JP3380751B2 - 建設機械のキャブ - Google Patents

建設機械のキャブ

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JP3380751B2
JP3380751B2 JP25461898A JP25461898A JP3380751B2 JP 3380751 B2 JP3380751 B2 JP 3380751B2 JP 25461898 A JP25461898 A JP 25461898A JP 25461898 A JP25461898 A JP 25461898A JP 3380751 B2 JP3380751 B2 JP 3380751B2
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアースオー
ガ装置を備えた杭打機等の建設機械に好適に用いられる
建設機械のキャブに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビル等の建設現場においては、
アースオーガ装置を備えた杭打機を用いて地中に縦穴を
掘削し、この縦穴内にコンクリート等を流し込んで地盤
の基礎を固める作業を行う。
【0003】そこで、この種の従来技術によるアースオ
ーガ装置を備えた杭打機を図9を参照して説明する。
【0004】図において、1はクローラ式の下部走行
体、2は下部走行体1上に旋回可能に搭載された上部旋
回体を示し、上部旋回体2の旋回フレーム3上には、運
転室を画成するキャブボックス4、エンジン(図示せ
ず)等を収容する建屋5等が配設されている。
【0005】6は上部旋回体2の前側に設けられたフロ
ントブラケット、7は上部旋回体2の後側に位置して
左,右に対(1個のみ図示)をなして設けられたバック
ステーを示し、フロントブラケット6は上,下方向に伸
長するリーダ8の下端側を支持し、バックステー7はリ
ーダ8の軸方向中間部を支持している。そして、リーダ
8は、フロントブラケット6とバックステー7とにより
上,下方向に直立した状態に支持されている。
【0006】9はリーダ8に昇降可能に配設されたフロ
ントアタッチメントを示し、このフロントアタッチメン
ト9は、削孔用のスクリュー10と、スクリュー10を
回転駆動するアースオーガ装置11とから構成されてい
る。そして、フロントアタッチメント9は、アースオー
ガ装置11に設けられた電動モータ(図示せず)によっ
てスクリュー10を回転駆動させつつリーダ8に沿って
昇降することにより、地中深く縦穴を掘削するものであ
る。
【0007】12は上部旋回体2の後部側に支持台13
によって支持された発電機、14は上部旋回体2の建屋
5上に載置された制御盤を示し、発電機12と制御盤1
4とはケーブル15によって接続され、制御盤14とア
ースオーガ装置11とはケーブル16によって接続され
ている。
【0008】17は制御盤14に接続されたケーブル
で、ケーブル17の先端側は上部旋回体2のキャブボッ
クス4内に伸長し、このキャブボックス4内に配設され
た操作盤18に接続されている。
【0009】そして、オペレータがキャブボックス4内
で操作盤18を操作し、例えばスクリュー10の回転速
度等を任意に設定することにより、設定されたスクリュ
ー10の回転速度等に応じた駆動信号が制御盤14から
アースオーガ装置11に出力される構成となっている。
【0010】ここで、制御盤14に接続されたケーブル
17の先端側をキャブボックス4内の操作盤18に接続
するため、従来では、例えばキャブボックス4に設けら
れた窓を開放し、この窓を通じてケーブル17をキャブ
ボックス4内に引き込む方法、キャブボックス4の壁面
にケーブル挿通穴を追加工によって形成し、このケーブ
ル挿通穴を通じてケーブル17をキャブボックス4内に
引き込む方法等を採用している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、開放した窓を
通じてケーブル17をキャブボックス4内に引き込む方
法では、雨水や作業時の塵埃等がキャブボックス4内に
侵入し易くなるという問題がある。
【0012】また、アースオーガに搭載されるキャブボ
ックス4は、通常、ケーブル挿通穴を必要としない油圧
クレーン用のキャブを流用することが多いため、キャブ
ボックス4の壁面にケーブル挿通穴を追加工しなければ
ならない上に、ケーブルを伝わって雨水等がキャブボッ
クス4内に侵入するのを防止するため、ケーブル挿通穴
