JP3390570B2 - 積層麺帯 - Google Patents

積層麺帯

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JP3390570B2
JP3390570B2 JP17050595A JP17050595A JP3390570B2 JP 3390570 B2 JP3390570 B2 JP 3390570B2 JP 17050595 A JP17050595 A JP 17050595A JP 17050595 A JP17050595 A JP 17050595A JP 3390570 B2 JP3390570 B2 JP 3390570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層麺帯、該積層麺帯
を圧延してなる圧延麺帯、該圧延麺帯から得られる麺類
および前記圧延麺帯を用いて麺類を製造する方法に関す
る。より詳細には、本発明は、粘弾性に優れていて良好
な食感を有し、しかもある程度放置しても食感の低下が
極めて少なくて茹でのびの小さい、高品質の麺類および
その製造方法並びにそのような麺類を得ることできる積
層麺帯および圧延麺帯に関する
【0002】
【従来の技術】従来、麺類の製造に当たっては、混練し
た生地を麺帯機、複合機などを用いて圧延、複合して麺
帯を製造し、それを麺線に切り出す機械製麺法が広く用
いられている。しかしながら、従来の機械製麺法による
場合は、麺生地の圧延がほぼ同じ方向、すなわち麺帯の
長さ方向にのみ行われるために、圧延時にグルテンの形
成が充分になされず、麺帯の長さ方向と幅方向とではグ
ルテンの形成や生地の圧延状態に大きな方向性(差)が
生じている。その結果、そのような麺帯から得られる麺
類は、粘弾性に乏しく、かつ茹でのびがし易くて、手打
ち麺類のような良好な品質の麺類が得られにくいのが現
状である。
【0003】また、押出機を用いて麺帯を製造する方法
も知られているが、その場合にもやはりその押出方向と
幅方向とではグルテンの形成状態や生地の圧延状態など
に大きな方向性(差)が生じており、手打ち麺類のよう
な高品質の麺類が得られにくい。また、上記した機械製
麺法による場合は、混練した麺生地の圧延や複合により
得られる麺帯の幅は最初に用いる複合機や麺帯機のロー
ル幅に制限されて、以後幅広にすることができず、量産
が困難となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、手打
ち麺類と同じように、粘弾性に優れる良好な食感を有
し、しかも茹でのびが少なくて、放置しておいても食感
の低下の少ない、高品質の麺類、その製造方法、および
そのための麺帯を提供することである。さらに、本発明
の目的は、任意の幅の麺帯、特に一度に多数本の麺線を
切り出すことのできる広幅の麺帯を円滑に且つ簡単に得
ることのできる麺帯および製麺方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、本発明者らが検討を重ねた結果、麺類を製造するに
当たって、麺帯として従来の圧延、圧延・複合、または
押出しにより得られる麺帯をそのまま用いて麺線への切
り出しを行う代わりに、圧延、圧延・複合、押出しなど
により得られる麺帯を、その折り畳み線が、麺帯の長さ
方向に対して等間隔で且つ互いに斜めに平行になるよう
にして、この折り畳み線の部分で順次交互に折り返す
か、または順次同じ方向に巻き付けるように折り畳んで
折り畳み麺帯を形成させると、それにより得られる折り
畳み麺帯では、最初に用いた麺帯が2層以上に積層した
状態で折り畳み麺帯中に存在し、しかも最初に用いた麺
帯の圧延方向が折り畳み麺帯中に折り畳み麺帯の長さ方
向対して順次方向を変えた斜めの状態になっており、そ
の結果、折り畳み麺帯の長さ方向、幅方向、斜め方向で
グルテンの網目構造が増幅されることに想い到った。そ
して、そのようにして製造した折り畳み麺帯を用いて麺
類を製造し、その品質を調べたところ、その折り畳み麺
帯を用いて得られる麺類は、粘弾性に優れていて良好な
食感を有し、しかも茹でのびが小さくて、極めて高品質
であることを見出した。
【0006】そして、本発明者らは、上記した折り畳み
麺帯を用いる場合には、折り畳み麺帯を単独で使用して
麺類を製造しても、該折り畳み麺帯の2つ以上を積層し
て麺帯を製造しそれを用いて麺類を製造しても、或いは
折り畳み麺帯の1種以上と折り畳んでない上記した従来
の圧延麺帯、圧延・複合麺帯および/または押出麺帯を
積層して積層麺帯を形成してそれを用いて麺類を製造し
てもよく、いずれの場合にも粘弾性に優れる良好な食感
を有し、しかも茹でのびの少ない、高品質の麺類が得ら
れること、特に折り畳み麺帯、それを圧延した麺帯およ
び/または前記折り畳み麺帯およびそれを圧延してなる
麺帯のうちの少なくとも1種を複数枚重ねて圧延してな
る複合麺帯と積層する折り畳まれていない麺帯として、
押出しにより得られる押出麺帯を用いるのが好ましいこ
を見出した。さらに、本発明者らは、折り畳み麺帯ま
たはそれを圧延した麺帯を、折り畳んでない麺帯と積層
