JPH0839427A - 研削装置 - Google Patents

研削装置

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JPH0839427A
JPH0839427A JP17139994A JP17139994A JPH0839427A JP H0839427 A JPH0839427 A JP H0839427A JP 17139994 A JP17139994 A JP 17139994A JP 17139994 A JP17139994 A JP 17139994A JP H0839427 A JPH0839427 A JP H0839427A
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JP
Japan
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grinding
diameter
ground
wheel
rough
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JP17139994A
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English (en)
Inventor
Takayuki Hotta
尊之 堀田
Takao Yoneda
孝夫 米田
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 荒研削後に後退を行う研削装置において、研
削サイクルタイムを増大させずに、熱変位や摩耗による
被研削面の精度及び真円度の低下を防止する。 【構成】 制御手段130は、被研削面Waの外径が所
定の荒研削完了径になるまで砥石車19により荒研削
し、砥石台13を所定の後退位置まで後退させ、次いで
前進させて砥石車により被研削面を仕上げ研削し、仕上
目標径に達すれば研削を終了する。前記後退位置は、後
退開始時期における被研削面の径及び砥石車の切れ味の
変化を示す因子に基づき標準後退位置演算手段150が
演算した標準後退位置と、前記因子及び加工の時間的経
過を示す因子を入力情報としてファジー推論により補正
量演算手段160が演算した後退位置補正量とに基づい
て、後退位置演算手段170が演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作物の円筒状の外径
を研削する研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒研削盤等の研削装置においては、図
10に示すように、主軸台と心押台のセンタ15a,1
6aにより支持した工作物Wに対し回転する砥石車19
を有する砥石台を送り込んで被研削面の外径を研削して
いる。砥石台の位置を、図9の図表の線Gに示すよう
に、粗研削G1、精研削G2、微研削G3と順次送り速
度を減少させながら送り込むことにより、工作物Wの被
研削面Waの外径は、砥石台位置に換算した値で示せ
ば、例えば線Hに示すように減少する。この種の円筒研
削加工においては、高い精度を得るためにインプロセス
計測装置を用いて研削中に被研削面の外径を計測しなが
ら加工を行い、被研削面Waの外径が粗研削完了径d1
に達すれば送り速度を粗研送りから精研送りに切り替
え、精研削完了径d2に達すれば精研送りから微研送り
に切り替え、仕上目標径Dに達すれば研削加工を完了し
て、砥石台を後退させている。
【0003】この種の研削装置では、研削加工に必要な
研削抵抗により工作物及びその支持部の撓み(研削残
量:位置検出器により検出される砥石台の位置と計測装
置により計測される被研削面の径に対応する砥石台の位
置との差、砥石車の切れ味の変化と関連して変化する値
である)が生じ、この研削残量は図9の線Iに示すよう
に、各研削工程毎に時間の進行につれて或る所定値に集
束するが、精研削及び微研削後の被研削面の精度や真円
度などの仕上げ状態を所定の値に保つためには、精研削
及び微研削時には研削残量がこの所定値に集束してから
所定回転回数の加工を行うようにする必要がある。しか
しながら、粗研削または精研削完了時の研削残量と、精
研削または微研削終了時に必要な所定の研削残量(集束
値)との間には相当な差があるので、精研削または微研
削には相当な時間を必要として研削サイクルタイムが増
大し、またそのばらつきも増大する。
