JP3381996B2 - マグネタイト系磁性粉末の製造方法および磁性トナーの製造方法 - Google Patents
マグネタイト系磁性粉末の製造方法および磁性トナーの製造方法Info
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- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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- H01F1/11—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites, e.g. [(Ba,Sr)O(Fe2O3)6] ferrites with hexagonal structure in the form of particles
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネタイト系磁性粉
末の製造方法および磁性トナーの製造方法に関する。
末の製造方法および磁性トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネタイト系磁性粉末は、電子写真プ
ロセス(複写機・レーザープリンター・普通紙ファック
ス等)に使用される磁性トナーなどに使われる。
ロセス(複写機・レーザープリンター・普通紙ファック
ス等)に使用される磁性トナーなどに使われる。
【0003】従来、マグネタイト系磁性粉末の工業的製
法として湿式法と固相法がある。湿式法によるマグネタ
イト系磁性粉末の製造方法は、塩化第一鉄溶液にアルカ
リを作用させ生成した水酸化第一鉄をアルカリ性溶液中
で酸化性ガスを通気して酸化することによりマグネタイ
トを得る方法である(特公昭49−35520号公報参
照)。固相法によるマグネタイトの製造方法は、水素な
ど還元ガスでヘマタイトを還元熱処理することによりマ
グネタイトを得る方法である(特開昭61−72630
号公報参照)。
法として湿式法と固相法がある。湿式法によるマグネタ
イト系磁性粉末の製造方法は、塩化第一鉄溶液にアルカ
リを作用させ生成した水酸化第一鉄をアルカリ性溶液中
で酸化性ガスを通気して酸化することによりマグネタイ
トを得る方法である(特公昭49−35520号公報参
照)。固相法によるマグネタイトの製造方法は、水素な
ど還元ガスでヘマタイトを還元熱処理することによりマ
グネタイトを得る方法である(特開昭61−72630
号公報参照)。
【0004】これらの方法では酸化あるいは還元の雰囲
気をコントロールできるため、純粋なスピネル単相マグ
ネタイトを生成することができる利点があるとされてい
る。しかしこれらの方法は工程が多いため、製造コスト
が高い欠点がある。
気をコントロールできるため、純粋なスピネル単相マグ
ネタイトを生成することができる利点があるとされてい
る。しかしこれらの方法は工程が多いため、製造コスト
が高い欠点がある。
【0005】他方、鉄鋼業においては鋼板などの塩酸酸
洗の際に生じる酸洗廃液中の塩化鉄を利用して、空気中
でこれを焙焼(熱分解)し、酸化鉄を製造する方法が考
えられている。焙焼方法(熱分解法)としては、一般
に、炉頂より塩酸酸洗廃液を噴霧し炉内に熱分解させ酸
化鉄を炉底より取り出す噴霧焙焼法と、一定の温度に保
持した流動層中に塩酸廃液を噴霧し熱分解させ酸化鉄を
炉頂より捕集する流動焙焼法がある。
洗の際に生じる酸洗廃液中の塩化鉄を利用して、空気中
でこれを焙焼(熱分解)し、酸化鉄を製造する方法が考
えられている。焙焼方法(熱分解法)としては、一般
に、炉頂より塩酸酸洗廃液を噴霧し炉内に熱分解させ酸
化鉄を炉底より取り出す噴霧焙焼法と、一定の温度に保
持した流動層中に塩酸廃液を噴霧し熱分解させ酸化鉄を
炉頂より捕集する流動焙焼法がある。
【0006】焙焼法では沈澱、粉砕など工程を省略する
ことができ、しかも、塩化鉄の酸洗廃液を利用している
ため酸化鉄の製造コストを下げることができる利点があ
る。しかし、空気中ではかなりの塩化鉄を酸化させて主
相はヘマタイト相になってしまうため現有の焙焼法でマ
グネタイト系粉体を合成することが困難である。
ことができ、しかも、塩化鉄の酸洗廃液を利用している
ため酸化鉄の製造コストを下げることができる利点があ
る。しかし、空気中ではかなりの塩化鉄を酸化させて主
相はヘマタイト相になってしまうため現有の焙焼法でマ
グネタイト系粉体を合成することが困難である。
【0007】一方、塩化鉄族のサイクルによる水の熱化
学分解による水素の製造方法として、 6FeCl2 +8H2 O→2Fe3 O4 +12HCl+2H2 (1) 2Fe3 O4 +12HCl+3Cl2 →6FeCl3 +6H2 O+O2 (2) 6FeCl3 →6FeCl2 +3Cl2 (3) の工程が提案された ( "Development studties on the
thermochemical cyclesfor hydiogen production" D.Va
n Velzen; World Hydrogen Energy Conf. Vol.1st, No.
1 Page.8A.83-8A.108 1976 )。この文献に記載された技
術においては、塩化第一鉄と水蒸気が反応することで、
マグネタイトが上記工程の中間生成物として生成する。
学分解による水素の製造方法として、 6FeCl2 +8H2 O→2Fe3 O4 +12HCl+2H2 (1) 2Fe3 O4 +12HCl+3Cl2 →6FeCl3 +6H2 O+O2 (2) 6FeCl3 →6FeCl2 +3Cl2 (3) の工程が提案された ( "Development studties on the
thermochemical cyclesfor hydiogen production" D.Va
n Velzen; World Hydrogen Energy Conf. Vol.1st, No.
