JP3007514B2 - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

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JP3007514B2
JP3007514B2 JP18918493A JP18918493A JP3007514B2 JP 3007514 B2 JP3007514 B2 JP 3007514B2 JP 18918493 A JP18918493 A JP 18918493A JP 18918493 A JP18918493 A JP 18918493A JP 3007514 B2 JP3007514 B2 JP 3007514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動モータによって後輪
の操舵機構を駆動制御する車両の後輪操舵装置に係る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の前輪操舵に加え、後輪
も操舵させることにより車両の操縦性能を向上させる後
輪操舵装置が知られており、これに対する種々の保護装
置が提案されている。例えば、実開昭61−67278
号公報には、車速を検出する手段と、後輪の操舵角度を
検出する手段と、車速検出手段よりの出力信号に基づく
最大操舵角度と後輪操舵角度検出手段よりの出力信号に
基づく実操舵角度とを比較して実操舵角度が最大操舵角
度を超えた場合に信号を出力する制御手段を設けた4輪
操舵車両のフェイルセーフ装置が開示されている。
【0003】また、上記のような後輪操舵装置において
は、ブラシの劣化によるモータの耐久性の低下に鑑み、
ブラシレスモータの利用が注目されている。このブラシ
レスモータは例えば特開平2−111220号公報に開
示されており、同公報においては、回転子の単位時間当
りの回転数変化率の最大値を設定しておき、実際の回転
数の変化率とこの設定値とを比較することで、位置検出
が正常であるか否かを判定し、異常の場合にはモータを
緊急停止させることとし、位置検出信号が正常に検出で
きなかった場合でもインバータ電力変換素子の破壊や回
転子の永久磁石の減磁を未然に防止できるようにした保
護装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の後輪操舵装置に
おいては、上記実開昭61−67278号公報に記載の
装置のように、車速が大となるに従って制御舵角範囲を
小さくするように制限されている。然し乍ら、仮令制御
舵角範囲内であっても後輪の舵角が急変すると車両挙動
に影響するおそれがある。例えば図21において後輪の
目標舵角が実線で示すように変化する場合に、後輪に対
し大きな負荷が加えられた状態から急に動きだして負荷
が小さくなったときには、破線で示したように実際の舵
角(実舵角)がta時点で急変し、車両挙動に影響を与
えることになる。
【0005】そこで、本発明は、車両の後輪操舵装置に
おいて、後輪の目標舵角と実舵角の各々の変化率を比較
することにより、実舵角に急激な変化があったときには
後輪の操舵角を適切に制限し、安定した操舵作動を確保
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、図20に構成の概要を示すように、後輪
RWに連結した操舵機構SMと、この操舵機構SMを駆
動制御する電動モータMが設けられている。また、後輪
RWの目標舵角を設定する目標舵角設定手段S1と、後
輪RWが実際に操舵される実舵角を検出する実舵角検出
手段S2と、目標舵角と実舵角の比較結果に応じて電動
モータMの出力を制御する制御手段S3を備えている。
そして、目標舵角の変化率を演算する目標舵角変化率演
算手段S4と、実舵角の変化率を演算する実舵角変化率
演算手段S5と、この実舵角変化率演算手段S5にて演
算された実舵角変化率が、目標舵角変化率演算手段S4
にて演算された目標舵角変化率に所定値を加えた値以上
となったときには制御手段S3に対し電動モータMの出
力を制限するように制御する出力制限手段S6とを備え
たものである。
【0007】上記の車両の後輪操舵装置において、目標
舵角変化率演算手段S3にて演算された目標舵角変化率
が,電動モータMによる後輪RWに対する許容舵角変化
率を超えたときには、この許容舵角変化率を目標舵角変
化率として用いることとするとよい。
【0008】また、本発明は、車両の後輪に連結した操
舵機構と、該操舵機構を駆動する電動モータと、前記後
輪の目標舵角を設定する目標舵角設定手段と、前記後輪
が実際に操舵される実舵角を検出する実舵角検出手段
と、前記目標舵角と前記実舵角の比較結果に応じて前記
電動モータの出力を制御する制御手段を備えた車両の後
輪操舵装置において、前記目標舵角の変化加速度を演算
する目標舵角変化加速度演算手段と、前記実舵角の変化
加速度を演算する実舵角変化加速度演算手段と、該実舵
角変化加速度演算手段にて演算された実舵角変化加速度
が、前記目標舵角変化加速度演算手段にて演算された目
標舵角変化加速度に所定値を加えた値以上となったとき
には前記制御手段に対し前記電動モータの出力を制限す
るように制御する出力制限手段とを備えたものとしても
よい。更に、同装置において、前記目標舵角変化加速度
演算手段にて演算された目標舵角変化加速度が,電動モ
ータによる後輪に対する許容舵角変化加速度を超えたと
きには、この許容舵角変化加速度を目標舵角変化加速度
として用いることとするとよい。
【0009】
