JP3385408B2 - 新規蛋白質とその抗体、並びにその新規蛋白質の製造方法 - Google Patents

新規蛋白質とその抗体、並びにその新規蛋白質の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、新規蛋白質とその抗
体、並びにその新規蛋白質の製造方法、とりわけ癌転移
促進活性を有する新規蛋白質とその抗体、並びにその新
規蛋白質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 癌の治療方法は、主に外科的手術、化
学療法、放射線療法などが行われている。しかしなが
ら、これらの方法によって大部分の治療はできるもの
の、一部の生き残った癌細胞を撒き散らしてより重篤な
癌転移を促進し、かえって寿命を縮めることすらあると
言われている。
【0003】この癌転移が抑制できるなら、癌患者の苦
痛を和らげ、余命を大幅に延ばすことが可能であると考
えられ、癌転移研究の進展が強く望まれている。しかし
ながら癌転移は、(1)原発巣からの転移性細胞の遊
離、(2)血管内への転移性細胞の浸潤、(3)血管内
皮細胞への接着、(4)転移先臓器への浸潤、(5)転
移先臓器での増殖、等の複雑な過程を経て成立すると考
えられており、この複雑さゆえに癌転移に関する研究は
困難を極めているのが現状である。本発明者らは癌転移
について多年研究を行っており、ヒト大腸癌由来の培養
株化細胞であるRPMI 4788細胞(微工研条寄第
2429号)の細胞表面に転移に関係する抗原が存在す
ることを発見し、1990年アメリカ癌学会で報告した
「プロシーディングズ・オブ・ジ・アメリカン・アソシ
エイション・フォー・キャンサー・リサーチ(Proc
eedings of the AmericanAs
sociation for Cancer Rese
arch)第31巻、第298頁(1990年)」。一
方、シー・シュミットハウザー(C.Schmidha
user)らは、マイコプラズマ(Mycoplasm
a)属に属する微生物が癌細胞の浸潤性を高めると報告
した「ジャーナル・オブ・セル・サイエンス(Jour
nal of Cell Science)第95巻、
第499〜506頁(1990年)」が、その実態は明
らかにされておらず、その解明が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように癌転移研
究の進展が強く望まれている。本発明は、癌転移促進活
性を有する癌転移促進物質、その抗体、および癌転移促
進物質の製造方法を確立することにより、癌転移のメカ
ニズムを探る上での有用な手段を与えるものである。さ
らに、本発明の新規蛋白質、あるいはその部分アミノ酸
構造を認識する抗体を、癌転移診断剤並びに癌転移抑制
剤へ利用することも大いに期待できる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マイコプ
ラズマを感染させた転移性を有するヒト大腸癌由来株化
細胞であるRPMI 4788細胞(微工研条寄第24
29号)を用いて、癌転移に関与する新規物質を検索す
べく鋭意研究を続けてきた。その結果、該細胞を抗原と
して免疫することにより転移促進物質に対するモノクロ
ーナル抗体を作出した。このモノクローナル抗体を固定
化したゲルを用いたアフィニティークロマトグラフィー
により、該細胞の可溶化物から癌転移促進物質を精製、
採取し、その理化学的性質を調べたところ、本物質は癌
転移促進活性を有する新規蛋白質であることが判明し、
その製造方法、並びにその新規蛋白質を認識するモノク
ローナル抗体を確立して本発明を完成した。すなわち本
発明の新規蛋白質は、以下の理化学的性質を有する。
【0006】(1)分子量 45,000±5,000
【0007】(2)等電点 pI=6.0±1.0
【0008】(3)部分アミノ酸配列 Glu−Thr−Asp−Lys−Glu−Glyおよび Phe−Pro−Asn−Asp−Glu−Ala−Lysを有す る。
【0009】(4)紫外線吸収スペクトル 280nm付近に最大吸収を示す。
【0010】(5)溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水またはリン酸緩衝液に可溶。
【0011】(6)癌転移促進活性 ヒト大腸癌由来の培養株化細胞であるRPMI 478
