JPH0834616A - 亜鉛フェライト粉の生成方法、その方法により得られた亜鉛フェライト粉および磁性トナー - Google Patents

亜鉛フェライト粉の生成方法、その方法により得られた亜鉛フェライト粉および磁性トナー

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JPH0834616A
JPH0834616A JP6173819A JP17381994A JPH0834616A JP H0834616 A JPH0834616 A JP H0834616A JP 6173819 A JP6173819 A JP 6173819A JP 17381994 A JP17381994 A JP 17381994A JP H0834616 A JPH0834616 A JP H0834616A
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Yoshito Nihei
義人 仁平
Takeshi Nomura
武史 野村
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    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、従来とは出発原料を異にし、マグ
ネタイトと亜鉛フェライトの固溶体である亜鉛フェライ
ト粉を更に容易に製造することができ、しかも、該亜鉛
フェライト粉の特性も良好な該亜鉛フェライト粉の生成
方法、およびこの生成方法によって得られた該亜鉛フェ
ライト粉を提供することを目的とするものである。 【構成】 本発明の亜鉛フェライト粉の生成方法は、少
なくとも1種の金属塩化物と少なくとも1種の金属酸化
物とを含む混合材料が鉄および亜鉛からなる混合材料で
あり、該混合材料を出発原料とし、これを、水蒸気が存
在する雰囲気下において焙焼し、熱分解反応と固相反応
を同時に行わせて、該亜鉛フェライト粉を得ることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛フェライト粉の生
成方法と、その方法により得られた亜鉛フェライト粉お
よびそれを用いた磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛フェライト粉は、亜鉛量を制御する
ことによりマグネタイトと亜鉛フェライトの固溶体とな
り、該亜鉛フェライト粉は、電子写真プロセス(複写
機、レーザープリンター、普通紙ファックス等)に使用
される磁性トナーに使われる。
【0003】従来、亜鉛フェライト粉を得るための工業
的手法として固相法がある。固相法によるマグネタイト
と亜鉛フェライトの固溶体を得るための製造方法は、酸
化亜鉛とヘマタイトを出発原料とし、高温で焼結させた
後、粉砕し、水素などの還元ガスでこれを還元熱処理
し、さらに粉砕を行い亜鉛フェライト粉を得る方法であ
る(特公昭57−19055号、特公昭60−3608
2号、特公昭63−46412号公報参照)。
【0004】この方法では還元雰囲気をコントロールで
きるため、純粋なスピネル相を有する亜鉛フェライト粉
を生成することができる利点があるとされている。しか
し、この方法は工程が多いため、製造コストが高いとい
う欠点がある。
【0005】他方、鉄鋼業においては鋼板などの塩酸酸
洗の際に生じる酸洗廃液中の塩化鉄を利用して、空気中
でこれを焙焼(熱分解)し、酸化鉄を製造する方法が考
えられている。焙焼方法(熱分解法)としては、一般
に、炉頂より塩酸酸洗廃液を噴霧し炉内に熱分解させ酸
化鉄を炉底より取り出す噴霧焙焼法と、一定の温度に保
持した流動層中に塩酸酸洗廃液を噴霧し熱分解させ酸化
鉄を炉頂より捕集する流動焙焼法がある。
【0006】焙焼法では粉砕などの工程を省略すること
ができ、しかも、塩化鉄の酸洗廃液を利用しているため
酸化鉄の製造コストを下げることができる利点がある。
しかし、空気中ではかなりの塩化鉄が酸化して主相がヘ
マタイト相になってしまうため、現有の焙焼法でマグネ
タイトと亜鉛フェライトの固溶体粉末を合成することが
