JP5130758B2 - 連続処理ラインにおけるライン速度制御システム、方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

連続処理ラインにおけるライン速度制御システム、方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、鉄鋼業における連続焼鈍ライン、連続溶融亜鉛メッキライン、連続電気メッキライン等の、材料の連続処理ラインにおけるライン速度制御技術に関する。
一般的に、連続処理ラインにおいては、ライン入側のペイオフリールに巻かれたコイルから引き出されたストリップ(鋼板)を、ライン上の各種設備を順番に通し、全ての処理が完了した後、テンションリールで巻き取る。例えば連続溶融亜鉛メッキラインでは、ライン上に焼鈍炉、冷却炉、メッキ設備等が設置されており、これら全ての設備をストリップが連続的に通る。各コイルのストリップ長は有限であるが、1つのコイルのストリップ終端には次のコイルの先端が溶接されて連結し、それによってライン上では複数のコイルは連続的に処理される。また、出側では、1つのコイルの巻き取りが終了すると、そのストリップの終端近傍を切断し、切断点に続くストリップは別のコイルとして巻き取る。
この種の連続処理ラインにおける処理速度は、様々な制約を受ける。例えば、ラインを構成する各種設備は、それぞれが処理対象材料の種類(板厚、板幅、鋼種等)ごとに処理速度の上限を有するため、これら各種設備全ての処理速度の制約をライン速度が受けることになる。
本願発明者等は、特許文献1において、連続処理ラインを構成する全設備の能力を最大に利用するように、連続処理可能な最高のライン速度を自動的に設定することを目的として、各設備での上限処理速度やライン入・出側での上限処理速度を参照し、速度スケジュールを作成する連続処理ラインの速度制御方法を提案している。
特開平6−2048号公報
特許文献1にあるように生産性が高く、連続処理可能な最高のライン速度を自動的に設定できるようにする一方で、操業状況の変化等に柔軟に対応できるようにオペレータの意図を反映させられるようにするのが望ましい。
本発明は、連続処理可能な生産性の高いラインの速度を自動的に設定できることができ、且つ、オペレータの意図を反映させたライン速度スケジュールを自動的に作成できるようにすることを目的とする。
本発明のライン速度制御システムは、材料の連続処理ラインにおけるライン速度を制御するライン速度制御システムであって、前記連続処理ライン中の区間を指定しての上限速度をオペレータ入力するためのオペレータ入力手段と、前記連続処理ライン上の制約に応じた上限速度を算出し、該算出された上限速度及び前記オペレータ入力手段により入力された上限速度のうち、前記材料の位置に応じて適用される全ての上限速度の中から最小のものを選択することによりライン速度スケジュールを作成するライン速度スケジュール作成手段を備えことを特徴とする。
本発明のライン速度制御方法は、材料の連続処理ラインにおけるライン速度を制御するライン速度制御方法であって、前記連続処理ライン中の区間を指定しての上限速度をオペレータ入力するためのオペレータ入力手段を備えたコンピュータが、前記連続処理ライン上の制約に応じた上限速度を算出し、該算出された上限速度及び前記オペレータ入力手段により入力された上限速度のうち、前記材料の位置に応じて適用される全ての上限速度の中から最小のものを選択することによりライン速度スケジュールを作成するライン速度スケジュール作成手順を実行することを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、材料の連続処理ラインにおけるライン速度を制御する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記連続処理ライン中の区間を指定しての上限速度をオペレータ入力するためのオペレータ入力手段を備えたコンピュータに、前記連続処理ライン上の制約に応じた上限速度を算出し、該算出された上限速度及び前記オペレータ入力手段により入力された上限速度のうち、前記材料の位置に応じて適用される全ての上限速度の中から最小のものを選択することによりライン速度スケジュールを作成するライン速度スケジュール作成処理を実行させる
