JPH072122A - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

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JPH072122A
JPH072122A JP17262793A JP17262793A JPH072122A JP H072122 A JPH072122 A JP H072122A JP 17262793 A JP17262793 A JP 17262793A JP 17262793 A JP17262793 A JP 17262793A JP H072122 A JPH072122 A JP H072122A
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JP
Japan
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steering angle
rear wheel
absolute
wheel steering
control
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Application number
JP17262793A
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English (en)
Inventor
Masami Sugihara
正己 杉原
Hiroshi Nakajima
洋 中島
Shinichi Tagawa
真一 田川
Mizuho Sugiyama
瑞穂 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication of JPH072122A publication Critical patent/JPH072122A/ja
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の後輪操舵装置において、絶対舵角検出
手段の異常が検出されたときには確実に後輪を中立位置
に復帰し得るようにする。 【構成】 駆動手段S0によって操舵機構SMを駆動制
御する。制御手段S5において、第1及び第2の絶対舵
角検出手段S1,S2の両者が正常であるときには、何
れか一方の絶対舵角検出手段の検出出力を通常制御基準
舵角として設定し、第1及び第2の絶対舵角検出手段の
何れか一方が正常で他方が異常であるときには、正常な
絶対舵角検出手段の検出出力を復帰制御基準舵角として
設定する。而して、制御手段により、通常制御基準舵角
及び相対舵角検出手段の検出出力に基づき駆動手段を制
御し、後輪の操舵制御を行なう。あるいは、復帰制御基
準舵角及び相対舵角検出手段の検出出力に基づき駆動手
段を制御し、後輪RWを中立位置に復帰駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電動モータ等の駆動手段
によって後輪の操舵機構を駆動制御する車両の後輪操舵
装置に係る。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の前輪操舵に加え、後輪
も操舵させることにより車両の操縦性能を向上させる後
輪操舵装置が知られており、例えば、特開平1−229
768号公報には、後輪の実際の転舵角を検出するセン
サが故障すると、後輪の転舵制御を正確に行えないこと
に鑑み、この対策として後輪の実際の転舵角を検出する
のを第1後輪転舵角検出手段と、第2後輪転舵角検出手
段との2系統とした車両の後輪操舵装置が提案されてい
る。
【0003】同公報においては、その従来技術として、
後輪転舵機構を常時中立方向に付勢する中立保持手段を
付設し、制御系に何らかの故障が発生したときには、後
輪操舵の制御を中止して上記中立保持手段により後輪を
強制的に中立位置に復帰させる技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上記公報に
記載の第1後輪転舵角検出手段は、例えばサーボモータ
20のエンコーダ32とされているように相対舵角検出
手段であり、第2後輪転舵角検出手段は、例えば後輪舵
角センサ30とされているように絶対舵角検出手段であ
り、夫々個別に、あるいは両者の出力を比較することに
よって、異常判定が行なわれるように構成されている。
上記公報に記載の装置においては、何れかの検出手段が
異常有と判定されると、圧縮ばね等の中立保持手段によ
って後輪が中立位置に戻されるように構成されている
が、このような中立保持手段を具備していない装置にあ
っては、絶対舵角検出手段に異常が生ずると後輪を中立
位置に復帰させることが出来なくなる。
【0005】そこで、本発明は、車両の後輪操舵装置に
おいて、絶対舵角検出手段の異常が検出されたときには
確実に後輪を中立位置に復帰し得るようにすることを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、図21に構成の概要を示すように、後輪
RWに連結した操舵機構SMと、この操舵機構SMを駆
動制御する駆動手段S0が設けられている。また、駆動
手段S0によって後輪RWが実際に操舵された操舵角の
絶対値を検出する第1及び第2の絶対舵角検出手段S
1,S2と、後輪RWの操舵角の相対舵角変化を検出す
る相対舵角検出手段S3と、第1及び第2の絶対舵角検
出手段S1,S2の両者が正常であるときには何れか一
方の絶対舵角検出手段の検出出力を通常制御基準舵角と
して設定し、第1及び第2の絶対舵角検出手段S1,S
2の何れか一方が正常で他方が異常であるときには正常
な絶対舵角検出手段の検出出力を復帰制御基準舵角とし
て設定する基準舵角設定手段S4と、通常制御基準舵角
及び相対舵角検出手段S3の検出出力に基づき駆動手段
S0を制御し後輪RWの操舵制御を行ない、復帰制御基
準舵角及び相対舵角検出手段S3の検出出力に基づき駆
動手段S0を制御し後輪RWを中立位置に復帰させる制
御手段S5とを備えたものである。
【0007】上記の車両の後輪操舵装置において、更
に、制御手段S5により駆動手段S0を所定時間駆動し
て第1及び第2の絶対舵角検出手段S1,S2の各々の