困難である。
【0007】そこで、簡単に製造でき、しかも良好な特
性を持つマグネタイトと亜鉛フェライトの固溶体である
亜鉛フェライト粉を得るため、本件出願人は、先にマグ
ネタイト系磁性粉末の生成方法として、次のような3つ
の提案を行った。
【0008】第1の提案によるマグネタイト系磁性粉末
は、塩化第一鉄を出発原料として、水蒸気を含む雰囲気
下で熱処理することにより得られる。上記マグネタイト
系磁性粉末は、マグネタイト相の含有率が90%以上で
あり、その飽和磁化σsが82〜92emu/gであ
る。上記熱処理は、導入水蒸気圧(mmHg)を縦軸、
温度(℃)を横軸とするグラフにおいて、雰囲気の導入
水蒸気圧と熱処理温度(A:1000℃、760mmH
g、B:500℃、760mmHg、C:750℃、2
00mmHg、D:530℃、200mmHg)のA、
B、C、Dの四点の四辺形で囲まれた範囲内で行われ
る。上記水蒸気等は、昇温前の熱処理炉内に導入・充填
され、処理中も該炉内に導入・流通され続ける。そし
て、その水蒸気圧は、常圧下でその温度を制御すること
により調整され、例えば、100℃で水蒸気圧760m
mHg、95℃で水蒸気圧600mmHg、85℃で水
蒸気圧400mmHg、70℃で水蒸気圧200mmH
gとなる。また、導入水蒸気の蒸気圧または導入水蒸気
圧の値は、水蒸気の上記熱処理炉内への導入の際の値を
さす。
【0009】また、第2の提案によるマグネタイト系磁
性粉末は、上記第1の提案と同様、塩化第一鉄を出発原
料とし、これを、非酸化性雰囲気下において熱処理を行
う前処理工程、この前処理工程で得られた処理物を酸素
を含有する雰囲気下で所定温度まで冷却する冷却工程、
および冷却された処理物を水蒸気が存在する雰囲気下で
本焼成し、熱分解する本焼成工程で処理して得られ、比
表面積が1.0〜3.0m2/g、飽和磁化σsが82〜
92emu/g、マグネタイト相の含有量が90wt%
以上であることを特徴とするものである。
【0010】さらに、第3の提案によるマグネタイト系
磁性粉末は、塩化第一鉄および塩化第二鉄の混合材料を
出発原料とし、該混合材料における塩化第一鉄と塩化第
二鉄の組成比がモル比で、25/75〜75/25であ
り、これを水蒸気が存在する雰囲気下で熱処理しマグネ
タイト系磁性粉末が得られ、比表面積が0.8〜3.0
2/g、飽和磁化σsが82〜92emu/g、保磁力
が60〜160Oe、そして抵抗値が106Ω以上であ
ることを特徴とするものである。
【0011】以上の3つの提案によれば、塩化第一鉄あ
るいは塩化第一鉄と塩化第二鉄の混合材料を出発原料と
し、容易に製造でき、しかも良好な特性のマグネタイト
系磁性粉末が得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記3つの
提案とは反応を異にし、マグネタイトと亜鉛フェライト
の固溶体である亜鉛フェライト粉末を更に容易に生成で
き、しかも得られた該亜鉛フェライト粉末の特性も良好
な亜鉛フェライト粉の生成方法、およびこの生成方法に
よって得られた亜鉛フェライト粉とそれを用いた磁性ト
ナーを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0014】(1) 少なくとも1種の金属塩化物と、
少なくとも1種の金属酸化物とを含む混合材料が亜鉛お
よび鉄からなる混合材料であり、該混合材料を出発原料
として、焙焼工程を水蒸気の存在する雰囲気下において
行い、前記原料に熱分解反応と固相反応を同時に行わせ
てマグネタイトと亜鉛フェライトの固溶体である粉末を
得ることを特徴とする亜鉛フェライト粉の生成方法。
【0015】(2) 前記混合材料における金属塩化物
と金属酸化物の組成比がモル比で、99/1〜30/7
0である(1)記載の亜鉛フェライト粉の生成方法。
【0016】(3) 前記混合材料における亜鉛と鉄の
組成比がモル比で、5/95〜30/70である(1)
あるいは(2)の亜鉛フェライト粉の生成方法。
【0017】(4) 前記焙焼における処理温度が、4
30〜800℃の範囲である(1)ないし(3)記載の
