JP3393029B2 - ディスプレイ装置の表示画像歪みの補正方法、歪み検出装置、歪み補正装置、及びその歪み補正装置を備えたディスプレイ装置 - Google Patents

ディスプレイ装置の表示画像歪みの補正方法、歪み検出装置、歪み補正装置、及びその歪み補正装置を備えたディスプレイ装置

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JP3393029B2
JP3393029B2 JP00801697A JP801697A JP3393029B2 JP 3393029 B2 JP3393029 B2 JP 3393029B2 JP 00801697 A JP00801697 A JP 00801697A JP 801697 A JP801697 A JP 801697A JP 3393029 B2 JP3393029 B2 JP 3393029B2
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    • H04N3/2335Distortion correction, e.g. for pincushion distortion correction, S-correction using active elements with calculating means

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ装置
の表示画像歪みを補正するシステムに係り、詳しくは、
ディスプレイ装置の画面上に表示された画像の歪みをそ
れがなくなるように補正する方法、そのような画像の歪
みを検出する歪み検出装置、検出された歪みに基づいて
ディスプレイ装置の画面上に表示された画像の歪みを補
正する歪み補正装置、及びそのような歪み補正装置を備
えたディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図24に示すように、CRT(ブラウン
管)を用いたディスプレイ装置10では、特に画像歪み
の補正を行なわない状態で画面10a上に矩形Sを表示
させると、その矩形Sは、例えば、その四隅が引き伸ば
されたように歪む。これは、図25に示すように、CR
T11の管面(画面10aに対応)の曲率の中心と電子
銃から出射された電子線の偏向の中心とが異なるために
発生する現象である。
【0003】このような矩形画像の歪みの基本的なパタ
ーンとして、図26に示すように、対向する直線が互い
に反対方向に湾曲して歪む糸巻き歪み(a)(図24に
示す例)、対向する直線が互いに同方向に湾曲して歪む
弓型歪み(b)、対向する直線が互いに反対方向に傾い
て歪む台形歪み(c)及び対向する直線が互いに同方向
に傾いて歪む平行四辺形歪み(d)がある。なお、図2
6では、矩形の左右の直線について注目したが、矩形の
上下の直線についても同様の歪みパターンが存在する。
【0004】また、図27に示すように、画像歪みの補
正を行なわない状態でディスプレイ装置10の画面10
aに水平方向に延びる互いに平行な直線L1、L2、L
3、L4、L5、L6、L7、L8、L9を等間隔で表
示させようとしても、それらの間隔が画面の外側で広が
ってしまう(垂直リニアリティーの劣化)。これも、上
述したように、CRT11の管面の曲率の中心と電子線
の偏向の中心がずれていることに起因して発生する歪み
である。
【0005】このような画面上の画像(四角形)の歪み
を補正するため、従来は、画面に表示されるテストパタ
ーンの状態を作業者がみながら、偏向ユニット(偏向コ
イル等)に印加する補正電流を調整している。例えば、
図24に示すような糸巻き歪みを補正する場合、この歪
んだ直線をパラボラ波(二乗波)であると見立て、それ
をキャンセルするような補正電流を偏向ユニットに印加
している。上記のような画面10a上に表示される矩形
Sの歪みは、前述したように、CRT11の構造的な特
徴から発生するもので、偏向ユニットに印加する補正電
流を調整することである程度矯正することができる。
【0006】しかし、ディスプレイ装置10の画面10
aに表示された画像の歪みの原因は、そのほかにも、C
RTの電子銃の取付け位置のずれ、偏向ヨークの取付け
位置のずれ、微調整マグネットの影響、高圧電源の不安
定性、偏向電流のロス等、種々存在する。これらの要因
によって、画面10a上の直線は、わずかではあるが、
例えば、図28に示すように複雑に歪んでいる。このよ
うな複雑な歪みは、従来のように、表示状態を目視しな
がら偏向ユニットに印加する補正電流を調整する手法で
は、十分に除去できるものではなかった。
【0007】その結果、ディスプレイ装置の高精彩化が
進み、高いレベルの表示画像品質が求められる場合、上
記のような画像補正の手法では、十分それに答えること
ができなかった。そこで、更に、このような画像の複雑
な歪みを精度良く補正する手法が提案されている(特開
昭53−149712、特開平4−23692、特開平
6−327019、特開平7−2646119等)。こ
の提案された各補正手法では、表示画面上に所定のパタ
ーンを表示させ、その表示画面上に表示されたパターン
上の各点の位置とそのパターン上の各点が本来表示され
るべき位置との差を補正データとして保持し、画像表示
時に、この補正データに基づいて偏向ユニットを制御す
るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来提案されている表示画像歪みの補正方法では、各点の
位置ずれの量そのものを補正データとして保持(記憶)
しているので、精度良く表示画像の歪み補正を行なうた
めには、多くの点の位置ずれ量を補正データとして保持
しなければならず、その保持すべき情報量が多くなる。
その結果、例えば、ディスプレイ装置内に設けられるメ
モリ内に補正データ用の広い領域を確保しなければなら
ない。
【0009】そこで、本発明の第一の課題は、できるだ
け少ない情報量で精度の良い表示画像の歪み補正ができ
るようなディスプレイ装置の表示画像歪みの補正方法を
提供することである。第二の課題は、上記方法に用いる
ことのできる歪み検出装置を提供することである。
【0010】第三の課題は、上記方法に用いることので
きる歪み補正装置を提供することである。更に、第四の
課題は、上記のような歪み補正装置を備えたディスプレ
イ装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第一の課題を解決す
るため、本発明に係るディスプレイ装置の表示画像歪み
の補正方法は、請求項1に記載されるように、所定の調
整状態にあるディスプレイ装置に表示された所定のテス
トパターンを撮像手段にて撮影し、該撮像手段にて得ら
れた画像から当該テストパターンの歪みを表す歪み情報
を抽出し、抽出された歪み情報を既知となる複数の基本
情報と該基本情報に結合する付加情報とで近似的に表し
た際の当該付加情報を歪み特性として抽出し、該付加情
報を記憶手段に記憶させ、ディスプレイ装置に画像を表
示する際に、該記憶手段に記憶された付加情報と上記既
知となる複数の基本情報を用いて歪み情報を近似的に再
現し、その再現された歪み情報に基づいて当該歪みを打
ち消すようなディスプレイ装置の補正調整を行なうよう
に構成される。
【0012】上記方法では、テストパターンの歪みを表
す情報が既知となる複数の基本情報と該基本情報に結合
する付加情報とで近似的に表される。そして、その付加
情報を歪み特性として記憶手段に記憶される。そして、
記憶手段に記憶した付加情報を既知となる基本情報に結
合させることによって歪み情報が近似的に再現される。
【0013】上記基本情報は既知であるので、付加情報
だけを保存してしておけば、歪み情報が再現できる。基
本情報を適当に選択することにより、より少ない付加情
報で歪み情報を近似することができる。上記基本情報
は、歪みの状態を部分的に記述することのできる基礎的
な情報である。また、付加情報は、基本情報に結合し、
その結合した複数の基本情報と付加情報にて歪み状態が
近似的に表現できるものである。
【0014】実際のディスプレイ装置の表示画像歪みの
状態を表した基本情報を用いるという観点から、本発明
は、請求項2に記載されるように、上記既知となる複数
の基本情報として、複数のディスプレイ装置に表示され
た当該所定のテストパターンから抽出された複数の歪み
情報を主成分分析の手法を用いて処理した結果得られた
固有ベクトルが用いることができる。
【0015】また、上記のように基本情報を取得する処
理工数を低減するという観点から、本発明は、請求項3
に記載されるように、上記既知となる複数の基本情報と
して所定の関数系を用い、該関数系の各関数を重みを付
けて線形に重ね合わせることによって当該歪み情報を近
似的に表した際の当該付加情報となる重みを歪み特性と
して抽出するように構成することができる。
【0016】このような方法では、基本情報として所定
の関数系が用いられるので、上記のように基本情報を得
るために、実際のディスプレイ装置に表示されたテスト
パターンの歪みを観察する等の処理は必要ない。比較的
簡単に歪み情報を関数系で表現できるという観点から、
本発明は、請求項4に記載されるように、上記関数系の
各関数としてBスプライン関数を用い、複数のBスプラ
イン関数を線形に重ね合わせることによって当該歪み情
報をスプライン曲線にて近似的に表した際の当該各Bス
プライン関数の係数値を歪み特性として抽出するように
構成することができる。
【0017】このような方法では、歪み情報を表す任意
の曲線を複数のBスプライン関数にて表現される。この
とき、各Bスプライン関数の係数値が歪み特性となる。
また、比較的簡単に歪み情報を表現できるという観点か
ら、本発明は、請求項5に記載されるように、上記歪み
情報をフーリエ級数で近似的に表した際のフーリエ級数
各項に対する付加情報としての係数値を歪み特性として
抽出するように構成することができる。
【0018】このような方法では、一般的に任意の曲線
