JP3377145B2 - イオウ変性クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents
イオウ変性クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法Info
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Description
ロロプレン系重合体組成物、及びその製造方法に関す
る。
耐候性、耐熱性、耐薬品性などの物性のバランスが良好
であるため、一般工業用ゴム製品、自動車部品、接着剤
等幅広い分野で使用されている。イオウ変性クロロプレ
ン重合体は、ポリマー中にイオウ結合が存在するため、
一般のクロロプレン重合体と比較して、機械的強度や動
的特性が優れること、素練りにより粘度低下が容易であ
ること、金属酸化物のみで加硫可能であること、スコー
チ安定性に優れること等の特性を有しているため、自動
車用ベルトや各種スポンジ、防振材などに用いられてき
た。しかしながら、近年ゴム製品が使用される環境が苛
酷になってきており、従来のクロロプレン重合体では対
応が困難な状況になってきてる。
があるが、クロロプレン重合体においては、老化防止剤
を添加することによって耐オゾン性を改良する方法が一
般的であり、広く用いられている。
止剤を添加する方法では、未加硫物の焼け、老化防止剤
のブルーム、加硫物の引張り強度の低下等の問題を引き
起こす虞れがあるため、老化防止剤の種類や使用量の選
定が難しいばかりでなく、耐オゾン性の改良効果も十分
なものではなかった。
り、耐オゾン性を大幅に改良させたイオウ変性クロロプ
レン系重合体組成物及びその製造方法を提供することを
目的とするものである。
オウ変性クロロプレン重合体に、α,β−不飽和カルボ
ン酸エステルの重合体を含有してなるイオウ変性クロロ
プレン系重合体組成物に関するものであり、より具体的
には、上記のα,β−不飽和カルボン酸エステルがアク
リル酸エステルであること、さらに、アクリル酸エステ
ルがn−ブチルアクリレートであることを特徴とするイ
オウ変性クロロプレン系重合体組成物に関するものであ
る。また、本発明は、クロロプレン重合体ラテックス
と、α,β−不飽和カルボン酸エステルの重合体エマル
ジョンを混合することを特徴とするイオウ変性クロロプ
レン系重合体組成物の製造方法に関するものである。
合体とは、2−クロロ−1,3−ブタジエン(以下クロ
ロプレンと記す)とイオウを必須成分として含有する重
合体であり、必要に応じて他のクロロプレンと共重合可
能な単量体の1種以上を重合させたものも含む。
な単量体としては、例えば2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエン、1−クロロ−1,3−ブタジエン、ブタジ
エン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アク
リル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステ
ル等が例示でき、必要に応じて2種以上用いてもかまわ
ない。
合体の重合は、公知の如何なる方法によることもできる
が、水性乳化液中でラジカル重合させる方法が最も一般
的且つ適当である。
に制限は無く、一般的にクロロプレンの乳化重合に使用
される乳化剤、例えばロジン酸塩、脂肪酸塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩等のアニオン系乳化剤、あるいは
アルキルポリエチレングリコール、ポリビニルアルコー
ル等のノニオン系乳化剤、更に第4級アンモニウム塩等
のカチオン系乳化剤等が使用できる。しかし、好ましく
は、ロジン酸塩、脂肪酸塩等のアニオン系乳化剤であ
る。
いが、好ましくは0〜55℃の範囲である。重合温度が
0℃より低い場合には水の凝固が問題となり、55℃よ
り高い場合にはクロロプレンの蒸気圧の関係から加圧設
備が必要となってくる。
の乳化重合法で用いられている有機又は無機の過酸化物
でよく、例えば過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等が例示できる。また、反応の制御や
重合を完全に行う目的でレドックス系のラジカル開始剤
を用いることもできる。
エステルの重合体は、α,β−不飽和カルボン酸エステ
ルの単独重合体又は、2種以上のα,β−不飽和カルボ
ン酸エステルの共重合体である。
ルとは、α,β−不飽和カルボン酸とアルコールからな
るエステルのことであり、α,β−不飽和カルボン酸と
しては例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸等が挙げられるが、特にアクリル
酸が好ましい。
ール、ブチルアルコール、ドデシルアルコール、オクタ
デシルアルコール等のアルキルアルコール、アリルアル
コール等のアルケニルアルコール、シクロペンチルアル
コール、シクロヘキシルアルコール等の環状アルコー
ル、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等のア
ラルキルアルコール、メトキシエチルアルコール、エト
キシエチルアルコール、グリシジルアルコール、ジアル
キルアミノエチルアルコールなどが例示できるが、中で
もn−ブチルアルコール及びエチルアルコールが好まし
く、特ににn−ブチルアルコールが好ましい。
ルの重合体を重合する方法としては、公知の如何なる方
法も用い得るが、乳化ラジカル重合による方法が一般的
である。
エステルの重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で
α,β−不飽和カルボン酸エステル以外の単量体を共重
合しても良い。α,β−不飽和カルボン酸エステル以外
の単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ロニトリル、エチレン、プロピレン、スチレン、酢酸ビ
ニル、塩化ビニル、イソプレン、ブタジエン、クロロプ
レン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、グリシ
ジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−
クロロエチルビニルエーテル、クロロ酢酸ビニル等が例
示できる。
ルの重合体を乳化重合する際の乳化剤としては、特に制
限はなく、クロロプレン重合体の重合と同様、種々の乳
化剤が使用できる。
ルの重合体の分子量に特に制限はないが、数平均分子量
が30万以上であることが好ましい。分子量の調整は、
連鎖移動剤を用いて行えばよく、連鎖移動剤としては、
