JP3383944B2 - コンクリートダム堤体、その築造法、同堤体のための上流側および下流側外層用コンクリートブロック - Google Patents

コンクリートダム堤体、その築造法、同堤体のための上流側および下流側外層用コンクリートブロック

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JP3383944B2
JP3383944B2 JP21017095A JP21017095A JP3383944B2 JP 3383944 B2 JP3383944 B2 JP 3383944B2 JP 21017095 A JP21017095 A JP 21017095A JP 21017095 A JP21017095 A JP 21017095A JP 3383944 B2 JP3383944 B2 JP 3383944B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートダム
堤体、その築造法、同堤体のための下流側外層用コンク
リートブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリートダム堤体は、図11に示す
ように、その縦断面が堤頂部aを除くとほぼ三角形をな
し、堤頂部aを含む上流側外層bおよび下流側外層c
が、セメントの配合割合を多くしたおよそ1〜3mの厚
さの富配合コンクリートで形成され、これら上,下流側
外層b,cによって囲繞の堤体内部dが、セメント配合
割合を少なくした貧配合コンクリートで形成されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コンクリートダム堤体
が、厳しい気象条件や水流等に所定の耐久性を維持する
には、上記のように、上流側外層bと下流側外層cを富
配合コンクリートによって高品質に形成されていること
が必須とされる。しかし、これら上,下流側外層b,c
として富配合コンクリートを打設し、堤体内部dとして
貧配合コンクリートを打設しながらするコンクリートダ
ム堤体の築造作業は、大掛かりな型枠を必要とするとと
もに煩雑で困難な作業が多く、熟練を要するばかりでは
なく、施工期間の長期化と高コストを免れない。
【0004】すなわち、たとえば上流側外層bと堤体内
部dの形成についてみると、図12に示すように、ま
ず、所要位置に貧配合コンクリート部1を打設した後、
その外側に富配合コンクリート部2を打設し、次いで、
貧配合コンクリート部3,4を打設した後、その外側で
あって上記富配合コンクリート部2上に同じ富配合コン
クリート部5を打設し、さらに、貧配合コンクリート部
6〜8を打設した後、その貧配合コンクリート部8の外
側であって前段の富配合コンクリート部5上に富配合コ
ンクリート部9を打設し、爾後同様にして、富配合コン
クリートによる上流側外層bと堤体内部dとを形成する
ものである。
【0005】このように、富配合と貧配合という2種類
のコンクリートを現場で調製しながら、しかも、その打
設位置と打設順序の制約を受けながらする打設は、さら
に次のような問題がある。 作業が複雑になり、施工
能率が悪いとともに、上流側外層bと堤体内部dとの境
界部分において配合の異なる上記2種類のコンクリート
が混在し、上流側外層bとして必要な設定どおりの品質
や厚さを確保できないことがある。 コンクリート打
設作業は、上,下流側外層b,cの外面に沿う位置に大
掛かりな型枠を設置し、それを順次上昇移動させながら
進められるものであるが、この型枠の設置および移動
は、そのこと自体面倒な作業であるとともに、特にそれ
はダム堤体外における作業となり、墜落災害等の危険に
曝されるので安全の確保に腐心しなければならない。
【0006】 労働安全衛生規則の定めるところにし
たがい、所要厚さ打設毎に、その全周に手すり等の囲い
を設置し作業員の安全を確保しなければならない。
コンクリート打設後の適切な養生は、設定どおりの品質
を確保するのに不可欠であるが、その養生期間内におけ
る乾燥や温度応力によるひび割れを防止するために、打
設コンクリートの上面に散水し、あるいは同上面をシー
トで覆って直射日光を遮断する等の必要がある。
上,下流側外層b,cの外面に沿って設置した型枠をシ
ートで覆って、夏期における直射日光を遮り該外面が熱
せられることのないようにするとともに、冬期にはその
シート内にジェットヒータ等の温風発生装置を設置する
とか、発砲スチロール等の断熱材を張設するとかして同
外面が冷却しないようにしなければならない。
【0007】本発明の目的は、これら〜の問題を解
消し、設計どおり高品質のコンクリートダム堤体を、簡
単な作業によって、すなわち、従来のような特別な経験
や熟練を要することなく、しかも、短い工期で、経済的
に築造しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明コ
ンクリートダム堤体のための下流側外層用コンクリート
ブロックは、前方上向きの大傾斜前面27′と後方上向
きの小傾斜後面30′とを有する上半後部27と、前側
に下半空処28を形成した下半後部29とを、上記大傾
斜前面27′の前端と下半後部29の垂直前面29′の
上端との間の部分を前方下向きの小傾斜前面31とし
て、富配合コンクリートで一体成型され、上段になった
ものと下段になったものとが、後者の上半後部27の後
面に、前者の下半空処28を嵌合して上下に重合すると
ともに、前者の下半後部29と後者の上半後部27とを
内外に重合することによって、所要の勾配を有する下流
側外層cを構築できるようにしてなる。
【0009】請求項2記載の本発明コンクリートダム堤
体は、次の構成からなる。 (1) 前側面10側を、上半前部10′とそれと同形
で同じ大きさの下半空処10″とにするとともに、後側
面11側を、下半後部11′とそれと同形で同じ大きさ
の上半空処11″とにして、富配合コンクリートで一体
成型され、上段になったものと下段になったものとが、
前者の下半空処10″を後者の上半前部10′に、前者
の下半後部11′を後者の上半空処11″に噛合して上
