JP3388001B2 - 電荷蓄積素子、不揮発性メモリ素子及び絶縁ゲート型トランジスタ - Google Patents

電荷蓄積素子、不揮発性メモリ素子及び絶縁ゲート型トランジスタ

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JP3388001B2
JP3388001B2 JP33224493A JP33224493A JP3388001B2 JP 3388001 B2 JP3388001 B2 JP 3388001B2 JP 33224493 A JP33224493 A JP 33224493A JP 33224493 A JP33224493 A JP 33224493A JP 3388001 B2 JP3388001 B2 JP 3388001B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体集積回路に用
いられる絶縁膜に関するものであり、あるいはその絶縁
膜の製造方法に関するものであり、あるいはその絶縁膜
を用いた素子に関するものであり、特に、絶縁膜を用い
た電荷蓄積素子、不揮発性メモリ素子及び絶縁ゲート型
トランジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路は、年々微細化の傾向に
ある。それに伴い絶縁膜も薄膜化の傾向にある。そのた
め、その薄膜化に見合う絶縁耐圧の向上が求められてい
る。また、容量が必要な部分では、薄膜化に伴う絶縁耐
圧の低下を補うために絶縁膜の誘電率を向上する努力が
なされている。
【0003】例えば、初期の頃、DRAMメモリセル等
に用いられるコンデンサの絶縁膜は、SiO2 であっ
た。このコンデンサは、集積回路の集積度が向上するに
従って微細化されその占有面積が縮小していった。しか
し、コンデンサに要求される容量は微細化に無関係に一
定であるため、コンデンサの面積の減少による容量低下
を絶縁膜の薄膜化、高誘電率化によって補う必要があ
る。最近では、これにSi3 4 とSiO2 の積層膜を
用いる。Si3 4 がSiO2 より絶縁耐圧が大きく、
薄膜化が可能で、かつ比誘電率がSiO2 の2倍あるた
めである。また、Siとの密着性も良好であり、電流リ
ークも少なく膜質も緻密で非常によい。
【0004】図15は、Si3 4 とSiO2 の積層膜
を用いたコンデンサの断面図である。図において、10
0A,100BはSi薄膜から形成され、絶縁膜を挟ん
でコンデンサを構成する導体として設けられたSi電
極、101A,101BはSi電極100A,100B
に接して設けられSi電極100A,100Bに挟まれ
たSiO2 絶縁膜、102はSi電極101A,101
Bに挟まれたSi3 4絶縁膜である。
【0005】Si電極100A上に自然酸化膜として存
在するSiO2 膜をSiO2 絶縁膜101Aとして用い
る。このSiO2 絶縁膜101Aの上に、Si3 4
CVD法で成膜してSi3 4 絶縁膜102を形成す
る。そして、Si3 4 絶縁膜102を再酸化してSi
2 絶縁膜101Bを形成する。SiO2 絶縁膜101
B上にシリコンをエピタキシャル成長させたのち不純物
を拡散し、Si電極100Bを形成する。SiO2 絶縁
膜101A,101BについてはSiの熱酸化もしくは
CVD法を用いて蒸着してもよい。この場合でも、最後
に酸素雰囲気中で熱処理が必要である。SiO2 絶縁膜
101AとSi3 4 絶縁膜102、及びSiO2 絶縁
膜101BとSi3 4 絶縁膜102は、必ずしも分離
しておらず、酸素と窒素とが複雑に入り交じっている。
このような膜をONO膜という。また、EEPROMや
FLASHメモリのセルは浮遊ゲートに絶縁膜を介して
ワード線が結合している。この絶縁膜もコンデンサと同
じことを要求される。薄くてかつ高誘電率にすれば浮遊
ゲートの電位を効率よくあげることができる。現在は、
この部分の絶縁膜にONO膜が用いられている。
【0006】MOSトランジスタのゲート酸化膜も低電
圧化と高速化を同時に満たすために薄膜化が必要であ
り、現在Siの熱酸化膜をさらに高温窒化して絶縁耐圧
やホットキャリア耐圧、リーク特性をあげる開発が進ん
でいる。
【0007】Si3 4 が最もよく利用されているの
は、薄くても膜質がよく、絶縁耐圧が大きく、SiやS
iO2 との密着性も良いためであり、また熱膨張係数も
近く製造プロセスにおける温度変化にも耐えられるなど
Siとの相性の良さにも起因している。
【0008】同一の形状で容量等を大きくするために
は、高誘電率絶縁膜を用いる方法がある。高誘電率絶縁
膜を用いると、集積度の向上に関わらず同じ容量を得る
ために膜厚を薄くする割合は小さくなる。しかし、一般
に、高誘電率絶縁膜といわれるものは、膜質が良くない
とかSiとの相性が悪いとかの理由から半導体集積回路
への採用に際しては相当な困難が伴う。例えば、Ta2
5 は電流リークが大きく、SrTiO3 などの高誘電
セラミクスは均一な膜自体難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の絶縁膜は以上の
ように構成されいているので、半導体集積回路の集積度
の向上に伴う絶縁膜の薄膜化によって絶縁破壊の可能性
が大きくなり、ホットキャリアの耐性が悪くなり、また
リーク特性が下がる等の問題点があった。
【0010】また、半導体集積回路の集積度の向上に伴
って電荷蓄積素子の占有面積が小さくなるため、容量を
確保するのが困難になるといった問題点があった。
【0011】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、半導体集積回路に用いられる絶
縁膜の特性を向上することによって、半導体集積装置の
集積度の向上を容易にすることを目的とする。
【0012】また、半導体集積装置等に用いられる電荷
蓄積素子の容量を上げることによって、電荷蓄積素子の
小型化を容易にすることを目的としている。
【0013】また、絶縁ゲート型トランジスタは、ゲー
ト絶縁膜の絶縁耐圧及び誘電率の関係から動作速度を上
げることが困難であるという問題点がある。
【0014】また、トンネル絶縁膜を有するメモリ素子
の不揮発性メモリ素子は、トンネル絶縁膜の耐久性から
書き換え回数が多くできないという問題点がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る電荷蓄
積素子は、酸化シリコンを主体とする層及び窒化シリコ
ンを主体とする層を有し、少なくとも前記酸化シリコン
を主体とする層と前記窒化シリコンを主体とする層との
境界領域にサイアロンが形成されている絶縁膜と、前記
絶縁膜の上下に配置された第1及び第2の導体層とを備
えて構成されている。
【0016】
【0017】第2の発明に係る不揮発性メモリは、ゲー
ト絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたフローテ
ィングゲートと、前記フローティングゲート上に形成さ
れ、酸化シリコンを主体とする層及び窒化シリコンを主
体とする層を有し、少なくとも前記酸化シリコンを主体
とする層と前記窒化シリコンを主体とする層との境界領
域にサイアロンが形成されている絶縁膜と、前記絶縁膜
上に形成されたコントロールゲートとを備えて構成され
ている。
【0018】第3の発明に係る絶縁ゲート型トランジス
タは、シリコン半導体からなるチャネル領域と、前記チ
ャネル領域の上に形成され、サイアロン層を含むシリコ
ン系の絶縁膜からなるゲート絶縁膜とを備えて構成され
ている。
【0019】第4の発明に係る絶縁ゲート型トランジス
タは、第3の発明の絶縁ゲート型トランジスタにおい
て、前記ゲート絶縁膜は、前記チャネル領域上に形成さ
れた酸化シリコン層と、前記酸化シリコン層の上に形成
されたサイアロン層とを備えて構成されている。
【0020】第5の発明に係る不揮発性メモリ素子は、