亜鉛フェライト粉の生成方法。
【0018】(5) (1)ないし(4)のいずれかの
生成方法によって生成された亜鉛フェライト粉であっ
て、印加磁界が5,000Oeにおける飽和磁化が85
〜96emu/g、保磁力が90〜210Oe、比表面
積が1〜5m2/g、抵抗値が109Ω以上である亜鉛フ
ェライト粉。
【0019】(6) (5)の亜鉛フェライト粉を25
〜55wt%含有する磁性トナー。
【0020】
【作用・効果】本発明の亜鉛フェライト粉の生成方法
は、少なくとも1種の金属塩化物、および少なくとも1
種の金属酸化物を含む混合材料が亜鉛および鉄である混
合材料を出発原料とし、焙焼工程を水蒸気の存在する雰
囲気において行い、熱分解反応と固相反応を同時に行わ
せることにより、従来に比べ工程数を大幅に短縮し、亜
鉛フェライト粉を容易に生成することができるものであ
る。
【0021】例えば、出発原料として、ZnO、FeC
2、およびFe23を用い、水蒸気の存在する雰囲気
下で焙焼することにより、下記の反応式に従い、亜鉛フ
ェライトを容易に生成できる。
【0022】2ZnO+2FeCl2+Fe23+3H2
O→2ZnFe24+4HCl+H2 また、本発明によれば、出発原料として金属塩化物のみ
を用いた場合より、熱分解温度を低下することができ、
また導入水蒸気圧を低下することができる。具体的に
は、金属塩化物を用いた場合、単相化のためには、熱分
解温度は500〜700℃の範囲で、また導入水蒸気圧
は200mmHg〜760mmHgに設定しなければな
らなかったが、本発明の場合には、熱分解温度は430
℃で、また導入水蒸気圧は100mmHgでも単相化が
可能となった。
【0023】さらに、本発明により得られた亜鉛フェラ
イト粉は、マグネタイトと亜鉛フェライトの固溶体であ
り、比表面積が1〜5m2/gと粒子径の小さいものを
得ることができ、仮焼きなどの工程が省略でき、工程数
の簡略化が図れ、安価に製造することができる。しかも
印加磁界が5,000Oeにおける飽和磁化σsが85
〜96emu/g、保磁力が90〜210Oeと磁気特
性特性の優れたものを容易に得ることができ、電子写真
における磁性トナ−等に好ましく用いることができる。
【0024】
【具体的構成】本発明の亜鉛フェライト粉は、以下に示
すように、電子写真用磁性トナー用の磁性粉末として一
般に要求されるサイズや磁気特性を備えている。
【0025】本発明の亜鉛フェライト粉は、比表面積が
1〜5m2/gの範囲であることが望ましい。近年、磁
性トナー等の粒子径も小さくなっており、上記範囲未満
の比表面積を有するものでは、このような微小トナーを
作製することができず、また、上記範囲を超える場合に
は、粒子径があまりにも小さいため、トナー中での分散
性が劣る。
【0026】本発明の亜鉛フェライト粉は、印加磁界が
5,000Oeにおける飽和磁化σsおよび保磁力Hc
が、それぞれ85〜96emu/g、90〜210Oe
の範囲であることが好ましい。また、1000V印加時
の抵抗が109Ω以上、特に109〜1011Ωであること
が好ましい。
【0027】また、本発明の亜鉛フェライト粉において
は、その残留塩素が600ppm以下であることが好ま
しく、少なければ少ないほど望ましい。亜鉛フェライト
粉末中の残留塩素が多いと、該亜鉛フェライト粉末を用
いて電子写真用トナーを作製した場合、電子写真装置の
感光ドラム等を損傷するおそれがあるからである。
【0028】上記金属塩化物と金属酸化物の好ましい組
成比は、モル比で99/1〜30/70、さらに好まし
くは80/20〜50/50の範囲である。上記の範囲
外で金属塩化物が多すぎると、目的相の生成温度が高く
なり、Znの蒸発量が多くなる。一方、金属酸化物が多
すぎると、目的相の単相化が困難である。
【0029】本発明では、少なくとも1種の金属塩化物
と、少なくとも1種の金属酸化物を含む混合材料が亜鉛
および鉄からなる混合材料を用いて、マグネタイトと亜
鉛フェライトの固溶体の粉末を製造する。上記原料のう
ち、金属塩化物は、固体、液体のいずれを用いてもよ
い。
