JP3388424B2 - スタッカークレーンの速度・位置制御装置 - Google Patents
スタッカークレーンの速度・位置制御装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動倉庫等に用いる
スタッカークレーンの速度・位置制御装置に関し、特に
スタッカークレーンを目標位置に縦フレームの振動が少
なく、短時間に走行させることができるスタッカークレ
ーンの速度・位置制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種のスタッカークレーンの速
度・位置制御は、台形速度パターンでのフィードフォワ
ード制御をしている。即ち、走行開始点から所定の高速
度になるまで加速し、該所定の高速度に達したら、この
高速度で所定時間走行し、そこから所定の低速度になる
まで減速、目標位置から所定の距離手前で制動をかけ目
標位置に停止させている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の台形速度パターンでのフィードフォワード制御では
下記のような問題があった。 【0004】〔走行中の振動〕スタッカークレーンを台
形速度パターンで制御した場合、スタッカークレーンの
速度は図6に示すように変化し、スタッカークレーンの
縦フレームには図7に示すような振動が発生する。図7
において、振幅の正値は縦フレームの前方への傾き、負
値は後方への傾きを表す。図6と図7を合わせて見る
と、加速度の急激な変化点で縦フレームに振動が発生し
ている。この振動は縦フレームに疲労を与え、耐久性能
上の問題となる。 【0005】〔停止時の振動〕スタッカークレーンは、
停止時に電磁ブレーキを作動させて制動するのである
が、このとき、急激な減速度が発生し、縦フレームに振
動が発生する(図7の停止点SP参照)。この振動は縦
フレームに疲労を与え、且つ、荷物のフォーク動作の妨
げとなり、サイクルタイム延長の要因となる。 【0006】〔クリープ速度によるサイクルタイム延
長〕速度制御がフィードフォワードの場合、図6に示す
ように、停止直前(A点)に低速(クリープ速度)での
一定時間の走行が必要である。これは、負荷変動により
一定時間内の走行距離が変動するので、その変動分を吸
収させるためである。このクリープ速度での走行はサイ
クルタイム延長の要因となる。 【0007】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、上記問題点を除去し、スタッカークレーンを目標位
置に縦フレームの振動が少なく短時間に走行させること
ができるスタッカークレーンの速度・位置制御装置を提
供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、制御用計算機を具備し、該制御用計算機から
の所定の走行パターンに従った速度指令信号をD/A変
換器でアナログ信号に変換してインバータに送出し、該
インバータは該速度指令に従った電圧・周波数を走行用
誘導電動機に供給してスタッカークレーンの速度・位置
を制御するように構成したスタッカークレーンの速度・
位置制御装置であって、スタッカークレーンの位置を検
出する位置検出器を設け、該位置検出器の出力を前記制
御用計算機にフィードバックするように構成し、制御用
計算機はスタッカークレーンの走行開始からカム曲線に
従う速度パターンで該スタッカークレーンの一定時間毎
の位置Xcを算出すると共に、位置検出器で検出した検
出値と一定時間毎の該検出値の変化量から該スタッカー
クレーンの検出位置Xと検出速度V(dX/dt)を算
出し、算出した位置Xcと該検出位置Xとから位置偏差
値Xeを求め、該位置偏差値Xeに対する比例制御によ
り速度制御量値Vmを求める位置制御ループ機能と、該
速度制御量値Vmと前記検出速度Vの偏差Veを求め、
該偏差Veに対するPID(比例・積分・微分)の制御
により速度増減指令値Vdを求め、該速度増減指令値V
dに検出速度Vの値を加算して速度指令値を求める速度
制御ループ機能を具備し、速度制御ループ機能で求めた
速度指令値を前記D/A変換器でアナログ信号に変換
し、インバータに送出することを特徴とする。 【0009】 【発明の実施の形態】先ず、本発明のスタッカークレー
ンの速度・位置制御方法の原理について説明する。スタ
ッカークレーンの走行中の縦フレームの振動は、加速度
の急激な変化によって発生するから、スタッカークレー
ンを加速度の微分値が連続する速度パターンに従って走
行させれば、このスタッカークレーンの走行中の縦フレ
ームの振動を解消できる。加速度の微分値が連続する速
度パターンとなるカム曲線としてサイクロイド曲線があ
