JP3396549B2 - ペンタフルオロブタンを含有する組成物及びそれらの使用 - Google Patents
ペンタフルオロブタンを含有する組成物及びそれらの使用Info
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Description
を含む組成物及びそれらの組成物の使用、具体的には固
体表面用洗浄剤及び/又は乾燥剤としての使用に関す
る。
化炭化水素(CFC) 、具体的には1,1,2-トリクロロ-1,2,2
- トリフルオロエタン(CFC-113) は、様々な表面、具体
的には洗浄するのが困難な複雑な形の固体部材を脱脂及
び洗浄するために工業界において溶剤として広く使用さ
れている。また、それらは、印刷回路に付着している酸
洗い用融剤を除去するために、密着している融剤(solde
ring flux)を洗浄するというエレクトロニクスにおいて
使用される以外に、金属成分を脱脂するため又は高品質
であって高い精密度の機械部材を洗浄するために従来か
ら使用されている。これらの様々な適用において、CFC-
113 は、他の有機溶剤とあわせて最もよく使用されてお
り、好ましくは、それらを還流下において容易に使用で
きるように、蒸気相及び液相において実質的に同じ組成
を持つ共沸あるいは疑似共沸組成物の形態において最も
よく使用されている。
固体部材の表面に吸着されている水を除去するために、
乾燥剤として従来から使用されている。しかしながら、
CFC-113 及び他の完全にハロゲン化したクロロフルオロ
アルカンは、成層圏のオゾン層の破壊に関係していると
現在考えられている。従って、近年、オゾン層に有害な
影響を与えない新規組成物を見出す必要に迫られてい
る。そのため、ヒドロフルオロアルカンをベースとした
一定数の共沸組成物が最近提案されている。具体的に
は、特許出願EP-A-0,512,885(Elf Atochem) は、1,1,1,
3,3-ペンタフルオロブタン(HFA-365mfc)93〜99重量%及
びメタノール7〜1重量%を含む共沸組成物を提案して
いる。
は、溶剤の洗浄工程において洗浄剤として使用する時に
特に有効である、所望により共沸あるいは疑似共沸混合
物を形成する他の組成物を提供することである。本発明
のさらなる目的は、印刷回路のボードを洗浄するのに特
に適した性質をそのような組成物が提供することであ
る。本発明の他の目的は、オゾン層を破壊しないそのよ
うな組成物であって、完全にハロゲン化されているクロ
ロフルオロアルカン類をベースとした溶剤の代用として
使用できる組成物を提供することである。
1,3,3-ペンタフルオロブタン及び1,2-ジクロロエチレン
を含む組成物に関する。1,2-ジクロロエチレンには、二
つの異性体、シス-1,2- ジクロロエチレン及びトランス
-1,2- ジクロロエチレンがある。本発明の目的におい
て、1,2-ジクロロエチレンとは、一方又は他方の異性体
あるはそれらの混合物を意味するものであり、それらを
区別するものではない。それでも、トランス-1,2- ジク
ロロエチレンは好ましい異性体である。本発明の組成物
中の1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン及び1,2-ジクロロ
エチレンの含有量を、予定された使用目的により、広い
範囲内で変えることができる。
ペンタフルオロブタンを少なくとも45重量%含む。該組
成物は、それを少なくも50重量%含むのが都合よい。特
に好ましい範囲として、該組成物は、それを少なくとも
60重量%含むものである。本発明の組成物は、それを90
重量%まで含むことができる。しばしば、該組成物は、
それを多くて85重量%、好ましくは多くて80重量%含
む。本発明の組成物は、10〜55重量%の1,2-ジクロロエ
チレンを含む。好ましくは、該組成物はそれを15〜50重
量%含む。特に好ましい範囲として、該組成物はそれを
20〜40重量%含む。都合のよいものとしては、本発明の
組成物は、メタノール、エタノール、プロパノール及び
イソプロパノールから選ばれるアルカノールを追加的に
含む。一般的には、本発明の組成物に存在するアルカノ
ールの量は、組成物の15重量%を越えない。好ましく
は、該組成物は、それらを0.5 〜10重量%含むものであ
る。
成物に含めることができる。従って、本発明の組成物
は、安定化剤、界面活性剤又は使用中に本発明の組成物
の性質を向上させることができる他の添加剤を含むこと
ができる。これらの添加剤の性質及び量は、使用目的に
よるものであり、当業者はそれらを容易に定めることが
できる。一般的に、本発明の組成物に含まれる添加剤の
量は、組成物の約20重量%を越えないものであり、最も
一般的には10重量%以下である。本発明の好ましい組成
物は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン及び1,2-ジクロ
ロエチレンを、共沸混合物又は疑似共沸混合物を形成す
る比率において含むものである。本発明の特に好ましい
組成物は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,2-ジク
ロロエチレン及びメタノール及びエタノールから選ばれ
るアルカノールを、3成分系共沸混合物又は疑似共沸混
合物を形成する比率において含むものである。
の相互依存性変数、即ち圧力(P)、温度(T)、液相
の組成(X)の組成及び気相(Y)の組成、により定め
られる。共沸混合物は、所定の温度及び所定の圧力にお