はフーリエ級数で表現できるので、当該歪み情報を表す
曲線が比較的容易にフーリエ級数にて表現することがで
きる。このとき、フーリエ級数の各項の係数値が歪み特
性を表す。更に、画面上に表示される直線の歪み(糸巻
き歪み、弓型歪み、台形歪み、平行四辺形歪み等)を主
に補正するという観点から、本発明は、請求項6に記載
されるように、矩形のテストパターンの左右のラインを
表す式の差及び和に対応した情報、及び上下のラインを
表す式の差及び和に対応した情報を歪み情報として抽出
するように構成できる。
【0019】また、ディスプレイ装置の垂直リニアリテ
ィ歪みを補正するという観点から、本発明は、請求項7
に記載されるように、等間隔となるように画面上に表示
された水平方向に延びる複数の直線をテストパターンと
し、実際に観測された各直線の間隔から求められる各直
線の画面上垂直方向の位置を表す式と、等間隔に配列さ
れたとした場合の各直線の画面上垂直方向の位置を表す
式との差に対応した情報を歪み情報として抽出するよう
に構成できる。
【0020】上述した第二の課題を解決するため、本発
明は、請求項8に記載されるように、ディスプレイ装置
の画面表示される画像の歪みを検出する歪み検出装置に
おいて、所定の調整状態にあるディスプレイ装置に表示
された所定のテストパターンを撮影する撮像手段と、該
撮像手段にて得られた画像から当該テストパターンの歪
みを表す歪み情報を抽出する歪み情報抽出手段と、抽出
された歪み情報を既知となる複数の基本情報と該基本情
報に結合する付加情報とで近似的に表した際の当該付加
情報を歪み特性として抽出する歪み特性抽出手段とを有
し、当該歪み特性としての付加情報を検出結果として出
力するように構成される。
【0021】このような歪み検出装置では、テストパタ
ーンの歪みを表す情報が既知となる複数の基本情報と該
基本情報に結合する付加情報とで近似的に表され、その
付加情報が歪みの検出結果として出力される。上記基本
情報は既知であるので、付加情報だけを保存してしてお
けば、歪み情報が再現できる。基本情報を適当に選択す
ることにより、より少ない付加情報で歪み特性を表現す
ることができる。
【0022】上記第三の課題を解決するため、本発明
は、請求項15に記載されるように、ディスプレイ装置
の画面上に表示された画像を補正する歪み補正装置にお
いて、所定の調整状態にあるディスプレイ装置に表示さ
れた所定のテストパターンを撮像手段にて撮影し、該撮
像手段にて得られた画像から当該テストパターンの歪み
を表す歪み情報を抽出し、抽出された歪み情報を既知と
なる複数の基本情報と該基本情報に結合する付加情報と
で近似的に表した際に得られる当該付加情報を歪み特性
として記憶する記憶手段と、ディスプレイ装置に画像を
表示する際に、該記憶手段に記憶された付加情報と上記
既知となる複数の基本情報を用いて歪み情報を近似的に
再現する歪み情報再現手段と、該歪み再現手段にて再現
された歪み情報に基づいて当該歪みを打ち消すようなデ
ィスプレイ装置の補正調整を行なう調整手段とを有する
ように構成される。
【0023】このような歪み補正装置では、記憶手段に
歪み特性として記憶された付加情報と既知となる基本情
報を用いて歪み情報が近似的に再現され、その再現され
た歪み情報に基づいて当該歪みが打ち消されるようにデ
ィスプレイ装置の補正調整が行なわれる。
【0024】上記既知となる複数の基本情報として所定
の関数系が用いられ、該関数系の各関数を重みを付けて
重ね合わせることによって歪み情報が近似的に表現され
る場合に適合する歪み補正装置を提供するという観点か
ら、本発明は、請求項16に記載されるように、上記重
みを歪み特性として記憶手段が記憶し、上記歪み情報再
現手段は、記憶手段に記憶された歪み特性としての重み
を用いて当該関数系の各関数を線形に重ね合わせる演算
手段を有し、該演算手段での演算結果を近似的に再現さ
れた歪み情報とするように構成される。
【0025】また、上記関数系の各関数としてBスプラ
イン関数が用いられ、複数のBスプライン関数を線形に
重ね合わせることによって当該歪み情報をスプライン曲
線にて近似的に表現される場合に適合する歪み補正装置
を提供するという観点から、本発明は、請求項17に記
載されるように、当該各Bスプライン関数の係数値を歪
み特性として記憶手段が記憶し、上記演算手段は、記憶
手段に記憶された歪み特性としての係数値と各Bスプラ
イン関数とに基づいて歪み情報を近似的に表すスプライ
ン曲線上の各点の値を演算する手段を有するように構成
される。
【0026】更に、上記歪み情報をフーリエ級数で近似
的に表す場合に適合する歪み補正装置を提供するという
観点から、本発明は、請求項18に記載されるように、
フーリエ級数各項に対する付加情報としての係数値を歪
み特性として記憶手段が記憶し、上記歪み情報再現手段
は、記憶手段に記憶した歪み特性としての係数値を用い
て逆フーリエ変換を行なう演算手段を有し、該演算手段
での演算結果を近似的に再現された歪み情報とするよう
に構成される。
【0027】上記第四の課題を解決するため、本発明
は、請求項19に記載されるように、電子線の管面上で
の走査によって画像を表示する表示管と、該電子線を制
御信号に基づいて表示管の管面上で走査させる偏向ユニ
ットとを有するディスプレイ装置において、該偏向ユニ
ットを所定の制御状態にして表示管の管面上に表示され
た所定のテストパターンを撮像手段にて撮影し、該撮像
手段にて得られた画像から当該テストパターンの歪みを
表す歪み情報を抽出し、抽出された歪み情報を既知とな
る複数の基本情報と該基本情報に結合する付加情報とで
近似的に表した際に得られる当該付加情報を歪み特性と
して記憶する記憶手段と、表示管の管面上に画像を表示
する際に、該記憶手段に記憶された付加情報と上記既知
となる複数の基本情報を用いて歪み情報を近似的に再現
する歪み情報再現手段と、該歪み再現手段にて再現され
た歪み情報に基づいて当該歪みを打ち消すような補正制
御信号を偏向ユニットに供給する補正制御手段とを有す
るように構成される。
【0028】このようなディスプレイ装置では、記憶手
段に歪み特性として記憶された付加情報と既知となる基
本情報を用いて歪み情報が近似的に再現され、その再現
された歪み情報に基づいて当該歪みが打ち消されるよう
な補正制御信号が生成される。そして、この補正制御信
号に基づいて偏向ユニットが制御される。
【0029】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る表示画像歪み
の補正原理を説明する。ディスプレイ装置の表示画像の
歪みの特性が図1に示す手順に従って検出される。
【0030】ディスプレイ装置の画面に対向してテレビ
カメラが設置される。この状態で、画面上に直線を表示
する(直線発生、ディスプレイに表示)。このとき、前
述した糸巻き歪み、弓型歪み、台形歪み、平行四辺形歪
み(図26参照)の一または複数の歪みについて補正し
た状態であっても、また、これらの歪みについて何ら補
正していない状態(無補正)であってもよい。
【0031】そして、この画面上に表示された直線をテ
レビカメラで観測する(TVカメラによる観測)。この
画面上に表示された直線は、ディスプレイ装置固有の歪
み特性により、例えば、図3(a)に示すような曲線状
になる。テレビカメラでの観測結果得られた曲線上の各
点の座標値を求め、その座標列によって歪み曲線を表現
する(歪み曲線検出)。この座標列を基に、歪み特性を
少数パラメータで表現する(少数パラメータによる曲線
の表現)。
【0032】ディスプレイ装置では、図2に示す手順に
従って、表示画像の歪みが補正される。上記のようにし
て少数パラメータで表現された歪み特性を歪み補正用デ
ータとして保持する(歪み補正用データ保持)。そし
て、この保持された歪み補正用データに基づいて、図3
(b)に示すように歪み曲線(図3(a)参照)と対称
の特性となる歪み補正波形を発生する(歪み補正波形発
生)。直線を表示する際にに、偏向制御の信号に上記補
正波形を重畳する。その結果、図3(a)に示すような
画像(直線)の歪みがキャンセルされ、画面上には、直
線が表示される。
【0033】上記歪み曲線の検出は、次のようになされ
る。歪み曲線(図3(a)参照)を表す座標列は、例え
ば、図3(a)において、水平方向をx軸、垂直方向を
y軸とすると、(x1、y1)、(x2、y
2)、...、(xn、yn)のように表される。ここ
で、nは曲線上の点の個数である。例えば、yを1から
Nまで1ずつ変化させながら、各yに相当する曲線上の
x座標を求めることで上記のような座標点列が得られ
る。
【0034】歪みは種々の要因で発生するが、M個の要
因が種々の態様で組み合わされて発生すると仮定すと、
M個の要因がそれぞれどれくらいの強さで歪みに寄与す
るかを導きだすことによって、その歪みをM個の基本的
な要因に基づいた歪みで表すことができる。この基本的
な要因にて発生する歪みを基本歪みと呼び、基本歪みを
表す曲線を基本波形と呼ぶことにする。種々の要因が組
み合わされて生じる歪みは、M個の基本波形を重みを付
けて線形に重ね合わせることによって表現できるものと
すると、各基本波形に乗ずべき重みが歪み特性を表す。
【0035】観測された歪み曲線を表す座標列から基本
波形に乗ずべき重み(歪み特性)は、使用する基本波形
に応じて次のように求められる。まず、数理統計の分野
でよく利用されている主成分分析の手法にて基本波形を
求め、その基本波形から歪み特性を得ることができる。
【0036】具体的には、多数のディスプレイ装置の表
示画像から歪み曲線を表す座標列を検出する。N個の点
からなる座標列は前述したようにyの値が、例えば、1
乃至Nまで1ずつ変化するときのx座標値x1、x
2、...、xNで表される。この座標列をN次元のベ
クトルと見なし、歪みベクトルと呼ぶ。K個のディスプ
レイ装置からデータを採取した場合、K個の歪みベクト