【作用】上記の構成になる車両の後輪操舵装置において
は、目標舵角設定手段S1にて後輪RWの目標舵角が設
定されると共に、実舵角検出手段S2にて後輪RWが実
際に操舵される実舵角が検出される。そして、制御手段
S3により目標舵角と実舵角の比較結果に応じて電動モ
ータMの出力が制御され、操舵機構SMが駆動制御され
る。一方、目標舵角設定手段S1及び実舵角検出手段S
2の設定値及び検出値に基づき、目標舵角変化率演算手
段S4及び実舵角変化率演算手段S5にて夫々目標舵角
の変化率と実舵角の変化率が演算される。更に、出力制
限手段S6にて実舵角変化率と目標舵角変化率に所定値
を加えた値とが比較され、前者が後者以上になったとき
には、制御手段S3に対し電動モータMの出力が制限さ
れるように制御される。
【0010】あるいは、目標舵角設定手段S1及び実舵
角検出手段S2の設定値及び検出値に基づき、目標舵角
変化加速度演算手段(図示せず)及び実舵角変化加速度
演算手段(図示せず)にて夫々目標舵角の変化加速度と
実舵角の変化加速度が演算され、出力制限手段にて実舵
角変化加速度と目標舵角変化加速度に所定値を加えた値
とが比較され、前者が後者以上になったときには、制御
手段S3に対し電動モータMの出力が制限されるように
制御される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る車両の後輪操
舵装置について図面を参照しながら説明する。図1は後
輪操舵装置を搭載した車両の構成を示すもので、前輪1
3,14は前輪操舵機構10によりステアリングホイー
ル19の回動操作に応じて操舵される。前輪操舵機構1
0には、そのラックの移動量を検出する第1前輪舵角セ
ンサ17が設けられると共に、ステアリングホイール1
9が取り付けられた操舵軸に、第2前輪舵角センサ20
が設けられており、これらのセンサにより前輪の操舵量
が検出される。第1前輪舵角センサ17としては、例え
ばポテンショメータ等のリニアセンサが用いられ、第2
前輪舵角センサ20としては、回転時にパルスを発する
ロータリエンコーダ等のステアリングセンサが用いられ
ている。
【0012】後輪15,16には後輪操舵機構11が接
続されており、モータ12の回転に応じて操舵される。
モータ12の端部には、モータ12の回転角度を検出す
る磁極センサ18が設けられている。また、後輪操舵軸
たるラック軸25に後輪舵角センサ21が設けられてお
り、これにより後輪15,16の実際の舵角が検出され
る。この後輪舵角センサ21は後輪操舵機構11に内蔵
することとしてもよい。更に、車両の速度を検出する2
系統の第1車速センサ22、第2車速センサ23、及び
車両のヨーレートを測定するヨーレートセンサ24が設
けられている。上記モータ12は電子制御装置9からの
信号によって制御されるように構成されている。即ち、
電子制御装置9には、第1前輪舵角センサ17、第2前
輪舵角センサ20、磁極センサ18、後輪舵角センサ2
1、第1車速センサ22、第2車速センサ23、ヨーレ
ートセンサ24の各センサ出力が供給され、これらの出
力に応じてモータ12の回転量が設定され、モータ12
に制御信号が供給される。
【0013】本実施例の後輪舵角センサ21は図2に示
すように後輪操舵機構11内に内蔵されている。後輪操
舵機構11のハウジング38にはカバー36が固定され
ており、このカバー36上に、磁極センサ18、モータ
12のモータハウジング40及び後輪舵角センサ21が
一体に設けられている。図2の後輪操舵機構11の背面
からみた部分断面図である図3に明らかなように、ラッ
ク軸25が車両の進行方向に対して直角に設けられてお
り、ラック軸25の両端部はボールジョイント53を介
して後輪のナックルアームに接続されている。ラック軸
25の両端部はブーツ28によって保護されている。ハ
ウジング38の図示右端にはチューブ39が嵌着されて
いる。異なる長さのラック軸25を設ける場合には、チ
ューブ39を交換することにより、ハウジング38を変
更することなく対応することができる。ラック軸25に
はラック26が形成されており、このラック26は、車
両の前後方向に延びるピニオン27と噛合する。そし
て、ラックガイド31がラック26方向に付勢された状
態で、ラックガイドカバー32がハウジング38に固定
され、これによりラック26がピニオン27側に押圧さ
れている。尚、ピニオン27は図4に示すようにギヤ2
9に焼きばめ(圧入)により固定され、ピン37により
相対回転が阻止される。
【0014】図4に示すように、後輪舵角センサ21は
ポテンショメータを内蔵し、ギヤ29の面と平行に設け
られている。軸54には、レバー33を介してピン34
が設けられ、このピン34は、ギヤ29に形成された孔
35に嵌合されている。これにより、ギヤ29が回転す
ると軸54も回転し、この軸54の回転角度が後輪舵角
センサ21によって検出される。一方、軸54の回転角
度即ちギヤ29の回転量はラック軸25の横移動量に比
例する。而して、後輪舵角センサ21により後輪の舵角
量が検出されることとなる。
【0015】図3に示すように、モータ12のモータ軸
41の先端にピニオン30が設けられており、このピニ
オン30にギヤ29が噛合し、ハイポイドギヤを構成し
ている。このハイポイドギヤは、モータ12のモータ軸
41の回転をギヤ29の回転として伝えるが、ラック軸
25(図4)側からギヤ29に回転力が加えられたとき
には、モータ12のモータ軸41が回転しないように逆
効率零になるように設定されている。また、ピニオン3
