JP2000290323A - クロロプレン共重合体及びその製造方法 - Google Patents

クロロプレン共重合体及びその製造方法

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JP2000290323A
JP2000290323A JP10407399A JP10407399A JP2000290323A JP 2000290323 A JP2000290323 A JP 2000290323A JP 10407399 A JP10407399 A JP 10407399A JP 10407399 A JP10407399 A JP 10407399A JP 2000290323 A JP2000290323 A JP 2000290323A
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chloroprene
carbon atoms
monomer
copolymer
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JP10407399A
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Seiji Matsumoto
清児 松本
Tomokazu Koike
知一 小池
Tamotsu Sato
保 佐藤
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法では導入困難であったアクリル
酸エステル及びメタクリル酸エステルの中から選ばれる
1種以上のコモノマーと2−クロロ−1,3−ブタジエ
ンを単量体成分として含有するクロロプレン共重合体及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】アクリル酸エステル及びメタクリル酸エス
テルの中から選ばれる1種以上のコモノマーと2−クロ
ロ−1,3−ブタジエンを単量体成分として含有するク
ロロプレン共重合体を製造し用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロロプレン共重
合体及びその製造方法に関するものであり、さらに詳し
くはアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの中
から選ばれる1種以上のコモノマーと2−クロロ−1,
3−ブタジエンを単量体成分として含有するクロロプレ
ン共重合体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車を始めとする工業製品の高
品質化及び長寿命化に伴い、それらに使用されているゴ
ム部材に対しても品質向上の要求が高まっている。
【0003】クロロプレンゴムは、各種合成ゴムの中で
も各物性のバランスが良好であるため幅広い用途に使用
されているが、例えば、耐熱性、耐寒性、耐候性等の更
なる向上が求められている。
【0004】ポリマー改質方法の1つとして共重合が挙
げられ、クロロプレンゴムに対しても様々な検討が行わ
れている。しかし、硫黄や2,3−ジクロロ−1,3−
ブタジエン等の一部コモノマーを除き、一般的に他モノ
マーとの共重合において2−クロロ−1,3−ブタジエ
ンの単量体反応性は非常に大きく、他モノマーとの反応
性が小さいため、クロロプレンポリマーへのコモノマー
導入率が低い。これに対して、コモノマー仕込み量を極
端に多くすることにより僅かにコモノマー共重合量が増
加するが、そのような手段を用いると重合速度が著しく
低くなり重合が進行せず、結果としてモノマー転化率が
低く収率が劣るので、仕込みコモノマー増量には限りが
あり共重合による品質改良には限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の工
業的な重合方法では導入困難であったコモノマーを導入
することにより、コモノマーの有する特徴を付与したク
ロロプレン共重合体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、一般的に
2−クロロ−1,3−ブタジエンと共重合し難いコモノ
マーとクロロプレンモノマーの共重合において、コモノ
マー比率の高い単量体混合物で重合を開始し、適切な転
化率の時点からクロロプレンモノマー比率の高い単量体
混合物を連続あるいは分割添加しつつ重合を継続するこ
とにより、今までになく多い量のコモノマーが導入され
特性の改良されたクロロプレン共重合体が得られること
を見出し本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記化学式(1)及
び(2)で表される単量体成分からなり、数平均分子量
が1万〜100万であるクロロプレン共重合体及びその
製造方法に関するものである。
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】(ただし、化学式(2)において、R1は