ル v1 =(x1 1、x1 2、...、x1 N) v2 =(x2 1、x2 2、...、x2 N) ... vK =(xK 1、xK 2、...、xK N) が得られる。これらのベクトルから
【0037】
【数1】
【0038】によってNxNの行列Sを算出する。ここ
で、vitは、vi の転置を表す。次に、この行列Sの固
有値とそれに対応する固有ベクトルを算出する。そし
て、固有値を大きいほうから順にM個選び、それに対応
するM個の固有ベクトルu1、u2、...、uMを基
本波形とする。
【0039】このとき、それぞれのディスプレイ装置か
ら検出された座標列を表すベクトル(歪みベクトル)v
が定まると、そのディスプレイ装置の歪み特性は、M個
の数 fk=(vi 、uk) k=1、2、...、M (2) で与えられる。ここで、(vi 、uk)は、ベクトルv
i とベクトルukとの内積である。
【0040】また、歪み特性fkが与えられたときに、
歪み曲線は、fkを重みとして基本波形ukを線形に結
合して、
【0041】
【数2】
【0042】で近似的に再現できる。上記のような主成
分分析の手法は、予め多数のディスプレイ装置での表示
画像サンプルから基本波形を定めるものであり、対象と
するディスプレイ装置の機種や表示時のモードに応じて
最適な基本波形が定められる。しかし、予め多数のディ
スプレイ装置から表示画像をサンプリングして基本波形
を演算する工程が必要となる。
【0043】このような工程を省くために、ディスプレ
イ装置の機種や表示モードによらずに共通の基本波形を
予め定めておくことも可能である。予め定めておく基本
波形としては、Bスプライン関数、正弦波、べき関数、
その他種々の関数系(複数個の予め定義されている関数
の集合)を用いることができる。
【0044】次に、所定の関数系を基本波形として用い
る場合について説明する。区間[−1、1]で定義され
る関数系を{Uk(y);k=1、2、...、K}と
する。この関数系の要素Uk(y)と前記基本波形uk
は、 Uk(2(i−1)/(N−1)−1)=uk の関係にある。このとき、各ディスプレイ装置において
観測された歪みベクトルvから歪み特性fkを次のよう
に定める。
【0045】仮に、fkが求まったとして、このfkを
用いて前記(3)式と同様に歪みベクトルv’が
【0046】
【数3】
【0047】のように近似される。このとき、観測され
た歪みベクトルvと近似した歪みベクトルv’ができる
だけ一致するようにfkを定める。より具体的には、v
とv’の差のベクトルの2乗 J=(v−v’、v−v’) (5) が最小になるようにfkを定める。このようなfkは次
のような方法にて算出することができる。
【0048】(4)式を(5)式に代入すると、
【0049】
【数4】
【0050】が得られる。Jを最小にするfkを求める
ために(6)式をfkで微分して0とおくと、fkに関
する方程式
【0051】
【数5】
【0052】が得られる。これは、K個の未知数fk
(k=1、2、...、K)に関する連立一次方程式で
ある。この方程式を満たす数値解は、一般によく知られ
ている計算機による数値計算によって算出できる。上記
関数系としてBスプライン関数の集合を用いることがで
きる。
【0053】一般に区間[−1、1]を図4に示すよう
にP個の区間[−1、y1 ]、[y 1
2 ]、...、[yP-1 、1]に分け、各区間ではQ
次以下の多項式であり、かつ、各節点y1
2 、...、yP-1 において滑らかにつながる(Q−
1次までの微分が連続)ような関数はP−1個の節点を
持つQ次のスプライン関数とよばれる(スプライン関数
に関する解説は、「スプライン関数入門」桜井明編著
東京電気大学出版局に詳しい)。このようなスプライン
関数は以下に定義するQ次のBスプライン関数をP+Q
個重みを付けて線形に重ね合わせることで表現できるこ
とが知られている。
【0054】これらP+Q個のBスプライン関数を前記
基本歪みを表す関数系として採用する。なお、P+Q個
のQ次のBスプライン関数BQ;i (y)(ただし、i=
−Q、−Q+1、...、P−1)は次のように定義さ
れる。
【0055】
【数6】
【0056】ここで、便宜上、y-Q<y-Q+1<...<
0 =0 及び、1=yP <yP+1 <...<yP+Q を満たす任意の節点を新たに追加している。
【0057】前記(7)式のui(i=−Q、−Q+
1、...、P−1)としてBスプライン関数BQ;i
用い、(7)式を数値計算によって解くと、P+Q個の
数fiからなる歪み特性が算出される。また、算出され
た歪み特性fiに基づいて、(3)式によって歪み曲線
が近似的に再現できる。
【0058】今の場合、(3)式において基本波形ui
はBスプラインBQ;i である。(8)式から判るよう
に、この基本波形は、各区間においてyに関してQ次以
下の多項式である。従って、(3)式の総和はyの各次
数毎にその係数を足し合わせることによって式の上で計
算でき、その結果も各区間でQ次以下の多項式解なる。
【0059】Bスプライン関数を用いる特徴は、歪みを
区間毎に低い次数の多項式で近似することができるため
に、歪み特性から歪み波形を算出する際に要する演算を
電子回路で実現することが容易になる(小さい規模の電
子回路で演算可能となる)ことである。
【0060】上記関数系として正弦波の集合を用いるこ
とができる。一般に区間[−1、1]で定義される関数
g(y)は、フーリエ級数
【0061】
【数7】
【0062】で近似できることが知られている(例え
ば、「物理数学1」小出昭一郎著 朝倉出版)。従っ
て、{1、cos(πmy)、sin(πmy)(m=
1、2、...、k/2−1)}を基本波形として用い
ることができる。なお、一般的に、歪み特性を表す
m 、bm は、全てのmに対応するものが必要ではな
く、mが小さいほうから適当な数だけのam 、bm で比
較的よく近似できる。それによって、データ量の削減が
可能となる。
【0063】上記の場合、ao 、am 、bm が歪み特性
となる。これらの値は、歪み曲線が与えられたときに、
必ずしも(7)式の連立方程式を解く必要はなく、歪み
曲線をFFT(高速フーリエ変換)等でフーリエ変換す
ることによって求めることもできる。また、逆に、歪み
特性が与えられたときは、逆フーリエ変換によって歪み
曲線を近似的に再現することができる。
【0064】このように、基本波形として正弦波を用い
る場合の特徴は、FFT演算器を用いて容易に、歪み特
性や歪み曲線を得ることができることである。上記関数
系としてべき関数の集合を用いることもできる。べき関
数{1、y、y2 、...、yK-1 }を基本波形として
用いる。この場合、歪み特性の検出では、まず、区間
[−1、1]における歪み曲線をy=−1、−1+2/
(N+1)、...、−1+2i/(N+
1)、...、1のN点で観測し、そのx座標からなる
N次元の歪みベクトルvを生成する。次に、i番目の要
素が(−1+2i/(N+1))k-1 であるような基本
歪みベクトルukを基にして、(7)式の連立方程式を
数値計算で解くことによってK個の歪み特性fkが算出
される。
【0065】また、歪み補正では、(4)式を用いて歪
みベクトルv’算出し、それを打ち消すような電圧を偏
向制御の信号に付加して歪みを補正する。なお、この場
合、(4)式はfkを係数にもつような多項式である。
このように、基本波形としてべき関数を用いる場合、
[−1、1]の全区間において、一定の係数fkをもつ
多項式で歪み曲線を表現できるので、基本波形の数
(K)が少ないときには、小規模な回路で補正回路を実
現することができるようになる。
【0066】上述したように、本発明に係る表示画像の
歪み補正方法は、ディスプレイ装置の画面上に表示され
た線をテレビカメラで観測し、その観測の結果得られた
歪み線画像を重みを付けた複数の基本波形で表現する。
この各基本波形に結合する重みの集合を歪み特性として
検出する。そして、ディスプレイ装置にこの歪み特性を
保持し、その歪み特性に基づいて画面上の歪んだ線を直
線に補正するような補正波形を発生させる。
【0067】このような手法にてディスプレイ装置の表
示画像歪みを補正する場合、画面に表示された画像の歪
み特性が基本波形に結合する重み(係数)だけで表現で
きるので、その歪みを表す情報量を低減させることがで
きる。以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説
明する。
【0068】図5は、本発明に係る補正方法に従ってデ
ィスプレイ装置の表示画像歪みを補正するシステムの基
本構成を示すブロック図である。このシステムは、ディ
スプレイ装置の製造工場において、例えば、画像調整工
程に設置される。図5において、システムは、テレビカ
メラ20、画像信号生成回路21、制御ユニット22、
メモリユニット23、データ格納ユニット24及びデー
タ書き込みユニット25を備えている。テレビカメラ2
0は、製造されたディスプレイ装置10の画面10aに
対向して設置され、画面10a上に表示された矩形S等
のテストパターンを撮影する。画像信号生成回路21
は、テレビカメラ20からの撮像信号からドット毎の画
像信号(濃度等を表す)を生成する。
【0069】制御ユニット22は、画像信号生成回路2
1からの画像信号に基づいて、ディスプレイ装置10の
画面10a上に表示されたテストパターン(矩形S)の
各線の歪みを表す歪み特性データを演算する。メモリユ
ニット23は、制御ユニット22の制御のもとに画像デ
ータを一時的に保持するためや、ワークメモリ等として
用いられる。データ格納ユニット24は、制御ユニット
22での処理で得られた各種情報(後述するような基本
歪みベクトル、歪みベクトル、歪み特性データ等の情
報)を格納する。
【0070】データ書き込みユニット25は、制御ユニ
ット22にて得られた画面10a上の画像歪みを表す歪
み特性データを歪み補正データとしてディスプレイ装置
10内の記憶素子(EEPROM等)に書き込む。そし
て、ディスプレイ装置10では、この記憶素子に格納さ