0とギヤ29は、減速比を大きくとるようにHRH(ハ
イレシオハイポイド)ギヤを構成している。ギヤ比は、
モータ12の極数や、操舵角の分解能等により定められ
るため車両によって異なるが、本実施例では67対1に
設定されている。
【0016】図5に示すように、モータ12のモータ軸
41はモータハウジング40内に回動可能に支持されて
いる。モータ軸41の回りには4極の磁石42が固定さ
れている。また、モータハウジング40には、磁石42
に対向してコア43が固定されており、コア43にはモ
ータ巻線44が巻回されている。図5のA−A断面を示
す図6に明らかなように、コア43には中心方向に延出
する12本の突起43aが形成されており、モータ巻線
44はこの突起43aに巻回される。モータ巻線44の
結線は、磁極センサ18側からモータ巻線44を見た図
7に示すように、巻線44aと44d,44bと44
e,44cと44fの一端はそれぞれ端子U,V,Wに
接続されている。巻線44a,44b,44c,巻線4
4d,44e,44fの他端は電気的に接続されてい
る。モータ巻線44はそれぞれの系統ごとにターミナル
45を介してワイヤーハーネス46に接続されている。
【0017】モータハウジング40の一端は開口端とな
っており、ここに磁極センサ18が取付けられる。磁極
センサ18の基板49は、ホルダ47(図9に示す)に
よって、モータハウジング40の開口端に固定され、こ
の開口端にカバー48が設けられる。一方、モータ12
のモータ軸41の端部にはロータ52が固定されてお
り、このロータ52には磁石51が設けられている。磁
石51は、図8に示すように、4極の円板状に形成され
ている。基板49には、図9に示すように、3個のホー
ルIC50が、それぞれ60度ずつずれて配置されてい
る。これら3個のホールIC50の出力は、後述の電子
制御装置9において、磁極センサ信号HA,HB,HC
として使用される。
【0018】即ち、モータ軸41が回転すると、図10
に「磁石51回転状態」として示すように、ホールIC
(図示HA,HB,HC)に対して相対的に磁石51が
回転し、磁極センサ18の三つの出力である磁極センサ
信号HA,HB,HCが図示のようにハイレベル(H)
とローレベル(L)間で変化する。図10はモータ12
が時計回り(CW)に回転している状態を示す。モータ
12が反時計回り(CCW)に回転するときには図示右
から左へ向かう方向に磁極センサ18の磁極センサ信号
HA,HB,HCが切り換わる。而して、この磁極セン
サ信号HA,HB,HCの切り換わりに同期してモータ
巻線44の巻線電流を切換えればモータ12が回転す
る。尚、図10に示したモータ12の回転時の巻線電流
の方向については後述する。
【0019】図11は電子制御装置9の構成を示すもの
で、電子制御装置9には車載のバッテリ59が接続され
ている。即ち、バッテリ59が、ヒューズ及び電源端子
PIGAを介してモータドライバ5に接続されると共
に、ヒューズ、イグニッションスイッチIGSW及び電
源端子IGAを介してモータドライバ5及び定電圧レギ
ュレータ55に接続されている。この定電圧レギュレー
タ55から定電圧Vcc1が出力される。
【0020】電子制御装置9は、制御手段であるマイク
ロプロセッサ1を有し、このマイクロプロセッサ1は定
電圧Vcc1により作動する。前述の第1前輪舵角セン
サ17、第2前輪舵角センサ20、第1車速センサ2
2、第2車速センサ23、ヨーレートセンサ24、磁極
センサ18及び後輪舵角センサ21の出力が、インター
フェース57を介してマイクロプロセッサ1に入力され
る。ここでは、第1前輪舵角センサ17の出力をθf
1、第2前輪舵角センサ20の出力をθf2、第1車速
センサ22の出力をV1、第2車速センサ23の出力を
V2、ヨーレートセンサ24の出力をγ、磁極センサ1
8の三つの出力信号をHA,HB,HC、そして後輪舵
角センサ21の出力をθrとしている。
【0021】尚、電子制御装置9に接続されるモータ
は、前述の機構では12で表したが、図11以後の回路
図においてはモータをMで表わす。モータMの各相の端
子U,V,Wは電子制御装置9のモータドライバ5に接
続されている。モータドライバ5に対しては電源端子P
IGA及びIGAから電力が供給される。そして、モー
タドライバ5には、マイクロプロセッサ1から出力され
た信号である相切換信号群L1(L1は相切換信号LA
11,LB11,LC11,LA21,LB21,LC
21からなる信号群)及びパルス幅変調(Pulse Width
Modulation)信号PWM1が入力される。
【0022】モータドライバ5は図12に示すように構
成されており、上述の相切換信号群L1及びパルス幅変
調信号PWM1により制御される。ハイサイド側を制御
するための相切換信号LA11,LB11,LC11は
異常電流制限回路88を介してゲート駆動回路G11に
入力される。通常は、これらの入力信号が異常電流制限
回路88を介してそのまま出力側から出力される。ゲー
ト駆動回路G11はパワーMOSFETのトランジスタ
TA11,TB11,TC11をオン−オフ駆動する回
路である。また、ゲート駆動回路G11は昇圧も行な
い、トランジスタTA11,TB11,TC11のゲー
トに昇圧した電圧を与えると共に、昇圧電圧を昇圧電圧
値RV1として出力する。トランジスタTA11,TB
11,TC11は、電源端子PIGAからパターンヒュ
ーズPH、チョークコイルTC及び抵抗Rsを介して得
られる高電圧が、それぞれモータMの三相の各端子U,
V,Wに供給されるように接続されている。尚、トラン