本発明によれば、高生産性で、オペレータの意図を反映させたライン速度スケジュールを自動的に作成することができ、操業状況の変化等に柔軟に対応することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1に、本発明を適用可能な鋼板の連続処理ラインの概略構成例を示す。図1に示す連続処理ラインは、加熱炉101、均熱炉102、一次冷却炉103、過時効炉104、二次冷却炉105等の、熱処理のための設備を備える。
図1には、処理対象の材料としてコイルA、コイルB、及びコイルCを示す。これら材料はライン入側に設置されたペイオフリール(図示せず)に装着され、先端から引き出されてライン入側に供給され、処理が完了したコイルはライン出側に設置されたテンションリール(図示せず)に巻き取られる。ここでは、コイルAの後端にコイルBの先端が溶接され、コイルBの後端にコイルCの先端が溶接されて、連続的にラインに供給される。各コイルの処理が完了すると、溶接点の近傍で切断が実施され、各々のコイルに分離されてテンションリールで巻き取られる。なお、切断位置の近傍には、目視検査のための検査台が設置されている。
ラインの入側にはループカー106が設置されており、ラインを動かしたまま、処理中のコイルの後端の移動を一時的に止めることができる。これにより、入側のペイオフリールに次のコイルを装着したり、処理中のコイルの後端と次に処理するコイルの先端とを溶接したりする操作、即ち入側のハンドリングを容易に行うことができる。また、ラインの出側にもループカー107が設置されており、ラインを動かしたまま、処理中のコイルの先端の移動を一時的に止めることができる。これにより、処理を終了したコイルの後端と処理中のコイルの先端とを切断したり、出側のテンションリールのコイルを付け替えたりする操作、即ち出側のハンドリングを容易に行うことができる。
また、図1には示していないが、ラインの入側、中央部、及び出側には、処理中の材料の移動量に応じたパルス信号を発生するパルス発生器と、溶接点に形成される貫通孔を検出した時に位置信号を出力する溶接点検出器とが設置されている。パルス発生器は、例えばライン上でストリップを搬送駆動する電気モータの駆動軸に連結された回転量検出器により構成される。また、溶接点検出器は、例えばストリップをその厚み方向に挟むように配置された透過型の光学センサにより構成される。
図2に、図1に示す連続処理ラインの駆動速度(ストリップの搬送速度)を制御するライン速度制御システムの構成を示す。
ライン速度制御を実施するプロセスコンピュータ20には、製造工程全体を管理するビジネスコンピュータ(ビジコン)10から、コイル供給スケジュール及び各コイルの仕様等の情報が入力される。具体的には、コイルNo.、鋼種、幅、厚み、長さ、目標板温(加熱炉101出側での板温、冷却炉103、105出側での板温)、通板順位等が入力される。
また、プロセスコンピュータ20には、各コイルの実際の位置を把握するために、パルス発生器PG1〜PG3、並びに、溶接点検出器DT1〜DT3の信号が入力される。
ライン駆動用モータ制御装置30は、プロセスコンピュータ20が生成した目標速度に基づいて電気モータMを制御し、ライン速度を調整する。
オペレータは、詳しくは後述するが、端末装置40を介してライン速度に関するオペレータ入力を行うことができる。ライン速度に関するオペレータ入力として、ライン中の区間を指定しての上限速度を入力することができる(「操業指定ネック速度入力」ともいう)。この場合に、このオペレータ入力を適用する製造仕様に関する要因(材質、板厚、板幅、目標板温、鋼種、向先等)も入力して関連付けることができる。その他、ライン速度に関するオペレータ入力として、ライン速度の増減(差分)値を入力したり、ライン速度の上限リミット値を入力したりすることができる。ここで、ライン速度の増減(差分)値は、上限速度の増減補正値(元々の上限速度は設備能力ネックで規定されるため通常はマイナス値)、上限リミット値は上限速度のリミット値であり、例えばライントラブル時等にある一定の速度以上に速度を上げたくないような場合に使用される。また、ライン速度に関するオペレータ入力として、目標板温を入力することができる。
本実施形態のプロセスコンピュータ20は、コイル位置トラッキング処理部21、コイル別上限速度計算処理部22、ライン速度スケジュール作成処理部23、ライン速度目標値生成処理部25、加熱炉板温制御処理部26a、一次冷却炉板温制御処理部26b、二次冷却板温制御処理部26cとを備える。本実施形態では、コイル別上限速度計算処理部22、ライン速度スケジュール作成処理部23が相俟って本発明でいうライン速度スケジュール作成手段として機能する。
