JP3396475B2 - 樹脂成形体表面への金属被膜の形成方法 - Google Patents
樹脂成形体表面への金属被膜の形成方法Info
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Description
に、金属被膜を形成する方法に関する。より詳細には、
処理容器内にて、樹脂成形体表面に対して金属微粉を生
成する金属微粉生成物質を流動接触させることにより、
生成した金属微粉からなる金属層を樹脂成形体表面に形
成した後、前記金属層上に金属被膜を形成する方法に関
する。
断性、抗菌性などの各種機能を樹脂成形体に付与する目
的で、その表面に金属被膜を形成することが従来から行
われている。その方法としては、例えば、真空蒸着やス
パッタリングなどの真空めっき処理方法、無電解めっき
処理方法、無電解めっき処理後に電気めっき処理を施す
無電解・電気めっき処理方法などが知られている。樹脂
成形体は非導電性であるので、直接電気めっき処理がで
きないことから、これらの方法は各種方面で実用化され
ている。しかしながら、真空めっき処理方法において
は、得られる金属被膜の剥離強度が低く、耐久性能に劣
ること、複雑な形状の成形体への適用が困難なこと、樹
脂の種類によっては、ガスを発生するものがあるので真
空処理時に時間を要することがあること、生産コストが
高いことなどの問題点を有している。無電解めっき処理
方法においては、通常、処理を行うに当たり、予め樹脂
成形体の表面にエッチング処理を施したり、センシタイ
ジング→アクチベーション法などの触媒付与処理を施す
必要があるので、工程が煩雑になること、処理に時間を
要すること、得られるめっき厚が薄いことなどの問題点
を有している。無電解・電気めっき処理方法において
は、得られる金属被膜の剥離強度は比較的よく、耐久性
能は真空めっき処理方法に比べてかなり良好であるもの
の、工程が煩雑になることや処理に時間を要することな
どの問題点を有している。また、樹脂成形体表面に金属
粉体を添加した樹脂を塗布して導電性を付与した後、電
気めっき処理を行う方法なども提案されているが、樹脂
成形体表面に樹脂層を均一に設けることは一般的に困難
であることから、その不均一性により、膜厚精度と表面
平滑性に優れた金属被膜を形成することができないとい
う問題点を有している。
み、本発明は、膜厚精度と表面平滑性に優れ、かつ剥離
強度が高い金属被膜を簡易に樹脂成形体表面に形成する
方法を提供することを目的とする。
題を解決するために種々の検討を行った結果、処理容器
内にて、樹脂成形体表面に対して金属微粉生成物質を流
動接触させると、該金属微粉生成物質から金属微粉が生
成し、生成した金属微粉は、該樹脂成形体表面に強固な
かつ高密度な金属層を形成することを知見した。さら
に、こうして形成される金属層は、導電層としての機能
を発揮するので、続く工程で電気めっき処理を行うこと
により、樹脂成形体表面に簡易に金属被膜を形成するこ
とができることを見出した。
ので、本発明の樹脂成形体表面への金属被膜の形成方法
は、請求項1記載の通り、樹脂成形体と金属微粉生成物
質を処理容器内に収容し、前記処理容器内にて、前記樹
脂成形体表面に対して前記金属微粉生成物質を流動接触
させることにより、前記金属微粉生成物質から金属微粉
を生成させ、前記樹脂成形体表面に前記金属微粉からな
る金属層を形成した後、前記金属層上に金属被膜を形成
することを特徴とする(但し、前記樹脂成形体からR−
Fe−B系ボンド磁石は除く)。また、請求項2記載の
形成方法は、請求項1記載の形成方法において、樹脂成
形体と金属微粉生成物質に振動を加え、および/または
両者を攪拌することにより、前記樹脂成形体表面に対し
て前記金属微粉生成物質を流動接触させることを特徴と
する。また、請求項3記載の形成方法は、請求項1また
は2記載の形成方法において、前記処理容器がバレル装
置の処理槽であることを特徴とする。また、請求項4記
載の形成方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の形