る(自動機械機構学、牧野洋著、日刊工業新聞社、参
照)。 【0010】また、スタッカークレーンの停止時の電磁
ブレーキの作動によって発生する振動は、ブレーキ作動
時の走行速度の大きさに比例する。従って、従来のよう
に低速のクリープ速度を設けることなく、高速から直接
停止目標位置に向かって連続的に速度を低減させる制御
をし、停止直前の状態で電磁ブレーキを作動させればよ
い。このことは従来のクリープ速度によるサイクルタイ
ム延長を解消することにもなる。 【0011】上記のことを実現するためには速度制御と
位置制御が必要となる。一般的には、これらの速度制御
と位置制御を実現するには、図3に示すように、サーボ
アンプ31、ACサーボモータ32、位置検出器33か
らなるサーボシステムが用いられ、クレーン制御用計算
機34からの指令により制御される。 【0012】ACサーボモータ32は、一般のモータに
比べてサーボアンプ31からの電圧・電流の急激な変化
に応答できるように回転子の慣性モーメント、電気的な
応答性には特に配慮して設計されている。従って、イン
バータ及び誘導電動機からなるインバータシステムと比
較し、速度精度、応答性、加速時間、変速比及び位置決
め精度の点で性能は優れているが、コスト的にはインバ
ータシステムに比較し高価となる。 【0013】位置決め精度に関しては、ACサーボシス
テムは位置情報を常にフィードバックして制御すること
で高い精度の位置決めを実現している。一方、インバー
タシステムは位置情報をフィードフォワード制御してい
るため、予め決められた制御量しか実行できないため高
い精度の位置決め制御ができない。しかし、スタッカー
クレーンの制御に関しては、位置決め精度以外の性能は
インバータシステムで十分満たされており、位置決め制
御のためだけで、ACサーボを用いることはコスト的に
不具合である。 【0014】そこで、本発明においては、従来のインバ
ータシステムによるスタッカークレーンのフィードフォ
ワード制御に位置検出器を設け、該位置検出器で検出し
た位置情報をフィードバックする機能を持たせること
で、スタッカクレーンに適したサーボシステムを構成す
る。以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明
する。図1及び図2は本発明に係る速度・位置制御方法
を実施するためのスタッカークレーンの速度・位置制御
装置の構成を示す図である。 【0015】本速度・位置制御装置は図2に示すよう
に、スタッカークレーンの走行制御を行うためのクレー
ン制御用計算機1を具備し、該クレーン制御用計算機1
からの速度制御量をD/A変換器2でアナログ信号に変
換し、該変換した速度制御量をインバータ3に出力し、
該インバータ3は速度制御量に従う電圧、周波数を走行
用の誘導電動機(インダクションモータ)4に供給す
る。これによりスタッカークレーンはクレーン制御用計
算機1からの速度制御量に従って走行する。 【0016】スタッカークレーンの位置は位置検出器
(エンコーダ、リニアスケール等からなる)5で検出さ
れ、その検出出力は、パルスカウンタ6に出力され、該
パルスカウンタ6でカウントされたカウント値が検出位
置値Xとしてクレーン制御用計算機1にフィードバック
される。クレーン制御用計算機1は従来のフィードフォ
ワード制御機能に加えて、速度・位置フィードバック制
御の機能を有している。なお、図2において、7はスタ
ッカークレーンに制動をかける電磁ブレーキである。 【0017】クレーン制御用計算機1の速度指令はサイ
クロイド曲線に従う速度パターンで行う。走行開始から
の単位時間毎のクレーン位置Xcを算出する。そしてパ
ルスカウンタ6のカウント値である検出位置値Xとその
単位時間当りの変化量dX/dtを速度算出部24で算
出しスタッカークレーンの検出速度Vを求め、これを制
御へフィードバックする。クレーン制御用計算機1はこ
のような処理を短時間毎(例えば25msec)に行
う。 【0018】図1はクレーン制御用計算機1の制御構成
を示す図である。クレーン制御用計算機1の制御は、位
置情報をフィードバックして制御を行う位置制御ループ
10と、その内部に速度のフィードバック制御を行う速
度制御ループ20の二重の制御で構成されている。位置
指令値Xcは、走行開始後の一定時間毎(例えば25m
sec)のスタッカークレーンの位置を示す。この一定
時間毎の位置はサイクロイド曲線の速度パターンに従っ
て設定されている。 【0019】走行が開始すると、位置指令値Xcとフィ
ードバックされた検出位置値Xから位置偏差値Xeを偏
差値算出部11で算出し、この位置偏差値Xeに比例し
た速度制御量VmがP(比例)制御部12によって求め