ジスタTA11,TB11,TC11,TA21,TB
21,TC21のゲートとソース間には、ツェナーダイ
オードが挿入されており、パワーMOSFETの保護に
供されている。即ち、電源電圧が何らかの原因で20V
を越えると、パワーMOSFETのゲート−ソース間電
圧が20Vを越え、パワーMOSFETが破壊されるの
で、これを防ぐためにツェナーダイオードが配設されて
いる。
【0023】一方、ローサイド側を制御するための相切
換信号LA21,LB21,LC21は、パルス幅変調
信号合成回路89及び異常電流制限回路88を介してゲ
ート駆動回路G21に接続されている。パルス幅変調信
号合成回路89は相切換信号LA21,LB21,LC
21をそれぞれパルス幅変調信号PWM1と合成する回
路である。ゲート駆動回路G21はMOSFETのトラ
ンジスタTA21,TB21,TC21をオン−オフ駆
動する回路であり、これらのトランジスタTA21,T
B21,TC21は、モータMの三相の各端子U,V,
Wとバッテリ59のグランド間が接続されるように配置
されている。トランジスタTA11,TB11,TC1
1,TA21,TB21,TC21の各々には保護用の
ダイオードD3乃至D8が接続されている。トランジス
タTA11,TB11,TC11に供給される電圧は、
同時に電圧PIGM1として出力される。
【0024】この電圧PIGM1と、ゲート駆動回路G
11の昇圧電圧値RV1との差が2V程度に下がると、
MOSFETのトランジスタTA11,TB11,TC
11,TA21,TB21,TC21のオン抵抗が増
え、異常発熱をおこす場合がある。従って、電圧PIG
M1と昇圧電圧値RV1との差が所定値以下となった場
合には全トランジスタTA11,TB11,TC11,
TA21,TB21,TC21をオフさせるようにする
とよい。尚、トランジスタTA21,TB21,TC2
1のソースには大電流が流れるので、マイクロプロセッ
サ等の弱電回路部のグランドは、これらのグランドとは
別系統の配線とすることが望ましい。
【0025】抵抗Rsの両端には電流検出回路86が接
続されており、抵抗Rsに流れる電流値が検出される。
電流検出回路86は、抵抗Rsに流れる電流値が18A
以上のとき過電流と判定し、出力信号MOC1として過
電流信号を出力すると共に、パルス幅変調信号合成回路
89に過電流信号を与え、ローサイド側で制限をかけ
る。また、電流検出回路86は抵抗Rsに流れる電流値
が25A以上のとき異常電流と判定し、出力信号MS1
として異常電流信号を出力する。異常電流が発生した場
合には、異常電流制限回路88に異常電流信号を与え、
ハイサイド及びローサイド側で制限をかける。この場
合、全てのトランジスタTA11,TB11,TC1
1,TA21,TB21,TC21を異常電流検出時か
ら一定時間オフさせてやればよい。この一定時間は、予
想される最大電流に対してFETの安全動作領域内とな
るように設定するとよい。電流検出回路86にて検出さ
れた電流値はピークホールド回路101に与えられ、ピ
ークホールド回路101から電流値のピーク値がピーク
信号MI1として出力される。このピークホールド回路
101はリセット信号DR1が切り替わるタイミングで
リセットされる。
【0026】次に、図10を参照してモータMの回転動
作について説明する。磁極センサ信号HA,HB,HC
の状態に応じて、相切換信号のパターンを表1のように
設定することによりモータMが回転する。時計方向の回
転(CW)は右切り、反時計方向の回転(CCW)は左
切りに設定してある。先ず、表1における右回転の順1
のように、磁極センサ信号が(HA,HB,HC)=
(H,L,H)の場合には、相切換信号は(LA11,
LB11,LC11,LA21,LB21,LC21)
=(H,L,L,L,H,L)として出力される。この
状態は図10の図示Aの範囲の状態に対応し、三つのホ
ールICに対する磁石51の相対的回転位置関係から明
らかなように、磁極センサ信号HA及びHCがハイレベ
ル(H)となっている。巻線電流の方向はU相からV相
となり、モータMの回転に伴い磁石51は図示時計方向
に回転する。磁石51が30度程回転すると、磁極セン
サ信号HAがハイレベルからローレベルに切り換わる。
これに応じ、相切換信号が(LA11,LB11,LC
11,LA21,LB21,LC21)=(L,L,
H,L,H,L)に切換えられ、モータMは更に30度
回転し、磁極センサ信号HBがハイレベルとなる。この
ようにして、図10の左方の状態から右方の状態に進
み、モータMが連続して回転することとなる。而して、
モータMに対し時計方向の回転(CW)又は反時計方向
の回転(CCW)を与えるには、表1の上段又は下段の
順に従って相切換信号のパターンを切換えればよい。
【表1】
【0027】マイクロプロセッサ1は、図13に示すよ
うに、目標舵角演算部60、モータサーボ制御部61、
相切換制御部62、磁極センサ異常判定部63,オープ
ン制御部64及びスイッチSW1を有する。目標舵角演
算部60はヨーレート値γ、車速V及びステアリング角
θsから目標舵角値AGLAを求める。図13には示し
ていないが、車速Vは第1及び第2車速センサ22,2
3の出力値V1,V2に基づいて演算される。このと
き、二つの車速値の平均を車速Vとしてもよいし、二つ
の車速値の内最大値を車速Vとしてもよい。このように
車速を2系統で検出することにより、車速センサの異常
を検出することができる。また、図13には示していな
いが、前輪舵角θsは第1及び第2前輪舵角センサ1
