JP3425491B2 - クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents
クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法Info
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- JP3425491B2 JP3425491B2 JP12361995A JP12361995A JP3425491B2 JP 3425491 B2 JP3425491 B2 JP 3425491B2 JP 12361995 A JP12361995 A JP 12361995A JP 12361995 A JP12361995 A JP 12361995A JP 3425491 B2 JP3425491 B2 JP 3425491B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐オゾン性に優れ、か
つ引裂き強度にも優れたクロロプレン系重合体組成物、
及びその製造方法に関する。
つ引裂き強度にも優れたクロロプレン系重合体組成物、
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クロロプレン系重合体は、一般ゴム物
性、耐候性、耐熱性、耐薬品性などの物性のバランスが
良好であるため、一般工業用ゴム製品、自動車部品、接
着剤等幅広い分野で使用されている。しかしながら、近
年ゴム製品が使用される環境が苛酷になってきており、
従来のクロロプレン重合体では対応が困難な状況になっ
てきてる。
性、耐候性、耐熱性、耐薬品性などの物性のバランスが
良好であるため、一般工業用ゴム製品、自動車部品、接
着剤等幅広い分野で使用されている。しかしながら、近
年ゴム製品が使用される環境が苛酷になってきており、
従来のクロロプレン重合体では対応が困難な状況になっ
てきてる。
【0003】このような要求特性の一つとして、耐オゾ
ン性があるが、クロロプレン重合体においては、老化防
止剤を添加することによって耐オゾン性を改良する方法
が一般的であり、広く用いられている。
ン性があるが、クロロプレン重合体においては、老化防
止剤を添加することによって耐オゾン性を改良する方法
が一般的であり、広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、老化防
止剤を添加する方法では、未加硫物の焼け、老化防止剤
のブルーム、加硫物の引張り強度の低下等の問題を引き
起こす虞れがあるため、老化防止剤の種類や使用量の選
定が難しいばかりでなく、耐オゾン性の改良効果も十分
なものではなかった。
止剤を添加する方法では、未加硫物の焼け、老化防止剤
のブルーム、加硫物の引張り強度の低下等の問題を引き
起こす虞れがあるため、老化防止剤の種類や使用量の選
定が難しいばかりでなく、耐オゾン性の改良効果も十分
なものではなかった。
【0005】本発明は、かかる欠点を解決するものであ
り、耐オゾン性を大幅に改良させ、かつ引裂き強度にも
優れたクロロプレン系重合体組成物及びその製造方法を
提供することを目的とするものである。
り、耐オゾン性を大幅に改良させ、かつ引裂き強度にも
優れたクロロプレン系重合体組成物及びその製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ク
ロロプレン重合体に、カルボキシル基を有するエチレン
性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステルと
の共重合体でありα,β−不飽和カルボン酸エステルの
含量が90〜99.9重量%である共重合体を含有して
なるクロロプレン系重合体組成物に関するものであり、
より具体的には、上記のα,β−不飽和カルボン酸エス
テルがアクリル酸エステルであること、さらに、アクリ
ル酸エステルがn−ブチルアクリレートであることを特
徴とするクロロプレン系重合体組成物(但し、水、溶剤
またはヒドラジン誘導体を含むものを除く)に関するも
のである。また、本発明は、クロロプレン重合体ラテッ
クスと、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合
物とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体エ
マルジョンを混合することを特徴とするクロロプレン系
重合体組成物の製造方法に関するものである。
ロロプレン重合体に、カルボキシル基を有するエチレン
性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステルと
の共重合体でありα,β−不飽和カルボン酸エステルの
含量が90〜99.9重量%である共重合体を含有して
なるクロロプレン系重合体組成物に関するものであり、
より具体的には、上記のα,β−不飽和カルボン酸エス
テルがアクリル酸エステルであること、さらに、アクリ
ル酸エステルがn−ブチルアクリレートであることを特
徴とするクロロプレン系重合体組成物(但し、水、溶剤
またはヒドラジン誘導体を含むものを除く)に関するも
のである。また、本発明は、クロロプレン重合体ラテッ
クスと、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合
物とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体エ
マルジョンを混合することを特徴とするクロロプレン系