られる。 【0020】速度制御ループ20では、速度制御量Vm
と前記スタッカークレーンの検出速度Vから偏差値算出
部21で速度偏差値Ve求め、該速度偏差値Veに対す
る比例補償、積分補償、微分補償からなるPID制御部
22で速度増減指令値Vdを求め、加算部23で該速度
増減指令値Vdに検出速度Vを加えてインバータ3に出
力する速度制御量を得る。インバータ3は速度制御量に
従う電圧、周波数を走行用の誘導電動機4に供給し、該
誘導電動機4を駆動する。 【0021】図4は本発明のサイクロイド曲線に従う速
度パターンでスタッカークレーンを走行制御した場合の
速度変化の状態を図である。図5は図4の速度パターン
で図1及び図2に示す速度・位置制御装置で速度・位置
制御した場合のスタッカークレーンの縦フレームの振動
状態を示す図である。 【0022】上記のように本速度・位置制御装置はクレ
ーンの位置・速度をフィードバックするので、図4に示
すように、目的とする速度曲線に追従して走行できる。
この速度曲線に速度曲線に加速度の微分値が滑らかに変
化するサイクロイド曲線を用いることで、走行中の振動
を低減できる。これは、図5と図7を比較すると、図5
の方が縦フレームの振幅が小さいことから明らかであ
る。 【0023】また、本速度・位置制御装置では、上記と
同様な要因から、停止目標位置で十分に速度を落した状
態で、電磁ブレーキによる制動が可能となるため、停止
時の振動低減と停止精度の向上を図ることができる。図
5と図7を比較すると、停止点SP以降の縦フレームの
振幅は図5の方が小さいことが明らかである。また、荷
重変動等の外乱に対する速度・位置制御の安定性も向上
する。 【0024】また、本速度・位置制御装置では、位置制
御により、停止目標位置に向かって連続的に速度を減速
するから、これにより、停止直前のクリープ速度を無く
することができ、サイクルタイムの短縮が図れる。これ
は図4と図6を比較し、スタッカークレーンの速度が零
になるまでの時間を比較すると、図4の方が短いことは
明らかである。なお、図6の加速度と図4の平均加速
度、走行距離は同一である。 【0025】 【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
制御用計算機はスタッカークレーンの走行開始からカム
曲線に従う速度パターンで該スタッカークレーンの一定
時間毎の位置Xcを算出すると共に、位置検出器で検出
した検出値と一定時間毎の該検出値の変化量から該スタ
ッカークレーンの検出位置Xと検出速度V(dX/d
t)を算出し、算出した位置Xcと該検出位置Xとから
位置偏差値Xeを求め、該位置偏差値Xeに対する比例
制御により速度制御量値Vmを求める位置制御ループ機
能と、該速度制御量値Vmと前記検出速度Vの偏差Ve
を求め、該偏差Veに対するPID(比例・積分・微
分)の制御により速度増減指令値Vdを求め、該速度増
減指令値Vdに検出速度Vの値を加算して速度指令値を
求める速度制御ループ機能を具備するので、下記のよう
な優れた効果が得られる。 【0026】スタッカークレーンが加速度の微分値が連
続する速度パターンに従って走行することになり、走行
中のスタッカークレーンの縦フレーム振動を低減でき
る。 【0027】従来のように低速のクリープ速度を設ける
ことなく、高速から直接停止目標位置に向かって連続的
に速度を減速し、直前の状態で制動をかけて停止させる
ので、停止時の縦フレームの振動を抑制できる。また、
停止直前のクリープ速度を無くすることができ、サイク
ルタイムの短縮が図れる。
スタッカークレーンの速度・位置制御装置に関し、特に
スタッカークレーンを目標位置に縦フレームの振動が少
なく、短時間に走行させることができるスタッカークレ
ーンの速度・位置制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種のスタッカークレーンの速
度・位置制御は、台形速度パターンでのフィードフォワ
ード制御をしている。即ち、走行開始点から所定の高速
度になるまで加速し、該所定の高速度に達したら、この
高速度で所定時間走行し、そこから所定の低速度になる
まで減速、目標位置から所定の距離手前で制動をかけ目
標位置に停止させている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の台形速度パターンでのフィードフォワード制御では
下記のような問題があった。 【0004】〔走行中の振動〕スタッカークレーンを台
形速度パターンで制御した場合、スタッカークレーンの
速度は図6に示すように変化し、スタッカークレーンの
縦フレームには図7に示すような振動が発生する。図7