7,20の出力値θf1,θf2に基づいて演算され
る。この場合において、通常は第1前輪舵角センサ17
としてポテンショメータが用いられるが、ポテンショメ
ータは精度が荒い。一方、第2前輪舵角センサ20とし
てロータリエンコーダを用いると、舵角量を精度よく検
出できるものの、初期舵角量を検出することができな
い。そこで、第1前輪舵角センサ17で第2前輪舵角セ
ンサ20の出力の絶対値を求めることとし、絶対値を求
めた後は第2前輪舵角センサ20の出力をステアリング
角θsとしている。
【0028】図14はモータサーボ制御部61の制御ブ
ロック図を示すもので、微分部90において目標舵角値
AGLAが微分されて微分値SAGLAが求められ、微
分ゲイン設定部91にて目標舵角値の微分値SAGLA
の絶対値に基づき微分ゲインYTDIFGAINが求め
られる。微分値SAGLAの絶対値が4(deg/se
c)以下の場合には微分ゲインは0に、微分値SAGL
Aの絶対値が12(deg/sec)以上の場合には微
分ゲインは4に設定され、微分値SAGLAの絶対値が
4乃至12(deg/sec)の場合には微分ゲインは
0乃至4の値になる。
【0029】一方、モータMの回転角度θmが磁極セン
サ18の出力に基づいて演算される。図14には示して
いないが、モータMの回転角度θmは磁極センサ18の
出力値HA,HB,HC及び後輪舵角センサ21の出力
値θrに基づいて求められる。通常は、後輪舵角センサ
21としてポテンショメータが用いられるが、ポテンシ
ョメータは精度が荒く、磁極センサ18は舵角量を精度
よく検出できるが、初期舵角量を検出することができな
い。そこで、後輪舵角センサ21で磁極センサ18の絶
対値を求め、絶対値を求めた後は磁極センサ18の出力
変化からモータMの回転角度θmを求めることとしてい
る。回転角度θmはバッファ100を介して実舵角値R
AGLとして減算部92に供給される。尚、本実施例に
おいては、電動モータの回転センサとして、磁極センサ
18を使用しているが、発光ダイオードを利用した光パ
ルス式のセンサ等のエンコーダを用いることとしてもよ
い。
【0030】減算部92においては目標舵角値AGLA
から実舵角値RAGLが減算され、舵角偏差ΔAGLが
求められる。この舵角偏差ΔAGLは偏差舵角不感帯付
与部93を介して処理される。偏差舵角不感帯付与部9
3は、舵角偏差ΔAGLの絶対値が所定値E2PMAX
以下の場合に舵角偏差値ETH2を0として処理するも
のであり、舵角偏差ΔAGLの値が小さいときには制御
を停止させるものである。得られた舵角偏差値ETH2
は比例部96及び微分部94に送られる。比例部96で
は舵角偏差値ETH2を所定の比例ゲインだけ積算し、
比例項PAGLAを得る。また、微分部94では舵角偏
差値ETH2を微分し、舵角偏差微分値SETH2を得
る。この舵角偏差微分値SETH2と前述の微分ゲイン
YTDIFGAINとが積算部95にて積算され、微分
項DAGLAが得られる。そして、比例項PAGLAと
微分項DAGLAが加算部97にて加算され、舵角値H
PIDが得られる。
【0031】舵角値HPIDは偏差舵角リミッタ98に
より舵角制限がかけられる。偏差舵角リミッタ98は、
舵角値HPIDに比例して制御量ANGを設定すると共
に、制御量ANGが1.5deg以上または−1.5d
eg以下にならないように設定するものである。制御量
ANGはパルス幅変調変換部99にてパルス幅変調信号
に変換され、モータドライバ5に供給される。モータド
ライバ5はパルス幅変調信号に応じてモータMを回転さ
せるもので、これによりモータMがサーボ制御される。
また、舵角偏差はPD制御される。この内、微分項の微
分ゲインは目標舵角値の微分値に応じて変更される。微
分ゲインは目標舵角値の微分値が小さいときには0とな
り、この場合の制御は比例項のみによって行なわれる。
尚、上記PD制御に積分項を追加することとしてもよ
い。また、モータMの回転角度θmは電源電圧の変動に
よっても変化するので、バッテリ電圧を測定し、バッテ
リ電圧に応じて制御量ANGを補正するようにしてもよ
い。
【0032】上記目標舵角値AGLAを目標舵角θtで
表し、その微分値をDθtで表すと、このDθtは目標
舵角θtの変化率(変化速度)であり、目標舵角変化率
ということができる。また、実舵角値RAGLを実舵角
θrで表し、その微分値をDθrで表すとDθrは実舵
角変化率ということになる。これらの値θt,Dθt,
θrは出力制限手段たるリミッタ102に供給され、こ
こでθrの微分値である実舵角変化率Dθrが求められ
ると共に、後述する図19のフローチャートに従ってパ
ルス幅変調変換部99のパルス幅変調信号が制御され,
モータMの出力電圧が制御される。
【0033】図15に示すように、マイクロプロセッサ
1の割込み端子と通常入力端子が磁極センサ信号HA,
HB,HCの入力用に供されている。磁極センサ信号H
A,HBはイクスクルーシブOR回路EXOR1に入力
し、磁極センサ信号HCとイクスクルーシブOR回路E
XOR1の出力信号はイクスクルーシブOR回路EXO
R2に入力するように接続されている。而して、磁極セ
ンサ信号HA,HB,HCの内の何れか一つに変化があ
ると、イクスクルーシブOR回路EXOR2の出力が変
化する。
【0034】上述のように磁極センサ信号HA,HB,
HCの内の何れか一つに変化があると、図13の磁極セ
ンサ異常判定部63において、図16に示す磁極センサ
信号エッジ割り込みルーチンが実行される。ここでは、
割り込みがある度に、モータMの回転数が演算された
後、磁極センサ信号の状態が判別され、今回値として記
