JP3376650B2 - 研削装置 - Google Patents

研削装置

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JP3376650B2
JP3376650B2 JP24504993A JP24504993A JP3376650B2 JP 3376650 B2 JP3376650 B2 JP 3376650B2 JP 24504993 A JP24504993 A JP 24504993A JP 24504993 A JP24504993 A JP 24504993A JP 3376650 B2 JP3376650 B2 JP 3376650B2
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Toyoda Koki KK
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、工作物の円筒状の外径
を研削する研削装置に関する。 【0002】 【従来の技術】円筒研削盤等の研削装置においては、図
13に示すように、主軸台と心押台のセンタ15a,1
6aにより支持した工作物Wに対し回転する砥石車19
を有する砥石台を送り込んで被研削面の外径を研削して
いる。砥石台の位置を、図14の図表の線Gに示すよう
に、粗研削G1、精研削G2、微研削G3と順次送り速度を減
少させながら送り込むことにより、工作物Wの被研削面
Waの外径は、砥石台位置に換算した値で示せば、例えば
線Hに示すように減少する。この種の円筒研削加工にお
いては、高い精度を得るためにインプロセス定寸装置2
4を用いて研削中に被研削面の外径を計測しながら加工
を行い、被研削面Waの外径が予め定められた粗研削完了
径d1及び精研削完了径d2に達した時点で、それぞれ送り
速度を粗研送りから精研送りに、また精研送りから微研
送りに切り替え、仕上目標径Dに達すれば研削加工を完
了し、必要に応じスパークアウト研削を行って、砥石台
を後退させている。ある時点における線GとHの差は、
研削加工に必要な研削抵抗を与えるための工作物及びそ
の支持部の撓み(研削残量)である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし図14に示す関
係は砥石車19の切れ味により異なったものとなる。す
なわち、砥石車19の切れ味がよい場合(例えばツルー
イング直後)は、図15の線Ga及びHaに示すように、研
削残量が小さいので比較的早い時点で粗研削完了径d1に
達する。これにより砥石台の粗研削送りが短くなり、こ
れに応じて送り速度の小さい精研削及び微研削送りが長
くなるので、1本の工作物を研削加工するための合計時
間、すなわちサイクルタイムは長くなる。これと逆に砥
石車19の切れ味が悪くなった場合(例えばツルーイン
グ後相当本数の工作物を加工した後)には粗研削送りが
長くなり、これによって生じた工作物Wの撓みによって
粗研削及び微研削送りが短くなるので、図15の線Gb及
びHbに示すように、サイクルタイムは短くなる。すなわ
ち砥石車の切れ味の変化によりサイクルタイムのばらつ
きを生じる。連続した加工ラインで工作物を加工する場
合には、一部の加工ステーションにこのようなばらつき
があると、加工ライン全体のネックとなって加工ライン
の能率を低下させるので好ましくない。 【0004】これに対し、研削残量、その変化状態及び
加工本数比(ツルーイング後の工作物の加工本数/ツル
ーイングインターバルの間の全加工本数)などの砥石車
の切れ味の変化と関連して変化する加工状態を示す複数
の因子を演算し、この複数の因子を入力情報として予め
定めたファジー情報(各メンバシップ関数及びプロダク
ションルール)を使用したファジー推論により砥石車の
切れ味がよい場合にはその程度に応じて予め定められた
粗研削完了径及び精研削完了径を仕上目標径に近づける
ように補正し、定寸装置により計測される被研削面の外
径がこれらの補正された各完了径になるまで砥石台を前
進させて砥石車により粗研削及び精研削を行い、次いで
定寸装置により計測される被研削面の外径が仕上目標径