下に重合するとともに、前者の下半後部11′と後者の
上半前部10′とを内外に重合するようにしてなる上流
側外層用コンクリートブロックAを、該ブロックAの
段のものと下段のものとが、前者の下半空処10″を後
者の上半前部10′に、前者の下半後部11′を後者の
上半空処11″に噛合して上下に重合するとともに、前
者の下半後部11′と後者の上半前部10′とを内外に
重合することによって、上流側外層bが垂直に構築され
ていること。 (2) 請求項1記載の下流側外層用コンクリートブロ
ックBを、該ブロックBの大傾斜前面27′および下半
空処28を下流側に向け、かつ、上段のものと下段のも
のとが、後者の上半後部27の後面に、前者の下半空処
28を嵌合して上下に重合するとともに、前者の下半後
部29と後者の上半後部27とを内外に重合することに
よって、下流側外層cが所要の勾配をもって構築されて
いること。 (3) これら上流側外層bと下流側外層cとで囲繞す
る堤体内部dが現場打ちの貧配合コンクリート35で形
成されていること。
【0010】請求項3記載の本発明コンクリートダム堤
体は、次の構成からなる。 (1) 前側面10側を、台形状の上半前部10′とそ
れと同形で同じ大きさの下半空処10″とにするととも
に、後側面11側を、逆台形状の下半後部11′とそれ
と同形で同じ大きさの上半空処11″とにして、富配合
コンクリートで一体成型され、上段になったものと下段
になったものとが、前者の下半空処10″を後者の上半
前部10′に、前者の下半後部11′を後者の上半空処
11″に噛 合して上下に重合するとともに、前者の下半
後部11′と後者の上半前部10′とを内外に重合する
ようにしてなる上流側外層用コンクリートブロックA
を、該ブロックAの上段のものと下段のものとが、前者
の台形状の下半空処10″を後者の同じく台形状の上半
前部10′に、前者の逆台形状の下半後部11′を後者
の同じく逆台形状の上半空処11″に噛合して上下に重
合するとともに、前者の下半後部11′と後者の上半前
部10′とを内外に重合することによって、上流側外層
bが垂直に構築されていること。 (2) 請求項1記載の下流側外層用コンクリートブロ
ックBを、該ブロックBの大傾斜前面27′および下半
空処28を下流側に向け、かつ、上段のものと下段のも
のとが、後者の上半後部27の後面に、前者の下半空処
28を嵌合して上下に重合するとともに、前者の下半後
部29と後者の上半後部27とを内外に重合することに
よって、下流側外層cが所要の勾配をもって構築されて
いること。 (3) これら上流側外層bと下流側外層cとで囲繞す
る堤体内部dが現場打ちの貧配合コンクリート35で形
成されていること。
【0011】請求項4記載の本発明コンクリートダム堤
体は、下流側外層cが、請求項1記載の下流側外層用コ
ンクリートブロックBを、該ブロックBの大傾斜前面2
7′および下半空処28を下流側に向け、かつ、上段の
ものと下段のものとが、後者の上半後部27の後面に、
前者の下半空処28を嵌合して上下に重合するととも
に、前者の下半後部29と後者の上半後部27とを内外
に重合することによって、所要の勾配をもって構築され
ている。
【0012】請求項5記載の本発明コンクリートダム堤
体の築造法は、次の構成からなる。 (1) 前側面10側を、上半前部10′とそれと同形
で同じ大きさの下半空処10″とにするとともに、後側
面11側を、下半後部11′とそれと同形で同じ大きさ
の上半空処11″とにして、富配合コンクリートで一体
成型され、上段になったものと下段になったものとが、
前者の下半空処10″を後者の上半前部10′に、前者
の下半後部11′を後者の上半空処11″に噛合して上
下に重合するとともに、前者の下半後部11′と後者の
上半前部10′とを内外に重合する ようにしてなる上流
側外層用コンクリートブロックAによって、該ブロック
Aの上段のものと下段のものとを、前者の下半空処1
0″を後者の上半前部10′に、前者の下半後部11′
を後者の上半空処11″に噛合して上下に重合するとと
もに、前者の下半後部11′と後者の上半前部10′と
を内外に重合することにより、上流側外層bを垂直に構
築すること。 (2) 請求項1記載の下流側外層用コンクリートブロ
ックBによって、該ブロックBの大傾斜前面27′およ
び下半空処28を下流側に向け、かつ、上段のものと下
段のものとを、後者の上半後部27の後面に、前者の下
半空処28を嵌合して上下に重合するとともに、前者の
下半後部29と後者の上半後部27とを内外に重合する
ことにより、下流側外層cを所要の勾配をもって構築す
ること。 (3) これら上流側外層bと下流側外層cとで囲繞す
る堤体内部dに、貧配合コンクリート35を現場打ちす
ること。
【0013】請求項6記載の本発明コンクリートダム堤
体の築造法は、次の構成からなる。 (1) 前側面10側を、台形状の上半前部10′とそ
れと同形で同じ大きさの下半空処10″とにするととも
に、後側面11側を、逆台形状の下半後部11′とそれ
と同形で同じ大きさの上半空処11″とにして、富配合
コンクリートで一体成型され、上段になったものと下段
になったものとが、前者の下半空処10″を後者の上半
前部10′に、前者の下半後部11′を後者の上半空処
11″に噛合して上下に重合するとともに、前者の下半
後部11′と後者の上半前部10′とを内外に重合する
ようにしてなる上流側外層用コンクリートブロックAに
よって、該ブロックAの上段のものと下段のものとを、
前者の台形状の下半空処10″を後者の同じく台形状の
上半前部10′に、前者の逆台形状の下半後部11′を
後者の同じく逆台形状の上半空処11″に噛合して上下
に重合するとともに、前者の下半後部11′と後者の上
半前部10′とを内外に重合することにより、上流側外
層bを垂直に構築すること。 (2) 請求項1記載の下流側外層用コンクリートブロ
ックBによって、該ブロックBの大傾斜前面27′およ
び下半空処28を下流側に向け、かつ、上段のものと下
段のものとを、後者の上半後部27の後面に、前者の下
半空処28を嵌合して上下に重合するとともに、前者の
下半後部29と後者の上半後部27とを内外に重合する