憶される。即ち、先ずステップ201において、これま
で記憶されていた今回値が前回値として更新され、ステ
ップ202にて、磁極センサ信号HA,HB,HCの入
力端子の状態が読み込まれ、今回値として記憶される。
次に、ステップ203にて、表2に示すマップから前回
予測値が読みだされる。後述するように、磁極センサ1
8は磁極センサ信号HA,HB,HCのうち何れか一つ
が順に変化するよう構成されている。従って、前回値と
今回値に対して、磁極センサ信号HA,HB,HCのう
ちの何れか一つの極性が変化したものになるはずであ
る。
【表2】
【0035】表2のマップの前回予測値には今回値に対
してありうる状態の全てが記憶されている。具体的に
は、今回値が(HA,HB,HC)=(L,L,H)で
あったとき、前回予測値は(H,L,H)または(L,
H,H)となる。図16のステップ204ではこの前回
予測値と実際の前回値とが比較される。磁極センサ18
が正常に機能しておれば、前回予測値と前回値は一致す
るはずである。従って、前回予測値と前回値が一致して
おれば、ステップ205で磁極センサ異常フラグFab
nがクリア(0)される。前回予測値と前回値が一致し
ていなければ、ステップ206にて磁極センサ異常フラ
グFabnがセット(1)され、この磁極センサ信号エ
ッジ割り込みルーチンが終了する。而して、以後の処理
においては、磁極センサ異常フラグFabnが1となっ
ていれば、磁極センサ18に異常有と判定され、磁極セ
ンサ異常フラグFabnがクリアされておれば、以下に
説明する図17のルーチンに従って相切換信号パターン
が設定される。
【0036】図13の相切換制御部62においては、図
17に示すように処理される。先ず、ステップ210に
おいて上記磁極センサ異常フラグFabnが0か否かが
判定され、これがセットされておれば(1であれば)以
下の処理は行なわれない。即ち、磁極センサ18に異常
が検出されたときには、相切換制御ルーチンは実行され
ない。磁極センサ異常フラグFabnがセットされてい
ない場合には、ステップ211に進み前述の磁極センサ
信号のエッジ割り込みがあったか否かが判定される。割
り込みがあった場合には、ステップ212乃至214に
て、時計方向の回転をすべきであれば方向フラグDIに
値CWがセットされ、反時計方向の回転をすべきであれ
ば方向フラグDIに値CCWがセットされる。回転方向
は前述の舵角値HPIDが正か負かで判断可能であり、
HPID>0であれば方向フラグDI=CCWとされ、
HPID<0であれば方向フラグDI=CWとされる。
【0037】次に、ステップ215にて、下記の表3の
マップに基づき相切換信号パターンがセットされる。相
切換信号は6ビット信号であり、各ビットはハイレベル
「H」又はローレベル「L」を取り、下記の表4のよう
に定められている。ステップ215では、今まで出力し
ていた相切換信号パターンと方向フラグDIの状態に基
づき次回の相切換信号パターンが設定される。例えば、
現状値が(LA11,LB11,LC11,LA21,
LB21,LC21)=(H,L,L,L,H,L)で
あって、DI=CW(時計方向の回転)であれば、次回
値として(H,L,L,L,L,H)が設定される。設
定された相切換信号パターンはマイクロプロセッサ1に
おいては相切換信号群L1として演算される。制御サイ
クルが早い場合には、この相切換制御のルーチンを前述
の磁極センサ信号エッジ割り込みルーチン内で行なうと
よい。尚、方向フラグ設定時に舵角値HPIDがゼロと
なった場合には、相切換はストップモードとされ、(L
A11,LB11,LC11,LA21,LB21,L
C21)=(L,L,L,L,L,L)とされる。
【表3】
【表4】
【0038】図13のオープン制御部64においては、
図18に示すように処理される。先ず、ステップ220
において、前述の磁極センサ異常フラグFabnが1か
否かが判定され、0となっていれば以下の処理は行なわ
れない。即ち、磁極センサ18が正常であるときにはオ
ープン制御ルーチンは実行されない。従って、図13の
磁極センサ異常判定部63の判定結果に応じスイッチS
W1が切換えられ、正常時には相切換制御部62が機能
し上述の相切換制御ルーチンが実行され、異常時にはオ
ープン制御部64側に切換られオープン制御ルーチンが
実行される。このオープン制御ルーチンにおいては、オ
ープン制御実行中フラグFop及びタイマTが使用され
る。タイマTに所定時間がセットされると、その後タイ
マTは次第にデクリメントされ、所定時間後に0とな
る。オープン制御実行中フラグFopは初期状態で0と
されている。
【0039】ステップ221では、オープン制御実行中
フラグFopの状態が判定され、オープン制御実行中フ
ラグFopが0であると、次にステップ222にて、タ
イマTが所定時間(例えば1秒)にセットされる。そし
て、タイマTが0以下になるまでの間、ステップ224
にて、相切換信号パターンにモータブレーキパターンが
セットされる。モータブレーキパターンは、(LA1
1,LB11,LC11,LA21,LB21,LC2
1)=(L,L,L,H,H,H)、(LA12,LB
12,LC12,LA22,LB22,LC22)=
(L,L,L,H,H,H)に設定される。所定時間を
経過すると、ステップ225にて、オープン制御実行中
フラグFopがセット(1)される。この状態でタイマ
Tは0以下であるので、ステップ227にて表5に示す
マップから次回の相切換信号パターンがセットされる。
次に、ステップ228にてタイマTが再びセットされ
