JP5395570B2 - 円筒研削方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、同一の回転軸線上でワークを回転させた状態でこの回転軸線を横切る方向に回転砥石を切り込み前進して前記ワークを所定直径の真円に研削する例えばクランクピン研削等の円筒研削方法及び装置に関するものである。
一般に、円筒研削装置は、主軸装置と心押し台に装着されたワークを、その回転軸線の回りに回転させ、この回転軸線を横切る方向に砥石台に装着された回転砥石を進退させて研削加工を行うようになっている。研削加工中において、ワークは回転砥石により押圧されるため、撓みが生じて、ワークの円筒研削面が楕円となり、真円度が低下する。
ワークの円筒研削面の真円度を向上するため、回転砥石と反対側のワークの外周面にワークを回転砥石に向かって押圧するレスト装置が備えられている。しかし、レスト装置を用いた場合においても、レスト装置のレストシューが摩耗するので、ワークの円筒加工面に高い真円度が得られるとは限らない。このため、特許文献1においては、次のようなワークの円筒研削方法が採用されている。
未加工のワークを粗研削工程において試し研削し、真円度誤差を測定し、この誤差により粗研削真円度補正データを作成する。仕上げ研削工程の試し研削は、粗研削工程を前記粗研削真円度補正データに従って研削することにより実質的に真円度誤差を排除した後に、正規のプログラムに従って試し仕上げ研削を行い、真円度誤差を測定し、この真円度誤差により仕上げ研削真円度補正データを作成する。そして、粗研削真円度補正データ及び仕上げ研削真円度補正データを制御装置の記憶媒体に記憶し、新しいワークの粗研削工程及び仕上げ研削工程を前述したそれぞれの真円度補正データに従って研削加工するようになっている。
特許第3812869号公報
ところが、上記従来の円筒研削方法においては、1つのワークを試し研削して、真円度誤差を測定し、粗研削真円度補正データ及び仕上げ研削真円度補正データを作成し、これらの補正データを次のワークの研削加工に用いるようになっていたので、最初のワークは不良品になるという問題があった。特に、大重量の長尺の高価なワークを研削する場合には、経済的な損失が非常に大きい。このため、大型のクランクシャフトにおけるピン研削には不向きであった。
又、主軸装置及び心押し台へのワークの取付状態、ワーク固有の寸法誤差、或いはワークの研削加工中における温度変化に起因する熱歪等の加工条件の変動によっても、ワークの円筒研削面の真円度が変化する。このため、特許文献1に開示された円筒研削方法においては、前のワークのデータを使用するため、各ワーク毎の真円度の精度を向上することができないという問題があった。
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、ワークの試し研削による不良品の発生を防止することができるとともに、ワークの円筒研削面の真円度の精度を向上することができる円筒研削方法及び装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ワークの中心と同一の回転軸線上でワークを回転させ、前記回転軸線に直交する方向に回転砥石を備えた砥石台を進退させて前記ワークを所定直径の真円に研削する円筒研削方法において、記憶媒体に予め記憶された正規の動作プログラムに基づいて、前記砥石台を所定の速度で前進させてワークを粗研削した後、定寸装置によりワークの真円度を計測し、この真円度測定データに基づいてワークの真円度補正データを演算すると共にワークを把持する主軸装置の主軸の計測用回転角度毎の補正データを、該補正データに比例した補正パルス数に変換し、前記動作プログラムに基づいて、前記砥石台を所定の速度で前進させ、ワークを仕上げ研削する際に、前記動作プログラムに基づく砥石台の仕上げ送り量の制御指令値に対し、前記真円度補正データに基づいて前記計測用回転角度に対応する指令時間毎の補正パルス数を発生させ、該補正パルス数を補正指令値として重畳してワークの仕上げ研削を行なうことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、ワークの中心と同一の回転軸線上でワークを回転させ、前記回転軸線に直交する方向に回転砥石を備えた砥石台を進退させて前記ワークを所定直径の真円に研削する円筒研削装置において、ワークの粗研削と仕上げ研削を行う正規の動作プログラムを予め記憶する記憶媒体を備えた制御装置と、前記制御装置からの粗研削送り制御指令値により砥石台を所定の速度で前進させてワークを粗研削した後、同じく前記制御装置からの補正入り指示によりワークの真円度を計測する定寸装置と、ワークの真円度測定データに基づいてワークの真円度補正データを演算すると共にワークを把持する主軸装置の主軸の計測用回転角度毎の補正データを、該補正データに比例した補正パルス数に変換する機能を有する真円度補正データ演算手段と、ワークの仕上げ研削工程において、前記動作プログラムに基づく砥石台の仕上げ送り量の制御指令値に対し、前記真円度補正データに基づいて前記計測用回転角度に対応する指令時間毎の補正パルス数を発生させ、該補正パルス数を補正指令値として重畳する真円度補正データ重畳手段とを備えたことを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項において、前記制御装置には、真円度補正データ演算手段及び真円度補正データ重畳手段としての機能を有するPMCラダー及びパルス発生器が備えられていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項2又は3において、ワークを仕上げ研削した後、制御装置からの補正入り指示により、定寸装置によってワークの真円度を再度計測し、今回の真円度補正データを前回の真円度補正データに加算した真円度補正データを補正指令値として、再度の仕上げ研削工程において、前記動作プログラムに基づく砥石台の仕上げ送り量の制御指令値に上記補正指令値を重畳して仕上げ研削を行う再仕上げ研削機能を備えていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項2又は3において、入力装置からの割り込み信号により前記制御装置は、ワークの仕上げ研削を一時中断し、この中断状態で、手動操作により定寸装置を作動させて、ワークの円筒研削面の真円度を計測し、計測された真円度を表示装置に表示し、表示された真円度を作業者が確認することができる割り込み機能を備えていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項2〜のいずれか一項において、粗研削した後又は仕上げ研削した後のスパークアウト後に、砥石台をバックオフさせた状態で、ワークの真円度の誤差が大きくて、作業者によってワークの補正仕上げ研削を行う必要があると判断された場合に、入力装置を手動操作することによって、前記補正入り指示がなされるようになっていることを要旨とする。
(作用)
本発明によれば、ワークを粗研削した後、ワークの真円度を計測し、この測定データに基づいてワークの真円度補正データを演算すると共にワークを把持する主軸装置の主軸の計測用回転角度毎の補正データを、該補正データに比例した補正パルス数に変換し、この演算された真円度補正データに基づいて前記計測用回転角度に対応する指令時間毎の補正パルス数を発生させ、該補正パルス数を補正指令値として、制御装置から出力される砥石台の仕上げ送り量の制御指令値に重畳してワークの仕上げ研削を行なうようにした。このため、ワークの試し研削が不要になるとともに、ワークの研削のための動作プログラム自体を変更することなく、砥石台の仕上げ送り量の制御指令値に真円度補正データに基づく補正パルス数を補正指令値として重畳するという簡単な方法により同一のワークの仕上げ研削を行うことができ、円筒研削面の真円度の精度を向上することができる。
本発明によれば、ワークの試し研削による不良品の発生を防止することができるとともに、ワークの円筒研削面の真円度の精度を向上することができる。
