JP3392882B2 - 防振ゴムの製造方法 - Google Patents
防振ゴムの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、サスペンションブッ
シュ,エンジンマウント,エンジントルクロッド等に使
用される防振ゴムの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の内外筒間にゴム状弾性体を装着し
た防振ゴムでは、荷重方向に垂直なゴム状弾性体の部分
には大きな引張応力が発生し、耐久性上問題があった。
そこで、荷重方向に垂直な部分に貫通孔を形成して引張
応力が発生しにくいものが開発された。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】貫通孔を形成した従来
の防振ゴムにおいては、バネ特性が非線型となり、防振
性能上問題が生ずるおそれがあった。 【0004】そこで、この発明は、耐久性能を確保しつ
つ、バネ特性を線型に近づけた防振ゴムを容易に製造で
きる方法を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、貫通孔の大半が無負荷時に閉じるよう
に貫通孔個所のゴム状弾性体が部分的に接触し、一定以
上の荷重がかかる時に貫通孔が開くように構成した防振
ゴムの製造方法であって、内筒の外周にゴム状弾性体を
成形するとともにゴム状弾性体にスリット状の貫通孔を
形成した後、ゴム状弾性体の外周に射出成形により樹脂
製の外筒を形成すると同時にゴム状弾性体に作用する射
出圧力により貫通孔の大半を閉じさせるようにしたもの
である。 【0006】 【作用】この発明により製造された防振ゴムを所定の個
所に取付け、一定以上の荷重がかかったときに閉じられ
た貫通孔が開く。このため大きな引張応力がかかるのを
貫通孔の存在により抑止し、しかも初めから開いたまま
の貫通孔であると一定以上の荷重がかかったときに貫通
孔の間隙がつぶれ、それ以上の荷重がかかるとバネ特性
は非線型となるが、貫通孔を初めに閉じておけばバネ特
性を線型に近づけることができ、耐久性も向上する。 【0007】 【実施例】以下に、この発明の好適な実施例を図面を参
照にして説明する。 【0008】図1に示す防振ゴムは、外筒1の中心に内
筒2を配し、これら両筒1,2の間にゴム状弾性体3を
装着し、荷重方向にほぼ垂直な方向に沿ってゴム状弾性
体3に内筒2を挟んで対向するように貫通孔4を形成し
てある。貫通孔4の両端は貫通孔4の開口幅よりも広い
拡径部5に形成してある。貫通孔4はその両端に位置す
る拡径部5以外の個所が無負荷時に閉じるように貫通孔
4の個所のゴム状弾性体3が接触し、一定以上の荷重が
かかる時に貫通孔4が開くように形成してある。図1に
示す防振ゴムにおいて、内筒2に例えばエンジンを取付
け、外筒1をボディ側に取付けた時、内筒2に対し図面
上下方へ荷重が一定以上かかると上の貫通孔4が開く。
また振動が入力して内筒2が上下動すると、上下の貫通
孔4が閉じたり開いたりする。図1に示す防振ゴムでは
内筒2の上下2個所に貫通孔4を形成したが、いずれか
一方であってもよい。 【0009】図2に示す他の防振ゴムは、貫通孔4の形
成個所を異ならしめた例を示すものである。即ち、貫通
孔4は外筒1とゴム状弾性体3との間に形成される。図
2に示す例では、ゴム状弾性体3の外周に射出成形によ
り樹脂製の外筒1を形成することにより、貫通孔4の大
半を閉じるようにしてある。 【0010】図3及び図4に示すこの発明の製造方法
は、はじめに内筒2の外側にゴム状弾性体3を成形し、
このとき同時に貫通孔4も形成したものに対し、ゴム状
弾性体3の外周面に圧力を加えながら樹脂を射出成形
し、樹脂製の外筒1を成形し、この時ゴム状弾性体3に
外側から中心に向けて射出圧力が加えられるために開い
た貫通孔4が図4に示すように閉じることとなる。 【0011】図5に示す防振ゴムは、サスペンションロ
ッドなどに組み込んだ例を示し、外筒1とロッド6を樹
脂で一体成形したものを示し、防振ゴムの個所は図3及
び図4に示すようにして形成される。 【0012】図6に示すものは図2に示すと同様の貫通
孔4を形成し、外筒1とロッド6とを樹脂で一体成形し
たものを示す。 【0013】外筒1を射出成形してその射出圧力で貫通
孔4を閉じさせる場合、射出圧力によって閉じられる貫
通孔4の圧力付与前の幅寸法は、付与すべき圧力によっ
ても異なるが、0.1ないし0.5mm程度であればよ
い。また貫通孔4の両端に形成された拡径部5の存在
は、貫通孔4の中間部が閉じたり開いたりする時にゴム
状弾性体に亀裂が生じないように作用する。 【0014】 【発明の効果】以上説明したように、この発明により製
造された防振ゴムによれば、荷重がかかった時に貫通孔
の存在により引張応力が発生しにくくなるとともに、バ
ネ特性が線型となり、防振性能ならびに耐久性能が向上
する。また、この発明の製造方法によれば、外筒を樹脂
で成形する製造方法であり、樹脂を射出成形することに
より、その射出圧力でゴム状弾性体に形成された貫通孔
の大半を閉じさせることができ、絞り加工の工程を省略
することができ容易に防振ゴムを製造することができ
る。