れた歪み補正データに基づいて、当該画像歪みがなくな
るようにCRTの偏向ユニットが制御される。
【0071】上記制御ユニット22は、例えば、図6に
示す手順に従って処理を行なう。即ち、表示画像取得処
理P100、画像処理P200、歪みベクトル抽出処理
P300及び歪み特性抽出処理P400が順次行なわれ
る。ディスプレイ装置10の画面10a上に所定のテス
トパターン(例えば、矩形S)が表示される。このと
き、前述したように、糸巻き歪み、弓型歪み、台形歪
み、平行四辺形歪み(図26参照)の一または複数の歪
みについて補正した状態であっても、また、これらの歪
みについて何ら補正していない状態(無補正)であって
もよい(初期調整状態)。
【0072】この状態において、テレビカメラ20が画
面10a上に表示されたテストパターンを撮影し、テレ
ビカメラ20からの撮像信号に基づいて画像信号生成回
路21が各ドット毎の画像信号を生成する。そして、表
示画像取得処理P100では、画像信号生成回路21か
らの各ドット毎の画像信号がデジタル画像データに変換
される。そして、デジタル画像データがメモリユニット
23(フレームメモリ)に格納される。
【0073】画像処理P200は、例えば、図7に示す
手順に従って行なわれる。即ち、上記のようにしてメモ
リユニット23に格納されたデジタル画像データが所定
の閾値で二値化(白/黒)され、二値化データがメモリ
ユニット23の他の領域(ワークメモリ)に展開される
(S201)。そして、メモリユニット23に展開され
た二値化データ(二値画像データ)に対して論理フィル
タによる孤立点除去処理が行なわれ(S202)、当該
二値画像データから孤立点(雑音)が除去される。その
結果、メモリユニット23上には、例えば、図11に示
すように、ディスプレイ装置10の画面10a上に表示
された矩形Sの各ライン(例えば、ラインL)を表す二
値画像データが展開される。
【0074】上記のような画像処理P200によって、
ディスプレイ装置10の画面10a上に表示された矩形
Sの各線に対応した二値画像データがメモリユニット2
3に展開されると、歪みベクトル抽出処理P300が、
例えば、図8に示す手順に従って行なわれる。
【0075】図8において、上記のようにして画面10
a上に表示された矩形Sの各ラインLを表す二値画像デ
ータの展開されたメモリ領域が一定の方向に順次走査さ
れる(図11参照)。その走査の過程で検出されたライ
ンL上の点(黒点)の座標値(図11における左端部か
らの画素数)がサンプリングされる(S301)。この
処理によって各走査ライン毎に座標値が求まり、走査ラ
インの数をNとすると、N個の数値から構成される一次
元の数列が求まる。この数列に対してメディアンフィル
タ処理が行なわれ、スパイク上の雑音が除去される(S
302)。
【0076】上記メディアンフィルタ処理を経たN個の
数値列が歪みベクトルv(x1 、x 2 、...、xN
として抽出される(S303)。そして、この歪みベク
トルv(x1 、x2 、...、xN )がデータ格納ユニ
ット24に格納される(S204)。
【0077】上記のように歪みベクトル抽出処理P30
0にて、画面上に表示されたラインLを表す歪みベクト
ルがデータ格納ユニット24に格納されると、歪み特性
抽出処理P400が、例えば、図9に示す手順に従って
行なわれる。図9において、まず、基本歪みベクトルが
生成される(S401)。この基本歪みベクトルは、前
述した基本波形に相当するもので、主成分分析の手法に
よって導きだされ、あるいは、所定の関数系(直交関
数、Bスプライン関数、正弦/余弦関数、べき関数等)
が用いられる。
【0078】主成分分析の手法を用いる場合、同一機種
の複数のディスプレイ装置から図6に示す処理P10
0、P200およびP300を経て歪みベクトルを抽出
しておく。そして、その各ディスプレイ装置から抽出さ
れた歪みベクトルから、例えば、図10に示す手順に従
って基本歪みベクトルが生成される。
【0079】図10において、歪み行列算出の処理と歪
み行列保持の処理によって前記(1)式に従ったNxN
の歪み行列が算出される。即ち、歪み行列の保持部(メ
モリユニット23内の所定領域)をゼロクリアしてお
き、一番目の歪みベクトルv1を(x1 1
1 2、...、x1 N )としたとき、歪み行列保持部に
保持されている行列の(i、j)成分にx1 i 1 j
加算する(歪み行列算出、歪み行列保持)。同様に、m
番目の歪みベクトルvm を(xm 1 、xm 2 、...、
m N)としたとき、歪み行列保持部に保持されている
行列の(i、j)成分Sijにx m i m j を加算する。
この処理を全てのディスプレイ装置から得られる歪みベ
クトルについて繰り返す。
【0080】上記のようにして歪み行列保持部(メモリ
ユニット23)に保持されたNxNの歪み行列Sの大き
いほうからK個の固有値とそれに対応するK個の固有ベ
クトルuk(k=1、2、...、K)が算出される。
この固有ベクトルukが基本歪みベクトルとなる。
【0081】基本歪みベクトルとして、Bスプライン、
直交関数等の関数系を用いる場合、基本歪みベクトルと
して用いられるK個の関数が所定のアルゴリズムに従っ
て発生される。図9に戻って、上記のようにして得られ
た基本歪みベクトルは、データ格納ユニット24に格納
される(S402)。このような状態において、データ
格納ユニット24に格納された調整対象となるディスプ
レイ装置の歪みベクトルvが読みだされ(S403)、
この歪みベクトルvと基本歪みベクトルukとを用いて
前記(7)式に示す連立方程式を数値的に解いて歪み特
性が抽出される(S404)。なお、基本歪みベクトル
が互いに直交する場合は、(7)式においてkとlが異
なると(uk、ul)=0となるので、歪みベクトルと
基本歪みベクトルの内積を演算するだけで歪み特性を算
出することができる。
【0082】なお、N個の成分からなる歪みベクトルを
データ格納ユニット24から読みだした後(S40
3)、FTT(離散的フーリエ変換)処理を施して低次
のK個のフーリエ係数を歪みベクトル(歪み特性)とし
て算出することもできる。この場合、とくに基本歪みベ
クトル(基本波形)を用いることはない。
【0083】上記のようにして演算された歪み特性(歪
みベクトル)は、データ格納ユニット24に格納される
(S405)。そして、画面10aから観測された全て
のライン(矩形における上下の水平ライン、左右の垂直
ライン)についての歪みベクトルが得られるまで、上記
処理S403乃至S405が繰り返される(S40
6)。
【0084】上記のようにして表示画面10a上に表示
された各ラインの歪みベクトルがデータ格納ユニット2
4に格納されると、制御ユニット22は、書き込み指令
と共に、データ格納ユニット24に格納された歪みベク
トルをデータ書き込みユニット25に供給する。データ
書き込みユニット25は、ディスプレイ装置10内の記
憶素子(例えば、EEPROM)に当該歪みベクトルを
歪み補正データとして書き込む。
【0085】ディスプレイ装置10は、その使用時にお
いて、後述するように記憶素子に格納された歪み補正デ
ータに基づいた補正信号を生成し、その補正信号を偏向
制御の信号に重畳する。その結果、ディスプレイ装置の
製造工場の画像調整工程にて観測されたような画像歪み
が打ち消されるように表示画像の補正がなされる。
【0086】上述した歪み特性(歪み特性)の検出に係
る処理の更に具体的な例について説明する。ディスプレ
イ装置10の画面10aの垂直方向をx軸、水平方向を
y軸とし、例えば、図12に示すように、画面10a上
に表示した矩形S(テストパターン)の右側ラインをY
R =g(x)、左側ラインをYL =f(x)で表す。そ
して、対称歪みDs を Ds =[f(x)−g(x)]/2 (10) で定義し、非対称歪みDu を Du =[f(x)+g(x)]/2 (11) で定義する。
【0087】この対称歪みDs 及び非対称歪みDu を前
述した歪み曲線を表す情報として用いる。理想的な糸巻
き歪み(図12(a)参照)及び台形歪み(図12
(c)参照)が発生している場合、上記非対称歪みDu
が略”0”になる。また、理想的な弓型歪み(図12
(b)参照)及び平行四辺形歪み(図12(d)参照)
が発生している場合、上記対称歪みDs が略”0”にな
る。
【0088】ディスプレイ装置10の画面10a上に表
示された矩形Sをテレビカメラ20で撮影して矩形Sに
対応した画像データを得る(メモリユニット23に展開
される)。その画像データから矩形Sの左側ラインを表
す式f(x)が得られ、そのf(x)をグラフ化したも
のが例えば、図13に示される。また、画像データから
矩形Sの右側ラインを表す式g(x)が得られ、そのg
(x)をグラフ化したものが例えば、図14に示され
る。図13及び図14において、y軸(YL 、Y R )が
画面水平方向を表し、x軸が画面垂直方向を表してい
る。そして、YL (YR )=512が補正目標線を表
し、その値が大きくなるに従って、表示される矩形Sが
画面の右側にずれていく。x軸は、画面の上端が”0”
で、下端が”320”に設定され、その間が等分割され
ている。
【0089】この場合、対称歪みDs =[f(x)−g
(x)]/2をグラフ化すると、図15に示すようにな
り、また、非対称歪みDu =[f(x)+g(x)]/
2をグラフ化すると、図16に示すようなる。ここで、
x座標を例えば8区間に分割し、各区間内の対称歪みD
s 及び非対称歪みDu を2次関数(スプライン関数:基
本波形)で近似する。この近似は、各区間の境界におい
て滑らかに連続するという条件のもとに、最小2乗法に
よって行なわれる。その結果、各区間内の対称歪み及び
非対象歪みを表す2次関数の係数が決定する。
【0090】例えば、図15に示す対称歪みDs の場
合、各区間において0から1まで変化するxの2次関数 Y=(A−512)x2 +(B−512)x+C (12) の各係数A、B、Cが、各区間において次の表に示すよ
うにように求められた。
