JP4747881B2 - 演算処理装置によるデータ変換方法、テクスチャの作成方法、プログラム、記録媒体、及びプロジェクタ。 - Google Patents
演算処理装置によるデータ変換方法、テクスチャの作成方法、プログラム、記録媒体、及びプロジェクタ。 Download PDFInfo
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Description
このような画像処理においては、リアルタイム性が要求されるため、従来、画像処理専用のICが用いられていた。
ところで、前述した専用ICや、汎用のGPUにおける画像処理では、複雑なデータ変換を高速に行うために、テーブル参照を用いたデータ変換が採用されることが多い。
この時、関数Fが簡単な形として書けるものであれば、その関数演算を直接に実行しても良い。しかし、関数Fが非常に複雑な形をしている場合、都度、関数演算を実行するには速度上の問題がある。また、それを直接ハードウェア化するためには、その回路規模の問題がある。
この表を作成する場合、N個の離散的な入力の選択方法として、等分割法と非等分割法がある。
等分割法は文字通り、可能な入力範囲を等しく分割し、そのそれぞれに対応する関数Fの値を持つものである。
この方法は表の参照が容易であり、また補間も容易である。しかし、関数Fの変化の複雑な部分の近似精度を上げるためには、より細かな分割が必要となり、全体として分割数の多い冗長な表になる可能性がある。
しかし、与えられた入力に対応する表内の位置を定めるには、何らかの工夫が必要であり、また、補間を行う場合も、より複雑な処理が必要となる。
画像処理を専用ICで行う場合には、これらの非等分割法の課題は大きな問題とはならないが、等分割法での参照機能しか持っていない汎用のGPUでは何らかの工夫が必要となる。
ピクセルの中間となるテクスチャ座標に対応するデータを読み出す場合は、その近傍のピクセル値を用いて、ハードウェア的に補間値が生成される。
つまり入力値に対応する変換値は、等分割に離散的に与えられた表の値から、補間値がハードウェア的に自動的に生成される。尚、この読み出し方法としては、最近傍データ値を用いる読み出し方法(NEAREST読み出し)と、近傍の複数のデータ値から線形補間を用いる読み出し方法(LINEAR読み出し)の2種が選択できるのが殆どである。
この誤差を少なくするためには、分割数を増やす、つまりデータを大きくして対応するしかない。
入力値を所定の関数により変換して出力値とするために、演算処理装置に入力された入力値を、テクスチャを参照して出力値に変換する演算処理装置によるデータ変換方法であって、
前記演算処理装置が、
M個のデータによりM−1個の区間に等分割された入力範囲と、Mよりも小さなN個のデータによりN−1個の区間に等分割された出力範囲とを、前記入力範囲におけるM個のデータからN個のデータを非等分割に選択して、前記出力範囲のN個のデータとの関連づけがされた第1のテクスチャを参照し、前記入力値を非等分割値に変換する第1のテクスチャ参照手順と、
前記N−1個の各区間における関数値を、前記関数を表す直交関数の0次成分及び1次成分により補間した第2のテクスチャを参照して、前記非等分割値の線形近似成分を生成する第2のテクスチャ参照手順と、
前記N−1個の各区間における前記直交関数の2次以上の成分の展開係数からなるテクスチャ群を補間した第3のテクスチャを参照して、前記非等分割値に応じた展開係数を生成する第3のテクスチャ参照手順と、
前記非等分割値の属する区間から前記直交関数の2次以上の成分の関数値を生成する関数値生成手順と、
前記第3のテクスチャ参照手順により生成された展開係数、及び前記関数値生成手順により生成された関数値の積を算出し、この結果を前記第2のテクスチャ参照手順により生成された線形近似成分に加算して出力する加算手順とを実行することを特徴とする。
また、求める関数を表す直交関数としては、多次元変数の関数を考えることができ、例えば、一次元変数の関数であれば、フーリエ変換、ルジャンドル多項式による変換、二次元変数の関数であれば離散コサイン変換(DCT)等が考えられる。
また、関数値生成手順では、直交関数の2次以上の成分から関数値を直接演算して生成してもよく、各テクスチャ群における直交関数の関数値を記憶した第4のテクスチャを参照して、LINEAR読み出し又はNEAREST読み出しにより生成してもよい。
従って、多段型で各テクスチャを参照するように構成することで、汎用のGPUであっても入力値の変換を本来の求める関数に応じた高精度の出力値を、高速に算出することができる。
