JP3227451B2 - 樹脂成形体表面への金属層の形成方法 - Google Patents

樹脂成形体表面への金属層の形成方法

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JP3227451B2 JP2000111650A JP2000111650A JP3227451B2 JP 3227451 B2 JP3227451 B2 JP 3227451B2 JP 2000111650 A JP2000111650 A JP 2000111650A JP 2000111650 A JP2000111650 A JP 2000111650A JP 3227451 B2 JP3227451 B2 JP 3227451B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形体表面
に、金属被膜を形成させるために有用な金属層を形成す
る方法に関する。より詳細には、処理容器内にて、樹脂
成形体表面に対して金属微粉を生成する金属微粉生成物
質を流動接触させることにより、生成した金属微粉から
なる金属層を樹脂成形体表面に形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】装飾性、耐候性、表面導電性、電磁波遮
断性、抗菌性などの各種機能を樹脂成形体に付与する目
的で、その表面に金属被膜を形成することが従来から行
われている。その方法としては、例えば、真空蒸着やス
パッタリングなどの真空めっき処理方法、無電解めっき
処理方法、無電解めっき処理後に電気めっき処理を施す
無電解・電気めっき処理方法などが知られている。樹脂
成形体は非導電性であるので、直接電気めっき処理がで
きないことから、これらの方法は各種方面で実用化され
ている。しかしながら、真空めっき処理方法において
は、得られる金属被膜の剥離強度が低く、耐久性能に劣
ること、複雑な形状の成形体への適用が困難なこと、樹
脂の種類によっては、ガスを発生するものがあるので真
空処理時に時間を要することがあること、生産コストが
高いことなどの問題点を有している。無電解めっき処理
方法においては、通常、処理を行うに当たり、予め樹脂
成形体の表面にエッチング処理を施したり、センシタイ
ジング→アクチベーション法などの触媒付与処理を施す
必要があるので、工程が煩雑になること、処理に時間を
要すること、得られるめっき厚が薄いことなどの問題点
を有している。無電解・電気めっき処理方法において
は、得られる金属被膜の剥離強度は比較的よく、耐久性
能は真空めっき処理方法に比べてかなり良好であるもの
の、工程が煩雑になることや処理に時間を要することな
どの問題点を有している。また、樹脂成形体表面に金属
粉体を添加した樹脂を塗布して導電性を付与した後、電
気めっき処理を行う方法なども提案されているが、樹脂
成形体表面に樹脂層を均一に設けることは一般的に困難
であることから、その不均一性により、膜厚精度と表面
平滑性に優れた金属被膜を形成することができないとい
う問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明は、膜厚精度と表面平滑性に優れ、かつ剥離
強度が高い金属被膜を簡易に樹脂成形体表面に形成する
ために有用な金属層の、樹脂成形体表面への形成方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために種々の検討を行った結果、処理容器
内にて、樹脂成形体表面に対して金属微粉生成物質を流
動接触させると、該金属微粉生成物質から金属微粉が生
成し、生成した金属微粉は、該樹脂成形体表面に強固な
かつ高密度な金属層を形成することを知見した。さら
に、こうして形成される金属層は、導電層としての機能
を発揮するので、続く工程で電気めっき処理を行うこと
により、樹脂成形体表面に簡易に金属被膜を形成するこ
とができることや、該金属層自体が装飾性などの機能を
発揮することを見出した。
【0005】本発明は、かかる知見に基づき成されたも
ので、本発明の樹脂成形体表面への金属層の形成方法
は、請求項1記載の通り、樹脂成形体と金属微粉生成物
質を処理容器内に収容し、前記処理容器内にて、前記樹
脂成形体表面に対して前記金属微粉生成物質を流動接触
させることにより、前記金属微粉生成物質から金属微粉
を生成させ、前記樹脂成形体表面に前記金属微粉からな
る金属層を形成することを特徴とする。また、請求項2