ことにより、下流側外層cを所要の勾配をもって構築す
ること。 (3) これら上流側外層bと下流側外層cとで囲繞す
る堤体内部dに、貧配合コンクリート35を現場打ちす
ること。
【0014】請求項7記載の本発明は、上記上流側外層
用コンクリートブロックおよび下流側外層用コンクリ
ートブロックの下段のものに上段のものを重合したと
ころで、その上段の上流側外層用コンクリートブロック
および下流側外層用コンクリートブロックのほぼ下
半部を埋設する高さまで、貧配合コンクリート35を現
場打ちし、それが硬化した後、次の上段の上流側外層用
コンクリートブロックおよび下流側外層用コンクリー
トブロックBを重合することを繰り返し行う請求項5ま
たは6記載のコンクリートダム堤体の築造法である。
【0015】請求項8記載の本発明は、上段の上流側外
層用コンクリートブロックを下段の上流側外層用コン
クリートブロックに重合して、前者の全重量を後者に
支持させ、また、上段の下流側外層用コンクリートブロ
ックの下半空処28を下段の下流側外層用コンクリー
トブロックBの後面に重合させるとともに、同上段の下
流側外層用コンクリートブロックBの下半後部29の下
端を既設の貧配合コンクリート35に乗載して、上段の
下流側外層用コンクリートブロックの全重量を、下段
の下流側外層用コンクリートブロックと既設の貧配合
コンクリート35とに支持させる請求項5,6または7
記載のコンクリートダム堤体の築造法である。
【0016】請求項9記載の本発明は、堤体内部dを形
成する貧配合コンクリート35の現場打ちにより、ほぼ
下半部を埋設した上流側外層用コンクリートブロック
および下流側外層用コンクリートブロックのほぼ上半
部を囲いとして利用する請求項7または8記載のコンク
リートダム堤体の築造法である。
【0017】上記富配合コンクリート製の上流側および
下流側外層用コンクリートブロックAおよびBは、工場
生産しておいた均一な品質のものを使用でき、したがっ
て、上流側外層bおよび下流側外層cを設定どおりの耐
久性のあるものにできる。また、上流側および下流側外
層用コンクリートブロックAおよびBを型枠として使用
でき、従来のように、大掛かりな型枠を設置したり、そ
れを上昇移動させたりする面倒な作業を必要としない。
【0018】現場でのコンクリート打設作業は、堤体内
部dを形成する貧配合コンクリート35一種類だけの打
設であって、従来に比べると著しく単純になり、特に、
上,下流側外層b,cと堤体内部dとの境界部分におい
て配合の異なる二種類のコンクリートが混在するような
ことが発生する余地がない。
【0019】堤体内部dを形成するために打設された貧
配合コンクリート35は、その外側を、富配合コンクリ
ート製の上流側および下流側外層用コンクリートブロッ
クAおよびBで保護されるので、養生期間内における乾
燥や温度応力によるひび割れの防止作業は著しく緩和さ
れる。
【0020】貧配合コンクリート35の1段の打設を、
上流側および下流側外層用コンクリートブロックAおよ
びBの上段のものの、ほぼ下半部を埋設する高さまで行
うことにより、残りのほぼ上半部を囲いとして使用でき
るので、従来のように、手すり等の囲いを各打設段毎に
設置しなければならない煩わしさがない。
【0021】さらに、上流側外層bを形成する富配合コ
ンクリート製の上流側外層用コンクリートブロックAと
して、前側面10側を、上半前部10′とそれと同形で
同じ大きさの下半空処10″とにするとともに、後側面
11側を、下半後部11′とそれと同形で同じ大きさの
上半空処11″とにしたものとし、上段のものと下段の
ものが、前者の下半空処10″を後者の上半前部10′
に、前者の下半後部11′を後者の上半空処11″に噛
合して上下に重合し、かつ、前者の下半後部11′と後
者の上半前部10′とを内外に重合することができる構
成のものとすると、該上流側外層bを強固にし、上記貧
配合コンクリート35の打設時の背面応力と密着に対応
できる。
【0022】特に、上記上半前部10′および下半空処
10″を同じ大きさの台形状とするとともに、上記下半
後部11′および上半空処11″を同じ大きさの逆台形
状にすることは、該ブロックAの製造を容易にするのは
もちろん、本発明堤体の築造において、その重合作業を
簡単確実に行うのに好適である。
【0023】また、下流側外層cを形成する上記富配合
コンクリート製の下流側外層用コンクリートブロックB
として、前方上向きの大傾斜前面27′と後方上向きの
小傾斜後面30′とを有する上半後部27と、前側に下
半空処28を形成した下半後部29とを、上記大傾斜前
面27′の前端と下半後部29の垂直前面29′の上端
との間の部分を前方下向きの小傾斜前面31として形成
したものとし、上段のものと下段のものが、後者の上半
後部27の後面に、前者の下半空処28を嵌合して上下
に重合するとともに、前者の下半後部29と後者の上半
後部27とを内外に重合することができる構成のものと
すると、所要の勾配をもった強固な下流側外層cとし、
しかも、上記貧配合コンクリート35の打設時の背面応
力と密着に対応できる。
【0024】
【発明の実施の形態】まず、上流側および下流側外層用
コンクリートブロックについて説明する。図2は前記上
流側外層bを形成するのに使用する上流側外層用コンク
リートブロックAの斜視図、図3は同ブロックAの重合
状態の側面図、図4は同ブロックAの概略斜視図であ
る。
【0025】この上流側外層bを形成するのに使用する
上流側外層用コンクリートブロックAは、富配合コンク
リート製で、それは、前,後側面10,11(幅員1,
000mm)、左,右側面12,13(幅員1,040m
m)、上下側面14,15(両者間の高さ1,950m
m)からなる仮想縦長直方体A′の、前側面10側を、
上半前部10′(頂端厚さ300mm,高さ1,000m
m)と下半空処10″(頂端厚さ300mm,高さ950m
m)とにするとともに、後側面11側を、下半後部1
1′(下端厚さ200mm,高さ1,000mm)と上半空
処11″(下端厚さ200mm,高さ950mm)とにし、
これら上半前部10′と下半後部11′とを富配合コン