この発明の円筒研削装置及びその制御システムを具体化した一実施形態を示す略体平面図。 定寸装置の略体説明図。 主軸の回転角度、真円度補正データ及び補正パルス数の関係を示す説明図。 ワークの研削工程における時間と砥石台の位置との関係を示すグラフ。 ワークの研削加工動作を説明するためのフローチャート。
以下、本発明を具体化した円筒研削装置の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、機台11の上面にはテーブル12が二本のZ軸案内レール13によってZ軸(左右)方向の往復動可能に装着されている。前記テーブル12は該テーブル12の下面に設けられた図示しないボールねじナットに螺合されたボールねじ14及び該ボールねじ14を所定位置において回転する正逆回転可能なサーボモータよりなるテーブル駆動モータ15によってZ軸方向に往復移動される。前記テーブル駆動モータ15には前記テーブル12のZ軸方向の位置を検出するロータリーエンコーダ16が設けられている。前記テーブル12の上面にはワークWの両端を把持してワークの中心と同一の回転軸線上で回転させるための主軸17Aを備えた第1主軸装置17と、主軸18Aを備えた第2主軸装置18とが互いに対向するように装着されている。前記両主軸装置17,18にはそれぞれ主軸17A,18Aを回転させるための正逆回転可能なサーボモータよりなる主軸モータ19,20が設けられ、両主軸17A,18Aは互いに同期回転される。両主軸モータ19,20には主軸17A,18Aの回転角度θを検出するためのロータリーエンコーダ19A,20Aが設けられている。
前記機台11には砥石台21が二本のX軸案内レール22によって、X軸(前後)方向の往復動可能に装着されている。前記砥石台21は該砥石台21の下面に設けられた図示しないボールねじナットに螺合されたボールねじ23と、該ボールねじ23を所定位置において回転する正逆回転可能なサーボモータよりなる砥石台駆動モータ24によってX軸(前後)方向に往復移動される。前記砥石台駆動モータ24には、砥石台21のX軸方向の位置を検出するためのロータリーエンコーダ25が設けられている。前記砥石台21には砥石駆動モータ26が取り付けられ、該モータ26の回転軸には回転砥石27が連結され、前記ワークWの円筒部Waの外周面の研削を行うことができるようになっている。
前記テーブル駆動モータ15には、テーブル駆動モータ制御回路28が接続され、前記主軸モータ19,20には主軸モータ制御回路29が接続され、前記砥石台駆動モータ24には砥石台駆動モータ制御回路30が接続されている。
次に、円筒研削装置の各種の動作を制御するためのコンピュータを備えた数値制御装置31について説明する。
上記数値制御装置31は各種のデータに基づいて各種の演算や判別処理を行うための中央演算処理装置(CPU)32を備えている。該CPU32にはインターフェイス33を介して、前記ロータリーエンコーダ16, 19A,20A、25によって検出されたテーブル12のZ軸方向の位置に応じたパルス信号、主軸17A,18Aの回転角度θに応じたパルス信号及び砥石台21のX軸方向の位置に応じたパルス信号が入力されるようになっている。前記CPU32にはインターフェイス33を介して、前記各制御回路28, 29, 30が接続されている。前記CPU32にはワークWの円筒部Waの研削加工に用いる動作プログラム等を記憶した読み出し専用のリードオンリーメモリ(ROM)34が接続されるとともに、各種のデータを記憶した読み出し書き込み可能なランダムアクセスメモリ(RAM)35が接続されている。そして、前記CPU32から前記動作プログラムに基づいて各制御回路28〜30にそれぞれ制御信号が出力されて、テーブル駆動モータ15、主軸モータ19,20及び砥石台駆動モータ24の回転速度が数値制御され、テーブル12のZ軸方向の位置、主軸17A,18Aの回転角度θ、砥石台21の粗研削及び仕上げ研削のX軸方向の送り量等が数値制御され、ワークWの円筒部Waの粗研削及び仕上げ研削が行われるようになっている。
