JP2910506B2 - 連続焼鈍ラインの中央速度制御方法 - Google Patents

連続焼鈍ラインの中央速度制御方法

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JP2910506B2 JP13694493A JP13694493A JP2910506B2 JP 2910506 B2 JP2910506 B2 JP 2910506B2 JP 13694493 A JP13694493 A JP 13694493A JP 13694493 A JP13694493 A JP 13694493A JP 2910506 B2 JP2910506 B2 JP 2910506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板厚、板幅、材質、重
量、長さ、外径、内径等が異なるコイル状の金属帯を装
入し、これに対して需要家オーダに応じ焼鈍方法を変え
て、出側で重量、長さ、外径、内径等の異なる物を製造
する連続焼鈍ラインにおける中央速度制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来ストリップ等の金属帯の連続焼鈍ラ
インにおけるライン速度コントロールは、板温制御上の
操作端として扱われ、例えば特公昭58−43452号
や特開平3−277723号では、ストリップの寸法、
目標板温及び材質の少なくとも1つが異なる部位が炉内
に進入した時、通板速度を比較的高い加減速率で操作
し、該変更部の板温変動量が許容範囲内に収まるよう、
若しくは板温外れが最小長さになるよう操作している。
【0003】一方特開昭53−37509号や特開昭6
0−52585号では、入出側ルーパ間を移送する時の
ライン速度(以下中央速度と言う)のコントロールを、
板温制御の操作端として用いずに、設備能力を効率的に
使用し、高能率操業を営もうとするために用いている。
但しこれらの構成では、入出側のルーパ長さは無制限に
あるものとして、ルーパ間にある処理装置の能力制約条
件のみを満足するように制御している。
【0004】更に特公昭58−19575号では、コイ
ル残量、入出側ルーパの余裕容量、入出側速度と入出側
の標準ダウンタイム(両ストリップの溶接や出側での目
的長さ巻取完了によるストリップの切断等のためにライ
ンを停止する時間)からリアルタイムに制約速度を求
め、これらの制約速度の最小値を中央速度としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし2番目に挙げた
特開昭53−37509号や特開昭60−52585号
の構成では、入出側でのダウンタイムによる中央速度の
制約条件を考慮していない。通常連続焼鈍ラインでは、
入出側のダウンタイムに対し、中央速度を一定に保ち、
且つ中央速度を停止させないようにするため、入出側に
ルーパを夫々設けているが、入出側ルーパ長は、経済的
な設計の観点から無限に長いわけではなく、一般的には
定常的に発生する入出側のダウンタイムの余裕しかな
い。従って入出側でのコイルの内径変更(内径スリーブ
の入れ替え)、出側スキンパスミルのロール組み替え、
出側コイルの小分割等が発生する場合は、中央速度を変
更し、ライン停止を防がなければならない。例えばスト
リップ長が短い場合は、溶接から次の溶接までに時間間
隔がなく、溶接時に減じられた入側ルーパ量が次の溶接
時間に必要なルーパ量を回復できず、入側容量ネックに
なり、中央速度を停止せざるをえないこともある。
【0006】また3番目に挙げた特公昭58−1957
5号の構成では、上記入出側ルーパ容量ネックを考慮し
た制約速度で中央速度設定を行うが、次のの理由か
ら連続焼鈍ラインに適用することは難しい。 入側制約速度は現在払い出し中のコイルを対象に、ま
た出側制約速度は現在巻取中のコイルを対象に夫々算出
するものであり、予め中央速度を予測して設定するもの
ではない。この方式の弊害として、入側で言えば、対象
コイルが払い出し中になってから当該コイルの制約速度
に向かい中央速度の変更を開始するが、該制約速度に大
幅な変更が発生した場合中央速度に急激な減速が必要と
なり、速度変更中に入側ルーパネックとなり、両ルーパ
間の中央ライン停止となる可能性がある。特に連続焼鈍
ラインでは中央速度を急激に変化させると、各炉の板温
が変動し、品質上悪影響を及ぼす。 入出側制約速度は、夫々入側速度及び出側速度の関数
であり、リアルタイムでこれらの制約速度を算出する方
