JP3380486B2 - ルーパ制御方法及び装置並びに設備列 - Google Patents

ルーパ制御方法及び装置並びに設備列

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯等の帯状体の
ルーパ制御方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼帯等の帯状体を連続的に処理す
るプロセスラインにおいては、主要設備(若しくは主要
設備列)の前後にルーパを配置することにより、主要設
備における操業を安定させる(具体的には目標通板速度
をできる限り維持する)ことが行われている。
【0003】すなわち、一般に 入側付帯設備(列)
(入側ルーパを除く)−入側ルーパ−主要設備(列)−
出側ルーパ−出側付帯設備(列)(出側ルーパを除く)
の配置で全設備列を構成する。そして、入側ルーパで
は通常帯状体を貯留しておき(貯留状態)、入側付帯設
備(列)(入側ルーパを除く)の処理に伴う停止、減速
時には主要設備(列)の操業を続行するために、入側ル
ーパから貯留された帯状体を主要設備(列)に払い出
す。一方、出側ルーパでは通常帯状体を払い出して(払
い出し状態)、出側付帯設備(列)(出側ルーパを除
く)の処理に伴う停止、減速時には主要設備(列)の操
業を続行するために、出側ルーパに主要設備(列)から
搬送される帯状体を貯留する。
【0004】ところで、最近は製品の多様化・高付加価
値に伴い入出側での処理(予備処理、後処理)が複雑化
し、また連続化して繋げる設備の数を増やす傾向もある
ため、入側付帯設備(列)(入側ルーパをを含む。以下
特別にことわらない限り同様)、出側付帯設備(列)
(出側ルーパを含む。以下特別にことわらない限り同
様)は複雑化する傾向にある。その結果、最近では出側
付帯設備列内に出側ルーパを含めルーパを複数台有する
場合も増加しつつあり、入側付帯設備列においても同様
である。
【0005】ここでは、連続焼鈍ラインを例にとり、そ
の出側付帯設備列について図2により説明する。図2
は、帯状体を処理するラインの一例として連続焼鈍ライ
ンを示したもので、入側のペイオフリール1から払い出
された鋼帯(帯状体)Pは、溶接機、洗浄設備、入側ル
ーパ等の入口設備2を通過した後、加熱帯、均熱帯、冷
却帯を有する連続焼鈍炉3(以下、単に「炉3」ともい
う)を通り、出側ルーパ4を経て調質圧延機5によって
連続的に調質圧延され、その後検査ルーパ6を経て検査
室7で目視などの検査を受けてからテンションリール8
によって再びコイル状に巻き取られる。
【0006】ここで、ペイオフリール1および入口設備
2が入側付帯設備列に該当し、炉3が主要設備、出側ル
ーパ4からテンションリール8までが出側付帯設備列で
ある。したがって、出側付帯設備列においては出側ルー
パ4および検査ルーパ6の2台のルーパが配されてい
る。上記の検査ルーパ6は、調質圧延された鋼帯Pの表
面を検査室7で検査するため、鋼帯Pを一時停止させる
際に鋼帯Pを貯めこむ機能を有している。通常、鋼帯P
の停止に合わせて調質圧延機5を停止させると、鋼帯P
の表面にロールがめり込んでストップマークが発生して
品質を損なう。そこで、そのストップマークを防止する
ため、調質圧延機5をたとえば30m/分の低速で連続し
て操業する必要があるが、そのときの圧延された鋼帯P
を貯えるのが検査ルーパ6である。
【0007】このような検査ルーパ6の速度制御は、従
来、揃速制御モードと停止制御モードと同調制御モード
の3つのモードが基本になっている。すなわち、通常は
揃速制御モードによってルーパの入側と出側の通板速度
を同時に加速したり、減速したりして運転を行う。そし
て、検査室7の検査時における鋼帯Pの停止(停止検
査)においては、揃速運転で入側・出側とも最低速度近
くに減速の後、停止制御モード、すなわち検査室のある
出側のみ通板を停止することにより、鋼帯Pの貯めこみ
を行う。再度出側の通板を開始する時には、入側および
出側を揃速運転で所定速度に加速の後同調制御モードで
運転する。この同調完了後は通常の揃速運転モードで運
転する。
【0008】ここで、同調制御モードについて補足説明
すると、ルーパ内のあらかじめ設定した位置にルーパキ
ャリッジを移動させる位置制御のことである。すなわ
ち、鋼帯Pを貯めこんだルーパの場合は、そのキャリッ