【0004】このような問題を解決するために、出願人
は先に、図7に示すように、前段研削(粗研削及び/ま
たは精研削、以下単に荒研削という)において、インプ
ロセス計測装置により計測される被研削面Waの径(破
線F1)が所定の荒研削完了径D1に達した後に砥石台
を線E2に示すように後退位置e2まで後退させること
により、研削残量を微研削(以下仕上げ研削という)の
際の集束値に近い値zに減少させて仕上げ研削の際の取
り代を被研削面Waの仕上げ状態維持に必要な最小値と
し、その分だけ荒研削の際の取り代を大きくして研削サ
イクルタイムを短縮させることを提案した(特願平5−
245023号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特願平5−245
023号の技術では、図7に示すように、砥石台が後退
している間も被研削面Waは砥石車により研削されてそ
の外径はΔDだけ減少し、後退後の仕上げ研削に必要な
研削残量zを工作物Wに与える後退位置e2はこの外径
の減少量ΔD及び荒研削完了径D1に応じて変化する。
上記技術では工作物1回転当たりの砥石車の切込み送り
量及び荒研削完了時の研削残量によりこの減少量ΔDの
予測値を演算し、これと荒研削完了径に対応する砥石台
位置に基づいて後退位置e2を演算している。
【0006】ところで、工作物と砥石車の間に熱変位が
ありまたは砥石車の摩耗があると、それらの分だけ工作
物の被研削面と砥石車の研削面の間の相対的位置関係に
誤差を生じる。この誤差のため工作物に対する砥石台の
後退量が適正値より大きくなると、図8(a) に示すよう
に、砥石車が被研削面から離れる非研削状態(符号Nで
示す範囲)が発生するので、研削サイクルタイムはその
分だけ増大する。また工作物に対する砥石台の後退量が
適正値より小さくなった場合には、図8(b) に示すよう
に仕上げ研削開始時の研削残量が過大となり、この研削
残量が所定の集束値まで減少する前に仕上目標径Dに達
するので精度及び真円度が低下するという問題がある。
【0007】このために、上記技術では、別途検出した
この誤差を考慮して後退量を演算することにより上記問
題を解決している。この誤差の検出は、例えば工作物の
スパークアウトを行って研削残量を0とした状態でイン
プロセス計測装置により計測した被研削面の外径に対応
する砥石台の位置と位置検出器により検出した砥石台の
位置を比較することにより行えばよいが、この誤差の検
出は別工程で行う必要があるので研削サイクルタイムが
増大するという別の問題が生じる。本発明は、このよう
な各問題を解決することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による研削装置
は、図1に示すように、モータにより回転駆動される砥
石車19を有する砥石台13と、前記砥石車19とこれ
により研削される工作物Wが互いに接近離間する方向に
前記砥石台13と工作物Wを相対移動させる駆動手段1
00と、前記砥石台13の位置を検出する位置検出手段
110と、研削中に工作物Wの被研削面Waの外径を計
測する計測手段120を備え、荒研削に引き続き仕上げ
研削を行って前記被研削面Waを仕上目標径とする研削
装置であり、前記駆動手段100を作動させ前記砥石台
13を所定の荒研削速度で前進させて前記砥石車19に
より前記被研削面Waを荒研削し、前記計測手段120
により計測される被研削面Waの径が所定の荒研削完了
径になった後、前記砥石台13を所定の後退位置となる
まで後退させ、次いで前記計測手段120により計測さ
れる被研削面Waの径が前記仕上目標径に達するまで前
記砥石台13を所定の仕上げ研削速度で前進させて前記
砥石車19により前記被研削面Waを仕上げ研削する制
御手段130を備えている。本発明による研削装置は、
更に前記荒研削完了径を演算する荒研削完了径演算手段
140と、前記後退が開始される時期における前記被研
削面Waの径と前記砥石車19の切れ味の変化を示す因
子に基づいて標準後退位置を演算する標準後退位置演算
手段150と、前記砥石車19の切れ味の変化を示す因
子と加工の時間的経過を示す因子を入力情報としてファ
ジー推論により後退位置補正量を演算する補正量演算手
段160と、前記標準後退位置及び後退位置補正量に基
づき前記後退位置を演算する後退位置演算手段170を
備えている。
【0009】
【作用】荒研削完了径演算手段140は荒研削完了径を
演算する。また標準後退位置演算手段150は被研削面
