JP3391136B2 - 車両用経路誘導装置 - Google Patents

車両用経路誘導装置

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JP3391136B2
JP3391136B2 JP3705595A JP3705595A JP3391136B2 JP 3391136 B2 JP3391136 B2 JP 3391136B2 JP 3705595 A JP3705595 A JP 3705595A JP 3705595 A JP3705595 A JP 3705595A JP 3391136 B2 JP3391136 B2 JP 3391136B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鳥瞰図方式の道路地図
上に目的地までの経路を表示して乗員を誘導する車両用
経路誘導装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】車両の後方上空から進行方
向の道路を見下ろすように表示する、いわゆる鳥瞰図方
式の道路地図をディスプレイに表示するようにした車両
用経路誘導装置が知られている(例えば、特開平2−2
44188号公報参照)。この種の車両用経路誘導装置
では、進行方向を中心とした鳥瞰図方式の道路地図上
に、目的地までの最適経路と車両の現在地を表示して乗
員を誘導している。
【0003】ところで、図15(b)に示すような従来
の平面地図と同図(a)に示すような鳥瞰図方式の道路
地図を比較すると、従来の平面地図は表示画面内のどの
位置でも道路地図が同一の縮尺で表示されるが、鳥瞰図
方式の道路地図は表示画面下方の車両の現在地周辺は道
路地図が拡大表示され、表示画面上方の現在地から遠ざ
かるにしたがって道路地図が縮小表示される。従来の平
面図では、行政界、施設名、湖沼などの文字情報を表示
画面内の道路地図上のどの位置に重ねて表示しても、大
量の文字情報を表示しない限り文字情報が密になって見
ずらくなるということはない。ところが、鳥瞰図方式の
道路地図では、表示画面上方の現在地から遠ざかるにし
たがって道路地図自体が縮小表示されているので、表示
画面下方の現在地周辺と同様な処理で表示画面上方に文
字情報を表示すると、文字情報が密になったり文字情報
どうしが重なってしまい、道路地図が見ずらくなるとい
う問題がある。
【0004】本発明の目的は、鳥瞰図方式の道路地図上
の車両の現在地周辺から遠方に至るまで文字情報を見や
すく表示するようにした車両用経路誘導装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、道路地図を記憶する道路地図記
憶手段と、前記道路地図に表示する文字情報を、狭い地
域に対応する情報(狭域文字情報)から広い地域に対応
する情報(広域文字情報)まで複数の階層に分類して記
憶する文字情報記憶手段と、前記道路地図記憶手段の道
路地図を鳥瞰図方式の道路地図に変換する地図変換手段
と、前記地図変換手段により変換された鳥瞰図方式の道
路地図を表示手段に描画するとともに、前記文字情報記
憶手段の文字情報を前記表示手段に描画された鳥瞰図方
式の道路地図の対応する位置に描画する描画手段とを備
えた車両用経路誘導装置であって、前記描画手段は、前
記広域文字情報を描画した後に前記狭域文字情報を描画
して前記広域文字情報の上に前記狭域文字情報を上書き
する。請求項2の車両用経路誘導装置は、前記描画手段
によって、文字情報を描画する時にすべての文字を同一
の文字高さで描画するようにしたものである。
【0006】
【作用】請求項1の車両用経路誘導装置では、表示手段
に描画された鳥瞰図方式の道路地図上の対応する位置
に、広域文字情報を描画した後に狭域文字情報を描画し
て広域文字情報の上に狭域文字情報を上書きする。請求
項2の車両用経路誘導装置では、文字情報を描画する時
にすべての文字を同一の文字高さで描画する。
【0007】
【実施例】図1は一実施例の構成を示す機能ブロック図
である。この実施例の車両用経路誘導装置はマイクロコ
ンピューターを中心に構成される。方位センサー1は車
両の進行方位を検出し、検出した進行方位情報をA/D
変換器2およびインタフェース回路3を介してCPU4
へ送る。車速センサー5は車両の所定の走行距離ごとに
パルス信号を発生し、インタフェース回路3を介してC
PU4へ出力する。CPU4は、このパルス信号のパル
ス数をカウントして車両の走行距離を検出する。GPS
受信機6は衛星を利用した位置検出システムの受信機で
