JP3388525B2 - 電気モータの断線検出装置 - Google Patents

電気モータの断線検出装置

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JP3388525B2 JP29926994A JP29926994A JP3388525B2 JP 3388525 B2 JP3388525 B2 JP 3388525B2 JP 29926994 A JP29926994 A JP 29926994A JP 29926994 A JP29926994 A JP 29926994A JP 3388525 B2 JP3388525 B2 JP 3388525B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気モ−タの断線検出
装置に関し、特に、これに限定する意図ではないが、多
相ブラシレスモ−タの各相巻線の断線検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気モータの断線異常は一般に、モ−タ
ドライバに通電を指示し、モ−タに電流が流れるか否か
をチェックして行なっている。例えば、特開平6−26
1588号公報は、3相ブラシレスモータの励磁コイル
に所定順に電流を通電すると同時に通電電流を検出し、
検出電流値が所定値以上であれば正常と判定し、所定値
未満であると断線ありと判定する断線検出方法を提案し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、断線検出のた
めの通電は、ロ−タに回転を行なせるための相切換通電
ではないので、ロ−タに実質上の回転をもたらさない
が、ロ−タが数ステップ分(小角度)は動く。例えばこ
の3相ブラシレスモ−タを車両の後輪ステアリング機構
に組込んでいる場合、この動きが車体にひびく耳ざわり
な音を発生する。
【0004】本発明は、断線検出のための通電によるロ
−タの回転を可及的に抑制することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
電気モ−タ(12)の巻線(44)に通電するためのモ−タドラ
イバ(5);電気モータの巻線に流れる電流を検出する電
流検出手段(Rs,86);および、前記モ−タドライバに通
電を指示しそれから、モ−タドライバに通電を指示して
から電気モ−タの正常巻線の電流レベルが所定値に達す
るまでの所定短時間(tβ1)の後に、電流検出手段の所定
レベル(β)以上の電流検出有無をチェックし、モ−タド
ライバに制動通電を指示する通電制御手段(1);を備え
る。
【0006】本発明の第2の態様は、電気モ−タ(12)の
巻線(44)と電源の間を時系列でパルス状に接続するモ−
タドライバ(5);モ−タドライバにパルス状の給電接続
を指示するPWM制御手段(1の99);電気モータの巻線
に流れる電流を検出する電流検出手段(Rs,86);およ
び、時系列で低いパルスデュ−ティから順次高いパルス
デュ−ティに変化する通電をPWM制御手段に指示し、
通電を指示してから電気モ−タの正常巻線の電流レベル
が所定値に達するまでの所定短時間(tβ1)の間、電流検
出手段が所定レベル(β)以上の電流を検出するまで、電
流検出手段の所定レベル以上の電流検出有無をチェック
し、所定レベル以上の電流検出有のとき上記通電を停止
し、該所定短時間以内に電流検出手段が所定レベル以上
の電流を検出しないとき断線有り(Fcab←1)と決定する
通電制御手段(1);を備える。
【0007】なお、カッコ内には、理解を容易にするた
めに、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応事
項の符号を、参考までに付記した。
【0008】
【作用】本発明の第1の態様によれば、断線検出のため
の通電時間が、モ−タドライバに通電を指示してから電
気モ−タの正常巻線の電流レベルが所定値に達するまで
の所定短時間(tβ1)に限られるので、これによるロ−タ
の回転量は微量となる。加えて、この所定短時間(tβ1)
の通電によりロ−タに回転力が加わり、通常であればそ
の間の動慣性によりその後もロ−ラが回転しようとする
が、制動通電が行なわれるのでこの慣性回転が阻止さ
れ、結局、断線検出のための通電によるロ−タの回転は
極く微量となり、この電気モ−タが車両の後輪ステアリ
ング機構に組込まれている場合、従来のように車体にひ
びく耳ざわりな音を発生することがない。
【0009】本発明の第2の態様によれば、断線検出の
ための通電時間が、長くても、モ−タドライバに通電を
指示してから電気モ−タの正常巻線の電流レベルが所定
値に達するまでの所定短時間(tβ1)に限られるので、こ
れによるロ−タの回転量は微量となる。この所定短時間
(tβ1)の間、モ−タへの通電パルスデュ−ティが低値か
ら高値に順次に上昇し、断線が無い場合には、通電電流
レベルが順次上昇し所定短時間(tβ1)未満でも電流レベ
ルが所定レベル(β)になった時点に、すなわち断線無し
と判定した時点に、通電が停止されるので、通電時間お
よび通電レベルが自動的に最小値に定まり、ロ−タは回
転しないか、もしくは極く微量の回転となる。この電気
モ−タが車両の後輪ステアリング機構に組込まれている
場合、従来のように車体にひびく耳ざわりな音を発生す
ることがない。
【0010】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の、実施例の説明より明らかになろう。
【0011】
【実施例】
−第1実施例− 図1に、本発明の一実施例を搭載した車両の前後輪操舵
系の構成を示す。前輪13,14は前輪操舵装置10に
よりステアリングホイール19の回動操作に応じて操舵
される。前輪の操舵量は、前輪操舵装置10のラック
(前輪の操舵駆動のための操作軸)の移動量を検出する
第1前輪舵角センサ17とステアリングホイール19が
取り付けられた操舵軸に設けられた第2前輪舵角センサ
20により検出される。第1前輪舵角センサ17には、
例えばポテンショメータ等のようなリニアセンサを用