記載の形成方法は、請求項1記載の形成方法において、
樹脂成形体と金属微粉生成物質に振動を加え、および/
または両者を攪拌することにより、前記樹脂成形体表面
に対して前記金属微粉生成物質を流動接触させることを
特徴とする。また、請求項3記載の形成方法は、請求項
1または2記載の形成方法において、前記処理容器がバ
レル装置の処理槽であることを特徴とする。また、請求
項4記載の形成方法は、請求項1乃至3のいずれかに記
載の形成方法において、乾式的に処理を行うことを特徴
とする。また、請求項5記載の形成方法は、請求項1乃
至4のいずれかに記載の形成方法において、前記金属微
粉生成物質がCu、Sn、Zn、Pb、Cd、In、A
u、Ag、Fe、Ni、Co、Cr、Alから選ばれる
少なくとも一種の金属の微粉を生成させる物質であるこ
とを特徴とする。また、請求項6記載の形成方法は、請
求項1乃至5のいずれかに記載の形成方法において、前
工程として、樹脂成形体表面を予め粗化しておくことを
特徴とする。また、本発明の樹脂成形体は、請求項7記
の通り、樹脂成形体表面に金属微粉からなる金属層が
形成されていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂成形体への金属層の
形成方法は、樹脂成形体と金属微粉生成物質を処理容器
内に収容し、該処理容器内にて、該樹脂成形体表面に対
して該金属微粉生成物質を流動接触させることにより、
該金属微粉生成物質から金属微粉を生成させ、該樹脂成
形体表面に該金属微粉からなる金属層を形成することを
特徴とする。従って、樹脂成形体の形状は、その表面に
対して金属微粉生成物質が流動接触する形状であれば特
段制限されるものではない。
【0007】本発明は、樹脂成形体表面に金属層を形成
する方法であるので、本発明における樹脂成形体には、
成形体自体が樹脂で構成されているもののほか、その表
面だけが樹脂で構成されているもの、成形体内部には樹
脂以外の構成成分を含んでいるが表面は実質的に樹脂で
構成されているもの(例えば、成形体内部が磁性粉と樹
脂で構成されており、その表面が実質的に樹脂で構成さ
れているボンド磁石)なども包含される。
【0008】樹脂成形体を構成する樹脂としては、エポ
キシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコ
ーンゴム、テフロンなどのフッ素樹脂、ABS樹脂(ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹
脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポ
リエステル樹脂、ポリイミド樹脂、FRP(繊維強化型
プラスチック)、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリ
エステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなど
が挙げられる。
【0009】金属微粉の生成源となる金属微粉生成物質
としては、例えば、Cu、Sn、Zn、Pb、Cd、I
n、Au、Ag、Fe、Ni、Co、Cr、Alから選
ばれる少なくとも一種の金属の微粉を生成させる物質が
挙げられる。また、金属微粉生成物質は、上記の金属成
分を含む合金からなる物質であってもよい。なお、上記
の複数の金属微粉生成物質に由来した所望の合金微粉か
らなる金属層が樹脂成形体表面に形成されるように、複
数の金属微粉生成物質を組み合わせて使用してもよい
(例えば、Pb微粉生成物質とSn微粉生成物質とを組
み合わせて使用することにより、樹脂成形体表面にPb
Sn合金微粉からなる金属層を形成することができ、こ
れはICなどの電気接点部材として利用できる)。ま
た、金属微粉生成物質は、工業的生産上不可避な不純物
を含有するものであっても差し支えない。
【0010】金属微粉生成物質は、所望する金属のみか
らなる金属片、異種金属からなる芯材に所望する金属を
被覆した複合金属片などの、針状(ワイヤー状)、円柱
状、塊状など様々な形状のものが使用できるが、金属微
粉を効率よく生成させるためなどの観点からは、末端が
鋭利な針状や円柱状のものを使用することが望ましい。
このような望ましい形状は、公知のワイヤーカット技術
を採用することで容易に得ることができる。
【0011】金属微粉生成物質の大きさ(長径)は、金
属微粉を効率よく生成させることなどの観点から、0.
05mm〜10mmが望ましいが、より望ましくは0.