してなる積層麺帯を用いて麺類を製造する際に、積層麺
帯の内側に押出麺帯を配置し、その両方の表面側に折り
畳み麺帯またはそれを圧延した麺帯を配置するようにす
ると、粘弾性に一層優れ、しかも茹でのびの一層少な
い、極めて高品質の麺類が得られることを見出し、それ
らの知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、(1) 麺帯の長さ方向に対して等間隔で且つ互いに斜
めに平行な折り畳み線が麺帯の長さ方向に沿って順次複
数存在し、その折り畳み線の部分で麺帯を順次交互に折
り返して形成してあるかまたはその折り畳み線の部分で
順次同じ方向に巻き付けるように折り畳んで形成して
る折り畳み麺帯、該折り畳み麺帯を圧延してなる麺帯、
並びに前記折り畳み麺帯およびそれを圧延してなる麺帯
のうちの少なくとも1種を複数枚重ねて圧延してなる複
合麺帯のうちの少なくとも1種と、押出法によって製造
した折り畳まれていない押出麺帯の少なくとも1種を積
層したことを特徴とする積層麺帯である
【0008】そして、本発明は、(2) 押出法によって製造した折り畳まれていない押
出麺帯からなる少なくとも1つの層を内側に有し、その
両方の外側に、前記折り畳み麺帯、該折り畳み麺帯を圧
延してなる麺帯並びに前記折り畳み麺帯およびそれを圧
延してなる麺帯のうちの少なくとも1種を複数枚重ねて
圧延してなる複合麺帯からなる少なくとも1つの層を有
する前記(1)の積層麺帯;および、 (3) 押出法によって製造した折り畳まれていない押
出麺帯が、500mmHgの減圧下に押出して得られる
折り畳まれていない押出麺帯である前記(1)または
(2)の積層麺帯;である。
【0009】さらに、本発明は、(4) 前記(1)〜(3)のいずれかの積層麺帯を圧
延してなる圧延麺帯 である。
【0010】そして、本発明は、(5) 前記(4)の圧延麺帯を麺線に切り出して得ら
れる麺類 である。
【0011】そして、本発明は、(6) 押出法によって製造した折り畳まれていない
帯の少なくとも1つの層を内側に配置し、その両方の外
側に、麺帯の長さ方向に対して等間隔で且つ互いに斜め
に平行な折り畳み線が麺帯の長さ方向に沿って順次複数
存在し、その折り畳み線の部分で麺帯を順次交互に折り
返して形成してあるかまたはその折り畳み線の部分で順
次同じ方向に巻き付けるように折り畳んで形成してなる
折り畳み麺帯該折り畳み麺帯を圧延してなる麺帯、並
びに前記折り畳み麺帯およびそれを圧延してなる麺帯の
うちの少なくとも1種を複数枚重ねて圧延してなる複合
麺帯から選ばれる少なくとも1つの層を配置して形成し
てなる積層麺帯を圧延し、以下常法の製麺法にしたがっ
て麺類を製造する方法である
【0012】以下で本発明について詳細に説明する。こ
こでは、本発明の内容の理解を容易にするために、図を
参照して説明するが、本発明は勿論図のものに何ら限定
されない。本発明の積層麺帯を製造するのに用いる折り
畳み麺帯を得るに当たっては、図1の(a)および
(b)で例示するように、常法の製麺法で得られる麺帯
1を準備する。ここで、麺帯1は、例えば、麺生地を1
回乃至複数回圧延して得られる麺帯(粗麺帯)であって
も、その麺帯を2枚以上積層した後圧延することにより
得られる麺帯(複合麺帯)であっても、また場合によっ
ては押出法により得られる麺帯であってもよく、麺帯の
製造法などは特に制限されない。また、麺帯1の厚さや
幅、麺帯1を構成する素材の種類、原料配合などは特に
制限されず、製造しようとする麺類の種類などに応じて
適宜選ぶことができる。
【0013】そして、麺帯1には、その長さ方向[図1
の(a)および(b)において矢印Aで示す方向)に対
して等間隔で且つ互いに斜めに平行な複数の折り畳み線
2a,2b,2c,2d,2f,2g,2h,2i,・
・・・を麺帯1の長さ方向に沿って順次存在させ、その
折り畳み線2a,2b,2c,2d,2f,2g,2
h,2i,・・・・(以下折り畳み線を総称する場合は
単に「折り畳み線2」という)の部分で、麺線1を順次
交互に折り返してゆくと、図2の(a)および(b)に
示すような折り畳み麺帯3が得られる。なお、図2の
(a)および(b)において、白い三角形部分が折り畳
む前の麺帯1の表面側が折り畳みによって折り畳み麺帯
3に現れていることを、また網掛の三角形部分が折り畳
む前の麺帯1の裏面側が折り畳みよって折り畳み麺帯3
に現れていることを示している。
【0014】麺帯1の折り畳み(折り返し)を行うに当
たっては、折り畳み線2の形成は麺帯1の折り畳みの直
前に折り畳み作業(折り返し作業)と連動させて逐次行
うようにしても、麺帯1に折り畳み線2を予め目印とし
て麺帯1の長さ方向に沿って複数形成しておいて、その
折り畳み線2の部分で麺帯1を順次交互に折り返すよう
にしても、または折り畳み線2を予め形成しておかず
に、麺帯1を交互に折り返すことによって折り畳み線2
が形成される(すなわち麺帯1の折り返しと同時に折り
畳み線が形成される)ようにしてもよい。麺帯1の折り
畳みは、人手で行ってもまたは機械で自動的に行っても
よく特に制限されず、機械で行う場合は折り畳み装置の