水素又はメチル基であり、R2は炭素数1〜18のアル
キル基、炭素数2〜18のアルコキシアルキル基、炭素
数2〜13のシアノ基含有アルキル基、炭素数3〜13
のシアノ基含有アルコキシアルキル基、炭素数2〜16
のハロゲン含有アルキル基又は炭素数2〜16のハロゲ
ン含有アルコキシアルキル基である。)以下、本発明に
ついて詳細に説明する。
【0011】本発明におけるクロロプレン共重合体は、
上記(1)及び(2)で表される単量体成分からなるも
のであって、その数平均分子量は1万〜100万であ
る。この数平均分子量が1万未満の場合は、共重合体の
流動性が必要以上に高く成型加工し難く、また、100
万を越えると共重合体の弾性が必要以上に強く成型加工
し難く、好ましくない。
【0012】本発明におけるクロロプレンモノマーと
は、上記化学式(1)で表される2−クロロ−1,3−
ブタジエン単独あるいはこれと共重合可能な単量体との
混合物である。ここでいう共重合可能な単量体は、アク
リル酸エステル及びメタクリル酸エステル以外であれば
特に限定するものではなく、例えば、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン等のモノビニ
ル化合物、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビ
ニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和基含
有カルボン酸類、イソプレン、1,3−ブタジエン、1
−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−
1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物、硫黄等が挙
げられ、単独又は2種以上を組み合わせて用いることが
できる。これらのうち、1−クロロ−1,3−ブタジエ
ン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、硫黄が特
に好ましい。クロロプレンモノマー中における共重合可
能な単量体量は、50重量%以下であり、クロロプレン
ゴムの特性を損なわない範囲で使用される。
【0013】本発明でクロロプレンモノマーと共重合さ
せる下記化学式(2)で表される単量体成分は、アクリ
ル酸エステル又はメタクリル酸エステルである。
【0014】
【化7】
【0015】(ただし、化学式(2)において、R1は
水素又はメチル基であり、R2は炭素数1〜18のアル
キル基、炭素数2〜18のアルコキシアルキル基、炭素
数2〜13のシアノ基含有アルキル基、炭素数3〜13
のシアノ基含有アルコキシアルキル基、炭素数2〜16
のハロゲン含有アルキル基又は炭素数2〜16のハロゲ
ン含有アルコキシアルキル基である。) 上記化学式(2)において、R1が水素の場合は、アク
リル酸エステル、メチル基の場合はメタクリル酸エステ
ルをそれぞれ表す。R2は、炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数2〜18のアルコキシアルキル基、炭素数2
〜16のハロゲン含有アルキル基、炭素数2〜16のハ
ロゲン含有アルコキシアルキル基、炭素数2〜13のシ
アノ基含有アルキル基又は炭素数3〜13のシアノ基含
有アルコキシアルキル基であり、一般に炭素数が少な
い、あるいは後者のエステル種になるほどエステル基の
極性が高いため得られた共重合体の耐油性が向上し、ま
たエステル基側鎖がある程度大きいほど主鎖の運動性が
高くなるため得られた共重合体の耐寒性が向上する。し
かし、前記したR2の炭素数より多い炭素数を含有する
エステルとの共重合は耐寒性改良効果が乏しく、耐油性
を大きく損なうので好ましくない。
【0016】化学式(2)で表される単量体成分として
は、例えば、エステル基としてメチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘ
キシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n
−ドデシル基、オクタデシル基、メトキシメチル基、メ
トキシエチル基、エトキシエチル基、エトキシブチル
基、エトキシヘキシル基、シアノエチル基、シアノブチ
ル基、シアノヘキシル基、シアノエトキシブチル基、フ
ロロエチル基、フロロブチル基、クロロエチル基、クロ
ロブチル基、フロロメトキシエチル基、クロロメトキシ
エチル基等を持つアクリル酸エステル及びメタクリル酸
エステルが挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。このうち特に好ましくはエチ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ドデシル
メタクリレートである。
【0017】本発明の共重合体は、その共重合体中にお
ける、化学式(1)及び(2)で表される単量体成分
が、重量比((1)/(2))で、30/70〜99.