重合体組成物の製造方法に関するものである。
【0007】本発明におけるクロロプレン重合体とは、
2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロプレンと
記す)の単独重合体、又はクロロプレン及びクロロプレ
ンと共重合可能な単量体の1種以上を重合させて得られ
る共重合体のことである。
2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロロプレンと
記す)の単独重合体、又はクロロプレン及びクロロプレ
ンと共重合可能な単量体の1種以上を重合させて得られ
る共重合体のことである。
【0008】本発明におけるクロロプレンと共重合可能
な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジ
エン、イソプレン、硫黄、スチレン、アクリロニトリ
ル、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及び
そのエステル等が例示でき、必要に応じて2種以上用い
てもかまわない。
な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジ
エン、イソプレン、硫黄、スチレン、アクリロニトリ
ル、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及び
そのエステル等が例示でき、必要に応じて2種以上用い
てもかまわない。
【0009】本発明におけるクロロプレン単独、又はク
ロロプレン及びこれと共重合し得る単量体を含んだ単量
体混合物の重合方法は公知の如何なる方法によることも
できるが、水性乳化液中でラジカル重合させる方法が最
も一般的且つ適当である。
ロロプレン及びこれと共重合し得る単量体を含んだ単量
体混合物の重合方法は公知の如何なる方法によることも
できるが、水性乳化液中でラジカル重合させる方法が最
も一般的且つ適当である。
【0010】水性乳化重合を行う際の乳化剤としては特
に制限は無く、一般的にクロロプレンの乳化重合に使用
される乳化剤、例えばロジン酸塩、脂肪酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系乳化剤、あるいは
アルキルポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル等のノニオン系乳化剤、更に第4級アンモニウム塩等
のカチオン系乳化剤等が使用できる。しかし、好ましく
は、ロジン酸塩、脂肪酸塩等のアニオン系乳化剤であ
る。
に制限は無く、一般的にクロロプレンの乳化重合に使用
される乳化剤、例えばロジン酸塩、脂肪酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系乳化剤、あるいは
アルキルポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル等のノニオン系乳化剤、更に第4級アンモニウム塩等
のカチオン系乳化剤等が使用できる。しかし、好ましく
は、ロジン酸塩、脂肪酸塩等のアニオン系乳化剤であ
る。
【0011】本発明における重合温度には特に制限は無
いが、好ましくは0〜55℃の範囲である。重合温度が
0℃より低い場合には水の凝固が問題となり、55℃よ
り高い場合にはクロロプレンの蒸気圧の関係から加圧設
備が必要となってくる。
いが、好ましくは0〜55℃の範囲である。重合温度が
0℃より低い場合には水の凝固が問題となり、55℃よ
り高い場合にはクロロプレンの蒸気圧の関係から加圧設
備が必要となってくる。
【0012】クロロプレン重合体の分子量の調節は、通
常、連鎖移動剤を用いて行うが、連鎖移動剤としては、
一般的に知られている、例えば、ドデシルメルカプタン
等のアルキルメルカプタン、ジエチルキサントゲンジス
ルフィド等のキサントゲンジスルフィド、ヨードホルム
等のハロゲン化炭化水素等が使用できる。
常、連鎖移動剤を用いて行うが、連鎖移動剤としては、
一般的に知られている、例えば、ドデシルメルカプタン
等のアルキルメルカプタン、ジエチルキサントゲンジス
ルフィド等のキサントゲンジスルフィド、ヨードホルム
等のハロゲン化炭化水素等が使用できる。
【0013】重合開始剤としては、通常のクロロプレン
の乳化重合法で用いられている有機又は無機の過酸化物
でよく、例えば過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等が例示できる。また、反応の制御や
重合を完全に行う目的でレドックス系のラジカル開始剤
を用いることもできる。
の乳化重合法で用いられている有機又は無機の過酸化物
でよく、例えば過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等が例示できる。また、反応の制御や
重合を完全に行う目的でレドックス系のラジカル開始剤
を用いることもできる。
【0014】本発明におけるカルボキシル基を有するエ
チレン性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エス
テルとの共重合体は、重合体中にカルボキシル基を含有
するα,β−不飽和カルボン酸エステルの共重合体であ
る。
チレン性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エス
テルとの共重合体は、重合体中にカルボキシル基を含有
するα,β−不飽和カルボン酸エステルの共重合体であ
る。