3mm〜5mmであり、さらに望ましくは0.5mm〜
3mmである。金属微粉生成物質は、同一形状・同一寸
法のものを使用してもよく、異形状・異寸法のものを混
合して使用してもよい。
【0012】樹脂成形体表面に対する金属微粉生成物質
の流動接触方法としては、金属微粉生成物質から金属微
粉を効率よく生成させるとともに、生成した金属微粉を
用いて、金属層を効率よく形成させるという観点から、
樹脂成形体と金属微粉生成物質に振動を加え、および/
または両者を攪拌する方法が望ましい。かかる方法は、
例えば、バレル装置やボールミル装置の処理槽を用いて
行うことができる。例えば、バレル装置は、回転式をは
じめ、振動式や、遠心式など、公知の装置を用いること
ができる。回転式の場合、その回転数は20rpm〜5
0rpmとすることが望ましい。振動式の場合、その振
動数は50Hz〜100Hz、振動振幅は0.3mm〜
10mmとすることが望ましい。遠心式の場合、その回
転数は70rpm〜200rpmとすることが望まし
い。
【0013】処理容器内への樹脂成形体と金属微粉生成
物質の投入量は、処理容器内容積の20vol%〜90
vol%が望ましい。20vol%未満では、処理量が
少なすぎて実用的でなく、90vol%を越えると、樹
脂成形体表面への金属層の形成が効率よく起こらなくな
る恐れがあるからである。また、容器内に投入する樹脂
成形体と金属微粉生成物質との比率は、容積比率(樹脂
成形体/金属微粉生成物質)にして3以下が望ましい。
容積比率が3を越えると、金属層の形成に時間を要して
実用的でない恐れがあるからである。
【0014】処理時間は、処理量にも依存するが、一般
的には1時間程度〜10時間程度である。
【0015】なお、樹脂成形体表面に対する金属微粉生
成物質の流動接触は、金属微粉生成物質が酸化腐食され
やすい場合を考慮して乾式的に行うことが望ましい。
【0016】樹脂成形体表面に対する金属微粉生成物質
の流動接触によって金属微粉生成物質から生成する金属
微粉の大きさ(長径)は、概ね0.001μm〜5μm
であり、その形状は様々である。生成した金属微粉は、
樹脂成形体表面において、処理容器内の内容物(その多
くは金属微粉生成物質である)と衝突し、樹脂成形体表
面にその先端部が突き刺さるとともに圧入され、樹脂成
形体表面上に突出した部分は、その表面を覆うように変
形(例えば展延)する。これが金属層の形成の足掛かり
となり、その後、さらに、樹脂成形体表面に圧入された
金属微粉上に積層した金属微粉、それが変形した金属微
粉、金属微粉の集合体、該集合体の変形物(例えば展延
されて鱗片状になったもの)、該集合体の積層物などが
金属層の形成に寄与し、全体として金属層を構成する。
よって、本発明における金属微粉からなる金属層は、金
属微粉生成物質から生成した金属微粉を形成源として形
成された金属層を意味するものとする。
【0017】なお、金属層の形成の初期段階において、
金属微粉が樹脂成形体表面に効率よく圧入されるための
介助手段として、その前工程で、樹脂成形体表面をエメ
リー研磨紙などで予め粗化してもよい。
【0018】こうして形成される金属微粉からなる金属
層は、導電層としての機能を発揮するので、電気めっき
処理を行うことが可能となり、樹脂成形体表面に膜厚精
度と表面平滑性に優れた金属被膜を形成することができ
る。さらに、該金属層は、樹脂成形体表面に圧入した金
属微粉を基に形成されていることから、樹脂成形体表面
に対して投錨効果を有しているので、該金属層上に形成
される金属被膜は剥離強度が高いという特徴を有する。
さらに、該金属層上には、エッチング処理や触媒付与処
理などを行うことなく無電解めっき処理を行えるという
利点も有する。
【0019】また、本発明の金属微粉からなる金属層
は、樹脂成形体表面に強固にかつ高密度に形成されてい
る。従って、金属微粉生成物質から生成する金属微粉の
材質を適宜選択することで、金属層自体に、装飾性など
の従来から求められていた機能の他、耐磨耗性、濡れ
性、遮光性などの機能を発揮させることができ、金属層
を積層形成することで、複数の機能を発揮させることも
できる。勿論、高い性能が要求される場合は、さらに電
気めっき処理などを行い、金属被膜を形成する必要があ
るが、樹脂成形体に簡易に一定の機能を付与するという
観点からは、金属層自体に各種機能を発揮させることが
できる点は非常に都合がよい。
【0020】
【実施例】実施例1:サンプルとしてエポキシ樹脂から
なる3cm角ブロックを用いて以下の処理を行った。ま
ず、サンプル表面を280番のエメリー研磨紙で研磨し
て表面の粗化を行った。次に、表面の粗化を行ったサン
プル10個(見かけ容積0.27リットル)と見かけ容
積2リットルの直径2mm、長さ2mmの短円柱状Cu
微粉生成物質(ワイヤーをカットしたもの)を容積2.