成方法において、乾式的に処理を行うことを特徴とす
る。また、請求項5記載の形成方法は、請求項1乃至4
のいずれかに記載の形成方法において、前記金属微粉生
成物質がCu、Sn、Zn、Pb、Cd、In、Au、
Ag、Fe、Ni、Co、Cr、Alから選ばれる少な
くとも一種の金属の微粉を生成させる物質であることを
特徴とする。また、請求項6記載の形成方法は、請求項
1乃至5のいずれかに記載の形成方法において、前工程
として、樹脂成形体表面を予め粗化しておくことを特徴
とする。また、請求項7記載の形成方法は、請求項1乃
至6のいずれかに記載の形成方法において、前記金属被
膜を電気めっき処理または無電解めっき処理によって形
成することを特徴とする。また、本発明の樹脂成形体
は、請求項8記載の通り、樹脂成形体表面に形成された
金属微粉からなる金属層上に金属被膜が形成されている
ことを特徴とする(但し、前記樹脂成形体からR−Fe
−B系ボンド磁石は除く)。
の形成方法は、樹脂成形体と金属微粉生成物質を処理容
器内に収容し、該処理容器内にて、該樹脂成形体表面に
対して該金属微粉生成物質を流動接触させることによ
り、該金属微粉生成物質から金属微粉を生成させ、該樹
脂成形体表面に該金属微粉からなる金属層を形成した
後、前記金属層上に金属被膜を形成することを特徴とす
る(但し、前記樹脂成形体からR−Fe−B系ボンド磁
石は除く)。従って、樹脂成形体の形状は、その表面に
対して金属微粉生成物質が流動接触する形状であれば特
段制限されるものではない。
成する方法であるので、本発明における樹脂成形体に
は、成形体自体が樹脂で構成されているもののほか、そ
の表面だけが樹脂で構成されているもの、成形体内部に
は樹脂以外の構成成分を含んでいるが表面は実質的に樹
脂で構成されているもの(例えば、成形体内部が磁性粉
と樹脂で構成されており、その表面が実質的に樹脂で構
成されているボンド磁石)なども包含される(但し、前
記樹脂成形体からR−Fe−B系ボンド磁石は除く)。
キシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコ
ーンゴム、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂、A
BS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合樹脂)、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、FRP
(繊維強化型プラスチック)、ナイロンなどのポリアミ
ド樹脂、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性エラ
ストマーなどが挙げられる。
としては、例えば、Cu、Sn、Zn、Pb、Cd、I
n、Au、Ag、Fe、Ni、Co、Cr、Alから選
ばれる少なくとも一種の金属の微粉を生成させる物質が
挙げられる。また、金属微粉生成物質は、上記の金属成
分を含む合金からなる物質であってもよい。なお、上記
の複数の金属微粉生成物質に由来した所望の合金微粉か
らなる金属層が樹脂成形体表面に形成されるように、複
数の金属微粉生成物質を組み合わせて使用してもよい
(例えば、Pb微粉生成物質とSn微粉生成物質とを組
み合わせて使用することにより、樹脂成形体表面にPb
Sn合金微粉からなる金属層を形成することができ、こ
れはICなどの電気接点部材として利用できる)。ま
た、金属微粉生成物質は、工業的生産上不可避な不純物
を含有するものであっても差し支えない。
らなる金属片、異種金属からなる芯材に所望する金属を
被覆した複合金属片などの、針状(ワイヤー状)、円柱
状、塊状など様々な形状のものが使用できるが、金属微
粉を効率よく生成させるためなどの観点からは、末端が
鋭利な針状や円柱状のものを使用することが望ましい。
このような望ましい形状は、公知のワイヤーカット技術
を採用することで容易に得ることができる。
属微粉を効率よく生成させることなどの観点から、0.
05mm〜10mmが望ましいが、より望ましくは0.