1 Page.8A.83-8A.108 1976 )。この文献に記載された技
術においては、塩化第一鉄と水蒸気が反応することで、
マグネタイトが上記工程の中間生成物として生成する。
【0008】しかしながら、上記文献に記載された技術
においては、反応式(1)における水素の生成を主点と
して、反応速度および反応転換率(水素の生産率)と水
蒸気の流量および反応温度の関係を検討しており、マグ
ネタイトが中間生成物として生成されること以外は、マ
グネタイトの生成側からみたその反応条件や中間生成物
におけるマグネタイト相の含有量等、具体的な記載は一
切ない。
においては、反応式(1)における水素の生成を主点と
して、反応速度および反応転換率(水素の生産率)と水
蒸気の流量および反応温度の関係を検討しており、マグ
ネタイトが中間生成物として生成されること以外は、マ
グネタイトの生成側からみたその反応条件や中間生成物
におけるマグネタイト相の含有量等、具体的な記載は一
切ない。
【0009】以上のように従来技術では、塩化第一鉄を
利用して、熱分解法によりマグネタイトを有効に製造す
る方法がなかった。上記文献には、塩化鉄族のサイクル
による水の熱化学分解による水素の研究によって水を分
解する際にマグネタイトが中間生成物として生成される
ことが開示されているが、反応条件とマグネタイト相含
有量等との関係は一切明らかにされていない。
利用して、熱分解法によりマグネタイトを有効に製造す
る方法がなかった。上記文献には、塩化鉄族のサイクル
による水の熱化学分解による水素の研究によって水を分
解する際にマグネタイトが中間生成物として生成される
ことが開示されているが、反応条件とマグネタイト相含
有量等との関係は一切明らかにされていない。
【0010】そこで、本発明者らは、反応条件とマグネ
タイト系磁性粉末におけるマグネタイト相含有量等との
関係を明らかにするため、次のような基礎実験を行なっ
た。
タイト系磁性粉末におけるマグネタイト相含有量等との
関係を明らかにするため、次のような基礎実験を行なっ
た。
【0011】まず、良好なマグネタイト系磁性粉末を製
造するには、塩化第一鉄を熱分解する際に熱処理炉内に
導入する水蒸気の蒸気圧と熱処理温度が大きく影響する
と考え、次のような基礎実験を行なった。
造するには、塩化第一鉄を熱分解する際に熱処理炉内に
導入する水蒸気の蒸気圧と熱処理温度が大きく影響する
と考え、次のような基礎実験を行なった。
【0012】まず、試料特級のFeCl2 ・4H2 O
を、純空気、空気および導入水蒸気の蒸気圧32mmHg、
空気および導入水蒸気の蒸気圧760mmHgの三種の雰囲
気中で、昇温速度10℃/min 、熱処理温度550℃、
保持時間2時間で熱分解して、試料0−1、0−2、0
−3を得た。なお、上記水蒸気等は、昇温前の熱処理炉
内に導入・充填され、処理中も該炉内に導入・流通され
続ける。そして、その水蒸気圧は、常圧下でその温度を
制御することにより調整されたものである。また、本明
細書において、導入水蒸気の蒸気圧または導入水蒸気圧
の値は、水蒸気の上記熱処理炉内への導入の際の値をさ
す。得られた生成物についてX線回折を行った。熱分解
条件とX線回折結果を表1に示す。
を、純空気、空気および導入水蒸気の蒸気圧32mmHg、
空気および導入水蒸気の蒸気圧760mmHgの三種の雰囲
気中で、昇温速度10℃/min 、熱処理温度550℃、
保持時間2時間で熱分解して、試料0−1、0−2、0
−3を得た。なお、上記水蒸気等は、昇温前の熱処理炉
内に導入・充填され、処理中も該炉内に導入・流通され
続ける。そして、その水蒸気圧は、常圧下でその温度を
制御することにより調整されたものである。また、本明
細書において、導入水蒸気の蒸気圧または導入水蒸気圧
の値は、水蒸気の上記熱処理炉内への導入の際の値をさ
す。得られた生成物についてX線回折を行った。熱分解
条件とX線回折結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】また、試料0−3のX線回折パターンを図
1のパターンP1に示した。
1のパターンP1に示した。
【0015】表1から明らかなように、熱処理の際の雰
囲気が、純空気の場合や、空気および水蒸気の混合体の
場合には、マグネタイトが生成されないことがわかっ
た。
囲気が、純空気の場合や、空気および水蒸気の混合体の
場合には、マグネタイトが生成されないことがわかっ
た。
【0016】ついで、空気の代わりに、非酸化性ガスで
あるN2 ガスを用い、純窒素ガス、窒素ガスおよび導入
水蒸気の蒸気圧32mmHg、窒素ガスおよび導入水蒸気の
蒸気圧760mmHgの三種の雰囲気中で、他の条件は上記
と同様にして、試料特級のFeCl2 ・4H2 Oを熱分
解して、試料0−4、0−5、0−6を得た。得られた
生成物についてX線回折を行った。熱分解条件とX線回
折結果を上記表1に示す。また、試料0−6のX線回折
パターンを図1のパターンP2に示した。
あるN2 ガスを用い、純窒素ガス、窒素ガスおよび導入
水蒸気の蒸気圧32mmHg、窒素ガスおよび導入水蒸気の
蒸気圧760mmHgの三種の雰囲気中で、他の条件は上記
と同様にして、試料特級のFeCl2 ・4H2 Oを熱分
解して、試料0−4、0−5、0−6を得た。得られた
生成物についてX線回折を行った。熱分解条件とX線回
折結果を上記表1に示す。また、試料0−6のX線回折
パターンを図1のパターンP2に示した。
【0017】上記表1から分かるように、雰囲気が窒素
ガスのみでは、マグネタイトが生成されないが、窒素ガ
スと水蒸気からなる雰囲気のもとでは、マグネタイトが
生成されることが確認された。さらにN2 −水蒸気の雰
囲気の場合には、試料0−5と試料0−6の比較より、
雰囲気の水蒸気圧が高い方がマグネタイト相が生成され
やすいことが分かった。
ガスのみでは、マグネタイトが生成されないが、窒素ガ
スと水蒸気からなる雰囲気のもとでは、マグネタイトが
生成されることが確認された。さらにN2 −水蒸気の雰
囲気の場合には、試料0−5と試料0−6の比較より、
雰囲気の水蒸気圧が高い方がマグネタイト相が生成され
やすいことが分かった。
【0018】上記の知見に基づき、本発明者らは、次の
ようなマグネタイト系磁性粉末を本願とは別の出願で提
案した。該提案によるマグネタイト系磁性粉末は、塩化
第一鉄を出発原料として、水蒸気を含む雰囲気下の熱処
理で得られる。上記マグネタイト系磁性粉末は、マグネ
タイト相の含有率が90%以上であり、その飽和磁化σ
sが82〜92emu/gである。上記熱処理は、導入
水蒸気圧(mmHg)を縦軸、温度(℃)を横軸とする
グラフにおいて、雰囲気の導入水蒸気圧と熱処理温度
(A:1000℃、760mmHg、B:500℃、7
60mmHg、C:750℃、200mmHg、D:5
30℃、200mmHg)のA、B、C、Dの四点の四
辺形で包まれた範囲内で行なわれる。なお、上記したよ
うに、上記水蒸気等は、昇温前の熱処理炉内に導入・充
填され、処理中も該炉内に導入・流通され続ける。そし
て、その水蒸気圧は、常圧下でその温度を制御すること
により調整され、例えば100℃で水蒸気圧760mm
Hg、95℃で水蒸気圧600mmHg、85℃で水蒸
気圧400mmHg、70℃で水蒸気圧200mmHg
となる。また、導入水蒸気の蒸気圧または導入水蒸気圧
の値は、水蒸気の上記熱処理炉内への導入の際の値をさ
す。
ようなマグネタイト系磁性粉末を本願とは別の出願で提
案した。該提案によるマグネタイト系磁性粉末は、塩化
第一鉄を出発原料として、水蒸気を含む雰囲気下の熱処
理で得られる。上記マグネタイト系磁性粉末は、マグネ
タイト相の含有率が90%以上であり、その飽和磁化σ
sが82〜92emu/gである。上記熱処理は、導入
水蒸気圧(mmHg)を縦軸、温度(℃)を横軸とする
