JP3396571B2 - 集積回路中の分離領域形成プロセス及び形成された構造体 - Google Patents

集積回路中の分離領域形成プロセス及び形成された構造体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は半導体集積回路、より具体的には
そのような回路中に、電気的に分離されたデバイスを作
製する方法に係る。
【0002】
【本発明の背景】たとえば、金属−酸化物−半導体(M
OS)及びバイポーラトランジスタといった各種の微細
電子デバイスが、中に形成できるシリコンウエハ上に、
分離領域を形成するために、集積回路作製プロセスで
は、さまざまな技術が用いられてきた。シリコンウエハ
上に分離された領域を形成することによって得られる基
本的な利得は、デバイスがウエハに寄生容量により結合
されることが減少し、ウエハの異なる領域に形成された
デバイス相互の優れた分離ができることである。
【0003】半導電性シリコン基板の主表面において、
集積回路中にMOSトランジスタ及びバイポーラトラン
ジスタを作製するために、一般的に用いられている方法
には、隣接したトランジスタを電気的に分離するため
に、シリコンを局所的に酸化する(LOCOS)プロセ
スが含まれる。そのプロセスにおいて、シリコン基板の
主表面は、窓領域とそれらの窓領域内が酸化されるよう
に露出されたシリコンを有する二酸化シリコン又はシリ
コン窒化物で、マスクされる。しかし、マスク下のシリ
コンが横方向に酸化される結果、LOCOSプロセスで
は隣接したトランジスタ間に必要な距離が、好ましくな
いほど増加し、トランジスタの充填密度が好ましくない
ほど低下する。
【0004】LOCOSプロセスの上述の欠点を避ける
ため、シリコンの選択エピタキシャル成長(SEG)
が、別の方法として提案された。SEGにおいて、半導
電性単結晶シリコンのエピタキシャル層を、半導電性シ
リコン基体の選択された領域上に成長させる。これらの
選択された領域は、シリコン基体上に配置される絶縁層
により形成される窓の底部に配置される。同時に、シリ
コンは絶縁層上には堆積せず、従ってSEG中の“選
択”という用語が用いられる。
【0005】単一のチップ又はウエハ上に、より多くの
デバイスが作製できるよう、回路の微細化に努力が向け
られている。このことは、CMOS回路のようなMOS
形回路とともに、バイポーラにも、あてはまる。事実、
MOS及びバイポーラ回路が同じチップ上で用いられる
多くの用途がある。
【0006】しかし、MOS及びバイポーラ回路は一般
に、単一の固定されたドーパント濃度に、均一にドープ
された単一のエピタキシャル・シリコン層上に、作製さ
れる。従って、単一のエピタキシャル・シリコン層上
に、MOS及びバイポーラの両方のデバイスを作製する
間制御できる多くの変数は、エピタキシャル・シリコン
中の固定された濃度により、制限される。
【0007】
【本発明の要約】本発明に従うと、シリコン基板上に分
離された能動領域を形成するためのプロセスが、実現さ
れる。本発明のプロセスは、相互に電気的に分離された
基板上の少くとも2つの能動デバイス領域を規定するた
め、シリコン基板中に、少くとも1つの溝を形成するこ
と、溝を電気的に絶縁性の材料で満すこと、基板上の少
くとも1つの能動デバイス領域を露出するため、マスク
及びエッチング操作を行うこと、露出された能動デバイ
ス領域上に、シリコンの第1のエピタキシャル層を、選
択的に成長させること、基板上の少くとも1つの他の能
動デバイス領域を露出するため、マスク及びエッチング
操作を行うこと、基板上の他の露出された能動デバイス
領域上に、シリコンの第2のエピタキシャル層を、選択
的に成長させることを含み、第1及び第2のエピタキシ
ャル層は、シリコン基板上に少くとも2つの分離された
能動デバイス領域を形成するため、同じ又は異なるドー
ピング濃度に、不純物イオンをドーピングする。
【0008】更に、本発明に従うと、集積回路を形成す
るために、シリコン基板上の分離された能動デバイス領
域に、各種のデバイスが形成される。能動デバイス領域
はその後それらの領域に形成されるデバイスに対し、具
体的に調整されるドーピング濃度にドーピングされる。
従って、本発明の基本的な利点は、異なるドーピング分
布を有する特性の最適化されたデバイス、たとえばCM
OS及びバイポーラデバイス、特に垂直バイポーラデバ
イスが、同じチップ上に、同時にかつ相互に独立に、形
成できることである。本発明のプロセスは、最少の操作
で行え、作製操作に経費のかかる変更を加える必要性を
