JP3391610B2 - 板材の表面加工装置 - Google Patents

板材の表面加工装置

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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スラブやシートバー
あるいは熱延鋼帯の表面加工、表面手入れ等に使用する
切削あるいは研削のための表面加工装置に関し、とくに
装置の操作ミスによる刃物の破損や加工対象物に対する
過大な押し込みによる削り過ぎを回避しようとするもの
である。
【0002】熱間圧延の途中においてシートバーの表面
に生じた疵の手入れを行う場合や、先行鋼片の後端部と
後行鋼片の先端部を突き合わせ接合して圧延を行う連続
熱間圧延において不可避に生じる接合領域の隆起部を除
去する場合には、作業効率の向上を図る観点から、従来
は処理対象物よりも広い幅を有しその外周に鉄系の切削
刃または砥石を備えた回転ドラムを使用(鉄系の切削刃
を有するものにおいては加工中に冷却水を噴射する)し
て切削あるいは研削が行われており、これに関連する技
術に関しては特開昭57−137008号公報、特開昭
63−160707号公報、特開平5−23706号公
報あるいは特開平5−104261号公報等すでに多数
の提案がみられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
回転ドラムを備えた従来の装置では、オフラインにおい
て測定したドラムの外径をオペレーターが計算機に入力
し、この入力情報に基づいて回転ドラムを昇降移動させ
て位置の調整を行うことによって切削刃や砥石に所定の
押し込み量を付与する(具体的には回転ドラムの刃先ま
たは砥石面のレベルと板材の表面のレベルを一致させ
る、いわゆるゼロ調整を行いその状態から所定の加工代
が得られるように回転ドラムを移動させる)が、回転ド
ラムを高速で回転させて加工している状態では回転ドラ
ムの刃先や砥石面の位置の確認ができいなため、正確な
ゼロ調整を行うことができず、板材の加工代が許容範囲
を越えてしまったり、逆に切削刃、砥石の摩耗が予想以
上に大きいために目標とする加工代が確保できないため
に再度加工しなければならない不利があった。とくに、
オペレーターによる計算機へのインプットミス(回転ド
ラムの直径の設定の誤り等)や昇降移動用シリンダのサ
ーボ弁等の故障によって回転ドラムにて板材が分断され
た場合には回転ドラムの刃あるいは砥石同士が相互に接
触して破損する事故を引き起こすおそれもあってその解
決が望まれていた。
【0004】この発明の目的は、回転ドラム同士の接触
による破損等を起こすことなく安定して切削、研削作業
を行うことができる新規な装置を提案するところにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、互いに逆向
きに回転し、その外周の全域に鉄系の切削刃または砥石
を有する回転ドラム対の相互間に板材を通してその表裏
面を連続的または断続的に加工する装置であって、この
装置は、少なくとも一方の回転ドラムの両端または一端
に該回転ドラムよりも大きな径を有するゼロ点調整用あ
るいは上下回転ドラム接触事故防止用のディスクを有す
る、ことを特徴とする板材の表面加工装置であり、ま
た、この発明は、互いに逆向きに回転する回転ドラム対
の相互間に板材を通してその表裏面を連続的または断続
的に加工する装置であって、この装置は、回転ドラムの
少なくとも一方に、回転ドラムの先端の摩耗量を計測し
て回転ドラムの板材に対するレベル調整を行う非接触距
離計または渦電流式センサーを有する、ことを特徴とす
る板材の表面加工装置である。
【0006】
【作用】一対の回転ドラムの少なくとも一方の一端に該
回転ドラムの径よりも大きい径を有するディスクを設
け、このディスクをもう一方の回転ドラムのディスクに
接触させ、この状態を基準にしてゼロ点調整を行うこと
ができるので回転ドラムの押し込み過多による加工量の
誤差が極めて小さくなる。また、ディスク外径のインプ
ットミスがあっても、ディスク同士の接触等により荷重
が過大になるので板材の加工前に圧下系においてインプ
ットミスを認識することができる。
【0007】また、ディスクの代わりに回転ドラムの摩
耗量(回転ドラムにおける刃物の外径)を把握できる測
定手段(非接触式距離計や渦電流式センサ等)を設けた
場合には、板材の加工によって刃や砥石の摩耗が生じて
も、オンラインで摩耗分だけ回転ドラムを上下に正確に
移動させることができる(ただ回転ドラムの速度は低速
とする)ので予定されている加工代に従ったより精密な