【0091】 表−1 A B C 第1区間 458 499 661 第2区間 536 391 594 第3区間 541 438 496 第4区間 519 497 451 第5区間 488 510 443 第6区間 561 463 418 第7区間 525 561 418 第8区間 488 587 480 このような係数で特定される各区間の2次関数(スプラ
イン関数)の重ね合わせにて表現されるスプライン曲線
SPs は、図15に示すようになる。即ち、このスプラ
イン曲線SPs にて対称歪みDs を表す曲線が近似され
る。
【0092】また、図16に示す非対称歪みDu の場
合、各区間において0から1まで変化するxの2次関数 Y=(A−512)x2 +(B−512)x+C (13) の各係数A、B、Cが、各区間において次の表に示すよ
うにように求められた。
【0093】 表−2 A B C 第1区間 499 515 712 第2区間 501 490 702 第3区間 516 467 669 第4区間 503 475 627 第5区間 516 457 581 第6区間 496 466 531 第7区間 527 435 470 第8区間 498 465 407 このような係数で特定される各区間の2次関数(スプラ
イン関数)の重ね合わせにて表現されるスプライン曲線
SPu は、図16に示すようになる。即ち、このスプラ
イン曲線SPu にて非対称歪みDu を表す曲線が近似さ
れる。
【0094】なお、上記2次関数において、各係数A、
Bから定数”512”を引いている。これは、実際の演
算器において負の数の掛け算を避けるための対策であ
る。上記各係数A、B、C(表−1及び表−2参照)が
画面上に表示された矩形Sの左右の直線の歪み(水平方
向の歪み)を表す歪み特性データ(歪み特性ベクトル)
としてデータ格納ユニット24に格納される。
【0095】上記と同様の処理により矩形Sの上下の直
線の歪み(垂直方向の歪み)を表す歪み特性データを得
ることができる。また更に、前述した画面上に表示され
る画像の垂直リニアリティ(図27参照)も上述した手
法にて補正することが可能である。
【0096】ディスプレイ装置10の画面10a上に水
平方向に延びる直線を等間隔で表示しようとしても、外
側での間隔が広くなってしまう現象(垂直リニアリティ
の劣化)が発生する。この現象が垂直リニアリティの劣
化である。この垂直リニアリティを補正するため、例え
ば図27に示すように、水平方向に延びるn本の直線を
表示画面上に等間隔となるように表示し、その直線をテ
レビカメラ20で撮影する。そして、その撮影によって
得られた画像(メモリユニット23に展開)から各直線
(m番目とm+1番目)の間隔F(m)を算出する。
【0097】この各直線の間隔F(m)が得られると、
その間隔を累積加算して得られる各直線の位置に対応し
た垂直走査位置G(x)が次のように定義される。
【0098】
【数8】
【0099】ここで、xは、垂直方向の位置で時間に相
当するパラメータである。また、垂直走査位置の鋸波成
分H(x)は、
【0100】
【数9】
【0101】で表される。この鋸波成分H(x)は[G
(n)−G(0)]/nの等間隔で形成される直線の時
刻xでの垂直方向の位置に対応するものである。上記垂
直走査位置G(x)と鋸波成分H(x)は、例えば、図
17に示すようにグラフ化される。
【0102】歪みデータ(垂直リニアリティの劣化を表
す情報)として、上記垂直走査位置G(x)と鋸波成分
H(x)との差に対応した関数D D=[G(x)−H(x)]*κ (16) が定義される。なお、κは補正係数である。このように
定義された歪みデータDは、例えば、図18に示すよう
にグラフ化される。
【0103】ここで、上記と同様にx座標が例えば8区
間に分割され、各区間内の歪みデータDが2次関数(ス
プライン関数:基本波形)で近似される。この近似は、
各区間の境界において滑らかに連続するという条件のも
とに、最小2乗法によって行なわれる。その結果、各区
間内の歪みを表す2次関数の係数が決定する。
【0104】例えば、図19に示す歪みデータD(一点
鎖線)の場合、各区間において0から1まで変化するx
の2次関数 Y=(A−512)x2 +(B−512)x+C (17) の各係数A、B、Cが、各区間において次の表に示すよ
うにように求められた。
【0105】 表−3 A B C 第1区間 607 247 512 第2区間 587 436 342 第3区間 550 587 342 第4区間 502 663 454 第5区間 533 643 595 第6区間 426 685 747 第7区間 440 513 834 第8区間 403 370 764 このような係数で特定される各区間の2次関数(スプラ
イン関数)の重ね合わせにて表現されるスプライン曲線
SPは、図19に示すようになる(細線)。即ち、この
スプライン曲線SPにて歪みDを表す曲線が近似され
る。
【0106】上記各係数A、B、C(表−3参照)が画
面上に表示された各直線の垂直リニアリティの劣化(歪
み)を表す歪み特性データ(歪み特性ベクトル)として
データ格納ユニット24に格納される。上記のようにし
てデータ格納ユニット24に格納された各ディスプレイ
装置から抽出された歪み特性データがデータ書き込みユ
ニット25(図5参照)に供給され、その歪み特性デー
タがデータ書き込みユニット25によってディスプレイ
装置10内の記憶素子に補正用データとして格納され
る。
【0107】このディスプレイ装置10の機能的な構成
は、例えば、図20に示すようになっている。図20に
おいて、ディスプレイ装置10は、歪み特性格納部3
1、歪み曲線制限部32、歪み補正制御部33、駆動回
路34及びCRT50を有している。歪み特性格納部3
1は、EEPROM等の不揮発性の記憶素子で構成さ
れ、この歪み特性格納部31には上述したように得られ
た当該ディスプレイ装置の歪み特性データが格納され
る。歪み曲線再現部32は、上記歪み特性データを得る
ために用いた基本歪みベクトル(基本波形)に関する情
報を有しており、この基本歪みベクトルを用いて入力さ
れた歪み特性データから歪み曲線を近似的に再現する。
【0108】また、歪み補正制御部33は、歪み曲線再
現部32にて再現された歪み曲線に基づいて当該歪み曲
線で記述される歪みを打ち消すための補正制御信号を発
生する。そして、この補正制御信号に従って駆動回路3
4がCRT50の偏向制御(水平偏向、垂直偏向)を行
なう。
【0109】上記歪み特性データを得るための基本歪み
ベクトルとしてK個の関数を用いた場合、歪み曲線再現
部32及び歪み補正制御部33では、次のような処理が
行なわれる。歪み特性データのK個の成分のそれぞれが
K個の関数のうちの対応する関数に乗ぜられ、その乗算
結果が順次加算される。その結果、歪み曲線を表す歪み
関数(歪みベクトル((3)式)に相当)が得られる。
そして、得られた歪み関数の変数を所定間隔で変化させ
てN個の歪み関数値を得る。このN個の歪み関数値にて
表される歪みを打ち消すような補正制御制御信号が発生
される。
【0110】上記基本歪みベクトルとして用いる関数が
Bスプライン関数の場合、歪み特性データのK個の成分
のそれぞれがK個のBスプライン関数のうち対応するB
スプライン関数に乗ぜられ、その乗算結果を順次加算す
ることによって得られる多区分多項式の係数を算出する
(多区分多項式係数算出)。そして、この係数にて特定
される多区分多項式の変数を所定間隔で変化させてN個
の値を得る(多区分多項式関数値算出)。このN個の値
で表される歪みを打ち消すような補正制御信号が発生さ
れる。
【0111】上記基本歪みベクトルとして用いる関数が
べき関数の場合、変数を一定間隔毎に変化させながら各
べき関数の値を算出し、その各値に歪みデータのK個の
成分のうちの対応するものが乗ぜられ、その乗算結果を
順次加算してその加算値を出力する(多項式関数値算
出)。変数を一定間隔毎に変化させながら上記処理をN
回繰り返し、そのN個の数値が表す歪みを打ち消すよう
な補正制御信号が発生される。
【0112】なお、歪みベクトルをフーリエ変換したと
きの低次のK個のフーリエ係数を歪み特性として抽出し
た場合、K個の成分(フーリエ係数)からなる歪み特性
データに逆フーリエ変換を施す(逆フーリエ変換)。そ
して、逆フーリエ変換処理の結果得られた数値にて表さ
れる歪みを打ち消すような補正制御信号が発生される。
なお、この場合、特に、基本歪みベクトルに関する情報
は必要とされない。
【0113】ディスプレイ装置10の更に詳細な構成に
ついて説明する。ディスプレイ装置10は、例えば、図
21に示すように構成されている。なお、この例では、
歪み特性データとして、前述した対象歪み、非対象歪み
及び垂直リニアリティの歪みを表すデータが用いられ、
それらの歪みを補正する。
【0114】図21において、電子線の水平方向の偏向
制御を行なうための水平偏向コイル110と電子線の垂
直方向の偏向制御を行なうための垂直偏向コイル120
とがCRT50に設けられている。また、ビデオ信号
(VIDEO)がビデオアンプ100を介してCRT5
0の電子銃に印加するようになっている。
【0115】水平偏向コイル110に対して水平位置調
整回路101及び水平偏向回路102が設けられ、これ
らの水平位置調整回路101及び水平偏向回路102か
ら制御電流が水平偏向コイル110に供給されるように
なっている。垂直偏向コイル120に対して垂直位置調
整回路103及び垂直偏向回路104が設けられ、これ
らの垂直位置調整回路103及び垂直偏向回路104か
ら制御電流が垂直偏向コイル120に供給されるように
なっている。上記水平位置調整回路101及び水平偏向
回路102は水平同期信号HSに同期して動作し、垂直
位置調整回路103及び垂直偏向回路104は垂直同期
信号VSに同期して動作する。
【0116】上記水平位置調整回路101、水平偏向回
路102、垂直位置調整回路103及び垂直偏向回路1
04は、図20に示す駆動回路34に相当する。このデ