グラフにおいて、雰囲気の導入水蒸気圧と熱処理温度
(A:1000℃、760mmHg、B:500℃、7
60mmHg、C:750℃、200mmHg、D:5
30℃、200mmHg)のA、B、C、Dの四点の四
辺形で包まれた範囲内で行なわれる。なお、上記したよ
うに、上記水蒸気等は、昇温前の熱処理炉内に導入・充
填され、処理中も該炉内に導入・流通され続ける。そし
て、その水蒸気圧は、常圧下でその温度を制御すること
により調整され、例えば100℃で水蒸気圧760mm
Hg、95℃で水蒸気圧600mmHg、85℃で水蒸
気圧400mmHg、70℃で水蒸気圧200mmHg
となる。また、導入水蒸気の蒸気圧または導入水蒸気圧
の値は、水蒸気の上記熱処理炉内への導入の際の値をさ
す。
【0019】上記提案によるマグネタイト系磁性粉末
は、電気磁気特性は望ましいものであるが、一般にその
比表面積が0.3〜0.8m2 /gと小さく、従って、
粒径が大きい(平均体積粒径1.0〜3.0μmに相
当)という欠点がある。このように、磁性粉末の粒径が
大きいと、例えば、平均体積粒径が5.0〜8.0μm
と小さい電子写真用磁性トナー等には用いることができ
ないという問題が発生する。
は、電気磁気特性は望ましいものであるが、一般にその
比表面積が0.3〜0.8m2 /gと小さく、従って、
粒径が大きい(平均体積粒径1.0〜3.0μmに相
当)という欠点がある。このように、磁性粉末の粒径が
大きいと、例えば、平均体積粒径が5.0〜8.0μm
と小さい電子写真用磁性トナー等には用いることができ
ないという問題が発生する。
【0020】そこで、本発明は、上記と同様、良好な電
気磁気特性を有しつつ、しかも比表面積が大きく、した
がって平均粒径が小さいマグネタイト系磁性粉末を簡単
に製造できるマグネタイト系磁性粉末の製造方法および
そのマグネタイト系磁性粉末を用いた磁性トナーの製造
方法を提供することを目的とするものである。
気磁気特性を有しつつ、しかも比表面積が大きく、した
がって平均粒径が小さいマグネタイト系磁性粉末を簡単
に製造できるマグネタイト系磁性粉末の製造方法および
そのマグネタイト系磁性粉末を用いた磁性トナーの製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の本発明により達成される。 (1) 塩化第一鉄を出発原料とし、これを、非酸化性
雰囲気下において熱処理を行なう前処理工程、この前処
理工程で得られた処理物を酸素を含有する雰囲気下で所
定温度まで冷却する冷却工程、および冷却された処理物
を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解する本
焼成工程で処理して、比表面積が1.0〜3.0m2 /
g、飽和磁化σS が82〜92emu/g 、マグネタイト相
の含有量が90wt% 以上であるマグネタイト系磁性粉体
を得るに際し、前記前処理工程において、250〜40
0℃の範囲の処理温度で熱処理を行うマグネタイト系磁
性粉末の製造方法。 (2) 前記冷却工程において、前処理工程を経た熱処
理物を少なくとも200℃まで冷却する上記(1)のマ
グネタイト系磁性粉末の製造方法。 (3) 前記本焼成工程において、500〜1000℃
の範囲の処理温度で本焼成する上記(1)または(2)
のマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 (4) 前記本焼成工程において、非酸化性ガスと水蒸
気とからなる雰囲気下で本焼成する上記(1)ないし
(3)のいずれかのマグネタイト系磁性粉末の製造方
法。 (5) 塩化第一鉄を出発原料とし、これを、非酸化性
雰囲気下において熱処理を行なう前処理工程、この前処
理工程で得られた処理物を酸素を含有する雰囲気下で所
定温度まで冷却する冷却工程、および冷却された処理物
を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解する本
焼成工程で処理して、比表面積が1.0〜3.0m2 /
g、飽和磁化σS が82〜92emu/g 、マグネタイト相
の含有量が90wt% 以上であるマグネタイト系磁性粉体
を得るに際し、前記本焼成工程において、500〜10
00℃の範囲の処理温度で本焼成するマグネタイト系磁
性粉末の製造方法。 (6) 前記本焼成工程において、非酸化性ガスと水蒸
気とからなる雰囲気下で本焼成する上記(5)のマグネ
タイト系磁性粉末の製造方法。 (7) 塩化第一鉄を出発原料とし、これを、非酸化性
雰囲気下において熱処理を行なう前処理工程、この前処
理工程で得られた処理物を酸素を含有する雰囲気下で所
定温度まで冷却する冷却工程、および冷却された処理物
を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解する本
焼成工程で処理して、比表面積が1.0〜3.0m2 /
g、飽和磁化σS が82〜92emu/g 、マグネタイト相
の含有量が90wt% 以上であるマグネタイト系磁性粉体
を得るに際し、前記本焼成工程において、非酸化性ガス
と水蒸気とからなる雰囲気下で本焼成するマグネタイト
系磁性粉末の製造方法。 (8) 出発原料である前記塩化第一鉄が、塩酸酸洗廃
液の塩化第一鉄、塩化第二鉄の溶液を金属鉄で還元した
塩化第一鉄、または金属鉄を塩酸で溶解した塩化第一鉄
である上記(1)ないし(7)のいずれかのマグネタイ
ト系磁性粉末の製造方法。 (9) 前記本焼成工程を、噴霧焙焼法、流動焙焼法、
トンネル炉を用いた方法、またはロータリーキルンを用
いた方法により行なう上記(1)ないし(8)のいずれ
かのマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 (10) 残留塩素が600ppm以下であるマグネタ
イト系磁性粉末を得る上記(1)ないし(9)のいずれ
かのマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 (11) 上記(1)ないし(10)のいずれかの製造
方法によってマグネタイト系磁性粉末を得、このマグネ
タイト系磁性粉末と結着用の樹脂とを溶融混練し、さら
に粉砕・分級を行って磁性トナーを得る磁性トナーの製
造方法。
(1)〜(11)の本発明により達成される。 (1) 塩化第一鉄を出発原料とし、これを、非酸化性
雰囲気下において熱処理を行なう前処理工程、この前処
理工程で得られた処理物を酸素を含有する雰囲気下で所
定温度まで冷却する冷却工程、および冷却された処理物
を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解する本
焼成工程で処理して、比表面積が1.0〜3.0m2 /
g、飽和磁化σS が82〜92emu/g 、マグネタイト相
の含有量が90wt% 以上であるマグネタイト系磁性粉体
を得るに際し、前記前処理工程において、250〜40
0℃の範囲の処理温度で熱処理を行うマグネタイト系磁
性粉末の製造方法。 (2) 前記冷却工程において、前処理工程を経た熱処
理物を少なくとも200℃まで冷却する上記(1)のマ
グネタイト系磁性粉末の製造方法。 (3) 前記本焼成工程において、500〜1000℃
の範囲の処理温度で本焼成する上記(1)または(2)
のマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 (4) 前記本焼成工程において、非酸化性ガスと水蒸
気とからなる雰囲気下で本焼成する上記(1)ないし
(3)のいずれかのマグネタイト系磁性粉末の製造方
法。 (5) 塩化第一鉄を出発原料とし、これを、非酸化性
雰囲気下において熱処理を行なう前処理工程、この前処
理工程で得られた処理物を酸素を含有する雰囲気下で所
定温度まで冷却する冷却工程、および冷却された処理物