になるまで砥石台を微研削速度で前進させて砥石車によ
り被研削面を研削することが考えられる。これによれ
ば、砥石車の切れ味がよい場合には、粗研削及び精研削
において、仕上目標径に近づくように補正された各完了
径まで研削されるので、送り速度の小さい微研削送りが
長くなることはなく、従ってサイクルタイムのばらつき
が減少させ、平均サイクルタイムを従来に比して減少さ
せることができる。 【0005】ところで、前述のような微研削の際の研削
残量は初期に大きく、研削の進行につれて減少して砥石
車の切れ味及び切込み送り速度等に応じた所定の限度内
に集束する。一方、工作物の加工精度及び真円度は微研
削終了時の研削残量の影響を受け、その際の研削残量が
所定の限度以内に集束しないと精度不良や真円度不良を
生じる。また研削状態は砥石車やツルアの種類及びツル
ーイング条件などにより大きく変化することがあり、あ
る定められた1セットのファジー情報を使用したファジ
ー推論により補正した粗研削及び精研削完了径を用いて
前述のような加工を行ったのでは、微研削終了時の研削
残量が必ずしも所定の限度以内に集束せず、このため精
度不良や真円度不良を生じることがある。本発明はこの
ような原因により精度不良や真円度不良が生じるのを防
止することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
る研削装置は、図1に示すように、モータにより回転駆
動される砥石車19を有する砥石台13と、前記砥石車
19とこれにより研削される工作物Wが互いに接近離間
する方向に前記砥石台13と工作物Wを相対移動させる
駆動手段100と、前記工作物Wに対する前記砥石台1
3の位置を検出する位置検出手段110と、研削中に工
作物Wの被研削面Waの外径を計測する定寸手段120を
備え、前段研削に引き続いて微研削を行って前記被研削
面Waを仕上目標径とする研削装置において、前記砥石車
19の切れ味の挙動と関連して変化する加工状態を示す
複数の因子を演算する加工状態演算手段140と、前記
砥石車19の切れ味の挙動が標準的状態の場合に対応し
て作成した標準ファジー情報を記憶するファジー情報記
憶手段150と、前記砥石車19の切れ味の挙動の変化
に対応するよう前記複数の因子に基づき前記標準ファジ
ー情報を修正して修正ファジー情報を作成するファジー
情報修正手段160と、前記複数の因子を入力情報とし
前記修正ファジー情報を使用したファジー推論により前
記砥石車19の切れ味がよい場合にはその程度に応じて
予め定められた前段研削完了径を仕上目標径に近づける
ように補正する前段研削完了径補正手段170と、前記
駆動手段100を作動させて先ず前記定寸手段120に
より計測される被研削面Waの外径が前記前段研削完了径
補正手段170により補正された前段研削完了径になる
まで前記砥石台13を前段研削速度で前進させて前記砥
石車19により被研削面Waを研削し、次いで前記砥石台
13を微研削速度で前進させて前記砥石車19により被
研削面Waを研削する制御手段130を備えたことを特徴
とするものである。 【0007】 【作用】ファジー情報修正手段160は、加工状態演算
手段140により演算された複数の因子に基づきファジ
ー情報記憶手段150に記憶された標準ファジー情報
を、砥石車19の切れ味の挙動の変化に対応するように
修正して修正ファジー情報を作成する。前段研削完了径
補正手段170は、前記複数の因子を入力情報とし前記
修正ファジー情報を使用したファジー推論により砥石車
19の切れ味がよい場合にはその程度に応じて予め定め
られた前段研削完了径を仕上目標径に近づけるように補
正する。制御手段130は駆動手段100を介して砥石
台13を先ず比較的速い切込み送り速度で前進させて砥
石車19により工作物Wの被研削面Waを前段研削し、定
寸手段120により計測される被研削面Waの外径が前段
研削完了径補正手段170により補正された前段研削完
了径になれば前段研削を終了する。引き続いて制御手段
130は砥石台13を切込み送り速度を比較的遅い微研
削速度に切り替えて前進させて被研削面Waの微研削を行
う。定寸手段120により計測される被研削面Waの外径