【0015】ここで、α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルとは、α,β−不飽和カルボン酸とアルコールの反応
によって得られるエステルのことである。α,β−不飽
和カルボン酸の例としては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げ
られるが、特にアクリル酸が好ましい。
ルとは、α,β−不飽和カルボン酸とアルコールの反応
によって得られるエステルのことである。α,β−不飽
和カルボン酸の例としては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げ
られるが、特にアクリル酸が好ましい。
【0016】また、アルコールの例としては、エチルア
ルコール、ブチルアルコール、ドデシルアルコール、オ
クタデシルアルコール等のアルキルアルコール、アリル
アルコール等のアルケニルアルコール、シクロペンチル
アルコール、シクロヘキシルアルコール等の環状アルコ
ール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等の
アラルキルアルコール、メトキシエチルアルコール、エ
トキシエチルアルコール、グリシジルアルコール、ジア
ルキルアミノエチルアルコールなどが例示できるが、中
でもn−ブチルアルコール及びエチルアルコールが好ま
しく、特ににn−ブチルアルコールが好ましい。
ルコール、ブチルアルコール、ドデシルアルコール、オ
クタデシルアルコール等のアルキルアルコール、アリル
アルコール等のアルケニルアルコール、シクロペンチル
アルコール、シクロヘキシルアルコール等の環状アルコ
ール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等の
アラルキルアルコール、メトキシエチルアルコール、エ
トキシエチルアルコール、グリシジルアルコール、ジア
ルキルアミノエチルアルコールなどが例示できるが、中
でもn−ブチルアルコール及びエチルアルコールが好ま
しく、特ににn−ブチルアルコールが好ましい。
【0017】また、カルボキシル基を有するエチレン性
不飽和化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸モノエチルなどのマレイン酸のハーフエステル類、
フマル酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル等
のハーフエステル類、イタコン酸、2−ペンテン酸など
が挙げられるが、これに限定されるものではない。また
それらの使用量も制限されるものではないが、0.1〜
10重量%(カルボキシル基を有するエチレン性不飽和
化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステル類の合計量
に対して)の使用が好ましい。
不飽和化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイ
ン酸モノエチルなどのマレイン酸のハーフエステル類、
フマル酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル等
のハーフエステル類、イタコン酸、2−ペンテン酸など
が挙げられるが、これに限定されるものではない。また
それらの使用量も制限されるものではないが、0.1〜
10重量%(カルボキシル基を有するエチレン性不飽和
化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステル類の合計量
に対して)の使用が好ましい。
【0018】なお上記のカルボキシル基を有するエチレ
ン性不飽和化合物は、アクリルゴムの架橋性モノマーと
して知られており、アクリルゴムに導入することでアク
リルゴムを架橋可能にする。このような架橋性モノマー
としては、アルキリデンノルボルネン、アルケニルノル
ボルネン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタ
ジエンなどのジエン系化合物や、グリシジルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエー
テルなどのエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合
物、ビニルベンジルクロリド、ビニルベンジルブロミ
ド、2−クロロエチルビニルエーテル、ビニルクロルア
セテート、ビニルクロルプロピオネート、アリルクロル
アセテート、アリルクロルプロピオネート、2−クロル
エチルアクリレート、2−クロルエチルメタクリレー
ト、クロルメチルビニルケトン、2−クロルアセトキシ
メチル−5−ノルボルネンなどの活性ハロゲン基を有す
るエチレン性不飽和化合物などが知られているが、本発
明のクロロプレン系重合体組成物においてその引裂き強
度を改良し得るのはカルボキシル基を有するエチレン性
不飽和化合物に限られる。
ン性不飽和化合物は、アクリルゴムの架橋性モノマーと
して知られており、アクリルゴムに導入することでアク
リルゴムを架橋可能にする。このような架橋性モノマー
としては、アルキリデンノルボルネン、アルケニルノル
ボルネン、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタ
ジエンなどのジエン系化合物や、グリシジルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエー
テルなどのエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合
物、ビニルベンジルクロリド、ビニルベンジルブロミ
ド、2−クロロエチルビニルエーテル、ビニルクロルア
セテート、ビニルクロルプロピオネート、アリルクロル
アセテート、アリルクロルプロピオネート、2−クロル
エチルアクリレート、2−クロルエチルメタクリレー
ト、クロルメチルビニルケトン、2−クロルアセトキシ
メチル−5−ノルボルネンなどの活性ハロゲン基を有す
るエチレン性不飽和化合物などが知られているが、本発
明のクロロプレン系重合体組成物においてその引裂き強
度を改良し得るのはカルボキシル基を有するエチレン性
不飽和化合物に限られる。
【0019】本発明のカルボキシル基を有するエチレン
性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステルと
を共重合する方法としては、公知の如何なる方法も用い
得るが、乳化ラジカル重合による方法が一般的である。
性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステルと
を共重合する方法としては、公知の如何なる方法も用い
得るが、乳化ラジカル重合による方法が一般的である。
【0020】また、該α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルを乳化重合する際の乳化剤としては、クロロプレンの
重合と同様、種々の乳化剤が使用できる。
ルを乳化重合する際の乳化剤としては、クロロプレンの
重合と同様、種々の乳化剤が使用できる。
【0021】また、該α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルの重合温度は、0〜90℃の間で選定するのが好まし
く、0℃以下では水の凝固が、90℃以上では水の蒸発
が問題となる。
ルの重合温度は、0〜90℃の間で選定するのが好まし
く、0℃以下では水の凝固が、90℃以上では水の蒸発
が問題となる。
【0022】本発明のクロロプレン重合体組成物は、ク
ロロプレン重合体に、カルボキシル基を有するエチレン
性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステルと
の共重合体を含有することが必須である。この含有比率
には特に制限はないが、クロロプレン重合体が本来有す
る各種物性を損なうことなく、耐オゾン性及び引裂き強
度に優れた組成物とするためには、カルボキシル基を有
するエチレン性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン
酸エステル類とからなる共重合体の含有量は、3〜60
重量%の範囲が好ましく、5〜40重量%がより好まし
く、5〜30重量%が更に好ましい。
ロロプレン重合体に、カルボキシル基を有するエチレン
性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン酸エステルと
の共重合体を含有することが必須である。この含有比率
には特に制限はないが、クロロプレン重合体が本来有す
る各種物性を損なうことなく、耐オゾン性及び引裂き強
度に優れた組成物とするためには、カルボキシル基を有
するエチレン性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボン
酸エステル類とからなる共重合体の含有量は、3〜60
重量%の範囲が好ましく、5〜40重量%がより好まし
く、5〜30重量%が更に好ましい。
【0023】また、本発明のクロロプレン系重合体組成
物は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物
とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体をク
ロロプレン重合体に含有させたものである。その製造方
法には特に制限はないが、製造方法の例を挙げれば、該
共重合体とクロロプレン重合体とを混合すればよく、例
えば、乳化重合で得たラテックス及びエマルジョンを混
合する方法、固体状の重合体同士をオープンロール、ニ
ーダー、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機な
どで混練することによる方法、有機溶媒に溶解した溶液
同士をブレンドする方法等が用いられる。なかでも、乳
化重合で得たラテックス及びエマルジョンを混合する方
法は、均一な混合物を容易に得ることができるので好ま
しい。
物は、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物
とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体をク
ロロプレン重合体に含有させたものである。その製造方
法には特に制限はないが、製造方法の例を挙げれば、該
共重合体とクロロプレン重合体とを混合すればよく、例
えば、乳化重合で得たラテックス及びエマルジョンを混
合する方法、固体状の重合体同士をオープンロール、ニ
ーダー、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機な
どで混練することによる方法、有機溶媒に溶解した溶液
同士をブレンドする方法等が用いられる。なかでも、乳
化重合で得たラテックス及びエマルジョンを混合する方
法は、均一な混合物を容易に得ることができるので好ま
