JP3384787B2 - タイヤ用トレッドゴム組成物 - Google Patents
タイヤ用トレッドゴム組成物Info
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- JP3384787B2 JP3384787B2 JP2000214225A JP2000214225A JP3384787B2 JP 3384787 B2 JP3384787 B2 JP 3384787B2 JP 2000214225 A JP2000214225 A JP 2000214225A JP 2000214225 A JP2000214225 A JP 2000214225A JP 3384787 B2 JP3384787 B2 JP 3384787B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤト用レッド
ゴム組成物に関し、くわしくは、耐摩耗性能を維持しつ
つ、雪氷上性能を向上させ得るタイヤ用トレッドゴム組
成物に関する。
ゴム組成物に関し、くわしくは、耐摩耗性能を維持しつ
つ、雪氷上性能を向上させ得るタイヤ用トレッドゴム組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、短繊維(合成繊維、天然繊
維、ガラス繊維、炭素繊維など)をゴムに配合し、氷上
性能および耐摩耗性能を向上させるといった特許が多く
みられる。
維、ガラス繊維、炭素繊維など)をゴムに配合し、氷上
性能および耐摩耗性能を向上させるといった特許が多く
みられる。
【0003】さらに、これらの短繊維のなかでも、無機
繊維、たとえばガラス繊維を配合すると、前記性能を向
上させ得る。
繊維、たとえばガラス繊維を配合すると、前記性能を向
上させ得る。
【0004】これは、ガラス繊維の硬度が氷よりも硬
く、氷を引っ掻くことに起因する。
く、氷を引っ掻くことに起因する。
【0005】逆に、有機繊維(パルプ、ポリエチレン、
ポリエステル、ナイロンなど)は、氷より柔らかく、引
っ掻き効果は望めない。
ポリエステル、ナイロンなど)は、氷より柔らかく、引
っ掻き効果は望めない。
【0006】しかしながら、無機繊維は、素材自体が硬
いため、配合量に比例してゴム自身の硬度が硬くなる傾
向がある。
いため、配合量に比例してゴム自身の硬度が硬くなる傾
向がある。
【0007】通常、硬度調整のためには、石油系軟化剤
(アロマティックオイル、ナフテンオイル、パラフィン
オイルなど)や低温可塑剤(ジオクチルフタレート(D
OP)、ジブチルフタレート(DBP)など)などの液
状成分を用いる。
(アロマティックオイル、ナフテンオイル、パラフィン
オイルなど)や低温可塑剤(ジオクチルフタレート(D
OP)、ジブチルフタレート(DBP)など)などの液
状成分を用いる。
【0008】前記のような液状成分を増量すると、補強
剤(カーボンブラック、シリカなど)の分散性低下が懸
念される。補強剤の分散性が低下すると、設計どおりの
ゴム物性が得られず、氷上性能、耐摩耗性能が落ちる。
剤(カーボンブラック、シリカなど)の分散性低下が懸
念される。補強剤の分散性が低下すると、設計どおりの
ゴム物性が得られず、氷上性能、耐摩耗性能が落ちる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ゴム
硬度を高めることなく、補強剤の分散性を維持して、氷
上性能、耐摩耗性能を向上させうるタイヤ用トレッドゴ
ム組成物を提供することにある。
硬度を高めることなく、補強剤の分散性を維持して、氷
上性能、耐摩耗性能を向上させうるタイヤ用トレッドゴ
ム組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、天然ゴムおよ
び/またはジエン系ゴムからなるゴム成分に対して、ガ
ラス繊維、補強剤、さらに、ガラス繊維より柔らかく、
平均粒子径が25μm未満である無機粉体を配合してな
り、前記無機粉体の配合量がゴム成分100重量部に対
して1〜15重量部であるタイヤ用トレッドゴム組成物
に関する。
び/またはジエン系ゴムからなるゴム成分に対して、ガ
ラス繊維、補強剤、さらに、ガラス繊維より柔らかく、
平均粒子径が25μm未満である無機粉体を配合してな
り、前記無機粉体の配合量がゴム成分100重量部に対
して1〜15重量部であるタイヤ用トレッドゴム組成物
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物は、天然ゴム