る。ステップ226ではタイマTが0以下のときのみス
テップ227を実行させるので、ステップ227はタイ
マTに設定された所定時間毎に実行される。
【0040】ステップ227において、次回値は現状の
相切換信号パターン及び後輪舵角センサ21の出力する
後輪舵角値θrと所定値A1との比較結果に応じて設定
される。A1は零に近い値(例えば0.5度)に設定し
てある。例えば、現状の相切換信号パターンが(LA1
1,LB11,LC11,LA21,LB21,LC2
1)=(H,L,L,L,H,L)であり、後輪舵角値
θrが−1度であった場合には、次回の相切換信号パタ
ーンは(H,L,L,L,L,H)となる。表5のマッ
プは、後輪舵角値が負の場合は右回転するように、後輪
舵角値が正の場合は左回転するように、設定されてい
る。いずれの場合にも後輪舵角の絶対値が零に近づくよ
うに作用する。後輪舵角の絶対値が所定値A1以下とな
ると、相切換信号パターンは(L,L,L,L,L,
L)となり、モータ12は停止する。よって、オープン
制御ルーチンでは、後輪舵角が零になり中立復帰するよ
うに相切換信号パターンが制御される。
【表5】
【0041】図19は図14のリミッタ102における
制御を示すもので、先ずステップ301にて後輪15,
16の目標舵角θtが微分され、目標舵角変化率(速
度)Dθtが求められる。続いてステップ302にて後
輪15,16の実舵角θrが微分され、実舵角変化率D
θrが求められる。次にステップ303に進み、目標舵
角変化率Dθtが、モータMを含む駆動装置による許容
舵角変化率(最大能力速度)DθMAX を超えているか否
かが判定され、超えている場合にはステップ304にて
許容舵角変化率DθMAX が制御対象の目標舵角変化率D
θtcとされる。即ち、この許容舵角変化率DθMAX
上限値とされている。目標舵角変化率Dθtが許容舵角
変化率DθMAX 以下であれば、ステップ305に進み、
その値が制御対象の目標舵角変化率Dθtcとされる。
【0042】更に、ステップ306において実舵角変化
率Dθrが目標舵角変化率Dθtcに所定値αを加えた
値(Dθtc+α)と比較され、この値以下であればス
テップ307にて実舵角変化率Dθrが目標舵角変化率
Dθtcと比較され、実舵角変化率Dθrが目標舵角変
化率Dθtc以下であればステップ308にて通常の後
輪操舵制御が行なわれる。これに対し、ステップ306
にて実舵角変化率Dθrが上記の値(Dθtc+α)よ
り大と判定されると、ステップ309にてモータMの出
力電圧が低下するように制御される。即ち、PWM信号
のデューティ比を減少するように制御される。一方、ス
テップ307にて実舵角変化率Dθrが目標舵角変化率
Dθtcを超えている(但し、(Dθtc+α)以下)
と判定されたときには、ステップ310に進みモータM
の出力電圧が保持される。
【0043】以上説明したように、本実施例において
は、後輪15,16の実舵角が急激に変化し実舵角変化
率Dθrが(Dθtc+α)より大となると、モータM
の出力電圧が低下するように制御されるので、後輪1
5,16の操舵角が制限され、車両挙動に影響を与える
ことなく適切に操舵制御される。例えば図21におい
て、ta時点で後輪15,16の実舵角が制限され、目
標舵角との差は大となるものの滑らかな舵角変化とな
り、安定した操舵作動を確保することができる。また、
図19のフローチャートのステップ303乃至305に
示すように制御されるので、目標舵角を決定するヨーレ
ート等の検出手段における故障、ノイズ等による検出誤
差に起因して、目標舵角変化率DθtがモータMによる
後輪15,16に対する許容舵角変化率を超える値に設
定され、モータMの能力以上の出力が要求されるといっ
た事態を回避することができる。
【0044】上述の実施例においては、目標舵角変化率
Dθtc及び実舵角変化率Dθrに基づく制御が行なわ
れるように構成されているが、両変化率(速度)から更
に目標舵角変化加速度及び実舵角変化加速度を求め、こ
れらの変化加速度に基づき図19と同様に処理すること
としてもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で以下に記載の効果を奏する。即ち、本発明の車両の後
輪操舵装置においては、目標舵角と実舵角の比較結果に
応じて電動モータの出力を制御すると共に、実舵角変化
率(又は、実舵角変化加速度)が目標舵角変化率(又
は、目標舵角変化加速度)に所定値を加えた値以上とな
ったときには電動モータの出力を制限するように制御す
ることとしているので、実舵角に急激な変化があったと
きには後輪の操舵角を適切に制限することができ、安定
した操舵作動を確保することができる。
【0046】また、目標舵角変化率が、電動モータによ
る後輪に対する許容舵角変化率を超えたときには、この
許容舵角変化率を目標舵角変化率として用いることとし
たものにおいては、実舵角検出手段の検出誤差等に起因
する異常操舵作動を防止することができ、フェイルセー
フ機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成図である。
【図2】本発明の一実施例に使用する後輪操舵機構の正
面図である。
【図3】図2の後輪操舵機構の部分断面図である。
【図4】図2の後輪操舵機構の断面図である。
【図5】本発明の一実施例に使用するモータの断面図で
ある。
【図6】本発明の一実施例に使用するモータの断面図で
ある。
【図7】図5,6のモータの巻線説明図である。
【図8】本発明の一実施例に使用する磁石の正面図であ