が仕上目標径に達すれば、制御手段130は必要に応じ
てスパークアウト研削を行い、砥石台13を後退させて
研削を終了する。 【0008】 【発明の効果】このような本発明によれば、砥石車の切
れ味がよい場合にはその程度に応じて予め定められた前
段研削完了径を仕上目標径に近づけるようにファジー推
論により補正し、この補正された前段研削完了径まで前
段研削において研削されるので、送り速度の小さい微研
削送りが長くなることはなく、しかも標準ファジー情報
を砥石車の切れ味の挙動の変化に対応するように修正し
た修正ファジー情報を使用しているので、微研削完了時
の研削残量を所定の限度以内に集束させることができ
る。従ってサイクルタイムが長くなることはなく、サイ
クルタイムのばらつきが減少すると共に、平均サイクル
タイムも従来に比して減少し、しかも精度不良や真円度
不良を生じることもなくなる。 【0009】 【実施例】以下に図2〜図11に示す実施例により、本
発明の説明をする。図2に示すように、研削盤10のベ
ッド11上に左右方向(Z方向)移動可能に案内支持し
た工作物テーブル12上には、主軸15を軸承する主軸
台14と心押台16が左右方向に対向して同軸的に設け
られ、工作物Wは主軸15と心押台16に設けたセンタ
15a,16aにより両端が支持されている。主軸15
は主軸台14に設けたモータ18により回転駆動され、
工作物Wは左端部が主軸15から突設された回止め部材
17に係合されて主軸15と共に回転される。 【0010】また、ベッド11上には、Z方向と直交す
る水平なX方向に移動可能に砥石台13が案内支持さ
れ、この砥石台13にはCBN砥石等の砥石車19が主
軸15と平行な砥石軸20により軸承され、Vベルト回
転伝達機構21を介してモータ22により回転駆動され
る。ベッド11に設けたサーボモータ23は、数値制御
装置30のパルス分配回路34から分配される制御パル
スに基づいて作動する駆動回路41により制御駆動さ
れ、図略の送りねじ装置を介して砥石台13にX方向の
送りを与えるものである。エンコーダ等の位置検出器2
5はサーボモータ23の回転角度を介して砥石台13の
移動位置を検出し、この検出値はセンサコントローラ4
2を介して数値制御装置30に入力される。砥石車19
は所定数の工作物Wの加工がなされる都度ツルーイング
により研削面の整形がなされ、ツルーイング後の工作物
Wの加工本数は数値制御装置30のメモリ32に記憶さ
れる。 【0011】工作物テーブル12上に設置されたインプ
ロセス定寸装置24は、1対の測定子34aの先端部を
研削中の工作物Wの被研削面Waに係合してその外径寸法
を連続的に直接測定し、その測定信号(アナログ信号)
は数値制御装置30に入力される。 【0012】数値制御装置30は、図2に示すように、
研削装置全体を制御し管理する中央処理装置(CPU)
31、メモリ32、外部とのデータの授受を行うインタ
フェース33、及びCPU31からの指令に応じて駆動
パルスを分配送出するパルス分配回路34を備えてい
る。CPU31には、A−Dコンバータ35を介して定
寸装置24が接続され、またセンサコントローラ42が
接続されている。このセンサコントローラ42はCPU
31により制御され、前述の位置検出器25が接続され
ている。更に、インタフェース33には、制御データ等
を入力するキーボード等の入力装置40が接続され、ま
たパルス分配回路34には、駆動回路41を介して前述
のサーボモータ23が接続されている。メモリ32に
は、工作物Wを加工するための加工プログラム、砥石車
19の切れ味の挙動(切れ味及びその変化状等)態が標
準的状態の場合に対応して作成した標準ファジー情報
(各メンバシップ関数及びプロダクションルール)、標
準ファジー情報を修正するための修正プログラム及びデ
ータ、並びにその他のデータ等が格納されている。 【0013】本実施例と請求項の関係において、サーボ
モータ23が駆動手段100を、位置検出器25が位置
検出手段110を、定寸装置24が定寸手段120を、
CPU31及びパルス分配回路34が制御手段130
を、CPU31及びメモリ32が加工状態演算手段14