シュ,エンジンマウント,エンジントルクロッド等に使
用される防振ゴムの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の内外筒間にゴム状弾性体を装着し
た防振ゴムでは、荷重方向に垂直なゴム状弾性体の部分
には大きな引張応力が発生し、耐久性上問題があった。
そこで、荷重方向に垂直な部分に貫通孔を形成して引張
応力が発生しにくいものが開発された。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】貫通孔を形成した従来
の防振ゴムにおいては、バネ特性が非線型となり、防振
性能上問題が生ずるおそれがあった。 【0004】そこで、この発明は、耐久性能を確保しつ
つ、バネ特性を線型に近づけた防振ゴムを容易に製造で
きる方法を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明は、貫通孔の大半が無負荷時に閉じるよう
に貫通孔個所のゴム状弾性体が部分的に接触し、一定以
上の荷重がかかる時に貫通孔が開くように構成した防振
ゴムの製造方法であって、内筒の外周にゴム状弾性体を
成形するとともにゴム状弾性体にスリット状の貫通孔を
形成した後、ゴム状弾性体の外周に射出成形により樹脂
製の外筒を形成すると同時にゴム状弾性体に作用する射
出圧力により貫通孔の大半を閉じさせるようにしたもの
である。 【0006】 【作用】この発明により製造された防振ゴムを所定の個
所に取付け、一定以上の荷重がかかったときに閉じられ
た貫通孔が開く。このため大きな引張応力がかかるのを
貫通孔の存在により抑止し、しかも初めから開いたまま
の貫通孔であると一定以上の荷重がかかったときに貫通
孔の間隙がつぶれ、それ以上の荷重がかかるとバネ特性
は非線型となるが、貫通孔を初めに閉じておけばバネ特
性を線型に近づけることができ、耐久性も向上する。 【0007】 【実施例】以下に、この発明の好適な実施例を図面を参
照にして説明する。 【0008】図1に示す防振ゴムは、外筒1の中心に内
筒2を配し、これら両筒1,2の間にゴム状弾性体3を
装着し、荷重方向にほぼ垂直な方向に沿ってゴム状弾性
体3に内筒2を挟んで対向するように貫通孔4を形成し
てある。貫通孔4の両端は貫通孔4の開口幅よりも広い
拡径部5に形成してある。貫通孔4はその両端に位置す
る拡径部5以外の個所が無負荷時に閉じるように貫通孔
4の個所のゴム状弾性体3が接触し、一定以上の荷重が
かかる時に貫通孔4が開くように形成してある。図1に
示す防振ゴムにおいて、内筒2に例えばエンジンを取付
け、外筒1をボディ側に取付けた時、内筒2に対し図面
上下方へ荷重が一定以上かかると上の貫通孔4が開く。
また振動が入力して内筒2が上下動すると、上下の貫通
孔4が閉じたり開いたりする。図1に示す防振ゴムでは
内筒2の上下2個所に貫通孔4を形成したが、いずれか
一方であってもよい。 【0009】図2に示す他の防振ゴムは、貫通孔4の形
成個所を異ならしめた例を示すものである。即ち、貫通
孔4は外筒1とゴム状弾性体3との間に形成される。図
2に示す例では、ゴム状弾性体3の外周に射出成形によ
り樹脂製の外筒1を形成することにより、貫通孔4の大
半を閉じるようにしてある。 【0010】図3及び図4に示すこの発明の製造方法
は、はじめに内筒2の外側にゴム状弾性体3を成形し、
このとき同時に貫通孔4も形成したものに対し、ゴム状
弾性体3の外周面に圧力を加えながら樹脂を射出成形
し、樹脂製の外筒1を成形し、この時ゴム状弾性体3に
外側から中心に向けて射出圧力が加えられるために開い
た貫通孔4が図4に示すように閉じることとなる。 【0011】図5に示す防振ゴムは、サスペンションロ
ッドなどに組み込んだ例を示し、外筒1とロッド6を樹
脂で一体成形したものを示し、防振ゴムの個所は図3及
び図4に示すようにして形成される。 【0012】図6に示すものは図2に示すと同様の貫通
孔4を形成し、外筒1とロッド6とを樹脂で一体成形し
たものを示す。 【0013】外筒1を射出成形してその射出圧力で貫通
孔4を閉じさせる場合、射出圧力によって閉じられる貫
通孔4の圧力付与前の幅寸法は、付与すべき圧力によっ
ても異なるが、0.1ないし0.5mm程度であればよ
い。また貫通孔4の両端に形成された拡径部5の存在
は、貫通孔4の中間部が閉じたり開いたりする時にゴム
状弾性体に亀裂が生じないように作用する。 【0014】 【発明の効果】以上説明したように、この発明により製
造された防振ゴムによれば、荷重がかかった時に貫通孔
の存在により引張応力が発生しにくくなるとともに、バ
ネ特性が線型となり、防振性能ならびに耐久性能が向上
する。また、この発明の製造方法によれば、外筒を樹脂
で成形する製造方法であり、樹脂を射出成形することに
より、その射出圧力でゴム状弾性体に形成された貫通孔
の大半を閉じさせることができ、絞り加工の工程を省略
することができ容易に防振ゴムを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明により製造された防振ゴムの実施例を
示す断面図。 【図2】この発明により製造された防振ゴムの他の例を
示す断面図。 【図3】この発明の製造方法を示す外筒形成前の断面