ィスプレイ装置10は、更に、補正回路200を有して
いる。この補正回路200は、前もって抽出された歪み
特性データに基づいて、CRT50の水平方向の対象歪
み及び非対象歪み、垂直方向の対象歪み及び非対象歪
み、及び垂直リニアリティの歪みを補正するための補正
制御信号を生成する。具体的には、水平偏向回路102
に供給すべき水平サイズ制御信号、水平位置調整回路
101に供給すべき水平位置制御信号、垂直偏向回路
104に供給すべき垂直偏向制御信号及び垂直サイズ
制御信号、及び垂直位置調整回路103に供給すべき
垂直位置制御信号を生成する。
この補正回路200は、図20に示す歪み特性格
納部31、歪み曲線再現部32及び歪み補正制御部33
の機能を有し、例えば、図22に示すように構成されて
いる。
【0117】図22において、補正回路200は、EE
PROM210、制御ユニット220、データ設定回路
230a、230b,230c、240a、240b、
演算回路250、アナログ出力回路260a、260
b、270、280a、280bを有している。EEP
ROM210は、ディスプレイ装置10の製造工場の画
像調整工程にて書き込まれた歪み特性データを保持して
いる。この歪み特性データは、水平方向の対称歪みDs
を表すスプライン曲線SPs (図15参照)を特定する
ための係数A、B、C(前記表−1参照)、水平方向の
非対称歪みDu を表すスプライン曲線SPu (図16参
照)を特定するための係数A、B、C(前記表−2参
照)、同様に垂直方向の対称歪み及び非対称歪みを表す
各スプライン関数を特定するための係数(A、B、
C)、及び垂直リニアリティの歪みDを表すスプライン
曲線SP(図19参照)を特定するための係数A、B、
C(前記表−3参照)が用いられる。
【0118】制御ユニット220は、一般的なマイクロ
コンピュータシステムで構成され、EEPROM210
から上記各方向の歪み特性データとしての各係数を読み
だして所定のタイミングで出力する。また、制御ユニッ
ト220は、図15、図16及び図19に示すような各
区分の先頭位置のタイミングで後述するカウンタに設定
すべき初期値(例えば、”0”)を出力する。
【0119】データ設定回路230aには、水平方向の
対称歪みの補正に必要なデータが設定され、データ設定
回路230bには、水平方向の非対称歪みの補正に必要
なデータが設定され、データ設定回路230cは、垂直
リニアリティ歪みの補正に必要なデータが設定される。
また、データ設定回路240aには、垂直方向の対称歪
みの補正に必要なデータが設定され、データ設定回路2
40bには、垂直方向の非対称歪みの補正に必要なデー
タが設定される。また、この補正回路200は、水平同
期信号HSに基づいて所定のクロック信号CLKを生成
するクロック生成回路201を備えており、上記各デー
タ設定回路230a、230b、230c、230dに
当該クロック信号CLKが供給されている。
【0120】上記データ設定回路230a、230b及
び230cは、同様に構成され、カウンタ231、ラッ
チ回路232及びレジスタ233を有している。カウン
タ231は、制御ユニット220から所定のタイミング
で出力される初期値が設定されてから、上記クロック信
号CLKに同期してカウントアップしてゆく。このカウ
ンタ231のカウンタ値は、2次関数(スプライン関
数:(12)式、(13)式、(17)式参照)の変数
xの値(0から1まで)を表す。
【0121】ラッチ回路232は、カウンタ231のカ
ウント値を水平同期信号HSに同期してラッチする。ま
た、レジスタ233は、制御ユニット220から所定の
タイミングで供給される各歪みを表す係数A、B、C
(歪み特性データ)を保持する。具体的には、データ設
定回路230aのレジスタ233には、水平方向の対称
歪みを表す係数A、B、C(表−1参照)が、データ設
定回路230bのレジスタ233には、水平方向の非対
称歪みを表す係数A、B、C(表−2参照)が、データ
設定回路230cのレジスタ233には、垂直リニアリ
ティの歪みを表す係数A、B、C(表−3)がそれぞれ
格納される。上記各係数は、各区間(図15、図16、
図19参照)の先頭位置を表すタイミングで更新される
(表−1乃至表−3参照)。
【0122】データ設定回路240a及び240bは同
様に構成され、それぞれ、カウンタ241、ラッチ回路
242及びレジスタ242を有している。カウンタ24
1は、制御ユニット220から所定のタイミングで出力
される初期値が設定されてから、上記クロック信号CL
Kに同期してカウントアップしてゆく。このカウンタ2
31のカウンタ値は、上記各カウンタ231と同様に、
2次関数(スプライン関数の変数xの値(0から1ま
で)を表す。
【0123】ラッチ回路242は、水平同期信号HSに
同期する上記各ラッチ回路232と異なり、カウンタ2
41のカウント値を上記クロック信号CLKに同期して
ラッチする。また、レジスタ243は、制御ユニット2
20から所定のタイミングで供給される各歪みを表す係
数A、B、C(歪み特性データ)を保持する。具体的に
は、データ設定回路240aのレジスタ243には、垂
直方向の対称歪みを表す係数A、B、Cが、データ設定
回路240bのレジスタ243には、垂直方向の非対称
歪みを表す係数A、B、Cがそれぞれ格納される。
【0124】演算回路250は、上記各データ設定回路
230a、230b、230c、240a、240bの
レジスタ233及び243にセットされた係数A、B、
C及びラッチ回路231にセットされたx値を用いて歪
みデータYを Y=(A−512)x2 +(B−512)x+C (18) に従って演算する。この演算回路250は、乗算器、加
算器、セレクタ回路等を備え、セレクタ回路で選択され
た各歪みを表す係数A、B、Cとx値を用いて、上記計
算を時分割にて行なう。
【0125】アナログ出力回路260a及び260bは
それぞれ同様に構成され、ラッチ回路261、デジタル
−アナログ変換器262、パラボラ波出力回路263、
鋸波出力回路264、加算回路265を有している。ラ
ッチ回路261は、水平同期信号HSに同期して演算回
路250にて演算された歪みデータ値Yをラッチする。
具体的には、アナログ出力回路260aのラッチ回路2
61には、水平方向の対称歪みを表す歪みデータ値Y
が、アナログ出力回路260bのラッチ回路261に
は、水平方向の非対称歪みを表す歪みデータ値Yがそれ
ぞれラッチされる。なお、表示エリア内でのデータの変
化を避けるため、各ラッチ回路261内のデータは水平
同期信号HS、垂直同期信号VSの帰線中に変化させ
る。
【0126】デジタル−アナログ変換器262は、ラッ
チ回路261にラッチされた歪みデータ値Yをクロック
信号CLKに同期してアナログ信号(制御信号)に変換
する。このアナログ−デジタル変換器262から出力さ
れるアナログ信号(制御信号)は、当該歪みデータ値に
対応した歪み(図15、図16参照)を打ち消すように
水平偏向コイル110に作用するようなレベルとなる。
【0127】パラボラ波出力回路263及び鋸波出力回
路264は、従来の装置と同様に、水平方向の歪み(図
12参照)を補正するための制御信号を出力する。この
制御信号は、原則的に、図5図に示すように、表示画面
にテストパターン(矩形等)を表示させてそれをテレビ
カメラで撮影する際のレベルと同レベル(初期調整状
態)のものとなる。
【0128】加算回路265は、デジタル−アナログ変
換器262からのアナログ信号(補正制御信号)とパラ
ボラ波出力回路263及び鋸波出力回路264からの各
補正制御信号を基本となる水平方向の制御信号(図示せ
ず)に重畳して出力する。そして、アナログ出力回路2
60aの加算回路265からの出力信号が、水平サイズ
制御信号として水平偏向回路102(図21参照)に
供給され、また、アナログ出力回路260bの加算回路
265からの出力信号が、水平位置制御信号として水
平位置調整回路101に供給される。
【0129】アナログ出力回路270は、ラッチ回路2
71、デジタル−アナログ変換器271、S字補正回路
273、C字補正回路274及び加算回路275を有し
ている。ラッチ回路271及びデジタル−アナログ変換
器271は、上述した各アナログ出力回路260a、2
60bのものと同様の構成となっている。即ち、ラッチ
回路271は、演算回路250から出力される垂直リニ
アリティ歪みを表す歪みデータ値Yを水平同期信号HS
に同期してラッチする。そして、デジタル−アナログ変
換器272がラッチ回路271にラッチされた歪みデー
タ値Yをアナログ信号(制御信号)に変換する。この場
合も、このアナログ信号は、歪みデータ値Yに対応した
歪み(図19参照)を打ち消すように垂直偏向コイル1
20に作用するようなレベルとなる。
【0130】S字補正回路273及びC字補正回路27
4は、従来の装置と同様に、垂直リニアリティ歪み(図
27参照)を補正するための制御信号を出力する。この
制御信号は、原則的に、図5図に示すように、表示画面
にテストパターン(矩形等)を表示させてそれをテレビ
カメラで撮影する際のレベルと同レベル(初期調整状
態)のものとなる。
【0131】加算回路275は、デジタル−アナログ変
換器262からのアナログ信号(補正制御信号)とS字
補正回路273及びC字補正回路274からの各補正制
御信号を基本となる垂直方向の制御信号(図示せず)に
重畳して出力する。そして、加算回路275からの出力
信号が、垂直偏向制御信号として垂直偏向回路104
(図21参照)に供給される。
【0132】アナログ出力回路280a及び280bは
それぞれ同様に構成され、ラッチ回路281、デジタル
−アナログ変換器282、パラボラ波出力回路283、
鋸波出力回路284及び加算回路285を有している。
ラッチ回路281は、水平同期信号HSに同期して動作
する上記各ラッチ回路261、271と異なり、クロッ
ク信号CLKに同期して演算回路250からの歪みデー
タ値Yをラッチする。具体的には、アナログ出力回路2