コイル位置トラッキング処理部21では、各々のコイルがどの位置に存在するかを常時把握する。即ち、各々のコイルがライン各部に供給されるタイミングは、ビジコン10が出力するコイル供給スケジュールによって知ることができるので、その情報に基づいて、各溶接点検出器DT1〜DT3が溶接点、即ちコイル後端及び先端を検出したタイミングと各溶接点検出器が設置された位置と、各パルス発生器PG1〜PG3が出力するパルス数によって計算される移動距離とから、各々のコイルの先端及び後端の位置を正確に検出する。
コイル別上限速度計算処理部22では、各々のコイルについて、連続処理ライン上の制約に応じた各種上限速度(ネック速度)を計算し、その結果を出力してライン速度スケジュール作成処理部23に渡す。連続処理ライン上の制約として、例えば各炉での処理には必要な熱処理量が定まるので、各々の必要な熱処理量に対応して上限速度が算出される。プロセスコンピュータ20は、所定のイベントが発生したときにコイル別上限速度計算処理部部22によるコイル別上限速度計算処理を実行する。具体的には、ビジコン10からコイル供給スケジュール又は各コイルの仕様の情報の入力があったとき、更には端末装置40を介してオペレータ介入(ライン速度に関するオペレータ入力)があったとき、コイル別上限速度計算処理を実行する。
図3は、コイル別上限速度計算処理部22によるコイル別上限速度計算処理を説明するためのフローチャートである。上述したように所定のイベントが発生したときにコイル別上限速度計算処理を開始し(ステップS101)、全コイルについて計算が終了するまでステップS103〜S109を繰り返す(ステップS102)。
ステップS103では、ビジコン10から入力される情報、即ち幅W、厚みD、長さL、目標板温T等を取得する。
ステップS104では、幅W、厚みD、目標板温Tをパラメータとして含む関数を計算して、加熱炉101における上限速度V1を計算する。加熱炉101の加熱能力には限度があり、一般的には目標板温Tが高くなるに従って、又幅W、厚みDが大きくなるに従ってそれを処理可能な速度の上限は下がる。
ステップS105では、幅W、厚みD、目標板温Tをパラメータとして含む関数を計算して、一次冷却炉103における上限速度V2を計算する。ステップS106では、幅W、厚みD、目標板温Tをパラメータとして含む関数を計算して、二次冷却炉105における上限速度V3を計算する。冷却炉103、105の冷却能力には限度があり、一般的には目標板温Tが低くなるに従って、又幅W、厚みDが大きくなるに従ってそれを処理可能な速度の上限は下がる。
ステップS107では、区間を指定しての上限速度のオペレータ入力がなされており、そのオペレータ入力を適用する要因に合致している場合は、オペレータ入力された上限速度(オペレータI/P値)を上限速度V4とする。不図示の操業指定ネック速度入力画面において、要因(材質、板厚、板幅、目標板温、鋼種、向先等)のand条件、上限速度V4、区間を入力することができる。
ステップS108では、オペレータにより入力されているライン速度の増減値や上限リミット値を用いて補正処理を行う。図7には、ライン速度の増減値Δ及びライン速度の上限リミット値Vuppを入力する入力部の一例を示す。図示例では、デジスイッチ701によりライン速度の上限リミット値を設定し、バイアスつまみ702を回転操作することによりライン速度の増減値を設定し、それぞれ読込みボタン703、704を押下することで、プロセスコンピュータ20に入力することができる。
ここで、図5を参照して、ステップS108の補正処理について説明する。まず、加熱炉上限速度V1を増減値Δを用いて補正し(ステップS301)、その結果が上限リミット値Vuppを超えたかどうか判定する(ステップS302)。上限リミット値Vuppを超えていない場合はそのままステップS304に進み、上限リミット値Vuppを超えていた場合は上限リミット値Vuppにクランプしてから(ステップS303)ステップS304に進む。以下、同様に、一次冷却炉上限速度V2、二次冷却炉上限速度V3、オペレータ指定の上限速度V4それぞれについて増減値Δを用いて補正し(ステップS304、S307、S310)、その結果が上限リミット値Vuppを超えていた場合は上限リミット値Vuppにクランプする(ステップS305及びS306、S308及びS309、S311及びS312)。
なお、デジスイッチ701やバイアスつまみ702が変更されて読込みボタン703、704が押下されない限り、現在設定されている増減値や上限リミット値を用いて補正処理が行われるものとする。