8細胞(微工研条寄第2429号)の転移を促進させる
活性を有する。
【0012】(7)癌転移促進活性の安定性 水溶液(pH7.2)で100℃、10分間の条件によ
り失活する。水溶液(pH7.2)で4℃、一ケ月間の
条件で安定。
【0013】以下、本発明を実験で詳細に説明する。
【0014】
【実験1】癌転移促進物質に対する抗体の調製
【0015】RPMI 4788細胞(FERM BP
−2429)のシード培養物にマイコプラズマ・アルギ
ニーニ(Mycoplasma arginini、以
下M.argininiと記す)IFO 14476を
細胞約2×10 個当り約1×10 コロニー形成単位
加え、細胞をマイコプラズマに感染させた。このように
して得られたマイコプラズマを感染させた高転移性RP
MI 4788細胞を、公知の方法でin vitro
で増殖させ、約3×10個をマウスの腹腔内に2週間
間隔で4回注射して免疫した。このマウスから脾臓を摘
出し、細切分散して得られる脾臓細胞と、マウス骨髄腫
細胞P−X63−Ag8(フローラボラトリーズ社、
アメリカ)とを、血清不含有Eagle最少基本培地で
調製した50%ポリエチレングリコールー1000溶液
にそれぞれ10個/mlとなるように浮遊させて、3
7℃で5分間処理を行った。次いで前記基本培地で20
倍に希釈し、ダビソン(Davidson)などがソマ
ティック・セル・ジェネティクス(Somatie C
ell Genetics)、第2巻、第165〜17
6頁(1976年)に報告している方法に準じてヒポキ
サンチン−アミノプテリン−チミジン添加培養液で増殖
しうる融合細胞を採取し、この融合細胞から免疫源とし
て用いたRPMI 4788細胞と特異的に反応する抗
体を産生する融合細胞を選択した。得られた融合細胞を
マウス腹腔内に1匹当たり約10個移植して約2週間
飼育した後、腹水、血液をあつめ遠心分離し、得られた
上清を、プロテインGセファロースカラム(ファルマシ
ア社、スウェーデン)を用いてアフィニティークロマト
グラフィーを行い精製モノクローナル抗体標品を得た。
本モノクローナル抗体標品は、マイコプラズマを感染さ
せたRPMI 4788細胞の転移に対し、著しい抑制
効果を示した。
【0016】
【実験2】癌転移促進活性を有する蛋白質の調製と、そ
の理化学的性質
【0017】マイコプラズマを感染させたRPMI 4
788細胞を、公知の方法で培養用フラスコ内で増殖さ
せた後、ラバー・ポリスマンを用いて物理的に剥がし遠
心洗浄した。得られた細胞に80mMになるようにオク
チルグルコシド(株式会社同仁化学研究所、熊本)を加
え4℃で一晩撹拌して細胞を可溶化した後瀘過し、得ら
れた濾液を、実験1の方法で調製したモノクローナル抗
体を固定化したゲルを用いてアフィニティークロマトグ
ラフィーにかけ、癌転移促進活性を有する蛋白質を調製
した。30Lの培養液より約1mgの精製蛋白質を得
た。
【0018】本品を用いて、理化学的性質を調べた。
【0019】(1)分子量 レムリ(Laemmli)の方法「ネイチャー(Nat
ure)、第227巻、680〜685頁(1970
年)」に準じたSDS−PAGEを実施し、分子量マー
カーとの相対的易動度により分子量を測定した。その結
果、分子量は45,000±5,000であった。
【0020】(2)等電点 ファルマシア(スウェーデン)製等電点電気泳動用ゲ
ル、商品名アンフォライン・パグプレート(AMPHO
LINE PAGPLATE、pH3.5〜9.5)を
用いて分析した結果、等電点は6.0±1.0の範囲に
あった。
【0021】(3)部分アミノ酸配列 本品をTPCK−トリプシン(シグマ社、アメリカ)に
より消化後、Hi−Pore RP−318カラム(バ
イオラッド社、アメリカ)を用いた逆相クロマトグラフ
ィーを行ってペプチド断片を分取した。得られたペプチ
ド断片のうちの2つを470A型アミノ酸シークエンサ
ー(アプライドバイオシステム社、アメリカ)により分
析した。その結果、部分アミノ酸配列として、Glu−
Thr−Asp−Lys−Glu−Gly、および、P
he−Pro−Asn−Asp−Glu−Ala−Ly
sが確認された。
【0022】(4)紫外線吸収スペクトル UV250型分光光度計(島津製作所、京都)を用いて
紫外部での吸収スペクトルを調べた結果、280nm付
近に最大吸収を示した。