いてXがYと正確に等しい少なくとも2つの成分を含む
特定の系である。疑似共沸混合物は、所定の温度及び所
定の圧力において、XがYと実質的に等しい少なくとも
2つの成分を含む系である。実際に、これは、そのよう
な共沸又は疑似共沸系の成分は蒸留により容易に分離す
ることができないこと、また、そのためにそれらの組成
は溶剤を洗浄する操作及び蒸留により古溶剤(spent sol
vent) の回収操作において実質的に一定のままであるこ
とを意味している。本発明の目的のため、疑似共沸混合
物は、(所定の圧力における)沸点が共沸混合物の沸点
とは最大0.2 ℃異なる、2つ以上の成分の混合物を意味
すると理解される。
ジクロロエチレンは、それらの混合物が、1,1,1,3,3-ペ
ンタフルオロブタン56重量%〜82重量%及び1,2-ジクロ
ロエチレン44〜18重量%から本質的に構成されるとき、
2成分系共沸混合物又は疑似共沸混合物を形成する。共
沸混合物又は疑似共沸混合物を形成する好ましい組成物
は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン60〜78重量%及び
1,2-ジクロロエチレン40〜22重量%からなる。1022ミリ
バールの圧力において、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタ
ン約70重量%及び1,2-ジクロロエチレン約30重量%から
本質的に構成される2成分系組成物は、沸点が約36.3℃
の共沸混合物を構成する。この組成物は特に都合のよい
ものである。1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,2-ジ
クロロエチレン及びメタノールは、それらの混合物が1,
1,1,3,3-ペンタフルオロブタン62〜68重量%、1,2-ジク
ロロエチレン28〜34重量%及びメタノール2〜7重量%
から本質的に構成されるとき、3成分系共沸混合物又は
疑似共沸混合物を形成する。大気圧において、1,1,1,3,
3-ペンタフルオロブタン約64.9重量%、1,2-ジクロロエ
チレン約31.5重量%及びメタノール約3.6 重量%から本
質的に構成される3成分系組成物は、沸点が約32℃の共
沸混合物を構成する。この組成物は特に都合がよい。
クロロエチレン及びエタノールは、それらの混合物が1,
1,1,3,3-ペンタフルオロブタン64〜68重量%、1,2-ジク
ロロエチレン30〜35重量%及びエタノール1〜3重量%
から本質的に構成されるとき、3成分系共沸混合物又は
疑似共沸混合物を形成する。大気圧において、1,1,1,3,
3-ペンタフルオロブタン約66.1重量%、1,2-ジクロロエ
チレン約32.3重量%及びエタノール約1.6 重量%から本
質的に構成される3成分系組成物は、沸点が約34℃の共
沸混合物を構成する。この組成物は特に好都合である。
本発明の組成物は、目下の洗浄用品であるCFC-113 をベ
ースとした組成物に換わる好適な沸点を有するものであ
る。その環境に対する影響に関していえば、1,1,1,3,3-
ペンタフルオロブタンは、オゾンに対して破壊力がない
ので、特に好都合であると思われる。さらに、本発明の
組成物は、処理されるべき表面が金属、プラスチック又
はガラスであろうとなかろうと、それらに対して不活性
である。
ースとした以前からある組成物と同じ用途において及び
同じ手法に従って使用することができる。具体的には、
本発明の組成物は洗浄剤、溶剤、脱脂剤、デフラキシン
グ(defluxing agent) 又は乾燥剤として使用することが
できる。アルカノールを含む3成分系組成物、特にそれ
らの成分が共沸混合物又は疑似共沸混合物を形成する比
率において存在するものが特に好都合であると思われ
る。従って、本発明は、洗浄剤、固体表面用の脱脂剤、
酸洗い用融剤及びこの融剤の残留物により汚染された印
刷回路ボード用洗浄剤あるいは固形目的物の表面に吸着
した水を除去するための乾燥剤として、本発明の組成物
を使用することに関する。以下の実施例は、本発明を限
定することなく、より詳細に本発明を説明するものであ
る。
コからなるガラス装置を使用し、1,1,1,3,3-ペンナフル
オロブタン及び1,2-ジクロロエチレンとの2成分系共沸
混合物又は疑似共沸混合物の存在を明らかにした。フラ
スコに挿入した温度計を使用して、液体の温度を測定し
た。純粋な1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン20.9gを、
沸騰するまで1022ミリバールの圧力で加熱し、その後、
正確に秤量した少量のトランス-1,2- ジクロロエチレン
を、シリンジを使用してサイドチューブを介してフラス
コに徐々に入れた。共沸混合物の組成の測定は、その組
成による混合物の沸点の変化を記すことにより行った。
最低の沸点が観察された組成物は、作業圧力において共
沸混合物であった。
びトランス-1,2- ジクロロエチレン(DCEe)の異なる組成
で得られた沸点を以下の表において対照した。沸点が最
低(36.3 ℃) である組成物の最も優れた組成は、1,1,1,
3,3-ペンタフルオロブタン約70重量%及びトランス-1,2
- ジクロロエチレン30重量%であることが、ここに観測
された。1022ミリバールの圧力で、1,1,1,3,3-ペンタフ
ルオロブタンを約56〜82重量%含有する組成物の沸点
は、36.5℃±0.2 ℃であった。
-1,2- ジクロロエチレン29.8重量%及びメタノール4重