あり、車両の現在地および進行方向などの情報をインタ
フェース回路3を介してCPU4へ送る。キー7は車両
の目的地などを設定するための操作部材であり、インタ
フェース回路3を介してCPU4へ接続される。
【0008】CD−ROM8は道路地図データおよび文
字データを格納する記憶装置であり、インタフェース用
SCSIコントローラー9を介してCPU4に接続さ
れ、CPU4からの道路地図読み出し指令に応答して指
定範囲の道路地図データおよび文字データをCPU4へ
送る。道路地図を表示するディスプレイ10はグラフィ
ックコントローラー11を介してCPU4へ接続され、
鳥瞰図方式の道路地図上に文字情報と目的地までの最適
経路と車両の現在地マークを重畳して表示する。V−R
AM12は鳥瞰図方式の道路地図データと文字データを
記憶し、CPU4からの表示指令にしたがってグラフィ
ックコントローラー11を介してディスプレイ10へ出
力する。さらにCPU4には、各種データの一時格納用
RAM13や後述する制御プログラムを格納するROM
14などが接続される。CPU4は、後述する処理プロ
グラムを実行して二次元平面の道路地図データを鳥瞰図
方式の道路地図データに変換し、その鳥瞰図方式の道路
地図をディスプレイ10に描画するとともに、その地図
上に文字情報と車両の現在地と目的地までの最適経路と
を重畳して描画する。
【0009】図2は、二次元平面の道路地図と鳥瞰図方
式の道路地図との関係を示す。二次元平面の道路地図
を、東を+X軸方向にとり北を+Y軸方向にとってXY
平面上に表わし、このXY平面上の道路の上空をXY平
面と直交するZ軸の正の方向にとったXYZの三次元座
標系を考える。車両の現在地から目的地と反対方向へ所
定距離離れた地点の上空に視点E(VX,VY,VZ)を
設定し、この視点Eから視線EFに沿ってXY平面上の
道路地図を見下ろすものとする。視線EFとXY平面と
のなす角度を見下ろし角θと呼び、視線EFをXY平面
上に投影した直線E’Fと、+X軸とのなす角度を視線
方向φと呼ぶ。視線EFと垂直な面上にディスプレイ1
0の表示枠abcdを設定し、視点E(VX,VY,V
Z)から表示枠abcdを通してXY平面上の道路地図
を見下ろした時、台形状のABCDの範囲の道路地図を
見ることができる。この範囲ABCDが道路地図の表示
領域である。視線EFがディスプレイ10の表示枠ab
cdの中心を通り、且つ車両を見下ろすように設定する
と、表示枠abcdの中心に車両の現在地が表示され
る。このようにした場合、ディスプレイ10の下部表示
枠abghは表示領域ABGHに対応し、この下部表示
枠abghに狭い領域ABGHの道路地図が表示され
る。また、上部表示枠ghdcは表示領域GHDCに対
応し、この上部表示枠ghdcに広い領域GHDCの道
路地図が表示される。すなわち、視点Eに近い範囲の道
路地図が拡大されて表示され、視点Eから遠ざかるにし
たがって道路地図が縮小されて表示される。なお、車両
の現在地をF(CX,CY)とする。この車両の現在地F
(CX,CY)は辺GHの中央に位置する。
【0010】図3は、一実施例の道路地図表示プログラ
ムを示すフローチャートである。このフローチャートに
より、一実施例の動作を説明する。キー7のメインスイ
ッチが投入されると、CPU4はこの制御プログラムの
実行を開始する。ステップ100において、キー7によ
り設定された目的地情報を読み込み、続くステップ10
2で車両の現在地と進行方位を検出する。車両の現在地
は自立航法により計算してもよいし、GPS航法により
検出してもよい。また、両者を併用してもよい。前者
は、方位センサー1により検出された進行方位と、車速
センサー5からのパルス信号をカウントして測定された
走行距離とに基づいて走行軌跡を計算し、マップマッチ
ングにより現在地を特定する。後者は、GPS受信機6
により算出された現在地と進行方位を用いる。ステップ
104で、公知の経路探索方法により現在地から目的地
までの最適経路を計算する。
【0011】ステップ106において、視線EFの方向
φを計算する。この視線方向φには、例えばディスプレ
イ10に表示される最適経路の距離が最大となる方向を
設定してもよいし、単に車両の進行方向を設定してもよ
い。あるいはまた、単に目的地の方向を設定してもよ
い。続くステップ108で、車両の現在地F(CX,C
Y)がディスプレイ10の表示枠abcdの中央に表示
されるように、視点Eの位置と視線EFを決定する。な
お、この実施例では視点EのZ座標VZ(以下、視点高
さと呼ぶ)と見下ろし角θは予め設定した所定値とす