0、ファジー情報修正手段160及び前段研削完了径補
正手段170を、メモリ32がファジー情報記憶手段1
50をそれぞれ構成している。 【0014】次に、上記のように構成された本実施例の
動作の全体的流れを、図3に示すフローチャートにより
説明する。加工すべき工作物が登録され、入力装置40
からの作動指令が与えられると、研削装置の数値制御装
置30のCPU31は、先ず標準ファジー情報を使用し
て、主加工プログラム(図示省略)に基づきステップ1
00の研削加工を実施する。すなわち砥石車19が回転
し、主軸台14と心押台16により支持された工作物W
がモータ18により所定の速度で回転した状態で、CP
U31は予め設定した粗研削送り速度で砥石台13を前
進させ、工作物Wの粗研削を実施する。粗研削の間に時
々刻々変化する砥石台13の切込み送り位置は位置検出
器25により検出され、その検出値はセンサコントロー
ラ42を経てCPU31に入力され、また定寸装置24
は測定子34aが工作物Wの被研削面Waに係合されて被
研削面Waの外径をインプロセス計測し、その計測値はA
−Dコンバータ35によりデジタル信号に変換してCP
U31に入力される。 【0015】粗研削が進行し定寸装置24により計測さ
れた被研削面Waの径が粗研削完了径D1に達すれば、CP
U31は切込み送り速度を粗研削送り速度より小さい予
め設定された精研削送り速度に切り替えて砥石台13を
前進させ、工作物Wの精研削を実施する。精研削が進行
し定寸装置24により計測された被研削面Waの径が精研
削完了径D2に達すれば、CPU31は切込み送り速度を
更に小さく予め設定された微研削送り速度に切り替えて
砥石台13を前進させ、工作物Wの微研削を実施する。
そして定寸装置24により計測された被研削面Waの径が
仕上目標径Dに達すればCPU31は砥石台13の送り
を停止し、所定時間のスパークアウト研削を行ってから
砥石台13を後退させてその工作物Wの研削加工を終了
する。 【0016】以上に述べた本実施例の動作は、粗研削完
了径D1及び精研削完了径D2が研削状態に応じて補正され
る点を除き、図14に示す従来技術の作動と実質的に同
一である。本実施例では前述したステップ100の粗研
削が開始されれば、これと平行してこの粗研削完了径の
補正処理がなされる。すなわちCPU31は先ず定寸装
置24により計測された被研削面Waの径及び位置検出器
25により検出された砥石台13の位置を入力し、この
被研削面Waの径と砥石台13の位置(被研削面Waの径に
換算した値)の差として、研削残量Zを演算する。砥石
台13の位置は、工作物Wと砥石車19の間の熱変位及
び砥石車19の摩耗による誤差を補正したものとする。 【0017】粗研削がある程度進行して砥石台13が指
定位置(粗研削状態がある程度安定してしかも粗研削開
始位置に近い比較的位置)に達すれば、CPU31は加
工本数比N(ツルーイング後の工作物Wの加工本数/ツ
ルーイングインターバルの間になされる全加工本数)を
演算する。そしてこの加工本数比Nと先に演算した研削
残量Zに基づき、CPU31はファジー推論により粗研
削完了径の補正率Rを演算する。このファジー推論の内
容は次の通りである。 【0018】本実施例の研削装置のメモリ32に記憶さ
れた標準ファジー情報は、図5の(a)及び(b)に示す研削
残量及び加工本数比に関する入力情報メンバシップ関
数、図6に示す出力情報メンバシップ関数、並びに図7
の(a)及び(b)に示す粗研削及び精研削についてのプロダ
クションルールよりなっている。研削残量及び加工本数
比に関する入力情報メンバシップ関数の横軸は、研削残
量、加工本数比を表し、縦軸は0から1までのグレード
を表す。SML、MDL、LRGは、小さい、中ぐら
い、大きいと思われるそれぞれの研削残量、加工本数比
に対するグレードの変化を表す関数である。出力情報メ
ンバシップ関数の横軸は補正率を表し、縦軸は0から1
までのグレードを表す。NLG、NML、NSL・・・
はプロダクションルールで選択される関数であり、グレ
ードから頭切りされた関数の面積重心から補正率が算出
される。CPU31は先に演算した研削残量Zと研削残