および/またはジエン系ゴムからなるゴム成分にガラス
繊維、補強剤、無機粉体を配合してなる。
および/またはジエン系ゴムからなるゴム成分にガラス
繊維、補強剤、無機粉体を配合してなる。
【0012】本発明で使用するジエン系ゴムとしては、
たとえば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴムなどがあげられ、単独、または2種類以上を混合し
て用いることができる。
たとえば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴムなどがあげられ、単独、または2種類以上を混合し
て用いることができる。
【0013】本発明のゴム組成物によれば、タイヤトレ
ッド厚さ方向にガラス繊維を配向させることにより、氷
上性能および耐摩耗性能を向上させることができる。
ッド厚さ方向にガラス繊維を配向させることにより、氷
上性能および耐摩耗性能を向上させることができる。
【0014】ガラス繊維のモース硬度(Mohs hardnes
s)は、通常、6〜7程度、ほぼ6.5である。
s)は、通常、6〜7程度、ほぼ6.5である。
【0015】配合するガラス繊維の径は、1〜100μ
mが好ましく、3〜50μmがより好ましい。ガラス繊
維の径が1μmより小さい場合、ガラス繊維により氷路
面を掘り起こし引っ掻く効果がみられない傾向がある。
一方、100μmより大きい場合、ゴムの粘着摩擦、凝
着摩擦が妨げられ、充分には粘着摩擦、凝着摩擦が得ら
れない傾向がみられる。
mが好ましく、3〜50μmがより好ましい。ガラス繊
維の径が1μmより小さい場合、ガラス繊維により氷路
面を掘り起こし引っ掻く効果がみられない傾向がある。
一方、100μmより大きい場合、ゴムの粘着摩擦、凝
着摩擦が妨げられ、充分には粘着摩擦、凝着摩擦が得ら
れない傾向がみられる。
【0016】ガラス繊維の長さは、0.1〜5mmが好
ましく、0.1〜3mmがより好ましい。ガラス繊維の
長さが0.1mmより短い場合、走行によりガラス繊維
がトレッド表面より脱落しやすくなる傾向がある。一
方、5mmより長い場合、工程上ゴムの加工が難しくな
る傾向がある。
ましく、0.1〜3mmがより好ましい。ガラス繊維の
長さが0.1mmより短い場合、走行によりガラス繊維
がトレッド表面より脱落しやすくなる傾向がある。一
方、5mmより長い場合、工程上ゴムの加工が難しくな
る傾向がある。
【0017】ガラス繊維の配合量は、ゴム成分100重
量部に対して、2〜28重量部であることが好ましい。
2重量部未満ではトレッド表面に突出するガラス繊維の
量が少なくなり、充分には掘り起こし、引っ掻き効果が
得られない傾向があり、28重量部をこえるとトレッド
ブロック剛性が高くなりすぎてトレッド表面を氷雪路面
に追随させることができない傾向がある。
量部に対して、2〜28重量部であることが好ましい。
2重量部未満ではトレッド表面に突出するガラス繊維の
量が少なくなり、充分には掘り起こし、引っ掻き効果が
得られない傾向があり、28重量部をこえるとトレッド
ブロック剛性が高くなりすぎてトレッド表面を氷雪路面
に追随させることができない傾向がある。
【0018】前記ガラス繊維は、ガラス繊維を含有する
ゴム組成物をカレンダーロールによって圧延加工し、得
られたシートを繰り返し折りたたむことによって、タイ
ヤトレッド厚さ方向に配向させることができる。
ゴム組成物をカレンダーロールによって圧延加工し、得
られたシートを繰り返し折りたたむことによって、タイ
ヤトレッド厚さ方向に配向させることができる。
【0019】本発明のゴム組成物は、補強剤として、カ
ーボンブラック、シリカなどを含む。
ーボンブラック、シリカなどを含む。
【0020】さらに、本発明のゴム組成物においては、
無機繊維の硬度に着目し、無機繊維より柔らかい無機粉
体を配合することによって、ゴム硬度と補強剤の分散性
を維持することができる。
無機繊維の硬度に着目し、無機繊維より柔らかい無機粉
体を配合することによって、ゴム硬度と補強剤の分散性
を維持することができる。
【0021】無機繊維より柔らかい素材を用いるのは、
ゴム硬度上昇を抑制するためである。具体的には、たと
えば、モース硬度(Mohs hardness)が6.5以下、好
ましくは4.5以下、より好ましくは3以下、通常は2
以上の無機粉体を使用することができる。
ゴム硬度上昇を抑制するためである。具体的には、たと