る。
【図9】本発明の一実施例に使用する磁極センサの基板
の正面図である。
【図10】本発明の一実施例に係る電動モータの作動説
明図である。
【図11】本発明の一実施例に使用する電子制御装置の
回路構成図である。
【図12】図11の電子制御装置のドライバの回路構成
図である。
【図13】図11の電子制御装置のマイクロプロセッサ
の機能ブロック図である。
【図14】図13のマイクロプロセッサのモータサーボ
制御部の機能ブロック図である。
【図15】図11の電子制御装置の磁極センサ入力回路
の回路構成図である。
【図16】本発明の一実施例における磁極センサ信号エ
ッジ割り込みのフローチャートである。
【図17】本発明の一実施例における相切換制御のフロ
ーチャートである。
【図18】本発明の一実施例におけるオープン制御のフ
ローチャートである。
【図19】本発明の一実施例における図14のリミッタ
における制御のフローチャートである。
【図20】本発明の構成の概要を示すブロック図であ
る。
【図21】従来の後輪操舵装置における後輪の舵角制御
状況を示すグラフである。
【符号の説明】
1 マイクロプロセッサ 5 モータ
ドライバ 9 電子制御装置 12 モータ
(電動モータ) 17,20 第1,第2前輪舵角センサ 18 磁極センサ(回転センサ) 21 後輪舵
角センサ 22,23 第1,第2車速センサ 55 定電圧
レギュレータ 57 インターフェース 59 バッテ
リ 60 目標舵角演算部 61 モータ
サーボ制御部 62 相切換制御部 63 磁極セ
ンサ異常判定部 64 オープン制御部 86 電流検
出回路 88 異常電流制限回路 89 パルス
幅変調信号合成回路 90,94 微分部 91 微分ゲ
イン設定部 92 減算部 93 偏差舵
角不感帯付与部 95 積算部 96 比例部 97 加算部 98 偏差舵
角リミッタ 99 パルス幅変調変換部 100 バッ
ファ 101 ピークホールド回路 102 リミッタ AGLA 目標舵角値 HA,HB,HC 磁極センサ信号 L1 相切換
信号群 LA11,LB11,LC11,LA21,LB21,
LC21 相切換信号 M モータ(電動モータ) PWM1 パルス幅変調信号 U,V,W
端子 V 車速 γ ヨーレー
ト値 θs ステアリング角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 康生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 米谷 正弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−19272(JP,A) 特開 平4−293675(JP,A) 特開 平4−342666(JP,A) 実開 平5−582(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B62D 7/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の後輪に連結した操舵機構と、該操
    舵機構を駆動する電動モータと、前記後輪の目標舵角を
    設定する目標舵角設定手段と、前記後輪が実際に操舵さ
    れる実舵角を検出する実舵角検出手段と、前記目標舵角
    と前記実舵角の比較結果に応じて前記電動モータの出力
    を制御する制御手段を備えた車両の後輪操舵装置におい
    て、前記目標舵角の変化率を演算する目標舵角変化率演
    算手段と、前記実舵角の変化率を演算する実舵角変化率
    演算手段と、該実舵角変化率演算手段にて演算された実
    舵角変化率が、前記目標舵角変化率演算手段にて演算さ
    れた目標舵角変化率に所定値を加えた値以上となったと
    きには前記制御手段に対し前記電動モータの出力を制限
    するように制御する出力制限手段とを備えたことを特徴
    とする車両の後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記目標舵角変化率演算手段にて演算さ
    れた目標舵角変化率が、前記電動モータによる前記後輪
    に対する許容舵角変化率を超えたときには、該許容舵角
    変化率を前記目標舵角変化率として用いることとしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両の後輪操舵装置。
  3. 【請求項3】 車両の後輪に連結した操舵機構と、該操
    舵機構を駆動する電動モータと、前記後輪の目標舵角を
    設定する目標舵角設定手段と、前記後輪が実際に操舵さ
    れる実舵角を検出する実舵角検出手段と、前記目標舵角
    と前記実舵角の比較結果に応じて前記電動モータの出力
    を制御する制御手段を備えた車両の後輪操舵装置におい
    て、前記目標舵角の変化加速度を演算する目標舵角変化
    加速度演算手段と、前記実舵角の変化加速度を演算する
    実舵角変化加速度演算手段と、該実舵角変化加速度演算
    手段にて演算された実舵角変化加速度が、前記目標舵角
    変化加速度演算手段にて演算された目標舵角変化加速度
    に所定値を加えた値以上となったときには前記制御手段
    に対し前記電動モータの出力を制限するように制御する
    出力制限手段とを備えたことを特徴とする車両の後輪操
    舵装置。
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