種類なども特に制限されず、上記した要件を満たす折り
畳み麺帯が得られる装置であればいずれでもよい。
【0015】図2の(a)および(b)に示した折り畳
み麺帯3の折り畳み状態がわかり易いように、図2の
(b)および(b)の折り畳み麺帯3を緩く展開した状
態を示すと、図3の(a)および(b)のようになる。
図3の(a)および(b)から明らかなように、折り畳
み麺帯3では、折り畳み線2a,2b,2c,2d,2
f,2g,2h,2i,・・・・において、順次交互に
前後に折り返してあり、そして、この図3の(a)およ
び(b)のものを完全に畳んでその上方から見たもの
が、図2の(a)および(b)である。
【0016】そして、図2の(a)および(b)から明
らかなように、折り畳み麺帯3では、折り畳む前の麺帯
の長さ方向[図1の(a)および(b)において矢印A
で示す方向]が、折り畳み麺帯3の長さ方向[図2の
(a)および(b)において矢印Bで示す方向]に対し
て、肩上り状態および肩下り状態の斜めの方向に配置さ
れた状態になっており、その結果、折り畳み麺帯3では
グルテンの形成方向や生地の圧延方向、押出方向など
が、折り畳む前の麺帯1に比べて、一方向だけでなく、
多方向になっていて、折り畳む前の麺帯1に比べてグル
テンの網目構造が増幅されており、これが折り畳み麺帯
3を用いて得られる麺類の良好な粘弾性、耐茹でのび性
に結びついている。
【0017】折り畳み麺帯3を形成する際の折り畳み線
2は、上記したように、麺帯1の長さ方向(図1におい
て矢印Aで示す方向)に対して斜めに平行になっている
ことが必要であり、折り畳み線2が麺帯1の長さ方向に
対して直交している場合には、麺帯1の折り畳みにより
得られる折り畳み麺帯3では、折り畳み麺帯3の長さ方
向(図2において矢印Bで示す方向)と折り畳む前の麺
帯1の長さ方向(図1において矢印Aで示す方向)がそ
のまま同じものとなり、折り畳み麺帯3を形成する意味
が失われる。
【0018】また、折り畳み麺帯3における折り畳み線
2a,2b,2c,2d,2f,2g,2h,2i,・
・・・は、図1に示すように、互いに平行で且つ等間隔
になっていることが必要である。ここで、本発明でいう
「互いに平行で且つ等間隔である」とは、折り畳み線2
a,2b,2c,2d,2f,2g,2h,2i,・・
・・が完全に平行で且つ完全に等間隔である場合は勿論
であるが、折り畳み線2a,2b,2c,2d,2f,
2g,2h,2i,・・・・が、ほぼ平行で且つほぼ等
間隔である場合をも包含している。要するに、麺帯1を
折り畳み線2a,2b,2c,2d,2f,2g,2
h,2i,・・・・の部分で順次折り返した場合に、そ
れにより得られる折り畳み麺帯3の幅がその長さ方向
(図2において矢印Bで示す方向)にほぼ均一になり、
且つ折り畳み麺帯3が途中で極端に曲がったりしないよ
うな範囲内で、折り畳み線2a,2b,2c,2d,2
f,2g,2h,2i,・・・・が互いに平行で且つ等
間隔に形成されていればよい。
【0019】折り畳み線2a,2b,2c,2d,2
f,2g,2h,2i,・・・・が、互いに平行でなか
ったり、また互いに等間隔でない場合には、折り畳み麺
帯3の麺幅がその長さ方向(図2において矢印Bで示す
方向)に均一にならなくなったり、折り畳み麺帯3がま
っすぐな状態にならずに曲がったり湾曲した状態となっ
て、折り畳み麺帯3の圧延が円滑に行われなくなり、し
かも折り畳み麺帯3を圧延して得られる麺帯の幅が一定
にならないために麺帯からの麺線の切り出しが円滑に行
われなくなる。
【0020】麺帯1に形成する折り畳み線2の傾斜角度
[図1の(a)および(b)に示す角度θ]、および隣
接する折り畳み線2の間の距離[図1の(a)および
(b)に示す距離L1]が、麺帯1を折り畳むことによ
って得られる折り畳み麺帯3の幅(L2)と折り畳み麺
帯3における麺帯1の積層数(すなわち折り畳み麺帯3
において麺帯1が層状に折り畳まれている層の数)に大
きく関与する。より具体的に説明すると、図1の(a)
および(b)において麺帯1における折り畳み線2bが
麺帯1の一方の端部と交わる点Pから折り畳み線2bの
隣りの折り畳み線2aに下ろした垂線の長さ(L2
が、図2の(a)および(b)に示すように折り畳み麺
帯3の幅(L2)となる。そして、一般に、隣接する折
り畳み線2の間の距離(L1)が同じである場合には、
折り畳み線2の傾斜角度(θ)を小さくすると、得られ
る折り畳み麺帯3は幅(L2)が狭くなり且つ折り畳み
麺帯3における麺帯1の積層数が少なくなり、また折り
畳み線2の傾斜角度(θ)が同じである場合には、隣接
する折り畳み線2の間の距離(L1)を大きくすると、
得られる折り畳み麺帯3は幅(L2)が狭くなり、しか
も折り畳み麺帯3における麺帯1の積層数が少なくな
る。
【0021】したがって、折り畳み線2の傾斜角度
(θ)および隣接する折り畳み線2の間の距離(L1
を調節することによって、折り畳み麺帯3の幅(L2
を調節することができ、また折り畳み麺帯3における麺
帯1の積層数を調節することができる。限定されるもの
ではないが、一般に、折り畳み麺帯3の幅(L2)が約