の周囲に防水加工を施す必要があり、これらの追加工や
防水加工が非常に煩雑であるという問題がある。
【0013】さらに、ケーブル17の先端側には、通
常、操作盤18に接続されるコネクタが取付けられてお
り、このコネクタは種類に応じて外径が異なるため、ケ
ーブル17に取付けられるコネクタの外径を考慮して、
キャブボックス4には予め大径のケーブル挿通穴を追加
工する必要がある。このため、上述したケーブル挿通穴
の追加工や、防水加工が一層煩雑になるだけでなく、キ
ャブボックス4の壁面に大径のケーブル挿通穴を穿設す
るだけのスペースがとることが難しく、十分な穴径を有
するケーブル挿通穴を形成することができなくなる場合
がある。
【0014】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、キャブボックス内に容易にケーブルを引
き込むことができ、かつ、キャブボックス内に雨水、塵
埃等が侵入するのを阻止できるようにした建設機械のキ
ャブを提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明は、天井部、前面部、後面部およ
び左,右の側面部の5面からなり、少なくともいずれか
の面に窓枠を有するキャブボックスと、4面からなる枠
状に形成され、前記キャブボックスの窓枠に前記キャブ
ボックスよりも外側に突出する状態で取付けられた枠部
材と、前記枠部材の開口部に開閉可能に設けられた窓部
材と、前記キャブボックス内に外部からケーブルを引き
込むため前記枠部材の4面のうちいずれかの面に設けら
れたケーブル挿通穴とから構成してなる。
【0016】このように構成したことにより、キャブボ
ックスの窓枠に取付けた枠部材のケーブル挿通穴を通じ
て、キャブボックス内に外部からケーブルを引き込むこ
とができる。このため、キャブボックスにケーブル挿通
用の穴を穿設するといった煩雑な追加工を不要とするこ
とができる。
【0017】また、請求項2の発明は、枠部材はキャブ
ボックスの前面部、後面部および左,右の側面部のうち
いずれかの面に設け、ケーブル挿通穴は枠部材の下面側
に設ける構成としたことにある。
【0018】このように構成したことにより、キャブボ
ックスの窓枠に枠部材を取付けた状態で、この枠部材の
下面部に設けたケーブル挿通穴が下向きに開口するか
ら、このケーブル挿通穴を通じてキャブボックス内にケ
ーブルを引き込むことができる。この場合、ケーブルは
ケーブル挿通穴を通じて下方から上向きにキャブボック
ス内に引込まれるため、雨水等がケーブルを伝わってキ
ャブボックス内に侵入するのを阻止することができる。
【0019】さらに、請求項3の発明は、枠部材と窓部
材との間には前記枠部材の開口部と窓部材との間を封止
するシール部材を設ける構成としたことにある。
【0020】このように構成したことにより、窓部材に
よって枠部材の開口部を閉窓したときに、この開口部と
窓部材との間からの雨水等の侵入をシール部材によって
阻止することができる。
【0021】また、請求項4の発明は、枠部材の上面側
には前記枠部材に対して窓部材を開閉可能に支持するヒ
ンジ機構を設け、前記枠部材の下面側にはケーブル挿通
穴に連なる切欠部を設ける構成としたことにある。
【0022】このように構成したことにより、例えばケ
ーブルの先端側にケーブル挿通穴よりも大径のコネクタ
等が取付けられている場合でも、開窓した窓部材と枠部
材との間にコネクタが通過できるだけの隙間を確保し、
この隙間を通じてコネクタをキャブボックス内に引き込
んだ後、ケーブルを枠部材の下面側に設けた切欠部を通
じてケーブル挿通穴内に挿通することができる。
【0023】さらに、請求項5の発明は、窓部材の下側
には前記窓部材が枠部材の開口部を閉窓したときに切欠
部を覆う覆板を設ける構成としたことにある。
【0024】このように構成したことにより、雨水、塵
埃等が切欠部を通じてキャブボックス内に侵入するのを
阻止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明による建設機械のキ
ャブの実施の形態を図1ないし図8を参照しつつ詳細に
説明する。なお、本実施の形態では上述した従来技術と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0026】図において、21は従来技術によるキャブ
ボックス4に代えて本実施の形態に用いられたキャブボ