量のメンバシップ関数により、グレードを演算する。図
示の例では図5の(a)に示すように、研削残量について
のグレードは、SMLに対しては0.4、MDLに対して
は0.6と演算される。同様に加工本数比についてのグレ
ードは、ZROに対しては0.2、SMLに対しては0.8と
演算される。この各数値を図7(a)の粗研削のプロダク
ションルールに適用してMINをとれば図8に示すよう
な値になり、これに基づき出力情報メンバシップ関数の
3つの関数を頭切りし、図6の3つの関数の斜線部を合
わせた面積の重心から、CPU31によって補正率Rを
演算する。この結果、補正率Rは52パーセントと演算
される。 【0019】次いでCPU31は、予め定められた基準
粗研削完了径と仕上目標径Dとの差分に補正率Rを乗
じ、これを仕上目標径Dに加えることにより補正された
粗研削完了径D1を演算する。なおこの粗研削完了径の補
正は、上記のように砥石台13の位置が予め定められた
指定位置となったときに行う代わりに、定寸装置24に
より計測された被研削面Waの径が予め定められた指定径
となったときに行うようにしてもよい。 【0020】平行して行われている主加工プログラムに
よる粗研削が進行し、定寸装置24により計測された被
研削面Waの径が、以上のようにして補正された粗研削完
了径D1に達すれば、CPU31は切込み送り速度を粗研
削送り速度から精研削送り速度に切り替えて砥石台13
を前進させ、工作物Wの精研削を開始する。研削残量Z
が小さい程、また加工本数比Nが小さい程、砥石車19
の切れ味はよいので、補正率Rは砥石車19の切れ味が
よい程小さい値になり、粗研削完了径D1も小さくなって
仕上目標径Dに近づく。 【0021】主加工プログラムで引き続き行われる精研
削においても、粗研削の場合と同様、精研削と平行して
精研削完了径補正処理がなされる。この場合には、図7
の(b)に示すように、プロダクションルールが粗研削の
場合とは多少異なるが、これを除き同様にしてCPU3
1は補正率Rを演算し、この補正率Rと予め定められた
基準精研削完了径に基づき、粗研削の場合と同様にして
補正された精研削完了径D2を演算する。平行して行われ
る精研削が進行し、定寸装置24により計測される被研
削面Waの径が、補正された精研削完了径D2に達すれば、
CPU31は切込み送り速度を精研削送り速度から微研
削送り速度に切り替えて砥石台13を前進させ、工作物
Wの微研削を開始する。粗研削の場合と同様、精研削時
の補正率Rも砥石車19の切れ味がよい程小さい値にな
り、精研削完了径D2も小さくなって仕上目標径Dに近づ
く。 【0022】微研削においては、定寸装置24により計
測された被研削面Waの径が仕上目標径Dに達すれば、C
PU31は前述のようにしてその工作物Wの研削加工を
終了する。ステップ100の内容は以上の通りである。
なお本実施例のステップ100ではファジー推論により
補正した粗研削完了径D1及び精研削完了径D2を使用した
が、ステップ100はメモリ32に記憶された粗研削完
了径D1及び精研削完了径D2をそのまま使用して実施する
ことも可能である。 【0023】CPU31はこのようなステップ100を
繰り返して所定本数の工作物Wの研削加工を行い、その
間に研削残量、その変化状態、加工本数比などの研削状
態を示す複数の因子を収集してメモリ32内の所定の領
域に記憶する。所定本数の工作物Wの研削加工を行った
後、CPU31は制御動作をステップ101からステッ
プ102に進め、メモリ32内に記憶された複数の因子
に基づき加工本数比に対する研削残量の挙動の変化特性
を演算する。 【0024】先ず加工本数比に対する研削残量の挙動の
変化特性につき説明すれば、標準的状態におけるこの変
化特性は、図4の破線Aに示すように比較的なだらかに
上昇し、図5〜図7に示す標準ファジー情報はこの状態
に対応して作成されている。研削残量の挙動の変化特性
がこのように標準的な場合は、ツルーイングの直後など
で砥石車19の切れ味がよいときは、粗研削では仕上目
標径Dに近づくように補正された粗研削完了径D1まで研
削がなされ、また精研削では仕上目標径Dに近づくよう