3mm〜5mmであり、さらに望ましくは0.5mm〜
3mmである。金属微粉生成物質は、同一形状・同一寸
法のものを使用してもよく、異形状・異寸法のものを混
合して使用してもよい。
の流動接触方法としては、金属微粉生成物質から金属微
粉を効率よく生成させるとともに、生成した金属微粉を
用いて、金属層を効率よく形成させるという観点から、
樹脂成形体と金属微粉生成物質に振動を加え、および/
または両者を攪拌する方法が望ましい。かかる方法は、
例えば、バレル装置やボールミル装置の処理槽を用いて
行うことができる。例えば、バレル装置は、回転式をは
じめ、振動式や、遠心式など、公知の装置を用いること
ができる。回転式の場合、その回転数は20rpm〜5
0rpmとすることが望ましい。振動式の場合、その振
動数は50Hz〜100Hz、振動振幅は0.3mm〜
10mmとすることが望ましい。遠心式の場合、その回
転数は70rpm〜200rpmとすることが望まし
い。
物質の投入量は、処理容器内容積の20vol%〜90
vol%が望ましい。20vol%未満では、処理量が
少なすぎて実用的でなく、90vol%を越えると、樹
脂成形体表面への金属層の形成が効率よく起こらなくな
る恐れがあるからである。また、容器内に投入する樹脂
成形体と金属微粉生成物質との比率は、容積比率(樹脂
成形体/金属微粉生成物質)にして3以下が望ましい。
容積比率が3を越えると、金属層の形成に時間を要して
実用的でない恐れがあるからである。
的には1時間程度〜10時間程度である。
成物質の流動接触は、金属微粉生成物質が酸化腐食され
やすい場合を考慮して乾式的に行うことが望ましい。
の流動接触によって金属微粉生成物質から生成する金属
微粉の大きさ(長径)は、概ね0.001μm〜5μm
であり、その形状は様々である。生成した金属微粉は、
樹脂成形体表面において、処理容器内の内容物(その多
くは金属微粉生成物質である)と衝突し、樹脂成形体表
面にその先端部が突き刺さるとともに圧入され、樹脂成
形体表面上に突出した部分は、その表面を覆うように変
形(例えば展延)する。これが金属層の形成の足掛かり
となり、その後、さらに、樹脂成形体表面に圧入された
金属微粉上に積層した金属微粉、それが変形した金属微
粉、金属微粉の集合体、該集合体の変形物(例えば展延
されて鱗片状になったもの)、該集合体の積層物などが
金属層の形成に寄与し、全体として金属層を構成する。
よって、本発明における金属微粉からなる金属層は、金
属微粉生成物質から生成した金属微粉を形成源として形
成された金属層を意味するものとする。
金属微粉が樹脂成形体表面に効率よく圧入されるための
介助手段として、その前工程で、樹脂成形体表面をエメ
リー研磨紙などで予め粗化してもよい。
層は、導電層としての機能を発揮するので、電気めっき
処理を行うことが可能となり、樹脂成形体表面に膜厚精
度と表面平滑性に優れた金属被膜を形成することができ
る。さらに、該金属層は、樹脂成形体表面に圧入した金
属微粉を基に形成されていることから、樹脂成形体表面
に対して投錨効果を有しているので、該金属層上に形成
される金属被膜は剥離強度が高いという特徴を有する。
さらに、該金属層上には、エッチング処理や触媒付与処
理などを行うことなく無電解めっき処理を行えるという
利点も有する。
なる3cm角ブロックを用いて以下の処理を行った。ま
ず、サンプル表面を280番のエメリー研磨紙で研磨し
て表面の粗化を行った。次に、表面の粗化を行ったサン
プル10個(見かけ容積0.27リットル)と見かけ容
積2リットルの直径2mm、長さ2mmの短円柱状Cu
微粉生成物質(ワイヤーをカットしたもの)を容積2.
8リットルの振動バレル装置の処理槽に投入し(合計投
入量は処理槽内容積の81vol%)、振動数60H
z、振動振幅1.5mmの条件にて乾式的に処理を4時
間行った。この操作により生成するCu微粉は、長径が
0.1μm以下の微粉から最も大きい微粉で長径が5μ
m程度であった。処理後のサンプル表面を光学顕微鏡
(100倍)で観察したところ、その表面全体にはCu
微粉からなる金属層が均一に形成されていることがわか
った。
Cu微粉からなる金属層を有するサンプルを1分間超音
波洗浄した後、ひっかけめっき方式で電気Niめっき処
理を、電流密度2A/dm2、めっき時間60分、pH
4.2、浴温55℃、めっき液組成(硫酸ニッケル24