ここで、ルジャンドル多項式は、次の式(1)で与えられる直交関数であり、式(1)における近似する際の多項式の次数nは、より大きくすれば大きくする程、精度を向上することができるが、3次程度とするのが好ましい。
特に、画像処理のように入力画像信号に対してγ補正や、輝度ムラ、色ムラ変換を行って出力画像信号とするような場合に好適である。
入力値を所定の関数により変換して出力値とするために、入力値を変換するに際して演算処理装置が参照するテクスチャを作成するテクスチャの作成方法であって、
入力範囲をM個のデータによりM−1個の区間に等分割するとともに、出力範囲をMよりも小さなN個のデータによりN−1個の区間に等分割し、入力範囲を各区間に分割するM個のデータの中からN個のデータを選択し、入力範囲で選択されたN個のデータと、出力範囲のN個のデータとの関連づけを行って第1のテクスチャを生成する第1のテクスチャ生成手順と、
前記N−1個の各区間を、前記関数を表す直交関数により展開する直交関数展開手順と、
前記N−1個の各区間を、前記直交関数の0次及び1次成分により補間して補間テクスチャを算出する補間テクスチャ算出手順と、
前記補間テクスチャにおける各区間が隣り合う境界部分での境界値を算出する境界値算出手順と、
算出された境界値に基づいて、互いに隣接する区間の境界部分での境界値の差が所定の閾値未満であるかを判定する閾値判定手順と、
所定の閾値以上と判定されたら、第1のテクスチャ生成手順から繰り返す再実行手順と、
所定の閾値未満と判定されたら、互いに隣接する区間の境界部分における各区間の境界値の平均値を算出する境界平均値算出手順と、
前記補間テクスチャの各区間における境界値を、前記境界平均値算出手順で算出された平均値に置き換えて第2のテクスチャを生成する第2のテクスチャ生成手順と、
前記補間テクスチャにおける各区間と、前記直交関数における2次以上の展開係数を関連づけて第3のテクスチャを生成する第3のテクスチャ生成手順と、
前記補間テクスチャにおける各区間と、前記直交関数の2次以上の成分の関数値を関連づけて第4のテクスチャを生成する第4のテクスチャ生成手順とからなることを特徴とする。
また、最初に得られた補間テクスチャにおいて、隣接する区間の境界部分における各区間の境界値がずれていた場合に、再実行手順により第1のテクスチャ生成手順から境界値算出手順を繰り返し、所定の閾値以内となったら、平均値をとって境界部分における境界値を決定しているので、各区間で求められた補間関数値の連続性を確保することができ、GPU等の演算処理装置で取り扱うことができる。
光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、この光変調素子で変調された光束を拡大投射する投射光学系と、前記画像情報を処理する画像処理装置とを備えたプロジェクタであって、
前記画像処理装置は、演算処理装置及び記憶装置を備え、
前記記憶装置には、
M個のデータによりM−1個の区間に等分割された入力範囲と、Mよりも小さなN個のデータによりN−1個の区間に等分割された出力範囲とを、入力範囲におけるM個のデータからN個のデータを非等分割に選択して、出力範囲のN個のデータとの関連づけがされた第1のテクスチャと、
前記第1のテクスチャの出力範囲の各区間における関数値を、前記関数を近似する直交関数の0次及び1次成分により補間した第2のテクスチャと、
前記第1のテクスチャの出力範囲の各区間における前記直交関数の2次以上の成分の展開係数からなるテクスチャ群を補間した第3のテクスチャとが記憶されていることを特徴とする。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の実施形態に係る投射型表示装置としてのプロジェクタ1が示されている。このプロジェクタ1は、光学装置2及び画像処理装置3を備えて構成される。
〔1〕光学装置2の構造
光学装置2は、光源ランプ21、集光レンズ、ミラー等の光学素子22、光変調素子としての3枚の液晶パネル23、クロスダイクロイックプリズム等の色合成光学素子24、及び投射レンズ25を備えて構成される。光源ランプ21から射出された光束は、光学素子22によって射出光の面内輝度分布の均一化、RGBの三色光の色分離が行われ、色光毎に各液晶パネル23に供給され、各液晶パネル23によって入力画像データに応じた変調が行われた後、色合成光学素子24によって各色が合成され、投射レンズ25によってスクリーンSC上に拡大投射される。