【0030】上記金属塩化物が固体の場合は、原料の混
合は、各原料を所定のモル比に秤量したのち、これを振
動ミルで混合する。
【0031】一方、金属塩化物が液体の場合は、金属塩
化物溶液と他の原料を所定のモル比に秤量し、これを該
金属塩化物溶液に溶解させたのち、撹拌しながら水分を
蒸発させ、混合材料を得る。
【0032】上記金属塩化物としては、例えば、Fe、
Znである金属の2価の塩化物、およびFeである金属
の3価の塩化物を用いることができる。上記金属酸化物
としては、例えば、Znである金属の2価の酸化物、お
よびFeである金属の3価の酸化物を用いることができ
る。
【0033】上記混合材料における亜鉛と鉄の好ましい
組成比はモル比で、5/95〜30/70、さらに好ま
しくは10/90〜25/75の範囲であることが好ま
しい。上記範囲外で鉄成分が多すぎると飽和磁化および
抵抗値が低下する。一方、鉄成分が少なすぎるとZnO
とFe34へ分解する。
【0034】上記のような混合材料は、焙焼により、熱
分解反応と同時に固相反応が行われ、亜鉛フェライト粉
が生成される。例えば、FeCl2あるいはFeCl2
ZnCl2が熱分解反応によりFeOあるいはFeO、
ZnOを生成して、同時にFe23あるいはZnO、F
23と固相反応が行われ、亜鉛フェライト粉が生成す
る。この焙焼は、非酸化性ガスと水蒸気からなる雰囲気
中で、430〜800℃の温度範囲で行われることが好
ましい。このとき、上記水蒸気は、上記定義の導入水蒸
気圧が100〜760mmHgの範囲であり、また、上
記非酸化性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等を
用いることができる。なお、材料中にZnCl2が含ま
れている場合には、Znの蒸発を防止するため、加熱当
初から350℃程度までは雰囲気を酸素と水蒸気を含む
雰囲気としておき、それ以上の温度となったとき、非酸
化性ガスと水蒸気からなる雰囲気に切り替える。
【0035】焙焼を、上記範囲内で行うことにより、上
記したように本発明に従う好ましい特性の亜鉛フェライ
ト粉末が得られる。一方、上記範囲外で行う場合には、
マグネタイトと酸化亜鉛が分離してしまい、もしくは、
塩化物が残留してしまうため、亜鉛フェライト粉とし
て、スピネル単相を得ることができない。
【0036】上記焙焼は、使用する炉内の密閉性が良好
であればどのような焙焼法を用いてもよく、例えば、噴
霧焙焼法、流動焙焼法、ロータリーキルンを用いた方
法、およびトンネル窯を用いた方法等により好ましく実
施することができる。
【0037】上記噴霧焙焼法は、鉄などの塩化物水溶液
を濃度調整し、焙焼炉において調整した塩化物水溶液を
炉頂から噴霧し噴霧液滴の流れと高温熱媒体のガスの流
れが対向流になるようにして噴霧焙焼し、この焙焼反応
により生成した酸化物粉体を炉底より取り出す方法であ
る。
【0038】上記流動焙焼法は、鉄などの塩化物水溶液
を濃度調整し、調整した塩化物水溶液を一定の温度を保
持した流動層の流動焙焼炉に噴霧し、噴霧液滴の流れと
高温熱媒体のガスの流れが同じ方向になるようにして噴
霧焙焼し、この焙焼反応により生成した酸化物粉体を炉
頂より取り出す方法である。
【0039】ロータリーキルンを用いた方法は、耐熱煉
瓦で内張りした鉄製の大きな円筒をやや傾けて転回装置
の上に横たえた窯炉・鉄筒の下部から加熱しながら、上
部から原料を入れて、回転に従って下部の最高温度のと
ころに移動し、原料の焼成あるいは熱処理を行う方法で
ある。ロータリーキルンとしては、例えば、図1および
2に示したような構造のものを用いることができる。
【0040】図において、符号1はロータリーキルンを
示し、このロータリーキルン1は、回転炉本体2を備え
ている。この回転炉本体2は、円筒状の炉芯管3を有
し、この炉芯管3の内部に一端4から原料が投入され、
熱処理が行われる。そして、生成された亜鉛フェライト
粉は、他端5より取り出される。上記炉芯管3は、原料
が投入される一端4を上にし、亜鉛フェライト粉が取り
出される他端5側を下にして水平に対し、10〜30度
の範囲で傾いている。従って、このロータリーキルン1