0g/l、塩化ニッケル45g/l、炭酸ニッケル適量
(pH調整)、ほう酸30g/l)の条件にて行ったと
ころ、Cu微粉からなる金属層上に膜厚が15μmのめ
っき被膜を形成することができた。
らなる3cm角ブロックを用いて以下の処理を行った。
サンプル10個(見かけ容積0.27リットル)と見か
け容積2リットルの直径1mm、長さ1mmの短円柱状
Al微粉生成物質(ワイヤーをカットしたもの)を容積
2.8リットルの振動バレル装置の処理槽に投入し(合
計投入量は処理槽内容積の81vol%)、振動数60
Hz、振動振幅1.5mmの条件にて乾式的に処理を4
時間行った。この操作により生成するAl微粉は、長径
が0.1μm以下の微粉から最も大きい微粉で長径が5
μm程度であった。処理後のサンプル表面を光学顕微鏡
(100倍)で観察したところ、その表面全体にはAl
微粉からなる金属層が均一に形成されていることがわか
った。
Al微粉からなる金属層を有するサンプルを1分間超音
波洗浄した後、浴温20℃の亜鉛置換液(液組成:水酸
化ナトリウム50g/l、酸化亜鉛5g/l、塩化第二
鉄2g/l、ロッシェル塩50g/l、硝酸ナトリウム
1g/l)に1分間浸漬して亜鉛置換処理を行った。サ
ンプルを洗浄してから、ひっかけめっき方式で電気Ni
めっき処理を、電流密度2A/dm2、めっき時間60
分、pH4.2、浴温55℃、めっき液組成(硫酸ニッ
ケル240g/l、塩化ニッケル45g/l、炭酸ニッ
ケル適量(pH調整)、ほう酸30g/l)の条件にて
行ったところ、Al微粉からなる金属層上に膜厚が16
μmのめっき被膜を形成することができた。
Cu微粉からなる金属層を有するサンプルを1分間超音
波洗浄した後、無電解Cuめっき液(スルカップELC
−SP:上村工業株式会社製)を用いて、めっき時間3
0分、浴温60℃の条件にて無電解Cuめっき処理を行
ったところ、Cu微粉からなる金属層上に膜厚が2μm
のめっき被膜を形成することができた。
る3cm角ブロックをポリ塩化ビニル樹脂からなる3c
m角ブロックに代えたこと以外は参考例1と同様にして
処理を行った。その結果、ブロック表面全体にCu微粉
からなる金属層を均一に形成することができた。
る3cm角ブロックをアクリル樹脂からなる3cm角ブ
ロックに代えたこと以外は参考例1と同様にして処理を
行った。その結果、ブロック表面全体にCu微粉からな
る金属層を均一に形成することができた。
る3cm角ブロックをシリコーンゴムからなる3cm角
ブロックに代えたこと以外は参考例1と同様にして処理
を行った。その結果、ブロック表面全体にCu微粉から
なる金属層を均一に形成することができた。
る3cm角ブロックをテフロンからなる3cm角ブロッ
クに代えたこと以外は参考例1と同様にして処理を行っ
た。その結果、ブロック表面全体にCu微粉からなる金
属層を均一に形成することができた。
る3cm角ブロックをポリ塩化ビニル樹脂からなる3c
m角ブロックに代えたこと以外は参考例2と同様にして
処理を行った。その結果、ブロック表面全体にAl微粉
からなる金属層を均一に形成することができた。
る3cm角ブロックをアクリル樹脂からなる3cm角ブ
ロックに代えたこと以外は参考例2と同様にして処理を
行った。その結果、ブロック表面全体にAl微粉からな
る金属層を均一に形成することができた。
る3cm角ブロックをシリコーンゴムからなる3cm角
ブロックに代えたこと以外は参考例2と同様にして処理
を行った。その結果、ブロック表面全体にAl微粉から
なる金属層を均一に形成することができた。
なる3cm角ブロックをテフロンからなる3cm角ブロ
ックに代えたこと以外は参考例2と同様にして処理を行
った。その結果、ブロック表面全体にAl微粉からなる
金属層を均一に形成することができた。
ロンチウムフェライト粉70vol%とポリエステルエ
ラストマー30vol%をヘンシルミキサーで混合した
後、2軸同方向押し出し成形機で成形し、その表面が実
質的にポリエステルエラストマーで構成された10mm
×10mm×100mmのボンド磁石を製造した。この
ボンド磁石の表面を280番のエメリー研磨紙で研磨し
て表面の粗化を行った。次に、表面の粗化を行ったボン
ド磁石20個(見かけ容積0.2リットル)と見かけ容
積2リットルの直径2mm、長さ2mmの短円柱状Cu
微粉生成物質(ワイヤーをカットしたもの)を容積2.