の径が荒研削完了径となって後退が開始される時期にお
ける被研削面Waの径と砥石車19の切れ味の変化を示
す因子に基づいて標準後退位置を演算し、補正量演算手
段160は砥石車19の切れ味の変化を示す因子と加工
の時間的経過を示す因子を入力情報としてファジー推論
により工作物Wと砥石台13の間の熱変位または砥石車
19の摩耗による誤差を補償する後退位置補正量を演算
し、後退位置演算手段170はこのように演算された標
準後退位置及び後退位置補正量に基づいて後退位置を演
算する。この後退位置は、その演算経過から理解される
ように、熱変位または摩耗による誤差が補償されたもの
となる。
【0010】制御手段130は駆動手段120を作動さ
せて、先ず砥石台13を荒研削速度で前進させて砥石車
19により被研削面Waを荒研削し、計測手段120に
より計測される被研削面Waの径が上述のように演算さ
れた荒研削完了径になれば位置検出手段110により検
出される位置が上述のようにして演算した後退位置とな
るまで砥石台13を後退させ、次いで砥石台13を仕上
げ研削速度で前進させて、計測手段120により計測さ
れる被研削面Waの径が仕上目標径に達するまで、砥石
車19により被研削面Waを仕上げ研削する。
【0011】
【実施例】以下に図2〜図7に示す実施例により、本発
明の説明をする。図2に示すように、研削盤10のベッ
ド11上に左右方向(Z方向)移動可能に案内支持した
工作物テーブル12上には、主軸15を軸承する主軸台
14と心押台16が左右方向に対向して同軸的に設けら
れ、工作物Wは主軸15と心押台16に設けたセンタ1
5a,16aにより両端が支持されている。主軸15は
主軸台14に設けたモータ18により回転駆動され、工
作物Wは左端部が主軸15から突設された回止め部材1
7に係合されて主軸15と共に回転される。
【0012】また、ベッド11上には、Z方向と直交す
る水平なX方向に移動可能に砥石台13が案内支持さ
れ、この砥石台13にはCBN砥石等の砥石車19が主
軸15と平行な砥石軸20により軸承され、Vベルト回
転伝達機構21を介してモータ22により回転駆動され
る。ベッド11に設けたサーボモータ23は、数値制御
装置30のパルス分配回路34から分配される制御パル
スに基づいて作動する駆動回路41により制御駆動さ
れ、図略の送りねじ装置を介して砥石台13にX方向の
送りを与えるものである。エンコーダ等の位置検出器2
5はサーボモータ23の回転角度を介して砥石台13の
移動位置を検出し、この検出値はセンサコントローラ4
2を介して数値制御装置30に入力される。
【0013】工作物テーブル12上に設置されたインプ
ロセス計測装置24は、1対の測定子34aの先端部を
研削中の工作物Wの被研削面Waに係合してその外径寸
法を連続的に直接測定し、その測定信号(アナログ信
号)は数値制御装置30に入力される。
【0014】数値制御装置30は、図2に示すように、
研削装置全体を制御し管理する中央処理装置(CPU)
31、メモリ32、外部とのデータの授受を行うインタ
フェース33、及びCPU31からの指令に応じて駆動
パルスを分配送出するパルス分配回路34を備えてい
る。CPU31には、A−Dコンバータ35を介して計
測装置24が接続され、またセンサコントローラ42が
接続されている。このセンサコントローラ42はCPU
31により制御され、前述の位置検出器25が接続され
ている。更に、インタフェース33には、制御データ等
を入力するキーボード等の入力装置40が接続され、ま
たパルス分配回路34には、駆動回路41を介して前述
のサーボモータ23が接続されている。メモリ32に
は、工作物Wを加工するための加工プログラム、荒研削
完了径を演算するためのプログラム、ファジー推論を実
行するためのプログラム、ファジー推論に使用する各メ
ンバシップ関数及びプロダクションルール、工作物毎の
研削条件、並びにその他のデータ等が格納されている。
【0015】本実施例と各請求項の関係において、サー
ボモータ23が駆動手段100を、位置検出器25が位
置検出手段110を、計測装置24が計測手段120
を、CPU31及びパルス分配回路34が制御手段13
0を、CPU31及びメモリ32が荒研削完了径演算手
段140、標準後退位置演算手段150、補正量演算手
段160及び後退位置演算手段170をそれぞれ構成し
ている。
【0016】次に、上記のように構成された本実施例の
動作を図3に示すフローチャート及び図7に示す作動状
態の説明図により説明をする。CPU31は研削開始に