前記CPU32には、コンピュータを備えた真円度補正データ演算手段としてのPMC(プログラマブル・マシン・コントローラ)ラダー36が接続されている。このPMCラダー36として、「FANUC(ファナック)シリーズ16i/18iモデル−B」を用いている。このPMCラダー36には、多系統PMC機能が備えられており、後述するパルス発生器38等や周辺機器等のシーケンス制御用ラダーを容易に組み込むことができるようになっている。このPMCラダー36には前記テーブル12の上面に装着されたワークWの円筒研削面の真円度を測定する定寸装置37からの測定信号がインターフェイス33を介して入力されるようになっている。前記定寸装置37は図2に示すように、ワークWの円筒部Waの外周面に接触される一対のフィーラ37aを有する測定アームによって構成されている。前記PMCラダー36には、前記主軸モータ19のエンコーダ19A,20Aにより検出された主軸17A,18Aの回転角度θの検出信号がインターフェイス33を介して入力されるようになっている。そして、前記定寸装置37により検出された円筒部Waの円筒研削面の真円度測定データと、前記エンコーダ19A,20Aにより測定された主軸17A,18Aの回転角度θの検出信号とに基づいて、図3に示すように、主軸17A,18Aの真円度の計測用に予め設定した回転角度θに対して、円筒部Waの研削面を真円とするための真円度補正データδ(μm)を演算するようにしている。この真円度補正データδは、PMCラダー36に設けられた例えばRAM等の記憶媒体(図示略)に記憶されるようになっている。
前記PMCラダー36には、真円度補正データ重畳手段を構成するパルス発生器38が接続されている。このパルス発生器38は、前記PMCラダー36によって演算された真円度補正データδに基づいて、図3に示すように、主軸17A,18Aの前記予め設定された回転角度θ(例えば10°)毎の各真円度補正データδと対応する補正パルス数Pnを発生させるようにしている。さらに、前記主軸の回転角度θが10°に対応して前記PMCラダー36により仕上げ研削時の主軸の回転速度に応じて設定された指令時間t(例えば0.5秒)内に所定の補正パルス数Pn(例えば5)を発生させるようにしている。前記パルス発生器38によって前記指令時間t内に発生された補正パルス数Pnが補正指令値Pnsとして、前記CPU32から砥石台駆動モータ制御回路30へ出力される正規の動作プログラムに基づく砥石台21の仕上げ送り量の制御指令値Seに重畳され、ワークWの円筒部Waが真円に研削されるようにしている。上記の制御指令値Seにより前記主軸モータ19,20のエンコーダ19A,20Aからの主軸17A,18Aの回転角度θと同期して、砥石台駆動モータ24の回転速度が数値制御され、研削作業時の砥石台21の送り量が制御される。
図1に示すように、前記CPU32には、例えば、研削されるワークWの寸法データ、研削条件等の各種のデータを入力するためのキーボードやマウスを備えた入力装置41が接続されている。前記CPU32には、各種のデータ等を表示するための表示画面を有する表示装置42が接続されている。
次に、前記のように構成された円筒研削盤によるワークWの研削動作について説明する。なお、ステップS1〜ステップS23については、以下単にS1〜S23と表記する。
最初に、図5に示すS1において、作業者によって前記主軸装置17,18にワークWが装着されているか否か、研削しようとするワークWに対する動作プログラムが適正に設定されているか否か等の段取りが完了しているか否かが判断される。S1において、YESと判断された場合には、S2において、作業者により入力装置41のワークWの研削開始用のスイッチが操作されて、ワークWのテーブル12の割り出しが行われる。そして、ワークWを支持したテーブル12が割り出し位置、つまりワークWの特定の円筒部Waが前記回転砥石27と対応する割り出し位置E0(図4参照)に移動される。