しい。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではな
い。なお以下の説明においては、部および%は、重量基
準によって示す。
が、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではな
い。なお以下の説明においては、部および%は、重量基
準によって示す。
【0025】クロロプレン重合体ラテックス(A1)の
製造 3リットルのガラスコルベン中、窒素気流下で、水10
0部、乳化剤として不均化ロジン酸5部、水酸化カリウ
ム1.0部、分散剤としてホルムアルデヒドナフタレン
スルホン酸縮合物のナトリウム塩0.8部を仕込み、溶
解後、撹拌しながらクロロプレン100部およびn−ド
デシルメルカプタン0.1部との混合物を加え、重合温
度40℃で、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム
を用いて重合し、単量体の転化率が65%に到達したと
き、ターシャリブチルカテコールとチオジフェニルアミ
ンを加えて重合を停止させ、未反応単量体を減圧下で除
去することによりクロロプレン重合体ラテックス(A
1)を得た。
製造 3リットルのガラスコルベン中、窒素気流下で、水10
0部、乳化剤として不均化ロジン酸5部、水酸化カリウ
ム1.0部、分散剤としてホルムアルデヒドナフタレン
スルホン酸縮合物のナトリウム塩0.8部を仕込み、溶
解後、撹拌しながらクロロプレン100部およびn−ド
デシルメルカプタン0.1部との混合物を加え、重合温
度40℃で、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム
を用いて重合し、単量体の転化率が65%に到達したと
き、ターシャリブチルカテコールとチオジフェニルアミ
ンを加えて重合を停止させ、未反応単量体を減圧下で除
去することによりクロロプレン重合体ラテックス(A
1)を得た。
【0026】クロロプレン重合体ラテックス(A2)の
製造 クロロプレン100部の代わりに、クロロプレン95部
と2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン5部を使用し
た以外はクロロプレン重合体ラテックス(A1)の場合
と同様にしてクロロプレン系重合体ラテックス(A2)
を得た。
製造 クロロプレン100部の代わりに、クロロプレン95部
と2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン5部を使用し
た以外はクロロプレン重合体ラテックス(A1)の場合
と同様にしてクロロプレン系重合体ラテックス(A2)
を得た。
【0027】α,β−不飽和カルボン酸エステルからな
る共重合体(B1)の製造 3リットルのガラスコルベン中、窒素気流下で、水10
0部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム5部を仕込み溶解後、α,β−不飽和カルボン酸エ
ステルとしてn−ブチルアクリレート100部と、アク
リル酸1.5部、n−ドデシルメルカプタン0.01部
を撹拌しながら加えた。重合温度70℃でラジカル開始
剤として過硫酸カリウムを用いて単量体の転化率が98
%となるまで重合を行うことにより、n−ブチルアクリ
レート共重合体エマルジョン(B1)を得た。
る共重合体(B1)の製造 3リットルのガラスコルベン中、窒素気流下で、水10
0部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム5部を仕込み溶解後、α,β−不飽和カルボン酸エ
ステルとしてn−ブチルアクリレート100部と、アク
リル酸1.5部、n−ドデシルメルカプタン0.01部
を撹拌しながら加えた。重合温度70℃でラジカル開始
剤として過硫酸カリウムを用いて単量体の転化率が98
%となるまで重合を行うことにより、n−ブチルアクリ
レート共重合体エマルジョン(B1)を得た。
【0028】α,β−不飽和カルボン酸エステルからな
る共重合体(B2〜B4)の製造 表1に示すα,β−不飽和カルボン酸エステル類、架橋
性モノマー、連鎖移動剤量で、共重合体(B1)と同様
にしてα,β−不飽和カルボン酸エステル類からなる共
重合体(B2〜B4)を得た。
る共重合体(B2〜B4)の製造 表1に示すα,β−不飽和カルボン酸エステル類、架橋
性モノマー、連鎖移動剤量で、共重合体(B1)と同様
にしてα,β−不飽和カルボン酸エステル類からなる共
重合体(B2〜B4)を得た。
【0029】実施例1
上記で得られた(A1)と(B1)を、(A1)100
部に対し(B1)10部(固形分換算)を撹拌しながら
添加し、更に充分に撹拌した後、凍結凝固乾燥法によっ
てクロロプレン系重合体組成物を得た。
部に対し(B1)10部(固形分換算)を撹拌しながら
添加し、更に充分に撹拌した後、凍結凝固乾燥法によっ
てクロロプレン系重合体組成物を得た。
【0030】実施例2、比較例1〜4
表2に示したクロロプレン重合体とα,β−不飽和カル
ボン酸エステル類の共重合体を使用し、実施例1同様の
操作でクロロプレン系重合体組成物を得た。
ボン酸エステル類の共重合体を使用し、実施例1同様の
操作でクロロプレン系重合体組成物を得た。
【0031】上記のクロロプレン系重合体組成物(生ゴ
ム)を、表3に示す処方で加硫物とし、物性試験を実施
した。硬度、引張強さ、伸び、引裂き強度はJIS−K
6301に準拠して試験を行い、耐オゾン性はJIS−
K6259に準拠して動的オゾン試験(引張法)を行っ
た。試験結果を表4に示す。
ム)を、表3に示す処方で加硫物とし、物性試験を実施