る。
【0012】ステップ110において、表示領域ABC
Dの各頂点を計算する。図4は、図2に示す三次元座標
系のZ=0におけるXY平面を示す。視点E(VX,V
Y,VZ)のXY平面への投影点E’(VX,VY)を次式
により算出する。
【数1】 なお、車両の現在地を表示枠abcdの中央以外の位置
に表示する場合にも、視点高さVZと視線方向φが一定
であるから視点Eと表示領域ABCDの相対関係も一義
的に定まり、数式1にわずかな修正を加えるだけで投影
点E’を計算できる。例えば、車両の現在地を表示枠a
bcdの左右中心線上の上下中心より下側に表示する場
合は、数式1の(Vz/tanθ)の項が小さくなるよ
うなθを選べばよい。
【0013】ここで、図4に示すXY座標系を視点投影
点E’(VX,VY)が原点になるように平行移動して、
図5に示すようにX’Y’座標系を設定する。さらに、
このX’Y’座標系を視線方向がY軸上に来るように回
転して、X”Y”座標系を設定する。なお、図6に示す
ように、ディスプレイ10の表示枠abcdの横幅を1
とした時の縦幅をSとし、視点E(VX,VY,VZ)か
ら表示枠abcdまでの距離をDSとし、視線EFと直
線Egとのなす角を半見開き角αとする。図4に示すX
Y座標系の表示領域ABCDは、図5に示すX”Y”座
標系の表示領域A”B”C”D”に対応する。この新し
いX”Y”座標系における表示領域A”B”C”D”の
各頂点の座標は次式により与えられる。
【数2】
【0014】次に、視線方向φを考慮したX’Y’座標
系における表示領域A’B’C’D’の各頂点の座標を
求める。X’Y’座標系はX”Y”座標系を回転したも
のであるから、数式2により算出された表示領域A”
B”C”D”の各頂点座標を座標軸の回転により変換す
る。
【数3】 さらに、算出されたX’Y’座標系における表示領域
A’B’C’D’の各頂点座標に基づいて、XY座標系
における表示領域の各頂点を計算する。XY座標系は
X’Y’座標系を平行移動したものであるから、数式3
により算出された表示領域A’B’C’D’の各頂点座
標をX軸方向にVX、Y軸方向にVYだけ平行移動して座
標変換する。
【数4】
【0015】二次元平面XY上の道路地図における表示
領域ABCDを求めることができたので、ステップ11
2で、CD−ROM8に記憶されている道路地図データ
と文字データの中から表示領域ABCDを含む範囲の道
路地図データと文字データをRAM13へ読み込む。道
路地図データと文字データは、全国をJIS−X041
0に規定される小区画(以下、地域メッシュと呼ぶ)に
区分して管理されており、CD−ROM8からの道路地
図データと文字データの読み込みは地域メッシュ単位で
行なわれる。道路地図データは、道路を交差点や屈極点
などを示すノードと、ノードとノードとを結ぶリンクに
よりデータ化されており、各ノードおよび各リンクの位
置座標や道路種別に基づく階層化レベル情報とともに記
憶されている。また、この道路地図データには道路情報
の他に鉄道、湖沼、公園などの線で表わされる情報が含
まれている。
【0016】また、行政界とその地名、鉄道と駅名、主
要施設、湖沼、名所旧跡などの文字データは上記道路地
図データとは別に記憶されている。図8はCD−ROM
8に記憶されている文字データの一部を示す。文字デー
タには、文字情報とその表示位置を示すXY座標と階層
化レベルが含まれている。階層レベル”1”は最も狭い
地域に対応する情報、レベル”3”は最も広い地域に対
応する情報、レベル”2”はその中間の情報を表わす。
例えば、行政界は図9に示すように階層レベルを設定す
る。
【0017】次に、ステップ114において、CD−R
OM8から読み込んだXY平面の道路地図データを、デ
ィスプレイ10に表示する鳥瞰図方式の道路地図データ
に座標変換する。この二次元平面の道路地図から鳥瞰図
方式の道路地図への座標変換については、後で詳しく説
明する。ステップ116で、鳥瞰図方式の道路地図デー
タをV−RAM12へ転送し、グラフィックコントロー
ラー11を介してディスプレイ10に描画するととも
に、車両の現在地を示すカーマークと上記ステップで算
出した目的地までの最適経路を表示中の鳥瞰図方式の道
路地図上に重畳して表示する。ステップ118におい
て、後述する文字情報描画ルーチンを実行し、表示中の
鳥瞰図方式の道路地図上に文字情報を重畳して描画す
る。なお、道路地図は鳥瞰図に変換したが、文字情報は
鳥瞰図に変換しない。この文字情報の描画処理について
は後述する。ステップ120で、車両が所定距離移動し