次に、S3において、前記数値制御装置31のCPU32から前記砥石台駆動モータ制御回路30にアプローチ制御信号が出力され、砥石台21が図4に示す割り出し位置E0からアプローチ動作されて、所定の粗研削開始位置E1に移動される。次に、S4において、粗研削開始位置E1から砥石台21がアプローチ速度よりも遅い速度で所定時間前進され、ワークWの円筒部Waが粗研削される。この粗研削が終了すると、砥石台21が粗研削終了位置E2に停止されるとともに、S5において、主軸装置17,18によってワークWが一回転以上回転される。このスパークアウトの後、砥石台21が微量(例えば1mm)バックオフされて図4に示す第1退避位置E3に停止される。この状態において、S6で作業者によって前記入力装置41が操作され、手動操作介入が行われる。即ち、定寸装置37により粗研削されたワークWの円筒部Waの径の測定は、常時行われている。このため、定寸装置37により測定された円筒部Waの径寸法データは、例えば表示装置42の画面に表示され、それを作業者が目視することにより、真円度の傾向(誤差)を認知できるようになっている。真円度の傾向(誤差)が許容範囲内である場合には、仕上げ研削時に真円度の補正を行う必要がないので、作業者によって真円度を補正するためのS7に示す「補正入り指示」が行われることはない。真円度の傾向(誤差)が許容範囲外である場合には、ワークWの仕上げ研削時において真円度の補正を行なう必要がある。この場合には、作業者によって入力装置41の補正入り指示用の操作キー(図示略)が操作されて、S7に示す「補正入り指示」が行われ、後述するS13〜S23の処理が行われる。
前述したS7において、作業者によって、「補正入り指示」が不要と判断された場合には、図4に示す手動操作が終了した時刻t1において、図5に示すS8に示すようにCPU32から主軸モータ19,20に出力される制御信号によって主軸17A,18Aが仕上げ研削用の回転速度で回転される。又、S9において、CPU32から砥石台駆動モータ制御回路30に出力される制御指令値Seによって、砥石台21が仕上げ送り速度で前進され、ワークWの仕上げ研削が行われる。そして、所定時間が経過し、砥石台21が図4に示す仕上げ研削終了位置E4(時刻t2)で停止されるとともに、図5に示すS10において、主軸装置17,18によってワークWが一回転以上回転される。このスパークアウトの後、砥石台21が微量(例えば1mm)バックオフされて図4に示す第2退避位置E5に停止される。この状態において、図5に示すS11で作業者によって入力装置41が操作され、手動操作介入が行われる。即ち、定寸装置37により仕上げ研削されたワークWの円筒部Waの径の測定が常時行われている。このため、定寸装置37により測定された円筒部Waの径寸法データに基づいて、S12において、ワークWの円筒部Waが所定の直径寸法に到達したか否かが判断され、YESと判断された場合には、ワークWの一つの円筒部Waの加工動作を終了する。その後、所定時間が経過すると、図4に示すように、砥石台21が早戻しされて第2退避位置E5から割り出し位置E0に復帰される。反対に、S12において、円筒部Waの直径が定寸に到達していなくて、NOと判断された場合には、前述したS6に戻る。
次に、図5に示す前述した「補正入り指示」を判断するS7において、作業者によって、「補正入り指示」が必要となって、YESと判断された場合には、PMCラダー36によって、以下のワークWの円筒部Waの真円度の補正動作が行われる。
図5のS13において、CPU32から主軸モータ19,20に出力される制御信号によって両主軸装置17,18の主軸17A,18Aが測定用の回転数(例えば一回転以上)だけ回転される。次に、S14において、CPU32からの動作信号によって前記定寸装置37が作動され、該定寸装置37によってワークWの円筒部Waの直径寸法が測定され、真円度が測定される。次に、S15において、PMCラダー36によって主軸17A,18Aの回転角度θ毎の真円度測定データが採取され、この真円度測定データがPMCラダー36側の記憶媒体(図示略)に記憶される。次に、S16において、PMCラダー36によって真円度測定データから図3に示す真円度補正データδ(単位μm)が演算される。そして、作業者によって前記真円度補正データδのスムージング、即ち、真円度補正データδにはノイズが混在することもあるので、このノイズをソフトウェアフィルタによって除去するか否かが判断される。このS16のスムージングを行うか否かの判断は、前述したS6の「手動操作介入」の際に、作業者が入力装置41を操作することによって選択される機能である。このS16においてYESと判断された場合には、S17においてPMCラダー36によって真円度補正データδがスムージングされ、ノイズが除去される。