加工を行うことが可能になる。測定手段としては、例え
ば渦電流を用いて測定手段と鉄系刃物先端との距離に応
じて変化する電流値を検出して距離を測定する渦電流式
センサやレーザ光を用いて刃物先端や砥石表面に照射し
たレーザ光の反射波を検出して距離を測定するレーザ式
距離センサ等が使用できる。
【0008】回転ドラムの外周には処理する板材に応じ
て切削刃や砥石を配置する。例えば熱間鋼のへげ疵やへ
こみ疵、鋼片接合部の盛り上がり部等を処理する場合に
は切削刃を、また、冷間鋼や押し疵、熱間鋼のオシレー
ションマーク、軽度のへこみ疵等を処理する場合には砥
石を使う。
【0009】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明を詳細に説明す
る。
【0010】図1はこの発明に従う加工装置の構成を示
したものである。図中1は板材、2a,2bは板材1を
上下に挟み板材1の表裏面を連続的または断続的に加工
するように配置された回転ドラム(この回転ドラムは例
えば外周に切削刃を有するディスクをドラムの回転軸に
沿って複数枚並べるとともに互いに隣接するディスの刃
の位置を交互にずらして構成される)、3a,3bは回
転ドラム2a,2bの両端に配置した例で示したディス
ク、4は回転ドラムを回転可能に支持する軸受を収容し
た軸箱、5は圧下シリンダー、6はハウジング、7はス
ピンドル、8はピニオンスタンドそして9は電動機であ
る。
【0011】板材1を所定の加工代にて表面加工を行う
には、回転ドラム2a,2b を昇降移動させてディスク
3a,3b を相互に接触させて各回転ドラムの刃物の上
下方向の絶対位置を把握し、そこから板材1の表面およ
び裏面と同じレベルまで回転ドラム2a,2b をそれぞ
れ移動させ(ゼロ調整)たのち所定の加工代が得られる
レベルに達した時点で各回転ドラム2a,2bの昇降動
作を停止させる。その後、回転ドラム2a,2bを回転
させて、その対の相互間に通された板材1は回転ドラム
の外周の切削刃あるいは砥石にてその表裏が加工され
る。回転ドラム2a,2bの初期位置の設定ミス等によ
っては加工代が大きくなりすぎることも懸念されるが、
最大加工代になった状態で回転ドラム2a,2bの端部
に設けたディスク3a,3bが互いに接触するようにし
ておけば板材の削りすぎや研削のしすぎがない。
【0012】この発明では、図2に示すようにディスク
3a,3bを回転ドラム2a,2bの片側においてのみ
設けることもできるが、ディスク3a,3bのかわり
に、図3,4に示すように少なくとも一方の回転ドラム
の軸方向に沿って数個の測定手段10を配置することも
可能である。図3は測定手段10を上側のみ設置した例
であり、図4は上側および下側に設置した例である。測
定手段10は回転ドラムの上側に設置するのが最も良い
が、上側および下側の両方に設置しても良く、あるいは
下側に設置しても良い。下側の方の測定手段は冷却水を
用いて切削あるいは研削を行う場合の防水対策や切削粉
の防塵対策を上側に比較して強固にすることが必要とさ
れる。この測定手段10によって回転ドラムの外周にお
ける切削刃あるいは砥石の摩耗状況を把握しゼロ調整を
行うことによって板材1の削りすぎや研削のしすぎを回
避することができる。測定手段10にシリンダーを配置
し、このシリンダーにて測定手段10を回転ドラムに対
して近接離隔する向きに進退移動できるようにしておく
ことにより回転ドラムが昇降移動した際に測定手段10
と回転ドラム2aが接触するような事故は未然に回避で
きる利点がある。また、測定手段10は板材1の幅方向
に沿って移動できる構造にしておいてもよい。
【0013】図5はこの発明に従う装置の他の例を示し
たものである。
【0014】図2に示した回転ドラム2a,2bの片側
にのみ設けたディスク3a,3bは回転ドラムよりも大
きな直径とされているが、図5に示すディスク3bの直
径は回転ドラム2bの直径と同じか又は小さくされ、し
かも上下の回転ドラムを圧下シリンダーで接近させたと
きに、回転ドラム2aと回転ドラム2bとが接触する前
に、ディスク3aとディスク3bとが接触するようにさ
れている。ディスク3aとディスク3bの直径が異なる
ときは、上下の回転ドラムを同一回転数で回転させると
前記ディスクに周速差が生じ、摩擦発熱によってディス
クが破損するおそれがあるので、ドラムを回転させず
に、ゼロ調を含めた調整を行うのがよい。
【0015】ゼロ調整を行う場合の具体的手順の例は図
6に示したとおりであって、ゼロ調整開始の指令ととも
に上下の回転ドラムの相互間隔を小さくしていき油圧圧
下で荷重が加わると予想される位置まで締め込む(ディ
スク幅を150mmとした場合に40tの荷重をかけ
る)。そして、回転ドラムの外径から演算された油柱値