避ける。
【0009】ここで用いられる“特性の最適化”という
言葉は、電流又は電圧利得が最大になったデバイスをさ
すと、理解されたい。
【0010】
【好ましい実施例の詳細な記述】図1−7はシリコン基
板上の能動デバイス領域間に、電気的分離が得られるプ
ロセスを示したもので、例を示すことだけが目的であ
る。以下で詳細に述べる本発明の各原理及び概念は、本
発明の視野及び精神を離れることなく、各種の方式に修
正できることを、認識する必要がある。
【0011】図1を参照すると、シリコン基板10中
に、溝分離構造12が形成されている。溝12はシリコ
ン基板10上に、能動デバイス領域14及び能動デバイ
ス領域16を、規定する。シリコン基板10は周知のチ
ョクラルスキ法により形成されたシリコンウエハで、1
00、110又は111といった当業者にはよく知られ
た所望の任意の面方位をもつことができる。溝12は典
型的な場合、シリコン基板10中に、約0.25ないし
約5μmの範囲の深さ及び約0.25ないし約5μmの
範囲の幅に、エッチされる。溝12はたとえば、この目
的には適当であることが知られている反応性プラズマエ
ッチングといった任意の適当な技術を用いて、形成でき
る。シリコン基板10はホウ素、リン又はアンチモンと
いった不純物を、高濃度又は低濃度にドープできる。不
純物は約700ないし約1200℃の範囲のドライブ−
イン温度に、1ないし約6時間の範囲のドライブ−イン
時間、基板を加熱することにより、基板10中に、拡散
できる。当業者には、基板10内の異なるドーパント及
び異なる深さに適した温度及び時間は、周知である。
【0012】図2に描かれるように、溝12の形成後、
溝12を満すため、二酸化シリコン、シリコン窒化物、
テトラエトキシシラン又はそれらの組合せといった電気
的に絶縁性の材料18を、基板上に堆積できる。好まし
い実施例において、エス・エム・シー(S.M.Sze)
VLSI技術、2編、マグローヒル出版(1988)の
第6章に述べられているような従来の化学気相堆積技術
により、二酸化シリコンを溝12中に堆積させる。その
後、基板10の表面は、図2に示されるような本質的に
均一な平坦表面が形成されるよう、周知の化学的又は機
械的方法で、平坦化される。
【0013】図3に示されるように、基板10の表面が
平坦化された後、酸化物(SiO2)又は窒化物(Si
3 4 )又は他の適当な材料から成るマスク層20を、
基板10の表面上に形成し、その後当業者には周知の方
法を用いて、選択的にエッチし、基板10上に能動デバ
イス領域16を露出する窓22を形成する。同時に、層
20は能動デバイス領域14及び溝12をマスクする。
露出された能動デバイス領域16は必要に応じて、窓2
2を開けている間生じる可能性のあるすべての残留表面
損傷を、除去するため、エッチできる。そのようなエッ
チは、HF、H2 O及びHNO3 の希釈混合物で、ウエ
ハを処理することにより行うのが好ましい。
【0014】次に、図4を参照すると、シリコンの第1
のエピタキシャル層30を、気相エピタキシー、すなわ
ち化学気相堆積又は分子線エピタキシーといった従来の
エピタキシャル堆積技術により、露出された能動デバイ
ス領域16上に、選択的に成長させる。シリコンの第1
のエピタキシャル層30の厚さは、約0.5ないし約5
0ミクロンと、広い範囲にできる。好ましくは、用いら
れる成長プロセスはタイプIの成長プロセスで、その場
合エピタキシャル層は基板10の露出された表面上にの
み成長し、マスク層20上には成長しない。シリコンの
第1のエピタキシャル層30は基板10上に成長する
間、不純物をドープでき、あるいは第1のエピタキシャ
ル層30が成長した後、イオン注入及びアニールによ
り、ドープすることができる。シリコンの第1のエピタ
キシャル層30は、ホウ素、リン、ヒ素及び同様の不純
物を、約1×1011ないし約1×1017イオン/cm2
好ましくは約1×1012ないし約1×1013イオン/cm
2 の範囲のドーパント濃度にドープできる。第1のエピ
タキシャル層30には、各種のデバイスを、その後形成
できる。たとえば、周知のプロセスに従って、第1のエ
ピタキシャル層には、特性を最適化したMOS形デバイ
スが、形成できる。
【0015】シリコンの第1のエピタキシャル層30を
基板10上に成長させた後、たとえば湿式又は乾式エッ
チにより、酸化物又は窒化物層20を除去し、図5に示
されるように、基板10の表面上に、酸化物又は窒化物
マスク層40を形成する。周知の技術に従い、溝12及
び第1のエピタキシャル層30をマスクし、基板10上