8リットルの振動バレル装置の処理槽に投入し(合計投
入量は処理槽内容積の81vol%)、振動数60H
z、振動振幅1.5mmの条件にて乾式的に処理を4時
間行った。この操作により生成するCu微粉は、長径が
0.1μm以下の微粉から最も大きい微粉で長径が5μ
m程度であった。処理後のサンプル表面を光学顕微鏡
(100倍)で観察したところ、その表面全体にはCu
微粉からなる金属層が均一に形成されていることがわか
った。
【0021】参考例1: 実施例1で得られた表面全体にCu微粉からなる金属層
を有するサンプルを1分間超音波洗浄した後、ひっかけ
めっき方式で電気Niめっき処理を、電流密度2A/d
2、めっき時間60分、pH4.2、浴温55℃、め
っき液組成(硫酸ニッケル240g/l、塩化ニッケル
45g/l、炭酸ニッケル適量(pH調整)、ほう酸3
0g/l)の条件にて行ったところ、Cu微粉からなる
金属層上に膜厚が15μmのめっき被膜を形成すること
ができた。
【0022】実施例2: サンプルとしてエポキシ樹脂からなる3cm角ブロック
を用いて以下の処理を行った。サンプル10個(見かけ
容積0.27リットル)と見かけ容積2リットルの直径
1mm、長さ1mmの短円柱状Al微粉生成物質(ワイ
ヤーをカットしたもの)を容積2.8リットルの振動バ
レル装置の処理槽に投入し(合計投入量は処理槽内容積
の81vol%)、振動数60Hz、振動振幅1.5m
mの条件にて乾式的に処理を4時間行った。この操作に
より生成するAl微粉は、長径が0.1μm以下の微粉
から最も大きい微粉で長径が5μm程度であった。処理
後のサンプル表面を光学顕微鏡(100倍)で観察した
ところ、その表面全体にはAl微粉からなる金属層が均
一に形成されていることがわかった。
【0023】参考例2実施例2 で得られた表面全体にAl微粉からなる金属層
を有するサンプルを1分間超音波洗浄した後、浴温20
℃の亜鉛置換液(液組成:水酸化ナトリウム50g/
l、酸化亜鉛5g/l、塩化第二鉄2g/l、ロッシェ
ル塩50g/l、硝酸ナトリウム1g/l)に1分間浸
漬して亜鉛置換処理を行った。サンプルを洗浄してか
ら、ひっかけめっき方式で電気Niめっき処理を、電流
密度2A/dm2、めっき時間60分、pH4.2、浴
温55℃、めっき液組成(硫酸ニッケル240g/l、
塩化ニッケル45g/l、炭酸ニッケル適量(pH調
整)、ほう酸30g/l)の条件にて行ったところ、A
l微粉からなる金属層上に膜厚が16μmのめっき被膜
を形成することができた。
【0024】参考例3: 実施例1で得られた表面全体にCu微粉からなる金属層
を有するサンプルを1分間超音波洗浄した後、無電解C
uめっき液(スルカップELC−SP:上村工業株式会
社製)を用いて、めっき時間30分、浴温60℃の条件
にて無電解Cuめっき処理を行ったところ、Cu微粉か
らなる金属層上に膜厚が2μmのめっき被膜を形成する
ことができた。
【0025】実施例3: 実施例1のエポキシ樹脂からなる3cm角ブロックをポ
リ塩化ビニル樹脂からなる3cm角ブロックに代えたこ
と以外は実施例1と同様にして処理を行った。その結
果、ブロック表面全体にCu微粉からなる金属層を均一
に形成することができた。
【0026】実施例4: 実施例1のエポキシ樹脂からなる3cm角ブロックをア
クリル樹脂からなる3cm角ブロックに代えたこと以外
は実施例1と同様にして処理を行った。その結果、ブロ
ック表面全体にCu微粉からなる金属層を均一に形成す
ることができた。
【0027】実施例5: 実施例1のエポキシ樹脂からなる3cm角ブロックをシ
リコーンゴムからなる3cm角ブロックに代えたこと以
外は実施例1と同様にして処理を行った。その結果、ブ
ロック表面全体にCu微粉からなる金属層を均一に形成
することができた。
【0028】実施例6: 実施例1のエポキシ樹脂からなる3cm角ブロックをテ
フロンからなる3cm角ブロックに代えたこと以外は実
施例1と同様にして処理を行った。その結果、ブロック
表面全体にCu微粉からなる金属層を均一に形成するこ
とができた。
【0029】実施例7実施例2 のエポキシ樹脂からなる3cm角ブロックをポ
リ塩化ビニル樹脂からなる3cm角ブロックに代えたこ
と以外は実施例2と同様にして処理を行った。その結
果、ブロック表面全体にAl微粉からなる金属層を均一
に形成することができた。
【0030】実施例8実施例2 のエポキシ樹脂からなる3cm角ブロックをア
クリル樹脂からなる3cm角ブロックに代えたこと以外
実施例2と同様にして処理を行った。その結果、ブロ