い、第2前輪舵角センサ20には、回転時にパルスを発
するロータリエンコーダ等のようなステアリングセンサ
を用いている。
【0012】後輪15,16は、後輪操舵機構11によ
り操舵される。後輪操舵機構11は、ブラシレスモータ
12の動力で動作する。モータ12の内部には、モータ
12の回転角度を検出する磁極センサ18(図2)が設
けられている。また、後輪15,16の実際の舵角を検
出するための後輪操舵センサ21が後輪を操舵駆動する
操作軸25に結合されている。
【0013】車両には、他に、車両の速度を検出する2
系統の第1車速センサ22,第2車速センサ23および
車両のヨーレートを測定するヨーレートセンサ24が備
わっている。
【0014】モータ12は、電子制御装置9からの信号
により制御される。電子制御装置9は、第1前輪舵角セ
ンサ17,第2前輪舵角センサ20,磁極センサ18,
後輪操舵センサ21,第1車速センサ22,第2車速セ
ンサ23,ヨーレートセンサ24の各センサ出力を受
け、前輪の舵角および車両の走行状態に対応した後輪の
所要舵角を算出し、該所要舵角を実現するようにモータ
12を駆動する。
【0015】後輪操舵機構11の主要部を図2に示す。
車両の進行方向に対して直角に設けられている操作軸2
5の両端部には、ボールジョイント53を介して後輪の
ナックルアーム(図示せず)が接続されている。操作軸
25の両端部はブーツ28により保護されている。
【0016】操作軸25は、ブラシレスモ−タ12の中
空回転軸27を貫通している。操作軸25には略円筒状
の雄ねじ部材26が固着されている。中空回転軸27の
大径に膨出した箇所の内周面には台形雌ねじが刻まれて
おり、雄ねじ部材26の大径に膨出した箇所の外周面に
は、台形雌ねじに螺合する台形雄ねじが刻まれており、
これらの台形雌ねじおよび台形雄ねじが図2に示すE2
の箇所で螺合している。
【0017】操作軸25に一体に固着された雌ねじ部材
26には、ロ−タリポンテンショメ−タでなる後輪舵角
センサ21の回転軸に一端が固着された、半径方向に延
びるア−ムの先端が係合している。操作軸25の軸心に
対して後輪舵角センサ21の回転軸は、図2紙面に垂直
な方向に、略該ア−ムの長さ分ずれている。これによ
り、操作軸25がその軸心が延びる方向(操舵駆動方
向)に往,復動すると、後輪舵角センサ21の回転軸が
正,逆回転し、後輪舵角センサ21の出力信号レベル
が、操作軸25の位置(後輪舵角)に対応する。
【0018】モータ12の中空回転軸27は、4極の円
筒状の磁石42を貫通しかつそれに固着されている。磁
石42の側周面を略円筒状の磁性体ヨ−ク43が取り囲
んでおり、磁性体ヨ−ク43より磁石42に向けて磁極
43a(図3)が突出しており、磁極43aにモータ巻
線44が巻かれている。
【0019】図3に、図2の3A−3A線断面を示す。
ヨ−ク43からは磁石42に向けて12本の磁極43a
が突出しており、モータ巻線44の各コイルは、3本の
突起を一単位にした磁極グル−プのそれぞれに巻かれて
いる。モータ巻線44の巻き方を図4に示す。図4は磁
極センサ18(図2)側からモータ巻線44を見た図で
ある。モータ巻線44は6相に巻かれており、巻線44
aと44dの一端は端子Uに接続され、巻線44bと4
4eの一端は端子Vに接続されており、また巻線44c
と44fの一端は端子Uに接続されている。巻線44a
と44d、巻線44bと44eおよび巻線44cと44
fの他端は結線されている。モータ巻線44はそれぞれ
の系統ごとに、ターミナルおよびワイヤーハーネスを介
して、モ−タドライバ5(図8)に接続されている。
【0020】図2に示す磁極センサ18を図5に示す。
基板49のホルダ47は、モータハウジングに固定され
ている。基板49上には3個のホールIC50が設けら
れている。基板49には、図5に示すように、3個のホ
ールIC50が、それぞれ60度ずつずれて配置されて
いる。3個のホールIC50の出力は、後述の電子制御
装置9において、磁極信号HA,HB,HCとして使用
される。
【0021】モ−タ12の中空回転軸27(以下モ−タ
軸27と称す)が回転すると、図6の磁石42の回転状
態に示すようにホールIC(図示A,B,C)に対して
磁石42が回転し、磁極センサ18の3本の出力である
磁極信号HA,HB,HCが図示のようにハイレベル
(H)とローレベル(L)間で変化する。図6はモータ
が時計回り(CW)に回転している状態を示す。モータ
が反時計回り(CCW)に回転するときには図示右から
左へ向かう方向に磁極センサ18の磁極信号HA,H
B,HCが切り換わる。この磁極信号HA,HB,HC
の切り換わりに同期してモータ巻線44の各巻線の電流
を切り換えれば、磁石42すなわちロ−タが回転する。
ロ−タを回転駆動する時の電流方向については後述す
る。
【0022】図7に、図1に示す電子制御装置9の構成
を示す。電子制御装置9は車載のバッテリー59に接続
されている。バッテリー59は、ヒューズおよびリレー
77を介して電源端子PIGAに接続され、リレー77
はリレー駆動回路79により開閉される。また、バッテ
リー59は、ヒューズおよびイグニッションスイッチI
GSWを介して電源端子IGAに接続されている。電源
端子IGAは定電圧レギュレータ55に接続されてお
り、定電圧レギュレータ55は定電圧Vcc1を出力す
る。
【0023】電子制御装置9は、主制御手段であるマイ
クロプロセッサ1を備える。マイクロプロセッサ1は、
定電圧Vcc1により作動する。前述した第1前輪舵角
センサ17,第2前輪舵角センサ20,後輪舵角センサ
21,第1車速センサ22,第2車速センサ23,ヨー
レートセンサ24および磁極センサ18の出力はインタ
ーフェース57を介してそれぞれマイクロプロセッサ1
に入力されている。ここでは、第1前輪舵角センサ17
の出力をθf1,第2前輪舵角センサ20の出力をθf
2,第1車速センサ22の出力をV1,第2車速センサ
23の出力をV2,ヨーレートセンサ24の出力をγ,
磁極センサ18の3本の出力を磁極信号HA,HB,H
C,後輪舵角センサ21の出力をθrとしている。
【0024】モータ12の各相の端子U,V,Wは電子