した。硬度、引張強さ、伸び、引裂き強度はJIS−K
6301に準拠して試験を行い、耐オゾン性はJIS−
K6259に準拠して動的オゾン試験(引張法)を行っ
た。試験結果を表4に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】以上の通り本発明のクロロプレン系重合
体組成物は、耐オゾン性と引裂き強度に優れており、し
かも、クロロプレン重合体が本来備えている優れた機械
的物性も保持されている。従って、特に自動車工業分野
における、ゴムブーツ、具体的には等速ジョイントブー
ツ、ラック&ピニオンブーツ、ボールジョイントブーツ
等の素材として好適である。また、ゴムホース、具体的
にはブレーキホース、パワーステアリングホース、フュ
ーエルホース、ラジエーターホース、カーエアコンホー
ス等の自動車用ホースや各種高圧ホース等の外装用ゴム
素材としても好適である。さらに、本発明のクロロプレ
ン系重合体組成物は、建築用ガスケット、具体的には、
エアータイト、スペーサー、グレイジングガスケット、
目地用ガスケット、ジッパーガスケット、セッティング
ブロック、エキスパンション等の素材としても好適であ
り、防振ゴム、ベルト関係にも好適である。
体組成物は、耐オゾン性と引裂き強度に優れており、し
かも、クロロプレン重合体が本来備えている優れた機械
的物性も保持されている。従って、特に自動車工業分野
における、ゴムブーツ、具体的には等速ジョイントブー
ツ、ラック&ピニオンブーツ、ボールジョイントブーツ
等の素材として好適である。また、ゴムホース、具体的
にはブレーキホース、パワーステアリングホース、フュ
ーエルホース、ラジエーターホース、カーエアコンホー
ス等の自動車用ホースや各種高圧ホース等の外装用ゴム
素材としても好適である。さらに、本発明のクロロプレ
ン系重合体組成物は、建築用ガスケット、具体的には、
エアータイト、スペーサー、グレイジングガスケット、
目地用ガスケット、ジッパーガスケット、セッティング
ブロック、エキスパンション等の素材としても好適であ
り、防振ゴム、ベルト関係にも好適である。
Claims (6)
- 【請求項1】 クロロプレン重合体に、カルボキシル基
を有するエチレン性不飽和化合物とα,β−不飽和カル
ボン酸エステルとの共重合体でありα,β−不飽和カル
ボン酸エステルの含量が90〜99.9重量%である共
重合体を含有してなるクロロプレン系重合体組成物(但
し、水、溶剤またはヒドラジン誘導体を含むものを除
く)。 - 【請求項2】 請求項1において、α,β−不飽和カル
ボン酸エステルがアクリル酸エステルであることを特徴
とするクロロプレン系重合体組成物。 - 【請求項3】 請求項2において、アクリル酸エステル
がn−ブチルアクリレートであることを特徴とするクロ
ロプレン系重合体組成物。 - 【請求項4】 クロロプレン重合体とカルボキシル基を
有するエチレン性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボ
ン酸エステルとの共重合体を95〜60/5〜40の重
量比で含有してなることを特徴とする請求項1記載のク
ロロプレン系重合体組成物。 - 【請求項5】 クロロプレン重合体とカルボキシル基を
有するエチレン性不飽和化合物とα,β−不飽和カルボ
ン酸エステルとの共重合体を95〜70/5〜30の重
量比で含有してなることを特徴とする請求項1記載のク
ロロプレン系重合体組成物。 - 【請求項6】 クロロプレン重合体ラテックスと、カル
ボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物とα,β−
不飽和カルボン酸エステルとの共重合体エマルジョンを
混合する工程を経ることを特徴とする請求項1記載のク
ロロプレン系重合体組成物を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12361995A JP3425491B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12361995A JP3425491B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311249A JPH08311249A (ja) | 1996-11-26 |
JP3425491B2 true JP3425491B2 (ja) | 2003-07-14 |
Family
ID=14865080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12361995A Expired - Fee Related JP3425491B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3425491B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7450891B2 (ja) * | 2019-05-08 | 2024-03-18 | デンカ株式会社 | ゴム組成物、加硫ゴム及び成形品 |
-
1995
- 1995-05-23 JP JP12361995A patent/JP3425491B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08311249A (ja) | 1996-11-26 |
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