において、振幅の正値は縦フレームの前方への傾き、負
値は後方への傾きを表す。図6と図7を合わせて見る
と、加速度の急激な変化点で縦フレームに振動が発生し
ている。この振動は縦フレームに疲労を与え、耐久性能
上の問題となる。 【0005】〔停止時の振動〕スタッカークレーンは、
停止時に電磁ブレーキを作動させて制動するのである
が、このとき、急激な減速度が発生し、縦フレームに振
動が発生する(図7の停止点SP参照)。この振動は縦
フレームに疲労を与え、且つ、荷物のフォーク動作の妨
げとなり、サイクルタイム延長の要因となる。 【0006】〔クリープ速度によるサイクルタイム延
長〕速度制御がフィードフォワードの場合、図6に示す
ように、停止直前(A点)に低速(クリープ速度)での
一定時間の走行が必要である。これは、負荷変動により
一定時間内の走行距離が変動するので、その変動分を吸
収させるためである。このクリープ速度での走行はサイ
クルタイム延長の要因となる。 【0007】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、上記問題点を除去し、スタッカークレーンを目標位
置に縦フレームの振動が少なく短時間に走行させること
ができるスタッカークレーンの速度・位置制御装置を提
供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、制御用計算機を具備し、該制御用計算機から
の所定の走行パターンに従った速度指令信号をD/A変
換器でアナログ信号に変換してインバータに送出し、該
インバータは該速度指令に従った電圧・周波数を走行用
誘導電動機に供給してスタッカークレーンの速度・位置
を制御するように構成したスタッカークレーンの速度・
位置制御装置であって、スタッカークレーンの位置を検
出する位置検出器を設け、該位置検出器の出力を前記制
御用計算機にフィードバックするように構成し、制御用
計算機はスタッカークレーンの走行開始からカム曲線に
従う速度パターンで該スタッカークレーンの一定時間毎
の位置Xcを算出すると共に、位置検出器で検出した検
出値と一定時間毎の該検出値の変化量から該スタッカー
クレーンの検出位置Xと検出速度V(dX/dt)を算
出し、算出した位置Xcと該検出位置Xとから位置偏差
値Xeを求め、該位置偏差値Xeに対する比例制御によ
り速度制御量値Vmを求める位置制御ループ機能と、該
速度制御量値Vmと前記検出速度Vの偏差Veを求め、
該偏差Veに対するPID(比例・積分・微分)の制御
により速度増減指令値Vdを求め、該速度増減指令値V
dに検出速度Vの値を加算して速度指令値を求める速度
制御ループ機能を具備し、速度制御ループ機能で求めた
速度指令値を前記D/A変換器でアナログ信号に変換
し、インバータに送出することを特徴とする。 【0009】 【発明の実施の形態】先ず、本発明のスタッカークレー
ンの速度・位置制御方法の原理について説明する。スタ
ッカークレーンの走行中の縦フレームの振動は、加速度
の急激な変化によって発生するから、スタッカークレー
ンを加速度の微分値が連続する速度パターンに従って走
行させれば、このスタッカークレーンの走行中の縦フレ
ームの振動を解消できる。加速度の微分値が連続する速
度パターンとなるカム曲線としてサイクロイド曲線があ
る(自動機械機構学、牧野洋著、日刊工業新聞社、参
照)。 【0010】また、スタッカークレーンの停止時の電磁
ブレーキの作動によって発生する振動は、ブレーキ作動
時の走行速度の大きさに比例する。従って、従来のよう
に低速のクリープ速度を設けることなく、高速から直接
停止目標位置に向かって連続的に速度を低減させる制御
をし、停止直前の状態で電磁ブレーキを作動させればよ
い。このことは従来のクリープ速度によるサイクルタイ
ム延長を解消することにもなる。 【0011】上記のことを実現するためには速度制御と
位置制御が必要となる。一般的には、これらの速度制御
と位置制御を実現するには、図3に示すように、サーボ
アンプ31、ACサーボモータ32、位置検出器33か
らなるサーボシステムが用いられ、クレーン制御用計算
機34からの指令により制御される。 【0012】ACサーボモータ32は、一般のモータに
比べてサーボアンプ31からの電圧・電流の急激な変化
に応答できるように回転子の慣性モーメント、電気的な
応答性には特に配慮して設計されている。従って、イン
バータ及び誘導電動機からなるインバータシステムと比
較し、速度精度、応答性、加速時間、変速比及び位置決
め精度の点で性能は優れているが、コスト的にはインバ
ータシステムに比較し高価となる。 【0013】位置決め精度に関しては、ACサーボシス
テムは位置情報を常にフィードバックして制御すること