ック表面全体にAl微粉からなる金属層を均一に形成す
ることができた。
【0031】実施例9実施例2 のエポキシ樹脂からなる3cm角ブロックをシ
リコーンゴムからなる3cm角ブロックに代えたこと以
外は実施例2と同様にして処理を行った。その結果、ブ
ロック表面全体にAl微粉からなる金属層を均一に形成
することができた。
【0032】実施例10実施例2 のエポキシ樹脂からなる3cm角ブロックをテ
フロンからなる3cm角ブロックに代えたこと以外は
施例2と同様にして処理を行った。その結果、ブロック
表面全体にAl微粉からなる金属層を均一に形成するこ
とができた。
【0033】実施例11: 平均粒径1.22μmのストロンチウムフェライト粉7
0vol%とポリエステルエラストマー30vol%を
ヘンシルミキサーで混合した後、2軸同方向押し出し成
形機で成形し、その表面が実質的にポリエステルエラス
トマーで構成された10mm×10mm×100mmの
ボンド磁石を製造した。このボンド磁石の表面を280
番のエメリー研磨紙で研磨して表面の粗化を行った。次
に、表面の粗化を行ったボンド磁石20個(見かけ容積
0.2リットル)と見かけ容積2リットルの直径2m
m、長さ2mmの短円柱状Cu微粉生成物質(ワイヤー
をカットしたもの)を容積2.8リットルの振動バレル
装置の処理槽に投入し(合計投入量は処理槽内容積の7
9vol%)、振動数60Hz、振動振幅1.5mmの
条件にて乾式的に処理を4時間行った。この操作により
生成するCu微粉は、長径が0.1μm以下の微粉から
最も大きい微粉で長径が5μm程度であった。処理後の
ボンド磁石表面を光学顕微鏡(100倍)で観察したと
ころ、その表面全体にはCu微粉からなる金属層が均一
に形成されていることがわかった。
【0034】参考例4実施例11 で得られた表面全体にCu微粉からなる金属
層を有するボンド磁石に対し、参考例1と同様の条件に
て電気Niめっき処理を行ったところ、Cu微粉からな
る金属層上に膜厚が13μmのめっき被膜を形成するこ
とができた。このように、その表面が実質的にポリエス
テルエラストマーで構成されたボンド磁石の表面全体に
形成されたCu微粉からなる金属層は、このボンド磁石
に対して電気めっき処理を行うための下地層として有用
であり、金属層の表面に電気めっき処理によってめっき
被膜を形成することで、磁石の機械的強度向上(割れ欠
け防止)などの効果が得られ、磁石の割れ欠けを要因と
する磁性微粉の発生を防止することができた。
【0035】実施例12: R−Fe−B系合金の急冷薄帯を粉砕してなるMQP−
B(商品名:MQI社製)65vol%とナイロン1
2、35vol%をヘンシルミキサーで混合した後、射
出成形機で成形し、その表面が実質的にナイロン12で
構成された10mm×10mm×10mmのボンド磁石
を製造した。このボンド磁石の表面を280番のエメリ
ー研磨紙で研磨して表面の粗化を行った。次に、表面の
粗化を行ったボンド磁石100個(見かけ容積0.1リ
ットル)と見かけ容積2リットルの直径2mm、長さ2
mmの短円柱状Cu微粉生成物質(ワイヤーをカットし
たもの)を容積2.8リットルの振動バレル装置の処理
槽に投入し(合計投入量は処理槽内容積の75vol
%)、振動数60Hz、振動振幅1.5mmの条件にて
乾式的に処理を4時間行った。この操作により生成する
Cu微粉は、長径が0.1μm以下の微粉から最も大き
い微粉で長径が5μm程度であった。処理後のボンド磁
石表面を光学顕微鏡(100倍)で観察したところ、そ
の表面全体にはCu微粉からなる金属層が均一に形成さ
れていることがわかった。
【0036】参考例5実施例12 で得られた表面全体にCu微粉からなる金属
層を有するボンド磁石に対し、参考例1と同様の条件に
て電気Niめっき処理を行ったところ、Cu微粉からな
る金属層上に膜厚が14μmのめっき被膜を形成するこ
とができた。このように、その表面が実質的にナイロン
12で構成されたボンド磁石の表面全体に形成されたC
u微粉からなる金属層は、このボンド磁石に対して電気
めっき処理を行うための下地層として有用であり、金属
層の表面に電気めっき処理によってめっき被膜を形成す
ることで、磁石の耐候性向上、機械的強度向上(割れ欠
け防止)などの効果を得ることができた。
【0037】実施例13: 実施例1のエポキシ樹脂からなる3cm角ブロックをF
RP(繊維強化型プラスチック)からなる3cm角ブロ
ックに代えたこと以外は実施例1と同様にして処理を行
った。その結果、ブロック表面全体にCu微粉からなる