5/0.5であるクロロプレン共重合体である。ここで
化学式(1)で表される2−クロロ−1,3−ブタジエ
ンが30未満であると共重合体のクロロプレンゴムとし
ての特徴が損なわれ好ましくなく、99.5を越えると
共重合によるポリマー改質の効果が少なく好ましくな
い。このうち好ましくは60/40〜99/1である。
【0018】本発明のクロロプレン共重合体の製造方法
を以下に説明する。
【0019】本発明のクロロプレン共重合体はラジカル
重合によって製造され、乳化重合、溶液重合、塊状重合
などの方法があり、このうちラジカル乳化重合を例に挙
げると以下の方法により製造される。
【0020】任意量の化学式(1)及び(2)で表され
る単量体及び化学式(1)の2−クロロ−1,3−ブタ
ジエンと共重合可能な第三成分からなる単量体混合物
A、及び任意量の連鎖移動剤の混合物を乳化剤水溶液と
混合し乳化する。この乳化液に重合開始剤を添加し重合
を行い、その後、任意の転化率に到達した時点から任意
量の化学式(1)及び(2)で表される単量体及び化学
式(1)の2−クロロ−1,3−ブタジエンと共重合可
能な第三成分からなる単量体混合物B、及び任意量の連
鎖移動剤の混合物と必要量の乳化剤水溶液を分割あるい
は連続的に重合器へ添加しつつ重合を継続させ、任意の
転化率で重合停止剤を投入し重合を終了させる。
【0021】ここで使用する連鎖移動剤としては、特に
限定するものではなく、例えばn−ドデシルメルカプタ
ン、t−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン
等のアルキルメルカプタン類、キサントゲンスルフィド
類、ヨウ化ベンジル、ヨードホルム等が挙げられ、単独
あるいは2種以上が使用される。
【0022】乳化・分散剤としては、特に限定するもの
ではなくカルボン酸塩型、スルホン酸塩型、硫酸塩型等
のアニオン型乳化剤及びノニオン型乳化剤等が用いられ
る。具体的には、不均化ロジン酸のアルカリ金属塩、高
級脂肪酸アルカリ金属塩、アルキルスルホン酸塩、アル
キルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキル
アリール硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホ
ルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アシルエステル等が挙げられ、単独あるいは2種以上の
併用が可能であり、重合前に添加するものと重合中に添
加するものが異なってもかまわない。各乳化・分散剤の
添加量は、その種類により最適範囲は異なるが、乳化重
合を安定に実施できる範囲として、仕込み全単量体10
0重量部に対して0.1〜10重量部が特に好ましい。
【0023】重合開始剤としては、特に限定するもので
はなく公知のフリーラジカル生成物質を用いることがで
き、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過
硫酸化物、過酸化水素、パラメンタンハイドロパーオキ
サイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハ
イドロパーオキサイド等の無機又は有機過酸化物等が挙
げられ、これら単独あるいは上記化合物と硫酸第一鉄、
ハイドロサルファイトナトリウム、ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート、チオ硫酸塩、チオ亜硫酸
塩、有機アミン等の還元性物質を併用したレドックス系
が使用される。
【0024】停止剤としては、特に限定するものではな
く、例えばフェノチアジン、2,2’−メチレンビス−
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’
−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、ハイドロキノン、4−メトキシハイドロキノン、
N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等のラジカル禁止
剤が挙げられ、単独又は2種以上が使用される。
【0025】本発明の共重合体を製造するためには、重
合を通じて重合器中の全単量体に対する上記化学式
(2)で表されるコモノマーの比率を10〜90重量%
に保つ必要がある。具体的には、コモノマーを40〜9
8重量%含有する前記単量体混合物Aの重合を開始し、
その後、任意の転化率に達した時点から、2−クロロ−