で高い精度の位置決めを実現している。一方、インバー
タシステムは位置情報をフィードフォワード制御してい
るため、予め決められた制御量しか実行できないため高
い精度の位置決め制御ができない。しかし、スタッカー
クレーンの制御に関しては、位置決め精度以外の性能は
インバータシステムで十分満たされており、位置決め制
御のためだけで、ACサーボを用いることはコスト的に
不具合である。 【0014】そこで、本発明においては、従来のインバ
ータシステムによるスタッカークレーンのフィードフォ
ワード制御に位置検出器を設け、該位置検出器で検出し
た位置情報をフィードバックする機能を持たせること
で、スタッカクレーンに適したサーボシステムを構成す
る。以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明
する。図1及び図2は本発明に係る速度・位置制御方法
を実施するためのスタッカークレーンの速度・位置制御
装置の構成を示す図である。 【0015】本速度・位置制御装置は図2に示すよう
に、スタッカークレーンの走行制御を行うためのクレー
ン制御用計算機1を具備し、該クレーン制御用計算機1
からの速度制御量をD/A変換器2でアナログ信号に変
換し、該変換した速度制御量をインバータ3に出力し、
該インバータ3は速度制御量に従う電圧、周波数を走行
用の誘導電動機(インダクションモータ)4に供給す
る。これによりスタッカークレーンはクレーン制御用計
算機1からの速度制御量に従って走行する。 【0016】スタッカークレーンの位置は位置検出器
(エンコーダ、リニアスケール等からなる)5で検出さ
れ、その検出出力は、パルスカウンタ6に出力され、該
パルスカウンタ6でカウントされたカウント値が検出位
置値Xとしてクレーン制御用計算機1にフィードバック
される。クレーン制御用計算機1は従来のフィードフォ
ワード制御機能に加えて、速度・位置フィードバック制
御の機能を有している。なお、図2において、7はスタ
ッカークレーンに制動をかける電磁ブレーキである。 【0017】クレーン制御用計算機1の速度指令はサイ
クロイド曲線に従う速度パターンで行う。走行開始から
の単位時間毎のクレーン位置Xcを算出する。そしてパ
ルスカウンタ6のカウント値である検出位置値Xとその
単位時間当りの変化量dX/dtを速度算出部24で算
出しスタッカークレーンの検出速度Vを求め、これを制
御へフィードバックする。クレーン制御用計算機1はこ
のような処理を短時間毎(例えば25msec)に行
う。 【0018】図1はクレーン制御用計算機1の制御構成
を示す図である。クレーン制御用計算機1の制御は、位
置情報をフィードバックして制御を行う位置制御ループ
10と、その内部に速度のフィードバック制御を行う速
度制御ループ20の二重の制御で構成されている。位置
指令値Xcは、走行開始後の一定時間毎(例えば25m
sec)のスタッカークレーンの位置を示す。この一定
時間毎の位置はサイクロイド曲線の速度パターンに従っ
て設定されている。 【0019】走行が開始すると、位置指令値Xcとフィ
ードバックされた検出位置値Xから位置偏差値Xeを偏
差値算出部11で算出し、この位置偏差値Xeに比例し
た速度制御量VmがP(比例)制御部12によって求め
られる。 【0020】速度制御ループ20では、速度制御量Vm
と前記スタッカークレーンの検出速度Vから偏差値算出
部21で速度偏差値Ve求め、該速度偏差値Veに対す
る比例補償、積分補償、微分補償からなるPID制御部
22で速度増減指令値Vdを求め、加算部23で該速度
増減指令値Vdに検出速度Vを加えてインバータ3に出
力する速度制御量を得る。インバータ3は速度制御量に
従う電圧、周波数を走行用の誘導電動機4に供給し、該
誘導電動機4を駆動する。 【0021】図4は本発明のサイクロイド曲線に従う速
度パターンでスタッカークレーンを走行制御した場合の
速度変化の状態を図である。図5は図4の速度パターン
で図1及び図2に示す速度・位置制御装置で速度・位置
制御した場合のスタッカークレーンの縦フレームの振動
状態を示す図である。 【0022】上記のように本速度・位置制御装置はクレ
ーンの位置・速度をフィードバックするので、図4に示
すように、目的とする速度曲線に追従して走行できる。
この速度曲線に速度曲線に加速度の微分値が滑らかに変
化するサイクロイド曲線を用いることで、走行中の振動
を低減できる。これは、図5と図7を比較すると、図5
の方が縦フレームの振幅が小さいことから明らかであ
る。 【0023】また、本速度・位置制御装置では、上記と
同様な要因から、停止目標位置で十分に速度を落した状
態で、電磁ブレーキによる制動が可能となるため、停止