次に、図5に示すS18において、作業者によって、前回の真円度補正データδに今回の真円度補正データδを加算するか否かが判断される。このS18の判断処理も、前述したS6の「手動操作介入」の際に、作業者が入力装置41を操作することによって選択される機能である。S18は、同じワークWの円筒部Waの仕上げ研削による真円度補正を複数回実施する場合に行われる。即ち、最初に測定された真円度補正データδ(補正量)が例えば60μmのように大きい場合に、それを一回の仕上げ研削により真円度の許容値(例えば10μm)まで研削することは、何らかの要因によって研削量が多くなり過ぎて不良品が発生するのを防止するために回避したい。このため、円筒部Waの真円度を補正するための仕上げ研削が複数回に分けて行われる。そして、S18において、作業者によって、最初の真円度補正データδの補正量が例えば60μmというように大きくて、YESと判断された場合には、S19において、PMCラダー36によって今回の真円度補正データδが前回の真円度補正データδに加算される。次に、S20において、加算後の真円度補正データδと対応して前記砥石台21を補正送りするための補正パルス数Pn(つまり補正指令値Pns)が演算される。
一方、図5に示すS16において、作業者によって、スムージングの必要がなくて、NOと判断された場合には、S18に移行する。又、S18において、作業者によって、最初の真円度補正データδの補正量が例えば15μmというように小さくて、真円度が円筒部Waの一回の仕上げ研削により許容値(10μm)に到達するため、NOと判断された場合には、S20に移行し、真円度補正データδと対応する補正パルス数Pn(つまり補正指令値Pns)が演算される。そして、次に述べるS21に移行する。
図5に示すS21において、CPU32から主軸モータ19,20への制御信号により主軸17A,18Aが仕上げ研削用回転速度で回転される。S22において、前記PMCラダー36からパルス発生器38へ主軸17A,18Aの回転角度θに対応する指令時間tと、補正指令値Pnsが指示される。そして、S23において、パルス発生器38から前記補正指令値Pnsに基づいて指令時間t内で指令された補正パルス数Pnが出力され、前述したS9のワークWの仕上げ研削時において、砥石台21の送り量を制御する制御指令値Seに補正指令値Pnsを重畳することによって、ワークWの円筒部Waの真円度の補正が行われる。
なお、ワークWの円筒部Waの仕上げ研削が終了すると、前述したS10〜S12の処理動作が行われる。以上の他にも、前記数値制御装置31は、次の割り込み機能を有する。
図1に示す入力装置41を作業者が操作して、前記数値制御装置31から割り込み信号を出力し、図5のS9のワークWの仕上げ研削を一時中断する。そして、手動操作により定寸装置37を作動させて、ワークWの円筒研削面の真円度を計測し、計測された真円度を表示装置42に表示させて、作業者がワークWの真円度を確認する。この割り込み動作を行うことにより、ワークWの不測の過仕上げ研削が防止される。
上記実施形態の円筒研削装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、前記数値制御装置31のCPU32にPMCラダー36を接続し、該PMCラダー36にパルス発生器38を接続した。前記定寸装置37によって計測された真円度測定データを、前記PMCラダー36へ入力する。該PMCラダー36によって、主軸17A,18Aの回転角度θと真円度補正データδとの関係から回転角度θに対応する指令時間tと真円度補正データδに対応する補正パルス数Pn(補正指令値Pns)を、前記パルス発生器38に出力し、該パルス発生器38によって設定された指令時間t内で設定された補正パルス数Pnを発生させる。そして、前記CPU32から砥石台駆動モータ制御回路30へ出力される制御指令値Seに補正指令値Pnsを重畳するようにした。このため、前記CPU32から出力される動作プログラムを全く変更することなく、各ワークW毎に仕上げ研削作業において、真円度補正データδを反映した真円度の精度の高いワークWの仕上げ研削を行うことができる。又、ワークWの試し研削が不要になり、不良品の発生を防止することができる。