ックスで、このキャブボックス21は、図1および図2
に示すように、天井部21A、前面部21B、後面部2
1C、左側面部21Dおよび右側面部21Eの5面から
なる箱状に形成されている。
【0027】そして、キャブボックス21の右側面部2
1Eには、ガラス窓22,22が設けられると共に、オ
ペレータ等がキャブボックス21内に乗降するためのド
ア23が開閉可能に設けられている。また、キャブボッ
クス21の後面部21Cには、矩形の窓枠24が形成さ
れ、この窓枠24には後述の枠部材25、ガラス窓33
等が設けられている。
【0028】25はキャブボックス21の窓枠24に取
付けられた枠部材で、この枠部材25は、図3および図
4に示すように、中央部が矩形穴26Aとなった平板状
の枠板26と、矩形穴26Aを囲む状態で枠板26に溶
接等によって固着され、上面27A、下面27B、左側
面27C、右側面27Dの4面からなる角筒状の枠体2
7とからなっている。そして、枠部材25は、窓枠24
の内周側に取付けられた枠ゴム28に枠板26の外周縁
部を嵌込むことにより、枠体27がキャブボックス21
の後面部21Cよりも外側に突出した状態で窓枠24に
取付けられ、枠体27の突出端側は矩形の開口部27E
となっている。
【0029】29は枠部材25を構成する枠体27の開
口部27Eに装着されたゴム製のシール部材で、このシ
ール部材29は、円筒状のパイプ体と断面U字状の保持
体とからなり、ガラス窓33が枠体27の開口部27E
を閉窓したときに、弾性変形しつつガラス窓33に密着
して開口部27Eを封止し、雨水等が開口部27Eから
キャブボックス21内に侵入するのを防止するものであ
る。
【0030】30,30は左,右方向に離間して枠体2
7の上面側に設けられた2個のヒンジ機構で、各ヒンジ
機構30は、枠体27の上面27Aに固着された台座3
1にL字状のステー32を介して固着された固定片30
Aと、固定片30Aに軸30Bを介して上,下方向に回
動可能に支持された回動片30Cとからなり、回動片3
0Cにはガラス窓33の上端側が取付けられている。
【0031】33は各ヒンジ機構30に支持されて枠体
27に設けられ、枠体27の開口部27Eを開閉する窓
部材としてのガラス窓で、このガラス窓33は透明なガ
ラス板からなり、その上端側が複数のボルト34によっ
てヒンジ機構30の回動片30Cに固着されている。そ
して、ガラス窓33は、ヒンジ機構30により枠体27
に対して上,下方向に回動し、枠体27の開口部27E
を開閉するものである。
【0032】35,35は左,右方向に離間して枠部材
25の枠板26とガラス窓33との間に設けられた2個
の窓ロック機構(1個のみ図示)で、各窓ロック機構3
5は、図6および図7に示すように、枠板26の下端側
にブラケット36等を介して固着された枠側ステー37
と、ガラス窓33の下側に固着された窓側ステー38
と、枠側ステー37と窓側ステー38との間を連結する
連結体39とからなっている。そして、連結体39は、
枠側ステー37の先端側に回動可能に連結されたアーム
39Aと、窓側ステー38の先端側に回動可能に連結さ
れたアーム39Bとを有し、窓ロック機構35は、図6
に示すように、連結体39の各アーム39A,39Bを
折畳むことにより、ガラス窓33が枠体27の開口部2
7Eを閉窓する状態を保持し、図7に示すように、連結
体39の各アーム39A,39Bを伸展させることによ
り、ガラス窓33が枠体27の開口部27Eを開窓する
状態を保持する構成となっている。
【0033】40,40,…は枠部材25を構成する枠
体27の下面27Bに穿設された複数(例えば、4個)
のケーブル挿通穴(図4参照)で、各ケーブル挿通穴4
0は、後述のゴムブッシュ41を介してケーブル17が
挿通されるものである。
【0034】41,41,…は各ケーブル挿通穴40の
内周側に嵌込まれた円筒状のゴムブッシュで、各ゴムブ
ッシュ41はケーブル17の外径よりも大きな内径寸法
を有し、その内周側にケーブル17が当接することによ
り、ケーブル17が直接的にケーブル挿通穴40の内周
縁に接触して破損するのを防止するものである。また、
各ゴムブッシュ41には、後述する切欠溝42に対応し
た位置に径方向に延びる切込み41Aが設けられてい
る。
【0035】42,42,…は枠体27の下面27Bに
設けられた切欠部としての切欠溝で、各切欠溝42は、
図5に示すように、枠体27の下面27Bに、その突出
端縁からケーブル挿通穴40に連なる状態で形成され、