制御装置9のモータドライバ5に接続されている。
【0025】ここで、モータドライバ5の詳細を図8を
参照して説明する。モータドライバ5は、相切換信号L
A11,LB11,LC11,LA21,LB21,L
C21からなる相切換信号群L1とパルス幅変調(Puls
e Width Modulation)信号PWM1により制御される。
ハイサイド側を制御するための相切換信号LA11,L
B11,LC11は、異常電流制限回路88を介してゲ
ート駆動回路G11に入力される。異常電流制限回路8
8は、通常は入力信号をそのまま出力側から出力する。
ゲート駆動回路G11はパワーMOSFETであるトラ
ンジスタTA11,TB11,TC11をオン/オフ駆
動する。また、ゲート駆動回路G11は昇圧も行い、ト
ランジスタTA11,TB11,TC11のゲートに昇
圧した電圧を与える。同時に、ゲート駆動回路G11は
昇圧電圧を昇圧電圧値RV1として出力する。トランジ
スタTA11,TB11,TC11は、電源端子PIG
AからパターンヒューズPH,チョークコイルTCおよ
び抵抗Rsを介して得られる高電圧を、それぞれモータ
12の3相の各端子U,V,Wに供給可能に配置されて
いる。尚、トランジスタTA11,TB11,TC1
1,TA21,TB21,TC21のゲートとソース間
には、ツェナーダイオードが挿入されており、パワーM
OSFETの保護を行っている。これは、電源電圧が何
らかの原因で20Vを越えると、パワーMOSFETの
ゲート/ソース間電圧が20Vを越え、パワーMOSF
ETが破壊されるので、これを防ぐためである。尚、こ
の場合には、リレー77のオフとトランジスタの駆動信
号をオフする処理も行い、回路の保護を行っている。
【0026】一方、ローサイド側を制御するための相切
換信号LA21,LB21,LC21は、パルス幅変調
信号合成回路89および異常電流制限回路88を介して
ゲート駆動回路G21に接続されている。パルス幅変調
信号合成回路89は相切換信号LA21,LB21,L
C21をそれぞれパルス幅変調信号PWM1と合成す
る。ゲート駆動回路G21は、MOSFETであるトラ
ンジスタTA21,TB21,TC21をオン/オフ駆
動する。これらのトランジスタTA21,TB21,T
C21は、モータ12の3相の各端子U,V,Wとバッ
テリー59のグランド間を接続可能に配置されている。
各トランジスタTA11,TB11,TC11,TA2
1,TB21,TC21には保護用のダイオードD3〜
8がそれぞれ接続されている。トランジスタTA11,
TB11,TC11に与えられる電圧は電圧PIGM1
として出力される。この電圧PIGM1と、ゲート駆動
回路G11の昇圧電圧値RV1との差が2V程度に下が
ると、MOSFETであるトランジスタTA11,TB
11,TC11,TA21,TB21,TC21のオン
抵抗が増え、異常発熱をおこす場合がある。したがっ
て、電圧PIGM1と、ゲート駆動回路G11の昇圧電
圧値RV1との差が所定値以下となったら全トランジス
タTA11,TB11,TC11,TA21,TB2
1,TC21をオフさせるようにするとよい。尚、グラ
ンドに接続されるトランジスタTA21,TB21,T
C21のソースには大電流が流れるので、マイクロプロ
セッサ等の弱電回路部のグランドとは別系統でグランド
を配線するのがよい。
【0027】抵抗Rsの両端には、電流検出回路86が
設けられており、抵抗Rsに流れる電流値を検出する。
更に、電流検出回路86は抵抗Rsに流れる電流値が1
8A以上のとき過電流と判定し、出力信号MOC1から
過電流信号を出力する。また、電流検出回路86は抵抗
Rsに流れる電流値が25A以上のとき異常電流と判定
し、出力信号MS1から異常電流信号を出力する。過電
流が発生したときにはパルス幅変調信号合成回路89に
過電流信号を与え、ローサイド側で制限をかける。ま
た、異常電流が発生した場合には異常電流制限回路88
に異常電流信号を与え、ハイサイドおよびローサイド側
で制限をかける。この場合、全てのトランジスタTA1
1,TB11,TC11,TA21,TB21,TC2
1を異常電流検出時から一定時間オフさせてやればよ
い。この一定時間は、予想される最大電流に対してFE
Tの安全動作領域内となるように設定するとよい。
【0028】電流検出回路86により検出された電流値
はピークホールド回路101に与えられる。ピークホー
ルド回路101は電流値のピーク値をピーク信号MI1
として出力する。ピークホールド回路101はリセット
信号DR1が切り替わるタイミングでリセットされる。
【0029】次に、再び図6を参照してモータ12の回
転動作について説明する。磁極信号HA,HB,HCの
状態に応じて相切換信号のパターンを表1のように設定
するとモータ12は回転する。時計方向の回転(CW)
は右切り、反時計方向の回転(CCW)は左切りに設定
してある。表1における右回転の順1のように、磁極信
号が(HA,HB,HC)=(H,L,H)の場合を想
定する。このとき、相切換信号に(LA11,LB1
1,LC11,LA21,LB21,LC21)=
(H,L,L,L,H,L)が出力される。この状態は
図6の図示Aの範囲の状態を示す。磁石42の回転状態
に示すように、3つのホールICの内、磁極信号HAと
HCがハイレベルとなっている。巻線電流の方向はUか
らVとなり、このときモータが回転し磁石42は図示時
計方向に回転する。磁石42が30度回転すると、磁極
信号HAがハイレベルからローレベルに切り換わる。こ
れに合わせて相切換信号を(LA11,LB11,LC
11,LA21,LB21,LC21)=(H,L,
L,L,H,L)に切り換えるとモータは連続して回転
するようになる。このように、時計方向の回転(CW)
または反時計方向の回転(CCW)をモータに与えるに
は、表1の順にしたがって相切換信号のパターンを切り
換えればよい。
【0030】
【表1】
【0031】このモータ12の故障は上記の異常電流値
の他に、ピークホールド回路101のピークホールド値
によっても検出することができる。モータ12では、U