に補正された精研削完了径D2まで研削がなされるので、
送り速度の小さい微研削送りが、砥石車19の切れ味が
悪い場合に比して長くなることはない。従って砥石車1
9の切れ味がよい場合のサイクルタイムが切れ味が悪い
場合に比して長くなることはなく、サイクルタイムのば
らつきが減少すると共に、平均サイクルタイムも従来に
比して減少する。しかしながら、砥石車19やツルアの
種類、ツルーイング条件あるいは工作物Wの材質によっ
ては、研削残量の変化特性の勾配が図4の線Bに示すよ
うに変わったり、変化特性の形状が線Cに示すように変
わったりすることがある。このような場合には研削残量
が増大するので、微研削終了時の研削残量が所定の限度
以内に集束しなくなって、精度不良や真円度不良を生じ
ることがある。 【0025】本実施例ではこのような問題が生じるのを
防止するために、CPU31はステップ102において
メモリ32内に記憶された複数の因子に基づき研削残量
の挙動の変化特性を演算し、続くステップ103におい
て修正ファジー情報を作成する。演算された特性が図4
の線Aに近似している場合には、作成された修正ファジ
ー情報は図5〜図7に示す標準ファジー情報と実質的に
変わりない。 【0026】ステップ102で演算した研削残量の変化
特性が図4の線Bに近似している場合は、CPU31は
ステップ103において、図5〜図7に示す標準ファジ
ー情報のうち、図5(b)の加工本数比のメンバシップ関
数を図9に示すものと置き換えて修正ファジー情報を作
成する。この場合は、加工本数比についてのグレード
は、SMLに対しては0.8、MDLに対しては0.2とな
り、この各数値を図7(a)の粗研削のプロダクションル
ールに適用してMINをとれば図10に示すような値に
なる。CPU31はこれらの演算を行い、更に前述と同
様これに基づき出力情報メンバシップ関数を頭切り法に
より修正し、重心演算により補正率Rを61パーセント
と演算する。すなわちこの修正ファジー情報を使用した
場合の粗研削完了径D1は、他の条件が同じならば標準フ
ァジー情報を使用した場合よりも大となり、同様に精研
削完了径D2も大となる。 【0027】ステップ102で演算した研削残量の変化
特性が図4の線Cに近似している場合は、CPU31は
ステップ103において、図5〜図7に示す標準ファジ
ー情報のうち、図7のプロダクションルールを図11に
示すものと置き換えて修正ファジー情報を作成する。こ
の場合は、加工本数比が小さい場合のNML及びNSL
(一部を除く)がそれぞれZRO及びPSLに変更され
ており、これにより加工本数比が小さいときの粗研削完
了径D1及び精研削完了径D2が大となる。 【0028】上述のように、ステップ103で修正ファ
ジー情報を作成した後、CPU31はステップ104の
研削加工を実施する。この研削加工は標準ファジー情報
の代わりにステップ103で作成した修正ファジー情報
を使用する点を除き、ステップ100の研削加工と同じ
である。研削残量の挙動の変化特性が図4の線Bまたは
線Cのようであって研削残量が増大する場合には、前述
のように粗研削完了径D1及び精研削完了径D2が増大する
ので、精研削量及び微研削量が増大する。これにより微
研削終了時の研削残量が充分に集束して所定の限度以内
となり、精度不良や真円度不良の発生は防止される。 【0029】CPU31はステップ104を繰り返して
所定本数の工作物Wの研削加工を行った後、制御動作を
ステップ105からステップ106に進め、研削残量の
挙動の変化特性を演算する。この演算は、繰り返し行わ
れたステップ104の研削加工の少なくとも一部の間に
収集されてメモリ32内に記憶された研削残量、その変
化状態、加工本数比などの研削状態を示す複数の因子に
基づき、ステップ102と同様にして行う。CPU31
は、ステップ106で演算された研削残量の挙動の変化
特性と前回に演算された研削残量の挙動の変化特性を続
くステップ107で比較し、この2つの変化特性の傾向
が変化した場合はステップ108に進んで修正ファジー
情報を作成し直す。ステップ108の修正ファジー情報
の作成は実質的にステップ103と同じであり、研削残
量の挙動の変化特性がそれ以前の状態から図4の線A,