検出出力の変化率を演算する第1及び第2の絶対舵角変
化率演算手段と、相対舵角検出手段S3の検出出力の変
化率を演算する相対舵角変化率演算手段と、相対舵角変
化率演算手段の演算結果と第1及び第2の絶対舵角変化
率演算手段の演算結果を比較して第1及び第2の絶対舵
角検出手段の異常判定を行なう異常判定手段を備えたも
のとするとよい。
【0008】
【作用】上記の構成になる車両の後輪操舵装置において
は、駆動手段S0によって操舵機構SMが駆動制御され
る。一方、第1及び第2の絶対舵角検出手段S1,S2
にて後輪RWが実際に操舵されたときの操舵角の絶対値
が検出されると共に、相対舵角検出手段S3にて後輪R
Wの操舵角の相対舵角変化が検出される。そして、基準
舵角設定手段S4において、第1及び第2の絶対舵角検
出手段S1,S2の両者が正常であるときには、何れか
一方の絶対舵角検出手段の検出出力が通常制御基準舵角
として設定され、第1及び第2の絶対舵角検出手段S
1,S2の何れか一方が正常で他方が異常であるときに
は、正常な絶対舵角検出手段の検出出力が復帰制御基準
舵角として設定される。而して、制御手段S5により、
通常制御基準舵角及び相対舵角検出手段S3の検出出力
に基づき駆動手段S0が制御され、後輪RWの操舵制御
が行なわれる。あるいは、復帰制御基準舵角及び相対舵
角検出手段S3の検出出力に基づき駆動手段S0が制御
され、後輪RWが中立位置に復帰駆動される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る車両の後輪操
舵装置について図面を参照しながら説明する。図1は後
輪操舵装置を搭載した車両の構成を示すもので、前輪1
3,14は前輪操舵機構10によりステアリングホイー
ル19の回動操作に応じて操舵される。前輪操舵機構1
0には、そのラックの移動量を検出する第1前輪舵角セ
ンサ17が設けられると共に、ステアリングホイール1
9が取り付けられた操舵軸に、第2前輪舵角センサ20
が設けられており、これらのセンサにより前輪の操舵量
が検出される。第1前輪舵角センサ17としては、例え
ばポテンショメータ等のリニアセンサが用いられ、第2
前輪舵角センサ20としては、回転時にパルスを発する
ロータリエンコーダ等のステアリングセンサが用いられ
ている。
【0010】後輪15,16には後輪操舵機構11が接
続されており、モータ12の回転に応じて操舵される。
モータ12の端部には、モータ12の回転角度を検出す
る磁極センサ18が設けられている。また、後輪操舵軸
たるラック軸25に2系統の第1後輪舵角センサ21a
及び第2後輪舵角センサ21bが設けられており、これ
らにより後輪15,16の実際の絶対舵角が検出され
る。更に、車両の速度を検出する2系統の第1車速セン
サ22、第2車速センサ23、及び車両のヨーレートを
測定するヨーレートセンサ24が設けられている。上記
モータ12は電子制御装置9からの信号によって制御さ
れるように構成されている。即ち、電子制御装置9に
は、第1前輪舵角センサ17、第2前輪舵角センサ2
0、磁極センサ18、第1後輪舵角センサ21a、第2
後輪舵角センサ21b、第1車速センサ22、第2車速
センサ23、ヨーレートセンサ24の各センサ出力が供
給され、これらの出力に応じてモータ12の回転量が設
定され、モータ12に制御信号が供給される。
【0011】本実施例の第1及び第2後輪舵角センサ2
1a,21bは図2に示すように後輪操舵機構11内に
内蔵されている。後輪操舵機構11のハウジング38に
はカバー36が固定されており、このカバー36上に、
磁極センサ18、モータ12のモータハウジング40及
び第1及び第2後輪舵角センサ21a,21bが一体に
設けられている。図2の後輪操舵機構11の背面からみ
た部分断面図である図3に明らかなように、ラック軸2
5が車両の進行方向に対して直角に設けられており、ラ
ック軸25の両端部はボールジョイント53を介して後
輪のナックルアームに接続されている。ラック軸25の
両端部はブーツ28によって保護されている。ハウジン
グ38の図示右端にはチューブ39が嵌着されている。
異なる長さのラック軸25を設ける場合には、チューブ
39を交換することにより、ハウジング38を変更する
ことなく対応することができる。ラック軸25にはラッ
ク26が形成されており、このラック26は、車両の前
後方向に延びるピニオン27と噛合する。そして、ラッ
クガイド31がラック26方向に付勢された状態で、ラ
ックガイドカバー32がハウジング38に固定され、こ
れによりラック26がピニオン27側に押圧されてい
る。尚、ピニオン27は図4に示すようにギヤ29に焼
きばめ(圧入)により固定され、ピン37により相対回
転が阻止される。
【0012】第1及び第2後輪舵角センサ21a,21
bは同じ構造で、図4に示すように、ポテンショメータ
を内蔵し、ギヤ29の面と平行に設けられている。軸5
4には、レバー33を介してピン34が設けられ、この
ピン34は、ギヤ29に形成された孔35に嵌合されて
いる。これにより、ギヤ29が回転すると軸54も回転
し、この軸54の回転角度が第1及び第2後輪舵角セン
サ21a,21bによって夫々検出される。一方、軸5
4の回転角度即ちギヤ29の回転量はラック軸25の横
移動量に比例する。而して、第1及び第2後輪舵角セン
サ21a,21bにより後輪の舵角量が検出されること
となる。第1及び第2後輪舵角センサ21a,21bは
例えば0deg位置(中立位置)で2.5Vの出力とさ
れる。
【0013】図3に示すように、モータ12のモータ軸
41の先端にピニオン30が設けられており、このピニ
オン30にギヤ29が噛合し、ハイポイドギヤを構成し
ている。このハイポイドギヤは、モータ12のモータ軸
41の回転をギヤ29の回転として伝えるが、ラック軸
25(図4)側からギヤ29に回転力が加えられたとき
には、モータ12のモータ軸41が回転しないように逆
効率零になるように設定されている。また、ピニオン3
0とギヤ29は、減速比を大きくとるようにHRH(ハ
イレシオハイポイド)ギヤを構成している。ギヤ比は、
モータ12の極数や、操舵角の分解能等により定められ
るため車両によって異なるが、本実施例では67対1に
設定されている。
【0014】図5に示すように、モータ12のモータ軸
41はモータハウジング40内に回動可能に支持されて