図3に説明を戻して、ステップS109では、ステップS103〜S108の計算結果である各種上限速度を出力する。そして、ステップS102では、全コイルについて計算が終了するまでステップS103〜S109を繰り返し、その後、コイル別上限速度計算処理を終了する。この場合に、プロセスコンピュータ20が、上限速度とライン上での位置との関係を画面表示する等してオペレータガイダンスするようにしてもよい。
なお、本例では、連続処理ライン上の制約として加熱炉101、冷却炉103、105だけを説明したが、それ以外にも、例えば検査台で目視検査のための制約、ライン入側や出側でのハンドリング作業のための制約を考慮し、それらの上限速度を算出するようにしてもよい。
ライン速度スケジュール作成処理部23では、コイル別上限速度計算処理部22によって得られた各々の上限速度について、それが適用されるライン上での位置の範囲を求め、その結果に基づいてライン速度スケジュールを作成する。プロセスコンピュータ20は、コイル別上限速度計算処理部22から計算結果(各種上限速度)が出力されたときにライン速度スケジュール作成処理部23によるライン速度スケジュール作成処理を実行する。
図4は、ライン速度スケジュール作成処理部23によるライン速度スケジュール作成処理を説明するためのフローチャートである。上述したようにコイル別上限速度計算処理部22から計算結果(各種上限速度)が出力されたときにライン速度スケジュール作成処理を開始し、全コイルについて計算が終了するまでステップS202〜S214を繰り返す(ステップS201)。
ステップ202では、コイル位置トラッキング処理部21によって得られた各コイルのトラッキング位置情報、即ち各コイルの先端及び後端が現在どこに位置するかを示す情報を取得する。
ステップ203では、各コイルの先端が加熱炉101の入口に既に達しているか否かを判定し、その結果に応じてステップ204又は205に進む。即ち、コイルの先端が加熱炉101の入口の手前に位置するときには、ステップ204で位置レジスタP11にコイル先端から加熱炉101の入口までの搬送距離の値をストアし、位置レジスタP12には、そのコイルの長さ及び加熱炉101の入口から出口までの距離L1をP11の値に加えた結果をストアする。また、コイルの先端が加熱炉101の入口より下流側に存在するときには、ステップ205で位置レジスタP11に0をストアし、位置レジスタP12には、加熱炉101の出口からコイルの後端までの距離をストアする。例えば図1に示す状態では、コイルAについては既にコイル後端が加熱炉101出口を通過しているので、P11は0、P12の内容はマイナスになり、これはコイルAが加熱炉101の上限速度の影響を受けないことを意味する。コイルBの場合、その先端が加熱炉101出口より下流側に位置するので、ステップ205が実行され、P11に0がストアされ、P12にはコイルBの長さ−Laの計算結果がストアされる。
ステップ206では、各コイルの先端が一次冷却炉103の入口に既に達しているか否かを判定し、その結果に応じてステップ207又は208に進む。即ち、コイルの先端が冷却炉103の入口の手前に位置するときには、ステップ207で位置レジスタP21にコイル先端から冷却炉103の入口までの搬送距離の値をストアし、位置レジスタP22には、そのコイルの長さ及び冷却炉103の入口から出口までの距離L2をP21の値に加えた結果をストアする。また、コイルの先端が一次冷却炉103の入口より下流側に存在するときには、ステップ208で位置レジスタP21に0をストアし、位置レジスタP22には、冷却炉103の出口からコイルの後端までの距離をストアする。
ステップ209では、各コイルの先端が二次冷却炉105の入口に既に達しているか否かを判定し、その結果に応じてステップ210又は211に進む。即ち、コイルの先端が冷却炉105の入口の手前に位置するときには、ステップ210で位置レジスタP31にコイル先端から冷却炉105の入口までの搬送距離の値をストアし、位置レジスタP32には、そのコイルの長さ及び冷却炉105の入口から出口までの距離L3をP31の値に加えた結果をストアする。また、コイルの先端が二次冷却炉105の入口より下流側に存在するときには、ステップ211で位置レジスタP31に0をストアし、位置レジスタP32には、冷却炉105の出口からコイルの後端までの距離をストアする。