クリートで一体成型してなる(その体積は0.93m
、重量2.232kg)。
【0026】上記上半前部10′と下半空処10″は断
面を同じ大きさの台形状にし、さらにまた、下半後部1
1′と上半空処11″は断面を同じ大きさの逆台形状に
している。上記上半前部10′は、その頂端面に嵌合凹
溝イを、下端面に嵌合突条ロを有する。
【0027】この上流側外層用コンクリートブロックA
は、図3に示すように、下段に位置させたものの上に上
段のものを噛合させた状態で重合することがきる。すな
わち、下段の上流側外層用コンクリートブロックA
の上半前部10′に上段の上流側外層用コンクリートブ
ロックA の下半空処10″を嵌合するとともに、下
段の上流側外層用コンクリートブロックA の上半空
処11″に上段の上流側外層用コンクリートブロックA
の下半後部11′を嵌合することによって、両ブロ
ックA ,A は互いに噛合して上下に重合し、か
つ、これにより、上段の上流側外層用コンクリートブロ
ックA の下半後部11′と下段の上流側外層用コン
クリートブロックA の上半前部10′とが内外(得
ようとするコンクリートダム堤体の内部に面する側を内
とし、外部に面する側を外ということとする)に重合す
る。かかる重合作業を繰り返すことにより、後記するよ
うに、厚さ1,040mmの垂直な上流側外層bを構築で
きる。
【0028】上記重合作業時における上流側外層用コン
クリートブロックAの位置決めは、上記嵌合凹溝イと嵌
合突条ロを一致嵌合させることによって簡単にできる。
また、上半前部10′の背面に設けた凹処16内には係
止金具17を設置してあり、上記重合作業にあたり、上
流側外層用コンクリートブロックAを吊り上げたり下ろ
したりするクレーン等のワイヤーフックを引っ掛けるの
に使用できるようにしてある。なお、下半後部11′の
上端面に浅底凹処18を設けているが、これは、重合し
た上段の上流側外層用コンクリートブロックAの位置を
微調整する必要があるときに、この浅底凹処18の部分
にバールの先端を挿入するためのものである。さらに、
下半後部11′の外面に、正面方形の空処19を設け、
材料の節約あるいは重量調整を意図することがあるが、
必ず必要とするものではない。
【0029】図5は下流側外層cを形成するのに使用す
る下流側外層用コンクリートブロックBの一部切欠斜視
図、図6は同ブロックBの重合状態の側面図、図7は同
ブロックBの全体斜視図である。
【0030】下流側外層用コンクリートブロックBは、
上記した上流側外層用コンクリートブロックAと同じよ
うに富配合コンクリート製である。この下流側外層用コ
ンクリートブロックBは、前,後側面20,21(幅員
1,000mm)、左,右側面22,23(幅員975m
m)、上下側面24,25(両者間の高さ1,990m
m)からなる仮想縦長直方体B′の、上半部分を断面逆
三角形状の上半空処26と三角形状の上半後部27とす
ることにより、その上半後部27の前面を前方上向きの
大傾斜前面27′とするとともに、下半部分の上記前側
面20側を薄板形状の下半空処28とし、この後側部分
全体を下半後部29とし、これら上半後部27と下半後
部29とを富配合コンクリートで一体成型してなる(そ
の体積は0.980m 、重量2.303kg)であ
る。
【0031】上記上半後部27はその頂端30の後側面
を三角形状に切除した状態にして、後方上向きの小傾斜
後面30′とし、また、上記大傾斜前面27′の前端と
下半後部29の垂直前面29′の上端との間の部分を、
前方下向きの小傾斜前面31としている。
【0032】下流側外層用コンクリートブロックBは、
図6に示すように、下段に位置させたものの上に上段の
ものを噛合させた状態で重合することがきる。すなわ
ち、下段の下流側外層用コンクリートブロックB
上半後部27の小傾斜後面30′を含む後面に、上段の
下流側外層用コンクリートブロックBの上記小傾斜前
面31を含む下半後部29の垂直前面29′を当接し、
上記下半空処28を嵌合することにより、両ブロックB
,B は互いに噛合して上下に重合し、かつ、これ
によって、上段の下流側外層用コンクリートブロックB
の下半後部29と下段の下流側外層用コンクリート
ブロックB の上半後部27とが内外(得ようとする
コンクリートダム堤体の内部に面する側を内とし、外部
に面する側を外ということとする)に重合する。したが
って、この重合作業を繰り返すことにより、後記するよ
うに、厚さが少なくとも975mm(下流側外層用コンク
リートブロックBの厚さすなわち左,右側面22,23
の幅員)以上で、所要の勾配を有する下流側外層cを構
築できる。
【0033】なお、下流側外層用コンクリートブロック
Bは、下半後部29の後面に、材料の節約と重量調整の
ため正面方形の空処32を設けているが、必ず必要とす
るものではない。また、この下流側外層用コンクリート
ブロックBは、その大傾斜前面27′にたとえば自然石
模様を膨出成型しておくことによって、下流側外層cの
外面を周囲の自然環境に適合する形態のものにさせるこ
とができる。
【0034】次に、上記構成の上流側外層用コンクリー
トブロックAにより上流側外層bを、また、下流側外層
用コンクリートブロックBにより下流側外層cを形成し
ながら施工する本発明コンクリートダム堤体の築造法と
について説明する。
【0035】所定の基礎コンクリートeの上流側所定位
置に、第1段目の上流側外層用コンクリートブロックA
を、その前側面10を上流側に向けて、かつ適宜の
補助ブロック33を使用して列設するとともに、下流側
所定位置に、同じく第1段目の流側外層用コンクリー
トブロックB を、前側面20を下流側に向けて、か
つ適宜の補助ブロック34を使用して列設する。
【0036】そして、常法にしたがいコンクリート打設
面の清掃を行うとともに敷きモルタルを敷き詰める等の
前処理の後、貧配合コンクリート35を、第1段目の
流側外層用コンクリートブロックA の全高および同
下流側外層用コンクリートブロックB の全高の約半
分まで、すなわち、下半後部11′(高さ1,000m
m)および下半後部29(高さ990mm)まで打設し、