いる。モータ軸41の回りには4極の磁石42が固定さ
れている。また、モータハウジング40には、磁石42
に対向してコア43が固定されており、コア43にはモ
ータ巻線44が巻回されている。図5のA−A断面を示
す図6に明らかなように、コア43には中心方向に延出
する12本の突起43aが形成されており、モータ巻線
44はこの突起43aに巻回される。モータ巻線44の
結線は、磁極センサ18側からモータ巻線44を見た図
7に示すように、巻線44aと44d,44bと44
e,44cと44fの一端はそれぞれ端子U,V,Wに
接続されている。巻線44a,44b,44c,巻線4
4d,44e,44fの他端は電気的に接続されてい
る。モータ巻線44はそれぞれの系統ごとにターミナル
45を介してワイヤーハーネス46に接続されている。
【0015】モータハウジング40の一端は開口端とな
っており、ここに磁極センサ18が取付けられる。磁極
センサ18の基板49は、ホルダ47(図9に示す)に
よって、モータハウジング40の開口端に固定され、こ
の開口端にカバー48が設けられる。一方、モータ12
のモータ軸41の端部にはロータ52が固定されてお
り、このロータ52には磁石51が設けられている。磁
石51は、図8に示すように、4極の円板状に形成され
ている。基板49には、図9に示すように、3個のホー
ルIC50が、それぞれ60度ずつずれて配置されてい
る。これら3個のホールIC50の出力は、後述の電子
制御装置9において、磁極センサ信号HA,HB,HC
として使用される。
【0016】即ち、モータ軸41が回転すると、図10
に「磁石51回転状態」として示すように、ホールIC
(図示HA,HB,HC)に対して相対的に磁石51が
回転し、磁極センサ18の三つの出力である磁極センサ
信号HA,HB,HCが図示のようにハイレベル(H)
とローレベル(L)間で変化する。図10はモータ12
が時計回り(CW)に回転している状態を示す。モータ
12が反時計回り(CCW)に回転するときには図示右
から左へ向かう方向に磁極センサ18の磁極センサ信号
HA,HB,HCが切り換わる。而して、この磁極セン
サ信号HA,HB,HCの切り換わりに同期してモータ
巻線44の巻線電流を切換えればモータ12が回転す
る。尚、図10に示したモータ12の回転時の巻線電流
の方向については後述する。
【0017】図11は電子制御装置9の構成を示すもの
で、電子制御装置9には車載のバッテリ59が接続され
ている。即ち、バッテリ59が、ヒューズ及び電源端子
PIGAを介してモータドライバ5に接続されると共
に、ヒューズ、イグニッションスイッチIGSW及び電
源端子IGAを介してモータドライバ5及び定電圧レギ
ュレータ55に接続されている。この定電圧レギュレー
タ55から定電圧Vcc1が出力される。電子制御装置
9は、制御手段であるマイクロプロセッサ1を有し、こ
のマイクロプロセッサ1は定電圧Vcc1により作動す
る。
【0018】前述の第1前輪舵角センサ17、第2前輪
舵角センサ20、第1車速センサ22、第2車速センサ
23、ヨーレートセンサ24、磁極センサ18及び第1
及び第2後輪舵角センサ21a,21bの出力は、イン
ターフェース57を介してマイクロプロセッサ1に入力
される。ここでは、第1前輪舵角センサ17の出力をθ
f1、第2前輪舵角センサ20の出力をθf2、第1車
速センサ22の出力をV1、第2車速センサ23の出力
をV2、ヨーレートセンサ24の出力をγ、磁極センサ
18の三つの出力信号をHA,HB,HC、そして第1
及び第2後輪舵角センサ21a,21bの各々の出力を
θr1,θr2としている。
【0019】尚、電子制御装置9に接続されるモータ
は、前述の機構では12で表したが、図11以後の回路
図においてはモータをMで表わす。モータMの各相の端
子U,V,Wは電子制御装置9のモータドライバ5に接
続されている。モータドライバ5に対しては電源端子P
IGA及びIGAから電力が供給される。そして、モー
タドライバ5には、マイクロプロセッサ1から出力され
た信号である相切換信号群L1(L1は相切換信号LA
11,LB11,LC11,LA21,LB21,LC
21からなる信号群)及びパルス幅変調(Pulse Width
Modulation)信号PWM1が入力される。
【0020】モータドライバ5は図12に示すように構
成されており、上述の相切換信号群L1及びパルス幅変
調信号PWM1により制御される。ハイサイド側を制御
するための相切換信号LA11,LB11,LC11は
異常電流制限回路88を介してゲート駆動回路G11に
入力される。通常は、これらの入力信号が異常電流制限
回路88を介してそのまま出力側から出力される。ゲー
ト駆動回路G11はパワーMOSFETのトランジスタ
TA11,TB11,TC11をオン−オフ駆動する回
路である。また、ゲート駆動回路G11は昇圧も行な
い、トランジスタTA11,TB11,TC11のゲー
トに昇圧した電圧を与えると共に、昇圧電圧を昇圧電圧
値RV1として出力する。トランジスタTA11,TB
11,TC11は、電源端子PIGAからパターンヒュ
ーズPH、チョークコイルTC及び抵抗Rsを介して得
られる高電圧が、それぞれモータMの三相の各端子U,
V,Wに供給されるように接続されている。尚、トラン
ジスタTA11,TB11,TC11,TA21,TB
21,TC21のゲートとソース間には、ツェナーダイ
オードが挿入されており、パワーMOSFETの保護に
供されている。即ち、電源電圧が何らかの原因で20V
を越えると、パワーMOSFETのゲート−ソース間電
圧が20Vを越え、パワーMOSFETが破壊されるの
で、これを防ぐためにツェナーダイオードが配設されて
いる。
【0021】一方、ローサイド側を制御するための相切
換信号LA21,LB21,LC21は、パルス幅変調
信号合成回路89及び異常電流制限回路88を介してゲ
ート駆動回路G21に接続されている。パルス幅変調信
号合成回路89は相切換信号LA21,LB21,LC
21をそれぞれパルス幅変調信号PWM1と合成する回
路である。ゲート駆動回路G21はMOSFETのトラ
ンジスタTA21,TB21,TC21をオン−オフ駆
動する回路であり、これらのトランジスタTA21,T
B21,TC21は、モータMの三相の各端子U,V,