【0023】(5)溶剤に対する溶解性 本品は、水、生理食塩水またはリン酸緩衝液に可溶であ
った。
【0024】(6)癌転移促進活性 癌転移促進活性は、猶本らの報告「ジャーナル・オブ・
キャンサー・リサーチ・クリニカル・オンコロジー(
Journal of Cancer Researc
h Clinical Oncology)、第113
巻、第544〜549頁(1987年)」に準じ、マイ
コプラズマ非感染のRPMI 4788細胞を用いてヌ
ードマウスに肺転移を起こさせる転移モデルで調べた。
試験群(体重約20g、6〜8週齢のヌードマウス 5匹
以上)では、まず本品を含むリン酸緩衝液0.2ml
を、BALB/cヌードマウスの尾静脈より、細胞移植
の24時間前、および3時間前の計2回、注射した。次
いで、本品を含むリン酸緩衝液0.2mlに浮遊させた
マイコプラズマ非感染RPMI 4788細胞2×10
個を同様に注射した。さらにRPMI 4788細胞
移植の24時間後に、もう1度本品を含むリン酸緩衝液
0.2mlを同様に注射した。対照群に対しては、本品
不含のリン酸緩衝液を用いて同様の処置を行った。細胞
移植後21目にヌードマウスを屠殺後肺表面の転移巣を
肉眼的に数えた。対照群の平均転移数が50個以上認め
られた場合に、この平均転移数を2倍以上に増加させ、
かつその増加が統計学的に有意と判定された場合には、
転移促進活性があると判断した。本品を150μg/m
lの濃度で含むリン酸緩衝液を用いて、上記の方法で転
移促進活性を調べた結果、対照群(匹数5匹)での転移
数が100±53個であったのに対し、本品投与群で
は、実験に使用した5匹すべてにおいて1000個以上
の転移が観察され、明かな転移促進活性が認められた。
またこの促進活性は統計学的に有意であった。
【0025】 さらに、本品を150μg/mlの濃度で
含むリン酸緩衝液に実験1の方法で調製した精製モノク
ローナル抗体標品を1250μg/mlとなるように添
加した後、室温で2時間静置して本品と特異的に反応さ
せて得た抗体処理標品を含有する溶液を用いて、上記方
法によりその転移促進活性を調べたところ、この抗体処
理標品投与群(匹数5匹)での転移数は、335±13
9個であった。また、精製モノクローナル抗体標品のみ
を1250μg/mlの濃度で含むリン酸緩衝液を投与
した対照群(匹数5匹)での転移数は230±64個で
あった。前記抗体処理標品投与群と対照群との間に統計
学的な差異は認められなかった。
【0026】これらの結果から、実験1の方法で得られ
た精製モノクローナル抗体標品は、癌転移促進活性を有
する蛋白質を特異的に中和する抗体であることが判っ
た。
【0027】 (7)転移促進活性の安定性 本品をpH7.2、100℃、10分間の条件で処理し
た後上記の方法により転移促進活性を調べたが、その活
性は認められなかった。一方、本品をpH7.2で4
℃、一ケ月間保存した後活性を調べたところ、その活性
に低下は認められなかった。
【0028】
【実験3】癌転移促進活性を有する蛋白質の由来の同定
【0029】 以下の実験に使用した方法は、ティー・マ
ニアティス(T.Maniatis)らの「モレキュラ
ー・クローニング・ア・ラボラトリー・マニュアル(M
olecular Cloning,A Labora
tory Manual)、コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー (Cold SpringHa
rbor Laboratory)出版、1989
年」、あるいは「ラボマニュアル遺伝子工学、村松正實
、丸善、1988年」などの実験書に記載されている
一般的な方法を使用した。
【0030】 (1)標識DNAプローブの作成
【0031】 実験2(3)で得られた部分アミノ酸配列
よりGlu−Thr−Asp−Lys−Glu−Gly
の配列を選択し、このアミノ酸配列より予想される塩基
配列をDNAシンセサイザー(アプライドバイオシステ
ム社、アメリカ)を用いて合成した。標識は、[γ−
32P]ATPとT4ポリヌクレオチドキナーゼを用い
て常法どおり行い、得られた64種の塩基配列を表1に
まとめた。
【0032】
【表1】
【0033】これらを標識DNAプローブとして、下記
の実験(3)に使用した。
【0034】 (2)M.argininiの染色体DN
Aの調製
【0035】 M.arginini IFO 1447
