得られた共重合体の加硫物は、耐熱性が実施例に対して劣っていた。
本発明の請求項1に記載の共重合体の三相図を示す図である。 本発明の請求項2に記載の共重合体の三相図を示す図である。

Claims (6)

  1. エチレン(X)と、下記一般式(1)で表されるカルボン酸ビニル(Y)と、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル(Z)との共重合体(但し、エチレン(X)と、下記一般式(1)で表されるカルボン酸ビニル(Y)と、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル(Z)と、エポキシ基又はクロロメチル基を持つ化合物との共重合体を除く)であって、(X)、(Y)及び(Z)の共重合割合が、三相図中以下の座標で囲まれる範囲であることを特徴とする共重合体。
    (X,Y,Z)=(18,48,34)
    =(20,55,25)
    =(25,70,5)
    =(39,31,30)
    =(50,45,5)
    Figure 2009120677
    (式中、Rはメチル基又はエチル基を表す。)
    Figure 2009120677
    (式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜8のアルキル基を表す。)
    Figure 2009120677
    (式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシアルキル基を表す。)
  2. 請求項1に記載の共重合体において、(X)、(Y)及び(Z)の共重合割合が、三相図中以下の座標で囲まれる範囲であることを特徴とする共重合体。
    (X,Y,Z)=(18,48,34)
    =(20,55,25)
    =(33,57,10)
    =(39,31,30)
    =(50,45,5)
  3. ラジカル発生剤と、下記一般式(1)で表されるカルボン酸ビニル、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルを、下記一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルに対する下記一般式(1)で表されるカルボン酸ビニルの重量比が1を超え9以下の範囲にて連続的、又は回分的に添加しながら、エチレンで連続的に加圧しながら乳化重合又は溶液重合することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の共重合体の製造法。
    Figure 2009120677
    (式中、Rはメチル基又はエチル基を表す。)
    Figure 2009120677
    (式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜8のアルキル基を表す。)
    Figure 2009120677
    (式中、Rは水素又はメチル基を表し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシアルキル基を表す。)
  4. 溶剤に溶解又は懸濁させたポリオレフィンに、ラジカル発生剤を触媒とし、ポリオレフィン100重量部に対して、一般式(2)で表される(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は下記一般式(3)で表される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル15〜140重量部、並びにラジカル発生剤を連続的、又は回分的に添加しながらグラフト重合することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の共重合体の製造法。
  5. グラフト重合を行うに際し、不純物として含まれるアルコール化合物及び/又はエポキシ化合物を除去した1,1,2−トリクロロエタンを溶剤に用いることを特徴とする請求項4記載の共重合体の製造法。
  6. ポリオレフィンが、エチレンと酢酸ビニル、及びこれらと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の共重合体の製造法。
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