光学素子22は、照明光学素子221、ダイクロイックミラー222、223、及びミラー224を備えて構成される。
照明光学素子221は、光源ランプ21からの射出光の面内輝度分布を均一にして、被照明領域となる液晶パネル23の画像形成領域上で重畳する素子であり、複数の小レンズが平面的にマトリクス状に配列され、光源ランプ21からの照明光を複数の部分光束に分割するマルチレンズアレイや、マルチレンズアレイによって分割された部分光束を集光して液晶パネル23の画像形成領域上で重畳させる集光レンズ等を備えて構成される。
各液晶パネル23は、固定画素型の画像生成デバイスとして構成され、画像形成領域上に平面状に配置される複数の固定画素から構成されている。固定画素は、図示を略したが、一対の透明基板上に密閉封入された液晶に電圧を印加するTFT(Thin Filmed Transistor)をスイッチング素子とし、TFTのスイッチングにより各画素に印加される電圧が変化することにより、液晶の配向状態が変化することにより、入射光束を入力画像データに応じて変調することが可能となる。
色合成光学素子24は、平面視で略X字状に波長選択膜が形成された光学素子であり、各液晶パネル23で変調された光束は、この色合成光学素子24において合成されてカラー画像を形成する。
投射レンズ25は、液晶パネル23で変調された変調光束を、スクリーンSC上に拡大投射する光学部品であり、鏡筒内に配置される複数の組レンズから構成されている。
画像処理装置3は、画像信号入力端子4から入力された入力画像データに画像処理を施し、画像処理の結果に基づいて、表示素子駆動手段5により液晶パネル23を駆動して、入力画像データに応じた適切な画像を形成させるものである。
この画像処理装置3は、プロジェクタ1に内装されるメインボード上に実装されるGPU(Graphic Processing Unit)6及びメモリ7により構成されている。
GPU6は、画像信号入力端子4から入力された入力画像データ(入力値)に対して、色差データからRGBデータへの変換、表示サイズ変換、フレームレート変換、V−Tγ変換等の処理を行い、液晶パネル23で入力値に応じた適切な画像を形成させる部分である。
メモリ7は、GPU6上で実行される種々のソフトウェアの他、GPU6が入力値に対する出力値を読み出しする際に用いるテクスチャが記憶されている。
前述したGPU6は、図2に示されるように、プログラムとして実行される入力値取得手段61、スケーリング手段62、オフセット加算手段63、オフセット減算手段64、テクスチャLINEAR読み出し手段65、テクスチャNEAREST読み出し手段66、乗算手段67、加算手段68、及び出力手段69を備えて構成される。
また、前述したメモリ7には、GPU6で参照するための第1テクスチャ記憶手段71、第2テクスチャ記憶手段72、第3テクスチャ記憶手段73、及び第4テクスチャ記憶手段74が記憶領域の一部に確保されている。
スケーリング手段62は、ある入力範囲のデータが入力されると、スケーリング処理を行い、その範囲を拡大、縮小した結果を出力する。
オフセット加算手段63は、データが入力されると、その入力データに対して所定のオフセット値を加算してその結果を出力する。
オフセット減算手段64は、データが入力されると、その入力データに対して所定のオフセット値を減算してその結果を出力する。
テクスチャNEAREST読み出し手段66は、データが入力されると、それを座標値とし、メモリ7に格納されたテクスチャを参照し、入力座標値に最も近い座標値を持つデータを読み出し、その結果を出力する。
乗算手段67は、2つのデータが入力されると、各データの積を演算し、その結果を出力する。
加算手段68は、2つのデータが入力されると、各データの和を演算し、その結果を出力する。
出力手段69は、各手段で行われた最終的な演算結果を出力する。
第1テクスチャ記憶手段71には、等分割法でしか入力値を扱えないGPU6において、非等分割法で取り扱えるようにするデータが記憶されている。
一般に、GPU6は、図3に示されるように、ある関数F(X)を補間するには、関数F(X)の範囲をM個のピクセルで等分割し、各ピクセル間のM−1個の区間内を線形近似することにより、関数F(X)を補間している。このため、ある入力値に対して生成される補間値の精度を向上させるには、M個のピクセルを十分に大きくとるしかない。
一方、非等分割法により関数F(X)を補間するには、図4に示されるように、関数F(X)のカーブの急峻な部分は細かく、カーブのなだらかな部分は大きく区間幅を設定し、等分割の場合のM個よりも小さなN個のピクセルで分割し、N−1個の区間で線形近似することにより、等分割法よりもはるかに少ないデータでかつ高精度な補間値を得ることができる。