の流動角度は、10〜30度の範囲である。また、上記
炉芯管3は、その回転数が3〜30rpmの範囲に設定
されていることが望ましい。
【0041】上記炉芯管3の一端および他端には、それ
ぞれ炉芯管内部を密閉するための密閉栓6a、6bが設
けられている。上記一端4側の密閉栓6aには、炉芯管
3内部に原料を投入するための原料投入用パイプ7、お
よび亜鉛フェライト粉の生成に際して発生するHClを
回収するためのHCl回収用パイプ8が取り付けられて
いる。
【0042】上記原料投入用パイプ7の途中には、炉芯
管3内に固体状の原料を定量送り込むための定量フィー
ダ9が配置されている。
【0043】一方、他端5側の密閉栓6bには、炉内で
生成された亜鉛フェライト粉末を炉外に取り出すための
生成物の取り出し管10、および炉内に雰囲気を導入す
るための雰囲気導入パイプ11が取り付けられている。
また、炉芯管3内部には、図2に特によく示したよう
に、炉芯管の内壁上縁に沿って配置され、該炉芯管とと
もには運動しないように固定されたガラス製の剥離棒1
2が設けられている。この剥離棒12は、炉芯管3の内
壁面に対して3〜30mmの間隔を隔てられて配置さ
れ、該内壁面に付着した生成亜鉛フェライト粉を、該内
壁からかき落とす作用をなすものである。
【0044】以上の構造のロータリーキルンによれば、
金属塩化物と金属酸化物の混合原料を用いて特性の良好
な亜鉛フェライト粉を生成することができる。
【0045】上記トンネル窯は、窯業製品などを連続的
に焼成(熱処理)するトンネル状の窯炉であり、この窯
を用いた方法は、入口から予熱室、加熱室と温度が上が
り、冷却室、出口と低温になっている中を被焼成物を乗
せた台車が一定の速度で動き、一定の加熱、冷却速度で
焼成(熱処理)する方法である。
【0046】上記種々の炉内への水蒸気の導入は、雰囲
気の一部を構成する非酸化性ガスをキャリアガスとして
導入することが望ましい。この不活性ガスとしては、上
記窒素ガスの他、アルゴンガス等を用いることができ
る。
【0047】上記熱処理の温度保持時間は、噴霧焙焼法
と流動焙焼法においては、反応が瞬時に行われ、ロータ
リーキルンで行う場合には通過時間2時間以下が望まし
く、トンネル窯で行う場合には通過時間10時間以下が
望ましい。なお、ロータリーキルンおよびトンネル窯で
熱処理を行う場合には、上記通過時間を少なくとも10
分間程度に設定することが望ましい。
【0048】また、昇降温速度は、特に限定されない
が、5〜60℃/min程度であることが好ましい。
【0049】本発明の磁性トナーは、上記亜鉛フェライ
ト粉と結着用の樹脂を主成分として含有する。該亜鉛フ
ェライト粉は、トナー全体に対し25〜55wt%程度
含有される。該亜鉛フェライト粉が、25wt%未満で
あると、磁性トナーとしての磁化が低下するため、画像
劣化(解像度の劣化、カブリの増大)が生じる。一方、
55wt%を超えると、磁性トナ−としての帯電性能が
低下し、画像濃度の低下が起こる。
【0050】上記樹脂としては、スチレン−アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが
できる。
【0051】本発明の磁性トナーは、さらに荷電制御
剤、およびその他の添加剤を含んでいることが好まし
い。荷電制御剤は、帯電極性、帯電量等を制御するため
に必要に応じて添加される。本発明では、目的とする極
性、帯電量などに応じて公知の適当な荷電制御剤を選択
すればよく、特に制限はない。例えば、金属錯塩アゾ系
染料、ニグロシン系染料等が挙げられるが、これらは要
求特性に応じて選択されるものである。このような荷電
制御剤の含有量は、トナー粒子の樹脂100重量部に対
し0.1〜5.0重量部程度であることが好ましい。ま
た、色調整用顔料として、0.1〜5.0重量部のカー
ボンブラックを添加してもよい。
【0052】また、その他の添加剤としては、ワック
ス、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン類ま
たはシリコンオイルを用いることができる。