ジの位置は通常の設定位置よりも大きく(貯め込み側を
正とする)なっているから、その位置を次回の検査時点
までに元の設定位置に戻す必要がある。そのために、ル
ーパの出側通板速度を入側通板速度よりも速くする、い
わゆるルーパ差速を与えることによってルーパ内に貯留
している帯状体の払い出しを行い、ルーパの追い込みを
行う。これによって、ルーパキャリッジを再び設定位置
に戻すことができる。
【0009】以上で説明したルーパの機能は、炉3の出
側に設置されている出側ルーパ4においても同様であ
る。ただし、調質圧延機5を鋼帯Pの溶接点が通過する
際もたとえば30m/分程度の低速で操業される(溶接点
通過処理)ため、出側ルーパは前記の停止検査の他に溶
接点通過処理時にも鋼帯Pを貯える。なお、溶接点通過
処理時には検査ルーパは原則として同じ低速で揃速運転
される。また、出側ルーパへの貯め込み中も炉3内の通
板速度は通常低下させないため、帯状体を貯留させる能
力(ルーパ容量)は、検査ルーパ6に比べて出側ルーパ
4の方を格段に大きくしておく必要がある。
【0010】ところで、このように炉3の出側に複数の
ルーパ(図2では、出側ルーパ4、検査ルーパ6)が、
処理設備(図2では、調質圧延機5)を挟んで連接され
ている場合、帯状体に発生する速度差をこれらのルーパ
によって吸収し、再び各ルーパを同調位置に戻すことに
なる。従来は、このように各ルーパ内に貯留している帯
状体の払い出しを行い、各ルーパの追い込みを行う場合
に、各ルーパの出側速度を常に設備上許容される最大速
度として払い出しを行っていた。
【0011】以下、図2の連続焼鈍ラインを例として、
従来の各ルーパに貯留された帯状体の払い出しについて
説明する。以下において、説明を簡単にするためルーパ
が2基の場合について説明しているが、2基に限定され
るものではなく、一般的に複数ルーパの場合に適用され
る場合も同様であることは言うまでもない。ここで、各
ルーパの最大払い出し速度は、出側ルーパ4が200 m/
分であり、検査ルーパが50m/分である。
【0012】一例として、炉3を200 m/分で運転中
に、検査室7で停止検査を行うため、搬送を停止したと
する。そうすると、出側ルーパ4と検査ルーパ6には帯
状体が貯留されていく。この時、調質圧延機5では、最
低速度である30m/分が維持されている。検査が完了
し、搬送を再開したとき、搬送速度は、設備上の最大速
度まで許容されることから、出側ルーパ4の出側速度
は、炉内速度200 m/分に出側ルーパ4の最大払い出し
速度200 m/分が加算され400 m/分となる。そして、
検査ルーパ6の出側では、その400 m/分に検査ルーパ
6の最大払い出し速度50m/分が更に加算されて450 m
/分となり、各ルーパに貯留された帯状体が払い出され
ていた。ここで、検査ルーパ6のループ量が0になる
と、検査ルーパ6の出側速度は400 m/分となり、出側
ルーパ4のループ量が0になると、出側ルーパ4の出側
速度は200 m/分となり、同時に検査ルーパ6の出側速
度も200 m/分となる。
【0013】図3に、上記の場合のルーパ出側速度とル
ープ量(ルーパ内に貯め込まれた鋼帯の長さ)の推移に
ついて示す。図3において、横軸は経過時間であり、
(a)は出側ルーパの出側速度、(b)は出側ルーパの
ループ量、(c)は検査ルーパの出側速度、(d)は検
査ルーパのループ量を示している(以下、図4〜6にお
いて同じ。)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、検査室では、帯状体の検査のため完全に搬送を停止
させないまでも、検査作業のため最高速度を一定以下に
規制しておくことが必要となる場合が多くある。また、
出側設備での帯状体搬送時のスリップ発生を防止する等
のため、搬送速度を規制することが必要となる場合もあ
る。
【0015】このように、最後段のルーパのルーパ出側
速度が規制されているときには、複数のルーパの内一つ
のルーパの払い出しが完了しないと、他のルーパの払い
出しが開始できないという事態が発生する場合がある。
例えば、検査ルーパ6の出側速度を300 m/分に制限し
た場合を図4に示す。この場合、出側ルーパ4の出側速
度も、検査ルーパ6の出側速度も300 m/分に制限され
てしまい、一方、炉3の操業速度はむやみに変更するわ