このため、第1テクスチャ記憶手段71には、M個のピクセルから選択されたN個のピクセルを、N個のピクセルで等分割された出力範囲に割り付けるテーブルが記憶されている。具体的には、第1テクスチャ記憶手段71には、図6に示されるように、M個のピクセルで等分割された入力範囲と、N個のピクセルで等分割された出力範囲とを対応させたテーブルが記憶されており、入力範囲におけるM個のピクセルから求める関数F(X)を近似するN個の非等分割のピクセルが選択され、N個の非等分割のピクセルと、出力範囲におけるN個のピクセルとが関連づけられている。
GPU6のテクスチャLINEAR読み出し手段65は、入力値Xが入力されると、第1テクスチャ記憶手段71を参照して非等分割値となる出力値Yを出力する。
入力値Xに対して関数F(X)により変換して出力値を求める際、本実施形態では、下記式(2)で与えられる直交関数としてのルジャンドル多項式による展開を行って出力値の変換を行っており、関数F(X)は、ルジャンドル多項式の線形和に変換される。尚、式(2)における次数nは、大きければ大きいほど近似精度が向上することとなるが、GPU6の演算処理への負荷や、高速な変換を考慮すると、3次程度でも十分である。
これは、複数の点を結ぶ複雑な曲線が3次のスプライン曲線で精度よく近似されることにも対応する。3次のスプライン曲線は、3次までのルジャンドル関数で、誤差無しに表現することが可能である。
そして、第2テクスチャ記憶手段72、第3テクスチャ記憶手段73、及び第4テクスチャ記憶手段74には、このルジャンドル多項式の各項に関するデータが記憶され、以下、各テクスチャ記憶手段に記憶されたデータについて詳述する。
テクスチャNEAREST読み出し手段66に、第1テクスチャ記憶手段71を参照して出力された値Yが入力されると、テクスチャNEAREST読み出し手段66は、N−1個の区間のうち、入力値Yが属する区間を選択し、その区間におけるルジャンドル多項式の2次成分、3次成分…、n次成分の各係数を出力値Cとして出力する。
テクスチャLINEAR読み出し手段65に、第1テクスチャ記憶手段71を参照して出力された値Yが入力されると、テクスチャLINEAR読み出し手段66は、図10に示されるように、N−1個の区間のうち、入力値Yが属する区間を選択し、選択された区間内を、第4テクスチャ記憶手段74におけるN−1個の区間に分割し、入力値Yが属する区間を選択して、その区間における2次成分、3次成分…、n次成分の関数値を線形補間によって求め、各成分の関数値を出力値Pとして出力する。
つまり、このように第4テクスチャ記憶手段74において、ルジャンドル多項式の2次以上の成分をN−1個の区間に分割しておき、これをLINEAR読み出しすることにより、第1テクスチャ記憶手段71を参照してN−1個の区間を、さらにN−1個の区間に分割することができるので、関数F(X)との誤差を一層少なくすることができる。
次に、前述したプロジェクタ1を構成する画像処理装置3の作用を、図11に示されるフローチャートに基づいて説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜のために、入力範囲を0〜1とする。
画像信号入力端子4を介してGPU6にRGB信号等の画像データが入力されると、この画像データは入力値取得手段61で取得され、スケーリング手段62は、入力範囲を0〜1−1/Mにスケーリングし、その値を入力値Xとして設定する(処理S1)。
オフセット加算手段63は、入力値Xにオフセット値1/(2M)を加算する(処理S2)。
テクスチャLINEAR読み出し手段65は、オフセット値が加算された入力値Xで第1テクスチャ記憶手段71に格納されたテクスチャをLINEAR読み出しして、M−1個の等分割区間内における入力値Xを、N―1個の等分割区間内の非等分割値Yに変換する(処理S3)。
オフセット減算手段64は、非等分割値Yからオフセット値1/(2N)を減算する(処理S5)。
スケーリング手段62は、非等分割値Yを(N/N+1)*frac((N+1)Y)にスケーリングしてその値をZとして出力する(処理S6)。尚、fracは、括弧内の小数部を取り出す処理である。
オフセット加算手段63は、値Zにオフセット値1/(2N)を加算する(処理S7)。
テクスチャLINEAR読み出し手段65は、値Zで第4テクスチャ記憶手段74に格納されたテクスチャをLINEAR読み出しして、関数値Pを求め、内部メモリ上にストアする(処理S9)。