えば、モース硬度(Mohs hardness)が6.5以下、好
ましくは4.5以下、より好ましくは3以下、通常は2
以上の無機粉体を使用することができる。
【0022】前記無機粉体としては、たとえば、クレー
(珪酸アルミニウム、組成式SiO 2・Al2O3・Fe2
O3・TiO2、モース硬度2〜2.5)、水酸化アルミ
ニウム(組成式Al(OH)3、モース硬度3)、水酸
化マグネシウム(組成式Mg(OH)2、モース硬度2
〜3)、珪酸カルシウム(組成式CaSiO3、モース
硬度4.5)、マイカ(雲母、組成式A1-xB2 〜 3[(O
H,F)2X4O10]:A=K、Na、Ca、Ba、N
H4、H3O、□(空所);B=Al、FeIII、Mg、
FeII、MnII、Li、Zn、VIII、CrIII、Ti;
X=Si、Al、Be、FeIII;x=0〜0.5、モ
ース硬度2.5〜3)などがある。
(珪酸アルミニウム、組成式SiO 2・Al2O3・Fe2
O3・TiO2、モース硬度2〜2.5)、水酸化アルミ
ニウム(組成式Al(OH)3、モース硬度3)、水酸
化マグネシウム(組成式Mg(OH)2、モース硬度2
〜3)、珪酸カルシウム(組成式CaSiO3、モース
硬度4.5)、マイカ(雲母、組成式A1-xB2 〜 3[(O
H,F)2X4O10]:A=K、Na、Ca、Ba、N
H4、H3O、□(空所);B=Al、FeIII、Mg、
FeII、MnII、Li、Zn、VIII、CrIII、Ti;
X=Si、Al、Be、FeIII;x=0〜0.5、モ
ース硬度2.5〜3)などがある。
【0023】ここで用いているモース硬度(Mohs hardn
ess)とは、材料の機械的性質の一つで古くから鉱物関
係で広く用いられている測定法である。
ess)とは、材料の機械的性質の一つで古くから鉱物関
係で広く用いられている測定法である。
【0024】これは、以下の10種類の鉱物で順次引っ
掻いて傷つけばその鉱物よりも硬度が低いとする方法で
ある。硬度の低い方から、1タルク(滑石)、2石膏、
3方解石、4螢石、5アパタイト(リン灰石)、6正長
石、7水晶、8トパーズ(黄玉)、9コランダム、10
ダイヤモンドが使用される。
掻いて傷つけばその鉱物よりも硬度が低いとする方法で
ある。硬度の低い方から、1タルク(滑石)、2石膏、
3方解石、4螢石、5アパタイト(リン灰石)、6正長
石、7水晶、8トパーズ(黄玉)、9コランダム、10
ダイヤモンドが使用される。
【0025】無機粉体としては、平均粒子径が25μm
未満、好ましくは20μm以下の無機粉体を用いること
ができる。平均粒子径が大きすぎる無機粉体では耐摩耗
性能が劣る傾向がある。
未満、好ましくは20μm以下の無機粉体を用いること
ができる。平均粒子径が大きすぎる無機粉体では耐摩耗
性能が劣る傾向がある。
【0026】補強剤より粒子径が大きい無機粉体を用い
ることによって、補強剤の分散性を向上させることがで
き、好ましくは、平均粒子径が0.03μm以上、より
好ましくは0.1μm以上の無機粉体を使用する。
ることによって、補強剤の分散性を向上させることがで
き、好ましくは、平均粒子径が0.03μm以上、より
好ましくは0.1μm以上の無機粉体を使用する。
【0027】前記無機粉体の配合量は、ゴム成分100
重量部に対して1〜15重量部が好ましく、2〜12重
量部がより好ましい。無機粉体の配合量が1重量部未満
では補強剤の分散性を向上することができず、所望の物
性が得られない傾向があり、15重量部をこえると耐久
性が悪化する傾向がある。
重量部に対して1〜15重量部が好ましく、2〜12重
量部がより好ましい。無機粉体の配合量が1重量部未満
では補強剤の分散性を向上することができず、所望の物
性が得られない傾向があり、15重量部をこえると耐久
性が悪化する傾向がある。
【0028】前記無機粉体は、ゴム配合に単に加えるだ
けでよく、工程上も非常に簡便である。
けでよく、工程上も非常に簡便である。
【0029】本発明のゴム組成物には、前記成分に加え
てタイヤ用トレッドゴム組成物の製造に一般に使用され
る成分、添加剤を必要に応じて通常使用される量、配合
・添加してもよい。前記成分、添加剤の具体例として
は、たとえばプロセスオイル(パラフィン系プロセスオ
イル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオ
イルなど)、加硫剤(硫黄、塩化硫黄化合物、有機硫黄
化合物など)、加硫促進剤(グアニジン系、アルデヒド