8リットルの振動バレル装置の処理槽に投入し(合計投
入量は処理槽内容積の79vol%)、振動数60H
z、振動振幅1.5mmの条件にて乾式的に処理を4時
間行った。この操作により生成するCu微粉は、長径が
0.1μm以下の微粉から最も大きい微粉で長径が5μ
m程度であった。処理後のボンド磁石表面を光学顕微鏡
(100倍)で観察したところ、その表面全体にはCu
微粉からなる金属層が均一に形成されていることがわか
った。
にCu微粉からなる金属層を有するボンド磁石に対し、
実施例1と同様の条件にて電気Niめっき処理を行った
ところ、Cu微粉からなる金属層上に膜厚が13μmの
めっき被膜を形成することができた。このように、その
表面が実質的にポリエステルエラストマーで構成された
ボンド磁石の表面全体に形成されたCu微粉からなる金
属層は、このボンド磁石に対して電気めっき処理を行う
ための下地層として有用であり、金属層の表面に電気め
っき処理によってめっき被膜を形成することで、磁石の
機械的強度向上(割れ欠け防止)などの効果が得られ、
磁石の割れ欠けを要因とする磁性微粉の発生を防止する
ことができた。
なる3cm角ブロックをFRP(繊維強化型プラスチッ
ク)からなる3cm角ブロックに代えたこと以外は参考
例1と同様にして処理を行った。その結果、ブロック表
面全体にCu微粉からなる金属層を均一に形成すること
ができた。
からなる3cm角ブロックを用いて以下の処理を行っ
た。まず、サンプル表面を280番のエメリー研磨紙で
研磨して表面の粗化を行った。次に、表面の粗化を行っ
たサンプル10個(見かけ容積0.27リットル)と見
かけ容積2リットルの直径2mm、長さ2mmの短円柱
状Ni微粉生成物質(ワイヤーをカットしたもの)を容
積2.8リットルの振動バレル装置の処理槽に投入し
(合計投入量は処理槽内容積の81vol%)、振動数
60Hz、振動振幅1.5mmの条件にて乾式的に処理
を4時間行った。この操作により生成するNi微粉は、
長径が0.1μm以下の微粉から最も大きい微粉で長径
が5μm程度であった。処理後のサンプル表面を光学顕
微鏡(100倍)で観察したところ、その表面全体には
Ni微粉からなる金属層が均一に形成されていることが
わかった。
にNi微粉からなる金属層を有するサンプルを1分間超
音波洗浄した後、無電解Niめっき液(ニムデンSX:
上村工業株式会社製)を用いて、めっき時間30分、浴
温90℃の条件にて無電解Niめっき処理を行ったとこ
ろ、Ni微粉からなる金属層上に膜厚が4μmのめっき
被膜を形成することができた。続いて、実施例1と同様
の条件にて電気Niめっき処理を行ったところ、膜厚が
15μmのめっき被膜を積層形成することができた。
形成方法によれば、膜厚精度と表面平滑性に優れ、かつ
剥離強度が高い金属被膜を簡易に樹脂成形体表面に形成
することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 樹脂成形体と金属微粉生成物質を処理容
器内に収容し、前記処理容器内にて、前記樹脂成形体表
面に対して前記金属微粉生成物質を流動接触させること
により、前記金属微粉生成物質から金属微粉を生成さ
せ、前記樹脂成形体表面に前記金属微粉からなる金属層
を形成した後、前記金属層上に金属被膜を形成すること
を特徴とする樹脂成形体表面への金属被膜の形成方法
(但し、前記樹脂成形体からR−Fe−B系ボンド磁石
は除く)。 - 【請求項2】 樹脂成形体と金属微粉生成物質に振動を
加え、および/または両者を攪拌することにより、前記
樹脂成形体表面に対して前記金属微粉生成物質を流動接
触させることを特徴とする請求項1記載の形成方法。 - 【請求項3】 前記処理容器がバレル装置の処理槽であ
ることを特徴とする請求項1または2記載の形成方法。 - 【請求項4】 乾式的に処理を行うことを特徴とする請
求項1乃至3のいずれかに記載の形成方法。 - 【請求項5】 前記金属微粉生成物質がCu、Sn、Z
n、Pb、Cd、In、Au、Ag、Fe、Ni、C
o、Cr、Alから選ばれる少なくとも一種の金属の微
粉を生成させる物質であることを特徴とする請求項1乃
至4のいずれかに記載の形成方法。 - 【請求項6】 前工程として、樹脂成形体表面を予め粗
化しておくことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
に記載の形成方法。 - 【請求項7】 前記金属被膜を電気めっき処理または無
電解めっき処理によって形成することを特徴とする請求
項1乃至6のいずれかに記載の形成方法。 - 【請求項8】 樹脂成形体表面に形成された金属微粉か
らなる金属層上に金属被膜が形成されていることを特徴
とする樹脂成形体(但し、前記樹脂成形体からR−Fe
−B系ボンド磁石は除く)。
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JP11-121170 | 1999-04-28 | ||
JP2001209021A JP3396475B2 (ja) | 1999-04-28 | 2001-07-10 | 樹脂成形体表面への金属被膜の形成方法 |
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JP2002069663A JP2002069663A (ja) | 2002-03-08 |
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CN1261621C (zh) | 2001-07-31 | 2006-06-28 | 积水化学工业株式会社 | 导电颗粒的生产方法 |
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2001
- 2001-07-10 JP JP2001209021A patent/JP3396475B2/ja not_active Expired - Lifetime
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