先立ち、先ず工作物毎に予め与えられた研削条件に基づ
き、次の数式1により荒研削完了径D1を演算する。
【0017】
【数1】D1=D+U1+U2・N2 ただし D:仕上目標径 U1,U2:それぞれ荒研削及び仕上げ研削時におけ
る、工作物W1回転当たりの砥石車19の切込み送り量 (=各研削時における研削速度/工作物Wの回転速度) N2:仕上げ研削時における所定の仕上げ状態の被研削
面Waを作るのに必要な回転数 ここで、D、各研削時における研削速度、各研削時にお
ける工作物Wの回転速度及びN2は、入力装置40から
メモリ32に格納されるデータであり、これらのデータ
によってU1,U2が算出される。このU1及びU2は
直径に換算した値とする。この荒研削完了径D1の演算
は同一工作物に関しては1回だけ行えばよく、工作物1
本毎に行う必要はない。
【0018】入力装置40からの指令により研削装置が
作動を開始すると、数値制御装置30のCPU31は、
砥石車19が回転し、主軸台14と心押台16により支
持された工作物Wがモータ18により所定の速度で回転
した状態で、研削条件として予め与えられた荒研削切込
み速度で砥石台13を前進させて(図7の実線E1)、
工作物Wの荒研削を開始する(図3のステップ10
1)。荒研削の間に時々刻々変化する砥石台13の切込
み送り位置eは位置検出器25により検出され、その検
出値はセンサコントローラ42を経てCPU31に入力
され、また計測装置24は測定子34aが工作物Wの被
研削面Waに係合されて被研削面Waの外径dをインプ
ロセス計測し、その計測値はA−Dコンバータ35によ
りデジタル信号に変換してCPU31に入力される。
【0019】図7の線E1及びF1に示す荒研削が進行
し、計測装置24により計測された被研削面Waの外径
dが前述のように予め演算した荒研削完了径D1に達す
れば(ステップ102)、CPU31は、標準後退位置
(工作物Wと砥石車19の間の熱変位及び砥石車19の
摩耗による誤差がない状態における後退位置)e2aを演
算する(ステップ103)。この演算は次のようにして
行う。先ず同一工作物Wの研削中または連続した2個の
工作物Wの研削であって、砥石車19の切れ味があまり
変化していない場合には、研削残量(位置検出器25の
出力値に対応する砥石台13の位置と計測装置24の出
力値に対応する砥石台13の位置との差、砥石車19の
切れ味の変化と関連して変化する値)は工作物1回転当
たりの砥石車19の切込み送り量に比例するので次の数
式2が得られる。
【0020】
【数2】Z1/U1=Z2/U2 ただし Z1,Z2:それぞれ荒研削及び仕上げ研削完
了時における研削残量 (直径に換算) 仕上げ研削完了時の研削残量の予測値Y2は仕上げ研削
完了時の研削残量Z2と同じであると考えれば、この予
測値Y2は次の数式3のようになる。
【0021】
【数3】Y2=Z1・U2/U1 荒研削後の砥石台13の標準後退位置e2aは、この予測
値Y2を使用して次の数式4により演算される。
【0022】
【数4】e2a=e1−Y2/2 ただし e1:荒研削完了時点における定寸装置24に
より計測された被研削面Waの径に対応する砥石台13
の位置 次いでCPU31は、この標準後退位置に対する後退位
置補正量e2bを、砥石車19の切れ味の変化を示す因子
と加工の時間的経過を示す因子を入力情報とするファジ
ー推論により演算する(ステップ104)。このファジ
ー推論の内容は次の通りであり、砥石車19の切れ味の
変化を示す因子として研削残量を使用している。
【0023】本実施例の研削装置のメモリ32には、図
4の(a)〜(c)に示す荒研削完了時の研削残量/荒研削
時の工作物1回転当たり切込み量、今回の荒研削完了
時の研削残量/前回の荒研削完了時の研削残量、及び
前回の加工完了から(今回の加工開始まで)の経過時間
に関する入力情報メンバシップ関数、図5に示す後退位
置補正量に関する出力情報メンバシップ関数、並びに図
6に示すプロダクションルールが記憶されている。各入
力情報メンバシップ関数の横軸は、上述の各量または時
間であり、縦軸は0から1までのグレードである。S
L、MD、LGは、小さい、中ぐらい、大きいと思われ
る各横軸の数値に対するグレードの変化を表す関数であ
り、NL、NS、ZR、PS、PLは、負で大、負で
小、ゼロ、正で小、正で大と思われる各横軸の数値に対
するグレードの変化を表す関数である。出力情報メンバ
シップ関数の横軸は後退位置補正量であり、縦軸は0か