トンネル電流が流れるトンネル絶縁膜を備える不揮発性
メモリ素子であって、前記トンネル絶縁膜は、サイアロ
ン層を含むことを特徴とする。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】第6の発明に係る電荷蓄積素子は、半導体
集積回路のメモリに用いられる複数の電荷蓄積素子であ
って、少なくともサイアロン単体からなる層を含む絶縁
膜と、前記絶縁膜の上下に配置された第1及び第2の導
体層とを備えて構成されている。
【0028】第7の発明に係る不揮発性メモリ素子は、
半導体集積回路のメモリに用いられる不揮発性メモリ素
子であって、ゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形
成されたフローティングゲートと、前記フローティング
ゲート上に形成され、少なくともサイアロン単体からな
る層を含む絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成されたコント
ロールゲートとを備えて構成されている。
【0029】
【作用】第1の発明における絶縁膜は、少なくとも酸化
シリコンを主体とする層と窒化シリコンを主体とする層
との境界領域にサイアロンが形成されており、サイアロ
ンが酸化シリコン及び窒化シリコンに比べて絶縁性に優
れ、誘電率が高いので電荷蓄積素子の容量を大きくする
ことができる。
【0030】
【0031】第2の発明におけるフローティングゲート
上に形成された絶縁膜は、酸化シリコンを主体とする層
及び窒化シリコンを主体とする層を有し、少なくとも酸
化シリコンを主体とする層と窒化シリコンを主体とする
層との境界領域にサイアロンが形成されているおり、コ
ントロールゲートとフローティングゲートとの間の容量
を大きくして低い電圧でも不揮発性メモリに十分なファ
ウラーノルドハイム電流を得させる。
【0032】第3の発明におけるシリコン半導体からな
るチャネル領域とシリコン系の絶縁膜は、密着性に優
れ、界面準位密度を低くできる。そして、ゲート絶縁膜
がサイアロン層を含むことから、ゲート絶縁膜の絶縁
性、誘電率等が向上するため、トランジスタの高速動作
が可能になる。
【0033】第4の発明における酸化シリコン層はシリ
コン半導体からなるチャネル領域との密着性に優れ、界
面準位密度を低くできる。そして、サイアロン層がゲー
ト絶縁膜の絶縁性、誘電率等を向上させ、トランジスタ
の高速動作を可能にする。
【0034】第5の発明におけるトンネル絶縁膜は、サ
イアロン層を含んでいるため、絶縁耐圧が高く、トンネ
ル電流を流せる回数が増加する。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】第6の発明における電荷蓄積素子は、半導
体集積回路のメモリに用いられ、多数必要となり半導体
集積回路中で大きな面積を占める。電荷蓄積素子を構成
している絶縁膜は少なくともサイアロン単体からなる層
を含むため、電荷蓄積素子の占有面積を小さくすること
ができる。
【0042】第7の発明に係る不揮発性メモリ素子は、
半導体集積回路のメモリに用いられ、多数の素子が必要
となり半導体集積回路中で大きな面積を占める。そし
て、フローティングゲートとコントロールゲートとの間
の絶縁膜は、少なくともサイアロン単体からなる層を含
むため、不揮発性メモリ素子の占有面積を小さくするこ
とができる。
【0043】
【実施例】
<実施例1>以下、この発明の第1実施例を図1を用い
て説明する。図1は、この発明の第1実施例による電荷
蓄積素子の一例としてコンデンサの構成を示す断面図で
ある。図1は、Si3 4 とSiO2 の積層膜を用いた
コンデンサの断面図である。
【0044】図において、1,2は絶縁膜を挟んでコン
デンサを構成する導体として設けられたSi電極、2,
4はSi電極1,2にそれぞれ接して設けられSi電極
1,2に挟まれたSiO2 絶縁膜、3はSi電極2,4
に挟まれたSi3 4 絶縁膜である。ここで、SiO2
絶縁膜2,4及びSi3 4 絶縁膜3はその境界部分で
混ざりあっているため、一般的にはっきりした境界線は
存在しない。また、このONO膜、すなわちSiO2
縁膜2,4及びSi3 4 絶縁膜3は、アルミニウムを
含んでいる。そして、少なくともその境界では、サイア
ロン、すなわちSi3 4 −AlN−Al2 3 系固溶
体が形成されている。
【0045】サイアロンは、Si3 4 と比べて絶縁耐
圧が大きいので、今までのONO膜よりも絶縁膜の薄膜
化が可能となり、電荷蓄積素子の容量が増大する。ある
いは、薄膜化しない場合は、電荷蓄積素子において、従
来以上に絶縁不良マージンを確保できる。さらに、サイ
アロンは、Si3 4 に比べて誘電率が高いため、同一
の形状であっても電荷蓄積量を増加することができる。
【0046】なお、製造方法によって、Si3 4 絶縁
膜3全体をサイアロンとすることも可能である。その場
合にも、上記と同様の効果を奏する。絶縁膜の製造方法
については後述する。
【0047】また、上記のサイアロン層含む絶縁膜は、
サイアロン単体の膜であっても良く、電荷蓄積素子が半
導体集積回路のメモリとして多数用いられている場合、
サイアロン層の絶縁性及び誘電率によってその形状を小
さくでき、集積回路の集積度を著しく向上することがで
きる。
【0048】<実施例2>次に、この発明の第2実施例
を図2を用いて説明する。図2はこの発明の第2実施例
によるMOSトランジスタの構成を示す断面図である。
図2において、6はMOSトランジスタのチャネル領域
を形成するための例えばP型シリコン半導体層、7はP
型シリコン半導体層6表面に形成されドレイン領域とし
て働くN型シリコン半導体領域、8はP型シリコン半導
体層の表面に形成されソース領域として働くN型シリコ
ン半導体領域、9はP型シリコン半導体層6の表面上に
チャネル領域の全てとN型シリコン半導体領域7,8の
一部とを覆うように形成されサイアロン層を含むゲート
絶縁膜、10はゲート絶縁膜9の上に形成されたゲート
電極である。
【0049】ここで、ゲート絶縁膜9は、シリコン半導
体層6の表面上に界面準位密度を小さくするように、後
述する製造方法によってシリコン半導体層6上のシリコ
ン酸化膜を用いるなどして形成される。この様に形成す
るのは、MOSトランジスタの動作特性を良くするため
である。
【0050】半導体集積回路の集積度が向上するにとも
なって、MOSトランジスタも微細化される傾向にあ
る。例えば、0.1μmクラスのMOSトランジスタの
場合、従来のSiO2 絶縁膜をゲートに用いたトランジ
スタは、S/D耐圧やホットキャリアその他の制約から
電源電圧を上げることができない。また、しきい値電圧
VTHもパンチスルーとサブスレッショルドリークのため
下げることができない。ところが、サイアロン層を含む
絶縁膜を用いると、ゲート絶縁膜の薄膜化が可能にな
り、しきい値電圧VTHを下げることができる。また、サ
イアロン層の誘電率が高いので、しきい値電圧VTHを低
くしなくともキャリアノードをあまり下げずにすむ。
【0051】サブスレッショルド係数を小さくしてゲー
トスイングを大きくすることも素子動作の高速化に寄与
する。これはゲート容量を大きくする方向、つまり誘電
率が高い方が有利である。また、ゲート絶縁膜の誘電率
を大きくすると基板効果も低減できる。さらに、ゲート
絶縁膜の絶縁耐圧を高くできるのであれば、必要なトラ
ンジスタだけ絶縁耐圧を持たせてブーストして使用する
ことも可能となる。
【0052】以上のように、このMOSトランジスタは
ゲート絶縁膜9にサイアロン層を含んでいるので、絶縁
耐圧やリーク特性及び誘電率が改善され、駆動電流が大
きくなりその動作の高速化などが可能になる。
【0053】<実施例3>次に、この発明の第3実施例
による絶縁膜の製造方法について図3を用いて説明す
る。図3はこの発明の第3実施例による絶縁膜の製造方
法を示す工程図である。製造手順に従って記号(a)〜