1,3−ブタジエンを80〜100重量%含有する前記
単量体混合物Bを連続もしくは断続的に後添加しつつ重
合を継続する方法が挙げられる。
【0026】重合温度は0〜80℃の範囲で行うことが
でき、好ましくは5〜60℃の範囲である。
【0027】また、重合中のアクリル酸エステル及びメ
タクリル酸エステルの加水分解を抑制するため、pHを
2〜9の範囲内に保って重合を行うことが好ましく、こ
のうち特にpH3〜8が好ましい。また、重合中のpH
を一定に保つためにリン酸二水素ナトリウム、リン酸水
素二ナトリウム等のpH緩衝剤を必要に応じて使用して
も良い。
【0028】重合停止転化率は、20〜100%が好ま
しく、このうち特に25〜80%が好ましい。単量体が
残存する場合には、モノマーストリップ等によりラテッ
クス中の単量体を除去する。重合後のラテックスから凍
結凝固あるいは塩析等の方法によりポリマーを単離し、
水洗乾燥を経て共重合体を得る。
【0029】本発明のクロロプレン共重合体は、通常知
られているクロロプレンゴムと同様の方法により成型加
硫できる。例えば、加硫剤、加硫促進剤、補強剤、充填
剤、可塑剤、老化防止剤等をロール、ニーダー又はバン
バリー等の混練機によって共重合体と混合し、目的に応
じた形状に成型後、加硫する方法がある。共重合コモノ
マーの特性を付与し品質改良された本発明の共重合体を
使用することにより、従来のクロロプレンゴムより優れ
た特性を持つ加硫ゴムが得られる。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0031】実施例中の塩素含有量は、充分に再沈精製
したポリマーのフラスコ燃焼法により測定した。ポリマ
ー中の2−クロロ−1,3−ブタジエン含有量は、塩素
含有量より算出した。ガラス転移点は、充分に再沈精製
したポリマーを使用し、セイコー電子社製示差走査熱量
測定装置(DSC)SSC−5000を用いて、10℃
/分の昇温速度で−150℃〜100℃まで2回連続走
査し、2回目の値を測定値とした。数平均分子量は、溶
離液にテトラヒドロフランを用いたGPCにより測定し
た。加硫物特性は、JIS K6251(1996年度
版)に従いダンベル状3号型の試験片を用い、引張り速
度500mm/分にて評価した。耐熱性は、JIS K
6257(1996年度版)に従いギヤー式老化試験機
を用い100℃×70時間の老化条件によって評価し
た。
【0032】なお、以下の記述で重量部とは、全単量体
混合物を100重量部とする重量比を表す。
【0033】実施例1 クロロプレン共重合体の重合を以下の手順で行った。
【0034】ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
重量部、リン酸水素二ナトリウム1重量部、リン酸二水
素ナトリウム0.5重量部、蒸留水100重量部からな
る乳化液及び表1に示した初期仕込み単量体混合物を2
lの攪拌機付きオートクレーブに仕込み、充分に窒素
置換し、乳化させた。重合器内が40℃一定となるよう
にジャケット温度を制御しながら0.1%過硫酸カリウ
ム水溶液及び1%ハイドロサルファイトナトリウム水溶
液を滴下し重合を行った。初期仕込み単量体混合物の転
化率が15%に達した時点で、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.5重量部、蒸留水5重量部を添加
し、以後表1に示した後添加単量体混合物を連続的に添
加しつつ重合を継続させた。後添加単量体添加終了後、
直ちに2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)を0.05重量部添加し重合を終
了させた。全単量体の転化率を表1に示した。残存する
未反応単量体を減圧スチームストリッピング法により除
去し、得られたラテックスから塩析によりポリマーを析
出させ、水洗、熱風乾燥することによりクロロプレン重
合体を得た。
【0035】得られたクロロプレン重合体の再沈精製物
の塩素含有量、及びそれより算出したポリマー中の2−
クロロ−1,3−ブタジエン含有量を表1に示した。D
SCにより測定したガラス転移温度、及びGPCにより
測定した数平均分子量を表1に示した。ガラス転移点が
クロロプレン、n−ブチルアクリレートのホモポリマー
とも違う単一ピークであることから得られたポリマーが
ランダム共重合体であることは明らかである。
【0036】得られたクロロプレン共重合体を表2に示
した配合に従い1 lニーダーで混練を行い、160℃