Wとバッテリ59のグランド間が接続されるように配置
されている。トランジスタTA11,TB11,TC1
1,TA21,TB21,TC21の各々には保護用の
ダイオードD3乃至D8が接続されている。トランジス
タTA11,TB11,TC11に供給される電圧は、
同時に電圧PIGM1として出力される。
【0022】この電圧PIGM1と、ゲート駆動回路G
11の昇圧電圧値RV1との差が2V程度に下がると、
MOSFETのトランジスタTA11,TB11,TC
11,TA21,TB21,TC21のオン抵抗が増
え、異常発熱をおこす場合がある。従って、電圧PIG
M1と昇圧電圧値RV1との差が所定値以下となった場
合には全トランジスタTA11,TB11,TC11,
TA21,TB21,TC21をオフさせるようにする
とよい。尚、トランジスタTA21,TB21,TC2
1のソースには大電流が流れるので、マイクロプロセッ
サ等の弱電回路部のグランドは、これらのグランドとは
別系統の配線とすることが望ましい。
【0023】抵抗Rsの両端には電流検出回路86が接
続されており、抵抗Rsに流れる電流値が検出される。
電流検出回路86は、抵抗Rsに流れる電流値が18A
以上のとき過電流と判定し、出力信号MOC1として過
電流信号を出力すると共に、パルス幅変調信号合成回路
89に過電流信号を与え、ローサイド側で制限をかけ
る。また、電流検出回路86は抵抗Rsに流れる電流値
が25A以上のとき異常電流と判定し、出力信号MS1
として異常電流信号を出力する。異常電流が発生した場
合には、異常電流制限回路88に異常電流信号を与え、
ハイサイド及びローサイド側で制限をかける。この場
合、全てのトランジスタTA11,TB11,TC1
1,TA21,TB21,TC21を異常電流検出時か
ら一定時間オフさせてやればよい。この一定時間は、予
想される最大電流に対してFETの安全動作領域内とな
るように設定するとよい。電流検出回路86にて検出さ
れた電流値はピークホールド回路101に与えられ、ピ
ークホールド回路101から電流値のピーク値がピーク
信号MI1として出力される。このピークホールド回路
101はリセット信号DR1が切り替わるタイミングで
リセットされる。
【0024】次に、図10を参照してモータMの回転動
作について説明する。磁極センサ信号HA,HB,HC
の状態に応じて、相切換信号のパターンを表1のように
設定することによりモータMが回転する。時計方向の回
転(CW)は右切り、反時計方向の回転(CCW)は左
切りに設定してある。先ず、表1における右回転の順1
のように、磁極センサ信号が(HA,HB,HC)=
(H,L,H)の場合には、相切換信号は(LA11,
LB11,LC11,LA21,LB21,LC21)
=(H,L,L,L,H,L)として出力される。この
状態は図10の図示Aの範囲の状態に対応し、三つのホ
ールICに対する磁石51の相対的回転位置関係から明
らかなように、磁極センサ信号HA及びHCがハイレベ
ル(H)となっている。巻線電流の方向はU相からV相
となり、モータMの回転に伴い磁石51は図示時計方向
に回転する。磁石51が30度程回転すると、磁極セン
サ信号HAがハイレベルからローレベルに切り換わる。
これに応じ、相切換信号が(LA11,LB11,LC
11,LA21,LB21,LC21)=(L,L,
H,L,H,L)に切換えられ、モータMは更に30度
回転し、磁極センサ信号HBがハイレベルとなる。この
ようにして、図10の左方の状態から右方の状態に進
み、モータMが連続して回転することとなる。而して、
モータMに対し時計方向の回転(CW)又は反時計方向
の回転(CCW)を与えるには、表1の上段又は下段の
順に従って相切換信号のパターンを切換えればよい。
【表1】
【0025】マイクロプロセッサ1は、図13に示すよ
うに、目標舵角演算部60、モータサーボ制御部61、
相切換制御部62、磁極センサ異常判定部63、オープ
ン制御部64、中立復帰部65、後輪舵角センサ異常判
定部66及びスイッチSW1,SW2を有する。モータ
サーボ制御部61は後輪舵角センサ異常判定部66の判
定結果に応じて、目標舵角演算部60から中立復帰部6
5に切り換えられるように構成されている。また、相切
換制御部62とオープン制御部64は磁極センサ異常判
定部63の判定結果に応じて切り換えられるように構成
されている。
【0026】目標舵角演算部60はヨーレート値γ、車
速V及びステアリング角θsから目標舵角値AGLAを
求める。図13には示していないが、車速Vは第1及び
第2車速センサ22,23の出力値V1,V2に基づい
て演算される。このとき、二つの車速値の平均を車速V
としてもよいし、二つの車速値の内最大値を車速Vとし
てもよい。このように車速を2系統で検出することによ
り、車速センサの異常を検出することができる。また、
図13には示していないが、前輪舵角θsは第1及び第
2前輪舵角センサ17,20の出力値θf1,θf2に
基づいて演算される。この場合において、通常は第1前
輪舵角センサ17としてポテンショメータが用いられる
が、ポテンショメータは精度が荒い。一方、第2前輪舵
角センサ20としてロータリエンコーダを用いると、舵
角量を精度よく検出できるものの、初期舵角量を検出す
ることができない。そこで、第1前輪舵角センサ17で
第2前輪舵角センサ20の出力の絶対値を求めることと
し、絶対値を求めた後は第2前輪舵角センサ20の出力
をステアリング角θsとしている。
【0027】図14はモータサーボ制御部61の制御ブ
ロック図を示すもので、微分部90において目標舵角値
AGLAが微分されて微分値SAGLAが求められ、微
分ゲイン設定部91にて目標舵角値の微分値SAGLA
の絶対値に基づき微分ゲインYTDIFGAINが求め
られる。微分値SAGLAの絶対値が4(deg/se
c)以下の場合には微分ゲインは0に、微分値SAGL
Aの絶対値が12(deg/sec)以上の場合には微
分ゲインは4に設定され、微分値SAGLAの絶対値が
4乃至12(deg/sec)の場合には微分ゲインは
0乃至4の値になる。
【0028】一方、第1及び第2後輪舵角センサ21
a,21bとして通常はポテンショメータが用いられる
が、ポテンショメータは精度が荒く、また磁極センサ1
8は舵角量を精度よく検出できるが、初期舵角量を検出