−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール
系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジ
チオカルバメート系、ザンデート系の化合物など)、架
橋剤(有機パーオキサイド化合物、アゾ化合物などのラ
ジカル発生剤や、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポ
リアミン化合物など)、酸化防止剤ないし老化防止剤
(ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系など
のアミン誘導体、キノリン誘導体、ハイドロキノリン誘
導体、モノフェノール類、ジフェノール類、チオビスフ
ェノール類、ヒンダードフェノール類、亜リン酸エステ
ル類など)、ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛、軟化
剤、充填剤、可塑剤などがあげられる。
てタイヤ用トレッドゴム組成物の製造に一般に使用され
る成分、添加剤を必要に応じて通常使用される量、配合
・添加してもよい。前記成分、添加剤の具体例として
は、たとえばプロセスオイル(パラフィン系プロセスオ
イル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオ
イルなど)、加硫剤(硫黄、塩化硫黄化合物、有機硫黄
化合物など)、加硫促進剤(グアニジン系、アルデヒド
−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール
系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジ
チオカルバメート系、ザンデート系の化合物など)、架
橋剤(有機パーオキサイド化合物、アゾ化合物などのラ
ジカル発生剤や、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポ
リアミン化合物など)、酸化防止剤ないし老化防止剤
(ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系など
のアミン誘導体、キノリン誘導体、ハイドロキノリン誘
導体、モノフェノール類、ジフェノール類、チオビスフ
ェノール類、ヒンダードフェノール類、亜リン酸エステ
ル類など)、ワックス、ステアリン酸、酸化亜鉛、軟化
剤、充填剤、可塑剤などがあげられる。
【0030】
【実施例】以下に実施例にもとづいて本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれらのみに制限されるものではな
い。
明するが、本発明はこれらのみに制限されるものではな
い。
【0031】実施例および比較例で使用した原料、およ
び評価方法を以下にまとめて示す。 (原料) 天然ゴム(NR) カーボンブラック:昭和キャボット(株)製、(N2S
A:79×103m2/kg、DBP吸油量:102×1
0-5m3ml/kg、平均粒子径:0.03μm) ガラス繊維:日本ガラス繊維(株)製、マイクログラス
・チョップドストランドハイジライトH43:昭和電工
(株)製、平均粒子径0.6μm Suprex:ジェイ・エム・ハーバー(J.M.Hu
ber)製、平均粒子径0.3μm ハイジライトH21:昭和電工(株)製、平均粒子径2
5μm 軟化剤 硫黄 加硫促進剤
び評価方法を以下にまとめて示す。 (原料) 天然ゴム(NR) カーボンブラック:昭和キャボット(株)製、(N2S
A:79×103m2/kg、DBP吸油量:102×1
0-5m3ml/kg、平均粒子径:0.03μm) ガラス繊維:日本ガラス繊維(株)製、マイクログラス
・チョップドストランドハイジライトH43:昭和電工
(株)製、平均粒子径0.6μm Suprex:ジェイ・エム・ハーバー(J.M.Hu
ber)製、平均粒子径0.3μm ハイジライトH21:昭和電工(株)製、平均粒子径2
5μm 軟化剤 硫黄 加硫促進剤
【0032】(測定項目)
ゴム硬度
ゴム硬度はJIS−Aに準じて測定した。
【0033】カーボンブラックの分散性
ASTM D2663B法に準じて測定した。加硫ゴム
の試片(約3mm×8mm、厚さ約2mm)を採り、ミ
クロトームの試料台に貼りつけ、液体窒素またはドライ
アイスで冷却し硬化させた。ガラスナイフを装着したミ
クロトームで2μm前後の薄片を作製し、薄片をナフサ