ケーブル17の外径よりも大きな溝幅を有している。
【0036】そして、例えば図8に示すように、先端側
に大径のコネクタ17′が取付けられたケーブル17を
キャブボックス21内に引き込むときに、開窓したガラ
ス窓33と枠体27の下端部との間に形成された隙間S
を通じてコネクタ17′をキャブボックス21内に挿入
した後、切欠溝42、ゴムブッシュ41の切込み41A
を介して、ケーブル17をゴムブッシュ41内(ケーブ
ル挿通穴40内)に挿通することができる構成となって
いる。
【0037】43はガラス窓33の下端側に設けられ、
枠体27に形成された各切欠溝42を下側から覆う覆板
で、この覆板43は、図3ないし図5に示すように、ガ
ラス窓33の下端側中央部に複数のボルト44によって
固着されたL字状の板体からなっている。また、覆板4
3の先端側には、円筒状のパイプ体と断面U字状の保持
体とからなるゴム製のシール部材45が装着されてい
る。
【0038】そして、覆板43は、ガラス窓33が枠体
27の開口部27Eを閉窓した状態で、枠体27に形成
された各切欠溝42を下側から覆い、雨水、塵埃等が各
切欠溝42等を介してキャブボックス21内に侵入する
のを防止するものである。また、シール部材45は、ゴ
ムブッシュ41内に挿通されたケーブル17に当接して
弾性変形することにより、ゴムブッシュ41とケーブル
17との間に形成される隙間を小さくし、当該隙間を通
じて雨水、塵埃等がキャブボックス21内に侵入するの
を防止するものである。
【0039】本実施の形態による建設機械のキャブは上
述の如き構成を有するもので、以下、キャブボックス2
1内に外部からケーブル17を引き込む手順について述
べる。
【0040】まず、図7に示すように、窓ロック機構3
5によってガラス窓33を開窓状態に保持し、ガラス窓
33の下端部と枠体27との間に、ケーブル17の先端
側に取付けられたコネクタ17′が通過できるだけの隙
間Sを確保する。
【0041】そして、図8に示すように、ガラス窓33
の下端部と枠体27との間の隙間Sを通じてコネクタ1
7′およびケーブル17を下側からキャブボックス21
内に挿入した後、ケーブル17を、枠体27の下面27
Bに設けられた切欠溝42、ゴムブッシュ41の切込み
41Aを介してゴムブッシュ41内に挿通する。
【0042】このように、枠体27の下面27Bにケー
ブル挿通穴40に連通する切欠溝42を形成し、ケーブ
ル挿通穴40に嵌込まれたゴムブッシュ41には切込み
41Aを設けたので、ケーブル17の先端側にゴムブッ
シュ41の内径よりも大径のコネクタ17′が取付けら
れている場合でも、ケーブル17を切欠溝42、切込み
41Aを介して確実にゴムブッシュ41内に挿通するこ
とができ、ケーブル17を容易にキャブボックス21内
に引き込むことができる。
【0043】そして、ケーブル17をキャブボックス2
1内に引込んだ後には、図6に示すように、ガラス窓3
3によって枠体27の開口部27Eを閉じる。この場
合、枠体27の開口部27Eに設けられたシール部材2
9が、ガラス窓33に密着して開口部27Eを封止する
ことにより、雨水等が開口部27Eからキャブボックス
21内に侵入するのを確実に防止することができる。
【0044】しかも、ケーブル17は、ケーブル挿通穴
40に嵌込まれたゴムブッシュ41を通じて枠部材25
の下側からキャブボックス21内に引き込まれるので、
雨水等がケーブル17を伝わってキャブボックス21内
に侵入するのを阻止することができる。
【0045】また、ガラス窓33によって枠体27の開
口部27Eを閉じた状態で、図3および図4に示すよう
に、ガラス窓33の下端部に設けられた覆板43が、ゴ
ムブッシュ41内に挿通されたケーブル17にシール部
材45を当接させつつ、枠板27に形成された各切欠溝
42を下側から覆う。これにより、雨水、塵埃等が各切
欠溝42等を通じてキャブボックス21内に侵入するの
を確実に阻止することができる。
【0046】かくして、本実施の形態によれば、キャブ
ボックス21の後面部21Cに設けた窓枠24に、後面
部21Cよりも外側に突出する状態で枠部材25を取付
け、この枠部材25を構成する枠体27の下面27Bに
ケーブル挿通穴40を形成し、このケーブル挿通穴40
に嵌込まれたゴムブッシュ41を介してケーブル17を
キャブボックス21内に引き込む構成としたので、例え
ば従来技術のように、ガラス窓33を開放してキャブボ
ックス内にケーブルを引き込む場合に比較して、雨水、