ら1までのグレードである。NL、NM、NS、ZR・
・・はプロダクションルールで選択される関数である。
CPU31は予め与えられた荒研削時の工作物1回転当
たりの切込み量、検出した各荒研削完了時の研削残量
(砥石車19の切れ味の変化と関連して変化する値であ
る)及び経過時間の各値と各入力情報メンバシップ関数
により、先ず各グレードを演算する。この演算された各
グレードの数値を図6のプロダクションルールに適用し
てMINをとり、得られたグレードに基づき出力情報メ
ンバシップ関数の対応する関数を頭切りし、頭切りされ
た関数の面積の重心計算により後退位置補正量e2bを演
算する。
【0024】次いでCPU31は、次の数式5により砥
石台13の後退位置e2を演算し(ステップ105)、
図7の実線E2に示すように、工作物Wのスプリングバ
ック速度よりも小さい所定の後退速度で砥石台13の後
退を開始する(ステップ106)。
【0025】
【数5】e2=e2a+e2b そして位置検出器25により検出される砥石台13の位
置eが演算された後退位置e2となれば(ステップ10
7)、CPU31は図7の実線E3に示すように、研削
条件として予め与えられた仕上げ研削送り速度で砥石台
13を前進させて、工作物Wの仕上げ研削を開始する
(ステップ108)。そして計測装置24により計測さ
れる被研削面Waの直径dが仕上目標径Dに達すれば
(ステップ109)、CPU31は砥石台13を後退さ
せて(ステップ110)その工作物Wの研削加工を終了
し、引き続き次の工作物Wの加工を行う。なお砥石台1
3の仕上げ研削送りと後退の間には、必要に応じて所定
時間のスパークアウト研削を行ってもよい。砥石車が摩
耗すれば切れ味が変化し従って研削残量も変化するの
で、上記実施例の入力情報メンバシップ関数のうちの
荒研削完了時の研削残量/荒研削時の工作物1回転当た
り切込み量、及び今回の荒研削完了時の研削残量/前
回の荒研削完了時の研削残量を入力情報とすることによ
り、砥石車の摩耗に関する出力情報が得られる。また前
回の加工との時間間隔が大きければその間に温度が変化
して熱変位が変化するので、入力情報メンバシップ関数
のうちの前回の加工完了からの経過時間を入力情報と
することにより、熱変位に関する出力情報が得られる。
従って上述のファジー推論により得られた後退位置補正
量e2bを使用することにより、熱変位または砥石車の摩
耗による工作物の被研削面と砥石車の研削面の間の相対
的位置関係の誤差を補償することができる。
【0026】上記実施例では後退位置e2を演算(ステ
ップ103〜105)した後に砥石台13を後退(ステ
ップ106)させているが、これらのステップを入れ替
え、先ず砥石台13の後退を開始させ、後退中の初期に
後退位置e2の演算をするようにしてもよい。
【0027】また上記実施例では、数式1〜4により演
算した標準後退位置e2aとファジー推論により演算した
後退位置補正量e2bにより後退位置e2を演算したが、
標準後退位置e2aは数式により演算する代わりに、砥石
車の切れ味の変化を示す因子、砥石台の後退状態を示す
因子、予め与えられた研削条件等を入力情報とするファ
ジー推論により求めたものを使用することもできる。
【0028】更に、本実施例においては、現在加工して
いる工作物の荒研削の間に、加工中の工作物に対して必
要な各種の演算(ステップ103,104,105)を
行っている。しかし、このような演算は必ずしも現在加
工中の工作物の荒研削中に行う必要はない。例えば、連
続して工作物を加工する場合では、1つ前の工作物とそ
の次の工作物との間には、加工条件等にあまり大きな違
いがない場合が存在する。このような時には、1つ前の
工作物の情報を用いて演算し、この演算結果を次の工作
物の加工に用いることができる。このような場合におい
ては、1つ前の工作物の加工中のどの状態の時でも演算
を行うことができる。即ち、荒研削中だけでなく、仕上
げ研削中でも演算を行うことが可能である。
【0029】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、砥石台
の位置制御に使用する後退位置は工作物と砥石台の間の
熱変位または砥石車の摩耗による誤差が補償されている
ので、工作物に対する砥石台の後退量はこれらの誤差の
有無にかかわらず常に適切な値となり、従ってこの後退
量が過大または過小となって研削サイクルタイムが増大
したりあるいは被研削面の精度及び真円度が低下したり
するおそれはない。また別工程による熱変位または摩耗