を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解する本
焼成工程で処理して、比表面積が1.0〜3.0m2 /
g、飽和磁化σS が82〜92emu/g 、マグネタイト相
の含有量が90wt% 以上であるマグネタイト系磁性粉体
を得るに際し、前記本焼成工程において、500〜10
00℃の範囲の処理温度で本焼成するマグネタイト系磁
性粉末の製造方法。 (6) 前記本焼成工程において、非酸化性ガスと水蒸
気とからなる雰囲気下で本焼成する上記(5)のマグネ
タイト系磁性粉末の製造方法。 (7) 塩化第一鉄を出発原料とし、これを、非酸化性
雰囲気下において熱処理を行なう前処理工程、この前処
理工程で得られた処理物を酸素を含有する雰囲気下で所
定温度まで冷却する冷却工程、および冷却された処理物
を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解する本
焼成工程で処理して、比表面積が1.0〜3.0m2 /
g、飽和磁化σS が82〜92emu/g 、マグネタイト相
の含有量が90wt% 以上であるマグネタイト系磁性粉体
を得るに際し、前記本焼成工程において、非酸化性ガス
と水蒸気とからなる雰囲気下で本焼成するマグネタイト
系磁性粉末の製造方法。 (8) 出発原料である前記塩化第一鉄が、塩酸酸洗廃
液の塩化第一鉄、塩化第二鉄の溶液を金属鉄で還元した
塩化第一鉄、または金属鉄を塩酸で溶解した塩化第一鉄
である上記(1)ないし(7)のいずれかのマグネタイ
ト系磁性粉末の製造方法。 (9) 前記本焼成工程を、噴霧焙焼法、流動焙焼法、
トンネル炉を用いた方法、またはロータリーキルンを用
いた方法により行なう上記(1)ないし(8)のいずれ
かのマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 (10) 残留塩素が600ppm以下であるマグネタ
イト系磁性粉末を得る上記(1)ないし(9)のいずれ
かのマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 (11) 上記(1)ないし(10)のいずれかの製造
方法によってマグネタイト系磁性粉末を得、このマグネ
タイト系磁性粉末と結着用の樹脂とを溶融混練し、さら
に粉砕・分級を行って磁性トナーを得る磁性トナーの製
造方法。
【0022】
【作用】本発明のマグネタイト系磁性粉末は、上記のよ
うに前処理工程、冷却工程および本焼成工程を経て、容
易に製造することができ、しかも比表面積が1.0〜3
0m2 /gであり、したがって平均粒径が所定範囲で小
さく、マグネタイト相の含有率が90%以上であり、そ
の飽和磁化σsが82〜92emu/g で磁気特性も優れて
おり、電子写真における磁性トナー等として好ましく用
いることができるものである。
うに前処理工程、冷却工程および本焼成工程を経て、容
易に製造することができ、しかも比表面積が1.0〜3
0m2 /gであり、したがって平均粒径が所定範囲で小
さく、マグネタイト相の含有率が90%以上であり、そ
の飽和磁化σsが82〜92emu/g で磁気特性も優れて
おり、電子写真における磁性トナー等として好ましく用
いることができるものである。
【0023】
【具体的構成】本発明のマグネタイト系磁性粉末は、マ
グネタイト相を90%以上含有する。本発明のマグネタ
イト系磁性粉末に含有されるもののマグネタイト以外の
相の代表的なものはヘマタイトおよびウスタイトであ
る。しかしながら、これらのヘマタイトやウスタイト
は、磁気特性に寄与しないので、なるべく存在しないほ
うが望ましく、最も望ましくは、マグネタイト単相であ
る。
グネタイト相を90%以上含有する。本発明のマグネタ
イト系磁性粉末に含有されるもののマグネタイト以外の
相の代表的なものはヘマタイトおよびウスタイトであ
る。しかしながら、これらのヘマタイトやウスタイト
は、磁気特性に寄与しないので、なるべく存在しないほ
うが望ましく、最も望ましくは、マグネタイト単相であ
る。
【0024】本発明のマグネタイト系磁性粉末は、以下
に示すように、電子写真用磁性トナー用の磁性粉末用等
として一般に要求されるサイズや磁気特性を備えてい
る。
に示すように、電子写真用磁性トナー用の磁性粉末用等
として一般に要求されるサイズや磁気特性を備えてい
る。
【0025】本発明のマグネタイト系磁性粉末は、比表
面積が1.0〜3.0m2 /gの範囲であることが望ま
しい。近年、磁性トナー等の粒径も小さくなっており、
上記範囲未満の比表面積を有するものでは、このような
微小トナーを作製することができず、また、上記の範囲
をこえる場合には、粒径があまりにも小さくなり、分散
性が悪くなる。
面積が1.0〜3.0m2 /gの範囲であることが望ま
しい。近年、磁性トナー等の粒径も小さくなっており、
上記範囲未満の比表面積を有するものでは、このような
微小トナーを作製することができず、また、上記の範囲
をこえる場合には、粒径があまりにも小さくなり、分散
性が悪くなる。
【0026】本発明のマグネタイト系磁性粉末の印加磁
界5,000Oeでの飽和磁化σSおよび保磁力は、そ
れぞれ82〜92emu/g の範囲、60〜160Oeであ
ることが好ましい。
界5,000Oeでの飽和磁化σSおよび保磁力は、そ
れぞれ82〜92emu/g の範囲、60〜160Oeであ
ることが好ましい。
【0027】また、本発明のマグネタイト系磁性粉末に
おいては、その残留塩素が600ppm以下であること
が好ましく、少なければ少ないほど望ましい。磁性粉末
中の残留塩素が多いと、該マグネタイト系磁性粉末を用
いて電子写真用トナーを作製した場合、電子写真装置の
感光ドラム等を損傷するおそれがあるからである。
おいては、その残留塩素が600ppm以下であること
が好ましく、少なければ少ないほど望ましい。磁性粉末
中の残留塩素が多いと、該マグネタイト系磁性粉末を用
いて電子写真用トナーを作製した場合、電子写真装置の
感光ドラム等を損傷するおそれがあるからである。
【0028】本発明では、出発原料として、鉄鋼業の鋼
板等の塩酸酸洗廃液の塩化第一鉄、塩化第二鉄の溶液を
スクラップ片等金属鉄で還元した塩化第一鉄、またはス
クラップ片等金属鉄を塩酸で溶解した塩化第一鉄等を用
いることができる。これにより、マグネタイト系磁性粉
末を極めて安価に製造することができる。
板等の塩酸酸洗廃液の塩化第一鉄、塩化第二鉄の溶液を
スクラップ片等金属鉄で還元した塩化第一鉄、またはス
クラップ片等金属鉄を塩酸で溶解した塩化第一鉄等を用
いることができる。これにより、マグネタイト系磁性粉
末を極めて安価に製造することができる。
【0029】本発明では、上記塩化第一鉄をまず前処理
工程で前処理を行なう。
工程で前処理を行なう。
【0030】この前処理は、非酸化性雰囲気中で250
〜400℃の温度範囲で行なう。この前処理では、4水
の塩化第一鉄において、主にFeCl2 から結晶水を離
脱する作用をなす。この前処理を酸化性雰囲気中で行な
う場合には、塩化第一鉄の酸化が進んでしまい、ヘマタ
イト相が多く生成してしまう。また、上記の温度範囲未
満では、結晶水が完全に離脱されないため、前処理効果
が得られなくなる。ただし、温度が高すぎると、マグネ
タイト相は得られるが、粒成長してしまうことになる。
〜400℃の温度範囲で行なう。この前処理では、4水
の塩化第一鉄において、主にFeCl2 から結晶水を離
脱する作用をなす。この前処理を酸化性雰囲気中で行な
う場合には、塩化第一鉄の酸化が進んでしまい、ヘマタ
イト相が多く生成してしまう。また、上記の温度範囲未
満では、結晶水が完全に離脱されないため、前処理効果
が得られなくなる。ただし、温度が高すぎると、マグネ
タイト相は得られるが、粒成長してしまうことになる。
【0031】上記非酸化性ガスとしては、窒素ガス、ア