量%を含有する溶液を調製した。この溶液をビグラック
スカラム(Vigreux column) を使用して大気圧で蒸留し
た。沸点を32℃に一定に維持した。初期溶液の5〜20重
量%をそれぞれ代表する蒸留の様々な留分をマルチリム
ディストリビューター(multi-limb distributor)("pi
g") を使用して引き、その後、ガスクロマトグラフィー
により分析した。得られた結果を表IIにおいて対照し
た。
物は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、トランス-1,2
- ジクロロエチレン及びメタノールの存在を示し、その
組成物の組成は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン64.9
重量%、トランス-1,2- ジクロロエチレン31.5重量%及
びメタノール3.6 重量%であった。
-1,2- ジクロロエチレン 32.1 重量%及びメタノール
1.7重量%を含む溶液を調製した。この溶液を、ビグラ
ックスカラムを使用して大気圧で蒸留した。沸点を34℃
に一定に維持した。初期溶液の約5〜15重量%をそれぞ
れ代表する蒸留の様々な留分を、マルチライムディスチ
レーター("pig") を使用して引き、その後、ガスクロマ
トグラフィーにより分析した。得られた結果を表III に
おいて対照した。
物は、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、トランス-1,2
- ジクロロエチレン及びエタノールの3成分系の共沸混
合物の存在を示し、概算したその組成は、1,1,1,3,3-ペ
ンタフルオロブタン66.1重量%、トランス-1,2- ジクロ
ロエチレン32.3重量%及びエタノール1.6 重量%であっ
た。
Claims (11)
- 【請求項1】 洗浄剤用又は乾燥剤用組成物であって、 (a)少なくとも45重量%の 1,1,1,3,3-ペンタフルオロ
ブタン、 (b)10〜55重量%の 1,2-ジクロロエチレン、 (c)任意成分として15重量%までの量でメタノール、
エタノール、プロパノール及びイソプロパノールから選
ばれるアルカノール、及び (c)任意成分として20重量%までの量で添加剤を含
み、上記1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン及び1,2-ジク
ロロエチレンが、それらが共沸混合物又は疑似共沸混合
物を形成する比率で存在し、該共沸混合物又は疑似共沸
混合物が1022ミリバールの圧力において 1,1,1,3,3-ペ
ンタフルオロブタン56〜82重量%及び 1,2-ジクロ
ロエチレン44〜18重量%からなる上記組成物。 - 【請求項2】 1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン及び1,
2-ジクロロエチレンが2成分系共沸混合物又は疑似共沸
混合物を形成する比率で、実質的に 1,1,1,3,3-ペンタ
フルオロブタン及び 1,2-ジクロロエチレンからなる請
求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 アルカノールを0.5〜10重量%含有
する請求項1記載の組成物。 - 【請求項4】 下記(a)及び任意に(b)からなる洗浄剤用
又は乾燥剤用組成物: (a)3成分系共沸混合物又は疑似共沸混合物を形成する
比率での 1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,2-ジク
ロロエチレン及びメタノール、該3成分系共沸混合物又
は疑似共沸混合物は 1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン
62〜68重量%、1,2-ジクロロエチレン28〜34重
量%及びメタノール2〜7重量%からなる; (b)20重量%までの添加剤。 - 【請求項5】 実質的に 1,1,1,3,3-ペンタフルオロブ
タン、1,2-ジクロロエチレン及びメタノールからなる請
求項4記載の組成物。 - 【請求項6】 下記(a)及び任意に(b)からなる洗浄剤用
又は乾燥剤用組成物: (a)3成分系共沸混合物又は疑似共沸混合物を形成する
比率での 1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,2-ジク
ロロエチレン及びエタノール、該3成分系共沸混合物又
は疑似共沸混合物は 1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン
64〜68重量%、1,2-ジクロロエチレン30〜35重
量%及びエタノール1〜3重量%からなる; (b)20重量%までの添加剤。 - 【請求項7】 実質的に 1,1,1,3,3-ペンタフルオロブ
タン、1,2-ジクロロエチレン及びエタノールからなる請
求項6記載の組成物。 - 【請求項8】 洗浄剤として用いる請求項1〜7のいず
れか1項の組成物。 - 【請求項9】 固体表面用脱脂剤として用いる請求項1
〜7のいずれか1項の組成物。 - 【請求項10】 酸洗い用溶剤に汚染された又はこの溶
剤の残留物により汚染された印刷回路ボード用洗浄剤と
して用いる請求項1〜7のいずれか1項の組成物。 - 【請求項11】 固形物の表面に吸着した水を除去する
ための乾燥剤として用いる請求項1〜7のいずれか1項
の組成物。
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