相−V相間,V相−W相間,または、W相−U相間のい
ずれかに電流が流れるので、相切換毎にモータに流れる
電流をピークホールドすれば、ピーク値は常に同じレベ
ルになるはずである。ここで、例えば、U相が断線する
と、U相−V相間またはW相−U相間では電流が流れ
ず、V相−W相間に流れるときだけ、電流のピーク値が
高くなる。また、U相が短絡すると、U相−V相間また
はW相−U相間では電流が倍増し、V相−W相間に流れ
るときだけ、電流のピーク値が低くなる。したがって、
相切換毎のピーク値が3回連続して同じレベルでなけれ
ば、いずれかの相が異常であると判断できる。また、モ
ータ回転速度とPWM1からモータ電流を推測すること
ができる。電流のピークホールド値がこの推測値に対し
てずれた場合にもモータの異常と判断することができ
る。
【0032】定電圧Vcc1、マイクロプロセッサ1等
のシステムが正常のときには、モータドライバ5はマイ
クロプロセッサ1からの相切換信号群L1およびパルス
幅変調信号PWM1に応じてモータ12を回転させる。
【0033】図9に、マイクロプロセッサ1の構成を示
す。マイクロプロセッサ1の制御はブロック図で表す
と、目標舵角演算部60、モータサーボ制御部61、相
切換制御部62、磁極センサ異常判定部63、オープン
制御部64、短絡・断線異常判定部65,スイッチSW
1からなる。
【0034】次に、マイクロプロセッサ1の構成につい
て説明する。目標舵角演算部60はヨーレート値γ、車
速Vおよびステアリング角θsから目標舵角値AGLA
を求める。図示していないが、車速Vは2つの車速セン
サ22、23の出力値V1,V2から求める。このと
き、2つの車速値の平均を車速Vとしてもよいし、2つ
の車速値の内最大値を車速Vとしてもよい。車速を2系
統で検出することにより、車速センサの異常を検出する
ことができる。また、図示していないが、前輪舵角θs
は2つの前輪舵角センサ17,20の出力値θf1,θ
f2から求める。通常は第1前輪舵角センサ17にポテ
ンショメータを用いるが、ポテンショメータは精度が荒
い。また、第2前輪舵角センサ20にロータリエンコー
ダを用いると、舵角量を精度よく検出できるが、初期舵
角量を検出することができない。そこで、第1前輪舵角
センサ17で第2舵角センサ20の出力の絶対値を求
め、絶対値を求めた後は第2前輪舵角センサ20の出力
をステアリング角θsとする。図10にモータサーボ制
御部61の制御ブロック図を示す。微分部90は目標舵
角値AGLAを微分し、微分値SAGLAを得る。微分
ゲイン設定部91は目標舵角値の微分値SAGLAから
微分ゲインYTDIFGAINを求める。ここでは微分
値SAGLAの絶対値から微分ゲインYTDIFGAI
Nを得る。微分値SAGLAの絶対値が4deg/Se
c以下の場合には微分ゲインは0に、微分値SAGLA
の絶対値が12deg/Sec以上の場合には微分ゲイ
ンは4に設定され、微分値SAGLAの絶対値が4〜1
2deg/Secの場合には微分ゲインは0〜4の値に
なる。モータ12の回転角度θmは磁極センサ18の出
力から得る。図示していないが、モータ回転角度θmは
磁極センサ18の出力値HA,HB,HCと後輪舵角セ
ンサ21の出力値θrから求める。通常は後輪舵角セン
サ21にポテンショメータを用いるが、ポテンショメー
タは精度が荒い。また、磁極センサ18は舵角量を精度
よく検出できるが、初期舵角量を検出することができな
い。そこで、後輪舵角センサ21で磁極センサ18の絶
対値を求め、絶対値を求めた後は磁極センサ18の出力
変化からモータ回転角度θmを求めている。回転角度θ
mはバッファ100を介して実舵角値RAGLとして減
算部92に与えられる。減算部92は目標舵角値AGL
Aから実舵角値RAGLを減算し、舵角偏差△AGLを
求める。この舵角偏差△AGLは偏差舵角不感帯付与部
93を介して処理される。偏差舵角不感帯付与部93は
舵角偏差△AGLの絶対値が所定値E2PMAX以下の
場合に舵角偏差微分値ETH2を0として処理するもの
であり、舵角偏差△AGLの値が小さいとき、制御を停
止させるものである。
【0035】得られた舵角偏差微分値ETH2は比例部
96および微分部94に送られる。比例部96は舵角偏
差微分値ETH2を所定の比例ゲインだけ積算し、比例
項PAGLAを得る。また、微分部94は舵角偏差微分
値ETH2を微分し、舵角偏差微分値SETH2を得
る。舵角偏差微分値SETH2と前述の微分ゲインYT
DIFGAINとが積算部95により積算され、微分項
DAGLAが得られる。比例項PAGLAと微分項DA
GLAは加算部97により加算され舵角値HPIDが得
られる。舵角値HPIDは偏差舵角リミッタ98により
舵角制限がかけられる。偏差舵角リミッタ98は制御量
ANGが舵角値HPIDに比例して与えられ、かつ、制
御量が1.5deg以上または−1.5deg以下にな
らないように、制御量ANGを与える。制御量ANGは
パルス幅変調変換部99にてパルス幅変調信号に変換さ
れ、モータドライバ5に送られる。モータドライバ5は
パルス幅変調信号に応じてモータ12を回転させる。こ
のように、モータ12はサーボ制御される。また、舵角
偏差はPD制御される。この内、微分項の微分ゲインは
目標舵角値の微分値に応じて変更される。微分ゲインは
目標舵角値の微分値が小さいとき0となり、制御は比例
項のみによりなされる。尚、上記PD制御に積分項を追
加するようにしても構わない。また、モータ12の回転
角度は電源電圧の変動によっても変化するので、バッテ
リー電圧を測定し、バッテリー電圧に応じて制御量AG
Lを補正するようにしてもよい。
【0036】マイクロプロセッサ1の磁極信号HA,H
B,HCの入力端子には、図11に示すように、マイク
ロプロセッサ1の割込み端子と通常入力端子を使用して
いる。磁極信号HA,HBはイクスクルーシブOR回路
EXOR1の入力端子に接続されている。磁極信号HC
とイクスクルーシブOR回路EXOR1の出力端子はイ
クスクルーシブOR回路EXOR2の入力端子に接続さ
れている。磁極信号HA,HB,HCのうちいずれか1
つに変化があると、イクスクルーシブOR回路EXOR