と実油柱値とが一致することを確認したうえで刃物を回
転させてディスクの偏心による荷重偏差が±2t以下に
なることを確認しゼロ調整を完了する。また、上掲図3
に示したような測定手段10によって回転ドラム2a,
2bの先端における摩耗量を測定し摩耗した分だけ上方
の回転ドラム2aを下方へ、下方の回転ドラム2bを上
方へ移動させることによって常に一定の加工量を確保で
きる。
【0016】切削刃や砥石が偏摩耗していてただ単に回
転ドラムを上下動させただけでは幅の異なる板材を加工
する場合には均一な加工ができないこともあるので回転
ドラムを取り替えるか、あるいは外周に切削刃等を有す
るディスクを組み合わせ構成した回転ドラムについては
偏摩耗の激しい箇所のディスクを取り替える。なお、こ
のようなゼロ調整はオンラインは勿論のことオフライン
においても行うことが可能であり、いずれの場合もイン
プットミスによる不都合が起こることはない。
【0017】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
回転ドラムを上下方向に移動させディスクを相互に接触
させるだけで切削刃あるいは砥石の絶対位置を把握する
ことができるのでゼロ点調整が簡便に行え板材を常に許
容範囲内(所定の加工代)で加工でき、安定した品質の
板材を長期にわたって供給できる。また、回転ドラムの
外周に設けた刃または砥石同士が接触することがないの
で刃や砥石の破損を防止できる。とくに、測定手段を用
いることによって回転ドラムの胴に沿う向きの切削刃、
砥石の摩耗状況(摩耗偏差)が把握でき、しかも摩耗に
よる偏差量の増加に伴う刃等の交換を自動で実施するこ
とが可能であり省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う装置の構成説明図である。
【図2】この発明に従う装置の他の構成を示した図であ
る。
【図3】この発明に従う装置の構成を示した図である。
【図4】この発明に従う装置構成の側面を示した図であ
る。
【図5】この発明に従う装置の他の例を示した図であ
る。
【図6】ゼロ調整を行う場合の具体的な流れを示した図
である。
【符号の説明】
1 板材 2a回転ドラム 2b回転ドラム 3aディスク 3bディスク 4 軸箱 5 圧下シリンダー 6 ハウジング 7 スピンドル 8 ピニオンスタンド 9 電動機 10 測定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天笠 敏明 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 林 寛治 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島製作所内 (72)発明者 田代 勝三 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島製作所内 (72)発明者 市来崎 哲雄 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−94507(JP,A) 特開 平3−138013(JP,A) 特開 平7−186019(JP,A) 特開 平4−159068(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/00 B23C 3/13 B24B 7/12 B24B 49/00 B21B 1/00 - 11/00 B21B 37/00 - 37/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに逆向きに回転し、その外周の全域
    に鉄系の切削刃または砥石を有する回転ドラム対の相互
    間に板材を通してその表裏面を連続的または断続的に加
    工する装置であって、 この装置は、少なくとも一方の回転ドラムの両端または
    一端に該回転ドラムよりも大きな径を有するゼロ点調整
    用あるいは上下回転ドラム接触事故防止用のディスクを
    有する、ことを特徴とする板材の表面加工装置。
  2. 【請求項2】 互いに逆向きに回転する回転ドラム対の
    相互間に板材を通してその表裏面を連続的または断続的
    に加工する装置であって、 この装置は、回転ドラムの少なくとも一方に、回転ドラ
    ムの先端の摩耗量を計測して回転ドラムの板材に対する
    レベル調整を行う非接触距離計または渦電流式センサー
    を有する、ことを特徴とする板材の表面加工装置。
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