ルゴンガス等や、これらと水蒸気の混合ガス等を用いる
ことができる。水蒸気は用いても用いなくてもよい。な
お、上記前処理工程での昇温速度は、特に限定されない
が、5〜60℃/min の範囲であることが好ましい。
ルゴンガス等や、これらと水蒸気の混合ガス等を用いる
ことができる。水蒸気は用いても用いなくてもよい。な
お、上記前処理工程での昇温速度は、特に限定されない
が、5〜60℃/min の範囲であることが好ましい。
【0032】前処理を施された塩化第一鉄は、冷却工程
において、酸素を含有する雰囲気下で少なくとも所定温
度まで冷却される。この冷却工程においては、塩化第一
鉄の表面が酸化され、その表面にFeClOが形成さ
れ、それ以上の粒成長が抑制されるものと考えられる。
において、酸素を含有する雰囲気下で少なくとも所定温
度まで冷却される。この冷却工程においては、塩化第一
鉄の表面が酸化され、その表面にFeClOが形成さ
れ、それ以上の粒成長が抑制されるものと考えられる。
【0033】また、冷却の際の所定温度は、200℃以
下、特に150℃以下が好ましい。下限値は特にない
が、通常室温である。
下、特に150℃以下が好ましい。下限値は特にない
が、通常室温である。
【0034】上記の冷却工程は、具体的には、前処理工
程を経た処理物を空気中に放置したり、空気を炉中に導
入したりしておこなう。
程を経た処理物を空気中に放置したり、空気を炉中に導
入したりしておこなう。
【0035】このように、冷却工程を経た処理物は、つ
いで本焼成工程に移される。この本焼成工程では、塩化
第一鉄を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解
し、マグネタイト系磁性粉末を得る。本焼成の熱処理
は、非酸化性ガスと水蒸気からなる雰囲気中で、500
〜1000℃の温度範囲で行なわれることが好ましい。
このとき、上記水蒸気は、上記定義の導入水蒸気圧が2
00〜760mmHgの範囲で、高ければ高いほど望まし
い。
いで本焼成工程に移される。この本焼成工程では、塩化
第一鉄を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解
し、マグネタイト系磁性粉末を得る。本焼成の熱処理
は、非酸化性ガスと水蒸気からなる雰囲気中で、500
〜1000℃の温度範囲で行なわれることが好ましい。
このとき、上記水蒸気は、上記定義の導入水蒸気圧が2
00〜760mmHgの範囲で、高ければ高いほど望まし
い。
【0036】熱処理を、上記温度範囲内で行なう場合に
は、上記したような本発明に従う好ましい特性のマグネ
タイト系磁性粉末が得られ、上記範囲外で行なう場合に
は、マグネタイト以外のウスタイトやヘマタイト相が多
くなり、本発明範囲内のマグネタイト含有量を得られな
いからである。
は、上記したような本発明に従う好ましい特性のマグネ
タイト系磁性粉末が得られ、上記範囲外で行なう場合に
は、マグネタイト以外のウスタイトやヘマタイト相が多
くなり、本発明範囲内のマグネタイト含有量を得られな
いからである。
【0037】以上の焼成工程のタイムチャートを図2に
示した。
示した。
【0038】本発明では、上記前処理工程および本焼成
工程を、噴霧焙焼法、流動焙焼法、ロータリーキルンを
用いた方法、およびトンネル窯を用いた方法等により好
ましく実施することができる。
工程を、噴霧焙焼法、流動焙焼法、ロータリーキルンを
用いた方法、およびトンネル窯を用いた方法等により好
ましく実施することができる。
【0039】上記噴霧焙焼法は、鉄などの塩化物水溶液
を濃度調整し、焙焼炉において調整した塩化物水溶液を
炉頂から噴霧し噴霧液滴の流れと高温熱媒体のガスの流
れが対向流になるようにして噴霧焙焼し、この焙焼反応
により生成した酸化物粉体を炉底より取り出す方法であ
る。
を濃度調整し、焙焼炉において調整した塩化物水溶液を
炉頂から噴霧し噴霧液滴の流れと高温熱媒体のガスの流
れが対向流になるようにして噴霧焙焼し、この焙焼反応
により生成した酸化物粉体を炉底より取り出す方法であ
る。
【0040】上記流動焙焼法は、鉄などの塩化物水溶液
を濃度調整し、調整した塩化物水溶液を一定の温度を保
持した流動層の流動焙焼炉に噴霧し、噴霧液滴の流れと
高温熱媒体のガスの流れが同じ方向になるようにして噴
霧焙焼し、この焙焼反応のより生成した酸化物粉体を炉
頂より取り出す方法である。
を濃度調整し、調整した塩化物水溶液を一定の温度を保
持した流動層の流動焙焼炉に噴霧し、噴霧液滴の流れと
高温熱媒体のガスの流れが同じ方向になるようにして噴
霧焙焼し、この焙焼反応のより生成した酸化物粉体を炉
頂より取り出す方法である。
【0041】ロータリーキルンを用いた方法は、耐熱煉
瓦で内張りした鉄製の大きな円筒をやや傾けて転回装置
の上に横たえた窯炉・鉄筒の下部から加熱しながら、上
部から原料を入れて、回転に従って下部の最高温度のと
ころに移動し、原料の焼成あるいは熱処理を行う方法で
ある。
瓦で内張りした鉄製の大きな円筒をやや傾けて転回装置
の上に横たえた窯炉・鉄筒の下部から加熱しながら、上
部から原料を入れて、回転に従って下部の最高温度のと
ころに移動し、原料の焼成あるいは熱処理を行う方法で
ある。
【0042】上記トンネル窯は、窯業製品などを連続的
に焼成(熱処理)するトンネル状の窯炉であり、この窯
を用いた方法は、入口から予熱室、加熱室と温度が上が
り、冷却室、出口と低温になっている中を被焼成物を乗
せた台車が一定の速度で動き、一定の加熱、冷却速度で
焼成(熱処理)する方法である。
に焼成(熱処理)するトンネル状の窯炉であり、この窯
を用いた方法は、入口から予熱室、加熱室と温度が上が
り、冷却室、出口と低温になっている中を被焼成物を乗
せた台車が一定の速度で動き、一定の加熱、冷却速度で
焼成(熱処理)する方法である。
【0043】上記種々の炉中への水蒸気の導入は、雰囲
気の一部を構成する非酸化性ガスをキャリヤガスとして
導入することが望ましい。この不活性ガスとしては、上
記窒素ガスの他、アルゴンガス等を用いることができ
る。
気の一部を構成する非酸化性ガスをキャリヤガスとして
導入することが望ましい。この不活性ガスとしては、上
記窒素ガスの他、アルゴンガス等を用いることができ
る。
【0044】上記熱処理の温度保持時間は、噴霧焙焼法
と流動焙焼法においては、反応が瞬時に行われ、ロータ
リーキルンで行う場合には通過時間2時間以下が望まし
く、トンネル窯で行う場合には通過時間10時間以下が
望ましい。なお、ロータリーキルンおよびトンネル窯で
熱処理を行なう場合には、上記通過時間を少なくとも1
0分間程度に設定することが望ましい。
と流動焙焼法においては、反応が瞬時に行われ、ロータ
リーキルンで行う場合には通過時間2時間以下が望まし
く、トンネル窯で行う場合には通過時間10時間以下が
望ましい。なお、ロータリーキルンおよびトンネル窯で
熱処理を行なう場合には、上記通過時間を少なくとも1
0分間程度に設定することが望ましい。
【0045】また、昇降温速度は、特に限定されない
が、5〜60℃/min 程度であることが好ましい。
が、5〜60℃/min 程度であることが好ましい。
【0046】本発明の磁性トナーは、上記マグネタイト
系磁性粉末と結着用の樹脂を主成分として含有する。磁
性粉末は、トナー粒子の樹脂100重量部に対し5〜7
0重量部程度含有されることが好ましい。
系磁性粉末と結着用の樹脂を主成分として含有する。磁
性粉末は、トナー粒子の樹脂100重量部に対し5〜7
0重量部程度含有されることが好ましい。
【0047】上記樹脂としては、スチレン−アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが
できる。
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが
できる。
【0048】本発明の磁性トナーは、さらに電荷制御
剤、およびその他の添加剤を含んでいることが好まし
い。荷電制御剤は、帯電極性、帯電量等を制御するため
に必要に応じて添加される。本発明では、目的とする極
性、帯電量等に応じて公知の適当な荷電制御剤を選択す
ればよく、特に制限はない。例えば、金属錯塩アゾ系染
料、ニグロシン系染料等が挙げられるが、これらは要求
特性に応じて選択されるものである。このような荷電制
御剤の含有量は、トナー粒子の樹脂100重量部に対し
0.1〜5重量部程度であることが好ましい。また、色
調整用顔料として、0.1〜5.0重量部のカーボンブ
ラックを添加してもよい。
剤、およびその他の添加剤を含んでいることが好まし
い。荷電制御剤は、帯電極性、帯電量等を制御するため
に必要に応じて添加される。本発明では、目的とする極
性、帯電量等に応じて公知の適当な荷電制御剤を選択す
ればよく、特に制限はない。例えば、金属錯塩アゾ系染
料、ニグロシン系染料等が挙げられるが、これらは要求
特性に応じて選択されるものである。このような荷電制
御剤の含有量は、トナー粒子の樹脂100重量部に対し
0.1〜5重量部程度であることが好ましい。また、色
調整用顔料として、0.1〜5.0重量部のカーボンブ
ラックを添加してもよい。
【0049】また、その他の添加剤としては、ワック
ス、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン類
またはシリコーンオイルを用いることができる。
ス、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン類
またはシリコーンオイルを用いることができる。
【0050】ワックスは離型剤として、オフセット防止
のために必要に応じて添加される。本発明では用いるワ
ックスに特に制限はなく、公知の種々のワックス、例え
ば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、
シリコンワックス等を用いればよいが、これらは要求特
性に応じて選択されるものである。このようなワックス
の含有量は、トナー粒子の樹脂100重量部に対し1〜
7重量部程度であることが好ましい。
のために必要に応じて添加される。本発明では用いるワ
ックスに特に制限はなく、公知の種々のワックス、例え
ば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、
シリコンワックス等を用いればよいが、これらは要求特
性に応じて選択されるものである。このようなワックス
の含有量は、トナー粒子の樹脂100重量部に対し1〜
7重量部程度であることが好ましい。
【0051】本発明における磁性トナーのトナー粒子
は、磁性トナーの場合、その平均粒子径が、3〜25μ
m 、より好ましくは3〜20μm 、特に好ましくは4〜
12μm であることが好ましい。平均粒子径が大きすぎ
ると、現像剤の流動性が悪化し、現像剤のケーキングや
スリーブ付着が生じやすくなり、また小さすぎると、解
像度の悪化や、定着性の不良を生じる傾向となる。トナ
ー粒子の平均粒子径の測定には、コールターカウンター
法により、測定値の体積粒子径を算出し、その50%平
均粒子径を平均粒子径とする。コールターカウンター法
においては、電解液としてイソトンII(コールターエレ
クトロニクス社製)を用い、例えばアパーチャー径10
0μm のコールターカウンタTA−II(コールターエレ
クトロニクス社製)を用いて体積基準の測定を行う。な
お、粒子径分布は、一般に平均粒子径をdとしたとき、
2d以上が5%程度以下、d/2以下が5%程度以下程
度のものであることが好ましい。
は、磁性トナーの場合、その平均粒子径が、3〜25μ
m 、より好ましくは3〜20μm 、特に好ましくは4〜
12μm であることが好ましい。平均粒子径が大きすぎ
ると、現像剤の流動性が悪化し、現像剤のケーキングや
スリーブ付着が生じやすくなり、また小さすぎると、解
像度の悪化や、定着性の不良を生じる傾向となる。トナ
ー粒子の平均粒子径の測定には、コールターカウンター
法により、測定値の体積粒子径を算出し、その50%平
均粒子径を平均粒子径とする。コールターカウンター法
においては、電解液としてイソトンII(コールターエレ
クトロニクス社製)を用い、例えばアパーチャー径10
0μm のコールターカウンタTA−II(コールターエレ
クトロニクス社製)を用いて体積基準の測定を行う。な
お、粒子径分布は、一般に平均粒子径をdとしたとき、
2d以上が5%程度以下、d/2以下が5%程度以下程
度のものであることが好ましい。
【0052】また、磁性トナー粒子の保磁力Hcは、例え
ば5000Oeにて35〜230Oe、特に40〜140Oe
が好ましく、例えば5000Oeにおける飽和磁化σm
は、8〜65emu/g 、特に15〜40emu/g が好まし
い。
ば5000Oeにて35〜230Oe、特に40〜140Oe
が好ましく、例えば5000Oeにおける飽和磁化σm
は、8〜65emu/g 、特に15〜40emu/g が好まし
い。
【0053】本発明における原料トナー粒子は、通常の
トナー製造法により製造すればよい。
トナー製造法により製造すればよい。
【0054】なお、トナー粒子には、これらの他、抵抗
調整剤等が含有されていてもよい。
調整剤等が含有されていてもよい。
【0055】本発明のマグネタイト系磁性粉末は、上記
の磁性トナーの他、磁気インクに用いてもよい。
の磁性トナーの他、磁気インクに用いてもよい。
【0056】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
をさらに詳細に説明する。
【0057】実施例1
4水の塩化第一鉄2g を小型横式管状炉内に設置し、該
炉内に、窒素をキャリヤガスとし、760mmHgの水蒸気
圧の雰囲気を連続的に導入・流通させた。この状態で、
10℃/min で昇温し、表2〜4に示す温度で表2〜4
に示す時間保持して前処理として低温焼成をおこなった
後、表2〜4に示す温度まで冷却し、その後空気中に放
置した。さらに、この処理物を小型横式管状炉内に設置
し、該炉内に、窒素をキャリヤガスとし、760mmHgの
水蒸気圧の雰囲気を連続的に導入・流通させた。この状
態で、10℃/min で昇温し、表2〜4に示す温度で表
2〜4に示す時間保持して本焼成を行なった後、炉冷
し、熱処理し、試料1〜15を得た。得られた試料1〜
15の結晶種類、マグネタイト相の含有量(wt%)、σ
s(emu/g )、Hc(0e)、比表面積(m2 /g)お
よび塩素含有量(ppm)を調べた。
炉内に、窒素をキャリヤガスとし、760mmHgの水蒸気
圧の雰囲気を連続的に導入・流通させた。この状態で、
10℃/min で昇温し、表2〜4に示す温度で表2〜4
に示す時間保持して前処理として低温焼成をおこなった
後、表2〜4に示す温度まで冷却し、その後空気中に放
置した。さらに、この処理物を小型横式管状炉内に設置
し、該炉内に、窒素をキャリヤガスとし、760mmHgの
水蒸気圧の雰囲気を連続的に導入・流通させた。この状
態で、10℃/min で昇温し、表2〜4に示す温度で表
2〜4に示す時間保持して本焼成を行なった後、炉冷
し、熱処理し、試料1〜15を得た。得られた試料1〜
15の結晶種類、マグネタイト相の含有量(wt%)、σ
s(emu/g )、Hc(0e)、比表面積(m2 /g)お
よび塩素含有量(ppm)を調べた。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】測定は次のようにして行なった。
【0062】結晶種類は、粉末X線回折法による定性分
析により、結晶種類を特定した。マグネタイト相の含有