2の出力が変化する。
【0037】磁極信号HA,HB,HCのうちいずれか
1つに変化があると、マイクロプロセッサ1は、図12
に示すような、磁極信号エッジ割り込みルーチンを実行
する。この磁極信号エッジ割り込みルーチンは磁極信号
を認識するとともに、図9の磁極センサ異常判定部63
の機能を果たしている。ここでは、割り込みがある度
に、磁極信号の状態を読み、今回値として記憶すると共
に、今まで記憶していた今回値を前回値として更新する
処理を行う。
【0038】図12において、ステップ200では、今
まで記憶していた磁極信号を前回値として更新する。次
に、ステップ201にて、磁極信号HA,HB,HCの
入力端子の状態を読み、今回値として記憶する。次に、
ステップ202にて、表2に示すマップから前回予測値
を読みだす。磁極センサ18は、磁極信号HA,HB,
HCのうちいずれか1つが順に変化するよう構成されて
いる。したがって、前回値と今回値に対して、HA,H
B,HCのうちのいずれか1つの極性が変化したものに
なるはずである。表2のマップの前回予測値には今回値
に対してありうる状態の全て記憶されている。具体的に
は、今回値が(HA,HB,HC)=(L,L,H)で
あったとき、前回予測値は(H,L,H)または(L,
H,H)となる。図12のステップ203ではこの前回
予測値と実際の前回値とを比較する。磁極センサ18が
正常に機能しておれば、前回予測値と前回値は一致する
はずである。前回予測値と前回値が一致しておれば、ス
テップ204で異常フラグFabnを0とする。また、
前回予測値と前回値は一致していなければ、ステップ2
05で異常フラグFabnを1とする。
【0039】この後、磁極信号エッジ割り込みルーチン
を終了する。これにより、以後の処理においては、異常
フラグFabnが1となっていれば、磁極センサ18に
異常があったことがわかる。
【0040】
【表2】
【0041】図13に、図9に示す相切換制御部62の
動作を示すフローチャートを示す。ステップ210で
は、後述の短絡異常フラグFsab(図15)または断
線異常フラグFcsbの何れかが1となっている場合、
つまり、短絡・異常判定部65において短絡あるいは断
線等のが検出された時には相切換制御ルーチン(ステッ
プ211〜215)を実施せずに、ステップ216にお
いて相切換制御信号LA11〜LC21を全てローレベ
ルにセットする。ステッフ210において、異常が検出
されない(Fsab=0なおかつFcsb=0である)
場合には、ステップ211で、前述の磁極信号のエッジ
割り込みがあったか否かを判定する。割り込みがあった
場合、ステップ212〜214にて、時計方向の回転を
すべきであれば方向フラグDIに値CWをセットし、反
時計方向の回転をすべきであれば方向フラグDIに値C
CWをセットする。回転方向は前述の舵角値HPIDが
正か負かで判断する。HPID>0であれば方向フラグ
DI=CCW,HPID<0であれば方向フラグDI=
CWとする。次に、ステップ215にて、下記の表3の
マップに基づき相切換信号パターンをセットする。
【0042】相切換信号は6ビット信号であり、各ビッ
トは下記の表4のように定められている。各ビットはハ
イレベル「H」とローレベル「L」を取りうる。ステッ
プ215では、今まで出力していた相切換パターンと方
向フラグDIの状態から次回の相切換パターンを設定す
る。例えば、現状値が(LA11,LB11,LC1
1,LA21,LB21,LC21)=(H,L,L,
L,H,L)であって、DI=CW(時計方向の回転)
であれば、次回値として(H,L,L,L,L,H)を
セットする。設定された相切換パターンはマイクロプロ
セッサ1においては相切換信号群L1として演算され
る。ここで、制御サイクルが早い場合には、この相切換
制御のルーチンを前述の磁極信号エッジ割り込みルーチ
ン内で行うとよい。尚、方向フラグの設定の際、舵角値
HPIDがゼロの場合には相切換はストップモードと
し、(LA11,LB11,LC11,LA21,LB
21,LC21)=(L,L,L,L,L,L)を出力
すればよい。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】図14に、図9におけるオープン制御部6
4の動作を示すフローチャートを示す。ステップ220
では、前述の異常フラグFabnが0となっていれば以
下の処理をスキップする。つまり、磁極センサ18の正
常時にはオープン制御ルーチンを実施しない。したがっ
て、磁極センサ18の正常時には上述の相切換制御ルー
チンが実施され、磁極センサ18の異常時には本オープ
ン制御ルーチンが実施される。このオープン制御ルーチ
ンではオープン制御実施中フラグFoplおよびタイマ
ーTを使用する。タイマーTに所定時間をセットする
と、その後タイマーTは次第にデクリメントされ、所定
時間後に0となる。オープン制御実施中フラグFopl
は初期状態で0にセットされている。ステップ221で
は、オープン制御実施中フラグFoplの状態を判断
し、オープン制御実施中フラグFoplが0であると、
次にステップ222にて、タイマーTを所定時間(例え
ば1秒)にセットする。そして、タイマーTが0以下に
なるまでの間、ステップ224にて、相切換パターンに
モータブレーキパターンがセットされる。モータブレー
キパターンは、 (LA11,LB11,LC11,LA21,LB21,LC21)=(L,L,L,H,H,H) に設定される。所定時間を経過すると、ステップ225
にて、オープン制御実施中フラグFoplが1にセット
される。次に、この状態でタイマーTは0以下であるの
で、ステップ227にて表5に示すマップから次回の相
切換パターンをセットする。次に、ステップ228にて
タイマーTを再びセットする。ステップ226ではタイ
マーTが0以下のときのみステップ227を実行させる
ので、ステップ227はタイマーTに設定された所定時
間毎に実行される。ステップ227において、次回値は
現状の相切換パターン及び後輪舵角センサ21の出力す
る後輪舵角値θrと所定値A1との比較結果に応じて設