ステップ212では、各コイルの先端がオペレータによる指定区間の入口に既に達しているか否かを判定し、その結果に応じてステップ213又は214に進む。即ち、コイルの先端が指定区間の入口の手前に位置するときには、ステップ213で位置レジスタP41にコイル先端から指定区間の入口までの搬送距離L4(図1では不図示)の値をストアし、位置レジスタP42には、そのコイルの長さ及び指定区間の入口から出口までの距離L4をP41の値に加えた結果をストアする。また、コイルの先端が指定区間の入口より下流側に存在するときには、ステップ214で位置レジスタP41に0をストアし、位置レジスタP42には、指定区間の出口からコイルの後端までの距離をストアする。
位置レジスタP11及びP12の内容は上述した加熱炉上限速度V1が適用される範囲を示し、位置レジスタP21及びP22の内容は上述した一次冷却炉上限速度V2が適用される範囲を示し、位置レジスタP31及びP32の内容は上述した二次冷却炉上限速度V3が適用される範囲を示し、位置レジスタP41及びP42の内容は上述したオペレータ指定の上限速度V4が適用される範囲を示す。これらの速度及びそれが適用される範囲の情報は、各々のコイルについて求められ(ステップS201)、全コイルについて計算が終了したならば、ステップS215で速度スケジュールを作成した後、ライン速度スケジュール作成処理を終了する。
図6(a)には、各上限速度及びそれが適用される範囲の情報をグラフ化した例を示す。なお、各符号の添字A、B、及びCはコイルの区分を示している。
これらの情報に基づいて、ステップ215では、現在からある程度先までの各時点(実際には現在からのラインの進行距離に対応する各位置)において、その時に適用される全ての上限速度(全コイルのV1、V2、V3、V4のうち適用範囲にあるもの)のうち、最小のものを選択し、その速度をその時点のライン速度に定める。このようにして、図6(b)に実線で示すライン速度スケジュールが作成される。
ところで、実際の連続処理ラインにおいては瞬間的にライン速度を変更することはできないので、作成したライン速度スケジュールを一部修正し、図6(b)に符号601で示すようにライン速度を徐々に無段階的に変更するよう修正する。例えば、コイルの仕様や炉(制約)といった上限速度の変更要因に応じて、加速時速度変更レートや減速時変更レートを予めテーブル化等しておく。そして、ライン速度を上げ下げする時には、変更要因に基づくテーブル検索により(加速時、減速時)速度変更レートを決定し、その決定した速度変更レートに従って速度を上げ下げするように修正する。一例を挙げれば、熱慣性の大きい加熱炉でのライン速度変更時は、速度変更レートを比較的大きくすることにより、加熱炉板温偏差を大きくすることなく最適な速度変更が可能になる。
また、上記のように無段階的にライン速度を変更するのではなく、段階的に変更するようにしてもよい。速度変更量及び速度変更レートに基づいて、まず速度変更時間を決め、速度変更量を1回当たりの速度変更幅(固定値)で割って、速度変更回数、変更タイミングを求めて、図6(b)に符号602で示すようにライン速度を段階的に変更するよう修正する。
このようにライン速度を段階的に変更する場合、例えば時定数の大きい加熱炉101において、板温状況を監視しながら速度変更タイミングを微調整することも可能である。具体的には、段階的にライン速度を上げる場合、各タイミングで加熱炉における(目標板温−実績温度)が閾値以上であるかを判定し、(目標板温−実績温度)≧閾値であれば、そのタイミングでの速度変更を見送る。即ち、板温が目標より低い場合には、ある程度タイムラグをいれて、その後速度を上げる。最終的には目標となるライン速度まで上げる。
ライン速度目標値生成処理部25では、ライン速度スケジュール作成処理部23によって生成されたライン速度スケジュール(修正後のもの)と、コイル位置トラッキング処理部21から出力される位置情報(移動量)とに基づいて、現在設定すべきライン速度を決定し、それを目標速度としてライン駆動用モータ制御装置30に出力する。図6の例では、修正後スケジュールにおいて、現在位置(距離が0の位置)のライン速度が130(m/分)であるので、130(m/分)にライン速度を設定する。この時点からラインが100m進むと、スケジュ−ルではライン速度が120(m/分)になっているので、その時には120(m/分)をライン速度に設定する。ライン駆動用モータ制御装置30では、ライン速度目標値生成処理部25から出力されるライン速度(目標速度)に基づいて、ライン速度を制御する。