することができない。そこで、絶対舵角検出手段である
第1及び第2後輪舵角センサ21a,21bによって後
輪15,16の操舵角の絶対値を求め、絶対値を求めた
後は相対舵角検出手段である磁極センサ18の出力変化
からモータMの回転角度(相対舵角値)θmを求めるこ
ととしている。即ち、モータMの出力信号は後輪舵角カ
ウンタを有する実舵角値演算部100に供給され、ここ
でモータMの回転角度θmが、磁極センサ18の出力パ
ルス信号に応じてインクリメントあるいはデクリメント
される後輪舵角カウンタのカウント値として求められ
る。また、第1及び第2後輪舵角センサ21a,21b
の出力信号に基づいてAD変換された絶対舵角値θr
1,θr2が、実舵角値演算部100に基準値として供
給される。而して、絶対舵角値θr1,θr2及び相対
舵角値の回転角度θmに基づき実舵角値RAGLが求め
られ、減算部92に供給される。尚、これらのセンサの
出力による後輪の中立復帰制御については後述する。
【0029】減算部92においては目標舵角値AGLA
から実舵角値RAGLが減算され、舵角偏差ΔAGLが
求められる。この舵角偏差ΔAGLは偏差舵角不感帯付
与部93を介して処理される。偏差舵角不感帯付与部9
3は、舵角偏差ΔAGLの絶対値が所定値E2PMAX
以下の場合に舵角偏差値ETH2を0として処理するも
のであり、舵角偏差ΔAGLの値が小さいときには制御
を停止させるものである。得られた舵角偏差値ETH2
は比例部96及び微分部94に送られる。比例部96で
は舵角偏差値ETH2を所定の比例ゲインだけ積算し、
比例項PAGLAを得る。また、微分部94では舵角偏
差値ETH2を微分し、舵角偏差微分値SETH2を得
る。この舵角偏差微分値SETH2と前述の微分ゲイン
YTDIFGAINとが積算部95にて積算され、微分
項DAGLAが得られる。そして、比例項PAGLAと
微分項DAGLAが加算部97にて加算され、舵角値H
PIDが得られる。
【0030】舵角値HPIDは偏差舵角リミッタ98に
より舵角制限がかけられる。偏差舵角リミッタ98は、
舵角値HPIDに比例して制御量ANGを設定すると共
に、制御量ANGが1.5deg以上または−1.5d
eg以下にならないように設定するものである。制御量
ANGはパルス幅変調変換部99にてパルス幅変調信号
に変換され、モータドライバ5に供給される。モータド
ライバ5はパルス幅変調信号に応じてモータMを回転さ
せるもので、これによりモータMがサーボ制御される。
また、舵角偏差はPD制御される。この内、微分項の微
分ゲインは目標舵角値の微分値に応じて変更される。微
分ゲインは目標舵角値の微分値が小さいときには0とな
り、この場合の制御は比例項のみによって行なわれる。
尚、上記PD制御に積分項を追加することとしてもよ
い。また、モータMの回転角度θmは電源電圧の変動に
よっても変化するので、バッテリ電圧を測定し、バッテ
リ電圧に応じて制御量ANGを補正するようにしてもよ
い。
【0031】図13の中立復帰部65は、目標舵角値A
GLAを零設定としてモータサーボ制御部61に対し中
立復帰制御を行なうように指示するもので、後輪舵角セ
ンサ異常判定部66の判定結果に応じてモータサーボ制
御部61の作動により後輪15,16が中立位置に駆動
される。後輪舵角センサ異常判定部66においては、第
1及び第2後輪舵角センサ21a,21bに関し、その
出力信号のθr1,θr2の出力レベルが所定領域(例
えば、0.3V乃至4.7Vの領域)内にあるか否かに
よって断線短絡チェックが行なわれる。
【0032】図15に示すように、マイクロプロセッサ
1の割込み端子と通常入力端子が磁極センサ信号HA,
HB,HCの入力用に供されている。磁極センサ信号H
A,HBはイクスクルーシブOR回路EXOR1に入力
し、磁極センサ信号HCとイクスクルーシブOR回路E
XOR1の出力信号はイクスクルーシブOR回路EXO
R2に入力するように接続されている。而して、磁極セ
ンサ信号HA,HB,HCの内の何れか一つに変化があ
ると、イクスクルーシブOR回路EXOR2の出力が変
化する。
【0033】上述のように磁極センサ信号HA,HB,
HCの内の何れか一つに変化があると、図13の磁極セ
ンサ異常判定部63において、図16に示す磁極センサ
信号エッジ割り込みルーチンが実行される。ここでは、
割り込みがある度に、モータMの回転数が演算された
後、磁極センサ信号の状態が判別され、今回値として記
憶される。即ち、先ずステップ201において、これま
で記憶されていた今回値が前回値として更新され、ステ
ップ202にて、磁極センサ信号HA,HB,HCの入
力端子の状態が読み込まれ、今回値として記憶される。
次に、ステップ203にて、表2に示すマップから前回
予測値が読みだされる。後述するように、磁極センサ1
8は磁極センサ信号HA,HB,HCのうち何れか一つ
が順に変化するよう構成されている。従って、前回値と
今回値に対して、磁極センサ信号HA,HB,HCのう
ちの何れか一つの極性が変化したものになるはずであ
る。
【表2】
【0034】表2のマップの前回予測値には今回値に対
してありうる状態の全てが記憶されている。具体的に
は、今回値が(HA,HB,HC)=(L,L,H)で
あったとき、前回予測値は(H,L,H)または(L,
H,H)となる。図16のステップ204ではこの前回
予測値と実際の前回値とが比較される。磁極センサ18
が正常に機能しておれば、前回予測値と前回値は一致す
るはずである。従って、前回予測値と前回値が一致して
おれば、ステップ205で磁極センサ異常フラグFab
nがクリア(0)される。前回予測値と前回値が一致し
ていなければ、ステップ206にて磁極センサ異常フラ
グFabnがセット(1)され、この磁極センサ信号エ
ッジ割り込みルーチンが終了する。而して、以後の処理
においては、磁極センサ異常フラグFabnが1となっ
ていれば、磁極センサ18に異常有と判定され、磁極セ
ンサ異常フラグFabnがクリアされておれば、以下に
説明する図17のルーチンに従って相切換信号パターン
が設定される。
【0035】図13の相切換制御部62においては、図
17に示すように処理される。先ず、ステップ210に
おいて上記磁極センサ異常フラグFabnが0か否かが
判定され、これがセットされておれば(1であれば)以