けにはいかないので、その間、出側ルーパ4の払い出し
は行われるが、検査ルーパ6では貯留されたままとな
り、払い出しが行われない。そして、出側ルーパ4の払
い出しが完了して、初めて検査ルーパ6の払い出しが開
始される。
【0016】更に、帯状体の製品単重が小さく、分割の
頻度が高く、帯状体の先後端の接合が頻繁にラインを通
過する場合、その接合部の通過時には、ライン速度を低
速(例えば、50m/分)にすることが必要となり、図5
に示すように、出側ルーパのループ量が0になる前に再
び出側ルーパでの貯留が必要となり、ループ量が再び増
加してしまうことになる。このような場合、検査ルーパ
のループ量は飽和したままとなり、検査ルーパの払い出
しが行われなくなってしまい、停止検査に支障が生じる
ことになる。
【0017】入側付帯設備列に複数のルーパを含み、か
つ最初のルーパの入側速度の上限が規制されている場合
も同様である。すなわち、入側設備での停止又は低速操
業の後にルーパへの再度のため込みを行う際に、一部の
ルーパにおいて充分貯め込みが行われないという事態が
発生し得る。本発明は、ルーパ間で発生することとなる
帯状体の払い出しの偏り(貯留の偏り)を解消し、各ル
ーパのループ容量を常に適正に保持することを目的とす
るものであり、ひいては、ライン操業の自由度を高め、
ルーパ起因のライン停止を最小限に止めようとするもの
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、帯状体を処理
する処理設備とルーパが連設されたラインにおける各ル
ーパの最大払い出し速度は、そのルーパの払い出しを完
了して回復させるまでに許容される必要時間に応じて設
計されていることに着目してなされたものである。つま
り、ルーパ容量を回復させるまでに許容される必要時間
は、そのルーパが必要となる頻度と必要となる容量に応
じて設計されていることに着目し、各ルーパの払い出し
を行って回復させるにあたり、ルーパに偏りなく回復さ
せるためにはそれぞれのルーパの最大払い出し速度の比
に応じて回復させることが最もバランスのとれた回復法
であることに想到した結果なされたものである。
【0019】すなわち、本発明は、少なくとも帯状体の
処理設備とルーパが交互に連設された設備列を含み、該
設備列が複数のルーパを有し、該複数のルーパでの貯
留、払い出しがどちらかに統一して制御され、該複数の
ルーパの最後段のルーパ出側速度が規制されているライ
ンにおいて、該複数のルーパのそれぞれのルーパに貯留
された帯状体の払い出し速度のルーパ間配分を最適化す
るルーパ制御方法であって、該複数のルーパの各ルーパ
に配分して設定する払い出し速度を、最後段のルーパ
出側速度と該複数のルーパの最前段のルーパ入側速度の
速度差を各ルーパの最大払い出し速度の比に従い配分
した値とすることを特徴とするルーパ制御方法によって
上記課題を解決したのである。
【0020】また、本発明の制御装置を、少なくとも帯
状体の処理設備とルーパが交互に連設された設備列を含
み、該設備列が複数のルーパを有し、該複数のルーパで
の貯留、払い出しがどちらかに統一して制御され、該複
数のルーパの最後段のルーパ出側速度が規制されている
ラインにおいて、該複数のルーパのそれぞれのルーパに
貯留された帯状体の払い出し速度のルーパ間配分を最適
化するためのルーパ制御装置であって、該複数のルーパ
最前段のルーパ入側速度指令入力手段と、該複数のル
ーパの最後段のルーパ出側速度規制値入力手段と、該複
数のルーパの各ルーパの帯状体貯留信号入力手段と、
最後段のルーパ出側速度規制値を入力とし、入力した各
ルーパの帯状体貯留信号が真であるルーパを対象として
配分する払い出し速度を、最後段のルーパ出側速度と
最前段のルーパ入側速度の速度差を各ルーパの最大払
い出し速度の比に従い配分した値として設定する払い出
し速度配分設定部と、を少なくとも有することを特徴と
するルーパ制御装置とすることで上記課題を解決したの
である。
【0021】ここで、少なくとも帯状体の処理設備とル
ーパが交互に連設された設備列を含むラインの、処理設
備とルーパとが交互に連設された処理設備列としては、
前記複数のルーパに上記のルーパ制御装置が接続されて
おり、該ルーパ制御装置から各ルーパの払い出し速度が
配分して設定されることを特徴とする処理設備列とする
ことが好適であることを見出したのである。