加熱炉板温制御処理部26a、一次冷却炉板温制御処理部26b、二次冷却板温制御処理部26cでは、ライン速度スケジュール作成処理部23によって生成されたライン速度スケジュール(修正後のもの)に基づいて各々の炉での板温制御処理を行う。なお、ライン速度スケジュールが変更される度にライン速度目標値生成処理部25が各板温制御処理部26a〜26cにライン速度スケジュールを出力するようにしてもよいし、板温制御処理周期ごとに各板温制御処理部26a〜26cがライン速度目標値生成処理部25からライン速度スケジュールを取得するようにしてもよい。
加熱炉101等では時定数が大きいため、板温制御処理は予測制御方案としており、未来のライン速度スケジュールを取り込むことで精度を向上させることができる。即ち、板温制御処理部26a〜26cには、ライン速度スケジュールがフィードフォワードされるので、実際にそのライン速度(目標速度)へと制御されるときに目標板温が保たれるように各炉101、103、105を制御する。実際のライン上において特に加熱炉等では応答性が劣るが、事前にライン速度スケジュールが通知されることで、加熱炉板温制御処理部26aは早めのアクションをとることができる。
なお、本実施形態では、ライン速度スケジュールに基づいて、連続処理ライン上でライン速度の制御以外の制御処理として板温制御処理を行う例を説明したが、メッキ付着量制御処理等を行うようにしてもよい。
以上述べたように、連続的処理可能な最高のライン速度を自動的に設定することができる一方で、端末装置40を介してオペレータ介入も可能となっている。各種設備の不調や改良、操業状況の変化に応じて、区間を指定しての上限速度を入力したり、ライン速度の増減値や上限リミット値を入力したり、目標板温を入力したりすることにより、オペレータの意図を反映させることができる。オペレータ介入があった場合、コイル別上限速度計算処理部22は再び計算を実施して修正された各上限速度の値を出力し、ライン速度スケジュール作成処理部23は修正された各上限速度に基づいてスケジュールを作成するので、ダイナミックにライン速度スケジュールを変更することが可能である。
なお、図6の例では、現在から2000m先までのスケジュールを作成したが、計算処理を短時間で実施でき、スケジュ−ル作成の周期が短い場合には、もっと狭い範囲(例えば現在から500m先まで)のスケジュール作成でも充分である。
また、上記実施形態では、ライン速度スケジュールを現在からのラインの移動距離で示しているが、現在からの経過時間で示すスケジュールに変更してもよい。その場合には、ライン速度が変わる度にスケジュールを計算し直す必要があるので、処理が複雑化する。
図8には、プロセスコンピュータ20として機能しうるコンピュータシステムのハードウェア構成例を示す。コンピュータシステムは、CPU80と、入力装置81と、表示装置82と、記憶装置83とを含み、各部はバス84を介して接続される。記憶装置83はROM、RAM、HD等により構成されており、上述したプロセスコンピュータとしての動作を制御するコンピュータプログラムが格納される。CPU80がコンピュータプログラムを実行することによってプロセスコンピュータの機能、又は処理を実現する。なお、プロセスコンピュータ20は一つのコンピュータ装置により構成されてもよいし、複数のコンピュータ装置により構成されてもよい。
また、本発明の目的は、プロセスコンピュータ20の機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムを、コンピュータ(又はCPUやMPU)が実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたコンピュータプログラム自体及びそのコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。コンピュータプログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
本発明を適用可能な連続処理ラインの構成例を示すブロック図である。 連続処理ラインの駆動速度を制御する速度制御システムの構成を示すブロック図である。 コイル別上限速度計算処理を説明するためのフローチャートである。 ライン速度スケジュール作成処理を説明するためのフローチャートである。 オペレータ介入による補正処理を説明するためのフローチャートである。 各種上限速度とその適用範囲、及び、それに基づいて生成されたライン速度スケジュールを示すグラフである。 ライン速度の増減値及び上限値を入力する入力部の一例を示す図である。 プロセスコンピュータとして機能しうるコンピュータシステムのハードウェア構成例を示す図である。