80aのラッチ回路281には、垂直方向の対称歪みを
表す歪みデータ値Yが、アナログ出力回路280bのラ
ッチ回路281には、垂直方向の非対称歪みを表す歪み
データ値Yがそれぞれラッチされる。
【0133】デジタル−アナログ変換器282、パラボ
ラ波出力回路283、鋸波出力回路284及び加算回路
285は、上記アナログ出力回路260a及び260b
のものと同様の構成となっている。そして、アナログ出
力回路280aの加算回路285からの出力信号は、垂
直サイズ制御信号として垂直偏向回路104に供給さ
れ、また、アナログ出力回路280bの加算回路285
からの出力信号は、垂直位置制御信号として垂直位置
調整回路103に供給される。
【0134】上記のようなディスプレイ装置10の例で
は、製造工場(画像調整工程)において、当該ディスプ
レイ装置10の表示画面に表示されたテストパターンか
ら得られる画像歪みがスプライン関数で近似され、その
スプライン関数を特定するための係数A、B、Cがディ
スプレイ装置10のEEPROM210に保存される。
そして、CRT50の画面上に実際に画像を表示するに
際して、上記EEPROM210に保存した係数A、
B、Cから各歪みに対応したスプライン関数値を再現
し、その値に基づいて生成された各画像歪みを打ち消す
ような補正制御信号が水平偏向及び垂直偏向に係る制御
信号に重畳される。その結果、画面上には各歪み(図1
2、図27参照)の除去された画像が表示される。
【0135】上記補正回路200は、例えば、図23に
示すようにも構成できる。この例は、EEPROM21
0に格納された歪みを表すスプライン関数の各係数にを
用いて制御ユニット220’(マイクロコンピュータシ
ステム)が歪みデータ値Yを演算する。そして、この歪
みデータ値YがRAM(記憶素子)290に保存され
る。そして、各ライン毎にRAM290に保存された歪
みデータ値Yが読みだされて、対応するアナログ出力回
路に供給される。なお、図23には、垂直偏向制御信号
を生成するためのアナログ出力回路270しか示され
てい。しかし、実際には、図22と同様に、水平サイズ
制御信号、水平位置制御信号、垂直サイズ制御信号
及び垂直位置制御信号を生成するためのアナログ出
力回路260a、260b、280a、280bもRA
M290に接続されており、対応する歪みデータ値Yが
RAM290から各アナログ出力回路260a、260
b、280a、280bに供給されるようになってい
る。
【0136】このように、RAM290を用いた場合に
は、補正回路200の構成を簡略化することができる。
【0137】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1乃至
7記載の発明によれば、付加情報を記憶しておくことに
より、歪み情報を近似的再現することができる。そし
て、基本情報を適当に選択することにより、より少ない
付加情報でその歪み情報を近似することができる。従っ
て、できるだけ少ない情報量で精度の良い表示画像の歪
み補正ができるようなディスプレイ装置の表示画像歪み
の補正方法を提供することができる。
【0138】また、請求項8乃至14記載の発明によれ
ば、上記補正方法に用いることのできる歪み検出装置を
提供することができる。更に、請求項15乃至18記載
の発明によれば、上記方法に用いることのできる歪み補
正装置を提供することができる。。
【0139】更にまた、請求項19乃至22記載の発明
によれば、上記のような歪み補正装置を備えたディスプ
レイ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】歪み特性を得るための手順を示すフローチャー
トである。
【図2】歪み補正を行なう手順を示すフローチャートで
ある。
【図3】歪み曲線と歪み補正波形とを示す図である。
【図4】スプライン関数を定義するための小区間の節点
を示す図である。
【図5】ディスプレイ装置の画面上に表示されたテスト
パターンの歪みを検出するためのシステムの構成を示す
ブロック図である。
【図6】歪み特性を抽出するための手順を示すフローチ
ャートである。
【図7】図6に示す画像処理の具体的な手順を示すフロ
ーチャートである。
【図8】図6に示す歪みベクトル抽出処理の具体的な手
順を示すフローチャートである。
【図9】図6に示す歪み特性抽出処理の具体的な手順を
示すフローチャートである。
【図10】歪み特性抽出処理の具体的な手順の他の例を
示すフローチャートである。
【図11】図8に示す黒点検出の処理を説明するための
図である。
【図12】水平方向の基本的な歪みを表す関数を説明す
るための図である。
【図13】矩形テストパターンの左側ラインを表す関数
をグラフ化して示す図である。
【図14】矩形テストパターンの右側ラインを表す関数
をグラフ化して示す図である。
【図15】対称歪みをグラフ化して示す図である。
【図16】非対称歪みをグラフ化して示す図である。
【図17】ディスプレイ装置の垂直リニアリティを表現
するために用いられる垂直走査位置を表す関数及び鋸波
成分を表す関数をグラフ化して示す図である。
【図18】垂直リニアリティ歪みを表す関数をグラフ化
して示す図である。
【図19】垂直リニアリティ歪みを表す関数、その関数
を近似的に表現したスプライン関数及び、補正後の垂直
リニアリティ歪みを表す関数をそれぞれグラフかして示
す図である。
【図20】ディスプレイ装置の機能的な構成を示すブロ
ック図である。
【図21】ディスプレイ装置の具体的な構成を示す図で
ある。
【図22】図21の補正回路の具体的な構成例を示す図
である。
【図23】補正回路の具体的な他の構成例を示す図であ
る。
【図24】ディスプレイ装置の画面に表示された矩形画
像の歪みを示す図である。
【図25】CRTの構造と偏向の関係を示す図である。
【図26】水平方向の基本的な歪みの例を示す図であ
る。
【図27】垂直リニアリティ歪みを示す図である。
【図28】画面上に表示された歪んだ状態の直線の例を
示す図である。
【符号の説明】
10 ディスプレイ装置 20 テレビカメラ 21 画像信号生成回路 22 制御ユニット 23 メモリユニット 24 データ格納ユニット 25 データ書き込みユニット 31 歪み特性格納部 32 歪み曲線再現部 33 歪み補正制御部 34 駆動回路 50 CRT 100 ビデオアンプ 101 水平位置調整回路 102 水平偏向回路 103 垂直位置調整回路 104 垂直偏向回路 110 水平偏向コイル 120 垂直偏向コイル 200 補正回路 210 EEPROM 220 制御ユニット 230a、230b、230c、240a、240b
データ設定回路 250 演算回路 260a、260b、270、280a、280b ア
ナログ出力回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−149522(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/66 H04N 9/12 G09G 1/00 H04N 3/23 H04N 17/04

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の調整状態にあるディスプレイ装置に
    表示された所定のテストパターンを撮像手段にて撮影
    し、 該撮像手段にて得られた画像から当該テストパターンの
    歪みを表す歪み情報を抽出し、 抽出された歪み情報を既知となる複数の基本情報と該基
    本情報に結合する付加情報とで近似的に表した際の当該
    付加情報を歪み特性として抽出し、 該付加情報を記憶手段に記憶させ、 ディスプレイ装置に画像を表示する際に、該記憶手段に
    記憶された付加情報と上記既知となる複数の基本情報を
    用いて歪み情報を近似的に再現し、 その再現された歪み情報に基づいて当該歪みを打ち消す
    ようなディスプレイ装置の補正調整を行なうようにした
    ディスプレイ装置の表示画像歪みの補正方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のディスプレイ装置の表示画
    像歪みの補正方法において、 上記既知となる複数の基本情報として、複数のディスプ
    レイ装置に表示された当該所定のテストパターンから抽
    出された複数の歪み情報を主成分分析の手法を用いて処
    理した結果得られた固有ベクトルを用いたディスプレイ
    装置の表示画像歪みの補正方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のディスプレイ装置の表示画
    像歪みの補正方法において、 上記既知となる複数の基本情報として所定の関数系を用
    い、該関数系の各関数を重みを付けて線形に重ね合わせ
    ることによって当該歪み情報を近似的に表した際の当該
    付加情報となる重みを歪み特性として抽出するようにし
    たディスプレイ装置の表示画像歪みの補正方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載のディスプレイ装置の表示画
    像歪みの補正方法において、 上記関数系の各関数としてBスプライン関数を用い、複
    数のBスプライン関数を線形に重ね合わせることによっ
    て当該歪み情報をスプライン曲線にて近似的に表した際
    の当該各Bスプライン関数の係数値を歪み特性として抽
    出するようにしたディスプレイ装置の表示画像歪みの補
    正方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載のディスプレイ装置の表示画
    像歪みの補正方法において、 上記歪み情報をフーリエ級数で近似的に表した際のフー
    リエ級数各項に対する付加情報としての係数値を歪み特
    性として抽出するようにしたディスプレイ装置の表示画