による誤差の検出を必要としないので、これにより研削
サイクルタイムが増大することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による研削装置の構成を示す図であ
る。
【図2】 本発明による研削装置の一実施例の全体構成
を示す図である。
【図3】 図2に示す実施例の作動を示すフローチャー
トである。
【図4】 図に示す実施例のファジー推論に使用する入
力情報メンバシップ関数の例を示す図である。
【図5】 同じく出力情報メンバシップ関数の例を示す
図である。
【図6】 同じくプロダクションルールの例を示す図で
ある。
【図7】 本発明を適用する研削装置の基本的作動状態
の説明図である。
【図8】 従来の不都合な作動状態の説明図である。
【図9】 従来の研削装置の作動状態の説明図である。
【図10】 本発明を適用する研削装置の一例の主要部
を示す図である。
【符号の説明】
13…砥石台、19…砥石車、100…駆動手段、11
0…位置検出手段、120…計測手段、130…制御手
段、140…荒研削完了径演算手段、150…標準後退
位置演算手段、160…補正量演算手段、170…後退
位置演算手段、W…工作物、Wa…被研削面。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータにより回転駆動される砥石車を有
    する砥石台と、前記砥石車とこれにより研削される工作
    物が互いに接近離間する方向に前記砥石台と工作物を相
    対移動させる駆動手段と、前記砥石台の位置を検出する
    位置検出手段と、研削中に工作物の被研削面の外径を計
    測する計測手段を備え、荒研削に引き続き仕上げ研削を
    行って前記被研削面を仕上目標径とする研削装置におい
    て、前記駆動手段を作動させ前記砥石台を所定の荒研削
    速度で前進させて前記砥石車により前記被研削面を荒研
    削し、前記計測手段により計測される被研削面の径が所
    定の荒研削完了径になった後前記砥石台を所定の後退位
    置となるまで後退させ、次いで前記計測手段により計測
    される被研削面の径が前記仕上目標径に達するまで前記
    砥石台を所定の仕上げ研削速度で前進させて前記砥石車
    により前記被研削面を仕上げ研削する制御手段を備え、
    更に前記荒研削完了径を演算する荒研削完了径演算手段
    と、前記後退が開始される時期における前記被研削面の
    径と前記砥石車の切れ味の変化を示す因子に基づいて標
    準後退位置を演算する標準後退位置演算手段と、前記砥
    石車の切れ味の変化を示す因子と加工の時間的経過を示
    す因子を入力情報としてファジー推論により後退位置補
    正量を演算する補正量演算手段と、前記標準後退位置及
    び後退位置補正量に基づき前記後退位置を演算する後退
    位置演算手段を備えたことを特徴とする研削装置。
  2. 【請求項2】 前記標準後退位置演算手段及び前記補正
    量演算手段における切れ味を示す因子は研削残量であ
    り、前記補正量演算手段における時間的経過を示す因子
    は前回の加工完了から今回の加工開始までの経過時間で
    あることを特徴とする請求項1記載の研削装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10128661A (ja) * 1996-10-25 1998-05-19 Ntn Corp 研削盤の研削制御方法および装置
JP2005021997A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Komatsu Machinery Corp 研削加工装置及び研削加工方法
JP2010500175A (ja) * 2006-08-07 2010-01-07 フェルス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 加工部品を成形するための装置および方法
JP2013116534A (ja) * 2011-12-05 2013-06-13 Jtekt Corp 研削方法および研削盤
JP2021057030A (ja) * 2019-09-24 2021-04-08 ダイキン工業株式会社 制御システム

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