下の処理は行なわれない。即ち、磁極センサ18に異常
が検出されたときには、相切換制御ルーチンは実行され
ない。磁極センサ異常フラグFabnがセットされてい
ない場合には、ステップ211に進み前述の磁極センサ
信号のエッジ割り込みがあったか否かが判定される。割
り込みがあった場合には、ステップ212乃至214に
て、時計方向の回転をすべきであれば方向フラグDIに
値CWがセットされ、反時計方向の回転をすべきであれ
ば方向フラグDIに値CCWがセットされる。回転方向
は前述の舵角値HPIDが正か負かで判断可能であり、
HPID>0であれば方向フラグDI=CCWとされ、
HPID<0であれば方向フラグDI=CWとされる。
【0036】次に、ステップ215にて、下記の表3の
マップに基づき相切換信号パターンがセットされる。相
切換信号は6ビット信号であり、各ビットはハイレベル
「H」又はローレベル「L」を取り、下記の表4のよう
に定められている。ステップ215では、今まで出力し
ていた相切換信号パターンと方向フラグDIの状態に基
づき次回の相切換信号パターンが設定される。例えば、
現状値が(LA11,LB11,LC11,LA21,
LB21,LC21)=(H,L,L,L,H,L)で
あって、DI=CW(時計方向の回転)であれば、次回
値として(H,L,L,L,L,H)が設定される。設
定された相切換信号パターンはマイクロプロセッサ1に
おいては相切換信号群L1として演算される。制御サイ
クルが早い場合には、この相切換制御のルーチンを前述
の磁極センサ信号エッジ割り込みルーチン内で行なうと
よい。尚、方向フラグ設定時に舵角値HPIDがゼロと
なった場合には、相切換はストップモードとされ、(L
A11,LB11,LC11,LA21,LB21,L
C21)=(L,L,L,L,L,L)とされる。
【表3】
【表4】
【0037】図13のオープン制御部64においては、
図18に示すように処理される。先ず、ステップ220
において、前述の磁極センサ異常フラグFabnが1か
否かが判定され、0となっていれば以下の処理は行なわ
れない。即ち、磁極センサ18が正常であるときにはオ
ープン制御ルーチンは実行されない。従って、図13の
磁極センサ異常判定部63の判定結果に応じスイッチS
W1が切換えられ、正常時には相切換制御部62が機能
し上述の相切換制御ルーチンが実行され、異常時にはオ
ープン制御部64側に切換られオープン制御ルーチンが
実行される。このオープン制御ルーチンにおいては、オ
ープン制御実行中フラグFop及びタイマTが使用され
る。タイマTに所定時間がセットされると、その後タイ
マTは次第にデクリメントされ、所定時間後に0とな
る。オープン制御実行中フラグFopは初期状態で0と
されている。
【0038】ステップ221では、オープン制御実行中
フラグFopの状態が判定され、オープン制御実行中フ
ラグFopが0であると、次にステップ222にて、タ
イマTが所定時間(例えば1秒)にセットされる。そし
て、タイマTが0以下になるまでの間、ステップ224
にて、相切換信号パターンにモータブレーキパターンが
セットされる。モータブレーキパターンは、(LA1
1,LB11,LC11,LA21,LB21,LC2
1)=(L,L,L,H,H,H)、(LA12,LB
12,LC12,LA22,LB22,LC22)=
(L,L,L,H,H,H)に設定される。所定時間を
経過すると、ステップ225にて、オープン制御実行中
フラグFopがセット(1)される。この状態でタイマ
Tは0以下であるので、ステップ227にて表5に示す
マップから次回の相切換信号パターンがセットされる。
次に、ステップ228にてタイマTが再びセットされ
る。ステップ226ではタイマTが0以下のときのみス
テップ227を実行させるので、ステップ227はタイ
マTに設定された所定時間毎に実行される。
【0039】ステップ227において、次回値は現状の
相切換信号パターン及び第1後輪舵角センサ21a(又
は、第2後輪舵角センサ21b)の出力する絶対舵角値
θr1(又はθr2)と所定値A1との比較結果に応じ
て設定される。A1は零に近い値(例えば0.5度)に
設定してある。例えば、現状の相切換信号パターンが
(LA11,LB11,LC11,LA21,LB2
1,LC21)=(H,L,L,L,H,L)であり、
絶対舵角値θr1(又はθr2)が−1degであった
場合には、次回の相切換信号パターンは(H,L,L,
L,L,H)となる。表5のマップは、絶対舵角値θr
1(又はθr2)が負の場合は右回転するように、絶対
舵角値θr1(又はθr2)が正の場合は左回転するよ
うに、設定されている。いずれの場合にも後輪舵角の絶
対値が零に近づくように作用する。後輪舵角の絶対値が
所定値A1以下となると、相切換信号パターンは(L,
L,L,L,L,L)となり、モータ12は停止する。
よって、オープン制御ルーチンでは、後輪舵角が零にな
り中立復帰するように相切換信号パターンが制御され
る。
【表5】
【0040】図19は第1及び第2後輪舵角センサ21
a,21bの異常判定を含む制御を示すもので、イグニ
ッションスイッチIGSWをオンとすると実行を開始
し、先ずステップ301にて第1後輪舵角センサ21a
の断線短絡チェックが行なわれ、正常か否かが判定され
る。具体的には、第1後輪舵角センサ21aの出力が例
えば4.7Vを超えると短絡異常、0.3Vを下回ると
断線異常であると判定される。従って、第1後輪舵角セ
ンサ21aの出力が0.3V乃至4.7Vの範囲内の値
を示せば正常と判定され、ステップ302に進み第2後
輪舵角センサ21bについて上記と同様の断線短絡チェ
ックが行なわれる。第2後輪舵角センサ21bも正常と
判定されればステップ303に進み、第1後輪舵角セン
サ21aの出力である絶対舵角値θr1が後輪舵角カウ
ンタの初期値θcとされて通常の操舵制御が行なわれる
(ステップ311)。
【0041】一方、ステップ301の断線短絡チェック
において第1後輪舵角センサ21aが異常と判定された
場合には、ステップ304に進み第2後輪舵角センサ2
1bの断線短絡チェックが行なわれる。ここで第2後輪
舵角センサ21bも異常と判定されれば、ステップ31
2に進み後輪操舵制御が停止される。ステップ304に
て第2後輪舵角センサ21bが正常と判定された場合に