(c)を付してある。図3(a)は製造途中の絶縁膜の
状態を示す断面図である。図3の(a)において、11
は導体として働くポリシリコン、12はポリシリコン1
1上に形成された酸化シリコンを主体とするシリコン酸
化膜、13はシリコン酸化膜12上に形成された窒化シ
リコンを主体とするシリコン窒化膜である。例えば、半
導体集積回路のコンデンサを作成する場合、半導体基板
上に、減圧CVD法によってポリシリコンを作成し、そ
の表面を酸化した後、表面にCVD法により窒化シリコ
ンを堆積することで図3の(a)の状態になる。
【0054】a1は、真空中でアルミニウムの形成を行
う工程である。アルミニウムの形成方法としてスパッタ
法を用いる場合には、例えば圧力10mtorrのアルゴン
Ar雰囲気中で、好ましくはRFスパッタ法を用いて行
う。RFスパッタ法を用いるのは、蒸着速度を小さくす
る方が望ましいためである。また、CVD法を用いる場
合には、例えば塩化アルミニウム(AlCl3 )または
臭化アルミニウム(AlBr3 )を用いて、その分解温
度以上で行う。アルミニウムを蒸着する際、基板の温度
をアルミニウムが拡散し得る温度、例えば摂氏600度
に保って行うと、アルミニウムの拡散が容易に行える。
【0055】図3の(b)は、工程a1によってできた
膜を示す断面図である。図3の(b)において、14は
図3(a)に示したシリコン窒化膜13の上に蒸着され
たアルミニウムである。ここでは、分かりやすいよう
に、シリコン窒化膜13とアルミニウム14との境界を
はっきり描いたが、基板温度を上げるなどした場合には
蒸着と拡散とが同時に進行しその境界が不明瞭な場合が
ある。
【0056】b1は、アルミニウムを形成した後、拡散
炉あるいはランプアニールで、真空状態を保ったままほ
ぼ摂氏600から1000度の温度でシンターを行う工
程である。この工程はデバイスの耐えられる温度で行わ
なければならず、摂氏800度以下であれば20から3
0分程度のシンターが可能である。なお、摂氏1000
度でシンターを行う場合には、短時間のうちにシンター
を終了しなければならないのでランプアニールが好まし
い。また、真空状態を保つのは酸化アルミニウムを表面
に形成しないためであるが、シンターの回数は複数回で
も良く、その後外気にふれる状態で再度シンターを行っ
ても良い。また、アルミニウムが拡散するまでは真空中
が望ましいが、アルミニウムが入り込んでしまえば窒素
(N2 )を入れた方がよい。高温真空中では、酸素や窒
素が抜けてしまうからである。高温ではすぐにアルミニ
ウムが入り込んでくれるが、Siサイト置換(サイアロ
ン化)にはかなり時間と温度を要する。
【0057】図3の(c)は、工程b1によってできた
膜を示す断面図である。図3の(c)において、15は
図3(b)で示したシリコン酸化膜12とシリコン窒化
膜13とアルミニウム14とから形成された、サイアロ
ン層を含む絶縁膜である。形成された絶縁膜15は、シ
リコン酸化膜12とシリコン窒化膜13との境界面付近
で、拡散されたアルミニウムとその付近にある酸素及び
窒素とを使ってその境界面付近にサイアロン層が形成さ
れる。しかし、絶縁膜15全体がサイアロン層(Si−
Al−O−N)のみで形成されるか、絶縁膜15の最下
層に酸化シリコンを主体とする層が残り、また表面に窒
化シリコンを主体とする層が残るかは、製造条件によ
る。この絶縁膜15は、従来のON膜にアルミニウムが
添加されたものとなる。この様な膜は、従来のON膜よ
りも誘電率や絶縁耐圧などの特性が良く、そして、従来
のON膜と同様にプロセス上の障害が少ないという特性
を有している。
【0058】そして、絶縁膜15の上に、さらに、ポリ
シリコンやアルミニウムなどの導電体層を形成すれば、
コンデンサが形成できる。
【0059】<実施例4>次に、この発明の第4実施例
による絶縁膜の製造方法について図4を用いて説明す
る。図4はこの発明の第4実施例による絶縁膜の製造方
法を示す工程図である。製造手順に従って記号(a)〜
(c)を付してある。図4(a)は製造途中の絶縁膜の
状態を示す断面図である。図4の(a)において、11
は第3実施例で示したのと同じポリシリコン、16はポ
リシリコン11上に形成された窒化シリコンを主体とす
るシリコン窒化膜、17はシリコン窒化膜16上に形成
された酸化シリコンを主体とするシリコン酸化膜であ
る。例えば、半導体集積回路のコンデンサを作成する場
合、半導体基板上に、減圧CVD法によってポリシリコ
ンを作成し、その表面の自然酸化膜を除去した後、ポリ
シリコン表面を窒化してシリコン窒化膜を形成し、シリ
コン窒化膜の表面を最酸化する化またはCVD法によっ
て表面にシリコン酸化膜を形成することで図4の(a)
の状態になる。
【0060】a2はアルミニウムの蒸着を行う工程であ
る。アルミニウム18の形成を行う方法は、前記の実施
例と同様である。
【0061】図4の(b)において、18は図4(a)
にも示したシリコン酸化膜17の上に蒸着されたアルミ
ニウムである。ここでも、分かりやすいように、シリコ
ン酸化膜17とアルミニウム18との境界をはっきり描
いたが、基板温度を上げる(例えば摂氏600度にす
る。)などした場合には蒸着と拡散とが同時に進行しそ
の境界が不明瞭な場合がある。
【0062】b2はアルミニウムを形成した後、シンタ
ーを行う工程であり、第3実施例の工程b1と同じ工程
である。
【0063】図4の(c)において、19は、図4
(a)で示したシリコン窒化膜16とシリコン酸化膜1
7とアルミニウム18とから形成された、サイアロン層
を含む絶縁膜である。形成された絶縁膜19は、シリコ
ン窒化膜16とシリコン酸化膜17との境界面付近に、
拡散されたアルミニウムとその付近にある酸素及び窒素
とを使ってサイアロン層が形成される。しかし、絶縁膜
19全体がサイアロン層(Si−Al−O−N)のみで
形成されるか、絶縁膜19の最下層に窒化シリコンを主
体とする層が残り、また表面に酸化シリコンを主体とす
る層が残るかは、製造条件による。この絶縁膜19は、
従来のON膜にアルミニウムが添加されたものとなる。
この様な膜は、従来のON膜よりも誘電率や絶縁耐圧な
どの特性が良く、そして、従来のON膜と同様にプロセ
ス上の障害が少ないという特性を有している。
【0064】そして、絶縁膜19の上に、さらに、ポリ
シリコンやアルミニウムなどの導電体層を形成すれば、
コンデンサが形成できる。
【0065】<実施例5>次に、この発明の第5実施例
を図5を用いて説明する。図5はこの発明の第5実施例
による絶縁膜の製造方法を示す工程図である。製造手順
に従って記号(a)〜(c)を付してある。図5(a)
は製造途中の絶縁膜の状態を示す断面図である。図5の
(a)において、11から13は、それぞれ第3実施例
と同様のポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化
膜である。そして、第3実施例と同様に図5の(a)に
示した状態を準備することができる。
【0066】a3は、アルミニウム形成の工程であり、
この工程も第3実施例の工程a1と同様に行える。
【0067】図5の(b)において、14は図3(b)
に示したと同様のアルミニウムである。
【0068】b3はアルミニウム14を形成した後、い
ったん真空状態を破壊することなく、酸素やオゾンやN
2 Oを導入して酸化、及びアンモニアを導入して窒化す
るとともに、例えば摂氏800度の温度でシンターを行
う工程である。シンターは、拡散炉あるいはランプアニ
ールで摂氏600から1000度の温度で行われる。摂
氏1000度では短時間で処理を終わらないと行けない
ためランプアニールでなければならないが、摂氏800
度ならば20から30分ほどは可能でランプアニールま
たは拡散炉のいずれも用いることができる。
【0069】図5の(c)において、21は、図5
(b)に示したシリコン酸化膜12とシリコン窒化膜1
3とアルミニウム14とから形成され、サイアロン層を