式では、ルーパ位置を制御する入出側速度により中央速
度が逐次変動し、操業上及び板温制御上好ましくない。
【0007】更に1番目の特開平3−277723号の
構成では、単に次行材のストリップの寸法と材質のみか
ら中央速度を決定し、その速度操作タイミングは、前述
したサイズ変更部位が加熱炉を通過した時として、加熱
炉の出側板温を確保しようとするものである。しかし連
続焼鈍ラインでは、通常加熱炉以外にも板温を制御して
いる炉が複数個直列配置されており、この速度変更を行
うことは、他炉に対して板温制御上外乱となり、所定の
ヒートサイクル上の許容温度範囲内に板温を保つことが
できなくなる可能性がある。
【0008】本発明は従来技術の以上のような問題に鑑
み創案されたもので、ライン操業能率を損なわず、板温
変動、張力変動が少なく、且つ絞り・蛇行等の操業トラ
ブルも発生しにくく、安定通板が期待できる連続焼鈍ラ
インの中央速度制御方法を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため本発明は、板温
制御上の操作端としての速度操作と、種々の設備上の或
いは操業上の制約によって決定する速度設定変更とを加
減速率の大小により分離し、最適な中央速度を予測し
て、金属帯が連続焼鈍ラインの加熱炉等に進入する前に
速度変更を行い、該金属帯の先端から尾端までが制約範
囲内において安定して通板でき、しかもその通板時に能
率を損なわず、且つ板温変動も最小限に止めることがで
きる中央速度制御を行わせようとするものである。
【0010】その具体的構成では、入出側にルーパを持
ち、これらのルーパ間に加熱炉、冷却炉等の焼鈍設備を
直列配置した連続焼鈍ラインにおいて、品種、寸法の異
なる金属帯がこれらのルーパ間を移送する時のライン速
度を制御する中央速度制御の際に、入側ルーパ容量から
受ける入側ルーパ制約速度と、炉負荷能力、均熱時間、
過時効処理時間等から受ける中央制約速度と、出側ルー
パ容量から受ける出側ルーパ制約速度と、モータ容量等
の設備上の最高速度や最小速度、及びオペレータの設定
に係る上下限速度から受ける共通制約速度と、これらす
べての速度を満たすための速度変更タイミングとを予測
し、夫々の制約速度が付加される制約範囲に前記金属帯
の先端が到達してから尾端が通過するまでの間、上記の
全制約速度を満足する最大速度に達するよう、前記中央
速度の速度変更を行うことを基本的特徴としている。
【0011】またその中央速度の速度変更に当たり、両
ルーパ間の焼鈍設備の板温制御の応答性から、該速度変
更を行うことが全ての焼鈍設備の板温制御上の外乱とな
らない加減速率を選択し、その中央速度変更によって板
温変動が起こらないようにしなければならない。
【0012】
【作用】以上のような中央速度の制御を行うことによ
り、金属帯が入出側のルーパ間に進入した時、少なくと
も当該金属帯自身の制約条件を満たしたライン速度にな
っており、金属帯がこれらのルーパ間を上流側から下流
側に移送される間にその位置に応じて逐次制約速度を満
たした最大速度で運転されるため、ラインの操業能率を
損なわず、突発的なトラブル以外の要因で入出側ルーパ
ネックのライン停止に至ることはない。またこの速度変
更は緩やかに行うため、板温変動、張力変動は少なく、
絞り・蛇行等の操業トラブルも発生しにくいため、安定
通板も期待できる。
【0013】
【実施例】以下本発明の具体的実施例を添付図面に基づ
き説明する。図1は出側にテンパーミルを有するストリ
ップの連続焼鈍ラインにおける本発明法の実施構成の一
例を示している。図中18は中央速度算出器であって、
装入ストリップ情報メモリ20及びオーダー情報メモリ
19のメモリ情報、出側最適分割計算装置21からの出
側分割長、更にルーパ容量やパス長等の炉構成仕様を基
に、これから装入される複数本分のストリップの制約速
度を算出する計算装置である。17は速度変更タイミン
グ計算装置であって、溶接点やサイズ変更点が入側、中
央、出側の各制約範囲に進入、退出した時に溶接点・サ
イズ変更点トラッキング装置14よりその進入・退出信
号を受信し、前記中央速度算出器18からの制約速度設
定より減速タイミングまたは加速タイミングを計算し、
現在の位置から減速開始ポイントのストリップ進み距離
をプリセットエコーカウンタ15に設定する。このプリ
セットエコーカウンタ15は、設定された進み距離分ス
トリップが移送された場合、前記速度変更タイミング計
算装置17に対してエコーを返す。この速度変更タイミ
ング計算装置17が該エコーを受信すると、当該制約範