量(wt%)は、マグネタイト相の含有量と各結晶相のX
線回折の相対強度比との関係から求めた。また、σs
(emu/g )、Hc(0e)は、試料各0.1gをホルダ
にセットし、磁界5,000Oeを印加した状態で、振
動試料型磁力計により測定した。比表面積(m2 /g)
は、試料各0.5gをセルにセットして、BET1点法
で測定した。そして、塩素含有量(ppm)は、各試料
15gを1.0t/cm2 でプレスし、測定用試料を作
製し、これを用いて蛍光X線で定量分析を行なって、測
定した。その結果を表5に示した。
析により、結晶種類を特定した。マグネタイト相の含有
量(wt%)は、マグネタイト相の含有量と各結晶相のX
線回折の相対強度比との関係から求めた。また、σs
(emu/g )、Hc(0e)は、試料各0.1gをホルダ
にセットし、磁界5,000Oeを印加した状態で、振
動試料型磁力計により測定した。比表面積(m2 /g)
は、試料各0.5gをセルにセットして、BET1点法
で測定した。そして、塩素含有量(ppm)は、各試料
15gを1.0t/cm2 でプレスし、測定用試料を作
製し、これを用いて蛍光X線で定量分析を行なって、測
定した。その結果を表5に示した。
【0063】
【表5】
【0064】表5から明瞭なように、熱処理を本発明の
条件に従って行なった試料については、その比表面積が
好ましい値である1.0〜3.0m2 /gの範囲とな
り、また、マグネタイト相の含有量も90wt%以上とな
った。特に水蒸気圧が760mmHgで、本焼成工程温度が
500〜1000℃のものについては、マグネタイト相
単相の磁性粉末が得られた。また、本発明に従う上記の
試料の全てについて、飽和磁化(σs)が82〜92em
u/g 、保磁力(Hc)が60〜160Oe、塩素含有量
が600ppm以下の好ましい範囲であった。
条件に従って行なった試料については、その比表面積が
好ましい値である1.0〜3.0m2 /gの範囲とな
り、また、マグネタイト相の含有量も90wt%以上とな
った。特に水蒸気圧が760mmHgで、本焼成工程温度が
500〜1000℃のものについては、マグネタイト相
単相の磁性粉末が得られた。また、本発明に従う上記の
試料の全てについて、飽和磁化(σs)が82〜92em
u/g 、保磁力(Hc)が60〜160Oe、塩素含有量
が600ppm以下の好ましい範囲であった。
【0065】一方、熱処理を本発明の条件に従って行な
わなかった試料2、3、6、11、12および13につ
いては、その特性の1つ以上が本発明の範囲外となって
しまった。
わなかった試料2、3、6、11、12および13につ
いては、その特性の1つ以上が本発明の範囲外となって
しまった。
【0066】また、マグネタイトが100wt%の試料
1、マグネタイトが91wt%の試料2、およびマグネタ
イトが80wt%の試料12を用いて、各試料の磁性粉末
の顔料としての機能測定を行なった。この測定は、磁性
粉0.3g を両面テープの上にセットし、これをコピー
用紙上に貼り付け、この状態で、マクベス濃度計によっ
て磁性粉末の濃度を測定して行なった。試料1、試料2
および試料12の各濃度は、2.05、1.93、1.
73であった。マグネタイト相が多くなるにつれて濃度
が向上し、顔料としての機能が向上していることが分か
る。
1、マグネタイトが91wt%の試料2、およびマグネタ
イトが80wt%の試料12を用いて、各試料の磁性粉末
の顔料としての機能測定を行なった。この測定は、磁性
粉0.3g を両面テープの上にセットし、これをコピー
用紙上に貼り付け、この状態で、マクベス濃度計によっ
て磁性粉末の濃度を測定して行なった。試料1、試料2
および試料12の各濃度は、2.05、1.93、1.
73であった。マグネタイト相が多くなるにつれて濃度
が向上し、顔料としての機能が向上していることが分か
る。
【0067】また、図3および図4に実施例の試料5お
よび比較例の試料11のSEM写真を示した。本発明の
実施例における2段焼成を行なった試料についは、粒径
が極めて小さいことがわかる。
よび比較例の試料11のSEM写真を示した。本発明の
実施例における2段焼成を行なった試料についは、粒径
が極めて小さいことがわかる。
【0068】実施例2
鉄鋼業の鋼板等の塩酸酸洗廃液を窒素雰囲気のクローボ
ックス中にて100℃で乾燥し、塩化第一鉄を得、その
2g を出発原料としたこと以外は、上記試料1と同様に
して、実施例2のマグネタイト系磁性粉末を得たとこ
ろ、試料1と同じくマグネタイト単相の磁性粉末であっ
た。
ックス中にて100℃で乾燥し、塩化第一鉄を得、その
2g を出発原料としたこと以外は、上記試料1と同様に
して、実施例2のマグネタイト系磁性粉末を得たとこ
ろ、試料1と同じくマグネタイト単相の磁性粉末であっ
た。
【0069】比較のため、本発明外の試料12の条件と
したこと以外は、上記実施例2と同様にして、比較例の
マグネタイト系磁性粉末を得たところ、マグネタイトが
主相であったが、ヘマタイト相が30wt% 以上であっ
た。
したこと以外は、上記実施例2と同様にして、比較例の
マグネタイト系磁性粉末を得たところ、マグネタイトが
主相であったが、ヘマタイト相が30wt% 以上であっ
た。
【0070】出発原料としては、上記のほか、塩化第二
鉄の溶液をスクラップ片等の金属鉄で還元した塩化第一
鉄溶液、およびスクラップ片等の金属鉄を塩酸で溶解し
た塩化第一鉄等を用いても上記と同様の結果が得られ
る。
鉄の溶液をスクラップ片等の金属鉄で還元した塩化第一
鉄溶液、およびスクラップ片等の金属鉄を塩酸で溶解し
た塩化第一鉄等を用いても上記と同様の結果が得られ
る。
【0071】また、上記熱処理を、上記小型横式管状炉
を用いた方法の代わりに、噴霧焙焼法、流動焙焼法、ロ
ータリーキルンを用いた方法、およびトンネル窯を用い
た方法で行なったところ同様のマグネタイト系磁性粉末
が得られた。
を用いた方法の代わりに、噴霧焙焼法、流動焙焼法、ロ
ータリーキルンを用いた方法、およびトンネル窯を用い
た方法で行なったところ同様のマグネタイト系磁性粉末
が得られた。
【0072】次に、上記実施例1における試料1の磁性
粉末、および比較のため試料6の磁性粉末を下記の条件
でトナー化し、トナー1、2を作製した。
粉末、および比較のため試料6の磁性粉末を下記の条件
でトナー化し、トナー1、2を作製した。
【0073】結着樹脂(St−AcおよびPP):6
3.5%と磁性粉末:35%、電荷制御剤(TRH):
1%および添加剤(SiO2 ):0.5%の組成として
秤量後、加圧式ニーダーで溶融混練し、さらに粉砕・分
級を行って体積平均粒径7μmの磁性トナーを得た。こ
れらのトナーのトナー粉体の特性を測定し、表6に示し
た。体積平均粒径はコールターカウンター測定によっ
た。
3.5%と磁性粉末:35%、電荷制御剤(TRH):
1%および添加剤(SiO2 ):0.5%の組成として
秤量後、加圧式ニーダーで溶融混練し、さらに粉砕・分
級を行って体積平均粒径7μmの磁性トナーを得た。こ
れらのトナーのトナー粉体の特性を測定し、表6に示し
た。体積平均粒径はコールターカウンター測定によっ
た。
【0074】
【表6】
【0075】また、上記の磁性トナー1、2を市販の電
子写真プリンター(キヤノン製)にセットして各特性項
目を確認した。その結果を表7に示した。
子写真プリンター(キヤノン製)にセットして各特性項
目を確認した。その結果を表7に示した。
【0076】
【表7】
【0077】この表7から分かるように、本発明の実施
例のトナー1は、トナーとしての特性が良好であった
が、比較例のトナー2においては、カブリ等において望
ましくない結果となった。
例のトナー1は、トナーとしての特性が良好であった
が、比較例のトナー2においては、カブリ等において望