B,Cに示す特性に変化した場合は、変化後の特性に対
応する修正ファジー情報(または標準ファジー情報)が
作成される。 【0030】CPU31は、研削残量の挙動の変化特性
の傾向がそれ以前と変わった場合は前述のステップ10
8を経て、また変化特性の傾向が変わらない場合はステ
ップ108をスキップして、制御動作をステップ109
に進め、加工すべき工作物が存在して研削を続行する場
合は、ステップ104〜ステップ108を繰り返し、必
要な修正ファジー情報作成を所定本数毎に行い、この修
正ファジー情報を用いてファジー推論により補正された
粗研削完了径及び精研削完了径を使用して工作物Wの研
削加工を行う。加工すべき工作物がなくなれば、CPU
31は研削加工を終了する。 【0031】上述のように本実施例によれば、ツルーイ
ングの直後などで砥石車19の切れ味がよい場合には、
粗研削では仕上目標径Dに近づくようにファジー推論に
より補正された粗研削完了径D1まで研削がなされ、また
精研削では仕上目標径Dに近づくように補正された精研
削完了径D2まで研削がなされるので、送り速度の小さい
微研削送りが、砥石車19の切れ味が悪い場合に比して
長くなることはない。しかもファジー推論による補正に
際して、標準ファジー情報を砥石車19の切れ味の挙動
の変化に対応するように定期的に修正した修正ファジー
情報を使用しているので、砥石車19の切れ味の挙動が
変動した場合でも微研削完了時の研削残量を所定の限度
以内に集束させることができる。従って砥石車19の切
れ味がよい場合のサイクルタイムが切れ味が悪い場合に
比して長くなることはなく、サイクルタイムのばらつき
が減少すると共に、平均サイクルタイムも従来に比して
減少し、また精度不良や真円度不良を生じることもなく
なる。なお図6に示す出力情報メンバシップ関数は、妥
当な出力値が得られるように中央付近を100パーセン
トとしてほゞ左右対称とすればよく、図示のように左右
端をそれぞれ0及び200パーセントとする必要は必ず
しもない。 【0032】上記実施例ではファジー推論のための入力
情報(砥石車の切れ味の変化と関連して変化する加工状
態を示す因子)として研削残量Z及び加工本数比Nを使
用したが、このほかの入力情報としては研削残量速度
比、研削残量変化量、研削残量振れ量など、砥石車19
の切れ味に関連するものを使用することもできる。研削
残量速度比は研削残量Zを工作物1回転当たりの切込み
速度で除することにより得られ、この研削残量速度比の
入力情報メンバシップ関数は図12の(c)に示すように
なる。研削残量変化量及び研削残量振れ量を演算するた
めには、所定の小時間間隔で演算した研削残量を工作物
2回転分に相当する数だけメモリ32の記憶領域に予め
記憶しておく。研削残量変化量は記憶領域にストックさ
れた多数の研削残量を用いて演算された工作物1回転当
たりの研削残量の変化量であり、この研削残量変化量の
入力情報メンバシップ関数は図12の(d)に示すように
なる。研削残量振れ量は同様に記憶領域にストックされ
た多数の研削残量を用いて演算された工作物1回転当た
りの研削残量の最大値と最小値の差であり、この研削残
量振れ量の入力情報メンバシップ関数は図12(e)に示
すようになる。これらの入力情報を使用する場合には、
研削残量速度比及び研削残量振れ量はその値が小さいほ
ど、また研削残量変化量はその値が負で大きいほど、補
正率Rが小さい値になるようにプロダクションルールを
修正する。 【0033】なお上記実施例では、最終仕上げである微
研削の前に行う前段研削を粗研削と精研削の2つに分け
て行ったが、研削条件によっては精研削を省略して本発
明を実施してもよい。また上記実施例では、研削残量の
挙動の変化特性が変わったときにステップ108で自動
的に修正ファジー情報を作成するようにしたが、この際
に警報を発して作動停止または修正ファジー情報を作成
するようにしてもよいし、あるいはステップ100に戻
って標準ファジー情報により作動するようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明による研削装置の構成を示す図であ