たか、あるいは車両が所定角度回転したか否かを判別
し、車両の移動または回転があればステップ106へ戻
って上記処理を繰り返し、鳥瞰図方式の道路地図を更新
する。
【0018】次に、XY座標系における平面道路地図デ
ータからディスプレイ10に表示する鳥瞰図方式の道路
地図データへの座標変換について説明する。図7は、視
点E(VX,VY,VZ)を原点とし視線EFを−Z軸に
とするEXEYEZ座標系と、ディスプレイ10の表示枠
abcdの中心を原点とするSXSY表示座標系と、表示
領域ABCDとの関係を示す。ここで、XY座標系にお
ける任意の道路地図データPの座標を(MX,MY)とす
ると、図5に示すように、点E’(VX,VY)が原点と
なるように平行移動し(X’Y’座標系)、さらに視線
(E’F)がY軸と重なるように回転させたX”Y”座
標系における上記任意のデータPの座標(MX”,M
Y”)は、
【数5】 で求められる。次に、このX”Y”座標系におけるデー
タPの座標(MX”,MY”)を、次式によりEXEYEZ
座標系の座標(EX1,EY1,EZ1)に変換する。
【数6】 なお、上記数式6に数式5を代入して変形すると次のよ
うに表わされる。
【数7】 さらに、EXEYEZ座標系におけるデータPの座標(EX
1,EY1,EZ1)を、次式によりSXSY座標系の座標
(SX1,SY1)に変換する。
【数8】SX1=−DS・EX1/EZ1, SY1=−DS・EY1/EZ1
【0019】図10、図11は、文字情報描画ルーチン
を示すフローチャートである。このフローチャートによ
り、鳥瞰図方式の道路地図に対する文字情報描画処理を
説明する。ステップ200において、図3のステップ1
12でCD−ROM8から読み込んでRAM13に記憶
した文字データの中から任意のデータ(mx,my)を
読み込む。ここで、ステップ112では、図12に示す
ように、表示対象領域ABCDを含む地域メッシュM1
〜M4の範囲の道路地図データと文字データが読み込ま
れたものとする。ステップ202で、読み込んだ文字デ
ータ(mx,my)が変換対象領域ABCD内か否かを
判別する。変換対象領域ABCD内であれば、ステップ
204へ進み、そうでなければステップ216へ進む。
ステップ204では、文字データの座標(mx,my)
を上記数式5によりX”Y”座標(mx”,my”)に
変換する。
【0020】ステップ206で、文字データのY”座標
my”が所定値L以下か否かを判別する。ここで所定値
Lは、図13に示すように、ディスプレイ10の表示枠
abcdを車両の現在地に近い表示領域と現在地から遠
い表示領域とに分割するX”軸に並行な直線のY”座標
である。例えば、ディスプレイ10の表示枠を上下に
1:7に分割するような値に設定する。座標my”が所
定値L以下、すなわち任意の文字データの座標が車両の
現在地周辺の表示領域内にあればステップ208へ進
み、現在地から遠方の表示領域にあればステップ210
へ進む。文字データの座標が現在地周辺の表示領域内に
ある時は、ステップ208で、その文字データの階層レ
ベルが1または2であるか否か、すなわちその文字デー
タが現在地に近い表示領域に表示すべき狭い地域に対応
する情報であるか否かを判別する。狭域情報であればス
テップ212へ進み、そうでなければステップ216へ
進む。一方、文字データの座標が現在地から遠い表示領
域内にある時は、ステップ210で、その文字データの
階層レベルが2または3であるか否か、すなわちその文
字データが現在地より遠い表示領域に表示すべき広い地
域に対応する情報であるか否かを判別する。広域情報で
あればステップ212へ進み、そうでなければステップ
216へ進む。
【0021】ステップ212では、上記数式6および8
により文字データのX”Y”座標(mx”,my”)を
SXSY表示画面座標系の座標(SX1,SY1)に変換し、
続くステップ214で、その文字データを階層レベルと
表示画面座標とともにRAM13に記憶する。なおこの
時、表示画面座標SX1の絶対値がディスプレイ10の表
示枠の横幅の1/2よりも大きければ、図12に示すよ
うに、変換対象領域JKPQ内にあっても表示領域AB
CD外にあるので、そのような文字データを除外しても
よい。ステップ216で、ステップ112で読み込んだ
文字データのすべてのデータに対して上記処理を終えた
か否かを判別し、処理が完了したらステップ218へ進
み、未処理のデータがあればステップ200へ戻って未
処理データに対して上記処理を繰り返す。
【0022】CD−ROM8からRAM13に読み込ま
れた文字データのすべてのデータに対して上記処理が終