は、ステップ305にて絶対舵角値θr2が後輪舵角カ
ウンタの初期値θcとされ、ステップ313に進み中立
復帰制御が行なわれる。また、ステップ302における
第2後輪舵角センサ21bの断線短絡チェックの結果、
異常と判定されると、ステップ306に進み絶対舵角値
θr1が後輪舵角カウンタの初期値θcとされた後、ス
テップ313にて中立復帰制御が行なわれる。而して、
第1及び第2後輪舵角センサ21a,21bの何れか一
方に異常が検出された場合には、正常な後輪舵角センサ
を以て正確に中立復帰制御を行なうことができる。
【0042】図20は本発明の他の実施例における第1
及び第2後輪舵角センサ21a,21bの異常判定を含
む制御を示すもので、上記の実施例における制御に加
え、後輪舵角チェック制御が付加されている。ここで、
後輪舵角チェック制御とは、所定時間モータMを駆動し
後輪を中立位置方向へ駆動させて、モータMの回転速度
θmと第1及び第2後輪舵角センサ21a,21bの各
検出値の変化率(変化速度)を演算し、各演算結果を比
較することにより第1及び第2後輪舵角センサ21a,
21bの異常判定を行なうものである。
【0043】図20において、ステップ401にて第1
後輪舵角センサ21aの断線短絡チェックが行なわれ、
正常か否かが判定され、第1後輪舵角センサ21aの出
力が0.3V乃至4.7Vの値であれば正常と判定さ
れ、ステップ402に進み、第2後輪舵角センサ21b
について上記と同様の断線短絡チェックが行なわれる。
第2後輪舵角センサ21bも正常と判定されればステッ
プ403に進み、第1及び第2後輪舵角センサ21a,
21bの夫々の出力である絶対舵角値θr1,θr2の
差が求められ、その絶対値が所定値K2と比較される。
絶対舵角値θr1,θr2の差の絶対値が所定値K2以
下であれば、ステップ404に進み、第1後輪舵角セン
サ21aの出力である絶対舵角値θr1が後輪舵角カウ
ンタの初期値θcとされて通常の操舵制御が行なわれる
(ステップ421)が、所定値K2を超えている場合に
は、ステップ412以降に進む。
【0044】一方、ステップ401の断線短絡チェック
において第1後輪舵角センサ21aが異常と判定された
場合には、ステップ405に進み第2後輪舵角センサ2
1bの断線短絡チェックが行なわれる。ここで第2後輪
舵角センサ21bも異常と判定されれば、ステップ42
2に進み後輪操舵制御が停止される。ステップ405に
て第2後輪舵角センサ21bが正常と判定された場合に
は、ステップ406にて絶対舵角値θr2が後輪舵角カ
ウンタの初期値θcとされた後、ステップ407にて第
2後輪舵角センサ21bに対し前述の後輪舵角チェック
制御が行なわれ、ステップ408に進む。第2後輪舵角
センサ21bの変化率は所定時間における出力の変化速
度で、例えば第2後輪舵角センサ21bの検出出力の微
分値が検出出力の微分値と大小比較され、所定範囲内の
差であれば正常と判定される。この結果、ステップ40
8にて第2後輪舵角センサ21bの変化率が正常と判定
されれば、ステップ423に進み中立復帰制御が行なわ
れる。第2後輪舵角センサ21bの変化率が異常と判定
された場合はステップ422に進み、後輪操舵制御が停
止される。
【0045】また、ステップ402における第2後輪舵
角センサ21bの断線短絡チェックの結果、異常と判定
されるとステップ409に進み、絶対舵角値θr1が後
輪舵角カウンタの初期値θcとされた後、ステップ41
0にて第2後輪舵角センサ21bの後輪舵角チェック制
御が行なわれる。そして、ステップ411において第2
後輪舵角センサ21bの変化率が正常と判定されれば、
ステップ423に進み中立復帰制御が行なわれるが、異
常と判定された場合には、ステップ422に進み後輪操
舵制御が停止される。
【0046】ステップ403において絶対舵角値θr1
と絶対舵角値θr2の差の絶対値が所定値K2を超えて
いると判定された場合には、ステップ412に進み絶対
舵角値θr1が後輪舵角カウンタの初期値θcとされた
後、ステップ413にて後輪舵角チェック制御が行なわ
れる。ステップ414にて第1後輪舵角センサ21aの
出力の変化率が正常と判定された場合には、ステップ4
23に進み中立復帰制御が行なわれるが、変化率が異常
と判定された場合には、ステップ415に進み第2後輪
舵角センサ21bの出力の変化率が正常か否かが判定さ
れる。第2後輪舵角センサ21bも正常であれば、ステ
ップ416にてその絶対舵角値θr2が後輪舵角カウン
タの初期値θcとされてステップ423に進み中立復帰
制御が行なわれるが、異常と判定された場合はステップ
422に進み後輪操舵制御が停止される。即ち、第1及
び第2後輪舵角センサ21a,21bの何れが正常か特
定できないときには後輪操舵制御は停止される。尚、ス
テップ414とステップ415の判定順序は逆にしても
よい。
【0047】而して、第1及び第2後輪舵角センサ21
a,21bの何れについても、断線短絡チェックで正常
と判定された場合であっても、両者の出力差が所定値K
2以下である場合を除き、後輪舵角チェック制御により
異常判定が行なわれ、断線短絡チェックで検出し得ない
異常も検出することができる。そして、第1及び第2後
輪舵角センサ21a,21bの何れか一方に異常が検出
された場合には、正常な後輪舵角センサを以て中立復帰
制御を行なうことができる。
【0048】以上のように、何れの実施例においても、
絶対舵角を検出する後輪舵角センサが二個設けられ、何
れか一方が異常と判定されたときには正常な方の後輪舵
角センサの出力に基づき中立復帰制御を行なうように構
成されているので、確実に中立復帰制御を行なうことが
できる。
【0049】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で以下に記載の効果を奏する。即ち、本発明の車両の後
輪操舵装置においては、第1及び第2の絶対舵角検出手
段の両者が正常であるときには何れか一方の絶対舵角検
出手段の検出出力を通常制御基準舵角として設定し、第
1及び第2の絶対舵角検出手段の何れか一方が正常で他
方が異常であるときには正常な絶対舵角検出手段の検出
出力を復帰制御基準舵角として設定すると共に、通常制
御基準舵角及び相対舵角検出手段の検出出力に基づき駆
動手段を制御し後輪の操舵制御を行ない、復帰制御基準