これを堤体内部dの第1段目コンクリート層d
し、慣行にしたがい所定の養生を行う。
【0037】第1段目コンクリート層d が、所定の
硬化状態に達し、第1段目の上流側および下流側外層用
コンクリートブロックA およびB と一体化したと
ころで、その第1段目の上流側外層用コンクリートブロ
ックA および同下流側外層用コンクリートブロック
に第2段目の上流側外層用コンクリートブロック
および同下流側外層用コンクリートブロックB
を重合する(図8)。
【0038】第2段目の上流側外層用コンクリートブロ
ックA は、第1段目の上流側外層用コンクリートブ
ロックA に重合し、その全重量を第1段目の上流側
外層用コンクリートブロックA によって支持され
る。同第2段目の下流側外層用コンクリートブロックB
は、第1段目の下流側外層用コンクリートブロック
の小傾斜後面30′を含む後面に下半空処28を
重合させるとともに、第1段目コンクリート層d
下半後部29の下端を乗載した状態に設置され、これら
によってその重量が支持される。
【0039】そして、既設の上記第1段目コンクリート
層d の打ち継ぎに必要な所要の表面処理を行い、同
じく貧配合コンクリート35を、第2段目の上流側外層
用コンクリートブロックA および同下流側外層用コ
ンクリートブロックB の高さの約半分まで打設し、
これを堤体内部dの第2段目コンクリート層d
し、慣行にしたがい所定の養生を行う。
【0040】第2段目コンクリート層d が、所定の
硬化状態に達し、第2段目の上流側外層用コンクリート
ブロックA および同下流側外層用コンクリートブロ
ックB と一体化したたところで、上記と同様にし
て、第3段目の上流側外層用コンクリートブロックA
および同下流側外層用コンクリートブロックB を、
第2段目の上流側外層用コンクリートブロックA
よび同下流側外層用コンクリートブロックB に重合
設置する(図10)とともに、貧配合コンクリート35
により第3段目コンクリート層d を打設形成する
(図1)。
【0041】同様の作業をn回繰り返すことによって、
上流側外層用コンクリートブロックA 〜Aによ
る富配合コンクリート製の上流側外層bを垂直に形成
し、また、下流側外層用コンクリートブロックB
による同じく富配合コンクリート製の下流側外層
cを所要の勾配を持たせて形成し、かつ、第1〜n段目
コンクリート層d 〜dによる貧配合コンクリー
ト製の堤体内部dを形成し、所期のコンクリートダム堤
体を築造できるものである。
【0042】今、上記における上流側外層用コンクリー
トブロックA 〜Aおよび下流側外層用コンクリ
ートブロックB 〜Bの重合と第1〜n段目コン
クリート層d 〜dの打設の各段階の様子を詳し
く見ると、次のとおりである。
【0043】第1〜n段目コンクリート層d 〜d
の各層の上記打設は、上流側と下流側所定位置に順
次重合積層する上流側外層用コンクリートブロックA
〜Aおよび下流側外層用コンクリートブロックB
〜Bが囲繞する内部において行われる。すなわ
ち、上記各層における貧配合コンクリート35の打設
を、従来のように専用の型枠の設置,移動,解体等を必
要としないで、さらに換言すると、上流側外層用コンク
リートブロックA 〜Aおよび下流側外層用コン
クリートブロックB 〜B自体を一種の捨て型枠
としながら行うできる。したがって、一連の作業は特別
な熟練を要することなく、簡単にしてかつ安全に実施で
き、工期の短縮、コストの低減につながる。
【0044】上流側外層bおよび下流側外層cを構築す
る上流側外層用コンクリートブロックA 〜A
よび下流側外層用コンクリートブロックB 〜B
の重合は、下段(前段)のものに上段(次段)のものを
積み重ねるだけでできる簡単な作業であって特に経験を
要するものではない。しかも、コンクリートの現場調製
とその打設は、堤体内部dを形成する貧配合コンクリー
ト35一種で足り、従来のように、上,下流側外層b,
cを形成する富配合コンクリートの打設と、堤体内部を
形成する貧配合コンクリートの打設とを、複雑な順序で
行わなければならなかったのに比べると、その作業性は
著しく向上する。
【0045】上流側外層用コンクリートブロックA
〜Aは、上下段のものが嵌合重合し、しかも、上段
のものの下半後部11′と、打設した上記コンクリート
層d 〜dと一体化している下段のものの上半前
部10′とが内外に重合し(図1,3,8〜10)、ま
た、下流側外層用コンクリートブロックB 〜B
は、上段のものの下半後部29と、同じく打設した上
記コンクリート層d〜dと一体化している下段の
ものの上半後部27とが内外に重合する(図1,6,8
〜10)。
【0046】したがって、上段の上流側外層用コンクリ
ートブロックA 〜Aおよび 下流側外層用コンク
リートブロックB 〜Bは、それ自体自重で安定
するとともに、打設された第1〜n段目コンクリート層
d1 〜dn の当該段の圧力によって下段の上流側および
下流側外層用コンクリートブロックA,Bに押圧密接し
て安定するもので、第1〜n段目コンクリート層d
〜dの打設前に、上段の上流側および下流側外層用
コンクリートブロックA 〜AおよびB 〜B
を、専用の手段で固定する等の必要はない。
【0047】第1〜n段目コンクリート層d 〜d
の各層を形成する貧配合コンクリート35の打設
は、下段の上流側および下流側外層用コンクリートブロ
ックAおよびBの高さの約下半分、すなわち、下半後部
11′(高さ1,000mm)および下半後部29(高さ
990mm)までとし、約上半分、すなわち、上半前部1
0′(高さ1,000mm)と上半後部27(高さ1,0
00mm)を、打設した当該コンクリート層より上方に突
出させている(図9)。この打設した当該コンクリート
層より上方に突出する上半前部10′(高さ1,000
mm)と上半後部27(高さ1,000mm)は、労働安全
衛生規則第519条が規定している手すり等の囲いの役
割を果たす。したがって、従来、作業員の安全のために
当該段のコンクリート層を打設終了毎に、その上,下流
側全域にわたり設置していた囲いを、あえて設置する必
要がなくなった。
【0048】図13,14は、図5〜7に示した下流側