了したら、ステップ218で、RAM13に記憶されて
いる文字データの中から階層レベル3のデータを抽出
し、グラフィックコントローラー11を介してディスプ
レイ10のその文字データの表示画面座標(SX1,SY
1)の位置に描画する。続くステップ220では、RA
M13に記憶されている文字データの中から階層レベル
2のデータを抽出し、グラフィックコントローラー11
を介してディスプレイ10のその文字データの表示画面
座標(SX1,SY1)の位置に描画する。なお、ステップ
218で描画された階層レベル3のデータとステップ2
20で描画する階層レベル2のデータとが重なる場合
、階層レベル3の広域に対応する文字データの上にそ
れよりも狭い地域に対応する階層レベル2の中域の文字
データを上書する。例えば、図8に示す階層レベル3の
「神奈川」と階層レベル2の「大和」が重なる場合
、図14に示すように階層レベル3の「神奈川」の上
に階層レベル2の「大和」を上書きする。ステップ22
2では、RAM13に記憶されている文字データの中か
ら階層レベル1のデータを抽出し、グラフィックコント
ローラー11を介してディスプレイ10のその文字デー
タの表示画面座標(SX1,SY1)の位置に描画する。な
お、ステップ218で描画された階層レベル3の広域対
応の文字データおよびステップ220で描画された階層
レベル2の中域対応の文字データと、ステップ222で
描画する階層レベル1の狭域対応の文字データとが重な
る場合でも、階層レベル3または2の文字データの上に
階層レベル1のデータを上書する。例えば、図8に示す
階層レベル2の「横浜」と階層レベル1の「希望が丘」
が重なる場合でも、図14に示すように階層レベル2の
「横浜」の上に階層レベル1の「希望が丘」を上書きす
る。
【0023】なお、文字情報の描画に際しては、文字の
バックを道路地図の背景色と同じ色で塗り潰し、その上
に文字を描画すると文字が見やすくなる。また、使用す
る文字はどの表示領域においても同一のフォントを用い
るか、あるいは少なくとも同一の文字高さにする。
【0024】このように、CD−ROM8に記憶されて
いる道路地図を鳥瞰図方式の道路地図に変換し、変換さ
れた鳥瞰図方式の道路地図をディスプレイ10に描画す
るとともに、CD−ROM8に記憶されている文字情報
をディスプレイ10に描画された鳥瞰図方式の道路地図
の対応する位置に描画するようにしたので、文字情報の
形状は鳥瞰図に変換されずそのまま鳥瞰図方式の道路地
図上に描画され、文字情報が見やすくなる上に、道路地
図だけを鳥瞰図に変換するので変換処理量が少なくな
り、描画時間を短縮できる。また、車両の現在地周辺に
は複数の階層の文字情報の内の狭域に対応する文字情報
を描画し、車両の現在地から遠方には広域に対応する文
字情報を描画するようにしたので、現在地周辺には交差
点で進行方向を判断しやすい狭域に対応するローカルな
文字情報が表示されるとともに、遠方には目的地方面の
状況を判断しやすい広域に対応する文字情報が表示さ
れ、乗員に有用な文字情報を適切に提供することができ
る。さらに、車両の現在地周辺の表示領域には狭域に対
応する文字情報を描画し、車両の現在地から遠方の表示
領域には広域に対応する文字情報を描画するようにした
ので、各表示領域に予め定めた階層化構造の文字情報を
分配するだけでよく、文字データの処理が簡単になって
描画時間を短縮できる。広域に対応する文字情報を描画
した後に狭域に対応する文字情報を描画し、狭域に対応
する文字情報と広域に対応する文字情報とが重なる場合
でも、広域に対応する文字情報の上に狭域に対応する文
字情報を上書きするようにしたので、予め定めた階層化
レベルの順に描画するという簡単なアルゴリズムで乗員
にとって有用な狭域に対応するローカルな情報を優先的
に表示することができる。さらにまた、文字情報を描画
する時にすべての文字を同一のフォントまたは同一の文
字高さで描画するようにしたので、文字情報が見やすく
なる。
【0025】なお、上述した実施例では文字データを3
段階に階層化した例を示したが、文字データの階層化構
造は上記実施例に限定されない。また、上述した実施例
では表示画面を現在地周辺の領域と現在地から遠方の領
域とに2分割する例を示したが、表示画面の分割数は上
記実施例に限定されない。さらに、上述した実施例では
道路地図データと文字データを同一の記憶装置(CD−
ROM)に記憶する例を示したが、別々の記憶装置に記
憶してもよい。また、道路地図と文字データの記憶装置
はCD−ROMに限定されない。
【0026】以上の実施例の構成において、CD−RO