200〜900mm程度になり、また折り畳み麺帯3に
おける麺帯1の積層数が2〜5となるようにして、折り
畳み線2の傾斜角度(θ)および隣接する折り畳み線2
の間の距離(L1)を決めるのが、折り畳み麺帯3の圧
延性が良好になり、折り畳み麺帯3から得られる麺類の
品質が良好になるので、好ましい。
【0022】図2および図3には、麺帯1を折り畳み線
2a,2b,2c,2d,2f,2g,2h,2i,・
・・・で交互に前後に折り返して折り畳み麺帯3を形成
する場合について示したが、それに限定されず、場合に
よって図1に示した麺帯1の折り畳み線2a,2b,2
c,2d,2f,2g,2h,2i,・・・・の部分
で、麺帯1を同じ方向に巻き付けるようにして折り畳ん
で、折り畳み麺帯を形成してもよい。
【0023】本発明では、上記した折り畳み麺帯、それ
を圧延した麺帯、並びに前記折り畳み麺帯およびそれを
圧延してなる麺帯のうちの少なくとも1種を複数枚重ね
て圧延してなる複合麺帯から選ばれる少なくとも1種
と、押出法により製造した折り畳まれていない押出麺帯
の少なくとも1つを積層して積層麺帯とし、それを圧延
して1層の圧延麺帯をつくり、その麺帯を麺線に切り出
す方法が好ましく採用される。その際に、麺帯の積層数
(折り畳み麺帯における積層数、それと積層する圧延麺
帯および押出麺帯の数の合計)が、2〜5層程度となる
ようにしておくのが、麺帯の積層作業や圧延作業を円滑
に行うことができ、しかも得られる麺類の品質が良好に
なるので、望ましい。
【0024】上記した方法によって麺類を製造する場合
は、積層した麺帯において、生地の圧延方向が、麺帯の
長さ方向や麺帯の長さ方向に対して肩上りおよび肩下り
の状態の斜め方向など種々の方向になっていて、グルテ
ンの網目構造が増幅されるので、粘弾性に一層優れ、し
かも茹でのびの極めて少ない、高品質の麺類が得られ
る。
【0025】上記した方法で麺類を製造するに当たっ
て、例えば図4で例示するように、押出法によって製造
した折り畳んでない麺帯4の少なくとも1つを内側に配
置し、その両側に折り畳み麺帯3またはそれを圧延また
は複合・圧延してなる麺帯3’を配置して積層麺帯を製
造し、その積層麺帯を圧延して1層の麺帯とした後に麺
線に切り出すと、それにより得られる麺類はその内側に
押出し麺帯に由来する組織の緻密な部分を有しているこ
とによって、麺類により大きな粘弾性が付与され、しか
も茹でのびも一層低減されて、極めて良好な麺類とな
る。その際に内側に配置する押出し麺帯は、押出し法に
より得られる麺帯であればいずれでもよく特に制限され
ないが、特に500mmHg以下の減圧下に押出して得
られる押出麺帯は、その組織が極めて緻密であって、最
終的に得られる麺類の粘弾性、耐茹でのび性が一層良好
なものとなるので好ましい。
【0026】そして、上記した方法で麺類を製造する場
合に、麺線を切り出すための麺帯を得るための圧延処理
は、麺帯の熟成を行わずに折り畳み加工後やそれを折り
畳んでない麺帯と積層した後に直ちに行っても、折り畳
み加工後に麺帯を所定時間の時間放置して熟成した後に
行ってもよい。特に、折り畳み麺帯をその製造後に熟成
した後に圧延すると、食感および耐茹でのび性の一層良
好な麺類を得ることができる点から好ましく、その場合
の熟成は約15〜25℃の温度で約30〜120分間麺
帯が乾燥しないようにビニール袋などに包んで行えばよ
い。また、圧延処理は、途中の圧延であるか、最終的な
麺帯を製造するための圧延であるか否かに拘わらず、1
回〜6回の範囲で行えばよい。
【0027】本発明では、麺類の種類は特に制限され
ず、例えばラーメン、焼きそばなどの中華麺類、うど
ん、きしめん、冷や麦、素麺、日本そば、冷めんなどの
いずれであってもよい。また、本発明の麺類は、生麺、
乾燥麺、半乾燥麺、蒸し麺、茹で麺、冷凍麺、油揚げ
麺、即席麺などのいずれの形態で流通、販売してもよ
い。
【0028】また、本発明の麺類で用いる原料の種類は
何ら制限されず、麺類の種類や形態などに応じて適宜選
んで使用すればよく、麺類の種類などに応じて、例え
ば、小麦粉、そば粉、米粉、澱粉類、豆粉、山芋
(粉)、食塩、かん水(かん粉)、卵または卵製品、乳
製品、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、ミネラル類、ビタ
ミン類、アミノ酸や蛋白質などの影響強化剤、油脂類、
調味料、香辛料、着色料などの材料のうちから適当なも
のを用いて製造することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。以下の例において部は重量部を表す。
【0030】《参考例 1》 (1) 準強力小麦粉(日清製粉株式会社製「特ナンバ
ーワン」)100部、かん粉1.3部、および着色料
0.2部を水38部に溶解したものを真空ミキサー(回
転速度80回転/分)に入れて、常圧下で2分間、およ
び常圧より160mmHg減圧した状態で13分間混練
した後、幅300mmのロールで圧延して、幅300m
m、厚さ7mmの粗麺帯を製造した。 (2) 上記(1)で得た粗麺帯に対して、粗麺帯の長
さ方向に対して等間隔で且つ互いに斜めに平行な折り畳