に能動デバイス領域を露出する窓42を形成するため、
マスク層40を、選択的にエッチする。露出された能動
デバイス領域14は、窓42を開ける間生じる可能性の
ある残留表面損傷を除去するため、エッチできる。その
ようなエッチは、HF、H2 O及びHNO3 の希釈混合
物で、ウエハを処理することにより行うのが、好まし
い。
【0016】図6に示されるように、気相上エピタキシ
ー及び分子線エピタキシーのような従来のエピタキシャ
ル成長技術により、シリコンの第2のエピタキシャル層
50を、能動デバイス領域14上に、選択的に成長させ
る。同様に、タイプIの成長プロセスを用いるのが好ま
しい。シリコンの第2のエピタキシャル層の厚さは、約
0.5ないし約50ミクロンと広範囲にできる。第2の
エピタキシャル層50は、基板10上に成長している間
又は成長後、イオン注入及びアニールにより、不純物を
ドープできる。ホウ素、リン、ヒ素等の不純物を、約1
×1011ないし約1×1017イオン/cm2 、好ましくは
約1×1012ないし約1×1013イオン/cm2 の範囲の
ドーパント濃度に、第2のエピタキシャル層50中に、
拡散又は注入できる。シリコンの第2のエピタキシャル
層のドーパント濃度は、シリコンの第1のエピタキシャ
ル層のドーパント濃度と同じにも、あるいは異なるよう
にもできる。従って、本発明に従うと、特性が最適化さ
れたバイポーラデバイスが、周知のプロセスに従い、そ
の後第2のエピタキシャル層50に、形成できる。
【0017】図7に示されるように、シリコンの第2の
エピタキシャル層50を、基板10に成長させた後、た
とえば湿式又は乾式エッチにより、酸化物又は窒化物マ
スク層40を除去する。必要に応じて、二酸化シリコ
ン、シリコン窒化物、テトラエトキシシラン又は同様の
ものといった電気的に絶縁性の材料を、基板10上に堆
積させ、その後図7に示されるように、本質的に平坦な
表面を形成するために、平坦化することができる。
【0018】エピタキシャル層30及び50は同じ又は
異なるドーパント濃度をもつから、別々に特性を最適化
されたMOS及びバイポーラデバイスの両方を、同時に
エピタキシャル層30及び50上に、形成することがで
きる。本発明に従い、エピタキシャル層30及び50上
に同時に形成できる特性が最適化されたデバイスには、
n−MOS、p−MOS及びCMOSデバイスのような
MOSデバイス、バイポーラデバイス、容量、抵抗、薄
膜トランジスタ、ヘテロ接合デバイス等々が含まれる。
好ましい実施例において、CMOS及びたとえば垂直バ
イポーラトランジスタのようなバイポーラデバイスが、
エピタキシャル層30及び50上に、同時にかつ独立に
形成される。これらのデバイスの電流利得は、本発明に
従い、各デバイスの具体的な用途に基き、最適化でき
る。
【0019】従って、本発明に従うと、別々に特性が最
適化された少くとも2つの異なるデバイスを有する集積
回路が、実現される。また、本発明の範囲内で考えられ
ることは、シリコンの少くとも2つの電気的に分離され
たエピタキシャル層を、選択的に堆積させることで、そ
れは同じ又は異なるドーパント濃度にドープされること
に加え、異なる厚さをもつ。本発明は、結晶成長技術を
用いて成長させる多結晶シリコン、シリコン−ゲルマニ
ウム及び他の半導体層の形成にも、適用できる。また、
ここの第1のエピタキシャル層及び第2のエピタキシャ
ル層には、異なるドーパント原子をドープできることも
考えられる。本発明について、各種の具体例を示し、述
べてきたが、当業者には、特許請求の範囲で述べる本発
明の精神及び視野から離れることなく、本発明の修正及
び変更ができることが、認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】2つの分離された能動デバイス領域を有するシ
リコン基板のプロセスの一連の段階を、概略断面図で示
す図である。
【図2】2つの分離された能動デバイス領域を有するシ
リコン基板のプロセスの一連の段階を、概略断面図で示
す図である。
【図3】2つの分離された能動デバイス領域を有するシ
リコン基板のプロセスの一連の段階を、概略断面図で示
す図である。
【図4】2つの分離された能動デバイス領域を有するシ
リコン基板のプロセスの一連の段階を、概略断面図で示
す図である。
【図5】2つの分離された能動デバイス領域を有するシ
リコン基板のプロセスの一連の段階を、概略断面図で示
す図である。
【図6】2つの分離された能動デバイス領域を有するシ
リコン基板のプロセスの一連の段階を、概略断面図で示
す図である。