る。 【図2】 本発明による研削装置の一実施例の全体構成
を示す図である。 【図3】 図2に示す実施例の作動の全体的流れを示す
フローチャートである。 【図4】 加工本数比に対する研削残量の変化特性の例
を示す図である。 【図5】 補正率のファジー推論に使用する標準ファジ
ー情報の入力情報メンバシップ関数の例を示す図であ
る。 【図6】 標準ファジー情報の出力情報メンバシップ関
数の例を示す図である。 【図7】 標準ファジー情報のプロダクションルールの
例を示す図である。 【図8】 図7のプロダクションルールに実際の数値の
1例を適用した図である。 【図9】 修正ファジー情報の入力情報メンバシップ関
数の例を示す図である。 【図10】 修正ファジー情報を使用した場合における
図7のプロダクションルールに実際の数値の1例を適用
した図である。 【図11】 修正ファジー情報のプロダクションルール
の例を示す図である。 【図12】 補正率のファジー推論に使用する入力情報
メンバシップ関数の別の例を示す図である。 【図13】 本発明が対象とする研削装置の一例の主要
部を示す図である。 【図14】 従来の研削装置の一例の基本的作動状態の
説明図である。 【図15】 従来の研削装置における砥石車の切れ味の
違いによる作動の違いを説明する図である。 【符号の説明】 13…砥石台、19…砥石車、100…駆動手段、11
0…位置検出手段、120…定寸手段、130…制御手
段、140…加工状態演算手段、150…ファジー情報
記憶手段、160…ファジー情報修正手段、170…前
段研削完了径補正手段、W…工作物、Wa…被研削面。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−159077(JP,A) 特開 平2−95543(JP,A) 特開 昭59−76769(JP,A) 特開 昭62−107949(JP,A) 特開 昭52−74192(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 5/40 B23Q 15/12 B23Q 15/007 B24B 51/00 B24B 49/02 B24B 47/20

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 モータにより回転駆動される砥石車を有
    する砥石台と、前記砥石車とこれにより研削される工作
    物が互いに接近離間する方向に前記砥石台と工作物を相
    対移動させる駆動手段と、前記工作物に対する前記砥石
    台の位置を検出する位置検出手段と、研削中に工作物の
    被研削面の外径を計測する定寸手段を備え、前段研削に
    引き続いて微研削を行って前記被研削面を仕上目標径と
    する研削装置において、前記砥石車の切れ味の挙動と関
    連して変化する加工状態を示す複数の因子を演算する加
    工状態演算手段と、前記砥石車の切れ味の挙動が標準的
    状態の場合に対応して作成した標準ファジー情報を記憶
    するファジー情報記憶手段と、前記砥石車の切れ味の挙
    動の変化に対応するよう前記複数の因子に基づき前記標
    準ファジー情報を修正して修正ファジー情報を作成する
    ファジー情報修正手段と、前記複数の因子を入力情報と
    し前記修正ファジー情報を使用したファジー推論により
    前記砥石車の切れ味がよい場合にはその程度に応じて予
    め定められた前段研削完了径を仕上目標径に近づけるよ
    うに補正する前段研削完了径補正手段と、前記駆動手段
    を作動させて先ず前記定寸手段により計測される被研削
    面の外径が前記前段研削完了径補正手段により補正され
    た前段研削完了径になるまで前記砥石台を前段研削速度
    で前進させて前記砥石車により被研削面を研削し、次い
    で前記砥石台を微研削速度で前進させて前記砥石車によ
    り被研削面を研削する制御手段を備えたことを特徴とす
    る研削装置。
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