み線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,・・
・(隣り合う折り畳み線の間の距離L1=150mm;
傾斜角度θ=77°)を折り畳み作業と同時に形成しな
がら粗麺帯を順次折り返して、幅(L2)が600mm
の折り畳み麺帯を製造した。この折り畳み麺帯では、粗
麺帯が最大で4層積層した状態となっていた。
【0031】(3) 上記(2)で得た折り畳み麺帯を
幅600mmの圧延ロールを用いて常法にしたがって圧
延して(圧延回数5回)、厚さ1.5mmの圧延麺帯を
製造した後、#20角の切刃を用いて麺線に切り出し
て、生ラーメンを製造した。 (4) 上記(3)で製造した生ラーメンを沸騰水中で
3分間茹でて、前もって準備しておいたスープ入りのド
ンブリに入れ、10名のパネラーによってその品質(弾
力性)を下記の表1に示した評価基準にしたがって評価
してもらって、平均値を採ったところ、下記の表2に示
すとおりであった。 (5) また、上記(4)と同様にして茹であげてスー
プ入りのドンブリに入れたラーメンをそのまま3分間放
置した後に、その品質(弾力性)を上記(4)と同様に
して10名のパネラーに評価してもらって平均値を採っ
たところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0032】《比較例 1》 (1) 参考例1の(1)と同様にして、幅300mm
の粗麺帯1を製造した後、この粗麺帯を幅300mmの
圧延ロールで圧延して(圧延回数5回)、幅300m
m、厚さ1.5mmの麺帯を製造した。 (2) 上記(1)で得た麺帯を、参考例1の(3)と
同様にして麺線に切り出して生ラーメンを製造した後、
実施例1の(4)および(5)と同様にして、茹で上げ
直後、および茹で上げてからスープ中に3分間放置した
後のラーメンの品質(弾力性)をパネラーに評価しても
らってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すと
おりであった。
【0033】《比較例 2》 (1) 参考例1の(1)と同様にして幅300mmの
粗麺帯を製造した後、この粗麺帯を2枚重ね、次いで幅
300mmの圧延ロールで圧延して(圧延回数5回)、
幅300mm、厚さ1.5mmの麺帯を製造した。 (2) 上記(1)で得た麺帯を参考例1の(3)と同
様にして麺線に切り出して生ラーメンを製造した後、実
施例1の(4)および(5)と同様にして、茹で上げ直
後、および茹で上げてからスープ中に3分間放置した後
のラーメンの品質(弾力性)をパネラーに評価してもら
ってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとお
りであった。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】上記表2の結果から、折り畳み麺帯を用い
て得られた参考例1のラーメンは、折り畳んでない麺帯
から得られる比較例1および比較例2のラーメンに比べ
て、弾力性に優れていて食感が良好であり、しかも放置
しておいても、弾力性の低下が少なく茹でのびが少ない
ことがわかる。
【0037】《参考例 2》 (1) 中力小麦粉(日清製粉株式会社製「特雀」)1
00部、および食塩3部を水38部に溶解したものをミ
キサー(回転速度100回転/分)に入れて常圧で15
分間混練した後、幅210mmのロールで圧延して、幅
210mm、厚さ5mmの粗麺帯を2枚製造した。 (2) 上記(1)で得た粗麺帯のうちの1枚に対し
て、粗麺帯の長さ方向に対して等間隔で且つ互いに斜め
に平行な折り畳み線2a,2b,2c,2d,2e,2
f,2g・・・(隣り合う折り畳み線の間の距離L1
7mm;粗麺帯に対する傾斜角度θ=70°)を折り畳
み作業と同時に形成しながら粗麺帯を順次折り返して、
幅が210mmの折り畳み麺帯を製造した。この折り畳
み麺帯では、粗麺帯が最大で4層積層した状態となって
いた。
【0038】(3) 上記(2)で得た折り畳み麺帯
と、上記(1)で得た残りの折り畳んでない粗麺帯を重
ねて(全体の積層数=5)、これを幅210mm幅の圧
延ロールを用いて常法にしたがって圧延して(圧延回数
6回)、厚さ2.5mm、幅210mmの麺帯を製造し
た後、#10角の切刃を用いて麺線に切り出して、生う
どんを製造した。 (4) 上記(3)で製造した生うどんを沸騰水中で3
20%の歩留りに茹上げた後(茹上げ時間約18分)、
直ちに水道水で冷却してザルうどんにした。10名のパ
ネラーによって、得られたザルうどんの品質(粘弾性)
を下記の表3に示した評価基準にしたがって評価しても
らって、その平均値を採ったところ、下記の表4に示す
とおりであった。 (5) また、上記(4)で得たザルうどんをそのまま
60分間室温下に放置した後に、その品質(粘弾性)を
上記(4)と同様にして10名のパネラーに評価しても
らって平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおり
であった。