囲の次制約速度と加減速率を速度制御装置16に設定す
る。この速度制御装置16は設定された制約速度及び加
減速率に従ってライン速度を変更する。
【0014】以上の制御構成において実施される本発明
の制御工程では、中央制約速度算出と速度変更タイミン
グの算出と加減速率の決定が各行われており、これらを
夫々の場合に分けて次に説明する。
【0015】〈中央制約速度算出方法〉一般的に、中央
速度を制約する条件は次の3つに大きく分けられ、下記
表1にはその場合の夫々の制約条件の内容と制約範囲が
示されている。 1)入側制約条件…入側ダウンタイムと入側ルーパ長に
よる制約 2)中央制約条件…炉負荷燃焼、熱処理方法による制約 3)出側制約条件…出側ダウンタイムと出側ルーパ長に
よる制約
【0016】
【表1】
【0017】入側、中央、出側の各セクションの夫々の
制約速度は、表1にその内容を示した各制約条件(V1
〜V9)を満足する速度、即ち下記数1乃至数3に示す
各制約速度の最小速度(Ve、Vc、Vd)とする。但し
入側制約速度Ve、中央制約速度Vc、出側制約速度Vd
は下記数4に示す条件を満足している。
【0018】
【数1】 e=min(V1、V2、V3)
【0019】
【数2】 c=min(V4、V5、V6)
【0020】
【数3】 d=min(V7、V8、V9)
【0021】
【数4】 V99≦Ve、Vc、Vd≦min(V10、V11)
【0022】そしてストリップが入側、中央、出側の各
セクションの制約範囲に進入してきた時、上記のように
して求められた各セクションの制約速度以上の中央速度
であったなら、入出側ルーパネックでライン停止する
か、若しくは品質上所定の材質が得られない等、操業上
何らかのトラブルが発生する。そういう意味からこれら
の制約速度は、安定に操業する上で守らなければならな
い最も能率的な速度である。
【0023】〈速度変更タイミング算出方法〉ストリッ
プが入側、中央、出側の各セクションの制約範囲に移送
される前までに、予測推定された速度に達していなけれ
ばならない。その速度変更タイミングの算出方法を次に
説明する。
【0024】1)各セクションにおけるストリップの進
入・退出信号(以下トラッキングイベントと言う)が発
生した時、次に装入されるストリップ以降の制約速度と
現在速度から減速目標速度と必要減速距離を求め、次式
数5乃至数8より減速開始ポイントPを求める。例えば
装入ストリップの順序をA、B、C、D、…として、今
Aのストリップが炉内に進入した場合を考えると、ライ
ンスピードが既にストリップAの目標速度に達している
とした上で、次に減速するタイミング(ここでは減速開
始ポイントP)、減速目標速度Vを数5乃至数8に従い
求める。
【0025】
【数5】 B=LA−DB
【0026】
【数6】 C=LA+LB−DC
【0027】
【数7】 P=min(PB、PC、…)
【0028】
【数8】 V=min(VB、VC、…) ここで、 LA:ストリップAの長さ LB:ストリップBの長さ DB:現在速度からストリップBの目標速度迄の減速距
離 DB=(VO 2−VB 2)/(2×α) α:減速率 VO:現在速度 DC:現在速度からストリップCの目標速度迄の減速距
離 PB:現在速度からストリップBの目標速度へ減速する
時の減速開始ポイ ント PC:現在速度からストリップCの目標速度へ減速する
時の減速開始ポイ ント P:プリセットエコーカウンタ15に設定する減速開始
ポイント V:速度設定値
【0029】尚、上記プリセットエコーカウンタ15は
ストリップ移送距離の減算カウンタであり、プリセット
した距離分ストリップが移送されると、そのエコーとし
てパルスを発するものである。従ってプリセットエコー
カウンタ15に減速開始ポイントPをプリセットする
と、現在位置に対してストリップがPだけ移送された時
点で、減速を開始する。
【0030】上記の減速タイミングは、ストリップ長や
減速率、目標速度によって異なり、図2に示したケース
1のように、先行材が炉内通過中に次行材の目標速度に
(更にこれを繰り返しながら)順次減速する場合もあれ
ば、図3に示したケース2のように、炉内に装入された
ストリップ通板中に複数本後のストリップの目標速度に
向かい減速する場合もある。このため減速目標速度は次
に装入されるストリップの目標速度とは限らず、この場
合は次装入ストリップ以降複数本のストリップを対象に
してその減速タイミングを計算する。
【0031】2)前記1)のタイミング計算は、各セク