金属層を均一に形成することができた。
【0038】実施例14: サンプルとしてエポキシ樹脂からなる3cm角ブロック
を用いて以下の処理を行った。まず、サンプル表面を2
80番のエメリー研磨紙で研磨して表面の粗化を行っ
た。次に、表面の粗化を行ったサンプル10個(見かけ
容積0.27リットル)と見かけ容積2リットルの直径
2mm、長さ2mmの短円柱状Ni微粉生成物質(ワイ
ヤーをカットしたもの)を容積2.8リットルの振動バ
レル装置の処理槽に投入し(合計投入量は処理槽内容積
の81vol%)、振動数60Hz、振動振幅1.5m
mの条件にて乾式的に処理を4時間行った。この操作に
より生成するNi微粉は、長径が0.1μm以下の微粉
から最も大きい微粉で長径が5μm程度であった。処理
後のサンプル表面を光学顕微鏡(100倍)で観察した
ところ、その表面全体にはNi微粉からなる金属層が均
一に形成されていることがわかった。
【0039】参考例6実施例14 で得られた表面全体にNi微粉からなる金属
層を有するサンプルを1分間超音波洗浄した後、無電解
Niめっき液(ニムデンSX:上村工業株式会社製)を
用いて、めっき時間30分、浴温90℃の条件にて無電
解Niめっき処理を行ったところ、Ni微粉からなる金
属層上に膜厚が4μmのめっき被膜を形成することがで
きた。続いて、参考例1と同様の条件にて電気Niめっ
き処理を行ったところ、膜厚が15μmのめっき被膜を
積層形成することができた。
【0040】
【発明の効果】本発明の樹脂成形体表面への金属層の形
成方法によれば、樹脂成形体表面に金属微粉からなる金
属層を強固にかつ高密度に形成することができる。該金
属層は、導電層としての機能を発揮するので、電気めっ
き処理を行うことにより、該金属層上に、膜厚精度と表
面平滑性に優れ、かつ剥離強度が高い金属被膜を簡易に
形成することができる。また、該金属層自体によって、
装飾性などの機能を発揮させることもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 秀治 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社 山崎製作所内 (56)参考文献 特開2000−133541(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 24/04 C23C 26/00 C23C 28/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成形体と金属微粉生成物質を処理容
    器内に収容し、前記処理容器内にて、前記樹脂成形体表
    面に対して前記金属微粉生成物質を流動接触させること
    により、前記金属微粉生成物質から金属微粉を生成さ
    せ、前記樹脂成形体表面に前記金属微粉からなる金属層
    を形成することを特徴とする樹脂成形体表面への金属層
    の形成方法。
  2. 【請求項2】 樹脂成形体と金属微粉生成物質に振動を
    加え、および/または両者を攪拌することにより、前記
    樹脂成形体表面に対して前記金属微粉生成物質を流動接
    触させることを特徴とする請求項1記載の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記処理容器がバレル装置の処理槽であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の形成方法。
  4. 【請求項4】 乾式的に処理を行うことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記金属微粉生成物質がCu、Sn、Z
    n、Pb、Cd、In、Au、Ag、Fe、Ni、C
    o、Cr、Alから選ばれる少なくとも一種の金属の微
    粉を生成させる物質であることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれかに記載の形成方法。
  6. 【請求項6】 前工程として、樹脂成形体表面を予め粗
    化しておくことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の形成方法。
  7. 【請求項7】 樹脂成形体表面に金属微粉からなる金属
    層が形成されていることを特徴とする樹脂成形体。
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