含む絶縁膜である。形成された絶縁膜21は、シリコン
酸化膜12とシリコン窒化膜13との境界面付近で、拡
散されたアルミニウムとその付近にある酸素及び窒素と
を使ってサイアロン層が形成される。場合によっては、
絶縁膜21の表面においてもサイアロン層が形成され
る。しかし、絶縁膜21全体がサイアロン層(Si−A
l−O−N)のみで形成されるか、絶縁膜21の最下層
に酸化シリコンを主体とする層が残り、また窒化シリコ
ンを主体とする層が残るかは、製造条件による。この絶
縁膜21は、従来のON膜にアルミニウムが添加された
ものとなる。この様な膜は、従来のON膜よりも誘電率
や絶縁耐圧などの特性が良く、従来のON膜と同様にプ
ロセス上の障害が少ないという特性を有している。
【0070】そして、絶縁膜21の上に、さらに、ポリ
シリコンやアルミニウムなどの導電体層を形成すれば、
コンデンサが形成できる。
【0071】なお、工程b3において、酸化と窒化とを
同時に行う場合、酸化と窒化とを交互に行う場合があ
る。また、工程b3において、酸化と窒化の程度は任意
であって、極端な例として酸化のみ、窒化のみの場合も
有り得る。
【0072】また、工程b3において、シンターと酸化
及び窒化とを同時に行ってもよく、別々に行ってもよ
い。
【0073】<実施例6>次に、この発明の第6実施例
を図6を用いて説明する。図6はこの発明の第6実施例
による絶縁膜の製造方法を示す工程図である。製造手順
に従って記号(a)〜(c)を付してある。図6(a)
は製造途中の絶縁膜の状態を示す断面図である。図6の
(a)において、11から17は、それぞれ第4実施例
と同様のポリシリコン、シリコン窒化膜、シリコン酸化
膜である。そして、第4実施例と同様に図6の(a)に
示した状態を準備することができる。
【0074】a4は、アルミニウム形成の工程であり、
この工程も第4実施例の工程a2と同様に行える。
【0075】図6の(b)において、18は図4(a)
に示したと同様のアルミニウムである。
【0076】b4は、第5実施例の工程b3と同様の工
程で、アルミニウム18を形成した後、いったん真空状
態を破壊することなく、酸素やオゾンやN2 Oを導入し
て酸化、及びアンモニアを導入して窒化するとともに、
ほぼ摂氏800度以下の温度でシンターを行う工程であ
る。
【0077】図6の(c)において、22は、図6
(b)に示したシリコン窒化膜16とシリコン酸化膜1
7とアルミニウム18とから形成された、サイアロン層
を含む絶縁膜である。形成された絶縁膜22は、シリコ
ン窒化膜16とシリコン酸化膜17との境界面付近で、
拡散されたアルミニウムとその付近にある酸素及び窒素
とを使ってサイアロン層が形成される。場合によっては
絶縁膜22の表面においてもサイアロン層が形成され
る。しかし、絶縁膜22全体がサイアロン層(Si−A
l−O−N)のみで形成されるか、絶縁膜22の最下層
に酸化シリコンを主体とする層が残り、また窒化シリコ
ンを主体とする層が残るかは、製造条件による。この絶
縁膜22は、従来のON膜にアルミニウムが添加された
ものとなる。この様な膜は、従来のON膜よりも誘電率
や絶縁耐圧などの特性が良く、従来のON膜と同様にプ
ロセス上の障害が少ないという特性を有している。
【0078】そして、絶縁膜22の上に、さらに、ポリ
シリコンやアルミニウムなどの導電体層を形成すれば、
コンデンサが形成できる。
【0079】なお、工程b4において、酸化と窒化とを
同時に行う場合、酸化と窒化とを交互に行う場合があ
る。また、工程b4において、酸化と窒化の程度は任意
であって、極端な例として酸化のみ、窒化のみの場合も
有り得る。
【0080】また、工程b4において、シンターと酸化
及び窒化とを同時に行ってもよく、別々に行ってもよ
い。
【0081】<実施例7>次に、この発明の第7実施例
を図7を用いて説明する。図7はこの発明の第7実施例
による絶縁膜の製造方法を示す工程図である。製造手順
に従って記号(a)〜(c)を付してある。図7(a)
は製造途中の絶縁膜の状態を示す断面図である。図7の
(a)において、11から13は、それぞれ第3実施例
と同様のポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化
膜である。そして、25は、シリコン酸化膜である。表
面にCVD法により窒化シリコンを堆積することで図3
の(a)の状態になる。そして、さらにシリコン窒化膜
13を酸化することによって、図7(a)に示した状態
を準備することができる。
【0082】a5は、アルミニウム形成の工程であり、
この工程も第3実施例の工程a1と同様に行える。
【0083】図7の(b)において、14は図3(b)
に示したと同様のアルミニウムである。
【0084】b5は、第5実施例の工程b3と同様の工
程で、アルミニウム14を形成した後、いったん真空状
態を破壊することなく、酸素やオゾンやN2 Oを導入し
て酸化、及びアンモニアを導入して窒化するとともに、
例えば摂氏800度の温度でシンターを行う工程であ
る。
【0085】図7の(c)において、26は、図7
(b)に示したシリコン酸化膜12,25とシリコン窒
化膜13とアルミニウム14とから形成され、サイアロ
ン層を含む絶縁膜である。形成された絶縁膜26は、シ
リコン酸化膜12,25とシリコン窒化膜13との境界
面付近で、拡散されたアルミニウムとその付近にある酸
素及び窒素とを使ってサイアロン層が形成される。場合
によっては、絶縁膜26の表面及びシリコン窒化膜の中
心付近でもサイアロン層が形成される。しかし、絶縁膜
26全体がサイアロン層(Si−Al−O−N)のみで
形成されるか、絶縁膜26の最下層等に酸化シリコンを
主体とする層が残り、また窒化シリコンを主体とする層
が残るかは、製造条件による。この絶縁膜26は、従来
のONO膜にアルミニウムが添加されたものとなる。こ
の様な膜は、従来のONO膜よりも誘電率や絶縁耐圧な
どの特性が良く、従来のONO膜と同様にプロセス上の
障害が少ないという特性を有している。サイアロン単体
の絶縁膜であっても誘電率や絶縁耐圧等の特性が向上す
る。
【0086】そして、絶縁膜26の上に、さらに、ポリ
シリコンやアルミニウムなどの導電体層を形成すれば、
コンデンサが形成できる。
【0087】なお、工程b5において、酸化と窒化とを
同時に行う場合、酸化と窒化とを交互に行う場合があ
る。また、工程b5において、酸化と窒化の程度は任意
であって、極端な例として酸化のみ、窒化のみの場合も
有り得る。
【0088】また、工程b5において、シンターと酸化
及び窒化とを同時に行ってもよく、別々に行ってもよ
い。
【0089】また、工程b5において、シンターのみを
行って、酸化及び窒化処理を省略することも可能であ
る。
【0090】<実施例8>次に、この発明の第8実施例
を図8を用いて説明する。図8はこの発明の第8実施例
による絶縁膜の製造方法を示す工程図である。製造手順
に従って記号(a)〜(c)を付してある。図8(a)
は製造途中の絶縁膜の状態を示す断面図である。図8の
(a)において、11から17は、それぞれ第4実施例
と同様のポリシリコン、シリコン窒化膜、シリコン酸化
膜である。例えば、半導体集積回路のコンデンサを作成
する場合、半導体基板上に、減圧CVD法によってポリ
シリコンを作成し、その表面の自然酸化膜を除去した
後、ポリシリコン表面を窒化してシリコン窒化膜を形成
し、シリコン窒化膜の表面を最酸化する化またはCVD
法によって表面にシリコン酸化膜を形成することで図4
の(a)の状態になる。さらに、シリコン窒化膜の表面
を酸化することによって図8の(a)に示した状態を準
備することができる。
【0091】a6は、アルミニウム形成の工程であり、
この工程も第4実施例の工程a2と同様に行える。
【0092】図8の(b)において、18は図4(a)
に示したと同様のアルミニウムである。
【0093】b6は、第5実施例の工程b3と同様の工
程で、アルミニウム18を形成した後、いったん真空状