M8が道路地図記憶手段および文字情報記憶手段を、C
PU4が地図変換手段および描画手段をそれぞれ構成す
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように請求項の発明によ
れば、広域文字情報を描画した後に狭域文字情報を描画
して広域文字情報の上に狭域文字情報を上書きするよう
にしたので、予め定めた階層化レベルの順に描画すると
いう簡単なアルゴリズムで乗員にとって有用な狭い地域
に対応するローカルな情報を優先的に表示することがで
きる。請求項の発明によれば、文字情報を描画する時
にすべての文字を同一の文字高さで描画するようにした
ので、文字情報が見やすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構成を示すブロック図。
【図2】二次元平面の道路地図と鳥瞰図方式の道路地図
との関係を示す図。
【図3】道路地図表示プログラムを示すフローチャー
ト。
【図4】XY二次元平面上の道路地図の表示領域を示す
図。
【図5】図4に示すXY二次元平面地図座標系を、視点
が原点となるように平行移動したX’Y’座標系と、さ
らに視線方向がY軸と重なるように回転したX”Y”座
標系を示す図。
【図6】視点Eとディスプレイの表示枠abcdとの関
係を示す図。
【図7】視点Eを原点とし視線EFを−Z軸とするEX
EYEZ座標系と、ディスプレイの表示枠の中心を原点と
するSXSY表示座標系と、表示領域ABCDとの関係を
示す図。
【図8】記憶装置に記憶される文字データの一部を示す
図。
【図9】行政界の階層レベルを示す図。
【図10】文字情報描画ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図11】図10に続く、文字情報描画ルーチンを示す
フローチャート。
【図12】文字データの読み込み領域、表示対象領域お
よび表示領域を示す図。
【図13】表示領域の分割を示す図。
【図14】文字情報の表示例を示す図。
【図15】平面道路地図と鳥瞰図方式の道路地図を示す
図。
【符号の説明】
1 方位センサー 2 A/D変換器 3 インタフェース回路 4 CPU 5 車速センサー 6 GPS受信機 7 キー 8 CD−ROM 9 SCSIコントローラー 10 ディスプレイ 11 グラフィックコントローラー 12 V−RAM 13 RAM 14 ROM 15 受信機 16 拡張I/O
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G08G 1/0969 G08G 1/0969 (56)参考文献 特開 平5−101163(JP,A) 特開 平2−4285(JP,A) 特開 平3−84415(JP,A) 特開 平4−204481(JP,A) 特開 平5−27677(JP,A) 特開 平8−166762(JP,A) 実開 平2−19173(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09B 29/00 - 29/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 道路地図を記憶する道路地図記憶手段
    と、 前記道路地図に表示する文字情報を、狭い地域に対応す
    る情報(以下、狭域文字情報と呼ぶ)から広い地域に対
    応する情報(以下、広域文字情報と呼ぶ)まで複数の階
    層に分類して記憶する文字情報記憶手段と、 前記道路地図記憶手段の道路地図を鳥瞰図方式の道路地
    図に変換する地図変換手段と、 前記地図変換手段により変換された鳥瞰図方式の道路地
    図を表示手段に描画するとともに、前記文字情報記憶手
    段の文字情報を前記表示手段に描画された鳥瞰図方式の
    道路地図の対応する位置に描画する描画手段とを備え
    車両用経路誘導装置であって、 前記描画手段は、前記広域文字情報を描画した後に前記
    狭域文字情報を描画して前記広域文字情報の上に前記狭
    域文字情報を上書きする ことを特徴とする車両用経路誘
    導装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用経路誘導装置に
    おいて、前記描画手段は、文字情報を描画する時にすべての文字
    を同一の文字高さで描画する ことを特徴とする車両用経
    路誘導装置。
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