時の振動低減と停止精度の向上を図ることができる。図
5と図7を比較すると、停止点SP以降の縦フレームの
振幅は図5の方が小さいことが明らかである。また、荷
重変動等の外乱に対する速度・位置制御の安定性も向上
する。 【0024】また、本速度・位置制御装置では、位置制
御により、停止目標位置に向かって連続的に速度を減速
するから、これにより、停止直前のクリープ速度を無く
することができ、サイクルタイムの短縮が図れる。これ
は図4と図6を比較し、スタッカークレーンの速度が零
になるまでの時間を比較すると、図4の方が短いことは
明らかである。なお、図6の加速度と図4の平均加速
度、走行距離は同一である。 【0025】 【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
制御用計算機はスタッカークレーンの走行開始からカム
曲線に従う速度パターンで該スタッカークレーンの一定
時間毎の位置Xcを算出すると共に、位置検出器で検出
した検出値と一定時間毎の該検出値の変化量から該スタ
ッカークレーンの検出位置Xと検出速度V(dX/d
t)を算出し、算出した位置Xcと該検出位置Xとから
位置偏差値Xeを求め、該位置偏差値Xeに対する比例
制御により速度制御量値Vmを求める位置制御ループ機
能と、該速度制御量値Vmと前記検出速度Vの偏差Ve
を求め、該偏差Veに対するPID(比例・積分・微
分)の制御により速度増減指令値Vdを求め、該速度増
減指令値Vdに検出速度Vの値を加算して速度指令値を
求める速度制御ループ機能を具備するので、下記のよう
な優れた効果が得られる。 【0026】スタッカークレーンが加速度の微分値が連
続する速度パターンに従って走行することになり、走行
中のスタッカークレーンの縦フレーム振動を低減でき
る。 【0027】従来のように低速のクリープ速度を設ける
ことなく、高速から直接停止目標位置に向かって連続的
に速度を減速し、直前の状態で制動をかけて停止させる
ので、停止時の縦フレームの振動を抑制できる。また、
停止直前のクリープ速度を無くすることができ、サイク
ルタイムの短縮が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る速度・位置制御方法を実施するた
めのスタッカークレーンの速度・位置制御装置の構成を
示す図である。 【図2】図1のクレーン制御用計算機の制御構成を示す
図である。 【図3】一般的な速度制御と位置制御を行うサーボシス
テムの構成を示す図である。 【図4】本発明の速度・位置制御方法でスタッカークレ
ーンを走行制御した場合の速度変化の状態を示す図であ
る。 【図5】本発明の速度・位置制御方法で速度・位置制御
した場合のスタッカークレーンの縦フレームの振動状態
を示す図である。 【図6】スタッカークレーンを台形速度パターンで制御
した場合の速度変化状態を示す図である。 【図7】スタッカークレーンを台形速度パターンで制御
した場合の縦フレームの振動状態を示す図である。 【符号の説明】 1 クレーン制御用計算機 2 D/A変換器 3 インバータ 4 誘導電動機(インダクションモータ) 5 位置検出器 6 パルスカウンタ 7 電磁ブレーキ 10 位置制御ループ 11 偏差値算出部 12 P制御部 20 速度制御ループ 21 偏差値算出部 22 PID制御部 23 加算部 24 速度算出部
めのスタッカークレーンの速度・位置制御装置の構成を
示す図である。 【図2】図1のクレーン制御用計算機の制御構成を示す
図である。 【図3】一般的な速度制御と位置制御を行うサーボシス
テムの構成を示す図である。 【図4】本発明の速度・位置制御方法でスタッカークレ
ーンを走行制御した場合の速度変化の状態を示す図であ
る。 【図5】本発明の速度・位置制御方法で速度・位置制御
した場合のスタッカークレーンの縦フレームの振動状態
を示す図である。 【図6】スタッカークレーンを台形速度パターンで制御
した場合の速度変化状態を示す図である。 【図7】スタッカークレーンを台形速度パターンで制御
した場合の縦フレームの振動状態を示す図である。 【符号の説明】 1 クレーン制御用計算機 2 D/A変換器 3 インバータ 4 誘導電動機(インダクションモータ) 5 位置検出器 6 パルスカウンタ 7 電磁ブレーキ 10 位置制御ループ 11 偏差値算出部 12 P制御部 20 速度制御ループ 21 偏差値算出部 22 PID制御部 23 加算部 24 速度算出部
─────────────────────────────────────────────────────