舵角及び相対舵角検出手段の検出出力に基づき駆動手段
を制御し後輪を中立位置に復帰させるように構成されて
いるので、一方の絶対舵角検出手段が異常時にも他方の
絶対舵角検出手段によって適切な後輪操舵制御を行なう
ことができる。
【0050】更に第1及び第2の絶対舵角変化率演算手
段並びに異常判定手段を備えた装置にあっては、従前の
異常判定手段では検出し得ない絶対舵角検出手段の異常
も検出することができ、適切な異常判定を行なうことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成図である。
【図2】本発明の一実施例に使用する後輪操舵機構の正
面図である。
【図3】図2の後輪操舵機構の部分断面図である。
【図4】図2の後輪操舵機構の断面図である。
【図5】本発明の一実施例に使用するモータの断面図で
ある。
【図6】本発明の一実施例に使用するモータの断面図で
ある。
【図7】図5,6のモータの巻線説明図である。
【図8】本発明の一実施例に使用する磁石の正面図であ
る。
【図9】本発明の一実施例に使用する磁極センサの基板
の正面図である。
【図10】本発明の一実施例に係る電動モータの作動説
明図である。
【図11】本発明の一実施例に使用する電子制御装置の
回路構成図である。
【図12】図11の電子制御装置のドライバの回路構成
図である。
【図13】図11の電子制御装置のマイクロプロセッサ
の機能ブロック図である。
【図14】図13のマイクロプロセッサのモータサーボ
制御部の機能ブロック図である。
【図15】図11の電子制御装置の磁極センサ入力回路
の回路構成図である。
【図16】本発明の一実施例における磁極センサ信号エ
ッジ割り込みのフローチャートである。
【図17】本発明の一実施例における相切換制御のフロ
ーチャートである。
【図18】本発明の一実施例におけるオープン制御のフ
ローチャートである。
【図19】本発明の一実施例における第1及び第2後輪
舵角センサの異常判定を含む制御のフローチャートであ
る。
【図20】本発明の他の実施例における第1及び第2後
輪舵角センサの異常判定を含む制御のフローチャートで
ある。
【図21】本発明の構成の概要を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 マイクロプロセッサ 5 モータ
ドライバ 9 電子制御装置 12 モータ
(電動モータ) 17,20 第1,第2前輪舵角センサ 18 磁極センサ(回転センサ) 21 後輪舵
角センサ 22,23 第1,第2車速センサ 55 定電圧
レギュレータ 57 インターフェース 59 バッテ
リ 60 目標舵角演算部 61 モータ
サーボ制御部 62 相切換制御部 63 磁極セ
ンサ異常判定部 64 オープン制御部 65 中立復
帰部 66 後輪舵角センサ異常判定部 86 電流検
出回路 88 異常電流制限回路 89 パルス
幅変調信号合成回路 91 微分ゲイン設定部 90,94
微分部 93 偏差舵角不感帯付与部 92 減算部 96 比例部 95 積算部 98 偏差舵角リミッタ 97 加算部 100 実舵角値演算部 99 パルス
幅変調変換部 AGLA 目標舵角値 101 ピー
クホールド回路 HA,HB,HC 磁極センサ信号 L1 相切換
信号群 LA11,LB11,LC11,LA21,LB21,
LC21 相切換信号 M モータ U,V,W
端子 PWM1 パルス幅変調信号 θs ステア
リング角 V 車速 γ ヨーレー
ト値 θr1,θr2 絶対舵角値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 137:00 (72)発明者 田川 真一 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 杉山 瑞穂 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の後輪に連結した操舵機構を駆動手
    段によって駆動制御する車両の後輪操舵装置において、
    前記駆動手段によって前記後輪が実際に操舵された操舵
    角の絶対値を検出する第1及び第2の絶対舵角検出手段
    と、前記後輪の操舵角の相対舵角変化を検出する相対舵
    角検出手段と、前記第1及び第2の絶対舵角検出手段の
    両者が正常であるときには何れか一方の絶対舵角検出手
    段の検出出力を通常制御基準舵角として設定し、前記第
    1及び第2の絶対舵角検出手段の何れか一方が正常で他
    方が異常であるときには正常な絶対舵角検出手段の検出
    出力を復帰制御基準舵角として設定する基準舵角設定手
    段と、前記通常制御基準舵角及び前記相対舵角検出手段
    の検出出力に基づき前記駆動手段を制御し前記後輪の操
    舵制御を行ない、前記復帰制御基準舵角及び前記相対舵
    角検出手段の検出出力に基づき前記駆動手段を制御し前
    記後輪を中立位置に復帰させる制御手段とを備えたこと
    を特徴とする車両の後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段により前記駆動手段を所定
    時間駆動して前記第1及び第2の絶対舵角検出手段の各
    々の検出出力の変化率を演算する第1及び第2の絶対舵
    角変化率演算手段と、前記相対舵角検出手段の検出出力
    の変化率を演算する相対舵角変化率演算手段と、該相対
    舵角変化率演算手段の演算結果と前記第1及び第2の絶
    対舵角変化率演算手段の演算結果を比較して前記第1及
    び第2の絶対舵角検出手段の異常判定を行なう異常判定
    手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両の後
    輪操舵装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150127484A (ko) * 2014-05-07 2015-11-17 주식회사 만도 후륜 조향각 판단방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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