ましくない結果となった。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマグネタ
イト系磁性粉末は、従来と比較して工程数が極めて少な
く、かつ安価に製造することができる。
イト系磁性粉末は、従来と比較して工程数が極めて少な
く、かつ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気−水蒸気および窒素−水蒸気の雰囲気下で
熱処理して得られた2種類の試料のX線回折のパターン
を示す図である。
熱処理して得られた2種類の試料のX線回折のパターン
を示す図である。
【図2】本発明の本焼成工程の熱処理条件を示すグラフ
図である。
図である。
【図3】図面代用写真であって、本発明の実施例の試料
5のSEM写真である。
5のSEM写真である。
【図4】図面代用写真であって、比較例の試料11のS
EM写真である。
EM写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
H01F 1/36 G03G 9/08 101
302
(56)参考文献 特開 平3−75228(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01F 1/00
C01G 49/08
B22F 1/00
G03G 9/083
H01F 1/36
Claims (11)
- 【請求項1】 塩化第一鉄を出発原料とし、これを、非
酸化性雰囲気下において熱処理を行なう前処理工程、こ
の前処理工程で得られた処理物を酸素を含有する雰囲気
下で所定温度まで冷却する冷却工程、および冷却された
処理物を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解
する本焼成工程で処理して、比表面積が1.0〜3.0
m2 /g、飽和磁化σS が82〜92emu/g 、マグネタ
イト相の含有量が90wt% 以上であるマグネタイト系磁
性粉体を得るに際し、 前記前処理工程において、250〜400℃の範囲の処
理温度で熱処理を行うマグネタイト系磁性粉末の製造方
法。 - 【請求項2】 前記冷却工程において、前処理工程を経
た熱処理物を少なくとも200℃まで冷却する請求項1
のマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 - 【請求項3】 前記本焼成工程において、500〜10
00℃の範囲の処理温度で本焼成する請求項1または2
のマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 - 【請求項4】 前記本焼成工程において、非酸化性ガス
と水蒸気とからなる雰囲気下で本焼成する請求項1ない
し3のいずれかのマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 - 【請求項5】 塩化第一鉄を出発原料とし、これを、非
酸化性雰囲気下において熱処理を行なう前処理工程、こ
の前処理工程で得られた処理物を酸素を含有する雰囲気
下で所定温度まで冷却する冷却工程、および冷却された
処理物を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解
する本焼成工程で処理して、比表面積が1.0〜3.0
m2 /g、飽和磁化σS が82〜92emu/g 、マグネタ
イト相の含有量が90wt% 以上であるマグネタイト系磁
性粉体を得るに際し、 前記本焼成工程において、500〜1000℃の範囲の
処理温度で本焼成するマグネタイト系磁性粉末の製造方
法。 - 【請求項6】 前記本焼成工程において、非酸化性ガス
と水蒸気とからなる雰囲気下で本焼成する請求項5のマ
グネタイト系磁性粉末の製造方法。 - 【請求項7】 塩化第一鉄を出発原料とし、これを、非
酸化性雰囲気下において熱処理を行なう前処理工程、こ
の前処理工程で得られた処理物を酸素を含有する雰囲気
下で所定温度まで冷却する冷却工程、および冷却された
処理物を水蒸気が存在する雰囲気下で本焼成し、熱分解
する本焼成工程で処理して、比表面積が1.0〜3.0
m2 /g、飽和磁化σS が82〜92emu/g 、マグネタ
イト相の含有量が90wt% 以上であるマグネタイト系磁
性粉体を得るに際し、 前記本焼成工程において、非酸化性ガスと水蒸気とから
なる雰囲気下で本焼成するマグネタイト系磁性粉末の製
造方法。 - 【請求項8】 出発原料である前記塩化第一鉄が、塩酸
酸洗廃液の塩化第一鉄、塩化第二鉄の溶液を金属鉄で還
元した塩化第一鉄、または金属鉄を塩酸で溶解した塩化
第一鉄である請求項1ないし7のいずれかのマグネタイ
ト系磁性粉末の製造方法。 - 【請求項9】 前記本焼成工程を、噴霧焙焼法、流動焙
焼法、トンネル炉を用いた方法、またはロータリーキル
ンを用いた方法により行なう請求項1ないし8のいずれ
かのマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 - 【請求項10】 残留塩素が600ppm以下であるマ
グネタイト系磁性粉末を得る請求項1ないし9のいずれ
かのマグネタイト系磁性粉末の製造方法。 - 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかの製造
方法によってマグネタイト系磁性粉末を得、このマグネ
タイト系磁性粉末と結着用の樹脂とを溶融混練し、さら
に粉砕・分級を行って磁性トナーを得る磁性トナーの製
造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35391893A JP3381996B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | マグネタイト系磁性粉末の製造方法および磁性トナーの製造方法 |
US08/362,865 US5589097A (en) | 1993-12-24 | 1994-12-23 | Method for preparing magnetite magnetic powder |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35391893A JP3381996B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | マグネタイト系磁性粉末の製造方法および磁性トナーの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07201542A JPH07201542A (ja) | 1995-08-04 |
JP3381996B2 true JP3381996B2 (ja) | 2003-03-04 |
Family
ID=18434103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35391893A Expired - Fee Related JP3381996B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-27 | マグネタイト系磁性粉末の製造方法および磁性トナーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3381996B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP35391893A patent/JP3381996B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07201542A (ja) | 1995-08-04 |
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