(2)上記実施形態では、ワークWを仕上げ研削した後、制御装置31からの補正入り指示により、定寸装置37によってワークWの真円度を再度計測し、今回の真円度補正データδを前回の真円度補正データδに加算した真円度補正データδを補正指令値Pnsとする。そして、再度の仕上げ研削工程において、前記動作プログラムに基づく砥石台21の仕上げ送り量の制御指令値Seに上記補正指令値Pnsを重畳して仕上げ研削を行うようにした。このように数値制御装置31にワークWの再仕上げ研削機能を付与した場合には、ワークWの真円度の誤差が大きい場合に、ワークWの仕上げ研削を複数回に分けて適正に行うことができる。
(3)上記実施形態では、入力装置41からの割り込み信号により制御装置31は、ワークWの仕上げ研削を一時中断させる。この中断状態で、手動操作により定寸装置37を作動させて、ワークWの円筒研削面の真円度を計測する。そして、計測された真円度を表示装置42に表示し、表示された真円度を作業者が確認することができるようにした。このため、ワークWの仕上げ研削時に、過仕上げ研削を防止することができる。
(4)上記実施形態では、粗研削した後又は仕上げ研削した後のスパークアウト後に、砥石台21をバックオフさせた状態で、ワークWの真円度の誤差が大きくて、補正を行う必要がある場合に、入力装置41を手動操作することによって、前記数値制御装置31からPMCラダー36に補正入り指示がなされるようにした。このため、ワークWの真円度の誤差が小さくて、補正を行う必要がない場合に、余計な補正動作が行われるのを防止することができる。
(5)上記実施形態では、数値制御装置31のCPU32に接続されたPMCラダー36に前記エンコーダ19A,20A及び定寸装置37の出力信号を入力するとともに、PMCラダー36にパルス発生器38を接続した。このため、真円度誤差を補正するためのハードウエアを容易に構成することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図1に示す数値制御装置31のCPU32からの指令によりPMCラダー36及びパルス発生器38が自動でワークWの真円度の補正を行うようにしてもよい。
・図3に示す真円度補正データδ(μm)が許容値(例えば4μm)以下であるか否かをPMCラダー36が判定し、許容値以下と判定された場合には、ワークWの真円度の補正が行われないようにしてもよい。
・回転砥石27によるワークWの粗研削量を少なくし、仕上げ研削量を多くすることにより、仕上げ研削時において、真円度補正データδが多くなった場合、つまり真円度誤差が大きい場合に、仕上げ研削代が不足するのを防止するようにしてもよい。
・ワークWとしてクランクシャフトのピンを研削対象にした場合、両主軸17A,18Aによって、研削するピンの中心が主軸の中心に合うようにクランクシャフトの両端をチャックし、クランクシャフトをピン中心で回転させて研削が行われる。例えば、長さが1m以上の大型のクランクシャフトの研削を行う際に、真円度補正が安価かつ容易に行なえ、その効果が特に顕著である。
・前記実施形態では、テーブル12の上面に第1及び第2主軸装置17,18を装着し、ワークWをZ軸方向にトラバースするようにしたが、ワークWを所定位置に保持した状態で、前記砥石台21をZ軸方向にトラバースするように構成してもよい。
・前記定寸装置37をテーブル12側に配設したり、或いは砥石台21側に配設したりしてもよい。又、定寸装置37を、図3に示すような構成のほか、V字状測定部をもつタイプのものを用いてもよい。