    像歪みの補正方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5いずれか記載のディスプレ
    イ装置の表示画像歪みの補正方法において、 矩形のテストパターンの左右のラインを表す式の差及び
    和に対応した情報、及び上下のラインを表す式の差及び
    和に対応した情報を歪み情報として抽出するようにした
    ディスプレイ装置の表示画像歪みの補正方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5いずれか記載のディスプレ
    イ装置の表示画像歪みの補正方法において、 等間隔となるように画面上に表示された水平方向に延び
    る複数の直線をテストパターンとし、実際に観測された
    各直線の間隔から求められる各直線の画面上垂直方向の
    位置を表す式と、等間隔に配列されたとした場合の各直
    線の画面上垂直方向の位置を表す式との差に対応した情
    報を歪み情報として抽出するようにしたディスプレイ装
    置の表示画像歪みの補正方法。
  8. 【請求項8】ディスプレイ装置の画面表示される画像の
    歪みを検出する歪み検出装置において、 所定の調整状態にあるディスプレイ装置に表示された所
    定のテストパターンを撮影する撮像手段と、 該撮像手段にて得られた画像から当該テストパターンの
    歪みを表す歪み情報を抽出する歪み情報抽出手段と、 抽出された歪み情報を既知となる複数の基本情報と該基
    本情報に結合する付加情報とで近似的に表した際の当該
    付加情報を歪み特性として抽出する歪み特性抽出手段と
    を有し、当該歪み特性としての付加情報を検出結果とし
    て出力するようにした歪み検出装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の歪み検出装置において、 更に、複数のディスプレイ装置に表示された当該所定の
    テストパターンから抽出された複数の歪み情報を主成分
    分析の手法を用いて処理して固有ベクトルを算出する手
    段を有し、該固有ベクトルを歪み情報を表すための基本
    情報として用いるようにした歪み検出装置。
  10. 【請求項10】請求項8記載の歪み検出装置において、 上記歪み特性抽出手段は、上記既知となる複数の基本情
    報として所定の関数系を用い、該関数系の各関数を重み
    を付けて線形に重ね合わせることによって当該歪み情報
    を近似的に表した際の当該付加情報となる重みを歪み特
    性として抽出するようにした歪み検出装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の歪み検出装置におい
    て、 上記歪み特性抽出手段は、上記関数系の各関数としてB
    スプライン関数を用い、複数のBスプライン関数を線形
    に重ね合わせることによって当該歪み情報をスプライン
    曲線にて近似的に表した際の当該各Bスプライン関数の
    係数値を歪み特性として抽出するようにした歪み検出装
    置。
  12. 【請求項12】請求項8記載の歪み検出装置において、 上記歪み特性抽出手段は、上記歪み情報をフーリエ級数
    で近似的に表した際のフーリエ級数各項に対する付加情
    報としての係数値を歪み特性として抽出するようにした
    歪み検出装置。
  13. 【請求項13】請求項8乃至12いずれか記載の歪み検
    出装置において、 上記歪み情報抽出手段は、矩形のテストパターンの左右
    のラインを表す式の差及び和に対応した情報、及び上下
    のラインを表す式の差及び和に対応した情報を歪み情報
    として抽出するようにした歪み検出装置。
  14. 【請求項14】請求項8乃至12いずれか記載の歪み検
    出装置において、 上記歪み情報抽出手段は、等間隔となるように画面上に
    表示された水平方向に延びる複数の直線をテストパター
    ンとし、実際に観測された各直線の間隔から求められる
    各直線の画面上垂直方向の位置を表す式と、等間隔に配
    列されたとした場合の各直線の画面上垂直方向の位置を
    表す式との差に対応した情報を歪み情報として抽出する
    ようにした歪み検出装置。
  15. 【請求項15】ディスプレイ装置の画面上に表示された
    画像を補正する歪み補正装置において、 所定の調整状態にあるディスプレイ装置に表示された所
    定のテストパターンを撮像手段にて撮影し、該撮像手段
    にて得られた画像から当該テストパターンの歪みを表す
    歪み情報を抽出し、抽出された歪み情報を既知となる複
    数の基本情報と該基本情報に結合する付加情報とで近似
    的に表した際に得られる当該付加情報を歪み特性として
    記憶する記憶手段と、 ディスプレイ装置に画像を表示する際に、該記憶手段に
    記憶された付加情報と上記既知となる複数の基本情報を
    用いて歪み情報を近似的に再現する歪み情報再現手段
    と、 該歪み再現手段にて再現された歪み情報に基づいて当該
    歪みを打ち消すようなディスプレイ装置の補正調整を行
    なう調整手段とを有する歪み補正装置。
  16. 【請求項16】請求項15記載の歪み補正装置におい
    て、 上記既知となる複数の基本情報として所定の関数系が用
    いられ、該関数系の各関数を重みを付けて線形に重ね合
    わせることによって当該歪み情報を近似的に表した際の
    当該付加情報となる重みを歪み特性として記憶手段が記
    憶し、 上記歪み情報再現手段は、記憶手段に記憶された歪み特
    性としての重みを用いて当該関数系の各関数を線形に重
    ね合わせる演算手段を有し、該演算手段での演算結果を
    近似的に再現された歪み情報とした歪み補正装置。
  17. 【請求項17】請求項16記載の歪み補正装置におい
    て、 上記関数系の各関数としてBスプライン関数が用いら
    れ、複数のBスプライン関数を線形に重ね合わせること
    によって当該歪み情報をスプライン曲線にて近似的に表
    した際の当該各Bスプライン関数の係数値を歪み特性と
    して記憶手段が記憶し、 上記演算手段は、記憶手段に記憶された歪み特性として
    の係数値と各Bスプライン関数とに基づいて歪み情報を
    近似的に表すスプライン曲線上の各点の値を演算する手
    段を有する歪み補正装置。
  18. 【請求項18】請求項15記載の歪み補正装置におい
    て、 上記歪み情報をフーリエ級数で近似的に表した際のフー
    リエ級数各項に対する付加情報としての係数値を歪み特
    性として記憶手段が記憶し、 上記歪み情報再現手段は、記憶手段に記憶した歪み特性
    としての係数値を用いて逆フーリエ変換を行なう演算手
    段を有し、該演算手段での演算結果を近似的に再現され
    た歪み情報とした歪み補正装置。
  19. 【請求項19】電子線の管面上での走査によって画像を
    表示する表示管と、該電子線を制御信号に基づいて表示
    管の管面上で走査させる偏向ユニットとを有するディス
    プレイ装置において、 該偏向ユニットを所定の制御状態にして表示管の管面上
    に表示された所定のテストパターンを撮像手段にて撮影
    し、該撮像手段にて得られた画像から当該テストパター
    ンの歪みを表す歪み情報を抽出し、抽出された歪み情報
    を既知となる複数の基本情報と該基本情報に結合する付
    加情報とで近似的に表した際に得られる当該付加情報を
    歪み特性として記憶する記憶手段と、 表示管の管面上に画像を表示する際に、該記憶手段に記
    憶された付加情報と上記既知となる複数の基本情報を用
    いて歪み情報を近似的に再現する歪み情報再現手段と、 該歪み再現手段にて再現された歪み情報に基づいて当該
    歪みを打ち消すような補正制御信号を偏向ユニットに供
    給する補正制御手段とを有するディスプレイ装置。
  20. 【請求項20】請求項19記載のディスプレイ装置にお
    いて、 上記既知となる複数の基本情報として所定の関数系が用
    いられ、該関数系の各関数を重みを付けて線形に重ね合
    わせることによって当該歪み情報を近似的に表した際の
    当該付加情報となる重みを歪み特性として記憶手段が記
    憶し、 上記歪み情報再現手段は、記憶手段に記憶された歪み特
    性としての重みを用いて当該関数系の各関数を線形に重
    ね合わせる演算手段を有し、該演算手段での演算結果を
    近似的に再現された歪み情報として補正制御手段に供給
    するようにしたディスプレイ装置。
  21. 【請求項21】請求項20記載のディスプレイ装置にお
    いて、 上記関数系の各関数としてBスプライン関数が用いら
    れ、複数のBスプライン関数を線形に重ね合わせること
    によって当該歪み情報をスプライン曲線にて近似的に表
    した際の当該各Bスプライン関数の係数値を歪み特性と
    して記憶手段が記憶し、 上記演算手段は、記憶手段に記憶された歪み特性として
    の係数値と各Bスプライン関数とに基づいて歪み情報を
    近似的に表すスプライン曲線上の各点の値を演算する手
    段を有するディスプレイ装置。
  22. 【請求項22】請求項19記載の歪み補正装置におい
    て、 上記歪み情報をフーリエ級数で近似的に表した際のフー
    リエ級数各項に対する付加情報としての係数値を歪み特
    性として記憶手段が記憶し、 上記歪み情報再現手段は、記憶手段に記憶した歪み特性
    としての係数値を用いて逆フーリエ変換を行なう演算手
    段を有し、該演算手段での演算結果を近似的に再現され
    た歪み情報として補正制御手段に供給するようにしたデ
    ィスプレイ装置。
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