【0053】ワックスは離型剤として、オフセット防止
のために必要に応じて添加される。本発明では用いるワ
ックスに特に制限はなく、公知の種々のワックス、例え
ば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、
シリコンワックス等を用いればよいが、これらは要求特
性に応じて選択されるものである。このようなワックス
の含有量は、トナー粒子の樹脂100重量部に対し1〜
7重量部程度であることが好ましい。
【0054】本発明における磁性トナーのトナー粒子
は、磁性トナーの場合、その平均粒子径が3〜25μ
m、より好ましくは3〜20μm、特に好ましくは4〜
12μmである。平均粒子径が大きすぎると、解像度が
悪化し、現像剤のケーキングやスリーブ付着が生じやす
くなり、また小さすぎると、現像剤の流動性の悪化や、
定着性の不良を生じる傾向となる。トナー粒子の平均粒
子径の測定には、コールターカウンター法により、測定
値の体積粒子径を算出し、その50%平均粒子径を平均
粒子径とする。コールターカウンターにおいては、電解
液としてイソトンII(コールターエレクトロニクス社
製)を用い、例えば、アパーチャー径100μmのコー
ルターカウンターTAII(コールターエレクトロニクス
社製)を用いて体積基準の測定を行う。なお、粒子径分
布は、一般に平均粒子径をdとしたとき、2d以上が5
%程度以下、d/2以下が5%程度以下のものであるこ
とが好ましい。
【0055】また、磁性トナー粒子の保磁力Hcは、例
えば印加磁界5,000Oeにおいて60〜250O
e、特に90〜210Oeが好ましく、例えば印加磁界
5,000Oeにおける飽和磁化σsは、10〜65e
mu/g、特に15〜45emu/gが好ましい。
【0056】本発明における磁性トナー粒子は、通常の
トナー製造法により製造すればよい。なお、トナー粒子
には、これらの他、抵抗調整剤等が含有されていてもよ
い。
【0057】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0058】塩化第一鉄(FeCl2・4H2O)とヘマタ
イト(Fe23)および塩化亜鉛(ZnCl2)または酸化
亜鉛(ZnO)を表1に示す各所定のモル比とし、これを
振動ミルで2時間混合して混合試料を得た。また、塩化
第一鉄溶液とヘマタイトおよび塩化亜鉛または酸化亜鉛
を表1に示す各所定のモル比とし、これを水に溶解させ
たのち、100℃にて混合溶液を撹拌しながら水分を蒸
発させて混合試料を得た。
【0059】ここで得られた混合試料を各100g取
り、バッチ炉で熱分解反応と固相反応を同時に進めた。
この炉内には、窒素をキャリアガスとし、600mmH
gの水蒸気圧の雰囲気を連続的に導入・流通させた。こ
の状態で、3℃/minで昇温し、表1に示す温度及び
保持時間で保持した後、炉冷し、各実施例および比較の
試料を得た。なお、ZnCl2を含んだ材料について
は、キャリアガスを低温の350℃までは空気とし、窒
素ガスに切り替えた。
【0060】
【表1】
【0061】以上より得られた実施例および比較例の結
晶種類、飽和磁化σs(emu/g)、保磁力Hc(O
e)、静抵抗(Ω)、比表面積(m2/g)をそれぞれ
測定した。その結果を表2に示した。
【0062】
【表2】
【0063】測定は、次のようにして行った。
【0064】結晶種類は、粉末X線回折法による定性分
析により、結晶種類を特定した。また、飽和磁化σs
(emu/g)、保磁力Hc(Oe)は、試料各0.1
gをホルダーにセットし、磁界5,000Oeを印加し
た状態で、振動試料型磁力計により測定した。比表面積
(m2/g)は、試料各0.5gをセットして、BET
1点法で測定した。そして、静抵抗(Ω)は、抵抗測定
治具に亜鉛フェライト粉0.5gをセットし、印加電
圧:1000V、極間距離:6.5mmで測定し、1分
後の値を絶縁計により読み取ったものである。
【0065】表1および表2から明瞭なように、原料を
本発明に従い金属塩化物と金属酸化物の混合原料を用い
たものは、良好な亜鉛フェライト粉末を生成することが