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(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B65G 1/04 537
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 制御用計算機を具備し、該制御用計算機
からの所定の走行パターンに従った速度指令信号をD/
A変換器でアナログ信号に変換してインバータに送出
し、該インバータは該速度指令に従った電圧・周波数を
走行用誘導電動機に供給してスタッカークレーンの速度
・位置を制御するように構成したスタッカークレーンの
速度・位置制御装置であって、 前記スタッカークレーンの位置を検出する位置検出器を
設け、該位置検出器の出力を前記制御用計算機にフィー
ドバックするように構成し、前記 制御用計算機は前記スタッカークレーンの走行開始
からカム曲線に従う速度パターンで該スタッカークレー
ンの一定時間毎の位置Xcを算出すると共に、前記位置
検出器で検出した検出値と一定時間毎の該検出値の変化
量から該スタッカークレーンの検出位置Xと検出速度V
(dX/dt)を算出し、前記算出した位置Xcと該検
出位置Xとから位置偏差値Xeを求め、該位置偏差値X
eに対する比例制御により速度制御量値Vmを求める位
置制御ループ機能と、該速度制御量値Vmと前記検出速
度Vの偏差Veを求め、該偏差Veに対するPID(比
例・積分・微分)の制御により速度増減指令値Vdを求
め、該速度増減指令値Vdに前記検出速度Vの値を加算
して速度指令値を求める速度制御ループ機能を具備し、前記速度制御ループ機能で求めた速度指令値を前記D/
A変換器でアナログ信号に変換し、前記インバータに送
出する ことを特徴とするスタッカークレーンの速度・位
置制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11365498A JP3388424B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | スタッカークレーンの速度・位置制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11365498A JP3388424B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | スタッカークレーンの速度・位置制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11301815A JPH11301815A (ja) | 1999-11-02 |
JP3388424B2 true JP3388424B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=14617765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11365498A Expired - Fee Related JP3388424B2 (ja) | 1998-04-23 | 1998-04-23 | スタッカークレーンの速度・位置制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3388424B2 (ja) |
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JP5196221B2 (ja) * | 2007-05-16 | 2013-05-15 | 株式会社ダイフク | 自動倉庫設備 |
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DE102019112941A1 (de) * | 2019-05-16 | 2020-11-19 | Lenze Automation Gmbh | Verfahren und Vorrichtung zum Einstellen und/oder Überprüfen eines Regalbediengeräts |
CN118117490B (zh) * | 2024-04-28 | 2024-07-09 | 国网山东省电力公司聊城供电公司 | 一种具备pid智能化控制的配网跨越架线作业装置 |
-
1998
- 1998-04-23 JP JP11365498A patent/JP3388424B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH11301815A (ja) | 1999-11-02 |
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