態を破壊することなく、酸素やオゾンやN2 Oを導入し
て酸化、及びアンモニアを導入して窒化するとともに、
例えば摂氏800度の温度でシンターを行う工程であ
る。
【0094】図8の(c)において、28は、図8
(b)に示したシリコン窒化膜16,27とシリコン酸
化膜17とアルミニウム18とから形成された、サイア
ロン層を含む絶縁膜である。形成された絶縁膜28は、
シリコン窒化膜16,27とシリコン酸化膜17との境
界面付近で、拡散されたアルミニウムとその付近にある
酸素及び窒素とを使ってサイアロン層が形成される。場
合によっては絶縁膜28の表面においてもサイアロン層
が形成される。しかし、絶縁膜28全体がサイアロン層
(Si−Al−O−N)のみで形成されるか、絶縁膜2
8の最下層等に酸化シリコンを主体とする層が残り、ま
た窒化シリコンを主体とする層が残るかは、製造条件に
よる。この絶縁膜28は、従来のON膜にアルミニウム
が添加されたものとなる。この様な膜は、従来のON膜
よりも誘電率や絶縁耐圧などの特性が良く、従来のON
膜と同様にプロセス上の障害が少ないという特性を有し
ている。サイアロン単体の絶縁膜であっても誘電率や絶
縁耐圧等の特性が向上する。
【0095】そして、絶縁膜28の上に、さらに、ポリ
シリコンやアルミニウムなどの導電体層を形成すれば、
コンデンサが形成できる。
【0096】なお、工程b6において、酸化と窒化とを
同時に行う場合、酸化と窒化とを交互に行う場合があ
る。また、工程b6において、酸化と窒化の程度は任意
であって、極端な例として酸化のみ、窒化のみの場合も
有り得る。
【0097】また、工程b6において、シンターと酸化
及び窒化とを同時に行ってもよく、別々に行ってもよ
い。
【0098】また、工程b6において、シンターのみを
行って、酸化及び窒化処理を省略することも可能であ
る。
【0099】<実施例9>次に、この発明の第9実施例
を図9を用いて説明する。図9はこの発明の第9実施例
による絶縁膜の製造方法を示す工程図である。製造手順
に従って記号(a)〜(d)を付してある。図9(a)
は製造途中の絶縁膜の状態を示す断面図である。図9の
(a)において、11は導体として働くポリシリコン、
31はポリシリコン11上に形成された酸化シリコンを
主体とするシリコン酸化膜(SiO2 )である。例え
ば、半導体集積回路のコンデンサを作成する場合、半導
体基板上に、減圧CVD法によってポリシリコンを作成
し、その表面を酸化するなどして図9の(a)の状況に
することができる。
【0100】a7は、アルミニウム形成の工程であり、
この工程も第3実施例の工程a1と同様に行える。
【0101】図9の(b)において、32はシリコン酸
化膜31の上に蒸着されたアルミニウムである。ここで
は、分かりやすいように、酸化シリコンを含む膜31と
アルミニウム32との境界をはっきり描いたが、基板温
度を上げるなどした場合には蒸着と拡散とが同時に進行
しその境界が不明瞭な場合がある。
【0102】b7は、第3実施例の工程b1と同様の工
程で、アルミニウムを形成した後、真空状態を保ったま
ま、例えば摂氏600〜700度の温度でシンターを行
う工程である。
【0103】図9の(c)において、33は、工程b7
によってシリコン酸化膜31とアルミニウム32とから
形成された、アルミニウムが拡散された酸化シリコンを
主体とする絶縁膜である。
【0104】c7は、いったん真空状態を破壊すること
なく、酸素やオゾンやN2 Oを導入して、及びアンモニ
アを導入して、例えば拡散炉を用い摂氏800度以下の
温度で、酸化及び窒化処理を行う工程である。
【0105】図9の(d)において、34は工程c7に
よって図9(c)に示した絶縁膜を酸化及び窒化され形
成された絶縁膜である。形成された絶縁膜34は、シリ
コン酸化膜31の表面付近に拡散されたアルミニウムと
表面から供給される窒素とでその表面付近にサイアロン
層が形成される。しかし、絶縁膜34全体がサイアロン
層(Si−Al−O−N)のみで形成されるか、絶縁膜
34の最下層に酸化シリコンの層が残り、また表面に酸
化アルミニウムの層が残るかは、製造条件による。絶縁
膜34の最下層まで窒素が供給さない場合、従来のON
膜にアルミニウムが添加されたものとなる。この様な膜
は、従来のON膜よりも誘電率や絶縁耐圧などの特性が
良く、そして、従来のON膜と同様にプロセス上の障害
が少ないという特性を有している。サイアロン単体の絶
縁膜であっても誘電率や絶縁耐圧等の特性が向上する。
【0106】そして、絶縁膜34の上に、さらに、ポリ
シリコンやアルミニウムなどの導電体層を形成すれば、
コンデンサが形成できる。
【0107】なお、上記実施例では、ポリシリコン11
の上に酸化シリコンを主体とする膜31を用いたが、こ
の膜に代えて窒化シリコンを主体とする膜を形成しても
良く、そのシリコン窒化膜の表面付近にサイアロン層を
形成することができる。
【0108】また、工程c7において、酸化と窒化とを
同時に行う場合、酸化と窒化とを交互に行う場合があ
る。また、工程c7において、酸化と窒化の程度は任意
であって、極端な例として酸化のみ、窒化のみの場合も
有り得る。
【0109】また、上記実施例では、シンターの工程b
7と酸化及び窒化処理の工程c7とを別々に行った例を
示したが、工程b7と工程c7とを同時に行うことも可
能である。
【0110】<実施例10>次に、この発明の第10実
施例を図10を用いて説明する。図10はこの発明の第
10実施例による絶縁膜の製造方法を示す工程図であ
る。製造手順に従って記号(a)〜(c)あるいは
(a)〜(e)を付してある。図10(a)は製造途中
の絶縁膜の状態を示す断面図である。図10の(a)に
おいて、11は導体として働くポリシリコン、35はポ
リシリコン11上に形成された酸化シリコンを主体とす
るシリコン酸化膜(SiO2 )である。例えば、半導体
集積回路のコンデンサを作成する場合、半導体基板上
に、減圧CVD法によってポリシリコンを作成し、その
表面を酸化するなどして図10の(a)の状況にするこ
とができる。
【0111】a8,a9は、サイアロン膜の蒸着工程で
ある。サイアロンをCVD法やスパッタ法を用いて蒸着
する。a8とa9とが異なる点は、蒸着の際の基板温度
等が異なり、サイアロン膜とシリコン酸化膜との結合状
態が異なっている点である。
【0112】図10(b)は、工程a8によってできた
膜の構造を示す断面図である。図10(d)は、工程a
9によってできた膜の構造を示す断面図である。図10
の(b)及び(d)において、36は工程a8によって
蒸着されたサイアロン膜である。シリコン酸化膜35と
サイアロン膜36との境界は、基板温度を上げるなどし
た場合には不明瞭になる場合がある。そして、必要があ
れば熱処理を行う。サイアロン膜の蒸着方法については
信学技報 TECHNICAL REPORT OF IEICE.EID92-103 (199
3-01)P.37 「H2 Sを用いたMSD法により作製した蛍
光膜を使用したSrS:CeCl青色発光EL素子の作
製」等に記載がある。
【0113】b8は、サイアロン膜36の上に導体を形
成する工程である。導体としては、アルミニウムやポリ
シリコンがある。これらは従来からある一般的な方法で
形成することができる。
【0114】図10(c)は、図10(b)の膜に工程
b8を適用してできたコンデンサの構造を示す断面図で
ある。図10(d)は、図10(d)の膜に工程b8を
適用してできたコンデンサの構造を示す断面図である。
図10(c)及び図10(e)において、38が工程b
8によって形成された導電体層である。
【0115】この様な膜35,36からなる絶縁膜は、
従来のON膜よりも誘電率や絶縁耐圧などの特性が良
く、そして、従来のON膜と同様にプロセス上の障害が
少ないという特性を有している。従って、コンデンサの
占有面積をあまり変えずにコンデンサの容量を大きくす
ることができる。