符号の説明
10:ビジネスコンピュータ
20:プロセスコンピュータ
21:コイル位置トラッキング処理部
22:コイル別上限速度計算処理部
23:ライン速度スケジュ−ル作成処理部
25:ライン速度目標値生成処理部
26a:加熱炉板温制御処理部
26b:一次冷却炉板温制御処理部
26c:二次冷却板温制御処理部
30:ライン駆動用モータ制御装置
40:端末装置
PG1〜PG3:パルス発生器
DT1〜DT3:溶接点検出器

Claims (8)

  1. 材料の連続処理ラインにおけるライン速度を制御するライン速度制御システムであって、
    前記連続処理ライン中の区間を指定しての上限速度をオペレータ入力するためのオペレータ入力手段と、
    前記連続処理ライン上の制約に応じた上限速度を算出し、該算出された上限速度及び前記オペレータ入力手段により入力された上限速度のうち、前記材料の位置に応じて適用される全ての上限速度の中から最小のものを選択することによりライン速度スケジュールを作成するライン速度スケジュール作成手段を備えことを特徴とするライン速度制御システム。
  2. 前記上限速度のオペレータ入力には、該上限速度を適用するか否かの条件としての製造仕様に関する要因が関連付けられることを特徴とする請求項1に記載のライン速度制御システム。
  3. 前記オペレータ入力手段では、前記各上限速度の増減補正値であるライン速度の増減値及び前記各上限速度のリミット値であるライン速度の上限リミット値のうち少なくともいずれか一方がオペレータ入力可能であり、
    前記ライン速度スケジュール作成手段は、前記ライン速度の増減値及び前記ライン速度の上限リミット値を用いて前記各上限速度を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載のライン速度制御システム。
  4. 前記連続処理ラインは材料を熱処理する設備を含み、
    前記ライン速度スケジュール作成手段は目標板温をパラメータに含んで上限速度を算出し、
    前記ライン速度スケジュール作成手段は、目標板温のオペレータ入力を反映させてライン速度スケジュールを作成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のライン速度制御システム。
  5. 前記ライン速度スケジュール作成手段により作成されたライン速度スケジュールにおいてライン速度を変更する際の速度変更レートが予め複数設定されており、これら速度変更レートの中からライン速度を変更することになった要因に基づいて一の速度変更レートを決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のライン速度制御システム。
  6. 前記ライン速度スケジュール作成手段は、前記決定された速度変更レートに基づいてライン速度を段階的に変更することを特徴とする請求項に記載のライン速度制御システム。
  7. 材料の連続処理ラインにおけるライン速度を制御するライン速度制御方法であって、
    前記連続処理ライン中の区間を指定しての上限速度をオペレータ入力するためのオペレータ入力手段を備えたコンピュータが、前記連続処理ライン上の制約に応じた上限速度を算出し、該算出された上限速度及び前記オペレータ入力手段により入力された上限速度のうち、前記材料の位置に応じて適用される全ての上限速度の中から最小のものを選択することによりライン速度スケジュールを作成するライン速度スケジュール作成手順を実行することを特徴とするライン速度制御方法。
  8. 材料の連続処理ラインにおけるライン速度を制御する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記連続処理ライン中の区間を指定しての上限速度をオペレータ入力するためのオペレータ入力手段を備えたコンピュータに、前記連続処理ライン上の制約に応じた上限速度を算出し、該算出された上限速度及び前記オペレータ入力手段により入力された上限速度のうち、前記材料の位置に応じて適用される全ての上限速度の中から最小のものを選択することによりライン速度スケジュールを作成するライン速度スケジュール作成処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
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