塵埃等がキャブボックス21内に侵入するのを確実に阻
止することができる。また、キャブボックスに格別のケ
ーブル挿通穴を穿設するといった煩雑な追加工を不要と
することができる。
【0047】しかも、ケーブル挿通穴40を枠体27の
下面27Bに設けることにより、ケーブル17を枠体2
7の下側からキャブボックス21内に引き込むことがで
きる。これにより、雨水等がケーブル17を伝わってキ
ャブボックス21内に侵入するのを阻止することができ
る。
【0048】また、枠体27の上面27Aには、枠体2
7に対してガラス窓33を開閉可能に支持するヒンジ機
構30を設け、枠体27の下面27Bには、その突出端
縁からケーブル挿通穴40に連なる切欠溝42を設ける
構成としたので、例えばケーブル17の先端側に、ケー
ブル挿通穴40よりも大径のコネクタ17′が取付けら
れている場合でも、開窓したガラス窓33と枠体27と
の間に隙間Sを確保し、この隙間Sを通じてコネクタ1
7′をキャブボックス21内に引き込んだ後、ケーブル
17を枠体27の下面27Bに設けた切欠溝42、ゴム
ブッシュ41の切込み41Aを介してゴムブッシュ41
内に挿通することができる。従って、ケーブル17の先
端側に取付けられるコネクタ17′の大きさにかかわら
ず、ケーブル17を確実にキャブボックス21内に引き
込むことができる。
【0049】さらに、ガラス窓33の下端側には、ガラ
ス窓33が枠体27の開口部27Eを閉じたときに、枠
体27の下面27Bに設けられた切欠溝42を下側から
覆う覆板43を設ける構成としたので、雨水、塵埃等が
各切欠溝42等を通じてキャブボックス21内に侵入す
るのを阻止することができる。
【0050】なお、上述した実施の形態では、ケーブル
挿通穴40の内周側にゴムブッシュ41を嵌込み、この
ゴムブッシュ41を介してケーブル挿通穴40内にケー
ブル17を挿通する構成を例に挙げたが、ゴムブッシュ
41は必ずしも必要ではなく、例えばケーブル挿通穴4
0内に直接的にケーブル17を挿通する構成としてもよ
い。
【0051】また、上述した実施の形態では、枠部材2
5、ガラス窓33等をキャブボックス21の後面部21
Cに設けた場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るも
のではなく、例えばキャブボックス21の前面部21
B、左側面部21Dあるいは右側面部21Eに設ける構
成としてもよい。
【0052】さらに、上述した実施の形態では、枠部材
25を構成する枠体27の下面27Bに、4個のケーブ
ル挿通穴40を設けた場合を例に挙げたが、本発明はこ
れに限らず、例えば3個以下あるいは5個以上のケーブ
ル挿通穴を設けてもよく、さらに、長穴状のケーブル挿
通穴を1個設ける構成としてもよい。
【0053】また、上述した実施の形態では、建設機械
としてアースオーガ装置を備えた杭打機を例に挙げた
が、本発明はこれに限るものではなく、例えば解体作業
により生じた金属性の廃品を吸着するマグネットを備え
た油圧ショベル等の他の建設機械にも適用することがで
きる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、キャブボックスの窓枠にキャブボックスの外側に
突出する状態で枠部材を取付け、この枠部材に設けたケ
ーブル挿通穴を通じてケーブルをキャブボックス内に引
き込む構成としたので、キャブボックスにケーブル挿通
用の穴を穿設するといった煩雑な追加工を行うことな
く、容易にキャブボックス内に外部からケーブルを引き
込むことができる。
【0055】また、請求項2の発明によれば、枠部材は
キャブボックスの前面部、後面部および左,右の側面部
のうちいずれかの面に設け、ケーブル挿通穴は枠部材の
下面側に設ける構成としたので、ケーブルを枠部材の下
面部に設けたケーブル挿通穴を通じて上向きにキャブボ
ックス内に引き込むことができ、雨水等がケーブルを伝
わってキャブボックス内に侵入するのを阻止することが
できる。
【0056】さらに、請求項3の発明によれば、枠部材
と窓部材との間には枠部材の開口部と窓部材との間を封
止するシール部材を設ける構成としたので、窓部材によ
って枠部材の開口部を閉窓したときに、この開口部と窓
部材との間からの雨水等の侵入をシール部材によって阻
止することができる。
【0057】また、請求項4の発明によれば、枠部材の
上面側には枠部材に対して窓部材を開閉可能に支持する
ヒンジ機構を設け、枠部材の下面側にはケーブル挿通穴