【図7】2つの分離された能動デバイス領域を有するシ
リコン基板のプロセスの一連の段階を、概略断面図で示
す図である。
【符号の説明】
10 シリコン基板、基板 12 溝、溝分離構造 14、16 能動デバイス領域 18 材料 20 マスク層、層 22 窓 30 エピタキシャル層 40 窒化物マスク層 42 窓 50 エピタキシャル層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−15975(JP,A) 特開 平1−186669(JP,A) 特開 昭62−106665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/76 H01L 21/203 H01L 21/306

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a) 相互に分離された、第1及び第2
    の能動デバイス領域を、基板上に規定するため、シリコ
    ン基板中に少くとも1つの溝を形成し;つづいて b) 材料で溝を満たすため、基板上に電気的に絶縁性
    の材料を堆積させ;つづいて c) 得られた基板の表面を平坦化し、第1及び第2の
    能動デバイス領域を露出させ;つづいて d) 第2の能動デバイス領域と溝とをマスク層で覆
    い、第1の能動デバイス領域上に、シリコンの第1のエ
    ピタキシャル層を、選択的に成長させ;つづいて e) 第1のマスク層を除去し、シリコンの第1のエピ
    タキシャル層と溝とを第2のマスク材料で覆い、第2の
    能動デバイス領域上に、シリコンの第2のエピタキシャ
    ル層を選択的に成長させ、第1のエピタキシャル層及び
    第2のエピタキシャル層は同じ又は異なるドーパント濃
    度に、ドーパント原子をドープし、シリコン基板上に少
    くとも2つの分離された能動デバイス領域を形成するこ
    とを含むシリコン基板上への分離された能動デバイス領
    域の形成プロセス。
  2. 【請求項2】 第1のエピタキシャル層は、1×10
    11ないし1×1017イオン/cmの範囲のドーパ
    ント濃度にドープされる請求項1記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 第1のエピタキシャル層は、1×10
    12ないし1×1013イオン/cmの範囲のドーパ
    ント濃度にドープされる請求項1記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 第2のエピタキシャル層は、1×10
    11ないし1×1017イオン/cmの範囲のドーパ
    ント濃度にドープされる請求項1記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 第2のエピタキシャル層は、1×10
    12ないし1×1013イオン/cmの範囲のドーパ
    ント濃度にドープされる請求項1記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 第1のエピタキシャル層のドーパント濃
    度は、第2のエピタキシャル層のドーパント濃度とは異
    なる請求項1記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 半導体集積回路を提供するため、第1及
    び第2のエピタキシャル層にそれぞれ、第1及び第2の
    デバイスを作製することが、更に含まれる請求項1記載
    のプロセス。
  8. 【請求項8】 CMOSデバイスが、第1のエピタキシ
    ャル層に作製され、バイポーラデバイスが、第2のエピ
    タキシャル層に作製される請求項7記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 第1のエピタキシャル層は、第2のエピ
    タキシャル層とは異なる厚さを有する請求項1記載のプ
    ロセス。
  10. 【請求項10】 第1のエピタキシャル層及び第2のエ
    ピタキシャル層は、異なるドーパント原子をドープする
    請求項1記載のプロセス。
JP31147395A 1994-11-30 1995-11-30 集積回路中の分離領域形成プロセス及び形成された構造体 Expired - Lifetime JP3396571B2 (ja)

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