特に制限はないが、一般に知られている連鎖移動剤、例
えば、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタ
ン、ジエチエルキサントゲンスルフィド等のキサントゲ
ンスルフィド、ヨードホルム等のハロゲン化炭化水素等
が使用できる。
ルの重合温度には、特に制限は無いが、0〜90℃の間
で選定するのが好ましい。0℃以下では水の凝固が、9
0℃以上では水の蒸発が問題となる。
組成物は、イオウ変性クロロプレン重合体にα,β−不
飽和カルボン酸エステルの重合体を含有することが必須
である。その含有比率には特に制限はないが、イオウ変
性クロロプレン重合体が本来有する各種物性を損なうこ
となく、耐オゾン性の優れた組成物とするには、α,β
−不飽和カルボン酸エステルからなる重合体の含有量
は、3〜60重量%の範囲が好ましく、5〜40重量%
がより好ましく、5〜30重量%が更に好ましい。
重合体組成物は、α,β−不飽和カルボン酸エステルの
重合体をイオウ変性クロロプレン重合体に含有させたも
のである。その製造方法には特に制限はないが、製造方
法の例をあげれば、これら双方を混合すればよく、例え
ば、乳化重合で得たラテックス及びエマルジョンを混合
する方法、固体状の重合体同士をオープンロール、ニー
ダー、バンバリーミキサー、単軸または二軸押出機など
で混練することによる方法、有機溶媒に溶解した溶液同
士をブレンドする方法等が用いられる。なかでも、乳化
重合で得たラテックス及びエマルジョンを混合する方法
は、均一な混合物を容易に得ることができるので好まし
い。
が、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではな
い。なお以下の説明においては、部および%は、重量基
準によって示す。
の製造 3リットルのガラスコルベン中、窒素気流下で、水10
0部、乳化剤として不均化ロジン酸5部、水酸化カリウ
ム1.0部、分散剤としてホルムアルデヒドナフタレン
スルホン酸縮合物のナトリウム塩0.8部を仕込み、溶
解後、撹拌しながらクロロプレン100部およびイオウ
0.3部との混合物を加え、重合温度40℃で、ラジカ
ル重合開始剤として過硫酸カリウムを用いて重合し、単
量体の転化率が65%に到達したとき、ターシャリブチ
ルカテコールとチオジフェニルアミンを加えて重合を停
止させ、未反応単量体を減圧下で除去することによりイ
オウ変性クロロプレン系重合体ラテックスを得た。
る重合体の製造 3リットルのガラスコルベン中、窒素気流下で、水10
0部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム5部を仕込み溶解後、α,β−不飽和カルボン酸エ
ステルとしてn−ブチルアクリレート100部とドデシ
ルメルカプタン0.01部を撹拌しながら加えた。重合
温度70℃でラジカル開始剤として過硫酸カリウムを用
いて単量体の転化率が98%となるまで重合を行うこと
により、n−ブチルアクリレート重合体エマルジョンを
得た。このn−ブチルアクリレート重合体エマルジョン
を凍結乾燥し、重合体を得てポリスチレンを標準物質と
するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(島津製
作所 以下GPCと記述)により数平均分子量を測定し
たところ約60万であった。
してn−ブチルアクリレート重合体エマルジョン10部
(固形分換算)を撹拌しながら添加し、更に充分に撹拌
した後凍結凝固乾燥法によってイオウ変性クロロプレン
系重合体組成物を得た。
20部(固形分換算)とし、実施例1同様の操作でイオ
ウ変性クロロプレン系重合体組成物を得た。
例1同様の操作でイオウ変性クロロプレン系重合体組成
物を得た。
成物(生ゴム)を、表1に示す処方で加硫物とし、物性
試験を実施した。硬度、引張強さ、伸びはJIS−K6
301に準拠して試験を行い、耐オゾン性はJIS−K
6259に準拠して静的オゾン試験を行った。試験結果
を表2に示す。
レン系重合体は、耐オゾン性に優れており、しかも、イ
オウ変性クロロプレン重合体が本来備えている優れた機
械的物性も保持されている。従って、Vベルト、平ベル
ト、歯付ベルトなどのベルト類や、スポンジ等の素材と
して好適である。
Claims (4)
- 【請求項1】 イオウ変性クロロプレン重合体に、α,
β−不飽和カルボン酸エステルの重合体を含有してなる
イオウ変性クロロプレン系重合体組成物。 - 【請求項2】 請求項1において、α,β−不飽和カル
ボン酸エステルがアクリル酸エステルであることを特徴
とするイオウ変性クロロプレン系重合体組成物。 - 【請求項3】 請求項2において、アクリル酸エステル
がn−ブチルアクリレートであることを特徴とするイオ
ウ変性クロロプレン系重合体組成物。 - 【請求項4】 クロロプレン重合体ラテックスと、α,
β−不飽和カルボン酸エステルの重合体エマルジョンを
混合することを特徴とするイオウ変性クロロプレン系重
合体組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12362095A JP3377145B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | イオウ変性クロロプレン系重合体組成物及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08311250A JPH08311250A (ja) | 1996-11-26 |
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---|---|---|---|---|
EP3783040B1 (en) * | 2018-08-31 | 2024-08-21 | Denka Company Limited | Copolymer of chloroprene monomer and unsaturated nitrile compound, composition containing copolymer, vulcanization molded body of composition, and use of vulcanization molded body |
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1995
- 1995-05-23 JP JP12362095A patent/JP3377145B2/ja not_active Expired - Fee Related
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