乗算手段67は、内部メモリ上にストアされた係数値Cと、関数値Pの積を取り、加算手段68は、その値を前記の値SUMに加える(処理S10)。
処理S8からS10までの処理を全ての組について繰り返し(処理S11)、全ての組の処理が終了したら、出力手段69は、値SUMを出力値として出力する(処理S12)。
次に、第1テクスチャ記憶手段71、第2テクスチャ記憶手段72、第3テクスチャ記憶手段73、及び第4テクスチャ記憶手段74に格納された各テクスチャの作成方法を、図12に示されるフローチャートに基づいて説明する。
まず、入力範囲をM−1個の区間に等分割し、各点の座標をMiとする(i=0からM−1)(処理S13)。
次に、出力範囲をN−1個の区間に等分割し、各点の座標をNjとする(j=0からN−1)(処理S14)。
そして、入力範囲のM個のMiからN個の点(ピクセル)選択し(処理S15)、選択された点を出力範囲のN個の点と対応づけ、第1のテクスチャとする(処理S16)。
そして、Nj点の両側で隣接する区間の線形近似値の切片の差を求め(処理S19)、その差が所定の閾値以上であるかどうかを判定する(処理S20)。差が閾値以上である場合には、処理S15におけるN個の点の選択から再度実行する。
差が閾値未満と判定された場合、GPU6は、Nj点の両側に隣接する区間の線形近似値の切片の平均値を、その境界点の値とする(処理S21)。
次に、求めたNj点の値とNj点よりなるテクスチャを第2のテクスチャとする(処理S22)。
最後に、p次のルジャンドル多項式のNj点における関数値をNjと対応付け、それをp−2番目の第4のテクスチャとする(処理S24)。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前述した第1実施形態に係るGPU6では、ルジャンドル多項式の各次数の項の関数値を求めるに際しては、テクスチャLINEAR読み出し手段65により、第4テクスチャ記憶手段74に格納されたテクスチャを参照することにより、関数値の生成を行っていた。
これに対して、第2実施形態に係るGPU8は、図13に示されるように、ルジャンドル多項式計算手段81を備え、これにより直接関数値を求めている点が相違する。
このGPU8による作用は、図14に示されるように、基本的には第1実施形態と同様に、処理S1〜処理S8を実行するが、処理S7は省略され、処理S25に示されるように、関数値を算出する際には、値Zに基づいて各次数の関数値を直接計算して、その値をPとしている。
このような構成としても、GPU8による処理の高速化は損なわれることなく、かつ関数値を直接計算により求めているので、より精度が向上する。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前記実施形態では、プロジェクタ1に内蔵されるGPU6において本発明に係るデータ変換方法を実行していたが、これに限らず、汎用のコンピュータに内蔵されたGPUで本発明に係るデータ変換方法を実行できるようにしてもよい。
前記実施形態では、入力画像データを液晶パネル23に応じた画像データに変換するために本発明に係るデータ変換方法を採用していたが、これに限らず、通常の関数値を演算処理装置で求める際に、本発明に係るデータ変換方法を採用してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構成及び手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構成等としてもよい。
Claims (8)
- 入力値を所定の関数により変換して出力値とするために、演算処理装置に入力された入力値を、テクスチャを参照して出力値に変換する演算処理装置によるデータ変換方法であって、
前記演算処理装置が、
M個のデータによりM−1個の区間に等分割された入力範囲と、Mよりも小さなN個のデータによりN−1個の区間に等分割された出力範囲とを、前記入力範囲におけるM個のデータからN個のデータを非等分割に選択して、前記出力範囲のN個のデータとの関連づけがされた第1のテクスチャを参照し、前記入力値を非等分割値に変換する第1のテクスチャ参照手順と、
前記N−1個の各区間における関数値を、前記関数を表す直交関数の0次及び1次成分により補間した第2のテクスチャを参照して、前記非等分割値の線形近似成分を生成する第2のテクスチャ参照手順と、