【0039】《比較例 3》 (1) 参考例2の(1)と同様にして、幅210m
m、厚さ8mmの粗麺帯を2枚製造した後、この粗麺帯
2枚をそのまま重ねて、参考例2の(3)と同様にして
圧延および麺線への切り出しを行って、生うどんを製造
した。 (2) 上記(1)で得た生うどんを参考例2の(4)
と同様にして茹上げた後、冷却してザルうどんをつく
り、その冷却直後および冷却後室温下で60分間放置後
の品質(粘弾性)を参考例2と同様にしてパネラーに評
価してもらって平均値を採ったところ、下記の表4に示
すとおりであった。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】上記表4の結果から、折り畳み麺帯と折り
畳んでない麺帯との複合麺帯(積層麺帯)より得られた
参考例2のうどんは、折り畳んでない麺帯のみから得ら
れたる比較例3のうどんに比べて、粘弾性に優れていて
食感が良好であり、しかも60分間放置後も粘弾性の低
下が少なく、茹でのびが極めて少ないことがわかる。
【0043】《参考例 3》 (1) 強力小麦粉(日清製粉株式会社製「オーショ
ン」)70部とそば粉70部を予め混合しておき、これ
に食塩1部を水28部に溶解したものを加えて、真空ミ
キサー(回転速度80回転/分)に入れて、常圧下で2
分間、次いで常圧より500mmHg減圧した状態で8
分間混練した後、幅300mmのロールで圧延して、幅
300mm、厚さ5mmの粗麺帯を2枚製造した。 (2) 上記(1)で得た粗麺帯のうちの1枚に対し
て、粗麺帯の長さ方向に対して等間隔で且つ互いに斜め
に平行な折り畳み線2a,2b,2c,2d,2e,2
f,2g・・・(隣り合う折り畳み線の間の距離L1
210mm;麺帯に対する傾斜角度θ=63°)を折り
畳み作業と同時に形成しながら粗麺帯を順次折り返し
て、幅が210mmの折り畳み麺帯を製造した。この折
り畳み麺帯では、粗麺帯が最大で2層積層した状態とな
っていた。
【0044】(3) 上記(2)で得た折り畳み麺帯
と、上記(1)で得た残りの1枚の折り畳んでない粗麺
帯を重ねて(全体の積層数=3)、これを幅300mm
幅の圧延ロールを用いて常法にしたがって圧延して(圧
延回数6回)、厚さ1.4mm、幅300mmの麺帯を
製造した後、#22角の切刃を用いて麺線に切り出し
て、生日本そばを製造した。 (4) 上記(3)で製造した生日本そばを沸騰水中で
2.5分間茹上げた後、直ちに水道水で冷却してザルそ
ばにして、10名のパネラーによってその品質(弾力
性)を上記の表1に示した評価基準にしたがって評価し
てもらって、平均値を採ったところ、下記の表5に示す
とおりであった。 (5) また、上記(4)で得たザルそばをそのまま2
0分間室温下に表面が乾燥しないようにビニール袋に入
れて放置した後に、その品質(弾力性)を上記(4)と
同様にして10名のパネラーに評価してもらって平均値
を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
【0045】《比較例 4》 (1) 参考例3の(1)と同様にして、幅300m
m、厚さ10mmの粗麺帯を2枚製造した後、この粗麺
帯2枚をそのまま重ねて、実施例3の(3)と同様にし
て圧延および麺線への切り出しを行って、生日本そばを
製造した。 (2) 上記(1)で得た生日本そばを参考例3の
(4)と同様にして茹上げた後、冷却してザルそばをつ
くり、その冷却直後および冷却後室温下で20分間放置
後の品質(弾力性)を実施例3と同様にしてパネラーに
評価してもらって平均値を採ったところ、下記の表5に
示すとおりであった。
【0046】
【表5】
【0047】上記表5の結果から、折り畳み麺帯と折り
畳んでない麺帯との積層麺帯より得られた参考例3の日
本そばは、折り畳んでない麺帯のみから得られた比較例
4の日本そばに比べて、弾力性に優れていて食感が良好
であり、しかも20分間放置後も弾力性の低下が少な
く、茹でのびが極めて少ないことがわかる。
【0048】《実施例 》 (1) 中力小麦粉(日清製粉株式会社製「特雀」)1
00部、かん粉1.0部および着色料0.2部を水35
部に溶解したものを真空ミキサー(回転速度100回転
/分)に入れて、常圧下で2分間、および常圧より16
0mmHg減圧した状態で13分間混練した後、幅21
0mmのロールで圧延して、幅210mm、厚さ6mm
の粗麺帯を2枚製造した。 (2) 上記(1)で得た2枚の粗麺帯のそれぞれに対
して、粗麺帯の長さ方向に対して等間隔で且つ互いに平
行な折り畳み線(2a,2b,2c,2d,2e,2
f,2g,・・・)(隣り合う折り畳み線の間の距離L
1=7mm;傾斜角度θ=70°)を折り畳み作業と同
時に形成しなが粗麺帯を順次折り返して、幅が210m
mの折り畳み麺帯をそれぞれ製造した。前記の折り畳み
麺帯では、粗麺帯が最大で4層積層した状態となってい
た。 (3) 上記(2)で得た折り畳み麺帯のそれぞれを、
ロール圧延して(圧延回数3回)、幅210mm、厚さ
3mmの2枚の外層用麺帯をそれぞれ製造した。
【0049】(4) 上記とは別に、強力小麦粉(日清
製粉株式会社製「ミリング」)100部に、かん粉1.