θ…回転角度、δ…真円度補正データ、t…指令時間、W…ワーク、Se…制御指令値、Pns…補正指令値、17,18…主軸装置、17A,18A…主軸、21…砥石台、27…回転砥石、31…制御装置、36…PMCラダー、37…定寸装置、38…パルス発生器、41…入力装置、42…表示装置。

Claims (6)

  1. ワークの中心と同一の回転軸線上でワークを回転させ、前記回転軸線に直交する方向に回転砥石を備えた砥石台を進退させて前記ワークを所定直径の真円に研削する円筒研削方法において、
    記憶媒体に予め記憶された正規の動作プログラムに基づいて、前記砥石台を所定の速度で前進させてワークを粗研削した後、定寸装置によりワークの真円度を計測し、この真円度測定データに基づいてワークの真円度補正データを演算すると共にワークを把持する主軸装置の主軸の計測用回転角度毎の補正データを、該補正データに比例した補正パルス数に変換し、前記動作プログラムに基づいて、前記砥石台を所定の速度で前進させ、ワークを仕上げ研削する際に、前記動作プログラムに基づく砥石台の仕上げ送り量の制御指令値に対し、前記真円度補正データに基づいて前記計測用回転角度に対応する指令時間毎の補正パルス数を発生させ、該補正パルス数を補正指令値として重畳してワークの仕上げ研削を行なうことを特徴とする円筒研削方法。
  2. ワークの中心と同一の回転軸線上でワークを回転させ、前記回転軸線に直交する方向に回転砥石を備えた砥石台を進退させて前記ワークを所定直径の真円に研削する円筒研削装置において、
    ワークの粗研削と仕上げ研削を行う正規の動作プログラムを予め記憶する記憶媒体を備えた制御装置と、
    前記制御装置からの粗研削送り制御指令値により砥石台を所定の速度で前進させてワークを粗研削した後、同じく前記制御装置からの補正入り指示によりワークの真円度を計測する定寸装置と、
    ワークの真円度測定データに基づいてワークの真円度補正データを演算すると共にワークを把持する主軸装置の主軸の計測用回転角度毎の補正データを、該補正データに比例した補正パルス数に変換する機能を有する真円度補正データ演算手段と、
    ワークの仕上げ研削工程において、前記動作プログラムに基づく砥石台の仕上げ送り量の制御指令値に対し、前記真円度補正データに基づいて前記計測用回転角度に対応する指令時間毎の補正パルス数を発生させ、該補正パルス数を補正指令値として重畳する真円度補正データ重畳手段と
    を備えたことを特徴とする円筒研削装置。
  3. 請求項において、前記制御装置には、真円度補正データ演算手段及び真円度補正データ重畳手段としての機能を有するPMCラダー及びパルス発生器が備えられていることを特徴とする円筒研削装置。
  4. 請求項2又は3において、ワークを仕上げ研削した後、制御装置からの補正入り指示により、定寸装置によってワークの真円度を再度計測し、今回の真円度補正データを前回の真円度補正データに加算した真円度補正データを補正指令値として、再度の仕上げ研削工程において、前記動作プログラムに基づく砥石台の仕上げ送り量の制御指令値に上記補正指令値を重畳して仕上げ研削を行う再仕上げ研削機能を備えていることを特徴とする円筒研削装置。
  5. 請求項2又は3において、入力装置からの割り込み信号により前記制御装置は、ワークの仕上げ研削を一時中断し、この中断状態で、手動操作により定寸装置を作動させて、ワークの円筒研削面の真円度を計測し、計測された真円度を表示装置に表示し、表示された真円度を作業者が確認することができる割り込み機能を備えていることを特徴とする円筒研削装置。
  6. 請求項2〜のいずれか一項において、粗研削した後又は仕上げ研削した後のスパークアウト後に、砥石台をバックオフさせた状態で、ワークの真円度の誤差が大きくて、作業者によってワークの補正仕上げ研削を行う必要があると判断された場合に、入力装置を手動操作することによって、前記補正入り指示がなされるようになっていることを特徴とする円筒研削装置。
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