前記N−1個の各区間における前記直交関数の2次以上の成分の展開係数からなるテクスチャ群を補間した第3のテクスチャを参照して、前記非等分割値に応じた展開係数を生成する第3のテクスチャ参照手順と、
前記非等分割値の属する区間から前記直交関数の2次以上の成分の関数値を生成する関数値生成手順と、
前記第3のテクスチャ参照手順により生成された展開係数、及び前記関数値生成手順により生成された関数値の積を算出し、この結果を前記第2のテクスチャ参照手順により生成された線形近似成分に加算して出力値とする加算手順とを実行することを特徴とする演算処理装置によるデータ変換方法。 - 請求項1に記載の演算処理装置によるデータ変換方法において、
前記関数値生成手順は、
前記各テクスチャ群における前記直交関数の関数値を記憶した第4のテクスチャを参照して関数値を生成することを特徴とする演算処理装置によるデータ変換方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の演算処理装置によるデータ変換方法において、
前記直交関数は、ルジャンドル多項式であることを特徴とする演算処理装置によるデータ変換方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の演算処理装置によるデータ変換方法において、
前記第3のテクスチャ参照はNEAREST読み出しで行なわれることを特徴とする演算処理装置によるデータ変換方法。 - 入力値を所定の関数により変換して出力値とするために、入力値を変換するに際して演算処理装置が参照するテクスチャを作成するテクスチャの作成方法であって、
入力範囲をM個のデータによりM−1個の区間に等分割するとともに、出力範囲をMよりも小さなN個のデータによりN−1個の区間に等分割し、入力範囲を各区間に分割するM個のデータの中からN個のデータを選択し、入力範囲で選択されたN個のデータと、出力範囲のN個のデータとの関連づけを行って第1のテクスチャを生成する第1のテクスチャ生成手順と、
前記N−1個の各区間を、前記関数を表す直交関数により展開する直交関数展開手順と、
前記N−1個の各区間を、前記直交関数の0次及び1次成分により補間して補間テクスチャを算出する補間テクスチャ算出手順と、
前記補間テクスチャにおける各区間が隣り合う境界部分での境界値を算出する境界値算出手順と、
算出された境界値に基づいて、互いに隣接する区間の境界部分での境界値の差が所定の閾値未満であるかを判定する閾値判定手順と、
所定の閾値以上と判定されたら、第1のテクスチャ生成手順から繰り返す再実行手順と、
所定の閾値未満と判定されたら、互いに隣接する区間の境界部分における各区間の境界値の平均値を算出する境界平均値算出手順と、
前記補間テクスチャの各区間における境界値を、前記境界平均値算出手順で算出された平均値に置き換えて第2のテクスチャを生成する第2のテクスチャ生成手順と、
前記補間テクスチャにおける各区間と、前記直交関数における2次以上の展開係数を関連づけて第3のテクスチャを生成する第3のテクスチャ生成手順と、
前記補間テクスチャにおける各区間と、前記直交関数の2次以上の成分の関数値を関連づけて第4のテクスチャを生成する第4のテクスチャ生成手順とからなることを特徴とするテクスチャの作成方法。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の演算処理装置によるデータ変換方法を構成する各手順を、コンピュータが実行することを特徴とするプログラム。
- 請求項6に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、この光変調素子で変調された光束を拡大投射する投射光学系と、前記画像情報を処理する画像処理装置とを備えたプロジェクタであって、
前記画像処理装置は、演算処理装置及び記憶装置を備え、
前記記憶装置には、
M個のデータによりM−1個の区間に等分割された入力範囲と、Mよりも小さなN個のデータによりN−1個の区間に等分割された出力範囲とを、入力範囲におけるM個のデータからN個のデータを非等分割に選択して、出力範囲のN個のデータとの関連づけがされた第1のテクスチャと、
前記N−1個の各区間における関数値を、前記関数を近似する直交関数の0次及び1次成分により補間した第2のテクスチャと、
前記N−1個の各区間における前記直交関数の2次以上の成分の展開係数からなるテクスチャ群を補間した第3のテクスチャとが記憶されていることを特徴とするプロジェクタ。
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