に連なる切欠部を設ける構成としたので、例えばケーブ
ルの先端側にケーブル挿通穴よりも大径のコネクタ等が
取付けられている場合でも、開窓した窓部材と枠部材と
の間にコネクタが通過できるだけの隙間を確保し、この
隙間を通じてコネクタをキャブボックス内に引き込んだ
後、ケーブルを枠部材の下面側に設けた切欠部を通じて
ケーブル挿通穴内に挿通することができる。従って、ケ
ーブルの先端側に取付けられるコネクタの大きさにかか
わらず、ケーブルを確実にキャブボックス内に引き込む
ことができる。
【0058】さらに、請求項5の発明によれば、窓部材
の下側には窓部材が枠部材の開口部を閉窓したときに切
欠部を覆う覆板を設ける構成としたので、ケーブル挿通
穴を通じてキャブボックス内にケーブルを引き込んだ
後、窓部材を閉窓した状態で、雨水、塵埃等が切欠部を
通じてキャブボックス内に侵入するのを阻止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による建設機械のキャブを
側面から示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態によるキャブを後側から示
す後面図である。
【図3】枠部材、ガラス窓、覆板等を示す図2中の矢示
III−III 方向からみた縦断面図である。
【図4】枠部材、ガラス窓、ケーブル挿通穴、切欠溝等
を示す図3中の矢示IV−IV方向からみた横断面図であ
る。
【図5】ガラス窓が開窓した状態を示す図4と同様位置
の横断面図である。
【図6】ガラス窓、窓ロック機構等を示す図2中の矢示
VI−VI方向からみた縦断面図である。
【図7】窓ロック機構によってガラス窓を開窓した状態
を示す図6と同様位置の縦断面図である。
【図8】開窓したガラス窓と枠部材との間の隙間を通じ
てケーブルをキャブボックス内に挿入する状態を示す図
3と同様位置の縦断面図である。
【図9】従来技術による建設機械のキャブが適用される
杭打機を示す外観図である。
【符号の説明】
17 ケーブル 21 キャブボックス 21A 天井部 21B 前面部 21C 後面部 21D 左側面部 21E 右側面部 24 窓枠 25 枠部材 27 枠体(枠部材) 27A 上面 27B 下面 27C 左側面 27D 右側面 27E 開口部 29 シール部材 30 ヒンジ機構 40 ケーブル挿通穴 42 切欠溝(切欠部) 43 覆板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 9/16 B60J 1/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天井部、前面部、後面部および左,右の
    側面部の5面からなり、少なくともいずれかの面に窓枠
    を有するキャブボックスと、4面からなる枠状に形成さ
    れ、前記キャブボックスの窓枠に前記キャブボックスよ
    りも外側に突出する状態で取付けられた枠部材と、前記
    枠部材の開口部に開閉可能に設けられた窓部材と、前記
    キャブボックス内に外部からケーブルを引き込むため前
    記枠部材の4面のうちいずれかの面に設けられたケーブ
    ル挿通穴とから構成してなる建設機械のキャブ。
  2. 【請求項2】 前記枠部材は前記キャブボックスの前面
    部、後面部および左,右の側面部のうちいずれかの面に
    設け、前記ケーブル挿通穴は前記枠部材の下面側に設け
    る構成としてなる請求項1に記載の建設機械のキャブ。
  3. 【請求項3】 前記枠部材と前記窓部材との間には前記
    枠部材の開口部と窓部材との間を封止するシール部材を
    設ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機
    械のキャブ。
  4. 【請求項4】 前記枠部材の上面側には前記枠部材に対
    して前記窓部材を開閉可能に支持するヒンジ機構を設
    け、前記枠部材の下面側には前記ケーブル挿通穴に連な
    る切欠部を設ける構成としてなる請求項1、2または3
    に記載の建設機械のキャブ。
  5. 【請求項5】 前記窓部材の下側には前記窓部材が前記
    枠部材の開口部を閉窓したときに前記切欠部を覆う覆板
    を設ける構成としてなる請求項4に記載の建設機械のキ
    ャブ。
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