定される。A1は零に近い値(例えば0.5度)に設定
してある。例えば、現状の相切換パターンが、 (LA11,LB11,LC11,LA21,LB21,LC21)=(H,L,L,L,H,L) であり、後輪舵角値θrが−1度であった場合には、次
回の相切換パターンは(H,L,L,L,L,H)とな
る。
【0046】表5のマップは、後輪舵角値が負の場合は
右回転するように、後輪舵角値が正の場合は左回転する
ように、設定してある。いずれの場合にも後輪舵角の絶
対値が零に近づくように作用する。後輪舵角の絶対値が
所定値A1以下となると、相切換パターンは(L,L,
L,L,L,L)となる。このパターンの場合、モータ
12は停止する。よって、オープン制御ルーチンでは、
後輪舵角が零になり中立復帰するように相切換パターン
を制御する。
【0047】
【表5】
【0048】図15に、図9の短絡・断線異常判定部6
5の動作を示すフローチャートを示す。短絡・断線異常
判定部65においては、先ず短絡異常判定として、スイ
ッチング素子であるトランジスタTA11,TB11,
TC11,TA21,TB21,TC21が表6に従っ
て順次一つずつ導通(ON)され、モータ12に対して
電流I(n)が供給される状態となる。
【0049】
【表6】
【0050】尚、この場合に供給され得る電流I(n)
としては、所定値α以上であればよく、各トランジスタ
の導通順序も必ずしも表6のとおりとする必要はない。
この短絡・断線異常判定部65における短絡異常判定処
理を図15を参照して説明する。
【0051】図15において、先ずステップ301にて
トランジスタTA11が導通され、電流I(n)が供給
され得る状態となる。巻線Uが正常であれば電流は流れ
ず、従って検出電流Isは所定値αを下回るが、例えば
短絡している場合には、検出電流Isは所定値α以上と
なる。従って、ステップ302において、検出電流Is
が所定値αを下回ると判定されれば、ステップ303に
進み、トランジスタTA11が遮断され、代ってトラン
ジスタ導通される。これに対し、所定値α以上の検出電
流Isが検出された場合には、ステップ314に進み短
絡異常フラグFsabがセット(Fsab=1)され
る。以下、上記の処理が各トランジスタについて順次実
行され、トランジスタTc21について検出電流Isが
所定値αを下回ると判定されると、ステップ313にて
短絡異常フラグFsabがクリア(Fsab=0)さ
れ、あるいはクリアされた状態が縦持される。尚、異常
と判定される毎に短絡異常と判定される毎に短絡異常フ
ラグがセットされるようにしてもよい。
【0052】図17に、短絡・断線異常判定部65の断
線異常検出の処理を示す。ここでは、表7に従ってハイ
サイド側とローサイド側のトランジスタを順次導通し、
モータ12に対して電流I(n)を通電し、モ−タドラ
イバ5の電流検出回路86の検出電流値(正確にはピ−
クホ−ルド回路101の出力信号MI1のレベル)を読
込んで、それが断線有無参照レベルβ以上であると断線
なし、β未満であると断線ありと判定する。断線異常検
出のための通電電流I(n)は、モ−タ12の通常の回
転駆動時のものの範囲内、例えばデュ−ティ比で50
%、である。尚、表7の通電順序は一例であり、前述の
相切換信号の通電パターンとは無関係に、どのような順
序としてもよい。次に、この断線異常検出の内容を詳細
に説明する。
【0053】
【表7】
【0054】ここでは、表7の順序に従い、まずステッ
プ401で、図8に示すモ−タドライバ5のピ−クホ−
ルド回路101にリセット信号DR1を与え、タイマt
β1をスタ−トし、ハイサイド側のスイッチング素子た
るトランジスタTA11及びローサイド側のスイッチン
グ素子たるトランジスタTB21を導通(ON)とし、
端子U,Vに、通常のモ−タ回転駆動での範囲内の電流
I(n)を通電する(電流I(n)が流れる条件でモ−タド
ライバ5を駆動する)。この実施例では、デユ−ティ比
100%の通電である。そしてタイマtβ1がタイムオ
−バするのを待つ(ステップ402)。タイマtβ1は、
そのスタ−トからtβ1が経過したときタイムオ−バす
るプログラムタイマであり、時限値tβ1は、巻線に断
線がなければこの通電により巻線電流レベル(ピ−クホ
−ルド回路101のピ−クホ−ルドレベル)が所定値β
に達する時間に少々の余裕時間を加えた値であり、この
実施例では50msecである。
【0055】タイマtβ1がタイムオ−バすると、ピ−
クホ−ルド回路101のピ−クレベル信号MI1を読込
んで、それが所定値β以上であるかをチェックする(ス
テップ403)。βはこの実施例では3Aである。モ−
タ巻線に断線がないと、tβ1の間に巻線電流が上昇
し、tβ1経過時には、βを越えるピ−ク値(MI1)
がピ−クホ−ルド回路101に保持されており、ピ−ク
値(MI1)≧βとなる。ピ−クレベル信号MI1が所
定値β以上であると、断線なしと判定してレジスタFca
bi(i=1〜6;この時点ではi=1)をクリアし(ス
テップ405)、所定値β未満であると断線があると判
定してレジスタFcabiにこれを表わす「1」を書込む
(ステップ404)。いずれにしても、上記通電による
電気モ−タのロ−タの回転を抑止するために、回生接続
(表7の最右欄)をモ−タドライバ5に指示し、タイマ
tβ2をスタ−トする(ステップ406)。そしてタイ
マtβ1がタイムオ−バすると、すなわち、tβ2(こ
の実施例では100msec)が経過すると、回生接続を解除
し、全パタ−ン(表7の1〜6欄)の上述の通電と断線
チェックを完了したか(i≧6?)をチェックして(ス
テップ408)、完了していない(i<6)と、iを1
インクレメントして完了していない分の断線チェックを
上述のように行なう(ステップ408−409−401
〜407)。
【0056】全パタ−ン(表7の1〜6欄)の断線チェ
ックを完了すると、断線異常判定を終了する。全パタ−
ン(表7の1〜6欄)の断線チエックの間に断線が判定
されなかったときには、レジスタFcabi(i=1〜
6)のすべての内容が「0」であるが、いずれかのパタ
−ンでの断線チェックで断線を判定したときには、その