6を、PPLOブロス w/o CV(ディフコ社、ア
メリカ)に15v/v%馬血清(フローラボラトリーズ
社、アメリカ)、および0.05w/v%酵母エキス
(ディフコ社、アメリカ)となるようそれぞれ添加した
培地1Lで37℃、3週間静置培養した。培養液を遠心
分離し、得られたM.argininiから常法に従っ
てDNAを調製した。
【0036】 (3)標識DNAプローブを用いたサザン
ハイブリダイゼーション
【0037】 (2)で調製したM.arginini
DNAを制限酵素EcoRI(宝酒造、京都)により消
化し、アガロース電気泳動を行った後、分離したDNA
断片をブロッティング操作によりニトロセルロース膜に
移した。次に、非特異的結合を防止するためにサケ精子
DNA(シグマ社、アメリカ)を用いてプレハイブリダ
イゼーションを行った後、(1)で調製した標識DNA
プローブを用いたサザンハイブリダイゼーショシを行っ
た。サザンハイブリダイゼーション後のニトロセルロー
ス膜をX線フィルムと密着させオートラジオグラフィー
を行い、M.argininiの染色体DNA断片と、
標識DNAプローブとの結合の有無を調べることにより
M.argininiの染色体中に癌転移促進活性を有
する蛋白質をコードするDNA配列があるか否かを調べ
た。その結果、M.argininiの染色体DNA断
片と、標識DNAプローブとの結合を意味する明確なバ
ンドが認められたことより、本発明の癌転移促進活性を
有する新規蛋白質はM.arginini由来であるこ
とが明らかとなった。
【0038】 以下、本発明の2〜3の実施例を述べる。
【0039】
【実施例1】M.argininiからの製造
【0040】 M.arginini IFO 1447
6を、実験3(2)記載の方法と同様に培養し、この培
養液を遠心分離後M.argininiを採取した。こ
れを冷却しつつ超音波破砕した後瀘過し、得られた瀘液
を、癌転移促進活性を有する蛋白質を認識するモノクロ
ーナル抗体を固定化したゲルを用いたアフィニティーク
ロマトグラフィーを行い、癌転移促進活性を有する蛋白
質を得た。その収量は、培養液1L当たり約0.2mg
であった。本品は、実験2記載のマイコプラズマ感染R
PMI 4788より調製した癌転移促進活性を有する
新規蛋白質と同一の理化学的性質を有していた。
【0041】
【実施例2】M.argininiを感染させたLoV
o細胞からの製造
【0042】 ヒト大腸癌由来株化細胞であるLoVo細
胞ATCC CCL 229にM.arginini
IFO 14476を実験1の方法に準じて感染させた
後、LoVo細胞を公知の方法で培養用フラスコ内で増
殖させた。培養後実験2の方法に準じて細胞を可溶化し
た後瀘過し、得られた瀘液を、癌転移促進活性を有する
蛋白質を認識するモノクローナル抗体を固定化したゲル
を用いたアフィニティークロマトグラフィーを行い、癌
転移促進活性を有する蛋白質を得た。その収量は、培養
液30L当たり約2mgであった。本品は、実験2記載
のマイコプラズマ感染RPMI 4788細胞より調製
した癌転移促進活性を有する新規蛋白質と同一の理化学
的性質を有していた。
【0043】
【実施例3】癌転移促進活性を有する蛋白質に対する抗
体の調製
【0044】 実験2の方法により調製した癌転移促進活
性を有する蛋白質0.1mgをマウスの腹腔内に2週間
間隔で4回注射して免疫した。次いで、このマウスから
脾臓を摘出し細切分散し、得られた脾臓細胞とマウス骨
髄腫細胞Sp2/O−Ag14(大日本製薬、大阪)と
を、実験1記載の方法と同様に融合させた後、得られた
融合細胞から、免疫源として用いた癌転移促進活性を有
する蛋白質と特異的に反応し、その活性を抑制する抗体
を産生する融合細胞を選択した。本融合細胞は、培養液
1ml当たり10μgの癌転移促進活性を有する蛋白質
と特異的に反応する抗体を産生していた。また本融合細
胞の産生するモノクローナル抗体のアイソタイプは、I
gG2aであった。
【0045】 本モノクローナル抗体は、癌転移促進活性
を有する蛋白質を精製する際に使用する、モノクローナ
ル抗体固定化ゲル調製用の抗体として使用できる。また
本モノクローナル抗体は、癌転移診断剤並びに癌転移抑
制剤として有利に利用できる。本モノクローナル抗体の
癌転移診断剤への利用例としては、例えば、癌転移が懸
念される癌患者の血液、尿、汗、血清、血漿、浸出液、