外層cを形成するのに使用する下流側外層用コンクリー
トブロックBの変形例を示すもので、図13は斜視図、
図14は重合状態の側面図である。
【0049】下流側外層cのこの下流側外層用コンクリ
ートブロックB″は、大傾斜前面27′に自然石模様膨
出部27″を成型し、周囲の自然環境に適合する形態の
ものにしていることで、上記下流側外層用コンクリート
ブロックBと相違するだけで、富配合コンクリート製で
あること,その構成,作用効果等を、該下流側外層用コ
ンクリートブロックBと実質的を同じするので、重複の
煩を避けるため同じ部分に同じ符号を付し、その詳細な
説明を省略する。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなとおり
本発明によれば次の効果を奏する。 富配合コンクリ
ート製の上流側および下流側外層用コンクリートブロッ
クAおよびBは、工場生産しておいた均一な品質のもの
を使用でき、したがって、上流側外層bおよび下流側外
層cを設定どおりの耐久性のあるものにできる。 上
流側および下流側外層用コンクリートブロックAおよび
Bを型枠として使用でき、従来のように、大掛かりな型
枠を設置したり、それを上昇移動させたりする面倒な作
業を必要としない。
【0051】 現場でのコンクリート打設作業は、堤
体内部dを形成する貧配合コンクリート35一種類でけ
の打設であって、従来の打設作業に比べると著しく単純
になり、特に、上,下流側外層b,cと堤体内部dとの
境界部分において配合の異なる二種類のコンクリートが
混在するようなことが発生する余地がない。
【0052】 堤体内部dを形成するために打設され
た貧配合コンクリート35は、その外側を、富配合コン
クリート製の上流側および下流側外層用コンクリートブ
ロックAおよびBで保護されるので、養生期間内におけ
る乾燥や温度応力によるひび割れの防止作業は著しく緩
和される。 貧配合コンクリート35の1段の打設
を、上流側および下流側外層用コンクリートブロックA
およびBの上段のものの、ほぼ下半部を埋設する高さま
で行うことにより、残りのほぼ上半部を囲いとして使用
できるので、従来のように、手すり等の囲いを各打設段
毎に設置しなければならない煩わしさがない。
【0053】 上流側外層bを形成する富配合コンク
リート製の上流側外層用コンクリートブロックAとし
て、前側面10側を、上半前部10′とそれと同形で同
じ大きさの下半空処10″とにするとともに、後側面1
1側を、下半後部11′とそれと同形で同じ大きさの上
半空処11″とにしたものとし、上段のものと下段のも
のが、前者の下半空処10″を後者の上半前部10′
に、前者の下半後部11′を後者の上半空処11″に噛
合して上下に重合し、かつ、前者の下半後部11′と後
者の上半前部10′とを内外に重合することにより、
上流側外層bを強固にし、上記貧配合コンクリート35
の打設時の背面応力と密着に対応できる。
【0054】この場合、上半前部10′および下半空処
10″を同じ大きさの台形状とするとともに、上記下半
後部11′および上半空処11″を同じ大きさの逆台形
状にすることは、該ブロックAの製造を容易にするのは
もちろん、本発明堤体の築造において、その重合作業を
簡単確実に行うのに好適である。
【0055】 下流側外層cを形成する上記富配合コ
ンクリート製の下流側外層用コンクリートブロックBと
して、前方上向きの大傾斜前面27′と後方上向きの小
傾斜後面30′とを有する上半後部27と、前側に下半
空処28を形成した下半後部29とを、上記大傾斜前面
27′の前端と下半後部29の垂直前面29′の上端と
の間の部分を前方下向きの小傾斜前面31として形成し
たものとし、上段のものと下段のものが、後者の上半後
部27の後面に、前者の下半空処28を嵌合して上下に
重合するとともに、前者の下半後部29と後者の上半後
部27とを内外に重合することにより、所要の勾配をも
った強固な下流側外層cとし、しかも、上記貧配合コン
クリート35の打設時の背面応力と密着に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明コンクリートダム堤体の築造状況の説明
図で、第2段目の貧配合コンクリートを打設し、第3段
目の外層用コンクリートブロックを重合した状態を示し
ている。
【図2】上流側外層を形成するのに使用する上流側外層
用コンクリートブロックの斜視図である。
【図3】同上の上流側外層用コンクリートブロックの重
合状態の側面図である。
【図4】同上の上流側外層用コンクリートブロックの概
略斜視図である。
【図5】下流側外層を形成するのに使用する下流側外層
用コンクリートブロックの一部切欠斜視図である。
【図6】同上の下流側外層用コンクリートブロックの重
合状態の側面図である。
【図7】同上の下流側外層用コンクリートブロックの全
体斜視図である。
【図8】本発明コンクリートダム堤体の築造状況の説明
図であって、第1段目の貧配合コンクリートを打設し、
第2段目の上流側および下流側外層用コンクリートブロ
ックを重合した状態を示す。
【図9】同じく本発明コンクリートダム堤体の築造状況
の説明図で、第2段目の貧配合コンクリートを打設した
状態を示す。
【図10】同じく本発明コンクリートダム堤体の築造状
況の説明図で、第3段目の上流側および下流側外層用コ
ンクリートブロックを重合している状態を示す。
【図11】コンクリートダム堤体の概略断面図である。
【図12】従来のコンクリートダム堤体における富配合
コンクリートおよび貧配合コンクリートの打設順序を示
す説明図である。
【図13】下流側外層を形成するのに使用する下流側外
層用コンクリートブロックの変形例の斜視図である。
【図14】同上の重合状態の側面図である。
【符号の説明】