【0116】なお、上記実施例では、ポリシリコン11
の上に酸化シリコンを主体とする膜35を用いたが、こ
の膜に代えて窒化シリコンを主体とする膜を形成しても
良い。
【0117】<実施例11>次に、この発明の第11実
施例を図11を用いて説明する。図11はこの発明の第
11実施例による絶縁膜の製造方法を示す工程図であ
る。製造手順に従って記号(a)〜(d)を付してあ
る。図11(a)は製造途中の絶縁膜の状態を示す断面
図である。図11の(a)において、11は導体として
働くポリシリコン、35はポリシリコン11上に形成さ
れた酸化シリコンを主体とするシリコン酸化膜(SiO
2 )である。例えば、半導体集積回路のコンデンサを作
成する場合、半導体基板上に、減圧CVD法によってポ
リシリコンを作成し、その表面を酸化するなどして図1
1の(a)の状況にすることができる。
【0118】a10は、サイアロン膜の蒸着工程であ
る。サイアロンをCVD法やスパッタ法を用いて蒸着す
る。また、必要に応じて熱処理を行う。
【0119】図11(b)は、工程a10によってでき
た膜の構造を示す断面図である。図11(b)におい
て、36は工程a8によって蒸着されたサイアロン膜で
ある。シリコン酸化膜35とサイアロン膜36との境界
は、基板温度を上げるなどした場合には不明瞭になる場
合がある。
【0120】b10は、工程b7と同様の工程でサイア
ロン膜36を形成した後、いったん真空状態を破壊する
ことなく、例えば拡散炉を用いて摂氏800度で、酸素
やオゾンやN2 Oを導入して酸化、及びアンモニアを導
入して窒化する工程である。
【0121】図11(c)は、図11(b)の膜に工程
b10を適用してできた絶縁膜の構造を示す断面図であ
る。図11(c)において、37が工程b10によって
形成された絶縁膜である。
【0122】工程b10において、酸化と窒化とを同時
に行う場合、酸化と窒化とを交互に行う場合がある。ま
た、工程b10において、酸化と窒化の程度は任意であ
って、極端な例として酸化のみ、窒化のみの場合も有り
得る。例えば、工程b10において酸化処理のみが行わ
れた場合、絶縁膜37において、37a,37cの部分
が酸素の含有量が37bの部分に比べて多くなる。
【0123】c10は、サイアロン膜36の上に導体を
形成する工程である。導体としては、アルミニウムやポ
リシリコンがある。これらは従来からある一般的な方法
で形成することができる。
【0124】図11(d)は、図11(c)の膜に工程
c10を適用してできたコンデンサの構造を示す断面図
である。図11(d)において、38が工程b10によ
って形成された導電体層である。
【0125】この様な絶縁膜37は、従来のON膜より
も誘電率や絶縁耐圧などの特性が良く、そして、従来の
ON膜と同様にプロセス上の障害が少ないという特性を
有している。従って、コンデンサの占有面積をあまり変
えずにコンデンサの容量を大きくすることができる。
【0126】なお、上記実施例では、ポリシリコン11
の上に酸化シリコンを主体とする膜35を用いたが、こ
の膜に代えて窒化シリコンを主体とする膜を形成しても
良く、そのシリコン窒化膜の表面付近にサイアロン層を
形成することができる。
【0127】<実施例12>次に、この発明の第12実
施例を図12を用いて説明する。図12はこの発明の第
12実施例による絶縁膜の製造方法を示す工程図であ
る。製造手順に従って記号(a)〜(f)を付してあ
る。図12(a)は製造途中の絶縁膜の状態を示す断面
図である。図12の(a)において、11は導体として
働くポリシリコン、39はポリシリコン11上に発生し
ている自然酸化膜(SiO2 )である。a11はシリコ
ン酸化膜を除去する工程である。除去の方法として、H
F処理もしくはBHF処理を行う。図12(b)は、工
程a11によってできた膜の構造を示す断面図であり、
ポリシリコン11の表面の自然酸化膜が除去された状態
を示している。
【0128】b11は、窒化シリコン膜の形成工程であ
る。ランプ窒化によってポリシリコン11の表面を窒化
する。図12(c)は、工程b11によってできた膜の
構造を示す断面図であり、40は工程b11によって形
成されたシリコン窒化膜である。
【0129】c11は、サイアロン膜の蒸着工程であ
る。サイアロンをCVD法やスパッタ法を用いて蒸着す
る。
【0130】図12(d)は、工程c11によってでき
た膜の構造を示す断面図である。図12(d)におい
て、41は工程c11によって蒸着されたサイアロン膜
である。シリコン窒化膜40とサイアロン膜41との境
界は、基板温度を上げるなどした場合には不明瞭になる
場合がある。
【0131】d11は、工程b7と同様の工程で、サイ
アロン膜41を形成した後、いったん真空状態を破壊す
ることなく、酸素やオゾンやN2 Oを導入して酸化、及
びアンモニアを導入して窒化する工程である。
【0132】図12(e)は、図12(d)の膜に工程
d11を適用してできた絶縁膜の構造を示す断面図であ
る。図12(e)において、42が工程d11によって
形成された絶縁膜である。
【0133】工程d11において、酸化と窒化とを同時
に行う場合、酸化と窒化とを交互に行う場合がある。ま
た、工程d11において、酸化と窒化の程度は任意であ
って、極端な例として酸化のみ、窒化のみの場合も有り
得る。例えば、工程d11において窒化処理のみが行わ
れた場合、絶縁膜42において、42a,42cの部分
が窒素の含有量が42bの部分に比べて多くなる。
【0134】e11は、絶縁膜42の上に導体を形成す
る工程である。導体としては、アルミニウムやポリシリ
コンがある。これらは従来からある一般的な方法で形成
することができる。
【0135】図12(f)は、図12(e)の膜に工程
e11を適用してできたコンデンサの構造を示す断面図
である。図12(f)において、38が工程e11によ
って形成された導電体層である。
【0136】この様な絶縁膜42は、従来のON膜より
も誘電率や絶縁耐圧などの特性が良く、そして、従来の
ON膜と同様にプロセス上の障害が少ないという特性を
有している。従って、コンデンサの占有面積をあまり変
えずにコンデンサの容量を大きくすることができる。
【0137】なお、絶縁膜の製造方法に関する上記各実
施例において、アルミニウムを拡散するためにアルミニ
ウムの蒸着を行ったものがあるが、この場合にアルミニ
ウムに変えて酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム
であっても良い。ただし、酸化アルミニウムまたは窒化
アルミニウムはアルミニウム単体の場合に比べて拡散し
にくいという欠点がある。
【0138】また、上記第11及び第12実施例では、
シリコン窒化膜またはシリコン酸化膜の上にサイアロン
を蒸着したが、シリコン半導体層の上に直接サイアロン
を蒸着して、そのサイアロンを再酸化または再窒化して
も良い。
【0139】また、上記各実施例でアルミニウムを拡散
する場合、アルミニウムを蒸着する手法を示したものが
あったが、アルミニウムイオンをイオン注入する方法を
用いても良く、上記実施例と同様の効果を奏する。
【0140】<実施例13>次に、この発明の第13実
施例を図13を用いて説明する。図13はこの発明の第
13実施例によるゲート絶縁膜を有するMOSトランジ
スタの製造方法を示す工程図である。製造手順に従って
記号(a)〜(f)を付してある。図13(a)はトラ
ンジスタの製造に用いられる半導体基板を示す断面図で
ある。図13(a)において、50はシリコン半導体基
板、51は、上記各実施例で用いたポリシリコン11に
代えてシリコン半導体基板50を酸化して得られるシリ
コン酸化膜または窒化して得られるシリコン窒化膜を用
いて、前述した第3実施例から第12実施例の絶縁膜製
造方法を適用して得られる絶縁膜である。
【0141】絶縁膜51は、シリコン半導体基板50と
の界面準位密度を小さくできるように形成できる。従っ
て、特性の良いトランジスタを得ることができる。