ションのトラッキングイベントが発生する時に行われる
ため、各セクションに次に移送されてくるストリップの
制約速度は変化してしまう。従って中央速度は全てのセ
クションの制約速度を満たす必要があり、次のように制
御する。
【0032】プリセットエコーカウンタ15は、各セク
ション単位に保有し、次表2に示すようなカウンターテ
ーブルを保有する。
【0033】
【表2】
【0034】夫々のプリセットエコーカウンタ15から
エコーが発せられた時、 当該エコーが発せられたプリセットエコーカウンタ1
5のカウンタテーブル上の目標速度が現在速度よりも高
ければ、速度減速指令は出さない。 減速中である場合は、カウンタテーブル上よりプリセ
ットフラグを参照し、現在減速中の減速目標速度が当該
エコーの減速目標速度より低ければ、そのまま減速を継
続する(プリセットフラグは減速指令を出した場合立て
ておくものとする)。 上記の場合で現在減速中の減速目標速度が当該エコ
ーの減速目標速度より高ければ、減速目標速度を当該エ
コーの減速目標速度に置き換え、減速を継続する。
【0035】このように、各セクションは個々にプリセ
ットエコーカウンタ15に減速ポイントを設定するが、
夫々のエコー受信時、カウンタテーブルより各セクショ
ンの速度設定の一元管理を行い、制約速度を満たす設定
としている。
【0036】3)もしルーパ間に進入しているストリッ
プの制約速度(以降現制約速度という)が現在速度より
高い場合、現制約速度まで加速する。但し次に所定の減
速率で減速する時に、制約速度を満足する減速目標速度
を定める。
【0037】加速・減速条件の計算方法の一例を図4に
より説明する。同図(a)の横軸は時間、縦軸は速度を
表す。原点は計算の基準となる現時点に取り、現速度を
0とする。現時点のコイル位置から入・出側で発生す
る各種イベントまでのコイル長さ(後述するlzi)が分
かっているので、仮に現速度V0のままで進と考えて、
それらの発生する時間とその区間の制約速度を同図のよ
うに配置する。例えばコイル1は出側トラッキングイベ
ント間で速度制約V1があり、そのイベントはT1からT
3の間に条件となることを示す。コイル2、3‥‥につ
いても同様となる。以下コイルiで示す。
【0038】コイルiについて現時点から加速度αai
加速し、低速条件後に減速率αdiとして所定速度Vi
する条件を考える。この時の最大速度をVi *'とする。
現時点(0)から時間Tiまでにコイルが進む距離を考
えると、図4(b)の斜線部全てに次のようになる。即
ちの部分は下式数9のように、またの部分は下式数
10のように、更にの部分は下式数11のようにな
る。
【0039】
【数9】
【0040】
【数10】
【0041】
【数11】
【0042】コイルiの現時点から制約対象条件になる
までの距離をlziとすると、これは上記の合計距
離なので次式数12のようになる。
【0043】
【数12】
【0044】これをVi *'について解くと下式数13と
なり、更に下式数14が求められる(但しT・Vi *'
定速移動距離でKと置く)。
【0045】
【数13】
【0046】
【数14】
【0047】上記数14は、現速度のままで進むとした
仮定によらず成立する。このようなVi *'を求めること
を各コイルi=1、2、‥‥について実施する。能率を
上げるためにはVi *'が大きい程良いが、全ての制約条
件を満足させる必要もあるので、Vi *'の中で最小のコ
イルi=nを求め、そのコイルnについて制約条件を満
たす速度軌跡を描くように速度制御する。図4の例では
2 *'が最低条件となる。
【0048】以上のロジックを実施することにより、図
5に示された速度制御が可能となる。同図はセクション
を入側と出側に限定したものであるが、各ストリップが
セクションA、B、C、Dに到達した時、その中央速度
は全セクションの制約速度Ve、Vdを満たしている。
【0049】〈加減速率の決定方法〉本発明による中央
速度制御は、板温制御に影響を及ぼさない程度の低加減
速率で行うものとしている。一般的には、板温計からの
フィードバックによるTIC板温制御が行われている場
合、その板温制御応答は、炉の構成パス長、燃焼・冷却
能力によっても異なるが、本発明者等の実験によれば、
重量能率(TON/Hr)及び板厚によって影響を受
け、各熱処理炉の板温変動しない限界速度(律速線)
は、図6に示すようになる。加熱炉では重量能率(TO
N/Hr)が低い程加速率が高くとれ、減速率は小さく
なる。またロール冷却を主体とした冷却炉では、律速線