【0022】更に、本発明は、少なくとも帯状体の処理
設備とルーパが交互に連設された設備列を含み、該設備
が複数のルーパを有し、該複数のルーパでの貯留、払
い出しがどちらかに統一して制御され、該複数のルーパ
の最前段のルーパ入側速度が規制されているラインにお
いて、該複数のルーパのそれぞれのルーパに貯留される
帯状体の貯め込み速度のルーパ間配分を最適化するルー
パ制御方法であって、該複数のルーパの各ルーパに配分
する貯め込み速度を、最前段のルーパ入側速度と該複
数のルーパの最後段のルーパ出側速度の速度差を各ル
ーパの最大貯め込み速度の比に従い配分した値とするこ
とを特徴とするルーパ制御方法によっても上記課題を解
決できることを見出したのである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、図2
に示したラインの出側ルーパ4と検査ルーパ6に本発明
を適用した場合について説明する。ここでは簡単のた
め、2基のルーパに適用した場合について説明するが、
3基以上のルーパに適用する場合も同様である。
【0024】下記に、図1に示す制御ブロック図に基づ
き、本発明の制御について詳細に説明する。本発明の制
御は、最後段のルーパ出側速度が規制されている場合に
適用されるものであり、その速度規制値20(具体的に
は、検査ライン速度規制指令)がルーパ制御装置70内の
払い出し速度配分設定部100 に入力される。この速度規
制値20が入力されない場合(つまり、出側速度が制約さ
れない場合)には、本発明は適用されない。
【0025】次に、払い出し速度配分設定部100 には、
各ルーパの帯状体貯留信号(図1では、出側ルーパ帯状
体貯留信号9aと検査ルーパ帯状体貯留信号9b)が入力さ
れる。本発明の制御は、2つ以上のルーパの帯状体貯留
信号が真であるときに、その帯状体貯留信号が真となっ
ているルーパを対象に実行されることになる。払い出し
速度配分設定部100 では、以上の条件をモニタしてお
り、条件が満足されているときに本発明の制御が実行さ
れる。
【0026】本発明の制御が実行されると、払い出し速
度配分設定部100 では、入力されている最前段のルーパ
入側速度指令10b (図1の場合は、炉速指令)と最後段
のルーパ出側の速度規制値20(図1の場合は、検査ライ
ン速度規制指令)の速度差を元にして、別に入力されて
いる各ルーパの最大払い出し速度の比で、それぞれのル
ーパの払い出し速度を配分計算し、その値を各ルーパの
払い出し速度として設定する。
【0027】このようにして設定された各ルーパの払い
出し速度は、それぞれ、出側ルーパ払い出し速度指令11
0aとして出側ルーパ出側速度演算部50に設定され、検査
ルーパ払い出し速度指令110bとして検査ルーパ出側速度
演算部60に設定される。そして、出側ルーパ出側速度演
算部50からは、出側ルーパ制御装置80に出側ルーパ出側
速度指令30a が設定される。ここで、出側ルーパ制御装
置80には、炉3からルーパ入側速度指令10b が入力され
ている。
【0028】また、検査ルーパ出側速度演算部60から
は、検査ルーパ制御装置90に検査ルーパ出側速度指令40
が設定される。検査ルーパ制御装置90には、出側ルーパ
出側速度演算部50から検査ルーパ入側速度指令30b が入
力されている。このようにして、各ルーパの制御が行わ
れるのである。なお、本発明の制御装置は上記のブロッ
ク図に限定されるものではなく、上記と同等の制御を実
現するものであれば、その構成は自由である。例えば、
図1のブロックは出側ルーパ出側速度をまず算出し、こ
の算出値よりさらに検査ルーパ出側速度を計算している
が、逆に検査ルーパ出側速度を先に計算してから出側ル
ーパ出側速度を計算しても良い。
【0029】本発明の制御を、図2に示すラインに適用
した場合の具体例を図6に示す。適用の条件は、本発明
の適用の部分を除いては、すでに図5で説明した条件と
全く同一としている。すでに図5において説明したよう
に、従来は、検査ルーパ6の帯状体の貯留を解消でき
ず、飽和したままとなったのであるが、図6に示すよう
に、本発明の適用によって出側ルーパ4の払い出しも行
いつつ、検査ルーパ6のループ量を0とすることがで
き、出側ルーパ4と検査ルーパ6の払い出しがバランス
良く行われることが分かった。
【0030】ここで、本発明の適用される区間では、出