【0142】a12は、ゲート電極を形成するためのポ
リシリコンを堆積する工程である。そして、図13
(b)は、工程a12によってできた膜の構造を示す断
面図であり、シリコン半導体基板50の表面の絶縁膜5
1上にポリシリコン52が堆積された状態を示してい
る。
【0143】b12は、ゲート電極及びゲート絶縁膜を
形成するためのエッチング工程である。ゲート電極及び
ゲート絶縁膜のエッチングはポリシリコンからなるゲー
ト電極及びシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜を有す
る従来のトランジスタのエッチングと同様に行うことが
できる。そして、図13(c)は、工程b12によって
できたゲート絶縁膜及びゲート電極の構造を示す断面図
であり、シリコン半導体基板50上の絶縁膜51及びポ
リシリコン52がエッチングされた状態を示している。
【0144】c12は、LDD−typeのトランジス
タを形成するためのイオン注入を行う工程である。ドー
プ領域はゲート電極をマスクとしてセルフアラインメン
ト的に形成される。そして、図13(d)は、工程c1
2によってできた浅いドープ領域の構造を示す断面図で
あり、シリコン半導体基板50にドープ領域53が形成
された状態を示している。
【0145】d12は、酸化膜の蒸着と全面異方性エッ
チングとからなるサイドウォール形成工程である。図1
3(e)は、工程d12によってできたサイドウォール
の構造を示す断面図であり、シリコン半導体基板50に
ゲート電極52aの絶縁をするためにゲート電極52a
を囲むようにサイドウォール54が形成された状態を示
している。
【0146】e12は、ソース及びドレイン領域を形成
するためのイオン注入工程であるソース及びドレイン
領域はサイドウォールをマスクとしてセルフアラインメ
ント的に形成される。そして、図13(f)は、工程e
12によってできたソース及びドレイン領域の構造を示
す断面図であり、シリコン半導体基板50にソース及び
ドレイン領域53aが形成された状態を示している。
【0147】そして、その後、図13(f)に示した素
子をシンターして活性化することによりMOSトランジ
スタが完成する。
【0148】例えば、アルミニウムの拡散は、サイアロ
ン形成中、ソース・ドレインシンター中、及び後工程に
おける熱処理中に起こり得る。アルミニウムはホウ素
(B)と同じ3価の元素であり、Siに対してp型ドー
パントとして働く。そのことを考慮して設計を行うこと
で良いトランジスタ特性を得ることができる。
【0149】<実施例14>次に、この発明の第14実
施例を図14を用いて説明する。図14はこの発明の第
14実施例によるゲート絶縁膜を有する不揮発性メモリ
の製造方法を示す工程図である。図14(a)はトラン
ジスタの製造に用いられる半導体基板を示す断面図であ
る。図14(a)において、50はシリコン半導体基
板、55は、上記各実施例で用いたポリシリコン11に
代えてシリコン半導体基板50を酸化して得られるシリ
コン酸化膜または窒化して得られるシリコン窒化膜を用
いて、前述した第3実施例から第12実施例の絶縁膜製
造方法を適用して得られるトンネル絶縁膜である。ま
た、56及び58はポリシリコン膜、57はON膜ある
いはONO膜で構成された絶縁膜である。
【0150】トンネル絶縁膜55は、シリコン半導体基
板50との界面準位密度を小さくできるように形成でき
る。従って、特性の良いトランジスタを得ることができ
る。さらに、トンネル絶縁膜を通過する総電荷量はトン
ネル絶縁膜の絶縁破壊に対する強度と相関があり、サイ
アロンは絶縁破壊に対する強度が高く、絶縁破壊しにく
い為、トンネル絶縁膜を通過する総電荷量を増すことが
できる。従って、不揮発性メモリの書換回数を増加させ
ることができる。
【0151】a13は、フローティングゲート及びコン
トロールゲートを形成するためのエッチング工程であ
る。ゲート電極及びゲート絶縁膜のエッチングはポリシ
リコンからなるゲート電極及びシリコン酸化膜からなる
ゲート絶縁膜を有する従来の不揮発性メモリのエッチン
グと同様に行うことができる。そして、図14(b)
は、工程a13によってできたコントロールゲート、フ
ローティングゲート及びそれらの絶縁膜の構造を示す断
面図であり、シリコン半導体基板50上の絶縁膜55,
57及びポリシリコン膜56,58がエッチングされた
状態を示している。
【0152】b13は、ソース及びドレイン領域を形成
するためのイオン注入工程であるソース及びドレイン
領域はゲートをマスクとしてセルフアラインメント的に
形成される。そして、図14(c)は、工程b13によ
ってできたソース及びドレイン領域の構造を示す断面図
であり、シリコン半導体基板50にソース及びドレイン
領域59が形成された状態を示している。
【0153】そして、その後、図14(f)に示した素
子をシンターして活性化する。その後、ドレイン領域に
おいて、ホットキャリア注入で、(Nチャネルに対し
て)P+ ポケットを作ってホットキャリアをつくり易く
し、ソース領域において、(Nチャネルに対して)N+
ポケットにしてパンチスルーし難くすることにより不揮
発性メモリが完成する。
【0154】なお、上記実施例では、サイアロン層が誘
電率が高いため、フローティングゲートとコントロール
ゲートとの間の容量が大きくなるという問題が発生する
が、フローティングゲートとコントロールゲートとの対
向する面積を増やし、フローティングゲートと半導体基
板50とが対向する面積を減らすようにすれば良い。
【0155】また、上記実施例では、絶縁膜55をトン
ネル絶縁膜として絶縁膜55にサイアロン層を形成した
例を示したが、絶縁膜57をトンネル絶縁膜とし、絶縁
膜57にサイアロン層を形成することも可能である。そ
の場合には、シリコン半導体基板50の側には影響を与
えることなく電荷の注入が可能である。
【0156】また、上記のサイアロン層含む絶縁膜55
は、サイアロン単体の膜であっても良く、例えば、不揮
発性メモリが集積回路に多数用いられている場合、サイ
アロン層の絶縁性及び誘電率によってその形状を小さく
でき、集積回路の集積度を向上することができる。
【0157】<実施例15>次に、この発明の第15実
施例について説明する。第14実施例では、トンネル絶
縁膜にサイアロン層が含まれる膜を用いたが、コントロ
ールゲートの絶縁を行っている絶縁膜57にサイアロン
層を含む膜を用いることができる。フローティングゲー
トへの電荷注入は、チャネルホットエレクトロン注入か
ファウラーノルドハイムトンネル電流注入である。効率
的には後者の方が良く、将来的にはファウラーノルドハ
イム電流注入が主流になる。コントロールゲートとフロ
ーティングゲートとを隔てる絶縁膜にサイアロン層を含
む絶縁膜を用いると、従来以上に絶縁膜の薄膜化もしく
は高誘電率化ができる。従って、コントロールゲート・
フローティングゲート間の容量が増加する。そして、フ
ローティングゲート・チャネル間の容量に対するコント
ロールゲート・フローティングゲート間の容量の比が拡
大し、コントロールゲート・フローティングゲート間に
電圧が印可され難くなり、より低い電圧でファウラーノ
ルドハイムトンネル電流を得ることができる。このこと
によって、素子の低電圧化、微細化、低消費電力化、高
速化が可能になる。ちなみに、単なる高誘電率絶縁膜は
ここには使えない。それは、不揮発性メモリにおいて、
フローティングゲートの電荷量を10年保証できるだけ
のきわめて良好な電気絶縁特性を要求されるためであ
る。
【0158】なお、上記のサイアロン層含む絶縁膜は、
サイアロン単体の膜であっても良く、例えば、不揮発性
メモリが集積回路に多数用いられている場合、サイアロ
ン層の絶縁性及び誘電率によってその形状を小さくで
き、集積回路の集積度を著しく向上することができる。
【0159】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明の電荷