b 上流側外層 c 下流側外層 d 堤体内部 A 富配合の上流側外層用コンクリートブロック B 富配合の下流側外層用コンクリートブロック 35 貧配合コンクリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片貝 喜久男 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (72)発明者 梶原 日出隆 東京都港区虎ノ門二丁目8番10号 財団 法人国土開発技術研究センター内 (72)発明者 倉岡 克行 東京都港区虎ノ門二丁目8番10号 財団 法人国土開発技術研究センター内 (72)発明者 足立 敏之 東京都千代田区麹町2−14−2 財団法 人ダム水源地環境整備センター内 (72)発明者 箱石 憲昭 東京都千代田区大手町一丁目3番地1号 建設省関東地方建設局内 (72)発明者 土屋 秀樹 神奈川県厚木市恩名66 建設省関東地方 建設局宮ケ瀬ダム工事事務所内 (72)発明者 吉田 公則 神奈川県厚木市恩名66 建設省関東地方 建設局宮ケ瀬ダム工事事務所内 (56)参考文献 特開 平6−185036(JP,A) 特開 昭60−284306(JP,A) 実開 昭56−13384(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 7/00 - 7/08 E02D 29/02 E02B 3/14

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前方上向きの大傾斜前面(27′)と後方
    上向きの小傾斜後面(30′)とを有する上半後部(2
    7)と、前側に下半空処(28)を形成した下半後部
    (29)とを、上記大傾斜前面(27′)の前端と下半
    後部(29)の垂直前面(29′)の上端との間の部分
    を前方下向きの小傾斜前面(31)として、富配合コン
    クリートで一体成型され、上段になったものと下段にな
    ったものとが、後者の上半後部(27)の後面に、前者
    の下半空処(28)を嵌合して上下に重合するととも
    に、前者の下半後部(29)と後者の上半後部(27)
    とを内外に重合することによって、所要の勾配を有する
    下流側外層(c)を構築できるようにしてなることを特
    徴とするコンクリートダム堤体のための下流側外層用コ
    ンクリートブロック。
  2. 【請求項2】前側面(10)側を、上半前部(10′)
    とそれと同形で同じ大きさの下半空処(10″)とにす
    るとともに、後側面(11)側を、下半後部(11′)
    とそれと同形で同じ大きさの上半空処(11″)とにし
    て、富配合コンクリートで一体成型され、上段になった
    ものと下段になったものとが、前者の下半空処(1
    0″)を後者の上半前部(10′)に、前者の下半後部
    (11′)を後者の上半空処(11″)に噛合して上下
    に重合するとともに、前者の下半後部(11′)と後者
    の上半前部(10′)とを内外に重合するようにしてな
    る上流側外層用コンクリートブロックAを、該ブロック
    Aの上段のものと下段のものとが、前者の下半空処(1
    0″)を後者の上半前部(10′)に、前者の下半後部
    (11′)を後者の上半空処(11″)に噛合して上下
    に重合するとともに、前者の下半後部(11′)と後者
    の上半前部(10′)とを内外に重合することによっ
    て、上流側外層(b)が垂直に構築され、請求項1記載 の下流側外層用コンクリートブロックB
    を、該ブロックBの大傾斜前面(27′)および下半空
    処(28)を下流側に向け、かつ、上段のものと下段の
    ものとが、後者の上半後部(27)の後面に、前者の下
    半空処(28)を嵌合して上下に重合するとともに、前
    者の下半後部(29)と後者の上半後部(27)とを内
    外に重合することによって、下流側外層(c)が所要の
    勾配をもって構築され、 これら上流側外層(b)と下流側外層(c)とで囲繞す
    る堤体内部(d)が現場打ちの貧配合コンクリート(3
    5)で形成されていることを特徴とするコンクリートダ
    ム堤体。
  3. 【請求項3】前側面(10)側を、台形状の上半前部
    (10′)とそれと同形で同じ大きさの下半空処(1
    0″)とにするとともに、後側面(11)側を、逆台形
    状の下半後部(11′)とそれと同形で同じ大きさの上
    半空処(11″)とにして、富配合コンクリートで一体
    成型され、上段になったものと下段になったものとが、
    前者の下半空処(10″)を後者の上半前部(10′)
    に、前者の下半後部(11′)を後者の上半空処(1
    1″)に噛合して上下に重合するとともに、前者の下半
    後部(11′)と後者の上半前部(10′)とを内外に
    重合するようにしてなる上流側外層用コンクリートブロ
    ックAを、該ブロックAの上段のものと下段のものと
    が、前者の台形状の下半空処(10″)を後者の同じく
    台形状の上半前部(10′)に、前者の逆台形状の下半
    後部(11′)を後者の同じく逆台形状の上半空処(1
    1″)に噛合して上下に重合するとともに、前者の下半
    後部(11′)と後者の上半前部(10′)とを内外に
    重合することによって、上流側外層(b)が垂直に構築
    され、請求項1記載の下流側外層用コンクリートブロックB
    を、該ブロックB の大傾斜前面(27′)および下半空
    処(28)を下流側に向け、かつ、上段のものと下段の
    ものとが、後者の上半後部(27)の後面に、前者の下
    半空処(28)を嵌合して上下に重合するとともに、前
    者の下半後部(29)と後者の上半後部(27)とを内
    外に重合することによって、下流側外層(c)が所要の
    勾配をもって構築され、 これら上流側外層(b)と下流側外層(c)とで囲繞す
    る堤体内部(d)が現場打ちの貧配合コンクリート(3
    5)で形成されていることを特徴とするコンクリートダ
    ム堤体。
  4. 【請求項4】下流側外層(c)が、請求項1記載の下流
    側外層用コンクリートブロックBを、該ブロックBの大
    傾斜前面(27′)および下半空処(28)を下流側に
    向け、かつ、上段のものと下段のものとが、後者の上半