または腹水を採取し、その中に含まれている癌転移促進
物質の有無、あるいはその量を、例えば、本モノクロー
ナルの抗体を用いる抗原抗体反応、放射免疫検定(RI
A)、酵素結合免疫吸着検定(ELISA)などの免疫
学的な方法により測定し、その癌患者に癌転移の危険性
があるか否かを診断することができる。また、癌患者に
本願発明の抗体を投与し、癌患者体内に存在する癌転移
促進物質を特異的に中和することにより、癌転移を抑制
することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明の新規蛋白質は癌転移を促進させ
る活性を有する。前述のように癌転移は複雑な過程を経
て成立すると考えられており、本発明の新規蛋白質は癌
転移研究の上で大きな利用価値を有するものといえる。
また、本発明の新規蛋白質、あるいはその部分アミノ酸
構造を認識する抗体は、癌転移診断剤並びに癌転移抑制
剤として有利に利用できる。
フロントページの続き (56)参考文献 欧州特許出願公開308265(EP,A 1) EMBO JOURNAL,Vol. 7,No.12(1988),p.3963−3970 Journal of Cell S cience,Vol.95,No.3 (1990),p.499−506 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/30 C12P 21/00 - 21/08 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN) MEDLINE(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 理化学的性質が、 (1)分子量 45,000±5,000 (2)等電点 pI=6.0±1.0 (3)部分アミノ酸配列 Glu−Thr−Asp−Lys−Glu−Glyおよび Phe−Pro−Asn−Asp−Glu−Ala−Lysを有する (4)紫外線吸収スペクトル 280nm付近に最大吸収を示す (5)溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水またはリン酸緩衝液に可溶 (6)癌転移促進活性 ヒト大腸癌由来の培養株化細胞であるRPMI 478
    8細胞(微工研条寄第2429号)の転移を促進させる
    活性を有する (7)癌転移促進活性の安定性 水溶液(pH7.2)で100℃、10分間の条件によ
    り失活する 水溶液(pH7.2)で4℃、一ヶ月の条件で安定 であるマイコプラズマ属アルギニーニ由来の蛋白質。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蛋白質を認識する抗体。
  3. 【請求項3】 マイコプラズマ属アルギニーニを培養す
    るか、マイコプラズマ属アルギニーニを感染させた培養
    株化細胞を培養し、その培養物から下記の理化学的性質
    を有する蛋白質を採取することを特徴とする蛋白質の製
    造方法; (1)分子量 45,000±5,000 (2)等電点 pI=6.0±1.0 (3)部分アミノ酸配列 Glu−Thr−Asp−Lys−Glu−Glyおよび Phe−Pro−Asn−Asp−Glu−Ala−Lysを有する (4)紫外線吸収スペクトル 280nm付近に最大吸収を示す (5)溶剤に対する溶解性 水、生理食塩水またはリン酸緩衝液に可溶 (6)癌転移促進活性 ヒト大腸癌由来の培養株化細胞であるRPMI 478
    8細胞(微工研条寄第2429号)の転移を促進させる
    活性を有する (7)癌転移促進活性の安定性 水溶液(pH7.2)で100℃、10分間の条件によ
    り失活する 水溶液(pH7.2)で4℃、一ヶ月の条件で安定。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の抗体を用いる工程を含む
    ことを特徴とする請求項3記載の蛋白質の製造方法。
JP16665992A 1992-05-14 1992-05-14 新規蛋白質とその抗体、並びにその新規蛋白質の製造方法 Expired - Fee Related JP3385408B2 (ja)

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