5部および着色料0.2部を水35部に溶解したものを
加え、これを高速混練機(回転数200回転/分)に入
れて2分間混練した後、その混練生地を真空押出機(貴
信社製「真空めん帯機」)に入れて、常圧より600m
mHg減圧した状態で押出して、幅210mm、厚さ4
mmの押出麺帯を製造した。
【0050】(5) 上記(4)で得た押出麺帯を内層
とし、その両方の表面に上記(3)で製造した外層用麺
帯をそれぞれ重ねて3層麺帯とした後(内層40重量
%、外層60重量%)、幅210mmの圧延ロールを用
いて常法にしたがって圧延して(圧延回数5回)、幅2
10mm、厚さ1.5mmの麺帯を製造し、次いで#2
0角の切刃を用いて麺線に切り出して、生ラーメンを製
造した。 (6) 上記(5)で製造した生ラーメンを沸騰水中で
3分間茹でて、前以て準備しておいたスープ入りのドン
ブリに入れて、10名のパネラーによってその品質(弾
力性)を上記の表1に示した評価基準にしたがって評価
してもらって、その平均値を採ったところ、下記の表6
に示すとおりであった。 (7) また、上記(5)と同様にして茹であげてスー
プ入りのドンブリに入れたラーメンをそのまま5分間放
置した後に、その品質(弾力性)を上記(6)と同様に
して10名のパネラーに評価してもらって平均値を採っ
たところ、下記の表6に示すとおりであった。
【0051】《比較例 5》 (1) 実施例の(1)と同様にして、幅210m
m、厚さ3mmの2枚の粗麺帯をそれぞれ製造した。 (2) 実施例の(4)と同様にして、幅210m
m、厚さ4mmの押出麺帯を製造した。 (3) 上記(2)で製造した押出麺帯を内層とし、そ
の両方の表面に上記(1)で製造した粗麺帯のそれぞれ
を重ねて3層麺帯とした後、実施例の(5)と同様に
して、生ラーメンを製造した。 (4) 上記(3)で得た生ラーメンを製造した後、実
施例の(6)および(7)と同様にして、茹上げ、茹
上げ直後および茹上げてからスープ中に5分間放置した
後のラーメンの品質(弾力性)をパネラーに評価しても
らってその平均値を採ったところ、下記の表6に示すと
おりであった。
【0052】《比較例 6》 (1) 実施例の(1)と同様にして、幅210m
m、厚さ6mmの4枚の粗麺帯をそれぞれ製造した。こ
の粗麺帯の2枚ずつを重ねて、複合・圧延を行って、幅
210mm、厚さ3mmの外層用麺帯の2枚を製造し
た。 (2) 実施例の(4)と同様にして、幅210m
m、厚さ4mmの押出麺帯を製造した。 (3) 上記(2)で製造した押出麺帯を内層とし、そ
の両方の表面に上記(1)で得た外層用麺帯のそれぞれ
を重ねて3層麺帯とした後、実施例の(5)と同様に
して、生ラーメンを製造した。 (4) 上記(3)で得た生ラーメンを製造した後、実
施例の(6)および(7)と同様にして、茹上げ、茹
上げ直後および茹上げてからスープ中に5分間放置した
後のラーメンの品質(弾力性)をパネラーに評価しても
らってその平均値を採ったところ、下記の表6に示すと
おりであった。
【0053】
【表6】
【0054】上記表6の結果から、押出麺帯を内層と
し、その両面に折り畳み麺帯を外層として重ねた積層麺
帯を圧延した後に麺線に切り出して得られた実施例
ラーメンは、内層の押出麺帯を使用してはいるが外層に
折り畳み麺帯を用いていない積層麺帯から得られた比較
例5および比較例6のラーメンに比べて、弾力性に極め
て優れていて食感が極めて良好であり、しかも放置して
も弾力性が極めて僅かしか低下せず、茹でのびが極めて
少ないことがわかる。
【0055】《実施例 》 (1) 中力小麦粉(日清製粉株式会社製「金すずら
ん」)80部およびタピオカ澱粉20部を予め混合して
おき、これに食塩3部を水35部に溶解したものを加え
た後、真空ミキサー(回転速度80回転/分)に入れ
て、常圧下で8分間、および常圧より260mmHg減
圧した状態で5分間混練し、次いで幅210mmのロー
ルで圧延して、幅210mm、厚さ8mmの2枚の粗麺
帯をそれぞれ製造した。 (2) 上記(1)で得た2枚の粗麺帯のそれぞれに対
して、粗麺帯の長さ方向に対して等間隔で且つ互いに斜
めに平行な折り畳み線(2a,2b,2c,2d,2
e,2f,2g,・・・)(隣り合う折り畳み線の間の
距離L1=210mm;傾斜角度θ=70°)を折り畳
み作業と同時に形成しなが粗麺帯を順次折り返して、幅
が300mmの2枚の折り畳み麺帯をそれぞれ製造し
た。前記の折り畳み麺帯では、粗麺帯が最大で2層積層
した状態となっていた。
【0056】(3) 上記とは別に、中力小麦粉(日清
製粉株式会社製「金すずらん」)100部に、食塩1部
を水35部に溶解したものを加え、これを高速混練機
(回転数120回転/分)に入れて2分間混練した後、
その混練生地を真空押出機(日清エンジニアリング社製
「真空めん帯機」)に入れて、常圧より700mmHg
減圧した状態で押出して、幅300mm、厚さ5mmの
押出麺帯を製造した。
【0057】(4) 上記(3)で製造した押出麺帯を
内層とし、その両方の表面に上記(2)で製造した折り
畳み麺帯のそれぞれを外層用麺帯として重ねて3層麺帯
とした後(内層50重量%、外層50重量%)、幅30
0mmの圧延ロールを用いて常法にしたがって圧延して
(圧延回数6回)、幅300mm、厚さ2.5mmの麺
帯を製造し、次いで#10角の切刃を用いて麺線に切り
出して、生うどんを製造した。 (5) 上記(4)で製造した生うどんを沸騰水中で歩
留り300%に茹上げて(茹上げ時間約15分)、前以
て準備しておいた熱いつゆ入りのドンブリに入れて、1
0名のパネラーによってその品質(粘弾性)を上記の表
3に示した評価基準にしたがって評価してもらって、そ
の平均値を採ったところ、下記の表7に示すとおりであ
った。 (6) また、上記(5)と同様にして茹であげてつゆ
入りのドンブリに入れたうどんをそのまま10分間放置
した後に、その品質(粘弾性)を上記(5)と同様にし
て10名のパネラーに評価してもらって平均値を採った
ところ、下記の表7に示すとおりであった。
【0058】《比較例 7》 (1) 実施例の(1)と同様にして、幅300m
m、厚さ5mmの2枚の粗麺帯を製造した。 (2) 実施例の()と同様にして、幅300m