側ルーパ4と検査ルーパ6の払い出し速度は、下記のよ
うに配分して設定される。それぞれのルーパの払い出し
速度は、検査ルーパ出側の速度規制値(300 m/分)
と、出側ルーパ入側の速度指令(200 m/分)の速度差
100 m/分を元に、出側ルーパ4と検査ルーパ6の最大
払い出し速度の比(200 :50=4:1)で配分され、出
側ルーパ4の払い出し速度=80m/分、検査ルーパ6の
払い出し速度=20m/分、が設定される。なお、上記の
払い出し速度の設定誤差としては、±10%程度は許容さ
れ、あまり厳密に設定する必要はない。
【0031】ここで、出側ルーパ4の入側速度は、炉速
(200 m/分)として定まることから、出側ルーパ4の
出側速度は200 m/分+80m/分=280 m/分とされ
る。一方、検査ルーパ6の入側速度は、出側ルーパ4の
出側速度が280 m/分であることから、280 m/分+20
m/分=300 m/分とされる。但し、この値は検査ルー
パ出側の速度規制値そのもの(300 m/分)でもある。
【0032】ここで、本発明の適用区間外では、図5で
すでに説明した従来の方法等がそのまま適用される。以
上、本発明の制御として、複数のルーパからの帯状体の
払い出しを最適に配分する制御について説明してきた
が、本発明は、複数のルーパへ帯状体を最適に配分して
貯留する制御についても同様に行えることは明らかであ
る。ただし、各ルーパでの貯留、払い出しは、どちらか
に統一することが必要であり、混在しての制御を行うこ
とはできない。
【0033】このため、基本的には、主要設備とその前
後のルーパを含む設備列に対しては、本発明は適用され
ない。なお、貯留制御装置においては、例えば図1にお
いて、帯状体貯留信号に代えて帯状体払い出し信号を入
力し、該入力が真であるルーパに対し、払い出し速度配
分設定部に代えて設けた貯留速度配分設定部より各ルー
パの出側速度演算部に、貯留速度配分値を出力するよう
にすればよい。
【0034】
【実施例】図2に例示したラインに本発明を適用して操
業を行い、その実施効果を確認した。ここで、出側ルー
パと検査ルーパの払い出し速度を、それぞれのルーパの
最大払い出し速度の比(4:1)で配分して実施した制
御を本発明例とする。
【0035】本発明例での操業と比較するため、下記例
示の条件での操業も合わせて実施した。比較例1は、出
側ルーパと検査ルーパの払い出し速度を、それぞれのル
ーパのルーパ容量比で配分して実施した場合である。こ
こで、出側ルーパと検査ルーパのルーパ容量比は12:1
とされている。
【0036】従来例1は、出側ルーパを優先して払い出
すようにした場合の例である。従来例2は、検査ルーパ
を優先して払い出すようにした場合の例である。表1
は、以上のそれぞれの場合において、出側ルーパと検査
ルーパそれぞれにおいて払い出し未完了がどの程度の割
合で発生するかを示している。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、本発明例におい
ては、いずれのルーパの払い出し未完了も1%であり、
本発明の制御の適用によって各ルーパのループ容量の適
正化を達成させることができ、ルーパ起因のライン停止
を最小限に止めることができた
【0039】
【発明の効果】本発明によって、各ルーパのループ容量
の適正化を達成することができ、ルーパ起因のライン停
止を最小限とすることができた。また、各ルーパの払い
出し又は貯留の未完了の発生を大幅に減少させることが
でき、ライン操業の自由度も大幅に向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のルーパ制御の一例を説明する制御ブロ
ック図である。
【図2】本発明を適用するラインの一例である連続焼鈍
ラインの側面図である。
【図3】ルーパの出側速度とルーパ内のループ量の推移
を示すグラフである。
【図4】ルーパの出側速度とルーパ内のループ量の推移
を示すグラフである。
【図5】ルーパの出側速度とルーパ内のループ量の推移
を示すグラフである。
【図6】ルーパの出側速度とルーパ内のループ量の推移