は板厚に反比例し、薄い板厚程加減速率を高くとれる。
従って各ストリップの板厚と目標中央速度から図6の律
速線を求め、加速範囲、減速範囲の中で、最も高い加減
速率で速度変更する。通常1〜20mpm/minの加
減速率であれば、板温制御も追従でき各ゾーン出側板温
は変動しないという知見も得られている。そして低加減
速率で速度変更することにより、速度変更による炉内張
力変動も少なくなり、蛇行や絞りの発生しない安定した
通板が期待できる。更に中央速度を板温制御の操作端と
して積極的に使用する場合は、通常その加減速率は少な
くとも前記加減速率の20倍以上にもなり、板温制御上
独立して制御ができるようになる。
【0050】
【発明の効果】以上説明した本発明法によれば、各金属
帯の最適な中央速度を予測し、該金属帯が炉内に進入す
る時、予測した最適中央速度になるように速度設定タイ
ミングを計算し、板温変動が発生しない加減速率で滑ら
かに速度変更しているため、連続焼鈍ラインの高能率操
業が可能となり、且つ該ラインで製造された製品の品質
も高いものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストリップの連続焼鈍ラインにおける本発明法
の実施構成の一例を示す概略図である。
【図2】本実施例における減速タイミングのタイムチャ
ートの一例を示すグラフである。
【図3】同実施例における減速タイミングのタイムチャ
ートの他の例を示すグラフである。
【図4】本実施例において加速する場合に次コイル以降
の制約条件を満足する加速方法を示すグラフである。
【図5】本実施例において速度制御がなされた場合に、
得られた中央速度の実測値を示すグラフである。
【図6】重量能率及び板厚によって影響を受ける板温制
御応答実験における各熱処理炉の板温変動しない限界速
度を示すグラフである。
【符号の説明】
14 溶接点・サイズ変更点トラッキング装
置 15 プリセットエコーカウンタ 16 速度制御装置 17 速度変更タイミング計算装置 18 中央速度算出器 19 オーダー情報メモリ 20 装入ストリップ情報メモリ 21 出側最適分割計算装置
フロントページの続き (72)発明者 大森 宏次 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 岡田 哲夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−2048(JP,A) 特開 平6−212287(JP,A) 特開 平5−255764(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 1/00,1/26 C21D 9/56,11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入出側にルーパを持ち、これらのルーパ
    間に加熱炉、冷却炉等の焼鈍設備を直列配置した連続焼
    鈍ラインにおいて、品種、寸法の異なる金属帯がこれら
    のルーパ間を移送する時のライン速度を制御する中央速
    度制御の際に、入側ルーパ容量から受ける入側ルーパ制
    約速度と、炉負荷能力、均熱時間、過時効処理時間等か
    ら受ける中央制約速度と、出側ルーパ容量から受ける出
    側ルーパ制約速度と、モータ容量等の設備上の最高速度
    や最小速度、及びオペレータの設定に係る上下限速度か
    ら受ける共通制約速度と、これらすべての速度を満たす
    ための速度変更タイミングとを予測し、夫々の制約速度
    が付加される制約範囲に前記金属帯の先端が到達してか
    ら尾端が通過するまでの間、上記の全制約速度を満足す
    る最大速度に達するよう、前記中央速度の速度変更を行
    うことを特徴とする連続焼鈍ラインの中央速度制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項第1項記載の連続焼鈍ラインの中
    央速度制御方法において、その中央速度の速度変更に当
    たり、両ルーパ間の焼鈍設備の板温制御の応答性から、
    該速度変更を行うことが全ての焼鈍設備の板温制御上の
    外乱とならない加減速率を選択し、その中央速度変更に
    よって板温変動が起こらないようにしたことを特徴とす
    る請求項第1項記載の連続焼鈍ラインの中央速度制御方
    法。
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