パタ−ンNo.i(=1〜6;表7)に対応するレジス
タFcabiの内容が「1」になっている。モ−タのコイ
ル数は図4に示すように6個であり、6パタ−ンでの断
線をチェックするので、一個の巻線に断線があると、2
パタ−ンで断線が検出される。これより逆に、どのレジ
スタに断線を表わす「1」が存在するかに従って、断線
した巻線を特定することができる。
【0057】この第1実施例の断線チェックでは、断線
検出のための通電時間が、モ−タドライバに通電を指示
してから電気モ−タの正常巻線の電流レベルが所定値に
達するまでの所定短時間(tβ1)に限られるので、これに
よるロ−タの回転量は微量となる。加えて、この所定短
時間(tβ1)の通電によりロ−タに回転力が加わり、通常
であればその間の動慣性によりその後もロ−ラが回転し
ようとするが、制動通電が行なわれるのでこの慣性回転
が阻止され、結局、断線検出のための通電によるロ−タ
の回転は極く微量となり、この電気モ−タが車両の後輪
ステアリング機構に組込まれている場合、従来のように
車体にひびく耳ざわりな音を発生することがない。
【0058】−第2実施例− この実施例は、第1実施例とは、短絡・断線異常判定部
65の断線異常判定の内容(図17)が、図18に示す
ように変更されている点が異なり、その他の機構および
処理は第1実施例と同じである。図18を参照すると、
第2実施例においても、第一実施例同様に表7に従って
ハイサイド側とローサイド側のトランジスタを順次導通
とし、モータ12に対して電流I(n)を通電する。電
流I(n)は通常使用される範囲内の値(例えばデュー
ティ比0〜100%の値)とされる。尚、表7の通電順
序(1〜6)は一例であり、前述の相切換信号の通電パ
ターンとは無関係に、どのような順序としてもよい。
【0059】ここで、表7の順序に従いステップ421
ではまず、図8に示すモ−タドライバ5のピ−クホ−ル
ド回路101にリセット信号DR1を与え、タイマtβ
1をスタ−トし、そしてハイサイド側のスイッチング素
子たるトランジスタTA11及びローサイド側のスイッ
チング素子たるトランジスタTB21を、2%のデュ−
ティ比から、2%/msecの速度で段階的に順次にデュ−
ティ比を高くする導通(ON)とし、すなわち漸増PW
M通電し、端子U,Vに時系列で漸増する電流を通電す
る。この実施例では、tβ1=50msecである。そして
ピ−クホ−ルド回路101のピ−クレベル信号MI1を
読込んで、それが所定値β以上となったかを監視しつつ
(ステップ422)、タイマtβ1がタイムオ−バする
のを待つ(ステップ424)。
【0060】モ−タ巻線に断線がないと、tβ1の間に
巻線電流が上昇し、tβ1内に、βを越えるピ−ク値
(MI1)がピ−クホ−ルド回路101に保持されてお
り、ピ−ク値(MI1)≧βとなる。ピ−クレベル信号
MI1が所定値β(この実施例では3A)以上になる
と、断線なしと判定して、上述の通電を停止し、レジス
タFcabi(i=1〜6;この時点ではi=1)をクリ
アする(ステップ423)。所定値β以上となることな
くタイマtβ1がタイムオ−バすると、断線があると判
定してレジスタFcabiにこれを表わす「1」を書込む
(ステップ425)。
【0061】ピ−クレベル信号MI1が所定値β以上を
検知すると、あるいはタイマtβ1がタイムオ−バする
と、全パタ−ン(表7の1〜6欄)の上述の通電と断線
チェックを完了したか(i≧6?)をチェックして(ス
テップ426)、完了していない(i<6)と、iを1
インクレメントして完了していない分の断線チェックを
上述のように行なう(ステップ426−427−421
〜425)。
【0062】全パタ−ン(表7の1〜6欄)の断線チェ
ックを完了すると、断線異常判定を終了する。全パタ−
ン(表7の1〜6欄)の断線チエックの間に断線が判定
されなかったときには、レジスタFcabi(i=1〜
6)のすべての内容が「0」であるが、いずれかのパタ
−ンでの断線チェックで断線を判定したときには、その
パタ−ンNo.i(=1〜6;表7)に対応するレジス
タFcabiの内容が「1」になっている。モ−タのコイ
ル数は図4に示すように6個であり、6パタ−ンでの断
線をチェックするので、一個の巻線に断線があると、2
パタ−ンで断線が検出される。これより逆に、どのレジ
スタに断線を表わす「1」が存在するかに従って、断線
した巻線を特定することができる。
【0063】この第2実施例によれば、断線検出のため
の通電時間が、長くても、モ−タドライバに通電を指示
してから電気モ−タの正常巻線の電流レベルが所定値に
達するまでの所定短時間(tβ1)に限られるので、これに
よるロ−タの回転量は微量となる。この所定短時間(tβ
1)の間、モ−タへの通電パルスデュ−ティが低値から高
値に順次に上昇し、断線が無い場合には、通電電流レベ
ルが順次上昇し所定短時間(tβ1)未満でも電流レベルが
所定レベル(β)になった時点に、すなわち断線無しと判
定した時点に、通電が停止されるので、通電時間および
通電レベルが自動的に最小値に定まり、ロ−タは回転し
ないか、もしくは極く微量の回転となる。この電気モ−
タが車両の後輪ステアリング機構に組込まれている場
合、従来のように車体にひびく耳ざわりな音を発生する
ことがない。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電気モ−
タの断線検出のための通電による該電気モ−タのロ−タ
の回転がなくなるかあるいは微量となる。この電気モ−
タが車両の後輪ステアリング機構に組込まれている場
合、従来のように車体にひびく耳ざわりな音を発生する
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を組込んだ後輪操舵シス
テムの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す後輪操舵機構主要部の縦断面図で
ある。
【図3】 図2の3A−3A線拡大断面図である。
【図4】 図3に示すモータ12の電気コイル44の分
布を示す、図2の6A−6A線の、矢印方向とは逆方向