に浸漬し膨潤させた。膨潤後の薄片を顕微鏡のプレパラ
ートガラス上に広げ、接眼レンズに10×10μm、縦
横100目(計10000目)の格子状スケールを置
き、全倍率を75〜100倍にし、1/2目以上のカー
ボンブラック未分散塊の数を数えた。分散式は次式より
算出した。望ましくは分散度100%であるが、95%
以上のとき、カーボンブラックの分散性は良好(○)と
判断し、95%未満のときを不良(×)と判断した。
の試片(約3mm×8mm、厚さ約2mm)を採り、ミ
クロトームの試料台に貼りつけ、液体窒素またはドライ
アイスで冷却し硬化させた。ガラスナイフを装着したミ
クロトームで2μm前後の薄片を作製し、薄片をナフサ
に浸漬し膨潤させた。膨潤後の薄片を顕微鏡のプレパラ
ートガラス上に広げ、接眼レンズに10×10μm、縦
横100目(計10000目)の格子状スケールを置
き、全倍率を75〜100倍にし、1/2目以上のカー
ボンブラック未分散塊の数を数えた。分散式は次式より
算出した。望ましくは分散度100%であるが、95%
以上のとき、カーボンブラックの分散性は良好(○)と
判断し、95%未満のときを不良(×)と判断した。
【0034】分散度(%)=100−S×U/L
S:カーボンブラック未分散塊の占める全格子数
U:測定試料の膨潤ファクター(膨潤後の面積/膨潤前
の面積) L:コンパウンド(加硫ゴム)中のカーボンブラック
(CB)容積分率(%) L={CB配合容積部数÷(CB配合容積部数+2×(ゴ
ム配合容積部数+油(ナフサ)配合容積部数))}×10
0
の面積) L:コンパウンド(加硫ゴム)中のカーボンブラック
(CB)容積分率(%) L={CB配合容積部数÷(CB配合容積部数+2×(ゴ
ム配合容積部数+油(ナフサ)配合容積部数))}×10
0
【0035】氷上性能
タイヤサイズ/パターン 185/70R14 HS3
のタイヤを試作し、氷上にて、時速20kmからの制動
停止距離を求めた。比較例1のタイヤを基準として、下
記式にて求めた指数によって評価した。指数が大きいほ
うが、氷上性能が良好である。 (比較例1の制動停止距離)÷(制動停止距離)×10
0
のタイヤを試作し、氷上にて、時速20kmからの制動
停止距離を求めた。比較例1のタイヤを基準として、下
記式にて求めた指数によって評価した。指数が大きいほ
うが、氷上性能が良好である。 (比較例1の制動停止距離)÷(制動停止距離)×10
0
【0036】雪上性能
雪上での操縦安定性(制駆動、コーナリングのフィーリ
ング)を、比較例1のタイヤを6として評価した。数値
が大きいほうが、雪上性能が良好である。
ング)を、比較例1のタイヤを6として評価した。数値
が大きいほうが、雪上性能が良好である。
【0037】耐摩耗性能
タイヤサイズ/パターン 185/70R14 HS3
のタイヤを試作し、カムリにて実車摩耗テストを行なっ
た。5000km走行後のタイヤトレッドの溝深さを測
定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出
し、比較例1を基準として下記式により指数化した。数
値が大きいほうが、耐摩耗性能が良好である。 (溝深さが1mm減るときの走行距離)÷(比較例1の
タイヤの溝深さが1mm減るときの走行距離)×100
のタイヤを試作し、カムリにて実車摩耗テストを行なっ
た。5000km走行後のタイヤトレッドの溝深さを測
定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出
し、比較例1を基準として下記式により指数化した。数
値が大きいほうが、耐摩耗性能が良好である。 (溝深さが1mm減るときの走行距離)÷(比較例1の
タイヤの溝深さが1mm減るときの走行距離)×100
【0038】実施例1〜3および比較例1〜5
表1に示すゴム組成物をカレンダーロールにて厚さ1m
m、幅1.5mmに圧延加工し得られたシートを繰り返
し折りたたむことによって、ガラス繊維をタイヤトレッ
ド厚さ方向に配向させたトレッドを得た。加硫は150
℃で50分間行なった。得られたタイヤを用いて、前記
評価を行なった。結果を表1に示す。
m、幅1.5mmに圧延加工し得られたシートを繰り返
し折りたたむことによって、ガラス繊維をタイヤトレッ
ド厚さ方向に配向させたトレッドを得た。加硫は150
℃で50分間行なった。得られたタイヤを用いて、前記