×20分間のプレス加硫により加硫ゴムシートを作成し
た。加硫物の常態物性、耐熱性を表1に示した。クロロ
プレンホモポリマーと比較してn−ブチルアクリレート
との共重合により耐熱性の向上した加硫物が得られた。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例2、実施例3 表1に示した初期仕込み単量体混合物を使用し、表1に
示した単量体添加開始転化率に変更した以外は実施例1
と同様の方法でクロロプレン重合体を得た。
【0040】得られたクロロプレン重合体の塩素含有
量、2−クロロ−1,3−ブタジエン含有量、ガラス転
移温度、数平均分子量を表1に示した。ガラス転移点が
クロロプレン、n−ブチルアクリレートのホモポリマー
とも違う単一ピークであることから得られたポリマーが
ランダム共重合体であることは明らかである。
【0041】実施例1と同様の方法で評価した常態物
性、耐熱性を表1に示した。n−ブチルアクリレートと
の共重合により耐熱性の向上した加硫物が得られた。
【0042】比較例1 表1に示した単量体混合物を使用し、実施例1と同様の
方法で重合を開始した。しかし2−クロロ−1,3−ブ
タジエン量が少ないため、開始剤を増量しても重合が進
まず、重合体が得られなかった。
【0043】比較例2 表3に示した単量体混合物を使用し、転化率65%まで
重合を行った以外は実施例1と同様の方法でクロロプレ
ン重合体を得た。
【0044】得られたクロロプレン重合体の塩素含有
量、2−クロロ−1,3−ブタジエン含有量、ガラス転
移温度、数平均分子量を表3に示した。
【0045】実施例1と同様の方法で評価した常態物
性、耐熱性を表3に示した。クロロプレン単独重合体で
あるため実施例1〜3記載の共重合体に比較し耐熱性が
劣っていた。
【0046】
【表3】
【0047】比較例3 表3に示した単量体混合物を使用し、重合停止転化率を
100%とした以外は比較例2と同様の方法でn−ブチ
ルアクリレート重合体を得た。
【0048】得られたn−ブチルアクリレート重合体の
ガラス転移温度、数平均分子量を表3に示した。
【0049】比較例4 比較例2で得たクロロプレン重合体ラテックスと比較例
3で得たn−ブチルアクリレート重合体ラテックスとを
重量比で75/25の割合で混合し、塩析、水洗、乾燥
によりクロロプレン重合体を得た。
【0050】得られたクロロプレン重合体の塩素含有
量、2−クロロ−1,3−ブタジエン含有量、ガラス転
移温度、数平均分子量を表3に示した。ガラス転移点が
クロロプレン、n−ブチルアクリレートのホモポリマー
と同じピークを2つ有することから得られたポリマーが
クロロプレン、n−ブチルアクリレートのブレンド物で
あることは明らかである。
【0051】実施例1と同様の方法で評価した常態物
性、耐熱性を表3に示した。n−ブチルアクリレートと
のブレンドにより耐熱性はわずかに向上しているが、本
発明の実施例1〜実施例3記載の共重合体には及ばなか
った。
【0052】実施例4 表4に示した初期仕込み単量体混合物、単量体添加開始
転化率、後添加単量体混合物に変更した以外は実施例1
と同様の方法でクロロプレン重合体を得た。
【0053】得られたクロロプレン重合体の塩素含有
量、2−クロロ−1,3−ブタジエン含有量、ガラス転
移温度、数平均分子量を表4に示した。ガラス転移点が
クロロプレン、エチルアクリレートのホモポリマーとも
違う単一ピークであることから得られたポリマーがラン
ダム共重合体であることは明らかである。
【0054】
【表4】
【0055】実施例5 表4に示した初期仕込み単量体混合物、単量体添加開始
転化率、後添加単量体混合物に変更した以外は実施例1
と同様の方法でクロロプレン重合体を得た。
【0056】得られたクロロプレン重合体の塩素含有
量、2−クロロ−1,3−ブタジエン含有量、ガラス転
移温度、数平均分子量を表4に示した。ガラス転移点が
クロロプレン、エチルアクリレートのホモポリマーとも
違う単一ピークであることから得られたポリマーがラン
ダム共重合体であることは明らかである。
【0057】実施例6 表4に示した初期仕込み単量体混合物、単量体添加開始
転化率、後添加単量体混合物に変更した以外は実施例1
と同様の方法でクロロプレン重合体を得た。
【0058】得られたクロロプレン重合体の塩素含有
量、2−クロロ−1,3−ブタジエン含有量、ガラス転
移温度、数平均分子量を表4に示した。ガラス転移点が
クロロプレン、n−ドデシルメタクリレートのホモポリ
マーとも違う単一ピークであることから得られたポリマ