    後部(27)の後面に、前者の下半空処(28)を嵌合
    して上下に重合するとともに、前者の下半後部(29)
    と後者の上半後部(27)とを内外に重合することによ
    って、所要の勾配をもって構築されていることを特徴と
    するコンクリートダム堤体。
  5. 【請求項5】前側面(10)側を、上半前部(10′)
    とそれと同形で同じ大きさの下半空処(10″)とにす
    るとともに、後側面(11)側を、下半後部(11′)
    とそれと同形で同じ大きさの上半空処(11″)とにし
    て、富配合コンクリートで一体成型され、上段になった
    ものと下段になったものとが、前者の下半空処(1
    0″)を後者の上半前部(10′)に、前者の下半後部
    (11′)を後者の上半空処(11″)に噛合して上下
    に重合するとともに、前者の下半後部(11′)と後者
    の上半前部(10′)とを内外に重合するようにしてな
    る上流側外層用コンクリートブロックAによって、該ブ
    ロックAの上段のものと下段のものとを、前者の下半空
    処(10″)を後者の上半前部(10′)に、前者の下
    半後部(11′)を後者の上半空処(11″)に噛合し
    て上下に重合するとともに、前者の下半後部(11′)
    と後者の上半前部(10′)とを内外に重合することに
    より、上流側外層(b)を垂直に構築すること、請求項1記載の下流側外層用コンクリートブロックBに
    よって、該ブロックB の大傾斜前面(27′)および下
    半空処(28)を下流側に向け、かつ、上段のものと下
    段のものとを、後者の上半後部(27)の後面に、前者
    の下半空処(28)を嵌合して上下に重合するととも
    に、前者の下半後部(29)と後者の上半後部(27)
    とを内外に重合することにより、下流側外層(c)を所
    要の勾配をもって構築すること、 これら上流側外層(b)と下流側外層(c)とで囲繞す
    る堤体内部(d)に、貧配合コンクリート(35)を現
    場打ちすることを特徴とするコンクリートダム堤体の築
    造法。
  6. 【請求項6】前側面(10)側を、台形状の上半前部
    (10′)とそれと同形で同じ大きさの下半空処(1
    0″)とにするとともに、後側面(11)側を、逆台形
    状の下半後部(11′)とそれと同形で同じ大きさの上
    半空処(11″)とにして、富配合コンクリートで一体
    成型され、上段になったものと下段になったものとが、
    前者の下半空処(10″)を後者の上半前部(10′)
    に、前者の下半後部(11′)を後者の上半空処(1
    1″)に噛合して上下に重合するとともに、前者の下半
    後部(11′)と後者の上半前部(10′)とを内外に
    重合するようにしてなる上流側外層用コンクリートブロ
    ックAによって、該ブロックAの上段のものと下段のも
    のとを、前者の台形状の下半空処(10″)を後者の同
    じく台形状の上半前部(10′)に、前者の逆台形状の
    下半後部(11′)を後者の同じく逆台形状の上半空処
    (11″)に噛合して上下に重合するとともに、前者の
    下半後部(11′)と後者の上半前部(10′)とを内
    外に重合することにより、上流側外層(b)を垂直に構
    築すること、請求項1記載の下流側外層用コンクリートブロックBに
    よって、該ブロックB の大傾斜前面(27′)および下
    半空処(28)を下流側に向け、かつ、上段のものと下
    段のものとを、後者の上半後部(27)の後面に、前者
    の下半空処(28)を嵌合して上下に重合するととも
    に、前者の下半後部(29)と後者の上半後部(27)
    とを内外に重合することにより、下流側外層(c)を所
    要の勾配をもって構築すること、 これら上流側外層(b)と下流側外層(c)とで囲繞す
    る堤体内部(d)に、貧配合コンクリート(35)を現
    場打ちすることを特徴とするコンクリートダム堤体の築
    造法。
  7. 【請求項7】上記上流側外層用コンクリートブロック
    および下流側外層用コンクリートブロックの下段のも
    のに上段のものを重合したところで、その上段の上流側
    外層用コンクリートブロックおよび下流側外層用コン
    クリートブロックのほぼ下半部を埋設する高さまで、
    貧配合コンクリート(35)を現場打ちし、それが硬化
    した後、次の上段の上流側外層用コンクリートブロック
    および下流側外層用コンクリートブロックBを重合す
    ることを繰り返し行うことを特徴とする請求項5または
    記載のコンクリートダム堤体の築造法。
  8. 【請求項8】上段の上流側外層用コンクリートブロック
    を下段の上流側外層用コンクリートブロックに重合
    して、前者の全重量を後者に支持させ、また、上段の下
    流側外層用コンクリートブロックの下半空処(28)
    を下段の下流側外層用コンクリートブロックBの後面に
    重合させるとともに、同上段の下流側外層用コンクリー
    トブロックBの下半後部(29)の下端を既設の貧配合
    コンクリート(35)に乗載して、上段の下流側外層用
    コンクリートブロックの全重量を、下段の下流側外層
    用コンクリートブロックと既設の貧配合コンクリート
    (35)とに支持させることを特徴とする請求項5,6
    または7記載のコンクリートダム堤体の築造法。
  9. 【請求項9】堤体内部(d)を形成する貧配合コンクリ
    ート(35)の現場打ちにより、ほぼ下半部を埋設した
    上流側外層用コンクリートブロックおよび下流側外層
    用コンクリートブロックのほぼ上半部を囲いとして利
    用することを特徴とする請求項7または8記載のコンク
    リートダム堤体の築造法。
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