蓄積素子によれば、酸化シリコンを主体とする層及び窒
化シリコンを主体とする層を有し、少なくとも酸化シリ
コンを主体とする層と窒化シリコンを主体とする層との
境界領域にサイアロンが形成されている絶縁膜を備えて
構成されているので、境界領域にあるサイアロンによっ
て、単位面積あたりの容量の大きな電荷蓄積素子を得る
ことができるという効果がある。
【0160】
【0161】請求項2記載の発明の不揮発性メモリによ
れば、フローティングゲート上に形成され、酸化シリコ
ンを主体とする層及び窒化シリコンを主体とする層を有
し、少なくとも酸化シリコンを主体とする層と窒化シリ
コンを主体とする層との境界領域にサイアロンが形成さ
れている絶縁膜を備えて構成されているので、コントロ
ールゲートとフローティングゲートとの間の容量を大き
くでき、低い電圧で電荷注入が可能な不揮発性メモリを
得ることができるという効果がある。
【0162】請求項3記載の発明の絶縁ゲート型トラン
ジスタによれば、シリコン半導体からなるチャネル領域
の上に形成され、サイアロン層を含むシリコン系の絶縁
膜からなるゲート絶縁膜を備えて構成されているので、
トランジスタの高速動作が可能になるという効果があ
る。
【0163】請求項4記載の発明の絶縁ゲート型トラン
ジスタによれば、ゲート絶縁膜が、チャネル領域上に形
成された酸化シリコン層と、酸化シリコン層の上に形成
されたサイアロン層とを備えて構成されているので、ト
ランジスタ特性を劣化させることなく、トランジスタの
高速動作を可能にすることができるという効果がある。
【0164】請求項5記載の発明の不揮発性メモリ素子
によれば、トンネル絶縁膜は、サイアロン層を含むの
で、絶縁耐圧が高く、トンネル電流を流せる回数が増加
するため、素子の内容を書き換えることができる回数を
増加することができるという効果がある。
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】請求項6記載の発明の電荷蓄積素子によれ
ば、少なくともサイアロン単体からなる層を含む絶縁膜
を備えて構成されているので、占有面積が小さく、半導
体集積回路の集積度を向上することができるという効果
がある。また、製造が容易で低コストで得られるという
効果がある。
【0172】請求項7記載の発明の不揮発性メモリ素子
によれば、フローティングゲート上に形成され、少なく
ともサイアロン単体からなる層を含む絶縁膜を備えて構
成されているので、占有面積が小さく、半導体集積回路
の集積度を向上することができるという効果がある。ま
た、製造が容易で低コストで得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例によるコンデンサの構造
を示す断面図である。
【図2】この発明の第2実施例によるMOSトランジス
タの構造を示す断面図である。
【図3】この発明の第3実施例による絶縁膜の製造方法
を示す製造工程図である。
【図4】この発明の第4実施例による絶縁膜の製造方法
を示す製造工程図である。
【図5】この発明の第5実施例による絶縁膜の製造方法
を示す製造工程図である。
【図6】この発明の第6実施例による絶縁膜の製造方法
を示す製造工程図である。
【図7】この発明の第7実施例による絶縁膜の製造方法
を示す製造工程図である。
【図8】この発明の第8実施例による絶縁膜の製造方法
を示す製造工程図である。
【図9】この発明の第9実施例による絶縁膜の製造方法
を示す製造工程図である。
【図10】この発明の第10実施例による絶縁膜の製造
方法を示す製造工程図である。
【図11】この発明の第11実施例による絶縁膜の製造
方法を示す製造工程図である。
【図12】この発明の第12実施例による絶縁膜の製造
方法を示す製造工程図である。
【図13】この発明の第13実施例によるMOSトラン
ジスタの製造方法を示す製造工程図である。
【図14】この発明の第14実施例による不揮発性メモ
リの製造方法を示す製造工程図である。
【図15】従来のコンデンサの構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,5,100A,100B Si電極 6,50 シリコン半導体層 7,8 シリコン半導体領域 9 ゲート絶縁膜 10 ゲート電極 102 Si3 4 絶縁膜 101A,101B SiO2 絶縁膜 11,11b,38,52,56,58 ポリシリコン 12,17,25,31,35,39 シリコン酸化膜 13,16,40 シリコン窒化膜 14,18 アルミニウム 21,22,26,33,34,37,42,51,5
5,57 絶縁膜 36,41 サイアロン膜 53a ソース・ドレイン領域 54 サイドウォール 55a トンネル絶縁膜 56a フローティングゲート 57a コントロールゲート
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 27/108 29/78 29/788 29/792 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 H01L 21/318 H01L 21/822 H01L 21/8242 H01L 27/04 H01L 27/108 H01L 29/78 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化シリコンを主体とする層及び窒化シ
    リコンを主体とする層を有し、少なくとも前記酸化シリ
    コンを主体とする層と前記窒化シリコンを主体とする層
    との境界領域にサイアロンが形成されている絶縁膜と、 前記絶縁膜の上下に配置された第1及び第2の導体層と
    を備える、電荷蓄積素子。
  2. 【請求項2】 ゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜上に形成されたフローティングゲート
    と、 前記フローティングゲート上に形成され、酸化シリコン
    を主体とする層及び窒化シリコンを主体とする層を有
    し、少なくとも前記酸化シリコンを主体とする層と前記
    窒化シリコンを主体とする層との境界領域にサイアロン
    が形成されている絶縁膜と、 前記絶縁膜上に形成されたコントロールゲートとを備え
    る、不揮発性メモリ素子。
  3. 【請求項3】 シリコン半導体からなるチャネル領域
    と、 前記チャネル領域の上に形成され、サイアロン層を含む
    シリコン系の絶縁膜からなるゲート絶縁膜とを備える、
    絶縁ゲート型トランジスタ。
  4. 【請求項4】 前記ゲート絶縁膜は、 前記チャネル領域上に形成された酸化シリコン層と、 前記酸化シリコン層の上に形成されたサイアロン層とを
    備える、請求項3記載の絶縁ゲート型トランジスタ。
  5. 【請求項5】 トンネル電流が流れるトンネル絶縁膜を
    備える不揮発性メモリ素子であって、 前記トンネル絶縁膜は、サイアロン層を含むことを特徴
    とする、不揮発性メモリ素子。
  6. 【請求項6】 半導体集積回路のメモリに用いられる複
    数の電荷蓄積素子において、 少なくともサイアロン単体からなる層を含む絶縁膜と、 前記絶縁膜の上下に配置された第1及び第2の導体層と
    を備える、電荷蓄積素子。
  7. 【請求項7】 半導体集積回路のメモリに用いられる不
    揮発性メモリ素子において、 ゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜上に形成されたフローティングゲート
    と、 前記フローティングゲート上に形成され、少なくともサ
    イアロン単体からなる層を含む絶縁膜と、 前記絶縁膜上に形成されたコントロールゲートとを備え
    る、不揮発性メモリ素子。
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