ーがランダム共重合体であることは明らかである。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により得ら
れた共重合体は、従来の重合方法では導入困難であった
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ば
れる1種以上のコモノマーと2−クロロ−1,3−ブタ
ジエンの共重合を行うことにより特性改良(コモノマー
の有する特徴の付与)を行ったクロロプレン共重合体で
あることが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220:10) Fターム(参考) 4J100 AB02R AB03R AC04R AJ02R AL03Q AL05Q AL08Q AM02R AS02R AS03R AS06R AS07P BA05Q BA06Q BA40Q BB01Q BB01R BB10Q CA04 CA05 FA03 FA35 FA37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化学式(1)及び(2)で表される単
    量体成分からなり、数平均分子量が1万〜100万であ
    るクロロプレン共重合体。 【化1】 【化2】 (ただし、化学式(2)において、R1は水素又はメチ
    ル基であり、R2は炭素数1〜18のアルキル基、炭素
    数2〜18のアルコキシアルキル基、炭素数2〜13の
    シアノ基含有アルキル基、炭素数3〜13のシアノ基含
    有アルコキシアルキル基、炭素数2〜16のハロゲン含
    有アルキル基又は炭素数2〜16のハロゲン含有アルコ
    キシアルキル基である。)
  2. 【請求項2】化学式(2)において、R1が水素で、R
    2がエチル基又はn−ブチル基である請求項1記載のク
    ロロプレン共重合体。
  3. 【請求項3】化学式(2)において、R1がメチル基
    で、R2がエチル基、n−ブチル基又はn−ドデシル基
    である請求項1記載のクロロプレン共重合体。
  4. 【請求項4】共重合体中における化学式(1)及び
    (2)で表される単量体成分が、重量比((1)/
    (2))で30/70〜99.5/0.5である請求項
    1記載のクロロプレン共重合体。
  5. 【請求項5】下記化学式(1)及び(2)で表される単
    量体成分からなり、数平均分子量が1万〜100万であ
    るクロロプレン共重合体の製造において、重合を通じて
    重合器中の全単量体に対する化学式(2)で表される単
    量体の比率を10〜90重量%に維持することを特徴と
    する請求項1記載のクロロプレン共重合体の製造方法。 【化3】 【化4】 (ただし、化学式(2)においてR1は水素又はメチル
    基であり、R2は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数
    2〜18のアルコキシアルキル基、炭素数2〜13のシ
    アノ基含有アルキル基、炭素数3〜13のシアノ基含有
    アルコキシアルキル基、炭素数2〜16のハロゲン含有
    アルキル基又は炭素数2〜16のハロゲン含有アルコキ
    シアルキル基である。)
  6. 【請求項6】化学式(2)で表される単量体が40〜9
    8重量%である化学式(1)及び(2)を含有する単量
    体混合物の重合を開始し、その後、化学式(1)で表さ
    れる単量体が80〜100重量%である化学式(1)及
    び(2)を含有する後添加単量体混合物を添加しつつ重
    合を継続することを特徴とする請求項5記載のクロロプ
    レン共重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022210169A1 (ja) * 2021-03-30 2022-10-06 デンカ株式会社 クロロプレン系重合体組成物の製造方法、クロロプレン系重合体組成物、浸漬成形体、及び浸漬成形体の製造方法

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WO2022210169A1 (ja) * 2021-03-30 2022-10-06 デンカ株式会社 クロロプレン系重合体組成物の製造方法、クロロプレン系重合体組成物、浸漬成形体、及び浸漬成形体の製造方法

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