評価を行なった。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】比較例2のように、軟化剤で硬度調整を行
なうと、カーボンブラック分散性が低下し、耐摩耗性能
が低下する。
なうと、カーボンブラック分散性が低下し、耐摩耗性能
が低下する。
【0041】実施例1のように、ガラス繊維より柔らか
く、かつカーボンブラックより大きい無機粉体を配合す
ることで、硬度は若干上昇するものの、氷上性能を維持
したまま、カーボンブラック分散性を向上させ、耐摩耗
性能を確保できた。
く、かつカーボンブラックより大きい無機粉体を配合す
ることで、硬度は若干上昇するものの、氷上性能を維持
したまま、カーボンブラック分散性を向上させ、耐摩耗
性能を確保できた。
【0042】実施例2のように、カーボンブラックの一
部を無機粉体と等量置換することで、硬度を維持したま
ま、カーボンブラック分散性を向上させることができ、
氷上性能と耐摩耗性能を確保できた。
部を無機粉体と等量置換することで、硬度を維持したま
ま、カーボンブラック分散性を向上させることができ、
氷上性能と耐摩耗性能を確保できた。
【0043】実施例に3に示すように、モース硬度が若
干柔らかく、平均粒子径が小さい無機粉体を用いても氷
上性能と耐摩耗性能を確保できた。
干柔らかく、平均粒子径が小さい無機粉体を用いても氷
上性能と耐摩耗性能を確保できた。
【0044】比較例3のように、粒子径が25μm以上
の無機粉体を用いると、カーボンブラック分散性自体は
向上するが、ゴム自体の補強性が劣り、耐摩耗性能が悪
化する。
の無機粉体を用いると、カーボンブラック分散性自体は
向上するが、ゴム自体の補強性が劣り、耐摩耗性能が悪
化する。
【0045】比較例4のように、無機粉体の配合量が少
ないと、カーボンブラック分散性に対する効果がみられ
なかった。
ないと、カーボンブラック分散性に対する効果がみられ
なかった。
【0046】比較例5のように、無機粉体の配合量が多
いと、カーボンブラック分散性は向上したが、ゴム自体
の補強性が劣り、耐摩耗性能が低下した。
いと、カーボンブラック分散性は向上したが、ゴム自体
の補強性が劣り、耐摩耗性能が低下した。
【0047】総じて、無機粉体の粒子径は25μm以下
が好ましく、配合量は0.5重量部より多く、20重量
部より少ないことが好ましいと思われる。
が好ましく、配合量は0.5重量部より多く、20重量
部より少ないことが好ましいと思われる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ゴム硬度を高めること
なく、補強剤の分散性を維持して、氷上性能、耐摩耗性
能を向上させうるタイヤ用トレッドゴム組成物を提供す
ることが可能となる。
なく、補強剤の分散性を維持して、氷上性能、耐摩耗性
能を向上させうるタイヤ用トレッドゴム組成物を提供す
ることが可能となる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C08L 9/00 C08L 9/00
(56)参考文献 特開 平10−204225(JP,A)
特開 平11−35742(JP,A)
特開 平8−333480(JP,A)
特開 昭52−25841(JP,A)
特開2000−178379(JP,A)
特開 平11−100476(JP,A)
特開 平7−228726(JP,A)
特開 昭55−84656(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08L 7/00
C08L 9/00
C08K 3/22
C08K 3/34
C08K 7/14
Claims (3)
- 【請求項1】 天然ゴムおよび/またはジエン系ゴムか
らなるゴム成分に対して、ガラス繊維、補強剤、さら
に、ガラス繊維より柔らかく、平均粒子径が25μm未
満である無機粉体を配合してなり、前記無機粉体の配合
量がゴム成分100重量部に対して1〜15重量部であ
るタイヤ用トレッドゴム組成物。 - 【請求項2】 無機粉体のモース硬度が6.5未満であ
り、平均粒子径が0.03μm以上である請求項1記載
のゴム組成物。 - 【請求項3】 無機粉体が、クレー、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウムおよびマイカ
からなる群から選ばれた少なくとも1種の無機粉体であ
る請求項1または2記載のゴム組成物。
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