に見た横断面図である。
【図5】 図2の6A−6A線拡大断面図である。
【図6】 図1に示すブラシレスモータ12の磁石42
の回転角と電気コイル通電信号の関係を示すタイムチャ
−トである。
【図7】 図1に示す電子制御装置9の構成を示すブロ
ック図である。
【図8】 図7に示すドライバ5の構成を示すブロック
図である。
【図9】 図7に示すマイクロプロセッサ1機能構成を
示すブロック図である。
【図10】 図9に示す目標舵角演算部60の機能構成
を示すブロック図である。
【図11】 図7に示すインタ−フェイス57の中の磁
極センサ用入力回路を示す電気回路図である。
【図12】 図9に示す磁極センサ異常判定63の内容
を示すフロートチャートである。
【図13】 図9に示す相切換制御62の内容を示すフ
ロートチャートである。
【図14】 図9に示すオープン制御64の内容を示す
フロートチャートである。
【図15】 図9に示す短絡・断線異常判定部65の短
絡異常判定の内容を示すフロートチャートである。
【図16】 (a)は巻線が正常である場合の検出電流
Icを示すグラフであり、(b)は、巻線が短絡してい
る場合の検出電流Icを示すグラフである。
【図17】 図9に示す短絡・断線異常判定部65の断
線異常判定の内容を示すフロートチャートである。
【図18】 本発明の第2実施例における短絡・断線異
常判定部65の断線異常判定の内容を示すフロートチャ
ートである。
【符号の説明】
1:マイクロプロセッサ 5:モータドラ
イバ 9:電子制御装置 10:前輪操舵装
置 11:後輪操舵機構 12:モータ 13,14:前輪 15,16:後輪 17,20:第1,第2前輪舵角センサ 18:磁極センサ 19:ステアリン
グホイール 21:後輪舵角センサ 22,23:第
1,第2車速センサ 24:ヨーレートセンサ 25:操作軸 26:雄ねじ部材 27:回転軸 28:ブーツ 42:磁石 43:コア 43a:突起 44:モータ巻線 44a,44b,44c,44d,44e,44f:巻線 47:ホルダ 49:基板 50:ホールIC 53:ボールジョ
イント 55:定電圧レギュレータ 57:インターフ
ェース 59:バッテリー 60:目標舵角演
算部 61:モータサーボ制御部 62:相切換制御
部 63:磁極センサ異常判定部 64:オープン制
御部 65:短絡・断線異常判定部 77:リレー 79:リレー駆動回路 86:電流検出回
路 88:異常電流制限回路 89:パルス幅変
調信号合成回路 90,94:徴分部 91:徴分ゲイン
設定部 92:減算部 93:偏差舵角不
感帯付与部 95:積算部 96:比例部 97:加算部 98:偏差舵角リ
ミッタ 99:パルス幅変調変換部 100:バッファ 101:ピークホールド回路 ANG:制御量 D3〜8:ダイオード DAGLA:徴分項 DR1:リセット信号 E2PMAX:所定値 ETH2:舵角偏差値 EXOR1,EXOR2:イ
クスクルーシブOR回路 G11,G21:ゲート駆動回路 HA,HB,HC:磁極信
号 HPID:舵角値 IGA:電源端子 IGSW:イグニッションスイッチ L1:相切換信号
群 LA11,LB11,LC11,LA21,LB21,LC21:相切換信号 MI1:ピーク信号 MOC1,MS1:出力信
号 PAGLA:比例項 PH:パターンヒュ
ーズ PIGA:電源端子 PIGM1:電圧 PWM1:パルス幅変調信号 RAGL:実舵角値 Rs:抵抗 RV1:昇圧電圧値 SAGLA:徴分値 SETH2:舵角偏差
徴分値 SW1:スイッチ TC:チョークコイ
ル TA11,TB11,TC11,TA21,TB21,TC21:トランジスタ U,V,W:端子 V:車速 Vcc1:定電圧 V1,V2:車速セン
サ出力値 YTDIFGAIN:徴分ゲイン ΔAGL:舵角偏差 γ:ヨーレート値 θm:回転角度 θf1,θf2:前輪舵角センサ出力値 θs:ステアリン
グ角 θr:後輪舵角センサ出力値 i(n):モータ通
電電流
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−261588(JP,A) 特開 平5−137380(JP,A) 特開 平5−252790(JP,A) 特開 昭62−232578(JP,A) 特表 平6−500675(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/12 B62D 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気モ−タの巻線に通電するためのモ−タ
    ドライバ;電気モータの巻線に流れる電流を検出する電
    流検出手段;および、前記モ−タドライバに通電を指示
    しそれから、モ−タドライバに通電を指示してから電気
    モ−タの正常巻線の電流レベルが所定値に達するまでの
    所定短時間の後に、電流検出手段の所定レベル以上の電
    流検出有無をチェックし、モ−タドライバに制動通電を
    指示する通電制御手段;を備える電気モータの断線検出
    装置。
  2. 【請求項2】電気モ−タの巻線と電源の間を時系列でパ
    ルス状に接続するモ−タドライバ;モ−タドライバにパ
    ルス状の給電接続を指示するPWM制御手段;電気モー
    タの巻線に流れる電流を検出する電流検出手段;およ
    び、時系列で低いパルスデュ−ティから順次高いパルス
    デュ−ティに変化する通電をPWM制御手段に指示し、
    通電を指示してから電気モ−タの正常巻線の電流レベル
    が所定値に達するまでの所定短時間の間、電流検出手段
    が所定レベル以上の電流を検出するまで、電流検出手段
    の所定レベル以上の電流検出有無をチェックし、所定レ
    ベル以上の電流検出有のとき上記通電を停止し、該所定
    短時間以内に電流検出手段が所定レベル以上の電流を検
    出しないとき断線有りと決定する通電制御手段;を備え
    る電気モータの断線検出装置。
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