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ペイオフリール 2 入口設備 3 (連続焼鈍)炉 4 出側ルーパ 5 調質圧延機 6 検査ルーパ 7 検査室 8 テンションリール 9a 出側ルーパ帯状体貯留信号 9b 検査ルーパ帯状体貯留信号 10a 炉速指令 10b ルーパ入側速度指令(炉速指令) 20 速度規制値(検査ライン速度規制指令) 30a 出側ルーパ出側速度指令 30b 検査ルーパ入側速度指令(出側ルーパ出側速度指
令) 40 検査ルーパ出側速度指令 50 出側ルーパ出側速度演算部 60 検査ルーパ出側速度演算部 70 ルーパ制御装置 80 出側ルーパ制御装置 90 検査ルーパ制御装置 100 払い出し速度配分設定部 110a 出側ルーパ払い出し速度指令 110b 検査ルーパ払い出し速度指令 P 鋼帯(帯状体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 45/00 - 49/00 B21B 41/00 B65H 23/188 B21B 37/00 - 37/14 B21B 1/00 - 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも帯状体の処理設備とルーパが
    交互に連設された設備列を含み、該設備列が複数のルー
    パを有し、該複数のルーパでの貯留、払い出しがどちら
    かに統一して制御され、該複数のルーパの最後段のルー
    パ出側速度が規制されているラインにおいて、該複数の
    ルーパのそれぞれのルーパに貯留された帯状体の払い出
    し速度のルーパ間配分を最適化するルーパ制御方法であ
    って、該複数のルーパの各ルーパに配分して設定する払
    い出し速度を、最後段のルーパ出側速度と該複数のル
    ーパの最前段のルーパ入側速度の速度差を各ルーパの
    最大払い出し速度の比に従い配分した値とすることを特
    徴とするルーパ制御方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも帯状体の処理設備とルーパが
    交互に連設された設備列を含み、該設備列が複数のルー
    パを有し、該複数のルーパでの貯留、払い出しがどちら
    かに統一して制御され、該複数のルーパの最後段のルー
    パ出側速度が規制されているラインにおいて、該複数の
    ルーパのそれぞれのルーパに貯留された帯状体の払い出
    し速度のルーパ間配分を最適化するためのルーパ制御装
    置であって、該複数のルーパの 最前段のルーパ入側速度指令入力手段
    と、該複数のルーパの 最後段のルーパ出側速度規制値入力手
    段と、該複数のルーパの 各ルーパの帯状体貯留信号入力手段
    と、 最後段のルーパ出側速度規制値を入力とし、入力した
    各ルーパの帯状体貯留信号が真であるルーパを対象とし
    て配分する払い出し速度を、最後段のルーパ出側速度
    最前段のルーパ入側速度の速度差を各ルーパの最大
    払い出し速度の比に従い配分した値として設定する払い
    出し速度配分設定部と、 を少なくとも有することを特徴とするルーパ制御装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも帯状体の処理設備と、請求項
    2に記載のルーパ制御装置が接続されたルーパとが交互
    に連設された複数のルーパを有する設備列であって、
    ルーパ制御装置から該複数のルーパの各ルーパに払い出
    し速度が配分して設定されることを特徴とする設備列。
  4. 【請求項4】 少なくとも帯状体の処理設備とルーパが
    交互に連設された設備列を含み、該設備列が複数のルー
    パを有し、該複数のルーパでの貯留、払い出しがどちら
    かに統一して制御され、該複数のルーパの最前段のルー
    パ入側速度が規制されているラインにおいて、該複数の
    ルーパのそれぞれのルーパに貯留される帯状体の貯め込
    み速度のルーパ間配分を最適化するルーパ制御方法であ
    って、該複数のルーパの各ルーパに配分する貯め込み速
    度を、最前段のルーパ入側速度と該複数のルーパの
    後段のルーパ出側速度の速度差を各ルーパの最大貯め
    込み速度の比に従い配分した値とすることを特徴とする
    ルーパ制御方法。
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