できた。
【0066】次に、上記実施例1における磁性粉末、お
よび比較例2の磁性粉末を下記の条件でトナー化し、ト
ナー1、2を作製した。
【0067】結着樹脂(St−AcおよびPP):66
%と磁性粉末:33%、荷電制御剤(TRH):1%の
組成として秤量後、加圧式ニーダーで溶融混練し、さら
に粉砕・分級を行い得られたトナー粉末に添加剤(Si
2):0.5%を混合し、分級を行い磁性トナーを得
た。
【0068】これらのトナーのトナー粉体の特性を測定
し、表3に示した。体積平均粒子径はコールターカウン
タ−測定により行った。
【0069】
【表3】
【0070】また、上記の磁性トナー1、2を市販の電
子写真プリンター(キャノン製)にセットして各特性項
目を確認した。その結果を表4に示した。
【0071】
【表4】
【0072】この表4から分かるように、本発明の実施
例のトナー1は、トナーとしての特性が良好であった
が、比較例のトナー2においては、帯電量がやや低く、
画像特性としては、画像濃度が低く、カブリおよび解像
度等において劣る結果となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の亜鉛フェライト粉末の生成方法に使用
されるロータリーキルンの長手方向断面図である。
【図2】上記ロータリーキルンの横方向断面図である。
【符号の説明】
1.ロータリーキルン 2.回転炉本体 3.炉芯管 4.炉芯管の一端 5.炉芯管の他端 6a、6b. 密閉栓 7.原料投入用パイプ 8.HCl回収用パイプ 9.定量フィーダ 10.亜鉛フェライト粉の取り出し管 11.雰囲気導入パイプ 12.剥離棒
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/34 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の金属塩化物と、少なく
    とも1種の金属酸化物とを含む混合材料が亜鉛および鉄
    からなる混合材料であり、該混合材料を出発原料とし
    て、焙焼工程を水蒸気の存在する雰囲気下において行
    い、前記原料に熱分解反応と固相反応を同時に行わせて
    マグネタイトと亜鉛フェライトの固溶体である粉末を得
    ることを特徴とする亜鉛フェライト粉の生成方法。
  2. 【請求項2】 前記混合材料における金属塩化物と金属
    酸化物の組成比がモル比で、99/1〜30/70であ
    る請求項1記載の亜鉛フェライト粉の生成方法。
  3. 【請求項3】 前記混合材料における亜鉛と鉄の組成比
    がモル比で、5/95〜30/70である請求項1ある
    いは2記載の亜鉛フェライト粉の生成方法。
  4. 【請求項4】 前記焙焼における処理温度が、430〜
    800℃の範囲である請求項1ないし3記載の亜鉛フェ
    ライト粉の生成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの生成方法
    によって生成された亜鉛フェライト粉であって、印加磁
    界が5,000Oeにおける飽和磁化が85〜96em
    u/g、保磁力が90〜210Oe、比表面積が1〜5
    2/g、抵抗値が109Ω以上である亜鉛フェライト
    粉。
  6. 【請求項6】 請求項5の亜鉛フェライト粉を25〜5
    5wt%含有する磁性トナー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020510209A (ja) * 2017-08-18 2020-04-02 エルジー・ケム・リミテッド 亜鉄酸亜鉛内の残留clの定量分析方法
WO2021200746A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 パウダーテック株式会社 フェライト粉末、フェライト樹脂組成物、樹脂成型体、電子部品、電子機器又は電子機器筐体

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