m、厚さ5mmの押出麺帯を製造した。 (3) 上記(2)で得た押出麺帯を内層とし、その両
方の表面に上記(1)で製造した粗麺帯のそれぞれを重
ねて3層麺帯とした後、実施例の(4)と同様にし
て、生うどんを製造した。 (4) 上記(3)で得た生うどんを、実施例
(5)および(6)と同様にして、茹上げ、茹上げ直後
および茹上げてからつゆ中に10分間放置した後のうど
んの品質(粘弾性)をパネラーに評価してもらってその
平均値を採ったところ、下記の表7に示すとおりであっ
た。
【0059】《比較例 8》 (1) 実施例の(1)と同様にして、幅300m
m、厚さ5mmの4枚の粗麺帯をそれぞれ製造した。こ
の粗麺帯の2枚ずつを重ねて、複合・圧延を行って、幅
300mm、厚さ5mmの外層用麺帯2枚を製造した。 (2) 実施例の()と同様にして、幅300m
m、厚さ5mmの押出麺帯を製造した。 (3) 上記(2)で製造した押出麺帯を内層とし、そ
の両方の表面に上記(1)で製造した外層用麺帯をそれ
ぞれ重ねて3層麺帯とした後、実施例の(4)と同様
にして、生うどんを製造した。 (4) 上記(3)で得た生うどんを、実施例
(5)および(6)と同様にして茹上げ、茹上げ直後お
よび茹上げてからスープ中に10分間放置した後のうど
んの品質(粘弾性)をパネラーに評価してもらってその
平均値を採ったところ、下記の表7に示すとおりであっ
た。
【0060】
【表7】
【0061】上記表7の結果から、押出麺帯を内層と
し、その両面に折り畳み麺帯を外層として重ねた積層麺
帯を圧延して得られた麺帯を麺線に切り出して製造され
た実施例のうどんは、内層の押出麺帯を用いているも
のの外層に折り畳み麺帯を用いていない積層麺帯から得
られた比較例7および比較例8のうどんに比べて、粘弾
性に極めて優れていて食感が極めて良好であり、しかも
茹でのびが極めて少なく、ある程度放置しておいても、
その粘弾性が極めて僅かしか低下しないことがわかる。
【0062】
【発明の効果】本発明の積層麺帯を用いて得られる麺類
は、手打ち麺類と同じような、粘弾性に富む優れた食感
を有し、しかも茹でのびが少なくて、高い品質を有して
いる。特に、内側に押出麺帯を配置し、その両方の表面
に折り畳み麺帯またはそれを圧延した麺帯を重ねた積層
麺帯から得られる本発明の麺類は、粘弾性に一層優れ、
しかも茹でのびが極めて少なく、極めて良好な品質を有
している。そして、折り畳み麺帯を用いる本発明の方法
による場合は、一度に多数本の麺線に切り出すことので
きる幅広の麺帯を円滑に且つ簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】折り畳む前の麺帯における、折り畳み線の形成
状態の一例を示す図である。
【図2】図1の麺帯を、図1に示した折り畳み線の部分
で順次交互に折り返して得られる折り畳み麺帯の一例を
示す図である。
【図3】図2の折り畳み麺帯を緩く展開してその折り畳
み状態をがわかるようにした図である。
【図4】押出麺帯を内側に配置し、折り畳み麺帯または
それを圧延したものを両方の表面に配置した積層麺帯の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1 折り畳む前の麺帯 2 折り畳み線 3 折り畳み麺帯 3’折り畳み麺帯を圧延してなる麺帯 4 押出麺帯

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麺帯の長さ方向に対して等間隔で且つ互
    いに斜めに平行な折り畳み線が麺帯の長さ方向に沿って
    順次複数存在し、その折り畳み線の部分で麺帯を順次交
    互に折り返して形成してあるかまたはその折り畳み線の
    部分で順次同じ方向に巻き付けるように折り畳んで形成
    してなる折り畳み麺帯、該折り畳み麺帯を圧延してなる
    麺帯、並びに前記折り畳み麺帯およびそれを圧延してな
    る麺帯のうちの少なくとも1種を複数枚重ねて圧延して
    なる複合麺帯のうちの少なくとも1種と、押出法によっ
    て製造した折り畳まれていない押出麺帯の少なくとも1
    つを積層したことを特徴とする積層麺帯
  2. 【請求項2】 押出法によって製造した折り畳まれてい
    ない押出麺帯からなる少なくとも1つの層を内側に有
    し、その両方の外側に、前記折り畳み麺帯、該折り畳み
    麺帯を圧延してなる麺帯並びに前記折り畳み麺帯および
    それを圧延してなる麺帯のうちの少なくとも1種を複数
    枚重ねて圧延してなる複合麺帯からなる少なくとも1つ
    の層を有する請求項1に記載の積層麺帯
  3. 【請求項3】 押出法によって製造した折り畳まれてい
    ない押出麺帯が、500mmHgの減圧下に押出して得
    られる折り畳まれていない押出麺帯である請求項1また
    は2に記載の積層麺帯
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積
    層麺帯を圧延してなる圧延麺帯
  5. 【請求項5】 請求項4の圧延麺帯を麺線に切り出して
    得られる麺類
  6. 【請求項6】 押出法によって製造した折り畳まれてい
    ない麺帯の少なくとも1つの層を内側に配置し、その両
    方の外側に、麺帯の長さ方向に対して等間隔で且つ互い
    に斜めに平行な折り畳み線が麺帯の長さ方向に沿って順
    次複数存在し、その折り畳み線の部分で麺帯を順次交互
    に折り返して形成してあるかまたはその折り畳み線の部
    分で順次同じ方向に巻き付けるように折り畳んで形成し
    てなる折り畳み麺帯、該折り畳み麺帯を圧延してなる麺
    帯、並びに前記折り畳み麺帯およびそれを圧延してなる
    麺帯のうちの少なくとも1種を複数枚重ねて圧延して
    る複合麺帯から選ばれる少なくとも1つの層を配置して
    形成してなる積層麺帯を圧延し、以下常法の製麺法にし
    たがって麺類を製造する方法。
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