図。 【図4】図3の状態から樹脂を射出成形して外筒を形成
した状態の断面図。 【図5】樹脂製のロッドにこの防振ゴムを適用した例を
示す平面図。 【図6】図5と同様の他の例を示す平面図。 【符号の説明】 1 外筒 2 内筒 3 ゴム状弾性体 4 貫通孔
示す断面図。 【図2】この発明により製造された防振ゴムの他の例を
示す断面図。 【図3】この発明の製造方法を示す外筒形成前の断面
図。 【図4】図3の状態から樹脂を射出成形して外筒を形成
した状態の断面図。 【図5】樹脂製のロッドにこの防振ゴムを適用した例を
示す平面図。 【図6】図5と同様の他の例を示す平面図。 【符号の説明】 1 外筒 2 内筒 3 ゴム状弾性体 4 貫通孔
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フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F16F 1/38
F16F 15/08
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 内筒と外筒との間にゴム状弾性体を装着
するとともに荷重方向にほぼ垂直な方向に沿ってゴム状
弾性体に少なくとも1つの貫通孔を形成した防振ゴムに
おいて、貫通孔の大半が無負荷時に閉じるように貫通孔
個所のゴム状弾性体が部分的に接触し、一定以上の荷重
がかかる時に貫通孔が開くように構成した防振ゴムの製
造方法であって、 内筒の外周にゴム状弾性体を成形するとともにゴム状弾
性体にスリット状の貫通孔を形成した後、 ゴム状弾性体の外周に射出成形により樹脂製の外筒を形
成すると同時にゴム状弾性体に作用する射出圧力により
貫通孔の大半を閉じさせることを特徴とする防振ゴムの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31144691A JP3392882B2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 防振ゴムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31144691A JP3392882B2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 防振ゴムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05126185A JPH05126185A (ja) | 1993-05-21 |
JP3392882B2 true JP3392882B2 (ja) | 2003-03-31 |
Family
ID=18017317
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31144691A Expired - Fee Related JP3392882B2 (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 防振ゴムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3392882B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3770170B2 (ja) | 2001-12-10 | 2006-04-26 | 東海ゴム工業株式会社 | 防振ブッシュ |
JP3890995B2 (ja) * | 2002-02-06 | 2007-03-07 | 東海ゴム工業株式会社 | 自動車用サスペンション機構 |
JP4604828B2 (ja) * | 2005-05-13 | 2011-01-05 | 横浜ゴム株式会社 | 免震ゴム積層体 |
JP5951468B2 (ja) * | 2012-12-20 | 2016-07-13 | 東洋ゴム工業株式会社 | 防振ブッシュ |
CN104937303B (zh) | 2013-09-25 | 2017-05-31 | 住友理工株式会社 | 筒形隔振装置 |
EP3715247B1 (en) * | 2019-03-26 | 2022-03-02 | Lamanna Helicopter S.r.l. | A shock-absorbing support for damping vibrations in helicopters as well as vibration damping system with such support |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP31144691A patent/JP3392882B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05126185A (ja) | 1993-05-21 |
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Legal Events
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